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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Petzval optics interpreted by Zeiss ~Kinostar5cmf1.8 mod. to E by FGWG~

さて今回のご紹介は、もうちょい描写見せてけろ、との静かなるリクにお答えして、近年加工した改造レンズで重めなのを一発ガツンとお送りしたいと思います。
その名は、Zeiss Kinostar5cmf1.8。
元々は映画投影用だったとみえ、真鍮に磁石でくっつくほど分厚いニッケルメッキを施したT/Dで1:2.5程度の寸胴レンズは絞りもなく、バックフォーカスが1インチあるかないかというレベルなので、当然ライカマウント改造など出来ず、仕方なく、防湿庫の肥しになっていたのですが、α7RⅡについで、α7cも導入するに至り、フルサイズでの活用のメドが立ったことから、OMズイコーのヘリコイドを使い、ドイツから輸入した20枚ブレードだかの絞りを内蔵させたEマウントレンズとして蘇らせたということです。たぶん労力としては、前後のレンズブロックを使って鏡胴の作り込みから始めたDallmeyerのOscillograph2"f2.0並みに大変だったと思います。
では、2月上旬の浅草での試写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONY7c、全コマ絞り開放AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川から地下鉄を乗り継ぎ、メトロ線浅草駅に到着、まずは第一の定点観測スポットである雷門に向かい、目ぼしい被写体を探しましたが、なかなかやってこず、仕方なく、第二の定点観測スポットである美人茶屋あづまさんへの道すがら、土産物屋の店頭で薄化粧した兄ちゃんと着物がなかなか決まった姐ちゃんの東南アジアカポーが商店の店先の撮影を試みていたので、その様を有難く一枚頂いてみたもの。

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二枚目のカットですが、美人茶屋あづまさんは、往年の輝きは今何処?とばかり、店頭ではむくつけき漢がかいがいしく、製造兼物販を担当していたので、あっさりとパスし、第三の定点観測スポットである雷門柳通りと仲見世西側の側道との交差点に建つ文扇堂さんという扇の専門店店頭の新柄の団扇に描かれた河童のお皿にピンを合わせ、背景をグルグルにして一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、思いのほか、主体は切っれ切れで、背景はカオスなカットが撮れたのに気を良くして、再び境内を目指すべく、国内外からの観光客でごった返す仲見世の通りに戻り、宝蔵門を目指して歩いていくと、伝法院通りとの交差点の手前、舟和と並ぶ和菓子の名門、梅園の建つ通りと交差する辺りに、誰が貼ったのか知る由もないですが、千社札よろしく、世界中のステッカーが幾重にも貼り付けられた丸い標識版が目に留まったので、梅園の店頭をバックに入れて、カオス的に一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、更に左右を見まわし、誰かモデルさんになってくれそうな心優しい人類が居ないか、傍から見れば挙動不審者そのまんまで歩き通し、宝蔵門の下まで来た時、居ました、居ました、香港からやって来たという小姐二名組がお互いにガチマニアックなフィルム一眼レフで撮りっこしていたので、声をかけて、珍しいレンズで撮ってるんで、良かったら試しに撮らして!と声かけたら、可愛い方の小姐の方だけが、OKよ!とのことで、モデルさんになって貰ったもの。

