深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

深川CE Rokkor-X

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さてお立会い、今晩はまた工房の夏の新作レンズのご紹介。
何のレンズかというと、前にご紹介した、CE-Rokkor同様、ミノルタが世に送り出した引伸機用のレンズの傑作なのです。
このレンズは、国内では滅多に出ることがないため、知る人ぞ知る、電子湾夜釣りの名物となっています。

しかも、ただでさえ見かけることが少ないこのレンズを、CLE用のバリエーションに紛れ込ませるべく、MかL39マウントならまだしも、へそ曲がりエンジニアが鎮座まします、この深川の工房では、CX/Sマウント化してしまったのです。

実はこのレンズ、組み上げてから、まだ正規のフィルムによる試写は終わっていないのですが、関連団体の新宿西口写真修錬会のミーティングの際、たまたま持っていた、StoMアダプタ経由、RD-1Sでタングステンライト下で近距離の被写体を写してみましたが、シャープネス、アウトフォーカスのボケ具合い、そしてカラーバランス、ガラス製品の質感、全てにおいて高い水準の結果を残しており、早いとこ、1本撮ってみたいと言う衝動を掻き立ててくれます。

話しは前後しますが、デザイン的には、安物の一眼レフ用レンズみたいですし、しょぼいアンバー系コートにも見えますが、そこはそれ、凝り性のミノルタ設計陣が、EL-Nikkor、Compononを仮想敵と置いて開発し、ニコンもこの性能に驚き、まだまだ需要はあったガウス+オルソメター折衷型の旧El-Nikkor50mmf2.8をお払箱とし、新規にWガウス型の設計とし、El-Nikkor50mmf2.8Nを送り出すこととなったというのです。

個人的には、この前の"X"なしのものを撮影に使っても、やはりEl-Nikkorでは解像力こそ上回るものの、コントラスト、発色バランス、ボケの美しさで今一歩及ばず、Compononでは全く勝負にさえならないと思いました。

強いてライバルを上げるとすれば、おそらく世界最高性能の引伸しレンズを製造し続けていると思われるローデンシュトックの送り出す無敵のロダゴン、もしくはアポロダゴンくらいではないでしょうか。

先週末に某浅草の有名カメラ修理職人の方とお酒を飲んで懇話する機会に恵まれましたが、引伸しレンズは投射ランプの強い熱に晒されるので、貼り合わせ面などに通常の銀塩撮影用とは違った設計上の制約が求められるということを伺いました。

そういった意味では、紫外線硬化樹脂なども適宜使いながら、過酷な使用環境に耐えながら、均質な投影像を送り出すようヘビィーデューティ設計された引伸しレンズを改造して撮影に用いるというのは、とても贅沢で、意外性という点からは夢の有る遊びだなぁと思いました。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/07/01(火) 23:08:39|
  2. Sマウント改造レンズ
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甦ったノスタルジー〜Classic Heliar 50mmF2 mit Zeiss Ikon

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あいや、今宵のご紹介はまた深川精密工房附設秘宝館から、長年、主人の憧れのコンビネーションで先般のICS直前になって、やっとタグを組んだ信州製のカメラとレンズです。

ボディの方はいわずと知れたツァイスイコンシナとも称される、ツァイスイコンRFです。
このボディは国産にしてはかなり高めの価格設定で、ライカと較べるまでもなく、ツァイスブランドのカメラとしては安め?というかなり際どいゾーンを狙ったマーケットとなっています。

まぁ、ベッサR3Aのグレーを愛用しているし、これもこれでコストパフォーマンスは驚異的にイイし、AEで補整無しでシネレンズ使っても素晴らしい結果を出してくれるので、それほど、ツァイスイコンを急いで買おうとは思っていなかったのですが、或る日、中野の某量販店から信州製のSマウントゾナー復刻版が入ったぞなーもしという連絡を忘れた頃に受けて、しぶしぶ引き取りに行ったのですが、そこで、ショーケースの中に鎮座まします、黒のオリジナルフード付き、使用痕殆ど無し、保障期間残有りのクラシックヘリア50mmf2黒を見てしまったのです。

こうなったら、親の仇と出物は出会ったら討ち取れ!の家訓に従い、買って帰るしかありません、合わせて15万円強のお買物です・・・しかし、どちらも限定品だ、出会ったら討ち取れ!だ、と半ば強引の克己心を奮い起こし、カード払いで払っちゃったワケです。

Sゾナーは工房でSマウントレンズは次々作ってるし、古いニッコールの方が写りが好きなんで、気が変わるまで眠ってて貰うことにして、クラシックヘリアには、早速働いて貰うことに。

買った翌週、早速、このレンズをベッサR3Aグレーに付けて、沈同ズミとともに街撮りテストに連れ出しました。行く先はいつもの浅草、深川から大江戸線に乗って蔵前で降りると何かいつもと違う街の佇まい。

そう偶然にも、年に一度の三社祭の日だったんですねぇ。
そこで、深川から来ました♪ ヨロシコとか、独り言っぽく聞こえよがしに言いながら、ほぼ乱写状態、
闖入したお祭りの雰囲気をお裾ワケして貰ったという次第です。

そして、上がってきたのが、今回の画、色ヌケはいいし、コントラストも高すぎず、隅々まで均質で端正な写りでも開放での柔らかさが画面に溢れているし、同時にテストした、開放からカリカリのズミクロンとは正反対の写りになったようにカンジました。

このレンズは、いわずと知れた3群5枚、そうトリプレットの前後を貼り合わせにした古典的な構成ながら、今までF2.8止まりだった開放値を新種の高屈折ガラスを効果的に利用することにより、F2にまで拡張したという意欲的な製品なのです。

