深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Another guest from Wetzler Germany~Leidorf Lordon50mmf2.8mod.M uncoupled~

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さて今宵のご紹介は今年初の工房作品、ドイツはウエツラーのもうひとつのカメラメーカー、Leidorf社のLordmatというレンズ交換式のレンジファインダーカメラ向けにミュンヘンの隠れた銘光学機器製造メーカーEnna社が供給した標準レンズで、製造はおそらく1950年代初め頃のものと思われる、3群4枚のテッサータイプの重厚な真鍮鏡胴も美しいクラシックレンズです。
このレンズ、昨年冬の初め頃、新宿某所の中古カメラ店で見かけて買い込んでおいたのですが、あいにく、経年劣化による工房の主力設備、プロクソン社の小型旋盤の動力伝達系統の不調で操業が停止状態だったのが、やっと暮前にドイツからUボートで交換部品が届いたので年末の旋盤OHと一緒に交換して年明けに操業開始し、ボディの無い状態で外れないスピゴットマウントのスクリュー径、深さをレンズ後端から割り出すリバースエンジニアリングやって、艱難辛苦の果て作り出したものです。
では、能書きはここまでにしておいて、さっそく、今週末の浅草での試写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、深川を15時過ぎに出て、浅草には15時半過ぎに着いたのですが、最初の定番撮影スポットである雷門付近で被写体を探していたところ、有名な雷おこしのお店の横に観光客向けに設置された記念撮影ボードでお互いに撮りっこして遊んでいる中国ないし、台湾からの小姐二名が居たので横からお裾分け的に一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、雷門を後にして、仲見世通りを宝蔵門方向に歩き出してすぐ、例の「美人茶屋あずま」さんの手前で、その角を曲がって出て来た、キャメロンディアスちょい似のカノジョを連れたオーストリア人の兄ちゃんと遭遇したので声かけてモデルさんになって貰ったもの。

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三枚目のカットですが、ここもいつもの定番試写スポット、仲見世通りの「美人茶屋あずま」さんの角を左に入ってすぐ右角の扇屋さんの店先に並べてある、やまと絵、浮世絵混成軍の団扇のうち、ひょっとこの眼にピンを合わせて撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、扇屋さん前での試写を終え、また仲見世を歩き出したら、妙に日本人的な、しゃらりしゃらりとした歩き方で着物を着こなす、聡明そうな黒人女性とすれ違ったので、即座に踵を返し追いすがって、一枚撮らせてね、とお願いしたところ、ハィどーぞ♪とのことだったので遠慮なく一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、ここも仲見世のまだ半分より遥か手前の辺り、商店の店先で祭り装束に身を固め、煎餅焼きの実演なんかやってる爺さまが居て、外人観光客やら、PENを下げた写真女子みたいなのが周りにたかってミニ撮影会の様相を呈していたので、遠慮なく混ぜて貰って一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、粋でいなせな爺さまが元気よく煎餅を焼きながら商うお店の斜め前の土産物屋の店頭に目を凝らしてみれば、言葉が通じないことを気に病んでいるのか、或いは財布でも落としたのか、店頭の商品を眺めては、手に取るでもなく、都度俯き加減になる若い白人観光客が居たので、その物憂げな横顔を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、なかなか面白い被写体に巡り合う日だったので、キブンも上々、鼻歌でも歌いたいカンジで仲見世を歩いていくと、また美人の中国人の小姐とすれ違いざまに目が合い、モノは試しにと声かけてみたら、快くOK、お姉さんとオモニも入ってくれて家族三名での記念撮影的カットになってしまったもの。

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八枚目のカットですが、仲見世には色々な商店が軒を並べて、朝そこそこ早くからそれこそ宵の口まで観光客相手に営業に励んでいますが、ちょうど、この時間の陽光の射し加減で初めて発見した赤い看板と提灯の並んだ陰影のカンジがなかなか官能的に思えたので、行き交う観光客を尻目に通りに佇み一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、仲見世を抜け、宝蔵門から境内に入ってすぐの定番撮影スポット、手漕ぎ井戸まで来てみたら、春節の影響でしょうか、中国からの観光客の親子連れがすぐ横のベンチで休んでおり、いたいけな極小姐一名が、せっかく日本に来たのだから、日本のハイテクを体験しなければ・・・とばかり真顔で水を汲んでいたところを一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、井戸端から再び宝蔵門方向に目を転じてみれば、1/28付近が旧正月、春節なのは中国、台湾のみならず東南アジアの華僑、そして奇しくも1/31を旧正月とする韓国からのゲストも混じっており、まさに多国籍軍の様相を呈しており、その中の韓国人アガシ二名が宝蔵門にぶら下げられた大草鞋を背景にお互いに撮りっこしていた結果を眺め、お互いに感想を述べ合っていたところを斜め前から一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、境内に入って次なる定番撮影スポット、参道入り口付近東側のお御籤売り場でモデルさんを探していたら、何やら低い声で呪文のようなものを唱えながら、目を閉じ一心不乱にお御籤入れの六角柱を振る謎の東洋人の女性の横顔が夕陽に照らされ、とても不可思議な魅力を感じたので、抜き撃ち的に一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、この日は天気も良く、気温も比較的高かったので、いつもの週末に増して、国籍の如何を問わず、着物姿の小姐、アガシの類いが多く、この日本人小姐のグループもなかなか着こなしが決まっていたこともあり、撮らせてくれ!一緒に記念撮影して!の類いの観光客からのリクエストが多く、笑顔で対応していたので、つい甘えて一枚お願いしたもの。

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十三枚目のカットですが、ここも入り口付近のお御籤売り場の前、香港から来たという若いカポーがお御籤を抽いたがイイが、日本語版を抽いてしまったらしく、意味が判らず右往左往していたので、声かけて意味を教えて上げた代わりにお二方にモデルさんになって貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、本堂面前の焼香炉では、この日も善男善女で溢れ返っていましたが、その中で、おそらく、ベトナム辺りからの留学生?と思しきたどたどしい日本語を話すいたいけな着物姿の小姐と今風の髪型した日本人の兄ちゃんのカポーが仲睦まじく煙の浴びせっこなどやっていたので、すかさず煙越しに一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、本堂の前まで歩いて行ったら、やはり、中国から初めて来たと云う着物姿のいたいけな小姐二名組が居て、スマホンで本堂をバックの二人の晴れ姿を撮ってくれそうな親切な日本人を探していたらしく、これみよがしに他人とは違うカメラを提げてキョロキョロしていた工房主を眼ざとく見つけ、写真撮って!と流暢な英語で頼んできたので、中国語で話し掛け、写真撮って上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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十六枚目のカットですが、そろそろお茶したいキブンにもなって来たので、また井戸経由、宝蔵門方面に歩くこととして、井戸の手前まで来たら、着物姿の中国人の小姐二名が夕陽を斜めから浴びて、えもいわれぬ佳き雰囲気を醸し出していたので、声かけてモデルさんになって貰ったもの。

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十七枚目のカットですが、宝蔵門の下で大提灯のディテールでも至近距離から撮ろうかいなとカメラを構えていたら、目の前でなかなか美形の日本人小姐二名が相互撮影会なんか初めてくれたので、おぃおぃ、楽しそうだね、二人まとめて撮って上げるから、モデルさんになってね、と頼んだら、普段はコスプレ系小姐らしく、ストーリー性あるポージングを決めてくれたもの。

今回の感想ですが、やっぱり、旋盤元気だと週末楽しい、眠っていたレンズに21世紀の国際化した日本の今を見せて上げられたのはとても僥倖でした。

さて、次回はこのWetzlerからのお客のホスト役となった同じドイツ生まれの銘玉、フーゴメイヤの標準レンズのOH上がりの描写テスト結果ご紹介します、乞うご期待!!


  1. 2017/02/05(日) 20:00:51|
  2. Mマウント改造レンズ
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A remarkable performance of old lady born in Germany,1938~Biotar40mmf2.0mod. by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介は、先週の予告通り、工房作品のご紹介行きます。
このレンズ、実は当工房には二本有ったバリエーションのうち、まだマウント改造をしていなかったストック品で、エレメントが少々曇りが浮いているようだったので、独特の絞り機構を除き、全分解し、クリーニング、及び内部反射対策を行って組み上げたのち、非連動のMマウント化したものです。
このノ-コートの比較的保存状態の良いロボビオターですが、生まれは1938年、昭和で云えば13年の戦前生まれの貴婦人で、悲運の名設計者、ウィリー・ウオルター・メルテが1927年に設計したものの流れを汲むレンズのようです。
入着記録を調べてみたら、ポルトガル経由、電子湾を流れ着き、この極東の地にやって来たのでした。
構成は4群6枚対称系のオーピックタイプ、特徴は、絞り値による収差変動を嫌ったためか、極度の擂鉢上の絞りユニットになっており、先に改造したコーティング有でクロム/ニッケルコンビ鏡胴の一号機は、これを間違ってバラバラにしてしまったため、川崎の駆け込み寺に限定修理をお願いしてから加工を行ったほどです。
今回は、栃木祭りでテストを行うべく前日まで掛かって改造し、お祭り当日のシェイクダウンとなったのでした。
カメラはX-Pro2、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、栃木祭りの華である山車巡行に先駆けて、金色の獅子舞のつがいの神輿をお旅所から、メイン会場である蔵造通りに担ぎ出して来た、いたいけなローカル小姐達の前に回り込んで、お仕事中の姿を一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、蔵造通り上の何処の山車の周辺にも着飾った、いたいけな金棒曳きの小姐分隊が、発車前のひと時を同僚とおしゃべりしたり、ずっと若い後輩の金棒曳きの小姐に何がしかの心得を教訓的に話したり、或いは付き添い役の母親や姉妹に鏡を持ってきて貰って化粧直しをしたりと、傍で見ていてもなかなか楽しげだったので、一番、派手な顔立ちの年長の小姐のお姿を一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、辺りをキョロキョロしながらモデルさんを物色して、蔵造通りを徘徊していたら、ちょうど山車の巡行待ちで、曳き綱のところで待機しながら、お友達と楽しそうに語らい合う、いたいけな極小姐二名様が目に付いたので、一枚撮らせてね♪と声かけたら、えー恥かしいよぉとか口では言いながら、ファインダの中ではしっかりカメラ目線だったので、すかさず一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、ピーカンの蔵造通りを徘徊しながら、モデルさんを求めていたら、ぶおぉーん♪とか云う、中華街とか新宿は西口の老辺餃子館辺りでよく聞かれるような小ぶりの中華銅鑼を打ち鳴らしながら、先ほどの金色獅子頭運搬人の小姐がもう一名の獅子頭のモデルかいな?というご面相の小姐とともに神妙な面持ちで行列の先頭を歩いて来たので、これ幸いにと待ち伏せて一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、前のカットの獅子頭チームの先導を務める中華銅鑼担当小姐二名が傍らを通り過ぎようとする刹那、もう一名の獅子頭系の小姐のご尊顔にピンを合わせて撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、他の街の祭りでもそうですが、だいたい、どこの山車でも、自力走行をするものはないので、いきおい、人力で曳行することにならざるを得ず、はじめのとば口はちびっ子社中、そして思春期社中、そして父母会社中という序列で綱を曳いていくのが一般的なので、蔵造通りを行く山車社中のそのとば口のいたいけな童子各位の勇姿を道端から一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、同じく蔵造通りの路上で次々とやってくる山車社中の曳行するところを眺めながら、通りの東側から西を撮るより、西側から東を撮る方が、背景の街並みというか通り沿いの店舗兼住宅の方が古風な雰囲気の画になるということを思い出し、通りの反対側に渡り、たまたま通り掛かった社中のとば口のいたいけな童子達の働きぶりを一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、同じくメイン会場である蔵造通りの路上では、様々な趣向を凝らした祭りの山車社中が次から次へと通り過ぎて行きますが、ひときわ華やかな印象を与えてくれたのが、まさに栃木市の繁華街のど真ん中の倭町の山車社中で、金棒曳きの小姐達も、慣れたもので、堂々とした行進を続けて行ったので、道端のローアングル加減からその様子を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、実は先週のお祭り本編でAR-Hexanon57mmf1.2で撮っていたのを今思い出したのですが、同じ小姐の昼の顔、ピーカンの日光を色白の肌目細かな肌で照り返していたので、殆どテクスチャが吹っ飛んでしまったという、ちょいと勿体ない一枚。

