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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Admirable performance of old tiny optical from G.B.~Dallmeyer Pentac2”f2.9mod.M~

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さて、今週は予告通り、今週末に製造した久々の新作レンズの出来栄えをレポート致します。
その名はDallmeyer Pentac5cmf2.9改M。調べてみたら、約4年7ヶ月前に、かなり状態のイイ個体を改造した1号機を浅草で試写したストックフォトを元にご紹介しておりました。
こちらの方が見た目も古そうだし、エレメントもノーコートの普通の光学ガラスで作られているようですが、1号機が約70年前ということですが、これは御年80歳くらいになるのではないかと思います。えっ思いますじゃなくて、シリアル見りゃ良かんべ?というご意見ももっともですが、何せ、レンズ先端部外周にあるはずのシリアルが経年劣化による塗料の剥がれと地金の腐食が相まって、現状では読めないので、外観、硝質で判断せざるを得なかったという次第。
では、さっそく福井~金沢での試写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはα7c、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、今回の旅では、金沢への移動途上に位置する富山には、ランチに海鮮丼食べて、お城だけ見るだけ見て、早々に夕暮れ前の金沢に入って、駅至近の宿にチェッキンし、宵の口にかけての主計町茶屋~ひがし茶屋でも撮ろうと考えていたのですが、魔がさすもので、新幹線の中でふと手に取った広報誌にたまたま富山の沿岸部に北前船当時の古い街並みが保存されているというので、お城を見てから、市電に乗って、その景観保存地区である岩瀬地区を歩きだしてすぐ目についた旧家の軒先の屋号透かしを一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、ちょうど、この季節の便りとも言える、日本の地方都市の風物詩、造り酒屋の軒先の杉玉のかなり巨大なのが、雨を防ぐためか、二階屋根の軒下に特別に設けられた切妻形式の可愛らしい屋根からぶら下げられており、色の変わり具合から察するに、10月に仕込んだ今年の新酒がもう飲み頃ですよ、如何ですか?とか、吞ん兵衛各位を誘因する大役を果たしているようだったので、このノーコートで内面反射もシビアなオールドレンズの鬼門である明るい空が入るのもものかわ、店先ごと一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、この街に着いた時には全く意識していなかったのですが、どちらも登録有形文化財である北前船時代の豪商の店舗兼住宅を二軒公開していて、通常は数百円の入場料を徴収することになっているのですが、訪問した11/3はご存知「文化の日」であるため入場料免除、まずは東岩瀬の駅からのアクセスでは手前に位置する「森家住宅」の佇まいを観光案内パンフ的なアングルから一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、一軒目の森家の屋敷の中を隅々まで見せて頂き、係員の方にお礼を述べて大通り
に出て、奥の方向へと歩いていくと、程なく二軒目の北前船時代の豪商の店舗兼住宅である「馬場家住宅」も無料公開しているので、急ぐ旅でなし、呼び込みの係員さんの声に応えるかっこうで中に入れて貰い、ここも、内証の土蔵から二階の客間までご当主の馬場さんの案内でぐるっと見せて貰いながら、土蔵群の横の小さな庭の苔の間に滑り止の庭石代わりに埋められた石臼がイイ味出していたので、一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、同じくご当主の案内で「馬場家住宅」の内部見学をさせて頂いていた最中に石臼が埋められていた苔むした中庭から、すでに季節的に萎れてしまった庭木、たぶん樫か欅といった広葉樹の枝葉越しに、よく手入れが行き届き、お城の天守とか櫓を彷彿とさせる、分厚く真っ白い漆喰総塗籠仕上げの土蔵の壁面、窓の扉を一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、同じく「馬場家住宅」の中を巡っている最中、ご当主の馬場さんから、ふーん、手作りのクラシックレンズであちこち撮り歩いているんだ、イイ趣味してるね、そうそう、飾り金物で面白いのがあるんだけど、普段はよその人に見せないんだけど、見て撮ってく?とのことで、ご自慢の奥の土蔵の、時代を経た欅の板に取り付けられた凝った彫金仕上げの城前の前に案内され、確かに面白いと思い、一枚撮らせて戴いたもの。