しかも、相当コストが掛かっているらしく、記念版のベッサR3Mとセットで発売になり、ボディは通常販売品に格上げされたのですが、幾らファンが泣いても避けんでも、セットの2000本だかで打ち止め、どうあっても再生産する気がなさそうです。

で、ボディの方は、レンズを手に入れ、しかも写りがかなり魅力的だったので、昔、中古カメラ市のコシナブースでわざとフォクトレンダーブランドのレンズをツァイスブランドのボディにくっつけたら、沈胴の古めかしいレンズデザインと直線を基調としたクラシックなデザインのボディとが妙にマッチしてしまい、いつかはバラバラに買って、自分だけのオリジナルコーディネェィトやっちゃるばい、と妙な闘志を燃やしていたので、思い立ったが吉日とばかりに今回のICS期間中にこれもまた最安値の中野のお店まで行って買ってきちゃったってわけです。

このカメラの美徳は、ファインダが手持ちのRFの中では屈指の見え方ですし、巻上げ感、シャッタ音といったメカのフィーリングに関しても良く練られていると思いますし、ホント、買って良かったと思っています。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/06/23(月) 22:48:06|
  2. 深川秘宝館
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深川ウルトロン50mmf2

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ハイサイ愛読者各位。今朝は、某友誼電站でウルトロン50mmf2の旅情シリーズやってますんで、協賛企画として、当工房製のウルトロン50mmf2改L39をご紹介さぁ。
このレンズは言わずとしれた、Voigtlender社製のProminent35用の標準レンズのひとつで、50mmF1.5のノクトン、同F2.8のカラースコパと専用バヨネットマウントで簡単に交換可能となってます。
しかしながら、これらのレンズはいずれも、構造上、ヘリコイドを持っておらず、カメラ本体の繰り出し機構で焦点を合わせる構造となっています。

このプロミネント35用の標準レンズはいずれも写りに定評があって、クラカメの森に迷い込み、レンズ沼に足を踏み入れた者は誰しも使ってはみたいと思うのですが、このボディが必ずしも評判が良くなくて、一旦買ってみても馴染めずに手放す、或いは初めからこの怪奇的な構造のボディに恐れをなし、手を出すことをためらってしまう・・・そんなこんなでこの天上の甘露の如き銘玉達は、極めて高価なL39版を買うか、或いは一部の業者に依頼して改造して使うかの何れかしかなく、なかなか世に真価が知られることがなかったのです。

当工房の創設前に信州製のプロミネント35マウント→Sマウントアダプタを買って、ノクトン50mmf1.5を愛機SPで使用していたことがありますが、なかなか思った通りピンが来ず、半ば失望してレンズにそのアダプタ付きで捨て値で叩き売ってしまった苦い経験があります。

しかし、或る時、そこそこキレイなウルトロン50mmf2付きのプロミネント35の難アリ中古を電子湾で釣り上げ、分解してマウントリングを外した時、閃くものがあり、無調整で3つの交換レンズヘッドが使えるマウントアダプタを開発したのです。これが、先にご紹介した、現在深川ノクトンに付けている一号機のアダプタで、回転式ヘリコイドを使っています。
今回ご紹介したものは、その時の知見を活かし、工房創立後、導入した工作機を駆使し、直進ヘリコイドの素材を使って製造した3号機です。

さて、このウルトロン50mmf2の写りですが、RD-1Sによる開放での作例2件をご覧頂くとお判りになりますが、極めてシャープで、色のバランスもコントラストも程良く、ボケもとても素直で、まさにクラカメの50mmf2クラスでは、好みはありましょうが、屈指の性能だと思います。
たぶん、同じシーンをいつものコニミノスーパーセンチュリアで撮っていたら、色ノリがもっとこってり濃密で更に階調再現性とコントラストの均衡点の高い写真が撮れたのではないかと思います。

いずれにせよこの銘玉を慣れたボディで気軽に街撮りに連れ出せるので、工房を創設して良かったと思うことしきりです。 [深川ウルトロン50mmf2]の続きを読む

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/06/15(日) 12:26:43|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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Carl Zeiss QBM Distagon 35mmF1.4 HFT

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さてと、今宵のご紹介は、一眼レフ系繋がりということで、当工房附設秘宝館の方から、Rollei SL35用のQBMマウントレンズ、Distagon35mmF1.4という超弩級レンズとなります。

このレンズは、Carl Zeiss社がRolleiSL35システム用に供給したものには違いありませんが、不思議なことに、"Carl Zelss"銘と”HFT”銘のいわゆるWネームになっています。

何故不思議かといえば、通常、CarlZeiss社製、もしくはそのライセンス品であれば、”T”、或いは”T*”の銘が朱色もしくはオレンジで刻印されるのですが、このレンズには、Rollei社が"独自に"開発したという高透過率のマルチコート”HFT”の刻印が誇らしげに刻んであります。 う〜ん謎だ・・・

まぁ、そういった曰く因縁の話はさておき、このレンズの面白いところは、f1.4という明るさを誇るレトロフォキュタイプのレンズなので、とにかくデカイ。
同じような開放値であるキャノンのL35mmf1.5とか、ズミルクス35mmf1.4などレンジファインダ用レンズ達と較べれば、乗用車とマイクロバス程度の差はありますし、更には驚異的な開放値を誇るコシナレンダのノクトン35mmf1.2と較べてもまだ二回り以上は大きく、比較が適切ではないかも知れませんが、一眼用で言えば28-70mmf2.8クラスのズームよりもまだ若干大振りなくらいです。