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十枚目のカットですが、同じく蔵造通り沿いの、いつも店先に新造と思しき黒尽くめの大八車を停め、その上に季節の花をアレンジした鉢植えを飾り付けたオブヂェを置いている、老舗の肥料屋さんの店先があまりにも奇麗だったので、そのオブヂェを中心に店先の写真を撮らせて戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、蔵造通りを徘徊していたら、同行の新米α7R使いの兄さんが、「だ、山車の上で、なかなか美形のアガシが太鼓叩いてますぜ、旦那!」とか注意喚起してくれたので、ここぞとばかりに山車が減速した頃合いを見計らって、斜め下から、その美形のアガシというか、後ろに旦那と童子を置いて力強く太鼓を叩く美オモニの写真を一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、蔵造通りの上では午後から盛大に各町会の山車の巡行が始まり、同じ通り上を行ったり来たりしている訳ですから、当然、すれ違いが発生し、そこでは、祭りの華とも称されるシーンである「ぶっつけ」という双方のお囃子合戦が行われるのですが、本番の夕刻からの巡行時に先駆け、練習試合程度の軽いノリでぶっつけを行っている山車の様子を路傍から撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、栃木祭りと並ぶ、撮影ツアーのハイライト、「悪代官屋敷と周辺の遺構群」の探訪に出掛けた際、同行者の間で人気撮影スポットなのが、別宅敷地内にある、都近郊ではなかなか見られない、時代劇チックな竹林の小道なのですが、このレンズ、なかなか背景グルグルを演じてくれないので、それならば、と竹林で中央の陽の当たった竹の節にピンを合わせて撮り、グルグルの発生に成功したもの。

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十四枚目のカットですが、このレンズの特徴は、もちろん、中央部の解像力の高さですから、竹林から母屋の方を振り返ってみれば、屋敷林の隙間の中央に建物の一階部分の縁側が透けて見えたので、ちょうど良い構図だったので一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、悪代官屋敷別宅の庭を散策しながら、「紅葉がねぇぢゃねーか?ホスピタリティに欠けるんぢゃね!?」とか、不埒な独り言を呟きながらふと横を向けば、見るも見事な紅葉の赤い葉が、お待たせしましたとばかり絶妙な赤や黄色のグラデーションを見せてくれていたので最短距離付近で一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、ノーコートの御年78才の老レンズ、なかなかやるぢゃまいか?ということです。尤も、光の加減をコーティング有の近現代レンズに比べれば、より厳密にコントロールして上げないと、フレア、ゴースト、コントラストの低下などで作画の難度は高いですが、それでも、作りに品が有って、想定外の面白い画をプレゼントしてくれる、このビオターとはまた何処かに出掛けたいとも思いました。

さて、次回は工房敷設秘宝館から国産の面白げなレンズ引っ張り出して来ましょうかね、乞うご期待!!

  1. 2016/11/20(日) 19:45:34|
  2. Mマウント改造レンズ
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A marverick from U.S.A.~Wollensak Cine-Velostigmat2" f2 mod.M uncoupled~

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さて、今宵のご紹介は、久々の工房作品、しかも、国産のありふれた絶版レンズやらコンパカメの玉を取り出して撮れるようにしましたぜ♪ではなく、偶然、電子湾の夜釣りで釣り上げた、謎の深海魚もかくやあらん珍玉、米国はWollensak社製のCine-Velostigmat2"f2です。
この玉が工房に到着した時、やはり同じくノーコートのKinic1.5"f3.5と同じようにエレメントは、コップの中で氷が解けて味が残っているかいないかギリギリの線のカルピスのような淡い白濁した状態で、直ちに分解し、エレメントの清掃、及び端面のコバ塗り直し、鏡胴内部の反射防止改善策を行いました。
構成は貼り合わせ無しの4群4枚、ただ、とても変わっているのが、f2クラスではまず他に例が無いと思われる、簡易ガウスというかオルソメター型というか、前後の構成が凸、凹、絞り、凹、凸という全くの対称型なのです。
製造、ないし発売の年代は番号帯の資料もなく、ネットで調べても類似品が皆無でしたが、漆黒のエナメル仕上げのノーコートで、硝材が1930年前後に製造されたと思しきCookeのKinicなどと似ていますから、おそらくは戦前の1930年代前半に作られたものではないかと考えます。
では、さっそく、この謎の?異端レンズの実写性能を先週の中目黒でのミニ撮影ツアーの行程を追って見て参りましょう。
カメラはX-Pro1、絞り優先AEでの全コマ開放撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、中目黒の駅を降りて南方面にある「中目黒銀座」なるこじんまりした商店街の入り口付近にある、それこそ、川越や佐原から切り取ってそこに置いたかの如き、古建築の酒屋さんの建物の一番特徴的な、銅の雨樋とそこに繋がったダウンパイプをメインに屋根越しに木枠の二階の窓枠まで背景として撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、同じく中目黒駅近くの商店街の入り口付近、古建築の酒屋さんを背にして通りで被写体を物色していたら、ちょうど、けたたましくベルなんかも鳴らしながら、爆走チャリ一家のお通りだぃ!状態をほぼ置きピンで捉えてみたもの。

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三枚目のカットですが、同行者の方々と商店街を奥に進んで行くと、ほぼ年二回は最低訪問しているはずなのに、結構目新しい発見も有って、被写体には事欠かず、木製で生ハムの腿を象った看板に白い木製の切り抜き文字で屋号、そして奥の店舗前の赤い壁には何処となく欧風の漫画みたいなものが描かれ、全体的になかなか洒脱な雰囲気を醸し出していたので、店先からその佇まいを一枚頂いたもの。

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四枚目のカットですが、同行者の一名から、この近くになかなか雰囲気のイイ神社が在ったはずなので、行ってみませう♪というなかなか建設的なご意見を出して頂いたので、一同はさっそく、建物と建物の間の狭い路地を通り、小ぶりな敷地ながらも地元民各位の篤い信仰心に支えられて境内は植樹もしっかり手入れされ、きれいに掃き清められ、とても清々しい気持ちにさせてくれましたが、神社、仏閣関連の写真は業務でチタン屋根関連を撮るくらいでプライベートではご遠慮申し上げているため、神社の塀というか結界を区切る木製の囲いに立て掛けられた深紅の自転車を撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、神社のすぐ裏手はそこそこの大きさに一通りの遊具も揃っている児童公園になっていて、いたいけな童子達がこの日も無邪気に歓声を上げて滑り台だのブランコだの、親御さん同伴で遊んでいたので、ちょいと失礼とばかり、絶叫しながら降りてくる我が子の勇姿をスマホンで捉えようとする若いヲヤヂさんのちょうど反対側に陣取って一枚頂いたもの。

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六枚目のカットですが、童子達が元気良く遊び回る児童公園をあとにして、また商店街探索に出ようとした時、公園の出入り口付近に紫色色の紫陽花が可憐に咲いていたので、最短距離付近の性能も見たかったため、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、公園や神社のある裏通りからまた"銀座"と称する商店街へ戻る道すがら目についた、道端に植えられた真っ赤な季節の花の可憐な咲き加減を一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、"銀座"と称する商店街を一行は適度に撮りながらずんずんと進んで行きましたが、或るリサイクルショップ、ないしアウトレット販売店みたいな小店舗の店先に発泡スチロールの箱やら白いプランターの箱を上手に活用した、ナノビオトープみたいなエリアがあり、そのお店の縁者と思しき、いたいけな童子達がぶくぶくと泡が立つ箱の中のめだかたかが泳ぎ回る様子を眺めて人生の無常を感じ取ろうとしている風情だったので、背後から通りがかりざまに一枚頂いたもの。

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九枚目のカットですが、銀座"商店街も真ん中を過ぎた辺りで、なかなか店頭のデスプレイというか、個性的な散らかり具合いが画的には蠱惑的な飲食店が在って、ただ店の佇まいを撮るんぢゃ面白くもないので、誰か適当なエキストラさんが通らないか、暫し置きピン状態で待ち構えていたら、ちょうど、一心不乱に乍らスマホンをして歩いて来た都会のOL風の小姐が店の前に差し掛かったので、僥倖、僥倖とばかりに一枚頂いたもの。

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十枚目のカットですが、同じく"銀座"商店街には色々な人々、老若男女がひっきりなしに行き交いますが、やや時間的には外してますが、愛犬?を横着こいて、自転車で散歩の真似事している、年齢、職業想定不能のヲヂサンのお姿をこれも置きピンで捉えてみたもの。

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十一枚目のカットですが、"銀座"商店街の奥地で、深大寺の門前土産物屋街とか葛飾柴又は帝釈天こと題経寺への参道辺りで良く見掛ける、展示と防湿保管を同時に出来る優れモノの、アルミのネジ蓋が付いた、横置きガラス広口瓶が多量に置かれた店の奥で故郷の老親への贈り物でしょうか、黒づくめのやや歳のいった小姐が真剣な眼差しで伝票を書いていたので、横のガラス窓に己が姿が映っているのにも気づかず、チャンス到来とばかり一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、歩くこと数十分、"銀座"商店街のどんづまり付近まで到達しつつある辺りで、生の向日葵をゴーヂャスに店頭のプランター一杯に植えている、なかなか風情の有る飲食店を発見したので、その黒板にチョーク手書きの看板を背景に至近距離で一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、同商店街どんづまり付近で、まだ昼飯にはだいぶ時間も有るので、一行は思い思いに被写体を探していたのですが、目黒区で流行りなのか、或いはここ中目黒の狭いエリアの生活習慣なのでしょうか?結構、おしゃれというか、差別化を志した自転車そのものや自転車が目に付いたので、或るお店の店頭で色とりどりに並ぶ商品を一枚撮らせて貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、商店街のどんづまりもどんづまり、一番端のお店の店頭に、適度に風雪や直射日光に晒され、イイ案配に年を取った雰囲気の木製の丸椅子が置かれていて、これがアナクロにも古レコード店の店構えに妙にマッチしていたので、この椅子をモチーフに店頭周りの佇まいを一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、こういうフレアっぽいレンズは、やはり難しいですね・・・昨日出かけた潮来あやめ祭りとか、古河のもも祭り、或いは甲府信玄公祭りみたいな、ところどころ、ポートレートを確実に撮れるシチュエーションだと本領発揮するのでは、と思った次第。

さて、来週は、その潮来あやめ祭りから、あやめ娘各位のご協力も仰ぎ、また機材選択の妙も有った、嫁入船のハイライトシーンも合わせお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2016/06/05(日) 20:11:07|
  2. Mマウント改造レンズ
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A tiny optics with extraordinary performance was excavated and restored~Cooke Kinic1 1/2"f3.5 mod.M~ 