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七枚目のカットですが、屋敷の中を一通り見せて頂いたのち、お礼を述べて名刺交換などし、ご当主に通りまで送って頂き、そのまま大通りを海に注ぐ川の畔まで歩き通し、海の上で西に傾き始めた太陽など眺めてから、大通りから一本東の通りを通って、駅まで戻ろうとした時に、手入れの行き届いた馬場家や森家のものとは異なって、長年の雨風によって、表の漆喰が全て剥げ落ち、その下の土壁だけが痛々しい姿を晒している土蔵の姿を撮ろうとしたら、興味半分の親子連れが入ってきたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、駅に戻る手前で、、大通りに面し、大きな杉玉を吊るした造り酒屋の奥には、醸造を行っている醸造場があって、板張りの壁で囲まれた大きな建物の上には、これまた懐かしいコンクリート造で、醸造している清酒の名前を書き記した、如何にも田舎の醸造所という風情が、午後遅くのだいぶ赤みがかった陽光に照らされて、得も言われぬ風情を醸し出していたので、広角レンズではなかったので、ギリギリ構図を工夫し、画面に収めてみたもの。

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九枚目のカットですが、翌11/4は朝から、前回の片道4キロも歩かねばならなかった丸岡城へのリターンマッチとして、福井滞在時に発見した、芦原温泉と福井駅前からの路線バスのうち、金沢からは少し近い芦原温泉から乗って、1時間半ばかり現地に滞在し、またバスと電車乗り継ぎで戻ってきて、17時過ぎに金沢駅に着けたので、そのまま、駅前のバス停から左回りの巡回バスに乗って、ひがし茶屋街まで移動し、まだかろうじて残照があるものの、灯火が灯ったメインストリートを行き交う人々を撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、同じくひがし茶屋街のメインストリートで、この時間にしては珍しく、開いているお店が少ないため、通りがややゴーストタウン的になっていて、通りのガス灯が煌々と点いているにも関わらず、個々のお店の前は暗くなっているので、観光客各位もメインストリートで写真を撮るだけ撮ったら、たぶん、賑やかな夜の賑わいが人を惹き寄せる香林坊とか片町に移動するのでしょうが、街灯以外は真っ暗な街並みを見て、どこで記念撮影しようか迷っている中国系観光客の後姿をちゃっかりしっかり戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、連休谷間とは言え、平日だったため、殆どのお店が17時定時、ないし新型コロナ対応で営業時間短縮で閉まっていたなか、何店かの飲食店は細々と営業を続けており、中でも、金沢の百万石の伝統を受け継いだ抹茶系スィーツを商うお店には行列こそできないものの煌々と照らされている店先のメニューボードに足を止めて品定めをする女性客は引きも切らず、適当な組がやって来たところで有難く一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、平日の宵の口なので、完全に真っ暗な店舗も結構な数有ったのですが、先の抹茶系スィーツのお店の如く、お店を開けてお客さんを迎え入れていなくとも、店内には煌々と灯りを点し、黙々と週末の営業の準備でもしているのか、お店のスタッフ、或いはマネジメントの方が、レジのところで、忙しくタブレットを片手に何らかの作業している姿が見えたので、外から一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、メインストリートどん詰まりまで歩き切ってしまったので、いつもの散策ルート通り、どん詰まり左側からメインストリートの一本北側を並行して走る通りを目指すこととして、東端の小径、即ち、名高い料亭「山乃尾」の建つ卯辰山山系の下の通りを歩いていたらガス灯りが仄かに照らす石畳の道沿いのべんがら格子の街並みがなかなか佳き風情だったので、誰か通るのを待って、一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、メインストリートの一本北を走る通りはなぜかメインストリートと交差する茶屋街入口の通りというかちょっとした広場に合流する手前、ひがし茶屋街料亭組合の建物の手前で、お城の桝形虎口じゃあるまいし、建物の壁伝いに左に曲がって、またしばらく真っすぐ歩いて右手に曲がるという、いわゆるクランク、鍵の手構造の裏通りの煌々と照らされたひとつめの突当たり手前を歩く小姐二枚を捉えてみたもの。