そして、このレンズの最大の特徴、そして最もお間抜けなところは、絞り羽根の形です。
何と、3枚羽根の三角形絞りです。どうせ開放でしか使うつもりはないんで、絞りの羽根が光彩として写りこむカタチとか、バックのボケのカタチなど悩まなくともイイんですが、マジメに使う人にとっては、???の作り、なんでこんなリッパなレンズなのに、ヘンなトコで手を抜いちゃったの???と頭を抱えること必至だと思います。まぁ、究極の撮像レンズのひとつであるArriflex35用のキネクセノン50mmでも
4枚羽根なんてものがありますから、あまり気にしなくてもイイのかも知れません、気にするくらいなら、開放で撮れってことですか・・・はぃはぃ、そうしますってば(笑)

しかし、このコーティングが"HFT"だろうと、実際は"T*"であろうとその物凄いところは、このレンズをマクロ撮影した画像で、もうお気づきの方もおられるでしょうが、前玉が全然反射していないところです。決して、一枚少ない欠陥レンズを買ってしまったのではなく、角度にもよりますが、撮影用の強い蛍光管に対しても殆ど無反射に近い状態を示したのです。

前にもご紹介したQBM用のプラナー35mmも後玉は国産の最新鋭レンズのマルチコーティングと較べても全く遜色なく、角度によっては全く光が反射しなくて、あたかもガラスがないように見えることがあり、まさに今回も同様の現象が期せずして再現されてしまったワケです。

で、肝心の写りの方なんですが、実はこのレンズ、SL35というよりは寧ろこの頃嵌っているEOS1Dのアダプタ遊びにでも使おうと思って買ったものですが、マウントアダプタがまだ入手できていないんで、味見できてません。
しかし、コーティングの状態からして、前にテストした35mmf2.8のディスタゴンよりも良さげなんで期待出来そうです。
乞うご期待。

テーマ:ROLLEI - ジャンル:写真

  1. 2008/06/09(月) 00:19:04|
  2. 深川秘宝館
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EOSマウント Rodenstock Apo-Rodagon75mmF4

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さてまた今宵のご紹介は工房製の改造レンズに戻ります。
前回がキヤノンのレンズ&ボディだから、キヤノン繋がりというわけでもないんですが、たまには簡単にだれでも出来るようなものも紹介したら!?という声もなきにしもあらずだったので、このところ、SLRキブンの時は、元々、お仕事兼用で買ったNikonD2Hを差し置いて連れ出す機会がとみに多いEOS-1D用に改造したレンズをご紹介です。

このレンズヘッドもとーぜんのことながら、通常の銀塩フィルム撮影用のものなどではなく、引伸機用のものを使っています。

全体は、黒のガラス繊維強化のエンプラでそこはかとなくチープな雰囲気を漂わせていますが、さにあらず、このレンズは畏れ多くも、世界に冠たる独ローデンシュトック社がアポクロマート仕様最高級グレードとして、世に送り出したスーパーレンズで、この個体自体は電子湾の夜釣りで新品同様を驚くほど安く釣り上げたのですが、新品をしかも国内で買うとなったら、目玉が飛び出て、引っ込めるのに苦労しますし、或いは卒倒してAEDの出番となるやもしれません・・・輸入ブランド品が高いのはバッグもレンズもおんなじですって・・・

このレンズ、外見はまぁ安っぽいのは致し方ないのですが、まさに水前寺清子の歌ぢゃあるまいが、中身が物凄い、アポクロマートの性能を引き出すため、5群7枚っていう橙黄色〜淡黄緑域までの色消しを担当するエクストラ中玉を含む変形オーピック型です。

そして、このヘリコイドを持たないレンズヘッドをEOSにむりやりくっつけるため、工房では、某軍事大国からふんだんに輸入したL39→M42のネジ変換レンズ、BORGヘリコ、そしてM42からEOSマウントへの変換リングを使ってフランジバック等も調整してあります。

で、肝心の写りですが、テスト撮影を兼ねた初陣は散々でした・・・中には、おぉぉぉと思うようなショットもあるにはあるのですが、プラ製のレンズヘッドを絞り値表示窓をレンズ鏡胴の12時位置に合わせるため、無理矢理ねじ込んだら、どうやら、残留応力が中〜後玉にかかってしまったらしく、かなりの枚数で周辺が無残に崩れたりヘンな片ボケが現れたりして、ほぼ一日を棒に振ってしまったぁぁぁ、と頭を抱えて絶叫したいキブンになってしまいました。

しかし、このレンズは強度はあるが、応力に対し弾性変形による歪みが起き易い材質なんで、ムリなねじ込みの応力さえ開放してやれば、また元の性能に戻るって寸法です。

また近いうちにリターンマッチをして、パーフェクトな作例をご紹介したいと思う次第でありました。 [EOSマウント Rodenstock Apo-Rodagon75mmF4]の続きを読む

テーマ:Canon EOS&EF LENS - ジャンル:写真

  1. 2008/06/02(月) 23:52:29|
  2. EOSマウント改造レンズ
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〜凡庸を纏った鬼才〜CANON50mmf1.8Tuned by K factory

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さてさて、今宵は友誼サイトにて、当レンズの作例を一歩先に公開して頂いたので、後追いながら、こちらでも、旅先での作例付きでご紹介・・・決してネタが尽きて、フツーのレンズを引っ張り出してきた、或いは、急遽、安物のジャンクを買ってきて、記事にでっち上げたというワケではありません(笑)

このレンズのバリエーション、即ち、Sマウントについては、Ser.IIとSer.IIIのパーツミックスで拵えたSマウント2号機と銀鏡胴の複数パーツミックスで拵えた1号機をご紹介しましたが、今回のものは、見た目が余りにもノーマル然としていて、な〜んだ、つまんねぇなぁ・・・と飛ばしてしまいそうです。