さて、今宵のご紹介は先週の予告通り、久々の工房作品いきます。
このレンズは英国はRank Tayrer Hobbson製のCooke Kinic1 1/2と云い、戦前は1920年代の作と考えられる黒いエナメルと鏡面仕上げにローレットも美しい人差し指の第一関節くらいのノーコート、トリプレットのレンズヘッドです。
このレンズ、元々は4~5年前に、電子湾で兄貴格の2"を買い求め、その素晴らしい写りの気を良くして、同じ売主から第二弾として買い求めたのですが、安くしておくね♪という売主の甘言に乗せられ、ポチっとやってみれば、届いたレンズはカルピスを味のする限界くらいまで薄めた程度の白濁の上、不格好なDマウントの長い袴を佩いていて、これがどうにもこうにも分解も清掃も出来ないときたので、暫し諦めることとし、防湿庫の片隅に放って置かれたまま、半ば忘れ去られていたのです。
ところが、先の甲府信玄公祭りにて、その筋の専門家である同行者の方から、たまたまお使い戴いた、兄貴格の2"の方を望外のお褒めに与ったので気を良くして何とか使えるようにしようと思い、居間兼寝室兼書斎の机の上に置いておいたら、或る日、酒飲んで帰って来たら、閃くものがあり、道具を適当に見繕ってちゃちゃちゃ♪と分解し、あっという間に3枚しかないエレメントは占い師の水晶玉並みにきれいに透き通った状態になったのでありました。
残るは、不必要にメカニカルバックを伸ばし、しかも出穴が小さいことからAPS-Cサイズですらビネッティングの起こりそうな、有害無益なDマウントネジの袴ですが、こいつは、治具を工夫し、旋盤で切り落とし、絞りリング、そして後玉の位置を計算した部位に新たに0.5ミリピッチのネジを切って、新たなヘリコに装着できるようにした次第。
そして、昨日、久々の工作デーと決め、ヘリコ&マウントアッセンブリの中軸にネジを切って、この可愛らしいレンズヘッドを固定し、第二期工事として距離計連動も可能なようにカムも無限合わせて、内面反射防止加工して第一期工事を完了、今日の午後に世界各国からの観光客で賑わう浅草まで試写に出た次第。
では、さっそく、その実力のほどを見て参りましょう。
カメラはX-E1、全コマ開放による絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、地下鉄から上がってすぐの定点撮影スポット、雷門周辺に出るので、そこで物色していたら、中国人のカポーがアキバ帰りと思しきグッズを抱えて、スマホンで腕伸ばして二人の姿を撮っていたのですが、ちょいと間に合わなかったので、その撮影結果をレヴューしている様子を一枚頂いたもの。
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二枚目のカットですが、今日は何となく佳きチャンスに恵まれそうな予感とともにこの可愛らしい相棒と仲見世に出たのですが、雷門くぐってすぐのところで、肩車しながら散歩していた地元民のお爺と、そのお孫さんの極小姐が居たので、声かけたら、日本人から声かけられるのは珍しいねぇ・・・とか苦笑してモデルさんになって貰ったもの。
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三枚目のカットですが、お爺とお孫さんにお礼を述べて仲見世を進んで行ったら、或る店舗の店先で、黒人の混血と思しき少年と、その少年をお兄ちゃん、と呼ぶ、三つ編みも愛くるしい、いたいけな極小姐が土産物屋の店頭でハローキテー系のグッズを一心不乱に物色していたので、そーっと近寄り加減でノーファインダで撮ってみたもの。
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四枚目のカットですが、いつもの仲見世での定点撮影スポット、美人茶屋「あずま」さんの店頭で、きび団子と抹茶ドリンクを買い求めようとしている、ファンキーなカンジの黒人カポーが目に留まったので、買い終わるまで暫し待ち受け、店頭から離れるや否や、ヘイブラザー、今日は決まってるな、一枚撮らしておくれよ♪とか相当馴れ馴れしく話しかけたら、破顔してOK,OKということでノリノリモデルさんになってくれたもの。
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五枚目のカットですが、仲見世の路上でノリノリのブラザー達にお礼を述べてから別れ、宝蔵門の方向へ向き直ったら、なんと、「あずま」さんの側道を挟んだ隣の犬小道具屋さんの店頭で、いたいけな白人の極小姐が物欲しそうにショーウィンドの中のお犬さまグッズを注視しているではないですか?ということで、気配を消して背後に回り込み、必殺の一閃でその可憐な横顔を捉えてみたもの。
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六枚目のカットですが、同じく仲見世沿いで、これでもか?と小物の類いを店頭に並べ商っている土産物屋の店頭で、妙齢の白人女性がこれも一心不乱に土産物を物色していたので、人の背中に隠れながら巧みに近づき、気配を消しながら、斜め後ろに立って、通行人が途切れた一瞬を見逃さず、一閃くれたもの。
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七枚目のカットですが、色々とシャッターチャンスを物色しながら、キョロキョロと挙動不審の一歩寸前で仲見世を歩いていたら、程なく宝蔵門の前まで辿り着いてしまい、ここでもいつもの倣いで、宝蔵門或いはその周辺の記念写真を撮ろうとしている海外からの観光客に狙いを定め、お誂い向きにひとり旅と思しき、うら若き白人女性が、今頃の若い人間には珍しくコンパデヂで宝蔵門の威容を捉えようとしていたので、ヘッドホンで外界の音を遮断しているのをイイことに、至近距離まで歩み寄り、その真剣な横顔を一枚頂いたもの。
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八枚目のカットですが、宝蔵門をくぐり抜けて、浅草寺の境内に入ったら、まず一番手近な定点撮影スポットである、人力井戸に視線を走らせると、居ました居ました、マレーシアからという親子のいたいけな姉弟が一生懸命に水汲むところを、オモニとアヂュモニが向かいのベンチからペットボトル入りの緑茶なんか飲みながら、声かけて注文しながらスマホンで撮影しているという家族が居たので、声かけて混ぜて貰い、一枚撮ってみたもの。
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九枚目のカットですが、今日は、というか今日も、地下鉄出てから全戦全勝の声かけ撮影に気を良くして、境内の宝蔵門の北東にある、伊藤園だったかの緑茶を振る舞う掘立小屋みたいなアトラクション手前の桜の造花というか人工木みたいなオブヂェの前で、いかにも写真撮らせて下さいと声を掛けられるのを待ち侘びているかの如き、小姐二名が居たので、まずは日本語で、すみません、声かけたら、ハィなんでしょう?と答えてくれたので、かくかくしかじか、加工したばかりの英国製の戦前のレンズの試写してるんでモデルさんになってはいただけませんでしょうか?とお願いしたら、快諾して頂いたもの。
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十枚目のカットですが、着物の日本人小姐お二方にさっそく撮影結果をご覧戴き、えーこんなキレイに撮れるの?ぢゃ、アイポンでも撮って貰おうかな☆とかいういつもの予定調和説に繋がり、数カット撮ったら勘弁して貰い、お礼を述べて別れたら、次なる定点撮影スポットである、お神籤売り場で、難解な日本語の籤を一生懸命に解読しようと雁首揃えている白人一家が居たので、至近距離に近づき、五重塔を撮るフリして一枚頂いたもの。
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十一枚目のカットですが、今日は素通りのつもりで来ましたが、幸先の良さにお礼でもしようと思い、いちおう本堂にお参りしてから、奥山方面に降りて行ったら、さっそくのご利益だったのか判りませんが、インド人の一家がつつじの植栽に囲まれた漢字の碑文の青銅製プレートを挟んで座り、記念撮影なんかしてたので、父娘の回の時、カメラマン役のオモニに声かけて、一枚撮らして貰ったもの。
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十二枚目のカットですが、話は前後しますが、今回のこのレンズの加工の特徴は、ヘリコイド留めの位置を工夫して、なんと20cmまで接写が出来る仕様になっているので、それを試すべく、影向堂とかいうお堂の前で今を盛りにつつじが咲き誇っていたので、毎日毎日飽きもせず、スマホンで撮ってる構図に改造レンズ+APS-Cミラーレスでチャレンヂしてみたもの。
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十三枚目のカットですが、奥山から花やしき方面の出口へ抜けると、一挙に海外や国内地方都市からの観光客による賑わいは影をひそめ、まさにディープ浅草という風情の、地元民や都内からの或る程度地勢に通じた観光客以外は通らない、閑散とした通りになるのですが、結構面白い画が拾えるので、今日も歩いていたら、大型犬を囲んで世間話をする一行が居て、しかも昼から深酒したのか、比較的若い女性の連れは、伴の年配男性にもたれて眠りこけている、という非日常的な景色が撮れたもの。
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十四枚目のカットですが、奥山からウィンズ方面を抜け、六区の飲み屋街経由、再び伝法院通りに戻るルートを歩いていたら、さすが浅草、日曜の午後も遅くだったので、道に面した居酒屋はどこも満員御礼、皆さん、この世の憂さを暫し忘れるべく、楽しく飲み食い語らっていましたが、いつも気になる、赤ちょうちんならぬ「生ホッピー」の白提灯の向こうで楽しく語らうグループが居たので提灯超しに一枚撮ってみたもの。
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十五枚目のカットですが、伝法院通りから再び仲見世に戻り、帰路も撮影しながら歩いていたら、来る時は混み合っていて、とても販売員の小姐各位のご尊顔など拝めそうになかった美人茶屋「あずま」さんの店頭も客がまばらで、ちょうど頃合い良く、いたいけな幼子を抱えた若いオモニがきび団子を贖おうとしていたので、頃合いを計り一枚頂いたもの。
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今回の感想ですが、うーん、戦前の英国の光学技術恐るべし・・・一説によれば、戦前のKinicはどれも硝材、曲率といった構成まで、基本的にはデニステーラーが1893年に発明したトリプレットそのままだったといいますから、最新とは言えないまでも、銀塩に比べればはるかにシビアなデヂタル機器でこれだけの画が撮れるということは、或る意味、19世紀には光学技術は或る程度の完成を見ていたということなのでしょう。

さて、次回は海外取材準備で一週お休み、翌々週からはたぶん三週連続くらいで、大陸の画いくと思います、乞うご期待!!
  1. 2016/04/24(日) 21:12:33|
  2. Mマウント改造レンズ
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A great challenger from curtain of iron~OKC-8-35-1mod.M~

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さて今宵のご紹介は予告通り、当工房の秘蔵っ子、たびたび撮影結果は登場してきましたが、ご本尊の登場はまだであったことに気がつき、満を持しての登場となります。

まずはレンズの説明ですが、このレンズは旧ソ連のレニングラード光学機器連合(LOMO)が、崩壊前の1991年におそらくは外貨獲得目的の輸出用として、アリフレックス等のシネレンズの交換用レンズブロックとして製造されたものと思われます。

何故、そう推測するのかと云うと、実は或る旧ソ連領内の業者から、いつもは必要な量だけの改造用パーツ等を調達しているのですが、或る時、急に金が要り様なので、特殊なデッドストックのシネレンズブロックを買ってくれないか? というオファーがあり、値段も同スペックの西側中古レンズの5分の1程度だったので買いたい旨返事したら、何本買ってくれるのか?と聞いてきたので、5本でも10本でも、と答えたら、100本以上持っているので、大量に買ってくれたらディスカウントも考える・・・とのやりとりがあったので、当工房で保有する特殊用途のPO59-1のように1本しか見つかっていないものからすれば、比較にならないほど大量生産され、その捌け口としては、輸出向けと考えるのが妥当だからです。

構成は4群6枚のオーセンティックなプラナータイプ、コーティングの色は、T*より寧ろローライのHFTコートの最新のものに似ているように見えます。

ではさっそく実写結果を見て参りましょう。

今年5月のハノイツアーでのストックフォトから蔵出し致します。

カメラはLeica M8、 絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、今回で二回目の訪問のため、周囲もすっかり見慣れた、ハノイ旧市街中心部、ホアンキエム湖至近の大聖堂裏の路地奥に佇む常宿前の狭い通りにところ狭しと左右から張り出した建物の様子を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、着いた翌日にハイフォンまでの列車旅行の切符を買いに旧市街中心北部にあるロンビエン駅まで歩いて行く道すがら、ホアンキエム湖北方の職人街の幹線沿いの歩道を物色していたら、店頭の低い椅子に腰掛け、楽しそうにガールズトークに打ち興じるマヌカン3人小姐の楽しそうな姿が目に留まったので、声掛けて撮らせて貰ったもの。

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三枚目のカットですが、同じく職人街を歩いている時、店頭の特売品カゴみたいなコーナーを、とても子供とは思えない鬼気迫った様子で物色しているポニーテールのいたいけな小々姐の後ろ姿が目に留まったので、通りざまの一閃で一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、幹線道路から職人街の中の比較的細い道路に入って、駅を目指していたら、色々な服装の老若男女がエキゾチックな店舗の前を行き来していて、何枚撮っても飽きないカンジだったのですが、通りの角に建つ、比較的、今風の若者向けのファッションを扱うお店から、無事、お目当ての買い物を終えたのか、恵比須顔で出てくる、いたいけな小々姐二人組の姿が目に留まったので、すかさず一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、職人街も駅と隣接する市場地区の手前まで来たら、市場で買い物を終えた人々や、午後の行商に向け、市場で仕入れた品物を自転車の荷台に積んで、これから稼ごうという気概に満ちた表情を浮かべて通り過ぎるアヂュモニやら、とても活気に溢れている様子だったので、画的にも面白く、一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、これも市場近くのエリア、五枚目のアングル前方へ100mかそこら歩いて、前方に特徴ある建物が見えてきた辺りで、ちょうど、菅笠のアヂュモニが前を歩いていたこともあり、如何にも東南アジアの街角という雰囲気を色濃く漂わせた通りの様子を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、市場エリア入り口付近の雑貨屋兼ドリンクスタンドみたいな半屋台的店舗で、来るか来ないか判らない気紛れな客相手の商売の常でしょうか、白髪頭に背の曲がった爺様が傍らにトラのネコを寝そべらせて、悠々と新聞を広げて記事に見入っている姿が、何故か台湾とか香港の街角の様子にも思え、面白かったので通りざまに一閃、戴いたもの。

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八枚目のカットですが、駅で翌朝の切符を買っての帰り道、再び職人街を通っていたら、南国の風物詩でもある、ドリアンを山のように自転車の後ろの荷台に積んだまま、通り沿いの商店のショーウィンドを呆然と見つめる菅笠のアヂュモニの姿が面白かったので、これも通りざまの一閃で戴いたもの。

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九枚目のカットですが、ホアンキエム湖まで戻る時、来た道と違うルートを通ろうと決めていたので、少々遠回りして、北東方面に回ろうと思い、造花街を通っていたら、とある商店の店先に目にも鮮やかな赤い南国の花が飾ってあったので、これも良く出来た造花だわいな、とか近寄ってみればホンモノの熱帯植物だったのでこの鮮やかな赤い花をモチーフとして通りの雰囲気をバックのボケとして一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、勝手知ったる他人の街、とばかりに地図も見ず、ずんずんと歩いていたら、交差点の信号で立ち止まっている時に、オランダからの旅行者という小姐2名にホアンキエム湖への戻り方を聞かれたので、地図を出して貰い、大まかな現在位置と、湖の方角を教えて上げたら、せっかくだからと彼女達のアイホンで記念撮影の上、モデルさんになって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、やっとホアンキエム湖そばの大聖堂が建つエリアまで戻って来たら、路地の入り口でいたいけな極小姐がお店を経営するオモニのお手伝いか、何らかの植物系食材の皮向きとヘタ取り作業やってて、ひと段落したのか、大きく伸びなんかして深呼吸しているところに通りざまに目が合い、ニッコリと微笑み返ししてくれたので、傍らのオモニに声掛けて一枚撮らせえて貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、ホテルへ続く路地の入り口に立つ大聖堂で、この日は洗礼式と思しき行事をやっていたので、その行事に参加するらしい聖歌隊の文字通りいたいけな極小姐に眉目秀麗なフランス人旅行者の小姐が満面の笑顔でしゃがみ込んで色々と話しをしている様子が微笑ましかったので、かなり至近距離まで近寄って数枚撮らせて貰ったうちの一枚。