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十五枚目のカットですが、鍵の手から抜け出て、そのまま道なりに真っすぐ歩けば、ひがし茶屋街メインストリート入口の、ちょっとした石畳の広場経由、浅野川に架けられた橋の袂の左右に設けられた、武蔵辻・近江町経由金沢駅方面、或いは兼六園下・広坂経由、片町・香林坊方面へのバス停へと戻れるのですが、こんなお店もまばらなウィークデー宵の口の茶屋街でも楽しかったのか、お手々繋いで家路を急ぐ風情のカポーがいたので、有難く一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、ノーコートでしかもフード無しで前玉が比較的前に出ているので、逆光はつらいものがあると予想しての旅先での試写でしたが、なかなかどうして、空や強い光源に対しては、なすすべもなく、盛大なフレア大会にはなってしまいましたが、順光ないし、日陰っぽいところでは、素晴らしいシャープさとヌケの良さ、程よいコントラスト加減を示し、素性の良いレンズであることが良く判ったという次第。

さて次回は、またしても、旅から旅の合間のクラシックレンズによる撮影ということで、夏草や、兵どもが夢の跡、を彷彿とさせる古戦場を日帰り弾丸ツアーで巡ってきたレポートなどお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2022/11/13(日) 18:17:16|
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Amazing encounter inspite of distances in time and location~Canduster50mmf2.8 by F.G.W.G.~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、工房製品のご紹介をしたいと思います.
もはやネーミングから、どんなものが出てくるかバレバレではありますが、逆になんで、今までこんなベタな組み合わせを考え付かなかったのか、と出来上がって、そして試写結果を見て、自ら首を傾げてしまったくらいです。
そう、これもf3.5バージョンと同じく、3群の凹エレメントが風化により白濁、使用不能となるCanon50mmf2.8の宿痾を解決すべく、ドナーからの移植を考えたのですが、いかんせん、50mmf2.8というレンズでテッサ型がなかなか思い当たらず、国産のクラシックレンズではどれもCanon50mmf2.8より状態の良いものは高いのでドナーとして使えなそうなものを見当たらず、ふと、インダスターでf2.8のものがあったことを思い出し、後群を外してみたところ、これが元のCanon製のものとは微妙に内外径が異なりスカスカ、金属製のスペーサというか、捻じ込み用の両面ネジリングを製造しなければならないのですが、Canonの内鏡銅を削って、またネジを切るという加工をしない前提では内外面に0.5pのネジを切ると、上手に位相をずらしても0.3mm程度しか肉厚が無くなってしまうのでかなり難度の高い加工であり、更に前後群のクリアランスを最適化しないと球面収差と像面湾曲のバランスが取れず、物凄く使いづらいクセ玉が出来上がってしまい、苦労も水の泡なので、まずは加工前にメタルテープで後群を仮止めしてクリアランスを変え、コリメータで最適位置を測定、しかるのちに測定したクリアランスを得るべく寸法割り出してスペーサ兼固定用両面ネジリングを加工したものです。
では、その会心の作の築地場外での試写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RⅡ、全コマ絞り開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、だいたい築地に試写に行く時は、遅めのランチを兼ねることが殆どなので、新大橋通りに面した門跡橋商店街アーケードの中の「又こい家」さんで至極のまぐろ丼類を戴き、しかるのち、その西側の南北通路から、COVID19のおかげで外国からのゲストを引き算したよりは遥かに多い人出の場外市場内部に入って行きますが、その南北通路の途上の店舗で赤いウインドブレーカーを纏って、キビキビとお客さんの注文をこなしていた店員さんの姿を一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、これはかなり厳しい条件での撮影になりましたが、場外市場の北から二本目の東西通路の南北通路との交差点西寄りに位置する、甲殻類メインの「齋藤商店」さんの軒先には色鮮やかなタラバ蟹や毛蟹、紅ずわいなどが整然と並べられ、COVID19の沈滞モードもどこへやら、元気な売り子さんの切れのイイ口上に釣られて、老若男女、店頭にひきつけられるのですが、いかにも仲睦まじそうで、ちょうど、まんが日本昔話に出て来そうな老夫婦が、長じて正義の味方になる男の子か、はたまたやんごとなき殿方の求愛を受けながら月に帰る日まで黄金をもたらし続ける女の子か、にご馳走を振る舞おうと買いに来たかの雰囲気だったので逆光もものかわ、傍らから一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですがその東西通路を西方向、かつて築地市場本体とを隔てた西側の道路に向かい歩き出したところ、精肉店の店頭で、花も恥じらういたいけな小姐が健気にも、店頭のグリルに木炭系の燃料を熱源として、牛のバラ肉を串刺しにしたものを手際よく炙って、道行く左党の人々に売り捌いていたのですが、メシは既に食べてしまった上、牛は食べないので、お昼食べちゃって買えないけど、写真撮らして貰ってもイイ?と恐る恐るお伺いを立てたところ、下向きながらもニコリと微笑み、イイっすよと快諾してくれたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、結構お客さんが集まってきたので、ひとまずお礼を述べて早々に退散、再び、Go West♪とばかり通路を物色しながら進んで行ったら、場外市場西端の道路手前の乾物屋さんの軒先に可愛いビニール製のタコのオブジェが吊るしてあり、確か前は透明なビニール袋に入った、タコを竹串を使って開いて干した干物が下げっていたのでは、と思いながら、背後の人物群像がどのようにボケるか興味あったので、背景の人物の構図も考慮した位置から一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、場外市場外周西側の道路沿いのアーケードに達したので、ここも、そこそこクリアランスが撮れ、お客さん等が集まる商店が何店かあるので、とりあえず、南端の波除神社と面した外周道路の辺りまで歩くこととし、テリー一家の玉子焼屋さんの次くらいに有名な玉子焼屋さんの前をこのご時世、絶滅危惧種にも等しい白人グループが歩いていたので撮ろうとしたら、手前のお店の人達が視界を遮っちゃったので、急遽そちらに飛び入り出演願ったもの。