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五枚目のカットですが、背面LCDで撮影結果をお互いに確認して、送ってね♪ということで、メアド交換し、小姐達と別れ、宝蔵門をくぐり、境内に入り、境内最初の定点観測スポットである人力ポンプに視線を走らせたら、冬の寒空ということもあり、当然のことながら誰もおらず、次いで、御神籤売り場に向かったら、韓国は釜山からやって来たというアガシ二名を発見、撮影の交渉をしたところ、どうせSNSかなんかに載せるでしょ、顔出ししなきゃOKとのことで、やむなくその条件で撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、境内二番札所ならぬ二番目の定点観測スポットである手水場に足を運ぶと、もはやCOVID19禍以前を軽く超えたパーマントインバウンド状態の浅草では曜日、時間帯によっては、完全に日本人と外国人の比率が逆転してしまっていて、この午後遅くも、中国人の個人客が大量に徘徊していた上にインドネシア、タイ、フィリッピンなどから、円安の恩恵をしゃぶり尽くそうとばかり浅草寺に大集結し、ここでも、手水使いの意味を知ってか知らずか、形から入るの♪とばかりに手を清める親子連れが居たので、マルコメ味噌状の童子を主体に一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、同じく本堂下の手水場で暫く観察していたら、如何にも寒い地方からやって来た観光客ですよ、と云わんばかりに巨大なフェイクファーもどきのベージュの襟巻を付けた赤い着物を纏った、鋭い目つきの小姐が慣れた手つきで両手を交互に清め始めたので、殆ど逆光ながら、鏡胴内の反射防止はしっかりと仕上げたレンズの挙動を確認すべく、えいや!と一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、自分も手を洗い、口をすすいで、本堂に形ばかりのお参りをしたあと、次なる撮影スポット、元奥山エリアの、常盤堂プレゼンツ「風車の弥七モニュメント」へ向かおうと、本堂の西側へ歩き出したところ、伝法院裏のちょっとした公園広場みたいになっているところで、可憐な桃色の梅の花がほぼ満開に咲き誇っていたので、前回の彼岸花クローズアップに引き続き、ここでも頭の上の小枝の花にピンを合わせ、バックがぐるぐるの凄いことになっているのを確かめ、ほくそ笑みながら一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、梅の花が咲く公園広場からは、「風車の弥七モニュメント」はそれこそ数十メートルの距離で、到着したら、やはり、いたいけな和装の男女やら、仕込みのモデルさんを連れたグループ撮影、ないし個撮影のヲヂサマ方が風車だらけの壁面前で順番待ちをしており、横から壁面を撮るのは列の対象外という暗黙のルールに従い、前の組が撮った画像を確認している隙に真横から手前三列め、中央の赤い風車にピンを合わせて一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、「風車の弥七」モニュメントとは「西参道アーケード」を挟んで、反対側の壁面に、たぶん、山口県柳井市名物だったと記憶しているのですが、金魚提灯を垂木で組んだ格子の窓から吊るしているオブジェが設置されていて、ここも、なかなか愛くるしいく、都内では物珍しいオブジェなので、風車同様に記念撮影スポットとなっていて、並んでいた、何組かの国内外からのゲストが払底してから一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、境内から奥山にかけてのエリアはざっと流して、撮るだけ撮ったので、今度は、観音裏と言われる、昔ながら、とは云っても、戦後の焼け跡のバラック街の青空居酒屋の雰囲気を色濃く残した通りの様子を、この戦前産まれの曲者レンズで撮ってみようと思い、初音小路に足を踏み入れたら、ちょうど、好奇心旺盛な中国人小姐二名が、店頭のおでんを買い求めようと悪戦苦闘していたので、その微笑ましい光景を横から一枚頂いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、初音小路から再び花やしき通りに戻り、今度は、ひさご通りのアーケードのを歩いて、米久本店をはじめ、昔ながらの佇まいの店頭風景や通りのところどころに口を開ける、昼なお薄暗い路地や裏通りの様子を撮ってみたいと思い、まずはさっと流して、カメラを提げて歩くのは命懸けとの下馬評もある、千束エリアとの境界である言問通りとの交差点手前まで行って、昔ながらの手書き提灯屋さん店頭の看板代わりの赤提灯を一枚頂いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、また元来た道を戻り、花やしき通りとの交差点で西に進み、いわゆる六区映画街と云われたかつては映画館やら芝居小屋が建ち並び、今も健在ですが、某お笑いの大御所が前座を務めていたというストリップ劇場などがあちこちに点在する通りに、もしかして、芝居小屋の前で、役者さんが呼び込みなんかやっていないか、期待して足を運んでみたのですが、期待はずれ、ROX前の通りの大道芸を代わり一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、そのまま六区映画街を南下し、すしや通りを経て、雷門通り経由、田原町まで撮りながら歩いて、田原町の駅から地下鉄に乗って、末広町まで移動し、イブニングティーでも楽しもうかと思ったのですが、日暮れまでにはもうちょい撮れるな、と思い、すしや通りと交差する新仲見世通りから再び仲見世通りに戻り、その途中、店頭で物販をしている小姐と行列している小姐の服装が冬っぽかったので、一枚頂いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、仲見世通りの起点、雷門までもう少し、という辺りで、東側の側道にある創作スィーツだかを商うお店の周囲に観光客が十重二十重に群がって、並んで買えたお客は、せっかくの獲物を食べて、この世から消失させてしまう前に映えを楽しまん、とばかりに工夫して撮っていたので、その様子を知らっと横から一枚頂いてみたもの。

今回の感想ですが、苦労して加工した大物レンズ、なかなか楽しめました。でも・・・設計に苦心し、加工にも時間かけた絞り機構、結局一回も使わずじまい、これじゃ、デザイン的に絞り無し仕様のHugomeyerとかGeneral Scientificのペツバールと何ら変わりなかったですね(汗)

次回は、久々のねぷた祭り、日本の熱い夏祭りを二本のf1.2レンズ追い駆けたレポートをお送り致します、乞うご期待!!

  1. 2024/02/26(月) 23:00:02|
  2. Eマウントレンズ
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A great masterpiece meets red nymph in a ruin of fort in Jindaiji~Zelss Kinostar5cmf1.8modE~

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さて今回のご紹介は長いこと開発、製造に時間をかけた、工房製新作レンズのシェイクダウンテストのレポートを行います。
その名はレンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。、製造元は戦前のツアィスで、元々は真鍮に、磁石が吸い着くくらいぶ厚いニッケルメッキを施された寸胴の鏡頭のみが電子湾から釣り上げられ、入庫した当時はマウント系の小さいフジのミラーレスしかなく、仮にマウント着けても、また75mm相当のものが増えるだけで、それほど面白味もないので、数年間放っておいたのですが、ふと、SONYのEマウントであれば、金物も豊富に揃ってきたし、改造も慣れてきたので、いっちょやってみっか!?と思い、ただヘリコイドと、そのマウント換装だけでは能がないとも考え、新発明の絞り連動機構を盛り込んで、円形絞りデスク内臓のEマウントレンズとしてこの21世紀の世に蘇らせたということです。
なお、今回は時期的に深大寺城址の赤い妖精こと曼殊沙華が満開だろうと見当付け、もう一本、やはりグルグルぼけで名高い銘玉を伴走機として連れ出して、シーンごとの写りの違いを見比べる構成としました。
では、さっそく、当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはいずれのSONYα7RⅡによる絞り開放AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、毎年、9月下旬になると忘れずに訪れる深大寺城址内の秘密の曼殊沙華畑で、今年は昨年より平均気温が高いことも考慮し、一週間ばかり早く訪問してみたら、「やっと来てくれましたね、暑い中、いつ来てくれるか待っていたんです」と云わんばかりに可憐な赤い花々が咲き誇っていたので、ゴメン、ヘンテコな描写の玉の実験で来たんだ・・・とばかり撮ってみた皮切りの一枚。潔いばかりの非点収差と球面収差のオンパレードで、まさに「時をかける曼殊沙華」状態でほくそ笑みたくもなります。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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二枚目のカットですが、一枚目と同じ被写体を同じ位置から狙ってみたもので、伴走機の焦点距離は5.8cmなので、その分、被写体が画面の中では大きくなってしまいますが、クセ玉と云われるこのHugo Meyer製のオールアルミ鏡胴製レンズも、何故かこのカットでは剣状の葉の上部、光を反射する部位の付近は若干ザワザワ感が漂いますが、全体的にはそれほど大暴れでもなく、普通の部類に入ってしまう気がしました。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです。