さぁ、どうでしょう・・・工房主の勤務評定としては、このOKC-8-35-1、なりは小さいですが、少なくともM8のAPS-H、或いは工房主力機のX系列のAPS-Cであれば、周辺まで破綻無く、精緻で端正な画を捉えてくれるので、こういう色彩豊かな土地でしかも機動性が求められるようなシーンではまさに真骨頂を発揮するのではないかと思いました。

さて、来週は秘宝館からこのところマイブームの国産常用域ズームのメンテナンス済のものの実写結果でも行きましょう。乞うご期待!!
  1. 2015/11/29(日) 22:49:32|
  2. Mマウント改造レンズ
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A hot lens from freezing country~Helios33 mod.M~

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さて、今週のご紹介は、今を去ること、9月下旬に深大寺界隈にて小手直し後の試写を行って、OK出したロシア製の汎用レンズヘッドHelios33、35mmf2のMマウント改造レンズいきます。

このレンズ、電子湾ではたまに遊弋しているのを見かけ、それが何回か改造用パーツを調達する業者の持ち物だったので、比較的安く入手出来、モノは試しに、とばかりMマウント、距離計連動改造したものです。

ただ、R-D1sでテストしたら、中心部にピンを合わせたら、そこを囲む狭い楕円形エリア以外はピンがぐずぐずで使い物のならないように見受けられたので、暫く放っておいたのですが、そうだ周囲がぐずぐずになっても使えるシーンがあった☆とばかり、虫の報らせで彼岸花が満開になっていそうな深大寺までX-Pro1に嵌めてオール開放でのテストに出かけた次第。

で、実像見てピン合わせるミラーレスなら、結構使い物になるぢゃまいか?ってことで、今回、ご紹介する運びになった次第。

このレンズは1970年代半ばにクラスノゴルスク光学工廠で製造されたものらしく、工房には、未使用のまま、例のプラスチックコンテナに収納され油紙で包まれた状態で検査証同封で届けられました。

レンズ構成は極めてノーマルな4群6枚のオーピック型、コーティングはユピテル8Mなどでお馴染みの赤紫の毒々しいものが施されています。

では、早速、その描写性能を深大寺の景色・人物をもとに見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、当日はまず蕎麦を戴いて腹ごしらえしてからの撮影となったのですが、深大寺附設ペットセメタリー脇の「松葉屋」さんで大盛りせいろなど戴いてから深大寺城址に登り、そのエリアであちこちに咲く彼岸花のうち、花越しに偽"この木何の木"を望める位置から一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、深大寺城跡エリアで心行くまで撮ってから、次なる目的地である「神代植物園附設水棲植物園」まで降りて来てそこで、毎年の風物詩となっている、実った稲を雀などに食べられてしまわないように張り巡らせた薄橙色のネットが風にたゆたい、あたかも春の海の波のように見えたので、その佇まいを一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、彼岸花は深大寺城址エリアのみならず、土手部を中心に水棲植物園内にも幾つか群生があり、毎年、比較的急峻度の高い土手の上から生えている彼岸花を撮ると、背景が回リ易いことが経験則的に確かめられているので、このレンズでも試してみたもの。

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四枚目のカットですが、これもいつもの水棲植物園内のウッドデッキ散策路を入口ゲート側から眺めたもので、この被写体、構図だとどんなクセ玉でもたいがいはおとなしく写ってしまうということを検証すべく一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、16時過ぎになると、水棲植物園は入場打ち切り、16時半でゲートが閉められてしまうのと、次なる撮影スポットである深大寺山門前茶店街に閑古鳥が鳴いてしまうので、早々に水棲植物園を後にし、茶店街に向い、ここも定点観察アイテムである、美人茶屋「 八起」さん店舗脇ミニ庭園内の蹲を竹のすのこ?にピンを合わせ撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、同じく「八起」さんのミニ庭園の方に目を向けてみたら、カサブランカのハンフリーボガードの中折れ帽のようなオシャレな帽子をかぶり、今どき珍しく姿勢の宜しい清楚な小姐がお付きの方?とともに甘味などをご賞味されていたので、垣根越しにそのお姿を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、茶店街を次なるモデルさん探して徘徊していたら、居ました、居ましたいたいけな美小々姐が愛くるしいシバ犬と遊んでいるではないですか・・・ってことで、傍らのちょい怖げなヲヤヂさんに向い、しきりに愛犬を褒め上げ、小々姐には、その介添人という立場で参加して貰ったという整理のものです。

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八枚目のカットですが、ここまでの試写でなかなか好ましい性能ではないかと確信が出来つつあったので、今度は階調再現性とコントラストのバランスを見るべく、木漏れ日が照らす茶店街の西の外れの石畳でセミシルエットの人物でも撮ろうと待ち構えていたところ、「ボカァ、シアワセだなぁ♪」とか心の声が聞こえてきそうな若いカポーが楽しげに歩いてやってきたので、そのお姿を一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですがここもまた毎回の定点観測スポット化してますが、この時間、ちょうど、西日が斜めに射し込み、いかにも普及品オーラがぷんぷんのアルマイト製柄杓頭部の薄金色?の肌を照らしていたので、同じく残照を照り返す水草ともども一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、前に工房オリヂナル光学系でのべつまくなしに渦を巻く手に負えないレンズのテストをここ深大寺で行った時、嵐の午後みたいなテイストになった山門脇の灯篭越しの木の枝がどうなるのか、怖いもの見たさで試してみたら、期待に違わず、「星月夜~糸杉と村」を書いた、故ビンセント・ヴァン・ゴッホも目を回し泡吹いて卒倒しそうなぐらい、回ってしまったもの。

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十一枚目のカットですが、茶店街より5m近く高い、山門の位置から門前の茶店を眺めると、ちょうど視界に「昭和枯れすすき」が入るので、そのすすきの穂部分にピンを合わせて、茶店周辺を撮ったら、どんな案配に写るのだろうか試すべく撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、そろそろ人の出も減り始め、周囲も暗くなり始めたので、またもと来たバスでつつじヶ丘駅まで戻ろうと、山門から真っ直ぐ伸びる表参道を歩き出したら、とある料理屋兼土産物屋の軒先で植栽の中に蒼い可憐な桔梗の花を見つけたので、このレンズの最短付近で撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、表参道の一番手前、バス停寄りに「鬼太郎茶屋」なる元祖キャラクターショップみたいなお店が在るのですが、そこで、何かのキャンペーンだかで、1回300円(税込)のはずれ無しのクジ引きやってて、結構、通りを行き交う人達に人気のようだったので、色がちょいと黒いがなかなかカンジの良い係員の小姐もろとも、その楽しげな様子を一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、距離計連動でダメダメレンズと思っても、ミラーレスで使ってみれば、このように、実用性を備えながら、シーンによっては、大胆なデフォルメをかましてくれて楽しめるなかなか楽しい大人のおもちゃではないかと思いました。しかも、このところ、値が上がって来てしまっているシネレンズと違い、汎用高性能光学系ということなので、同じようなスペックのOKC-8-35-1からみれば、半値以下で入手出来るようですし・・・

さて、次週はこの面白ろロシアレンズと併走テストした今は亡き国産のオリヂナリテー溢るる、独特のシステムカメラのレンズをここ深大寺にてアダプタ経由試してみた結果をレポートします、乞うご期待。
  1. 2015/10/11(日) 23:18:56|
  2. Mマウント改造レンズ
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Frankenstein's creation may present us nostalgic experiences?~ Fukagawa experinental opt.37mmf2.8~

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さて、今宵のご紹介は、なかなか実写トライアルが出来ないため、お披露目が伸び伸びになっていた、当工房の試作レンズ、”フランケン1号”こと試作37mmf2.8レンズのご紹介になります。

まず、一見するとスタイリッシュなパンケーキタイプの蒼いコートも美麗なヤサ男系レンズが何故”フランケン”なのかを説明する必要があります。

このレンズ、実は色々と試作を行うための買い込んでいたコンパカメの中のNikonAF35の後期型、テッサータイプの35mmf2.8を外して先に複数個ライカマウント距離計連動化してきたT-AFD Tessar35mmf3.5同様にMマウント改造化しようとしたのですが、あにはからんや、最後群にカビが有り、その根がどうやらコーティングを食い破り、硝質まで行ってしまっているようなので、これはもう再研磨でもしないと使い物にならない状態で、それ以上にレンズブロックハウジングがおそらくは硬質ポリプロピレン系の黒色プラスチックであったことで、一気に戦意喪失、ボディから外したまま、暫く放っておいたのですが、或る時、ふと閃いて、そうか、50mmクラスでは普通にやってる、スワップやりゃイイんぢゃね?ってことで色々試したところ、コニカC35AFの3群が一番しっくり来たので、それを用いて、ニコン製の1、2群ともども、工房謹製の真鍮削り出し黒色ニッケルメッキ+グラファイト無反射塗装のレンズブロックハウジングに再収納することとしたのです。

ただ、今回はまだ各エレメントのクリアランスなどがまだ最終確定ではないので、距離計連動の斜行カムは切っておらず、ミラーレスでのテストとした次第。

では、早速、浅草界隈でのテスト結果を見て参りましょう。撮影条件はカメラがX-E1で、もちろん開放の絞り優先AEです。

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まず一枚目のカットですが、いつも通りの深川からの浅草へのアプローチ通り、銀座線から雷門最寄の出口に上がり、雷門周辺で何枚か撮ることにしているため、今回もそのセオリーに従い、雷門周辺でシャッターチャンスを狙っていたら、いたいけな極小姐の姉妹がカメラを構えるヲヤヂさんを尻目に立ったまま頭を寄せ合い、可愛らしい内緒話を始めたので、ここぞとばかり一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、ナイスシーンへの遭遇に気を良くして、雷門周辺で引き続きシャッターチャンスを待ち構えていたら、営業活動の一環でしょうか、車夫のオッパーが、湘南の海から転戦してきたような年端も行かぬカポーを言葉巧みに「タダでシャッター押して上げますよ♪」などと口八丁手八丁で記念撮影なんかおっぱじめたもんだから、中国人観光客の本歌取りで、後ろから便乗して一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、雷門スタートだと必ず立ち寄る撮影スポット、仲見世と交差する通りにある扇子屋さんの軒先に鉢植えのほうつきが吊るしてあって、なかなか佳き風情だったので、打ち水なんかやってた店のアヂュモニにお世辞のひとつも言いながら一枚撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、或る意味、このレンズの異常な描写特性を端的に表すカットではないかと思いましたが、仲見世の遥か彼方の浅草寺宝蔵門のチタン瓦屋根にEVFの10クロップ機能をフル活用し、精緻にピンを合わせて撮ったつもりだったのですが、ほーれご覧の通り、何故か、4~5m先を行く、初老のヂェントルマンの白いシャツのシワまでかなり忠実に描写してしまっているという摩訶不思議なもの。

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五枚目のカットですが、仲見世と交差する通りにも注意を払って宝蔵門方面へ歩いて行ったら、居ました居ました、また手を伸ばして自撮りの真似事をしている良い子達が・・・ってことで、浴衣のヤンキー小姐に声掛けて、幾つかのアングルでスマホンで撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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六枚目のカットですが、いつものコース通り、伝法院通まで来たら、左、即ち田原町方面へ曲がり、通りを徘徊しながらシャッターチャンスを探すのですが、今回も、お好み焼屋兼鼈甲屋さんの店先に佇み、レンズ交換とストロボのデューザーの調整なんかやってる浴衣小姐一名込みの若い台湾人男女グループが居たので、中国語で話し掛け、調整している間に小姐を一枚撮らしてね、とお願いし、モデルさんになって貰ったもの。

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七枚目のカットですが、伝法院通りと通称”ホッピー通り”の交差点南側にあるテイクアウト専門の団子・餅系軽食のお店に韓国人アガシ二名が立ち寄って、それはそれは流暢な日本語でお買物なんかしていたので、関心して見ていたら、横で、かなり大きな佳能の数位照相机でバシャバシャと撮り始めた中国人数名が居たので、ぼぉっとしてる場合ぢゃねぇぞ、と正気に戻り一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、伝法院通から北に曲がり、通称”ホッピー通り”を徘徊しながらシャッターチャンスを探していたら、居るわ、居るわ、土曜日とは言え、真っ昼間から、モツ煮だかモツ焼だかをアテに一杯引っ掛けてる人民各位が・・・ってことで、ここは無難に少し離れた路上から、店頭で一番目立つ白いTシャツの兄ちゃんのやや尖り気味の耳にピンを合わせてさっと撮って、ぱっと立ち去ったもの。