しかしながら、このレンズは見た目はそこらで安値で叩き売られているCANON50mmF1.8SerIIのm表示直進ヘリコイドモデルですが、中身は全くといってイイ別物で、まず、ヘリコのメカ、フォーカスリングは手持ちの中で最もしっかりして外観のキレイなものを選び抜き、更に前玉、2群、そして後玉も磨き傷やカビ跡等の欠陥が全くないものを選って、中玉のみ、言っちゃなんですが、磨き跡もぎじぎじで、バルもきちゃってるの充てて組み直して、川崎市堤根に有る、当工房の友好工場のひとつに、中玉の交換と全体の調整をお願いして出来上がった、これもハイブリッドレンズなのです。

その工場はさすがキャノンの最古参の指定業者だけあって、このレンズの再生&チューニングは素晴らしい結果となりました。

帰ってきたレンズを見て、まず中のキレイさにびっくり、そして、ヘリコ回転の程好い重さ、スム−ズさも目を見張るよう・・・工房で今後キャノンレンズを改造をする際のお手本とさせてもらうこととしました。

で、肝心の写りですが、なかなかテスト撮影をする機会が訪れなかったのですが、今回、沖縄にGWを利用して撮影旅行に行くことになったので、コイツも戦力の中核としてカバンに忍ばせました。
今思うと、このキャノン50mmf1.8とミノルタロッコール40mmf2が数本のレンズの中でもかなりイイ仕事していたのではないかと思います。

開放から合焦部は恐ろしくシャープに、そしてボケはなだらかに・・・と言いたいところですが、友諠サイトでの記事を見て、丹念に探してみたら、何と5m程度の被写体に合焦すると、無限の手前のものが同心円状の渦巻き現象が見られました。

しかしながら、このぐるぐる渦巻きとて、このシャープでカラーバランスや立体的描写に優れた優秀なレンズの評価を貶めるものではなく、寧ろ、味わいの一つとして楽しむこととしました。

ELニッコール改50mmf2.8が見せたような、シャープさが故のバックの2線ボケよりは、このレンズが時折見せるぐるぐるボケの方が愛嬌が有って愉しいと思いますが皆さんはいかがでしょう。
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テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/05/26(月) 22:44:26|
  2. 深川秘宝館
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写真工業掲載記念〜Nikon Sマウント版キャノン50mmf1.8 

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今日は当工房にとって、とても晴れがましい出来事がありました。
それは、工房が再び生を与え、光を写し撮ることができるようにした作品が、写真界では良識派とされる専門誌「写真工業」6月号の記事として紹介されたのです。

本件は、今を去ること3月に編集長殿直々にご依頼があり、何をご紹介しようかご相談のうえ、一番、インパクトがありそうだ☆ということで、小生が記事執筆と写真撮影を行ったものです。

この場では、キャノン50mmf1.8黒ヘリコイドモデルの光学系をやはり再生したものから製造したSマウント二号機を先にご紹介していて、今回の1号機はいわば、掲載誌発行を待っての、サプライズ登場を狙って温存していたのです。

一部は記事と重複しますが、このレンズの誕生秘話のようなモノをご紹介しますと、そもそも、当工房が旋盤等の本格工作機や、精度の高い測定機器を導入する前から、簡易ピント基準機と鉄工ヤスリ、リューター、糸ノコ等でそれなりの改造レンズを細々拵えていたのですが、そのヘリコイド&マウントに充てたのが、捨て値で叩き売られていた、キャノンのLマウント50mmレンズ達だったのです。

何故、捨て値で叩き売られていたのかと言うと、まずは殆どが後ろから3番目で被写体側を向いている、絞り真後ろの凹玉が例外なく白濁していて、これが磨いてもまた曇る不治の病であったため、誰も敬遠して手を出そうとしなかったこと、第二に比較的廉価で数が多かったため、まともにメンテされなかった個体が多く、ヘリコイドの油切れ、絞りの油にじみ、サビ等でメカとしての状態も悪いものが多く見られたからです。
尤も、そもそもは数が多かったことで、レアモノ好きで判官びいきのクラカメマニア達の食指を動かさなかったことが最大の原因かも知れませんが・・・

しかし5千円以下で買えるジャンクレンズといえど、ヘリコイドをきちんと分解して、固まったグリスをアセトン等で落とし、代わりに工房特製の四弗化エチレングリス配合のヘリコイドルブリカントを入れて上げれば、十数倍の価格のライツや国産ノンライツのLマウントヘリコイド同等以上の精度と堅牢さが甦り、初心者がおっかなびっくりこしらえる改造レンズの基幹パーツとしてはオーバースペックなものに甦ったのです。

そうこうして、親の仇と出物は出遭ったら討ち取れ云々のセオリー通り、お店巡りでも、ヤフオクでも、安いジャンクを見つけ次第、買っては集めていましたが、或る日、前玉は貝殻割れ、後ろは酷い擦り傷で、マウント部も脂じみた見るも無残なジャンクを見つけ、安いし、玉は外して棄てればイイと思って買って帰り、分解してびっくり、中の曇り易い玉が奇跡的にキレイでしかも、素人磨きしていない証にコーティングが乗ったままになっていたのでした。

そこで、あまた有るストックの前玉、中玉前群、後玉のキレイなものを選って、しかも偏光フィルターや凸レンズにはテストパターンを使った微視試験まで行って性能良さげなものをそれぞれの部位で幾つか選抜し、この奇跡的な中玉後群との組み合わせで最も周辺まで崩れがなさそうな光学系を見つけ出しました。
要は単純な組み合わせの問題ですが、トルクを気にして組み上げ、微視テスト、テストマウントに付けてのLマウントピント基準機による実像投影テストを十数回やっての4個イチです。