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三枚目のカットですが、ここも深大寺界隈で試写する時は、例の美人茶屋「八起」さん店頭と並ぶくらいの安定した打順の定点観測スポットなのですが、深大寺城址の木造構築物の跡を示す黒御影石製のモノリス群でこれも先頭の石の奥側のエッジにピンを合わせて撮りましたが、EVFを覗いていたら、めまいがするくらい後ボケがグルグルで、これも非点収差と球面収差のなせる業で、タイムスリップして戦国時代初頭に飛んでしまいそうな気になった一枚。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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四枚目のカットですが、同じ黒御影石のモノリスをちょっと下がって撮ってみたもので、このカットでは、クセ玉の失地挽回と云わんばかりに画面奥、11時から9時30分、そして1時の位置のモノリスが滲みながらも円弧状に流れるように写っており、比較対象が現代のお行儀良いメーカー製レンズであれば、うーん、プリモプランはやっぱりクセ玉だ、という評価は的を得たことになりますが、ツァイスの映写用レンズが相手では形無しのようです。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです。

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五枚目のカットですが、深大寺城址に咲く可憐な秋の妖精達と、また来年の再会を約して、暇乞いをし、しかるのち、16時半ともなると、そそくさと店じまいを用意を初めてしまうことから、次なる定点観測スポット、美人茶屋「八起」さんの店頭に向かい、店頭で名物の焼き団子を買い求めようと列を成す観光客を相手に黙々と炉前作業を行う、いたいけな小姐の横顔を比較的至近距離から頂いてみたもの。被写体の小姐は無論シャープに描写されていますが、すぐ隣奥の小姐はむかって左半分が回り始めてますし、背景は提灯と云わず、バックオフィスの女性従業員と云わず、渦の中状態に見えます。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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六枚目のカットですが、同じく営業終了前1時間を切り、慌ただしく店頭に群がる観光客の注文を捌くべく、女性店員総出で、幾つかの売り場を遊撃手的に守っているらしく、レンズ交換しているうちにグレーのTシャツのいたいけな小姐が、ちょうど母親くらいの年回りの女性店員に交代し、さすが、亀の甲より年の功と云わんばかりに凄まじい手際良さで焼いた団子を仕分け皿に並べていたので、有難く一枚頂いてみたもの。ここでも、クセ玉の面目躍如、奥の方は、さすがに非点収差のなせる業の反時計回りの渦巻ボケがうっすらと見てとれます。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです。

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七枚目のカットですが、美人茶屋「八起」さんに隣接する深大寺窯では素朴な民芸風の陶器を店頭販売するのみならず、店内では、昔「楽焼」といった、低温で釉薬のみ焼き付けた素地の皿に鉱物系絵具で絵付けを行わせる体験コーナーがあるのですが、その作風に似た生地、絵付けの蚊取り豚が並べてあったので、真ん中の仔豚の目の上のエッジにピンを合わせて一枚撮ってみたもの。ここではほぼ最短の45cmに近い辺りの撮影なので、当の仔豚の周囲の焼き豚から流れています。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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八枚目のカットですが、同じく深大寺窯さん店頭の蚊取り豚の二組の親子?のうち、真ん中の仔豚の目の上のエッジにピンを合わせて撮ったものですが、このカットでは珍しく非点収差というより球面収差が優位と思われる、ボワ~とした後ボケで、後知恵ですが、もっとローアングルから撮れば、店内の点光源を入れて、七枚目ともども、バブルボケが発生するか否か確認出来たのではないかと思った次第。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです。

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九枚目のカットですが、ここも深大寺での試写にはマストポイントとなっている、境内の井戸に附属した手水場の竹筒とその直下の水盤、そして井戸の石材側面に長い間付着した苔とその上に生えた水草をモチーフに撮るべく、竹筒の斜めにカットされた筒先にピンを合わせて撮ってみたのですが、これは確か1mくらいの距離からですが、背景の地面の砂利から他の2本の竹筒から、合焦部以外は全て非点収差優位のグルグルボケと化して、何かめまいしそうになってきた一枚。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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十枚目のカットですが、こちらも同じく境内の井戸に附属した手水場でのカットですが、ピンを合わせた手前の竹筒より後ろのボケでは、地面の砂利が、九枚目ほどではないにせよ、非点収差が自己主張し、時計回りの方向にグルグルの渦を巻いているように見え、相手が、グルグル上等!の映写用レンズではなく、現代のメーカー製品相手であれば、凄いクセ玉という評価になってもおかしくはないと思いました。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです。