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九枚目のカットですが、またしても"ホッピー通り"を北に向い歩いていたら、飲み屋街では却って目立つ、白提灯で、そのものずばり「生ホッピー」ってこれ見よがしに書いたものが店頭に高く掲げられているぢゃあーりませんか?ってことで、ここはかなり近くまで寄って、おのぼりさんのフリして一枚撮らして貰ったもの。

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十枚目のカットですが、奥山へ戻る方向の通りとの交差点まで歩いて来たので、ふと振り返ってみれば、この真っ昼間から良からぬ不健康な雰囲気漂う?"ホッピー通り"を如何にも「僕達、タダのお散歩デース、真っ昼間から飲酒なんてね~」というクールなオーラを漂わせた年輩カポーが清々しく闊歩してきたので、通りの佇まいとの対比も面白いので、抜討ちざまに一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、たまにはこういう不出来なレンズと、出たとこ勝負のスナップ散歩も愉しいかも、ということです。
でもこの後付け替えた、同じく工房製準オリヂナルレンズの性能が余計素晴らしく感じてしまったぁ・・・(苦笑)

さて次週は、会社の出張にかこつけて西国巡礼の旅にでますので、もしかしたら、5年ぶりくらいに瀬戸内旅情出るかも・・・乞うご期待!!
  1. 2015/09/06(日) 19:59:44|
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Rebirth to the opposite role player~Schneider Apo-Componon40mmf2.8HM mod.M by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介は久々の工房作品、というか、これまで出先写真ではたびたび活躍はしていたのですが、お披露目は済んでいたものと勝手に了解し、今日の今日まで何かとこき使っていたというのが実情で、未登場機材を整理していたら、あらまぁ、まだ出ていなかったの!?てなカンジで急遽、ハノイでの撮影結果をもとにその描写性能をあますところなく見ていこう、ということになったものです。

まずはこのレンズの氏素性ですが、鏡胴外側は一見しょぼいプラ製ですが、中のメカは全てアルミ合金削り出しの黒染めで、意外と持ち重みのする頼もしいレンズです。

このタイプの発売は1990年代半ば、構成は4群6枚ながら、両外側二枚が張り合わせで絞りを挟んだ両側に弱いパワーの凸玉を置いた超変形オーピックタイプとでも云える不可思議な形です。

元々の用途はフィルムの引伸し、焼付用の投影レンズですが、先に改造した競合者のローデンシュトックApo-Rodagpn50mmf2.8が撮影用として最近接から無限まで全く破綻なく使用出来たことから、まだ安かった頃に電子湾で釣り上げ、工房でMマウントの距離計連動改造を施したものです。

では、さっそくその実写結果で実力のほどを改めて確かめて参りましょう。カメラはX-E1の絞り優先AEモードでの全コマ開放、ロケ地は先のGWでの訪問地のハノイ市内です。

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まず一枚目のカットですが、到着早々、教会裏の路地奥にある宿からホアンキエム湖に向う途中の商店街?での商売の様子を背景として、国民の祝日を祝し、町中狭しと掲げられたベトナム国旗のテクスチャを写し取ってみたもの。

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二枚目のカットですが、湖への通り道ではきちんと店を構えた商店のほかに、色々な行商がやって来て、思い思いの商品を商っていますが、その中で、地元民、観光客双方にそこそこ人気ある、菅笠売りの行商のアヂュモニが商品満載の自転車を置いたまま店先のお婆ぁと話し込んでたので、ちょいと失礼と、東南アジアではありきたりのパゴダみたいに詰まれた菅笠の様子を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、湖への道を歩いていたら、前方にオーセンティックな野菜売りの行商のオモニが悠然と自転車を推しながら流していたので、歩道側から早歩きで並走し、暫くして、背景が開けた辺りで抜き撃ちの一閃とばかりに必殺の一枚を戴いたもの。

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四枚目のカットですが、湖の周回路から北側の旧市街の職人通りへ向う途中、大きな道を横切ろうとして左右を窺っていたら、彼方から、結構な美人のアガシが見たこともないようなスクーターで風を切って、颯爽とこちらに向ってくるのが見えたので、即座に構え、そのエレガントなお姿を一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、ランチ前の撮影を終え、再び、宿の周辺まで戻って来て、馴染になったベトナム料理、洋食兼業のカフェバーみたいなお店でランチを戴き、シャワー浴びて休もうとホテルへの路地に繋がる裏通りの入口付近が地元のいたいけな若者各位で賑わっていたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、ホテルで一休みしたあと、宿の周辺をほっつき歩いていたら、フランス統治時代の雰囲気を色濃く残す建物の前庭の花壇に山吹色の熱帯の小さな花が無数に咲いていて、殆ど夢の国状態だったので、メルヘンチックな雰囲気を少しでも表現すべく、そのお花越しに雰囲気有る建物をボカして撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、お花畑のあるコロニアル様式?の建物を後にして、更に南の方角を目指していたら、ちょうど、LCCのヴェトヂェットの本社と思しき建物の辺りに来ていて、おそらく、空港から市内を結ぶ、乗客サービスの一環としてのシャトルバスが停まっていて、その前を二人乗りのバイクが猛スピードで通り過ぎて行ったのを丁度画面に収められたもの。

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八枚目のカットですが、宿のかなり南方面の道路を徘徊していたら、市内では珍しくもない、鳥籠の鳥ですが、これが珍しく澄んだ声で元気に鳴いていたので、暫し見とれていたというか、聞き惚れていたら、親父が出て来て、そんなに気に入ったなら、連れて帰ってもイイんだぞ、国は何処から来た?とか満面の笑顔で声掛けて来たので、日本から来たので、残念ながら、連れて帰れない、羽田で没、焼鳥にされてしまう、とか半ば冗談で返したら、それは残念だ、写真撮るだけならタダだから、記念に一枚撮っておけ、ということで、遠慮なく一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、危うく籠の鳥を売りつけられそうになった窮地を脱し、更に南部エリアの徘徊を続けていたら、幼稚園みたいな施設の門扉横辺りにステキな、極彩色にペイントした石ころでデコレーションしたこれまたハデな色遣いの壁の一部に、渋めの古い自転車が頑丈な南京錠みたいなものと鎖で結わえられていたので、そのキッチュな対比が面白くて一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、午後も15時過ぎになって、そろそろ暑いしくたびれてきたので、また宿でシャワー浴びて、日没まで一休みしませう、ということで大聖堂の前まで戻って来た時、前回の訪問時も含め、いつも何も思わず前を通り過ぎていたカフェの窓枠とガラスに映り込む景色がとてもエキゾチックなことに気付き、この時間の陽加減の記録にも、と一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、宿でシャワー浴び、また一休みしてから、日没前の少し涼しくなってきた時間に、ホアンキエム湖の周回路まで出て来て、殆ど、定点観測スポットというか、レンズの海外撮影テスト場と化している湖畔に立つ、ヴェトナム/中華レストランの表の佇まいを一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、湖畔のヴェトナム/中華レストランを十数メートル北に遡った辺りに設置されている、何らかのイベント関連のスローガンをかたどった光沢あるプラスチックの文字看板系オブヂェとその傍らを無関心かつ足早に通り過ぎていく、いたいけな若い西欧からの観光客各位の姿を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、陽も暮れかけた湖の畔の周回路上のベンチでお孫さんと思しき、いたいけな童子とかけがえのない憩いのひと時を過ごしているご老人の姿と湖の佇まいをバックにその手前に咲き乱れる黄色い花々にピンを合わせ一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、フルーツの露店をやってるヲヤヂさんが、愛くるしいいたいけな自らのお嬢さんにおやつをねだられたようで、この時刻にもなると客足もさっぱりで、お店は閑古鳥も鳴き始めたことから、自分に似ず、奇跡的に器量良しの極小姐である我が娘をサクラとし、通り過ぎる観光客の目を惹こうとしたかの如き動作だったので、宣伝も兼ね、その麗しい様子を一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、デヂタル撮影では日暮れの様子がいまいち判りずらいかも知れませんが、陽は沈みかけ、だいぶ日中の刺すような陽光からはマイルドな斜めの光線加減にうって代わり、初夏の湖面も残光を浴びてキラキラ輝いていたので、その様子をバックとして湖岸の花畑の赤い花々の可憐な姿を写し取ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、湖岸の周回路から、また北側の大きな道路を横切り、夕暮の職人街へ足を踏み入れたところ、比較的新しい西欧文化の香りのする街並みに菅笠の物売りのオモニが居たので、その後ろ姿でも入れて撮ろうかいなとシャッター切った刹那、ただならぬ雰囲気に気付いてこちらを向いたオモニの鋭い目線を偶然捉えたもの。

今回の感想というか、このレンズの感想ですが、この鏡胴、ヘリコが渋めにセットしてある上、グリップというか突起がないのでピント合わせには苦労しますが、それでもほぼ休み休みながら半日も付き合えば、初めて持ち出した異国の街で、最新のAE/AFレンズには決して負けない、チャ-ミングで印象的な画をプレゼントしてくれます。また海外に出るときはカバンに潜ませたい一本であることは疑いようがありません。

さて、次回のご紹介は、秘宝館久々の新機材、渾身のレポートです、乞うご期待!!
  1. 2015/06/07(日) 19:58:24|
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Remarkable sharpness found in apature f5.6~Yashica T-AFD Tessar35mmf3.5 mod.M.II~

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さて、一日アップが遅れましたが、今週のアップはちと順番入れ替えて、先のCP+の極上の前菜とも云える横浜山手撮影行で伴走機として使用したR-D1sでW-Nikkor35mmf2.5と同時テストしていた京セラT-AFD用Tessar35mmf3.5改M弐号機のレポートをお送り致します。
あれ、このレンズ、この前紹介したばかりぢゃね、とか画面のサイトを変えようとする、そこのアナタ、人の話は最後まで聞くもんですよ(笑)
先の個体は壱号機、単にマウントとヘリコに傾斜カム付けただけの描写実証機で、今回のものは、背面調整式とは云え、絞り機構を内蔵しました。
でも、いつも通り開放オンリーぢゃ、意味無くね?とか画面のサイトを変えようとする、そこのカノジョ(居るか???)、ちゃんと今回のタイトル読んでね♪ってことで、今回は異例中の異例、おそらく最初で最後であろう、ぶっ通しでf5.6撮影の結果をお送り致します。
カメラはR-D1sでの絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、石川町の駅を降りて、出戻りフォトグラファーさんに案内されるまま坂道を登り、まず一番初めに訪問した「外交官の家」の庭園北側の斜面との境界に立つ、陽の当たるモルタル造の塀と植栽の様子を一枚撮ったもの。

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二枚目のカットですが、先のW-Nikkor35mmf2.5の開放でのカットでも登場した、みなとみらい方面を背景に庭園のバラにピンを合わせて撮ってみたものです。

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三枚目のカットですが、「外交官の家」から出て、南側の道路を次の目的地まで徒歩で移動する途中見つけた、おっさ~れな私設道路標識を青空を背景に一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、これまた先のW-Nikkor35mmf2.5の際も登場した、洋館街を貫くメインストリート上の南側斜面上に立つ、住む方の美意識が多分に表われた住戸が在ったので、塀際から一枚撮らせて戴いたもの。

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五枚目のカットですが、そのメインストリートを一行が徒歩で移動中、確か教会みたいなところの1階部分に白くペイントされたおっさ~れな鎧戸が蔦の絡まるモルタルの壁面に嵌っていて、思わず、ペギー葉山の「学生時代」の世界にトリップする寸前のところ、何とか踏みとどまって一枚撮ったもの。

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六枚目のカットですが、これも山手洋館街のメインストリートに面して建立されていたキリスト教の一派と思しき、教会の立派な佇まいが目に留まったので、画面向って左手から、フェリス女学院生と推定されるいたいけな小姐2名がちょうど尖塔の下を通り過ぎる瞬間を狙ってシャッター切ってみたもの。

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七枚目のカットですが、次の目的地である、エリスマン邸(だったかな?)に着いて、庭木越しの洋館のオフホワイトの壁面の造作が青空に映えていたので、二階方向に向けて木立越しに一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、さてそろそろ三時だ、お茶の時間だべぇ~ということで、外人墓地方向に一同歩いて移動する途中、道の進行方向右手に見えた、これまた木立越しにミントグリ-ンのおっさ~れな洋館を下から見上げたアングルで撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、移動途中の洋館兼街角ミュージアムみたいなところの玄関前でちょうど西日を浴びて、輪郭がきれいに光る小姐二名組が居たので、かなり至近距離まで寄って、甲高いシャッター音のR-D1sで必殺シルエットロマンスの画を一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、これまた、W-Nikkor35mmf2.5の回でも登場しましたが、フランス山公園頂上付近にある、風車のモニュメントが夕陽に染まって、とても美しく見えたため、下から見上げるアングルで一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、若干絞りユニットの敷設位置が後ろ過ぎ、即ちTessarの最後群から離れ過ぎていたためか、無限に近いポジションでの撮影だと、ケラレのようになって周辺が光量落ちしてしまうようなので、これはもうちょい内部機構を改善すべきとは思いましたが、いやはや、シャープだし、発色もナチュラルだし、さすがに10万本も作られたという伝説の銘玉の往年の実力は侮れない、と思った次第。