そして、いよいよ光学系が決まったら、後はパッケージングの問題なので、前々からやってみたかった、キャノンtoニコンのスワップを考えたのです。

このパーツも、加工に自信を持ち出した頃、ニコンSマウントの50mmf1.4のLマウント版をキャノンのヘリコイド&マウントアッセンブリ使って実用化していたので在庫があって、寸法も余計な切削をせず、程良いクリアランスで嵌められそうなことが判っていたので、後は加工有るのみ、現物合わせ、内面の光学系保持スペーサの削り出し、微調整を繰り返し、最後に自製の測定機器で加工精度見て完成、手間隙かけた結果、陽の目を見たという次第です。

で、写りはというと、元のレンズが相当優秀だったせいもあり、開放から、目が醒めるほどシャープ、古いレンズではありながら、カラーの発色もやや暖色系気味も、バランス取れた現代的なものですし、バックのボケもほぼどの距離でも2線ボケやグルグルボケが発生せず、なだらかに溶け、前ボケも滑らかで邪魔にならないカンジに写りこみます。

たとえは良くないかも知れませんが、個人的にはちょうど、ヤシコンGプラナーの45mmF2レンズのコントラストと彩度をちょっと落とし、シャープネスをちょっと上げたというカンジがしました。

まぁ、いずれにせよ、今回の件もあり、このレンズは当工房の宝としてこれからも大切にしていきたいと思っています。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/05/20(火) 23:28:40|
  2. Sマウント改造レンズ
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〜ミラノの伊達男〜WegaIIa

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今宵のご紹介は、結構、アクセスが伸びたのに気を良くして、またまたイタリアモノの登場です。
このカメラは、イタリアのA.F.I.O.M.[Apparecchi Fotografici Italiani Officine Meccaniche]社が1953年から55年にかけて製造したバルナックライカ型のレンジファインダー機で、レンズはトリクサー5cmf3.5アナスティグマットという3群3枚のいわゆるトリプレットタイプで、外見が酷似している本家本元?のエルマーないし、テッサーの3群4枚に較べると、貼り合わせ部がなく1枚少ない構成になっています。

まずデザインに関して言えば、さすが、ファッションの総本山、モードの発信地のミラノの会社が売っていただけあって、細部に至るところまで、ライカとは異なり、人の目を気にして誂えてあるカンジがします。
特に面白いのが、底蓋を外すと、内部には何と贅沢にも縮緬塗装が丁寧にかけられているのです。
ライカでは、見えないところは、機能本位とばかり、フツーの黒艶消し塗料を使っているのとは、対照的で、こういうところもラテンとゲルマンの差なのかな・・・とも思いました。

次にメカですが、ファインダはこのタイプの機種に一般的な距離計&ファインダの二眼式になっていて、バルナックライカや国産のライカコピーなどと較べる、二つの窓が離れているので、慣れないうちは気になりましたが、結構、二重像のコントラストも高く、また倍率も高い距離計と歪みもなくクリアなファインダのおかげでテキパキとスナップを撮るのにも十分だと思います。また、シャッター速度は1000分の1秒まで用意されているので、f3.5のこのレンズで街撮りをする分には、常に開放で撮り続けられるので、とても都合がイイようです。シャッター音は、古いバルナックや、キャノンのV型以前のレンジファインダー機の如く、ガタン!というカンジではなく、もっと静かでショックは少ないです・・・う〜ん、イタリア製メカ恐るべし。

そして、一番気になるトリクサーの写りですが、3枚玉だと、歪曲収差が抑え切れず、周辺など甘くなってしまうとも思ったのですが、先のイリア5cmf3,5同様、シャープで色ノリもよく、しかも、1枚少ない分の美徳として、ヌケが良いカンジが勝っているとも思いました。
しかも、このレンズは、完全なL39互換なので、本家本元のバルナック、Mボディにつけても良いし、勿論、BESSA R3A、HEXAR RF、そしてRD-1Sにつけても他のレンズとは一味異なった写りが楽しめるのが嬉しいです。
特に良く似た外観のエルマー、シムラー、そしてW.サックヴェロスティグマート、キャノン、ニコン、ヘキサーと5cmf3.5クラスの味を較べるのはとても興味深いことだと思います。

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/05/17(土) 23:41:56|
  2. 深川秘宝館
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Arri_Kinoptik5cmF2改L39

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だいぶ長いこと、業務多忙やら、GWのバカンスやらで更新サボってて、愛読者各位に寂しくも、退屈な思いをさせてしまった罪滅ぼし?にまた超弩級レンズのご紹介。

今回は、シネレンズのあらゆるマウントの中でも一番通好み?で、しかもArriマウントでは、32mmより長い焦点距離のものは滅多に市場に出ず、ましてや5cmのものはレア度で言えばNo.1とも言えるArri_Kinoptik 5cmF2を当工房にて距離計連動のL39に改造したものをお披露目です。

このレンズはフランスのKinoptik Paris社がモーションキャプチャカメラであるArriflex用に製造したもので、おそらく60年代後半から70年初頭に作られたものと推定されます。

銘板には、誇らしげに"APOCHROMAT"の刻印が見えます。

これは、何度もご紹介してはいますが、要は通常の銀塩スティル用レンズが赤・青波長域での色収差補正のみに留まっているのに対し、このレンズは可視光スペクトルの中心に位置する黄色〜淡黄緑域までの光も同一焦点面に結像させる性能を持っていることを示しています。