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十一枚目のカットですが、既に店じまいを殆ど終えて、店頭には人影すら見えなくなってしまった美人茶屋「八起」さんのところへ舞い戻り、ここも定番スポットである店舗横の小さな庭園の柵際に置かれた蹲(つくばい)の底から水が湧き出て、それが水面を揺らし、木漏れ日を映して何とも優美な景色を作り出していたのですが、残念ながら、営業時間終了とともにポンプも停止し、それこそ明鏡止水の様を現していたので、手前の水面の角にピンを合わせて撮ってみたもの。ここではやはり50cmもない距離からの撮影なので、ピンの合った極狭いエリア以外は非点収差で大暴れ、肉眼で見た、侘び寂びは何処へやら、という結果になってしまいました。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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十二枚目のカットですが、同じく美人茶屋「八起」さん庭園柵際に置かれた蹲(つくばい)を撮ったもので、ピンも同様に手前の水面角に合わせていますが、若干、こちらの方が、まともに描写している部分が多いためか、一見、端正な描写に見えなくもないですが、それでも画面の上半分、特に庭園内部の地面は非点収差の大暴れこそないものの、二線ボケから崩れるようなボケまで混在し、決してお行儀が良い写りとも言い切れないと思いました。
レンズはPrimoplan 58mmf1.9mod.M-uncouppledです

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十三枚目のカットですが、そろそろ陽も暮れかけて来ましたし、帰宅途中、末広町のココス辺りで季節の果物使ったスウィーツを頂きながら撮影結果を一人レヴューしても良いかなとか思って、また来た道を戻るべく、表参道を通ってバス停に向かおうとしていたら、鬼太郎茶屋というキャラクターショップの類いの店頭にゲゲゲ&ビビビコンビの等身大?フィギュアが置かれて居たので、足を停め、ねずみ男の極めて低い鼻にピンを合わせて撮ってみたもの。やはり画面の中心から左右に渦を巻いたような盛大な非点収差ボケ大会となり、プロジェクションレンズ固有の点光源のバブルボケはどうかな、といったところです。
レンズはZeiss Kinostar-S 5cmf1.8mod.Eです。

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十四枚目のカットですが、同じく鬼太郎茶屋店頭の有名コンビフィギュアの撮り比べすべく、レンズを替えて、フィギュア前で記念撮影すべく入り込んできた異国の家族連れが撮り終えるのを待って、ねずみ男のペッタンコに鼻を狙って一枚撮ってみたもの。
若干もざわつき感は認められますが、プロジェクションレンズに比べればだいぶお行儀よく、なんとなく、油彩のような滲んだ味わいあるボケと言えなくもないと思いました。

今回の感想としては、いやはや、通常の改造の裕に5倍は時間掛かったプロジェクションレンズへの絞り機構新設、しかも針の突っつき傷ひとつ付けずに完全な円形絞りの連動機構を開発、組み込んだのち、殆ど削り代のない大口径ヘリコイドに組み込んで、また1mm厚のEマウント金物を背面からネジ留めする、という難工事の連続で、やっと出来た歴史的レンズのEマウント化はなかなか使い前もよく、面白い作品になったと思いました。

さて、来週はまた海外遠征、その翌週は帰省でスキップ、何が出てくるかはお楽しみ、乞うご期待!!
  1. 2023/10/01(日) 23:38:42|
  2. Eマウントレンズ
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An optic that takes us to a world full of thing amazing ~General Scientific 2” f1.6

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さて、今週のご紹介は予告通り、今年最後の更新、米国製超レアレンズによるシュルストレーミンもホンフェも真っ青のクセ玉描写をご披露して、一年の締めくくりとしたいと考えます。
まず、このレンズの氏素性ですが、米国はGeneral Scientific社という、知名度は殆ど無きに等しい、光学、理学機器を手広く商う会社の製品で、自社では生産ラインを持たないことから、国内外の光学機器メーカーからOEM供給を受けて、自社の産学官に広がるネットワークで販売していたようです。
今回のレンズも、夏頃に、恒例の電子湾夜釣りで適当に流していたら、絞り機構・ヘリコイドとも無しプロジェクタ用のペツバールタイプということで、意外とお値頃価格で、珍品の部類に入る、2”以下のGeneral Scientific 社製品が出されていたので、ほぼ反射的にポチッとな!してしまい、忘れた頃に届いていたのですが、バックフォーカスが異様に短かったので、これはライカマウントはムリだと考え、ミラーレス用として使うべく、改造パーツが届いてから、しこしこと閑を見つけては旋盤でジョイント&スペーサ金物を削りだし、今年最後の出張である、那覇出張の前週に完成し、仕事を完遂したプライベートタイム、最終日のフライト前の時間で鬼のように試写しまくったという次第です。
では、さっそく、当日の行程に沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはSONYα7cによる絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、那覇出張では、GOTOもどきの官製キャンペンに乗っかって行ったため、普段、プライベートなら使わないような、立地も良ければ、お値段もそれなりに良い、国際通りの東端は牧志駅に石を投げれば届くくらいの至近距離の宿に滞在していたので、試写は庭のごとく通暁する平和通から壺屋、安里辺りで行おうと考え、国際通りから平和通に入ってすぐの土産物屋さん店頭に立っていた妙に艶めかしいミニーのマネキンにモデルさんになってもらったもの。