さて、来週は、お天気次第ということもありますが、基本的には、茨城までICSで買い求めた珍玉のテストに出かけてきますので、そのレポートをお送りしたいと考えております、乞うご期待!!
  1. 2015/03/16(月) 23:09:05|
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A clumsy optics meets fashonable town~Baltar35mmf2.3C mod.M~

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さて、今週のアップは久々に予告通り、工房製の改造レンズ、Bausch & Lomb銘のシネレンズ、Baltrar35mmf2.3Coated改Mをご紹介致します。
このレンズ、改造自体はもう2~3年前に完成していて、関東近郊のお祭りや、香港・マカオ、或いは台北、韓国などにも持ち出していましたが、何故か後輩レンズに先を越され、本体をご紹介するのは今回が初なのです。

構成はオーソドックスな4群6枚のオーピック型、製造はおそらく1960年後半、既に映像用光学製品から殆ど撤退し、コンタクトレンズや眼底カメラのような医療用途分野に活路を見出したBausch & Lomb社が米国Goertz社にOEM供給を仰いだものと言われています。

電子湾経由、工房に届いた時は、Walt Desneyスタジオの銘の入ったキャップ付きのマグカップ並みの巨大なミッチェルシステムのレンズハウジングに収められており、これをドリルやカニ目オープナーを駆使し、宝玉のようなレンズブロックを取り出し、これを距離計連動化すべく別の本体見合いの薄型でコンパクトなハウジングに固定し直し、距離計連動のための傾斜カムを設けたものです。
では、早速、当日の行動に沿って実写結果を見て参りましょう。撮影条件はカメラはX-Pro1、全コマ開放による絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、中目黒駅からスタートし、目黒川、西郷山公園を経て、ツタヤ主体のカルチャ系ショッピングエリアであるT-サイトに着いたら、中庭でいたいけな中国小姐お二方が、例の自撮り棒なんか使わず、交替で撮ってはキャア、眺めてはキャアと愉しげにスマホンで遊んでいたので、おもむろに近寄りざまに中国語で話しかけて、シャッター押して上げるからモデルさんになってね♪と交渉の結果、撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、同じくT-サイトの建物間の通路で建物を照らす夕陽がなかなかイイ案配になっていたので、イイ雰囲気のカポーでも通り掛かったら通行人出演して貰おうとか鵜の目鷹の目待ち構えていたら、来ました、来ました、冬支度のお似合いのカポ-がお手々繋いで足早に画面を通り過ぎて行ったので慌ててシャッター切ったもの。

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三枚目のカットですが、同じくT-サイト中庭で、傾く午後の陽光に合わせて、場所を変えて、瀟洒なキャンパスのロッヂ風の建物と立木をモチーフに夕陽を背に談笑しながら歩いて来たカポーや、夕陽を背に寛いでいた若いファミリーなどの様子を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、T-サイトを後にし、次なる撮影地である代官山駅周辺の裏通りに移動する途中、旧山の手通りに面したヒルサイドテラスなる商業施設の庭部にあったモノクロのポップアート系オブジェが目に留まったので、グラスエリアも大きく洒脱な建物をバックに一枚戴いてみたもの

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五枚目のカットですが、旧山手通りを代官山駅方面に右折する少し手前の辺りに結構、キッチュでポップな雰囲気の雑貨屋さんが有り、よく店頭で写真を撮らせて貰うのですが、たまたま店先に居たお店番のオッパーに面白いオブヂェですなぁ、一枚撮らして、とか声掛けたら、一枚と云わず何枚でも撮って宣伝して下さいな!とか云われたので何枚か撮ったうちの一枚。面白いことに工房主がX-Pro1なんかでマジメに撮ってると、スマホンやら、EOS KissやらM3/4みたいな思い思いの得物で一緒になって撮り始める通行人が出てくるのが、この界隈の面白いとこです。

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六枚目のカットですが、旧山手通りを代官山駅方面に左折し、すぐに右折すれば駅前に出てしまいますが、暫く通り沿いに歩いて撮影スポットを捜していたら、先月の鹿港の路地みたいなテイストの細い巷が目に留まったので、一枚撮ってみたもの。
ですが、こちらは人工的に整い過ぎて、やはり台湾の古い街並みの醸し出す得も云われぬ雰囲気には到底及びませんでした。

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七枚目のカットですが、またしても代官山駅周辺の通りを何か獲物はと睥睨しつつ歩いていたら、若い夫婦者が幸せそうにベィビーカーなんざ押しながら、おしゃれな店舗の立ち並ぶ裏通りのの緩い坂道を登っていく後ろ姿が目に留まったのですかさず一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、駅とは反対方面のちょうど旧山手通りの側道に当たるような裏通りを徘徊していたら見つけた晩秋の名残りみたいなまだ赤みを残こす紅葉の葉を残した枝越しに東方向に立っている木造コンクリート造のハイブリッド建造物の佇まいを捉えたもの。

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九枚目のカットですが、その駅とは反対方向の裏通りに在る、雑貨店軒先に寄生した?簡易店舗とも屋台ともつかない、飲み物だかソフトだか、とにかくスナック系のものを商う業態の様子をそのお洒落?なパッチ状のトタンの側壁の佇まいとともに一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、代官山駅からほど近いやたら人通りの多い路地裏撮影スポット、段々コンクリート店舗エリアの白いキューブ状の店舗の佇まいを入り口付近から捉えたものです。

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十一枚目のカットですが、その路地裏の白いキューブ状の建物からなる店舗エリアを訪れるお洒落な若人各位のせめて後ろ姿の写真でも撮ろうと待ち構えていたところ、工房主のX-Pro1を二人して一瞥して通り過ぎて行ったカポーがいたため、店舗との間合いを測った上で一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、さて、そろそろ工房に戻らなにゃならん時間だわぃとか思い、駅に向う道すがら、またしても、お洒落な壁面一杯の看板を見つけてしまったので、コイツをモチーフにイケてるヂモテーの若人でも撮ろうかいな、とか目立たないようカメラ構えて張っていたら、かなりのスピードで自転車を飛ばしてくるエスキモールック?の小姐が見えたので、メインのモチーフたる赤い靴との位置を計算して必殺の一枚としたもの。

今週の感想ですが、うーん、順序は前後しますが、来週紹介予定のこれまた買ってから10数年経つのに、どのアダプタも距離計連動が上手くいかなかったのでなかなか登場の機会が巡って来なかった不遇の国産実力派レンズの開放からの描写が物凄かったせいか、はたまた、長野県産の最新かつ最良のレンズに目が慣れてしまったせいか、初めて使った頃のその描写への驚きは薄れてしまったのでは、というのが偽らざる心境です。

さて、来週のご紹介は、このレンズへの換装前に中目黒から代官山T-サイトまで先に同道した、秘宝館の底に潜んでいたモンスター、某国産RF機用のシャープネス命の広角レンズのご紹介いきます、乞うご期待。

  1. 2015/02/01(日) 19:51:09|
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The pure,poor and beautiful~ Petri35mmf2.8 mod.M uncoupled~

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さて、今宵のご紹介は、秘宝館と工房作品の中間的シリーズに当たる、Petri35mmf2.8の工房特製Mマウント非連動アダプタ経由での撮影になります。

このレンズ、1960年代半ばくらいに輸出用にOEM製造されたようで、電子湾で釣り上げた時の説明でも、"Revue"ブランド向けに日本のペトリカメラが供給したと明言されていました。
よって、ここでは、Petri35mmf2.8として扱うこととした次第。

工房に到着した時は、このレトフォキュ構造の特徴である、縮小光学系後ろの、いわゆるマスター光学系の第一面に当たるガラスが相当白く汚れていたため、一旦、可能な限りバラして、清掃、内面反射対策の後、ヘリコオイルも入れ替え、組み直したものです。

そのため、マスター光学系は前と後ろしか外さなかったので、正確な構成はわかりませんが、おそらく、前の縮小光学系が1群2枚、マスター光学系が、4群4枚の計5群6枚くらいではないかと思われます。

では早速実写結果見て参りましょう、ロケ地は本日、クラシックレンズ愛好家連絡協議会(略称クラレン連)の愉快な仲間達と運を天に任せて訪れた深大寺からで、カメラはX-Pro1、全コマ開放での絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、神代植物園内のバラ園では、この冬空の下というのにかなりの数の色とりどりのバラが咲き誇っていたので、そのうち、赤とピンクの仄かなグラデーションが美しいバラをモチーフとして、背景の公園の全貌をぼかして撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、お仲間のSKさんと落ち合い、植物園の中を散策しながら、おやつ兼優雅なテータイムをエンヂョイしようと云うことになりながら、園内を再び物色しながら移動し、来る時にもう一本のレンズでも撮った、池から聳え立つ、何らかの女神像の背景をモチーフに池の周りの様子を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、やはり移動途上の、芝生広場のそばのこぢんまりした花壇みたいなところに、ちょいブキミ系で匂いキツメの黄色い花が群生していたので、その様を一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、芝生広場手前の厠を借りて戻る途上、秋を深く具現するかのように色づいた広葉樹の葉越しに芝生広場の全容が見えたので、見たままを撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、同じく芝生広場周辺で、綿花の木みたいな、イイ案配に枯れた雰囲気の低木があったので、この実というか花弁を至近距離で撮ったら、背景のボケと相俟って不可思議な雰囲気の作画となるかと思い、一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、深大寺山門付近まで辿り着いたら、何と山門脇でプロカメラマンを頼んで、いたいけな童子達の七五三参りの撮影をさせているという意識の高い若い夫婦が居たので、笑顔で近づき、童子達の様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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七枚目のカットですが、いつもの定番、美人茶店「八起」さん庭園入口の蹲に写る木漏れ日の様子です。

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八枚目のカットですが、深大寺城址公園の名物、「昭和枯れ芒」ことバンパグラスの小群生の穂の様子を南側に位置する「この木何の木」をバックに一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、本日は、天気予報では午後から雨になるということで、近所の人々の姿も城址公園には全く見られず、いつもは人生を回顧するご老人や、愛を語らう近くの幼稚園生のカポー達で賑わう「この木、何の木」下のベンチが光の辺り加減もあってか、妙にシュールに見えたので一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、いつもの定番、深大寺城址公園の名物、第二廓の館の柱跡を示す黒御影石の列の図ですが、今日は激しい雨上がり後だったのか、結構表面が汚れていたので手持ちのウェットテッシュで清めてから一枚撮ったもの。

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十一枚目のカットですが、深大寺城跡を一通り撮り終え、次なる目的地、神代植物園附設水生植物園に移動する途上、鬱蒼と茂る木々の間から水生植物園が見えてきたところで撮った一枚。

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十二枚目のカットですが、水生植物園内を適当に撮りながら徘徊していたら、ちょうど、前回、彼岸花こと曼珠沙華の花が満開だった水田の畦というか土手の辺りに差し掛かったら、曼珠沙華とは正反対の白い可憐な野の花が咲いていたので、水生植物園をバックに一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、そろそろ水生植物園の閉園時間も迫ってきたので、茶店街経由、水車小屋に移動することとなり、その途中に楓が紅葉していたのが目に留まったので、至近距離で一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、これを撮らねば帰れません的なシーンである、茶店街随一のランドマーク、美人茶店「八起」さん店頭の夕暮れ時の商いの様子を一枚戴いたもの。

今回の感想ですが、う~ん・・・標準レンズも唸るような写りではありましたが、この広角レンズ、或る意味、同時期の国産では、標準並みに各社力を入れていたと思われる35mmf2.8クラスで、この絶対焦点面で撮ることが出来るミラーレスの力を借りて、Petri製のレンズは時空を超えて、その威力を発揮したかのようです。

なぜ、倒産してしまったのか・・・せめて、コシナやシグマのような交換レンズ専業メーカーとしてでも生存していてくれたらと思うのは、無駄な空想でしかないのでしょうか。

さて、来週は予定では、栃木祭り2014からのレポートをお送り致します。乞うご期待!!
  1. 2014/11/09(日) 22:38:24|
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A optic extremly thin but claimed to be "Toxic"~Tessar35mmf3.5T* mod.M~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、当工房秋の新作、コードネーム"フグ刺し"ことTessar35mmf3.5改Mです。