ガラスは当時まだマルチコートの技術が無かったため、モノコートではありますが、各エレメントとも、かなり透過度の高いクリアな硝質を使っているらしく、斜めから見ても、レンズ内部が透き通った北国の鍾乳洞の湖の如く見通せますし、また外観は入念な造型と緻密な黒の焼付塗装が否が応にも高級感を醸し出してくれます。

で、肝心の写りはというと、これがキネプラナーやら、スピードパンクロ、キネクセノン、キネヘリゴンやら、まさに怪物級のレンズと較べるからイケナイのかも知れませんが、まぁ、柔らかく情感に溢れた描写をするのですが、逆光に極端に弱く、空でも画面に入ろうものなら、不恰好なフレアが盛大に写り込むわ、またオフフォーカス部の点光源などヘンな崩れ方をしたりして、お値段からすると、んんん?と思ってしまうことも暫し・・・

でもまぁ、往年の銀幕を支えたパリ製の銘機を我が物として、いつでも好きな時にヘッポコアマチュアカメラマンのたわいない街撮りにもイヤな顔ひとつせず付き合ってくれるのですから、こんな贅沢なことはないのかも知れません。 [Arri_Kinoptik5cmF2改L39]の続きを読む

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/05/11(日) 00:07:15|
  2. Arri改造レンズ群
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〜ラテンの醒めた英知〜ISO Standard

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さてさて、前回のアポロダゴンがあまりウケが宜しくなかったようなので、たまには目先を変えて、ディープでコアなマニアしか関心なさそうな助っ人が工房附設秘宝館から登場。

このカメラは、イタリアのIndustria Scientifica Otticaが1953年に発売したレンジファインダーカメラで、この有名な兄弟にHensoldt Reporterってのがあります。

同じカッコで名前だけ違う兄弟がISOとHensoldtで発売され、そのドイツ向けがHensoldt Reporterという名で、イタリア国内向けがISO Reporterというワケです。

レポーターという名称とスタンダードという名称の機種の差は、要は底面にトリガ巻上げの機構があるかないかの違いであって、たぶん、付いている方が連写性能良いんで、報道用にイーゾってことで、そういう名前になったんでしょう。

でも、お値段安いし、そういう面倒な機構は要らないんで、当方には、スタンダードで十分なのです。

付いているレンズはIriar5cmf2.8で、これは3群4枚なのですが、絞り羽根が前玉直後にあるので、テッサータイプと言わず、エルマータイプというべきなのでしょう。

このレンズの写りは、テッサーにありがちなシャープさが勝るカンジは少なく、寧ろ、コッテリとしながらもバランス取れた色ノリやなだらかな後ボケ、浮かび上がるが如き立体感で、ゾナーの兄弟みたいに感じました。まさに恐れイリヤーの鬼子母神ってとこですか。

で、このカメラの面白いところは、ピント合わせの方法。

何と、コンタックスや、ニコンSシリーズと同じく、向かって左側の歯車を指の腹で回して、ギア機構経由、ボディ内部のヘリコイドを回すのですね。

ファインダは視度調節式だし、ブライトフレームこそないものの、バルナックよりは遥かに見易く
二重像もコントラスト高くくっきりしているので、開放で街撮りやっても、結構速写も効いて面白い写真が撮れます。

何よりも、そこそこのクラカメマニアでもここまで知っている御仁は少ないようで、これを提げ街を歩いていると、だいたい、何ていうカメラですか、とか、おっ、ヘンゾリポータですか?とか声を掛けられることも少なくなく、撮って愉しく、所有して愉しい銘機だと思っています。

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  1. 2008/04/21(月) 00:03:05|
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Apo-Rodagon50mmf2.8改CX/Sマウント

apo-rodagon50mm.jpg
今宵はまた工房の作品に戻り、非凡な才能を持つごくフツーの一般人の如き、Rodenstoock Apo-Rodagon50mmf2.8改CX/Sマウントをご紹介。

このシリーズは先にご紹介した、Rogonar-S、アポなしRodagonとも、ほぼ同一の外観で、ロゴでも見なければ、まず識別が付かないほど似通っています。

そう、配色のせいもありますが、一見して、あまり高級感が漂わない、どちらかというとおもちゃっぽい外観で、良く写るどころか、まともに結像するのだろうか?という一抹の不安さえ胸によぎらせてしまうような作りが共通しています。

しかしながら、逆テッサーのRogonar-S50mmf2.8はシャープさとナチュラルな発色バランスを発揮し、変型ガウス型のRodagonS50mmf2.8は合焦部のシャープさとアウトフォーカス部のなだらかなボケのハーモニィによる浮かび上がるが如き立体的描写、そして発色のバランスとれた艶やかさで以って、何れも並みの市販銀塩用レンズを軽く凌駕する超高性能ぶりを発揮し、その由無き不安を払拭してくれました。

今回のApo-Rodagon50mmf2.8は団子三兄弟の如き、同じお仕着せのユニフォームですが、その超々高性能ぶりは、もう想像を絶するものがありました。

いつものように工作機械でパーツを加工し、組み上げ、調整しながら、ピント基準機のSPでピントグラスを覗き、結構シャープでコントラストも高めだな・・・とは感じていたのですが、いざ、愛機S2に付け初試写をいつものコースである、近所の運河〜駒形〜浅草と回ったのですが、そのシャープさというか、情報密度そのものの濃さにびっくり☆