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二枚目のカットですが、ここ平和通は那覇最大の観光スポットである国際通りに直結していることから、観光客目当ての土産物屋さんや軽食物販店が軒を並べているのはご存じの通りなのですが、奥の方に行くに従い、観光客のみならず、地元民各位の利用も想定した、オープンな手芸教室のようなものも散見され、そのうち一軒では、通りに面した机で、いたいけな童子達が紙粘土のようなものでシーサーみたいなものを作っていたので、その様子を通りざまに一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、平和通も終点に近づき、やちむん通りと呼ばれる、焼物工房、陶器店が軒を並べる壺屋地区へ通じる道への分岐点近くまでやってくると、よほど通の観光客か、地元民各位くらいしか歩いていないのですが、それでもこの日は、天気も良く、比較的、観光客の絶対数も多かったので、立地的にはかなり不利なはずの琉球ガラスのオリジナルアクセサリ等を商うお店を眺めている家族連れの姿が目についたので、通りをバックに一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、平和通から、壺屋地区への通路の手前の、確か手芸用品店の店先にネコ様専用の柔らかそうな毛足の長い毛布を敷き詰めた大きめの籠のようなものが置かれ、店先には何頭か色とりどりのネコが居たのですが、この居眠りネコだけが、人間に対する警戒心ゼロで、このレンズの最短距離付近まで近寄っても、微動だにしなかったので、有難く一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、ネコの群がる手芸用品店横の、ちょうど壺屋地区へ向かう表通りの側道に当たる細い路地を、関西弁も喧しい、季節外れの、涼しげを通り越した、ことによれば、内地では変人扱いされかねないような薄着の小姐一個分隊が至近距離での精密撮影を試みる工房主の後ろを通り過ぎていったので、振り返りざまに一閃浴びせてみたもの。

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六枚目のカットですが、昼なお暗い、平和通のアーケードから、壺屋地区への道を辿っていくと、晴天の下、通りに軒を並べる工房、陶器店の赤瓦や、ショーウインドーに展示された焼物の釉薬の照り返しも眩しく、前回の出張では、1泊2日の弾丸旅行で、しかも同僚と一緒だったため、こんな、業務とは一万年経っても関わりがなさそうな場所を自由に歩くことなどままならず、前回訪れたのが、亡父が元気だった頃なので、実に12~13年ぶりの訪問で、感慨もひとしお、通り入口付近の説明板横のつがいのシーサーの雄、「ウン」を最短で撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、通りの殆どは前回来た時と殆ど変わりなく、地図を見ずとも、主要な観光・撮影スポットは難なく回れる自信は有ったのですが、今までは、来る度にその立派な佇まいを撮影させて貰っていた、「南窯」という市文化財でこの地区にはもはや二つしか現存していない登り窯のあまりに惨たらしい荒れように心を痛め、さすがにその姿を撮って不特定多数に公開するのも憚られるので、その手前のハイビスカスの雄蕊にピンを合わせて最短で撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、「南窯」の設けられた丘陵手前の斜面に生えた巨木の根元には、この登り窯が稼働していた頃に焼かれたと思しき、実用陶器の数々が何らかの理由で陶工の手によってうち捨てられ、幾星霜をそこで過ごしてきた風格のようなものさえ纏って、そこに佇んでいたのですが、叢の中の漆黒の陶器というのも、なかなか趣きがあると思い、実質的にはAPS-Hまであるかないか、というイメージサークルに収めて撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、今回の壺屋地区訪問の目的は、通りでの試写もそうなのですが、前日、金曜日に同僚を誘って、8年かけて復元修理を施した、国指定の重要文化財、新垣家住宅の建物の中を是非とも見学して、前日に面談した、沖縄県では唯一の宮大工の方の仕事の成果を見たかったので、「南窯」から移動する途中に咲いていた細かな赤い花を至近距離から撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、新垣家住宅の前までやってくると、その西側の斜面の道路上で、新垣家の塀をバックのせっかくの琉装で記念撮影を撮りたいらしく、地面にスマホンを置いて、それを路傍の石ころで固定して自分達の姿を写そうとしていた小姐二名組が居たので、何枚か撮って上げるから、この米国産のレンズ試写のモデルさんになって、とお願いしたところ快諾、この写真も気に入って頂いたので、帰京後、送付させて頂いたもの。