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六枚目のカットですが、いったん波除神社の手前まで行って、また同じ場外市場西端のアーケードを戻り、今度は一番南の東西通路を東に向かって歩きながら被写体を探していたのですが、今までは気が付かなかったので、全く新しい人が始めたお店か、或いは、元からあった茶問屋さんが、観光客向けの日銭商売として新たに店頭にスタンドを設けて抹茶ラテ系の冷たい飲料を売るようになったのか確認しませんでしたが、なかなか風情のある女性店員さんが笑顔で、いたいけな若いカポーにおまけしますね♪とか云いながら柄杓で抹茶を次いでいたので、そのシーンを後から一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、元来た場外市場で一番東側の南北通路を通って、また一番賑わいのある北から三番目の東西通路に戻るべく歩いていたら、如何にもK-POP命、絶対Niziuみたいな佇まいの小姐数名と、そのBFみたいなバスケットボールファッションの兄ちゃん数名が追い越していったので、南北通路上の結構お高い観光地価格を掲げる海鮮丼屋さんの前で入ろうか否か路上ミーティングをしている様子を後から一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、一番東の南北通路と北から三本目の東西通路の交差点角に建つ乾物屋さんの軒先で、妙齢のご婦人が、これまたたいそうな高齢で、飼い主の腕の中で居眠りしているようなポメラニアンを抱えていたので、いやぁ、ポメですか、懐かしいなぁ、うちもチョコラブの前に飼ってたことがありましてねぇ・・・とか声掛け、ダッコしてるとこ一枚撮らして、と頼んでモデルさんになって貰ったもの。