良く知られている通り、普通の写真用レンズの「色消し」は可視波長帯の赤、青の二色が同一焦点面で結像するように硝質の違う凹凸レンズを組み合わせて設計し、アクロマートという名称になっていますが、写真用でも一部の高級機種、例えばスィーターとか、キノプティクなどでは、その両端の波長域のみならず、ほぼ真ん中の黄色に相当する波長帯も同一焦点面で結像するよう、アポクロマートといわれる青黄赤3波長での色収差補正を行っているのです。

このレンズはというと、カラープリント用引伸機レンズラインナップの最高機種だったので、色にじみをなくすため、贅沢にもアポクロマートの仕様で以って世に送り出されたというわけなのです。

やはり、控えめな自己主張ではありますが、"Apo"のロゴは伊達ではなく、もう同じ兄弟のRodagonと較べるよりは、寧ろシネレンズのうちでもよく出来ている方のキネクセノンに比肩し、或いは、ネガで撮って、フロンティア仕上げだったら、まずSマイクロニッコール50mmf3.5とでも区別がなかなか付かないレベルの実力を持つのではないかと個人的には思いました。

レンズ構成はRordagon50mmf2.8の4群6枚の中玉に黄色〜黄緑波長帯の色消しの為のレンズをもう一枚入れていて、5群7枚と変則的な構成になっています。

しかし、シャープネス、色の抜けは飛躍的に向上しているのに、Rodagonの美徳である、なだらかなボケ、浮き出るが如き立体的な描写性を全く損なわず、世界の超高性能産業用レンズを追撃出来る様になっているのは、やはり、Rodenstock社の底力と老舗なればこそのプライドの為せるワザなのでしょう。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/04/14(月) 22:50:19|
  2. Sマウント改造レンズ
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究極の相棒〜Nikkor 50mm F1.1with Nikon SP〜

nikonSP.jpg
さてさて、しょぼい改造レンズのお後は、少々、更新をサボってたこともあり、お口直しの意味も込めての大サービス、工房附設深川秘宝館から、究極の高速レンズ、Nikkor50mmF1.1とこれまた国産RF機史上で最強の高信頼性、高耐久性を誇るNikonSPオリジナルブラックの登場です。

まず、レンズの方はといえば、1950年当時からの通産省主導の新種ガラスの業界共同開発の成果として、まず帝國光学がズノー5cmF1.1を1953年から発売し、これに遅れること1958年からニコンが満を持して発売したのが、このNikkor50mmF1.1なのです。
このレンズのSマウント仕様には、大きく分けて2タイプあり、前期型の内爪と後期型の外爪があります。
実は、外爪を1本、内爪を2本買ったことがあるのですが、3本の中では、この内爪が一番素直な写りをするので、気に入って手許に残しています。
開放では、フレアがかったソフトな極めて被写界深度の狭い独特な画風ですが、F5.6まで絞って撮るると、DRズミクロンもかくやあらんというばかりの高コントラスト、高解像度のレンズに早変わりします。
しかし、頭でっかちレンズであることには変わりないので、このカメラにつけて首から提げると、いつもお辞儀状態になってしまい、ちょいとカッコ悪い気もします。まぁ、M3にノクチ付けても同じようなもんですが。

続いてカメラの方は、泣く子も黙るNikon SPオリジナルブラックの報道用スペシャルです。このカメラは地元のカメラ屋でそこそこの値段で出ていて、ただ売り手から条件が付けられていて、改造しないでこのまま大切に使うこと、年に数回はフィルムを通してあげること、ということでした。

買って暫くしてファインダが曇ってきたので、ニコンに修理点検に出したところ、顔見知りのサービスマンの方が数箇所の特徴を上げ、これは一部部品が換えられてしまっているが、元々モードラ装着前提の報道用ですねと教えてくれたのです。道理で不可解な条件が付けられていたワケだ、と後で納得。

予備機か、或いは導入されてまもなくFが発売になって、お役御免になったのか、外観は当たり傷、大きな擦り傷もなく、角がほど良く剥けて真鍮の地金が出て、イイ風情を醸し出しています。

で、このカメラを使うのかって?勿論、約束通り、年に数回はこのレンズとか、Sマイクロニッコール、或いはオリンピアニッコールを嵌めて、築地や浅草で街撮りを愉しんでいるのです。

素晴らしい巻上げフィーリング、チタン幕シャッターの囁くような音、そしてM一族には及ばぬもののクリアで見易い、独創的な夫婦ファインダー、引退させるにはもったいない、街撮りの相棒なのです。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/04/09(水) 23:21:27|
  2. 深川秘宝館
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Staeble Katagon改L39

katagon.jpg
今宵のご紹介は、ドイツの渋めどころ、Staeble Katagon50mmf2.8改L39です。
このレンズはディープなクラカメマニアなら一度は食指を動かされるスーパーパクセッテII向けに1954年にドイツのシュテーブル社が送り出した普及版標準レンズです。

このレンズというか、カメラのシステムが非常にヘソ曲がりで、マウントのネジ規格はL39そのものなのに、レンズシャッターのためもあり、フランジバックがライカに比べ1cm以上長く、そのまま、ライカのマウントにねじ込んでも、おぉぉぉ!だめだ全然結像しない、こりゃ壊れてる!となってしまいます。
そこで、当工房ではフランジバックを合わせるため、両ネジ間のジュラルミンのスペーサを噛ませたワケです。
しかし、現時点の仕様では、距離計連動にはしていません。加工自体は簡単な方に属するのですが、何せ後玉が相当前の方に出てしまい、一方、元々狭いレンズ側L39マウントの内側に実質32mm以下の内径でしかも無限時には7.5mmもレンズ側にせり出る距離計連動カムを付けたら、確実に光路に干渉し、像がけられるのが判っているからです。