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十一枚目のカットですが、小姐二名に撮らせて貰ったあと、しばし、壺屋地区のこと、そしてこの新垣家住宅の8年かけての保存修理のこと、そして直す前の傷んだ状態のことなど説明し、さて、それじゃ、この家の中に用があるんで、といったん別れを告げて入ろうとしたら、なんと、開場は13時からで、まだ2時間も時間があったので、いったん首里金城町の石畳に回ってから戻ることとし、壺屋地区のはずれの共同井戸に設けられた龍のオブジェを撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、安里駅からゆいレールに乗って、前回乗った時は終点、今や浦添市まで延伸されたゆいレールの通過駅のひとつになって隔世の感を感じざるを得なかった首里駅で降り、首里城の南南西の丘陵斜面に在る、首里金城町の石畳を目指し、歩いて行ったところ、さすがにこのエリアは宅地化が更に進み、街の様子がかなり変わってしまったこともあって、ちょい遠回りしましたが、目標の金城町石畳入口付近の、おそらく世界一有名な「石敢當」を石畳の坂道をバックに撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、前回は気付かなかった、或いはここ数年で改装した結果なのかも知れませんが、「石敢當」を塀の傍らに建てている、住宅、いや正確には店舗兼住宅というべきなのかも知れませんが、その建物の厚く丁寧に塗り籠められた真新しい白い漆喰も眩しい赤瓦の屋根の西側の棟の位置に、内地なら鬼瓦か鯱を立てるところ、手を挙げてハーィと挨拶しているようなシーサーが載せられていたので、面白いと思い、一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、ここ金城町の石畳の坂道ふもと終点の広い自動車も通れる石畳の道路との交差点西側には琉球様式平屋建ての公民館のような役割と思しき木造の建物が建てられており、街の住民のみならず、観光客も含め、誰でも、自由に上がって中を見学、或いは板の間で寛いでも良いことになっているのですが、上がり込んじゃうとついつい寛いで、新垣家住宅再訪とランチタイムとの兼ね合いが収まり切れないので、外から、儀式に使う見事な銅鑼の写真を撮らせて頂いたもの。

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十五枚目のカットですが、金城町の石畳の坂道の散策も無事終え、新垣家住宅の開場時間は13時からなので、牧志駅でゆいレールを降り、ランチは空港で食べることにして、急いで新垣家住宅に取って返して中を見学しようとやちむん通りを急ぎ足で歩いていたら、先ほどの「南窯」下の店舗前のシーサーの前にネコがあたかもクラウチングスタートするかの如き構えを撮っていて、そのままカメラを向けたら、勢いよくシーサーの頭に飛び乗る瞬間が撮れたというもの。

今回の感想ですが、いやはや、ペツバール型は、通算で10本以上改造して撮ってみましたが、この米国産のプロジェクター用レンズも、開拓時代の西部地帯のあちこちに居たというカウボーィ並みにワイルドで、特に至近距離での被写体など、背景があたかも水槽越しに撮ったかの如く、像面湾曲も非点収差も物凄く、正直、使いづらいクセ玉ではありますが、イメージサークルの狭さも念頭に置いて、ポートレとか至近距離でのブツ撮りに使ったら面白そうです。

さて、今年も、拙ブログへのご愛顧有難うございました。私儀ながら、お城巡りにうつつを抜かしたおかげもあってか、日本城郭協会認定の城郭検定準一級に一発合格し、ますますのめり込みそうな気もしますが、機械いじりもそれ以上に好きなので、お金と暇が出来たら、ボチボチと改造は行って、この場を使って発信して参りたいと考えております。
来年もどうぞ宜しくお願い致します。
では、どなた様も佳き御年を!!
  1. 2022/12/25(日) 20:03:33|
  2. Eマウントレンズ
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Amazing tripket modified from objection optics~P.Rokkor45mmf2.8E~

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さて、今週は予告通り、久々の工房作新レンズの試写結果行きます。
そのドナーというのが、たまたま新宿の中古カメラ屋巡りで見つけた、P-Rokkor45mmf2.8、まさに故事でいう「奇貨居くべし」の通り、これまで買い求めて、バックフォーカスさえ確保出来れば、筋肉並みに裏切らないプロジェクションレンズの一種であり、同じ投影レンズではEL-Nikkorフルモデルチェンジの原因ともなったCE-Rookor-Xの兄弟機とあらば、買わないという選択肢はありませんでした。

もっとも、出張やらお城巡りが忙しくて、なかなか改造に着手できなかったのですが、東北お城巡りから戻って来て、当面遠出はしまいと心に誓い、では何するか、と自問自答したところ、一番手軽なドナーをリハビリ代わりにヘリコイドとマウント付けたらどーや、という心の声に応じ、一番お手軽で買い置きパーツも揃っていた、α用のEマウント化したという次第。

或る意味、今までお店で見たこともネットで作例も上がっておらず、電子湾で確認しても、同じ名前の違う形状のものが売りに出ていましたが、当然、詳しいデータなどありません。

仕方なく、クリーニングがてら可能な限り分解してみたら、やはりペツバールではなく、トリプレットタイプということが推定出来、45mm焦点距離のバックフォーカスからすれば短すぎるので、トリプレットではないかと考えられます。

では、早速、9月はじめのピーカンの土曜日、異国人もぼちぼち戻って来た気配の浅草界隈での実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RⅡ、当然のことながら全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川から浅草にアプローチしようとすれば、地下鉄、バス、徒歩が有りますが、時間、コストからすれば、地下鉄が最適解なので、毎回、東西線、銀座線乗り継ぎで浅草駅に到着すると、最初の定点観測スポットは雷門周辺なので、そこで一枚撮ろうとしたら、ちょうど目の前に自撮り小姐二名組が立ってくれたので、即席モデルになって貰ったもの。ピンの合っている小姐の金髪はもちろんシャープに写っていますし、背景の参道も意外に崩れずにボケています。