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九枚目のカットですが、犬連れ店番のご婦人に撮影結果をご覧戴き、及ばずながら拙ブログで宣伝させて貰いまっせとお礼を述べて別れ、また西に向かって歩き出してすぐ進行方向左手に手ぬぐいみたいな材質の布に、かなり達筆なひらがなも毛筆で「ひもの」と描かれた幟が掲げられていたので、傍らの呼び込みの兄ちゃんに撮らして貰うよ、と声掛けて一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、まさにジグザグ歩行状態ですが、「齋藤商店」さんの店先、さきほど前を通り掛かった時は、お客さんと白熱した商談中だったので、声をかけるのも憚られたのですが、二周目ではあいにく、立派で豪華なタラバ蟹のおみ足の周囲にはお客さんはおろか店員さんも居なかったので、奥で缶コーヒー呑んで一息ついてた兄ちゃん店員に、一枚撮らしてね、と声掛けて至近距離で戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、「齋藤商店」さんの先はあまり変わり映えしないというか、ランチタイムをとっくに過ぎた時刻なので、観光客目当ての海鮮丼屋さん達も店仕舞いか、そこまではいかないまでも、店頭での呼び込みに人を張りつけるのをやめてしまっていて、人の流れも少なく、しかも何処か寄るでなく、ただそぞろ歩きしている風情だったので、そろそろ引き上げ時と心得え、元来た南北通路を北に上ろうとしたら、その途中のマグロ専門店の店頭で仲睦まじく物色している、いたいけなカポーの姿が目に留まったので、有難く一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、場外市場一番東の南北通路から、先ほどはパスした北から二番目の東西通路経由、晴海通りに抜けようと考え、東西通路をちょうど歩き出した辺り、晴海通り留めと鼻の先のマグロ小売店店頭で客寄せのためか、兄ちゃん二名で、でマグロの解体ショーの準備を始めていたので、声掛けて最前列で撮らせて頂いたもの。

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十三枚目のカットですが、晴海通りを銀座方面に歩いて行くと、否が応にも新大橋通りに面した門跡橋商店街のアーケードの横を通るのですが、先ほどお昼を頂いた「又こい屋」さんは時間も時間なので、とうに店仕舞いをしていましたが、その横の観光客相手の海鮮丼屋さんはまだまだ商魂逞しくカウンターを開けて営業していたので、遅めのランチを堪能する兄ちゃん小姐ちゃんの横顔を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、築地から銀座方面へ歩きながら撮ろうと思い、晴海通りを歩いていたら、ちょうど、首都高の半地下ルートの上に掛かった橋の上のちょっとした広場みたいな「築地川銀座公園」という場所に設けられた忠犬ハチ公もどきの青銅の犬の像の台座兼憩いのベンチの上であたかも燃え尽きた「あしたのジョー」の物真似やってます、みたいな小姐が居たので、遠巻きに一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、晴海通りを北、即ち銀座、日比谷方面に向かってひたすら歩き、歌舞伎座前、東銀座、三原橋を過ぎ、いよいよ三越の建つ、銀座四丁目の交差点まで達した時、北西角に聳え立つ、リコー、三愛グループのシンボルでもある茶筒状のビルをバックのいたいけな若いカポーが寒そうに身を寄せ合って佇んでいたので、これ幸いにと有難く後から一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、良く写るじゃあ-りませんか!? まさか不人気のインダスター50mmf2.8の後群がこんな形でCanon50mmf2.8を蘇らせてくれるとは・・・もちろん新品と比べなければフェアではないかも知れませんが、実際問題として、現存する殆どの個体が多かれ少なかれ"白内障"を患い、しかもそれが進行すれば、レンズとしての写す、という命脈を絶たれてしまうわけですから、こういった改造もアリなのかも知れません。
さて来週はまた国内某所に個人的GOTOしに出掛けますので、一週スキップ、その次週は"出張"報告でも致しましょうか、乞うご期待!!
  1. 2021/02/14(日) 16:40:52|
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Return of spooky hybrid optics ~Canter50mmf1.9II~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、今週は今年に入って一発めの工房作品をご紹介致します。
レンズ自体は昨年の11月には完成していたのですが、あちこち旅行もあり、一癖も二癖もある兄弟レンズが登場したりして、なかなか登場の機会がなかったのですが、満を持して?の登場です。