ところで、そもそもこのスーパーパクセッテというカメラは、偉大なる?ライカの陰に隠れてクロウト好みの渋めのカメラですが、レンズ交換が出来、しかもライカ同様、さまざまな一流〜三流までのメーカーがレンズ供給していたので、いわば、B級グルメみたいな楽しみが出来るものだと思っています。

このレンズはおそらく3群4枚のいわゆるテッサータイプに分類されるものと思われますが、何せ、二流半のメーカーが気楽に?拵えただけあって、周辺は緩いし、解像感も、色のヌケもイマイチですが、そこはそれ、シネレンズとか、マイクロニッコールとか、アポクロマートの引伸ばしレンズみたいな、画面全体が緻密な解像度とシャープな描画に満ち溢れた緊張感の塊みたいな写真だけ撮るレンズばかりぢゃ、肩も凝っちゃいますから、たまにはこういうひょうきんな外観のダメダメお気軽レンズも面白いかな?と許せるキブンになったワケです・・・
典型的A型人間である工房の主も少しは成長したか・・・

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/03/30(日) 23:32:45|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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魔法の都からやって来た蒼い瞳のお人形〜Opema Openar45mmf2

opema.jpg
今日は、友好サイトで面白いレンズの紹介やってたんで、予定を変えて協賛企画。
チェコのプラハからやって来た、中世の魔道師が拵えたという、夜な夜な人語を交わす蒼い瞳をしたお人形さんみたいなカメラ、Meopta OpemaIIとその最も明るいレンズであるOpenar45mmf2のご紹介です。

このカメラは、チェコスロバキアで1949年から10000万台ほど作られたと言われている、いわゆるコピーライカのひとつで、その大きな特徴は主に4つあって、一つは画面サイズが奇しくも同じ時代のニコンやミノルタのRFと同じ32x24の狭幅サイズで、二つ目はマウントが1mmほど小径でライカのいわゆるL39と互換性がなく、三つ目は、裏蓋が外れ、フィルム装填がし易いこと、最後は、距離計窓がファインダーの外側に位置していることです。まぁ、細かくみれば、ライカがハーフミラーで距離計の光路作ってのを、コンタックスばりにプリズム使ってるとか、色々ありますが、はっきり言って、特殊な画面サイズのため、DPEからは嫌われ者で、実用には向きません。

また、レンズも、Lマウント化すればライカマウントに使えないこともないですが、そこまでして使うほどの性能でもないので、まぁ、このカメラでたまに遊びでフィルム通して、知り合いのラボで頼み込んで現像・プリントするってな遣い方でしょうか。

このレンズは、一応は、当時の主流のひとつだったズマール型のダブルガウス構成にはなっていますが、ボヘンミアンクリスタルの国でありながら、新種の高屈折率ガラスなどは使われていないので、開放ではかなり盛大のコマフレアが出ますし、周辺も大甘です。

しかし、そこはそれ、"大"口径レンズの特徴を生かし、夕暮れなどに高感度のネガなどで撮ると、さすが、ボヘミアンクリスタル本場のレンズだけあって、街頭のしょぼい屋台を照らす裸電球の色もシェーンブルク宮殿のシャンデリア張りに艶やかに写るのです(んなわけないか・・・)

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/03/25(火) 23:51:48|
  2. 深川秘宝館
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TnackV3 with Tanar5cmf1.9

tanack_20080323193657.jpg
今回はまた、工房附設深川秘宝館からのコレクションのご紹介。

このカメラは、今はもう倒産の憂き目に遭い、現存していない、故田中光学が、昭和33年から34年にかけて1000台弱製造したという、いわば珍品ノンライツの類いに入るのですが、まぁ買った時のお値段は、ちょっとキレイなキャノンVILと同程度かちょっと高いくらいで、その10数倍も作られて、相当数が市中に出回っているNikonSPに較べれば6掛けくらいというような庶民的な幻のカメラだったわけです。

しかし、ヤフオクで落札し、家に来たとき、一回巻き上げただけでシャッターも切れなくなり、ヘリコイドも、冷蔵庫に三年以上も放置したジャム瓶の蓋を回すが如く硬く、とても撮影など出来る状態ではなかったので、工房の外注先の川崎の某カメラ総合病院で大手術を受けさせました。

待つこと2ヶ月、見違えるように快調になり、手許に戻ってきたこのタナックとタナー5cmf1.9のコンビは、予想を裏切る、素晴らしい写りを見せてくれました。

確かにシャープネスやコントラストでは、完調なキャノンVIL+キャノン5cmf1.8のコンビには到底敵いませんが、この希少な開放値を持つタナーは同じゾナータイプでは、開放からニコンSの5cmf2よりも暖色系の発色バランスに優れ、像全体に歪みなどない均質な描写で、しかもゾナー固有である、近距離からの後ろボケがなだらかに芯を残さず写り込み、上質な絵画的イメージを与えてくれました。

また、ハイライトは殆ど飛びませんし、さすがに最後発のゾナータイプだけあって、逆光にもキャノン、ニコンの大手メーカーの同クラス品と同等以上に強かった印象を覚えました。

この時点で、大メーカー、有名メーカーの製品だけが優秀なのではなく、市中や歴史の陰にも銘品は埋もれている・・・という確信を持つに至り、それが先にご紹介したサン・ソフィア5cmf2等の発掘にも繋がったのだと思っています。

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/03/23(日) 19:58:01|
  2. 深川秘宝館
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charley944

Author:charley944
お江戸の外れ、深川の某運河のほとりで、閑を見つけては、こっそりと旋盤回し、時には金工ヤスリでカム削り、自分の欲しいレンズを拵えては、親しい友人達にお披露目して自己満足に浸っています。小人閑居為不善?

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