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二枚目のカットですが、いつもは最後に寄る雷門東側の土産物屋さん店頭の365日万年風鈴ですが、ちょうど陽の当たる加減と室内光のバランスが良さげなので、当日は、大和絵団扇をさしおき、至近距離で撮影してみたもの。ガラスも涼し気な風鈴はもちろんシャープに描写していますが、出ました、出ました、室内灯がガラスで複反射している光が、見事、バブルボケというふんわりとした暖かい光の球のように写り込んでいました。

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三枚目のカットですが、いつもの通り、仲見世通りに足を踏み入れてすぐ、「美人茶屋あづま」さんの角を西に曲がった側道との交差点西北に建つ扇子屋さん店頭の大和絵団扇を撮らせて戴くのですが、いやはや、陽光の角度や雲のかかり具合いは365日全て異なるので、イコール条件ではない前提で評価しても、この団扇の質感、立体感、そして空気感の描写は、正直、トリプレットで開放値2.8というハンデもものかわ、凄まじい実力と思いました。殆ど逆光に近い条件でしたが、フレアもゴーストも殆ど認められず、十分なコントラストも出ていますし、背景のボケも美しいです。

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四枚目のカットですが、団扇を撮った画を背面液晶で確認し、茫然としていたら、横をいたいけな浴衣姿の小姐が関西弁でくっちゃべりながら通り過ぎて、どうやらお目当ての路地裏のメロンパン屋さん目指して歩いて行ったようなので、すかさず、EVF上のピンの山も極めて掴み易いこのレンズのおかげで、何とか追い縋って一枚撮れたもの。
前カットからすれば、画面には太陽光の映り込みは皆無に近く、北の空が路地越しに写り込んだ割には内面反射によると思われる周囲コントラスト低下が生じてしまっています。

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五枚目のカットですが、また仲見世通りに戻り、何か面白そうな被写体は居ないものかなどと鵜目鷹の目、路上をスキャンしながら歩くこと5分弱、あっという間に宝蔵門の下を潜り抜け、浅草寺境内に入り、しばらくぶりなので、まずはお参りと手水場で手と口を清めていたら、巨大香炉の前で名古屋からというOL二名組から香炉をバックにスマホンのシャッター押して欲しいと頼まれ、ほぃきた、と要望にお答えしたお礼代わりに、煙浴びてるところをすぐ後から撮らせて貰ったもの。中央手前の小姐の茶髪はもちろん切っれ切れのシャープさですがバックの本堂前の陽光を反射した掲示板はバブルボケを見せています。

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六枚目のカットですが、巨大香炉前の小姐のなかなか満足度高いカットに気を良くして、本堂内で無事お参りを終え、またしても性懲りもなく、建物内をスキャンすると、おみくじを買うのに難行苦行している、スリランカからという浴衣姿の小姐二名組が居たので、半分親切心から近寄り、説明をして上げて、いざ抽きましょう♪いう段になって、ウェイト!写真を撮らせて貰う、と動作を留めて貰い一枚撮ってみたもの。ボヘミアンクリスタルとおぼしきイヤリングにピンを合わせましたが、うなじ周りのおくれ毛も極めて精緻に描写していますし、崩れや歪みが目立ちがちな背景の棚もきれいなボケなっています。

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七枚目のカットですが、ここも、至近距離の描写のシャープさと背景のボケの対比に便利なので、たまに試写に利用することがある、本堂下西脇の銅製の巨大な天水桶で、その上縁周辺の篆字体の赤文字にピンを合わせて、無限遠ゾーンのスカイツリーをぼかそうという構図なのですが、やはりスカイツリーのメタリックな外観もこのレンズにかかっては、柔らかそうなバブル状のボケと化していますし、非点収差により画面下半分の樹木と手水場屋根が若干グルグル巻きを起しているのが認められます。

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八枚目のカットですが、非点収差がやっと出たのを背面液晶拡大で確認し、さぁ、次のステージ、非点収差、像面湾曲が一目で見てとれる定点観測スポットである、常盤堂プレゼンツ「風車の弥七」モニュメントへ向かったところ、正面中央付近はこれをバックに記念撮影しようという小姐グループからいたいけなカポーまで順番待ち状態だったのですが、真横からの撮影は、規制線の内側を真横から撮るので、誰の邪魔にもならず、スムーズに撮れるわけなのですが、今回、このレンズの隠された野生というかどう猛さが炸裂したカンジで、まさに横一文字に並べられた青色とところどころの黄色という隠れウクライナ配色の風車は画面右奥に辛うじて写り込んだ浴衣の小姐の背中目がけて奔流の如く押し寄せているような非点収差の出方となったわけです。

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九枚目のカットですが、花やしき付近で被写体を探して徘徊し、例の障子戸を模したオブジェ前での記念撮影をするキツネだかネコだかの上半分の面をかぶった小姐達の姿も皆無だったため、木馬座の周りを大回りして、また西参道から奥山方面に戻ってまた境内の御籤売場周辺でも撮ろうかと思い、路地裏の飲み屋が密集している辺りを歩いていたら、行き止まりの路地の入口のお店の郵便受けに顔を洗う猫のまがい物が置いてあったので、路地の風景も入れて一枚撮ってみたもの。ここでも背景に立つ老若男女も店舗建屋外壁の配管類も柔らかくバブルボケと化しています。