実はこの奇妙な名前のレンズ、同じ構成のものは11年前に製造していますが、当時はコリメーターなどなかったので、無限合わせと、簡易スリットレーザーによる投影コリメーション検査で組んだものだったので、像面湾曲と距離によっては球面収差バリバリの凄く使いづらいじゃじゃ馬レンズになっていたのですが、今回、リバイバルということで、キレイなキャノン50mmf1.8の前群とジュピター8Mの後群が確保出来たので、手慰みにコリメーターの力も借りて加工してみたものです。

では、さっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RⅡ、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、浅草で別のレンズの試写を一通り終えて、また折り返し撮影を開始したのが、浅草寺周辺最後の札所ならぬ定点観測スポットである常盤堂おこしプレゼンツの風車の弥七モニュメントでちょうど斜めから撮ろうとしたら、そんなの関係ねぇ!とばかりに記念撮影始めちゃった小姐集団が居たので、有難く飛び入り出演願ったもの。

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二枚目のカットですが、その常盤堂プレゼンツの風車の弥七モニュメントのすぐ隣は西参道のアーケードで入口付近のメロンパン製造販売店舗の前にはいたいけな着物姿の小姐や七五三のまま大きくなったような和装のカポーがたむろしていますので、有難く商店街の風景の一部としてご出演願ったもの。

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三枚目のカットですが、来た道を戻る格好で試写していこうと考え、再び浅草寺の境内に戻り、いつもの通り、最短距離と無限の取り合わせの描写性能を確認すべく、本堂左下の天水桶の上縁周囲の赤い篆刻文字と遥か彼方のスカイツリーとの競演の構図で一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、次なる定点観測スポットは境内、本堂真っ正面の参道中央にデン!と置かれた巨大屋根付き香炉で、当日は珍しく、いたいけな着物の小姐二名がレンタル衣装への移り香もものかわ、盛大に両手を使い、もうもうと立ち昇る紫煙を自らの上半身に纏わせようとしていたので、こんなに盛大にやっちゃって、返す時、お店の人に文句云われない?とか他人事ながら心配しつつ、横から一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、いつもは巨大屋根付き香炉の周囲で撮ったあとは、手水場で逆光下での人物セミシルエットのテストをやるのですが、当日は折悪しく、手水場の屋根の下には人もまばらで、杖を撞いたご老人グループしか居なかったので、老いさらばえた姿を撮られるのも心情的には辛いものがあるだろうと忖度しパスし、次なる定点観測スポット、お神籤売り場へと足を運んだら、いたいけな小姐二名は神籤の中身をお互いに読み合って、ケラケラ笑っていたので、声掛けて後から一枚撮らせて頂いたもの。

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六枚目のカットですが、二人組の小姐が撮った写真を送って欲しいというので、アドレス教えて、さて宝蔵門の下で巨大提灯の微細文字でも撮ってから仲見世に出ようかなと向き直った途端、これまたなかなか着物が決まった小姐二名組が目に留まったので、電光石火の早業で背面液晶でピンを合わせて一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、そうこうして、宝蔵門下まで辿り着き、さて、赤提灯を撮ろうか、それとも、黒地に金文字が生える、巨大ぼんぼりもどきでも撮ろうかいなと逡巡しましたが、EVFを眺めた結果、この時間での光の回り込み具合からして赤提灯の方が面白そうだとの結論に達し、南西の空をバックに入れて、小舟町の寄贈者の芳名を撮らせて頂いたもの。

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八枚目のカットですが、早田カメラを覗きがてら、社長に挨拶してから再び仲見世経由伝法院通りに戻り、六区方面に歩き出したら、30mも行かない辺りで、なかなか渋い色使いの着物を着こなした小姐二名が前を歩いていたので、小走りに追いかけて射程に入ったところで、背面液晶でピンを合わせ、後から一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、そもそも午後から始めた二本目のテストなので、ちょっと油断していると陽が傾きはじめてしまうのですが、そんな時間帯に通称ホッピー通りと云われる六区映画街と仲見世の間の飲み屋街の側道にも所せましとお店が出ていて、防寒仕様なのでしょうか、どこも密にならない程度に軒先にビニールのカーテン吊るし、道路側に背を向けて座っているお客は半身吹き曝しというシチュエーションなので、これも冬の風物詩と思い、通りの入り口付近から一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、再び伝法院通りに戻って、雷門を目指して歩き出したら、浅草公会堂の前、伝法院の南側の門の前で人力車が車夫による説明を終え、再び仲見世方面へと動き出したので、人の波を掻き分けて進む人力車の速度などたかが知れたものなので、小走りではすぐに追いつき、横から何枚か頂いたうちのベストショット。