このレンズ云わずと知れた、今は亡きYashica/Kyoceraの製品、T-AF、T-AFDに奢られていたCarl Zeiss銘の銘玉です。

実は、このレンズの改造、当工房が一番乗りということではなく、遥か昔、まだ右も左も判らない一介のクラシックレンズ愛好家だった工房主に根気強く、改造のノウハウを無償で伝授して戴いた、船橋の改造老師が自ら開発されたパンケーキタイプのヘリコ&マウントユニットでL/Mマウント化されており、今はパーツが払底しているとかで受注はされていないような話しを聞きますが、一世を風靡した画期的なレンズだったのです。

構成は3群4枚のオーソドックスなテッサータイプで少なくとも貼り合わせ面を除く全面に最後期のYCマウントレンズと同様のモスグリーンを基調とした極低反射のT*コートが贅沢に奢られ、しかも、絞りが光学系の内部になく、ボディ内のシャッターユニット一体化でヘリコイドの真後ろに配置されるという不思議な設計となっていたのです。

なお、今回の一号機では、描写性能を見るため、最低限の改造装備しか行わなかったので、複雑な機構になる割には、まず使うことはない絞りユニットは組み込みませんでした。

この後発売されたオールチタン製のT2以降のモデルに較べれば、まさに安物然としたテカテカのプラカメですが、あにはからんや、そのレンズの描写は、T2のSonnar38mmf2.8を凌駕しかねない恐るべき高性能ぶりで、まさに「羊の皮をかぶった狼」とでも申せましょうか。

では早速、実写結果を見て参りましょう。ロケ地は深大寺、カメラはR-D1s、絞り開放AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、深大寺のバス停を降りて山門に向かうと、すぐ目に入る左右に伸びた茶店街の名物、深大寺窯の店頭を飾る大小の焼き物の狸ですが、これをモチーフに店頭の様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、同じく深大寺窯の店頭、ちょうど狸の置物群の真上辺りに飾られている、焼き物製の風鈴の相並ぶ姿がいかにも風情あったので、店舗の軒下辺りをバックに一枚撮らせて貰ったもの。

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三枚目のカットですが、ここも深大寺茶店街の名所、というかいつも試写に使わせて戴いている、美小姐茶屋「八起」さん庭園の柵際に置かれた蹲の濡れた様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、そろそろ15時も回ろうかという時刻になったので、時間制限有りの深大寺城跡公園に登り、そこで、まず、バンパグラスの小群生があったので、それをモチーフに南の空と名物「この樹何の樹」そっくりさんをバックに淹れて一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、深大寺城跡公園お定まりの、芝生から屹立する、かつての館の建物の基礎柱の址を示す黒御影石の列を見渡すアングルで撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、心行くまで撮影を行った深大寺城跡公園から下り、神代水棲植物園までやって来て、秋の名物、水田を覆うオレンジの鳥避け網が秋の薫風に悠然とたゆたう様を撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、深大寺城跡公園でも、ここ水棲植物園でも群生していた秋の風物詩、曼珠沙華の可憐な姿をどことなく鄙びた植物園内のクリーク脇で撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、ここもお馴染み、水棲植物園の湿原上に張り巡らされた木製デッキの通路の様子を遠近法的な視点から撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、そろそろ陽もイイ案配に傾いてきたので、水棲植物園を後にして、山門前の茶店街へ戻り、そこで人工光源が目立つようになって来た、美人小姐茶店「八起」の店頭でいたいけな小々姐が渋いことに草餅の如きお菓子を買おうとせんところを一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、同じく「八起」さん店頭の様子を山門サイドに移動して、みたらし団子の調理、及び接客、販売担当の若い小姐を撮ろうと暫く待ち構えていたのですが、今日はあいにく出払っていたようで、仕方なく、年輩小姐が持ち場についたのを潮時に一枚撮らして貰って、その場を去ったもの。

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十一枚目のカットですが、同じ茶店街の一等地、まさに山門の真下に建つ、老舗蕎麦屋の「嶋田家」さんの店頭では、石仏有り、花壇有りと観光客の目を惹くことこの上ないのですが、ちょうど、秋の頃には、お店手前の花壇にコスモスが咲き誇り、背後の羅漢像とイイ対比となっているので、ボケを強調する構図で今年も一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、再び山門上に上がり、暮れかかる秋の夕陽を浴びて、えもいわれぬ雰囲気を醸し出す、石灯籠とその背後の山門から左右に伸びる板塀の対比を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、山門下向かって右側には、どうぞ写真のモチーフにしてくださいとばかり、イイ案配に芒の小群生がありましたので、その芒の微風にそよぐ穂越しに山門を行き交う市井の人々の様子を一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、同じく山門から真直ぐバス停方向に伸びる参道脇に位置する、手打ち蕎麦の実力派、「門前茶屋」さんの座敷席への入り口の洗いざらしの綿布の暖簾と軒先の甕に生けられた芒の穂の対比がなかなか鄙の趣きを醸し出してイイ雰囲気だったので一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、ここ調布市の名誉市民、「水木しげる」氏監修の「鬼太郎茶屋」さんの軒先で、子供相手の有料くじ引きをやっていて、老若男女を問わず、人気の様子だったので、だいぶ空いてきた帰り際にその様子を一枚戴いたもの。

さて、今回の感想ですが、いやはや、先の石岡での活躍といい、ここ深大寺での転戦といい、あたかもデジタル専用に設計されたかの如き概ね破綻の無い描写で、この薄さといい、味わい深い描写といい、使えば使うほど旨さが判り、痺れるような画も撮れることから、その「Tessar」即ち「てっさ」という極上のフグ刺しにも通じる銘玉だと思った次第。

また、水木しげる先生の地元でのロケでしたから、こういう絶版国産プラカメの目玉オヤヂに活躍の場を与えて上げたいな、とも思いました。

さて、次回はこのフグ刺しと並走した、長野県のりんご畑産まれの、通称りんごパイレンズのレポートを秘宝館からお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2014/09/28(日) 21:00:00|
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Un pequeño monstruo del fondo del mar~W-Nikkor35mmf2.5mod.M~

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さて、今宵のご紹介は、予告通り、工房で今年初めに改造した、W-Nikkor35mmf2.5改Mです。

このレンズ、勿論、元は不世出の水中カメラ、NIKONOS用の水陸両用として、1963年8月に発売され、1976年8月にマルチコート化されたと云うことです。

構成は4群6枚の変形オーピックタイプ、元はニコンSシリーズ用の広角レンズとしてラインナップされたものですが、コンパクトで素性が良かったためか、光学系を一部手直しし、NIKONOS用の主力として採用されたということです。

かつて、当工房がARRI用レンズは135フィルムフォーマットでは満足に撮れない、とか、引伸レンズは一定以上の距離では収差の関係でまともな画が撮れないとか、そういった定説みたいなものを改造と実写でひっくり返してきました、今回も水中カメラ用レンズをMマウント化し、超精密加工の傾斜カムで以て実写したらどんな写りになるか試したもの。

では、早速実写結果見て参りましょう。ロケ地は水戸偕楽園の梅祭、カメラはM8、全コマ開放絞り優先AEです。

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まずは一枚目のカットですが、長い時間、電車に揺られて偕楽園に辿り着いたはイイが、梅は平均してせいぜい1.5分咲き、黒々とした木々の寒々とした光景なんざ撮っても交通費のムダなので、昨年の経験を元に、イベント広場周辺でお勤めをこなす、ミスの小姐2名の働きぶりを挨拶代わりに一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、ミスの小姐各位をまのあたりにして、そのまま傍観者として撮っているのでは当工房の名が廃りますから、当然のことながら、ゆるキャラと観光客の一部をなす童子達とのふれあい撮影タイムの段取りの悪さにより発生するロスタイムを利用し、手持ち無沙汰のミス梅まつりの小姐二名に声掛けて一枚撮らして貰ったもの。

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三枚目のカットですが、これも恒例の水戸黄門ご一統に扮した田舎芝居のご一行サマが観光客各位と一緒に記念撮影するというコーナーがあったので、その上前を跳ね、無辜の観光客はなかったことにして、黄門サマとミス梅まつりの小姐、そして助さんだか格さんだか云う黄門サマの手の者を背景の好文亭なる、歴史的建造物を背景に撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、これも梅まつりの恒例イベントのひとつ、いたいけな女子高生が制服姿で点茶してくれるという、アキバ辺りのお年頃の男子なら、聞いた途端に鼻血出して卒倒してしまいそうな催しなのですが、その風景を観光客に紛れ、一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、偕楽園の中に点在する常設売店のようなところも、このシーズンはやはり書き入れ時のようで、店毎に異なる思い思いの法被を店員さんに羽織らせ、呼び込みや物販に従事させていたので、その様子を何気なく眺めていたら、ふと目が合った、なかなかの美形の小姐が居たので、一枚撮らして、と頼んで一枚撮らして貰ったもの。

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六枚目のカットですが、やはり梅まつりに来て梅の花の可憐な姿をアップしないのもまずかろうと、園内を歩き回ること十数分、やっと何とか枝ぶりの良さげな木を見つけ出し、このレンズの最短で一枝撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、帰りの水戸駅のホームに水平近くで射し込む夕陽がとてもきれいに思えたので、車内に荷物を置いたまま、発車寸前に列車の外へ出て一枚撮ってみたもの。

さて、今回の感想、実は・・・このレンズ、ちょい構造上問題が有って、もう治したのですが、無限方向へ何回か強く回し込むと、絞りが絞られて行ってしまうという現象があり、6枚め以降は明らかにISO1260で1/60とか日中では有り得ない撮影条件になっちゃってたんで、頭に地が上り、一旦、全コマ消去し、伴走機の撮影結果に急遽差し替えようかとも思ったのですが家に帰ってファイル復活ソフトで元に戻し、伴走機の撮影条件と比較し、何とか梅の木のカットまでは開放だったと推定出来たことから、7枚のみアップしたという次第。たぶん、丘の上から千波湖方面撮った時、無限を強く回したんで絞り込まれちゃったのかな、と。

でも、限られたカットとは云え、良く写りますね、川越でもR-D1sでモノクロ撮影でテストしましたが、シネレンズ並みの性能に驚きました。

さて、来週は海外遠征にて一週飛ばし、その成果は翌々週の週末にアップ致します、乞うご期待。

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  1. 2014/03/16(日) 19:57:38|
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A benchmark of my atelier's products~F.M.A.O.40mmf2.3~

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さて今宵のご紹介は約二年前に開発完了しながら、それこそ影武者のように、新作レンズの伴走機のレンズとして、それらの描写性能、操作性等の比較評価用として活躍して来た、F.M.A.O.(Fukagawa Most Advanced Optic)の称号を持つ、Baltar40mmf2.3改Mの堂々お披露目です。 

何処がAdvanced(先進)なのかと云えば、ディズニースタジオのキャップが付いたガタガタのミッチェルマウントのハウジングに入った玉は、硝材は大変良さそうだったにも関わらず、手入れがされていなかったのか、前後玉は汚れ放題、絞り羽根も油まみれだったので、ハウジングからエイヤっと取り出し、バラして中のエレメントを全部クリーニングの上、コバ塗り、内面反射防止のグラファイト系塗料塗布をやって組み直し、そしてMマウント用のヘリコ&マウントアッセンブリに組み込む際の固定方法を当工房初のキャノン製L39レンズ方式としたのです。

更に、このレンズブロックには当然、フィルタ枠なんか無いですから、工房ストックのヂャンクパーツから、エクステンションリング削り出し、43mm径のフィルタを装着出来るようにしたものです。

また、このレンズブロック、Baltar40mmf2.3自体の氏素性は他の50mmや35mm同様、米国のBausch & Lomb社がハリウッドからの要求に対し、U.S.Goertz社にOEM供給を仰いだもので、おそらく1960年代半ばから後半の製造と思われる、4群6枚のオーソドックスなオーピックタイプです。

では、この工房の隠れた実力レンズの性能を見て参りましょう。

カメラはM8、ロケ地は昨年の旧正月のソウル、全コマ開放の絞り優先AE撮影です。

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まず一枚目のカットですが、ソウル屈指の史跡、景福宮の敷地内にある国立民族博物館へ向かう道すがらの様子です。
この日は日中でもマイナス10℃近くまで気温が下がっていて、シネレンズの性能を以てしても捉えられませんでしたが、前を歩くオモニとプチアガシ2名の3人組は相当盛大に白い呼気を上げていたのが印象的でした。
しかし、大陸の真冬の乾燥した大気は空を何処までも青く見せていたのがとても印象的でした。


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二枚目のカットですが、民族博敷地内の移築故民家の外観を写してみたもの。
ここでは、戸口に貼り出された「立春大吉」のスローガンにピンを合わせていますが、乾いた大気中だけあって、年月を経た木造建築の枯れた質感、瓦一枚一枚の表情を余すところ無く捉えていると思いました。また、手前の積雪も日光を照り返していましたが、それほど著しいフレアを纏った前ボケにならず、肉眼で見たものに近い雰囲気と思いました。