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十枚目のカットですが、花やしき南側の一杯飲み屋や、立ち飲み居酒屋が所せましと並ぶ一角、昔に比べれば、店の中では洗剤の泡が残ったグラスが出てくることもなく、店の外も行政が強烈に関与した結果、区画整理が整然と行われ、我こそはと看板を往来の真ん中近くまで迫り出してきて、それに呼応するように椅子やテーブルで路上を不法占拠するといった奥浅草の原風景はとうに失われてしまいましたが、それでも行政の目を気にはしながら、通りの真ん中だけ空けて店の前に大胆にテーブル、椅子を並べて昼から飲ませるという業態は変わっていないので、懐かしさもあり、一枚撮ってみたもの。手前の赤提灯にピンを合わせましたが、周辺がちょいケラれたのと最深部がちょっとザワついているだけで、極めて真っ当な描写になったと思います。

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十一枚目のカットですが、浅草寺西参道を奥山方面に向かう途上、土曜日の午後遅い時間ということもあって、物販店、飲食店とも、ここが稼ぎ時とばかりに、軒並み開店し、行き交う人々も前回、やって来た時に比べれば、格段に増えてきており、店を開けていて、閑古鳥が店頭で啼いているという状態はまず無くて、カラフルで面白げな造形のサングラスが店頭デスプレィに掲げられた土産物屋兼軽食堂が目に留まったので、店番のアジュモニに「面白げなメガネなんで、一枚撮らせて貰うよ」と声かけて、あいよ!とのことだったので背後のお食事中のカポーもろとも一枚撮ってみたもの。
ここではバブルボケは盛大に姿を見せていますが、非点収差のいたずらであるぐるぐる渦にカポーは巻き込まれなかったようです。

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十二枚目のカットですが、本来であれば宝蔵門潜って、境内第一の定点観測スポットである御籤売り場に足を運んでみたら、いました、いました、これから御籤を買い求めて、恋の行方なのか、会社での将来なのか、はたまた、依然社会に暗雲をもたらしているCOVID19終息の見通しなのか、善男善女の心願は余人の知るところではないですが、それでも、建物の隅で、開いた御籤の文面の解釈で盛り上がっているカポーがいたので、そっと横から、売り場を背景に一枚戴いてみたもの。ここでも、画面最深部の辺りはザワついていますが、それ以外は特に流れ、崩れもなく、構図的に四隅のケラレもそれほど気にならないと思います。

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十三枚目のカットですが、浅草の帰りに新宿区内の中古カメラ屋さんに寄り、また改造用のドナーを買い求め、しかるのちに銀座周辺でお茶でもして帰ろうと思っていたので、地下鉄の駅まで戻りがてら撮って、枚数積み上げることとし、仲見世通りの東側店舗裏の側道を歩いて行って、伝法院通りと交差するところに、ここ二、三年で出来た「大正ロマン舘」なる観光物販・軽食提供店の側面になかなかおしゃれな看板が架かっていたので、伝法院通りをバックに一枚撮ってみたもの。意図した通り、看板の絵柄、文字はシャープに背後を行き交う人々と店舗の照明はバブルボケと化しています。

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十四枚目のカットですが、帰りに通りながら撮ろうと考えていた、観音通り商店街という仲見世通りの二本東の比較的広い、飲食、物販店の立ち並ぶ通りを歩いていたら、老舗のイテリアンジェラート屋さんの並びに、たぶんキャラクターグッズ系土産物屋さんだったと思うのですが、その店頭に、今や浴衣姿の小姐の必需品と化した顔上半分用のキツネのお面をかぶせた真っ白い小姐のマネキンが店頭の長椅子に腰掛けていたので、至近距離に寄り、一枚戴いてみたもの。
ここでは背景のガラスに写り込んだ点光源がバブルぼけと渦巻きの複合デストーションを起しているのが認められると思います。

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十五枚目のカットですが、せっかく久々に浅草に出て来たので、アポなし訪問可能な早田カメラ店にでも顔出して行こうかと、伝法院通りを東に10m程度歩いてみれば、シャッターには一枚の貼紙「世界中古カメラ市出展につき店舗は休業」とか仕方なく駅に向かおうとしたら、伝法院通りからビストロオウミの横の道に人力車が入って行くのとすれ違ったので、急遽ダッシュで追い駆け、歩行者とすれ違う瞬間、斜め横から一枚撮ってみたもの。ここでも、乗客の小姐の髪の毛一本一本、白い着物の透かし模様まで緻密に描写していますが、背景の建物壁面上部の縦桟には歪みもなく、きれいに蕩けるが如くぼかしています。

今回の感想ですが、いやはや、ほんの気まぐれで見たこともないレンズをそれこそバックフォーカスすら十分調べずに買って帰り、純アルミにアルマイトという切削加工では一番嫌な、表層と内面の硬度、伸び率の差の大きな材質に全周ネジ切ってスペーサリングに捻じ込み、汎用ヘリコイドユニットに捻じ込み、ひたすら、コリメータ見て無限をとった甲斐がありました。
まだまだドナーさんは高いの安いの、珍しいの、そうでもないの合わせてたくさんあるので、気が向いたら改造してレポート致します。

さて、次週は金曜夜から火曜まで西国出張が入ってしまったのでスキップ、翌週は長野県の湖の畔の名城へ訪問した時のレポートをお送りしたいと思います、乞うご期待。
  1. 2022/09/04(日) 13:27:02|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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