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十一枚目のカットですが、仲見世に合流してからも辺りをキョロキョロし被写体を探したのですが、こんな時期、往来の真ん中で声掛けたら、気前よくモデルさんになってくれる気前の良い海の向こうからのゲストに遭遇出来ようはずもなく、あっという間に、雷門手前の定点観測スポットである美人茶屋あづまさん裏の扇屋さん店頭の大和絵団扇のうち、おかめの鼻にピンを合わせて撮ってみたもの

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十二枚目のカットですが、このところ、美人茶屋あづまさんに売り物であるはずの美人店員さんが不在で、年配の熟練女給さんとか、仕事熱心な代わりに不愛想な兄ちゃん店員とか、凡そ被写体としては魅力を感じられないメンバーでの運営のようだったのですが、当日は斜め後ろからの姿にそこはかとない魅力を感じる若手店員さんが勤務していたので、斜め後ろからその精勤ぶりを一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、ここも各日に定点観測スポットと化した、年中無休の風鈴展示コーナー、雷門東側、天婦羅の三定さん並びの土産物屋さん店頭の季節お構いなしのギヤマン風鈴群を最短距離で斜め下から何枚か撮ってみたうちのベストショット。

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十四枚目のカットですが、中央部分の解像力を試してみたかったので、ちょうど良い構図は雷門下に吊るした巨大赤提灯の銅に鍍金の金物を入れる構図ですが、それを撮ろうと向こう正面を陣取って、ファインダを覗いて居る時に、地味目な着物に身を包んだいたいけな小姐二名組がスマホで地図確認かなんかのために画面ど真ん中に飛び入り出演してくれたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、駅まで行く途中、もう何枚か、最短距離でのテストをしたかったので、雷門東側の平行する側道、観音通りのアーケードを歩いていたら、美人茶屋あづまさんの本店隣の漬物屋さん店頭に作り物とは云え、グラデーションも艶やかな紅葉の枝が飾ってあったので、有難く一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、やはり、4群6枚を3群5枚でやろうとすると、後群でのL5とL6の二枚の凸レンズで正のパワーを分担して結像していたのを、強めの凸一枚で行うことになるので、像面湾曲は不可避ですし、球面収差の補正も不十分で距離によってはかなり目につきますが、それでも中央及びその周辺の解像力の高さは魅力的と感じますし、前モデルはAPS-CのR-D1Sでのテストだったのが、今回はフルサイズローパスレスの4000万画素超でのテストでこれくらいの性能を見せてくれれば、スナップの相棒としては、十分アリではないかと思いました・・・何せ、何処にも売っていないのですから。

さて次回は恒例の新春川越初撮りツアーからハイライトをお送り致します、このCOVID19の自粛下のご時世、どんな出会いがあるのやら、乞うご期待!!
  1. 2021/01/31(日) 23:23:14|
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Prologue of revolutionary restoration~Candustar50mmf3.1~