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三枚目のカットですが、民族博敷地内の石造で戯れるいたいけなプチアガシを撮らせて貰ったもの。、
博物館敷地内には児童公園みたいなものがあって、そこにも、きちんと歴史的な意匠を活かすべく、工夫が有って、メルヘンチックな石造のサークルも良く見れば、可愛らしくデフォルメされた十二支であったりして、童子達も大喜びのご様子でした。

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四枚目のカットですが、当日は韓国旧正月だったので、博物館敷地内でも様々なイベントやってて、その中で、韓国の伝統的お菓子を販売しているブースに滞在中で見かけた中で一番の美形アガシが居たので、テント脇から、まずご挨拶代わりに一枚戴いたもの。
誤解を恐れずに申し上げれば、このアガシ、全然韓国人っぽくなくて、日本人の留学生かとも思いましたが、韓国語で話し掛けてみれば、生粋の韓国人、で自己紹介したついでに博物館の向こう正面に出て来て貰って、ポートレィトをばっちり撮らして貰い、それが今回の写真展のひとつの目玉となったってヲチです。

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五枚目のカットですが、博物館正面で突っ立ってると、結構、老若男女、民族衣装であるチョゴリを着て博物館に入ったり、出て来たりしていたので、カメラを2台提げた不振な外国人のヲッサンと思ったか、小生の周りで遊びながら、こっちをチラチラと見ていたプチアガシ姉妹のオモニが来たのを良いことに声掛けてモデルさんになって貰ったもの。
そんな経緯ですから、撮影に協力的なのは云うまでもなく、後から来た爺サマという老人が、達者な日本語で「孫達は日本が本当に大好きなんですよ、お隣の国同士なんだから、仲良くするのが一番ですよね、ホント」とか笑顔で正論を述べ、それぢゃ失礼します、と一家で歩き去って言ったのが印象的でした。

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六枚目のカットですが、景福宮の外に一旦出て、塀沿いに歩いている途中見かけた、スナックの屋台周りの様子です。
ソウルもやはりアジアだけあって、街中、至るところでこういう食物やら、帽子、ストッキング、或いは海賊版も含めたスマホンのケースみたいなものが、舗道上や道路の隅に出ているのを見かけます。
この屋台は、五平餅みたいなものと、豚串、みたいなものをグリルで炙って、道行く人々に売っていたようです。

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七枚目のカットですが、景福宮の南門である、光化門前の衛兵と一緒に記念撮影をしていた中国産極小姐の姿をカラフルな衛士もろとも撮ってみたもの。
いつ韓国に行っても感じるのですが、本当にこの国の色使いは、同じアジアの中でも特異ではないかと思いました、キンキラ文化とも思われるタイですら、こんな1km先からでも見分けが付くようなコスチュームの衛士なんか居ないし、ましてや、中国、日本はもっと地味です。
しかし、NHKの韓国時代劇「トンイ」など観ていると、同じようなカッコの衛士が頻繁に出てくるので、今の世の観光用にデフォルメしているのでもなさそうです。

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八枚目のカットですが、光化門から少し東に移動し、光化門を遠景に入れた周辺写真を撮ろうと待ち構えていたら、如何にもソウルの冬支度!てなカッコで足早に歩き過ぎるアガシを見かけたので、追いかけて声掛け、モデルさんになって貰うのも、午後には飛行機に乗って帰る身にはもどかしく、ちょいと追尾して、背後から一枚戴いたもの。
冬支度がバッチシ決まったアガシの姿は極めてシャープに描かれていますが、背景の光化門も、更にその後方の雪景色の小高い山の様子もなだらかにボケ、イイ案配の画になったのではないかと思いました。

実はこのツアーの後、機材の点検、整備をしていたら、さすがに気温マイナスとスチームガンガンの地下鉄駅構内やデパートなどを行き来したので、このレンズも中のエレメントに曇りが残り、条件によっては不本意なフレアが頻発するようになってしまったので、しばし休息中だったのですが、昨年、大掃除後の手持ち無沙汰にまたバラして大掃除したら、蒼い眼をしたお人形はアメリカ産まれのセルロイド♪ばりに美麗な状態になったので、また今週から大活躍です。

さて、来週は4日から始まる「第7回ノンライツRF友の会 写真展@日本カメラ博物館Club25」出展作品のオンライン大公開を行います。乞うご期待!!

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2014/02/02(日) 17:33:56|
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Nostalgia per la passione perduta~Carenar55mmf1.7 mod. M uncoupled~

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さて今宵のご紹介は、今は亡き国産の中小光学機器メーカー「PETRI」が1970年代に米国の流通業者向けに"CARENAR"でOEM供給した55mmf1.7のレンズをご紹介します。まぁ、秘宝館と工房作品の中間くらいの意味合いの記事とお考え下さい。

光学系の構成はオーソドックスな4群6枚のプラナータイプ、モノコートのオーソドックスな光学系です。
ただ、このレンズの特徴というか、後年にマーケッティング上の足かせとなったかと思われるレンズ側フランジのスピゴットマウントで、しかもフランジバックが43.5mmと故ミノルタSRマウントと同一の短さです。

実は工房主は小学校高学年から写真というかカメラいじりはやっているのですが、ペトリ製品を手に取ったのは、先のCarenar135mmf2.8のレンズが生まれて初めてで、ボディについては、このマウントアダプタを製造するために前橋の中古カメラ業者からヂャンクを曳いてくるまでは触ったことすら無かったのです。

何とならば、70年代に写真をやっていた方には思い当たるフシがおありと思いますが、ペトリは三流中の三流メーカーで、まともに写真やる人間が手を出すべき代物ではないと、物識り顔の写真マニアの大人達が常々口にしていたからです。要は「安物買いのゼニ失い」ということです。

確かに一生のうち何回買うか判らないカメラ、それもレンズ交換を前提とする一眼レフであれば、信頼性、発展性、そして、ブランド力を重視して買ってしかり、かも知れません。

かくいう工房主も、ニコン、キャノンは交換レンズ群が高くて手が出せなかったので、高校入学当時、出たばかりのPENTAX MEをパートナーに選び、ペトリなど眼中にもありませんでした。

しかし、会社勤めも長くなり、収入も安定し、そしてその一方、カメラ自体の値段も下がってくると、あれもこれも欲しくなってきて、その割には、一個一個を自分のものとして、先入観無く冷静にモノと向き合えるようになることから、Carenar135mmf2.8の望外の性能をきっかけとして、今回のペトリも客観的に観察しようという気になったのです。

また、ペトリはどこもMマウントのアダプタを作っておらず、デジタルでの実写例が無いことも今回のアダプタ製造の後押しになった次第です。

では、早速実写結果を見て参りましょう。カメラはX-Pro1での絞り優先AEによる全コマ開放撮影、ロケ地は浅草です。

Carenar55mm_001.jpg
まず一枚目のカットですが、お馴染み車夫さんシリーズ、「潮来の娘船頭」ならぬ「浅草の小姐車夫(婦?)」の交渉の図です。

いつも深川から浅草へ出るのには銀座線の地下鉄を使っているので、浅草寺最寄出口を上がると、いつも目の前に誰かしら車夫さんが控えているので、ご好意に甘えてモデルさんになって貰っている次第です。

ピンはEVFのクロップ拡大を駆使し、車夫小姐の眼に合わせていますが、それでも3m程度の距離であれば、車夫笠のふちまでは被写界深度に十分入っているようで、笠の黒い生地の細かい皺やテクスチャがあますところなく描写されています。

しかし、シャープさのお釣り?として背景はやや2線ボケ傾向です。

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二枚目のカットは、ここも定番撮影スポットと化した、きび団子&甘酒のお店「あずま」さん店頭の図です。深大寺でかなり眉目秀麗な小姐を目にするせいか、以前ほど新鮮な感激はありませんが、やはり和服姿のいたいけな小姐達が健気にお店を切り盛りするさまは、観光地としてはやはり王道的撮影スポットであることは疑いようがないでしょう。

ピンは奥側の紺の和服のちょいエキゾチックな雰囲気の小姐のご尊顔に合わせていますが、当然写り込むであろう、手前の甘酒売りの小姐の顔はかなりマイルドな前ボケと化し、2線ボケも荒々しい後ボケとは対照的です。

またKOWAの玉ほどではないにせよ、タングステン光と午後の太陽光のミックスという、かなり難しい光線加減にも関わらず、お年頃の小姐の肌を柔らかくもリアルに描写していると思います。

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三枚目のカットは、その「あずま」さんの店頭の反対というか、仲見世を横切る東西通路を挟んだ並びのペット洋品店の店頭で物欲しそうにショーウィンドを眺めていた、いたいけな小々姐の図です。

このカット、多感な小々姐の全身で表現される物欲しさとか、じれったさとか云ったゼスチャも面白いのですが、写真的には、赤系統の色バランス、そして何よりも、背負子の細かいチェック模様が余すところなく描写されているのです。これが国産で最底辺とも云われることもあったカメラの「眼」とは到底思えませんでした。

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四枚目のカットですが、獲物を求めて仲見世を虎視眈々と睥睨しながら徘徊していたら、オモニに背負われながらもしきりに天空を凝視するいたいけな極小姐が居たので、オモニが店頭の売り口上に気を取られているスキに一枚戴いちゃったもの。

ピンはいたいけな極小姐の唇辺りに合わせていますが、ここでも幼子の肌の質感描写、そしてほぼ同一焦点面に有ると思われるピンクの可愛い帽子側面の細かいメッシュが見事描かれています。この柔らかな人肌の表現と顕微鏡並みに細かいデテールを捉えてしまう、こういった二律背反を知らっとやってのけてしまうところがこのレンズの凄いところではないかと思いました。

なお、背景のボケは光源が幾つか写り込んでおり、2線ボケと共に若干の口径食が認められます。

Carenar55mm_005.jpg
五枚目のカットですが、仲見世を通り抜け、宝蔵門から境内に足を踏み入れ、ここでも定点観測スポットである手押し井戸までやって来たら、健気な水汲み極小姐が居たので、「ハ~ィ、写真撮るから覚悟してね♪」とか冗談っぽく声掛けてみたら、急に表情が硬くなり、こんなカンジでとりあえずはポーズだけ取ってくれたもの。

ここでもピンはいたいけな極小姐のご尊顔にピンを合わせていますが、肌や衣装の質感描写は大したものです。
決してカリカリではないものの、フレアで以て解像力の低さを誤魔化すでもない、即ち、余計なものを足しもしない、必要な情報を引きもしない、かなり心地好い忠実な描写がそこにありました。

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六枚目のカットですが、境内で一家の観光写真を楽しんでおられるアメリカからの観光客が居たので、声を掛けて、一家の集合写真を撮って上げる代わりに、娘さんをモデルに供出して貰ったもの。

ピンは向かって左の小姐の眼に合わせていますが、ここでもカリカリではないのに、お二方のご尊顔をかなり繊細に、それこそ表情筋の様子まで描いていますし、光線状態も曇天の空を背負った位置での撮影だったにも関わらず、ブロンズのしなやかな髪の艶かしさを余すところ無く描写しきっています。

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七枚目のカットですが、こちらも米国から観光に来たというお二方をご焼香場でキャッチし、モデルになってよ♪とお願いし、"Really? With pleasure!!"と快諾戴いて本堂をバックに撮らせて戴いたもの。

このカットでは向かって右手の小姐のサングラスの玉にピンを合わせていますが、光線状態も良いこともあって、EVFでの合焦精度が更に高まったらしく、先の小姐姉妹のカットよりも更にクリアでリアルな肌描写です。

しかし・・・背景は凄いことになっています、あたかも田舎の正月のどんど焼で熱気と共にお焚き上げされた御札や用済み縁起物が煙の中を舞っているかのようにも見えました。

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八枚目のカットですが、宝蔵門の下でお互いのスマホンで撮りっこしていた小姐2人組が居たので、ついつい余計なお世話かと思いながらもシャッター押したろか?と声を掛けて、そのついでにポーズ決めて貰ったところを撮ったもの。

ピンは便宜上、左の小姐の眼で合わせていますが、きちんと並んで必殺ポーズ決めてくれたおかげで、右側の小姐の愛くるしいご尊顔もきちんとピンが来て描写されています。

また、距離の関係か、後ボケも比較的マイルドに描かれていると思いました。

しかし・・・関西の小姐は面白いですね♪ 幾ら名だたる観光地とはいえ、このノリ、このポーズですから。改めて関西文化圏の底力を思い知らされた次第です。

もし、このブログ読んでたら、Yahoo!辺りの捨てメールでも一向に構わないので、連絡下さいね、この写真のファイルを記念に送って上げますから。

今回の感想としては、う~ん、やはり日本の産業の底力は凄まじい。1970年代、こんな、誰にも見向きもされなかった絶版メーカーの玉が幾ら最新ミラーレスの力を借りたとは云え、ここまでやってのけてしまうのですから・・・

さて、来週は、ふと気まぐれに訪れた深大寺の初夏の風景をお届け致します。乞うご期待!!
  1. 2013/06/29(土) 21:28:05|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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