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まずは遅ればせながらあけましておめでとうございます。本年も拙、過疎ブログをご愛顧宜しくお願い致します。
さて、今年一発目の更新ですが、京都を不本意ながらスキップしてしまった関係上予定変更し、キャノンの改造レンズつながりで、昨年末には試作が完成していたものの、出番がなかったレポートを急遽差し替え掲載させて頂きます。
今回のタイトルも前回同様Candustarというこの世にありそうでなさそうな微妙なコードネームの光学系ですが、その名の示す通り、絞り以降の凹エレメントが風化、白濁し撮影出来なくなってしまう、キャノンの
ライカマウントレンズへの抜本的治療法として、川崎の関東カメラさんのように寸分たがわぬエレメントを交換用として自社で企画、OEM製造で用意する方法もあるのですが、数が揃わないと到底実現しそうにない究極のレストア方法ですから、ワンオフで修理する場合は、別のドナーを探すことになります。
前回のCandustarは50mmf3.5のキャノンのレンズヘッドにそのままインダスター50の後群の貼り合わせ光学系をネジの寸法合わせて捻じ込み、コリメータを使って前後間のクリアランスの最適値を割り出したものですが、今回は、キャノン50mmf2.8の白濁して結像できなくなってしまった後群に換えて、まずは工房にふんだんに転がっているインダスー50の後群を使い、前群f2.8用、後群f3.5用という異サイズのパーツで組んで、絞り優先AEモードでのシャッター速度から割り出した絞り値を採用したもの。
では、さっそくの二日間に亘る実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RⅡ、全コマ開放による絞り優先AE撮影での撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、出来上がった光学系をヘリコイドアッセンブリに組んでから無限を取って、試写がてら、「北村写真機店」を初訪問すべく出掛けたのが新宿で、北村写真機店自体は、特段欲しいものも無かったので、一通り上から眺めて30分もしないうちに早々に退散、やはりケイオスが支配する新宿西口が拙者に似合う場所でござる、と移動途上、このご時世、絶滅危惧種に等しい白人スキンヘッドの兄ちゃんが前に割り込んできたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、中古カメラ店の並ぶ西口の通りからカメラのキタムラ新宿大ガード店へ徒歩で移動途上、なんと3000万円近くもするという、アストンマーチンよりも更に格上で、フェラーリ、ランボル、ポルシェなどは跡も残さず道を空けると云う至高のスポーツカー、ベントレーコンチネンタルGTが道の反対側に停車したので、有難く、そのブリティッシュグリーンメタのお姿を一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、西口カメラ屋街からカメラのキタムラ新宿大ガード店へ向かう途中、青梅街道を跨ぐ、大歩道橋を渡らねばなりませんが、時刻も時刻で、気の早いお店はまだ冬の陽光が残っているというのに、少しでもお客を惹き付けようと云うのか、色とりどりのイルミを点灯し出したので、小田急方面に建つ、カラオケボックスのビルのカラフルな音符風のネオンを一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、青梅街道からカメラのキタムラ新宿大ガード店へはこの辺りのブロックを縦横無尽に走る裏通りを抜けた方が早いので、さっそく予備校の横の裏通りに足を踏み入れ歩いて行くと、墓地の向かいの小粋な居酒屋の店頭に日本酒の空瓶がさり気なく飾り付けられていて、ビン、ラベルの色と夕暮れの沈む行く陽光を映し出す雰囲気が良かったので一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、キタムラの在る通りに曲がる手前の赤ちょうちんのお店の軒下に古めかしいデザインの、タンクには「KAWASAKI」と白地で所有者名?が記されたバイクが停まっていて、赤提灯から照らされる蠱惑的な灯りと沈みゆく陽光とが絶妙のカクテルライト状態となっていたので、ローアングルからそのバイクを一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、キタムラでお手軽なパーツ用レンズを物色しながら油を売っていたら、どっぷりと陽も暮れてしまったので、引き上げがてら、アキバにでも寄って、お茶して帰ろうと、新宿三丁目の駅に足早に向かう途中、確か、東口の三平パークの近くの通り沿いに一見、赤提灯の居酒屋風で、至近距離に寄ってみたら、時計の修理販売のお店と判るお店が在ったので、暮れた街並みをバックにその提灯を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、地下鉄を乗り継ぎ、アキバの広小路沿いのお店には一番最寄りとなる末広町の駅で降り、湯島との境界付近に在った「ジョナサン」でお手軽なスィーツをアテにイブニングティーなど楽しんでから、ヨドバシアキバでレンズキャップでも買って帰ろうと思い、UDXビルの横を通って、駅方面に向かって歩いていたら、毎年恒例のイルミネーション通りをやっていたので、駅側から上野方面に向かって一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、翌日は特段、旅行等の用事のない休日の常で寝坊し、遅いランチを摂りに、魚介系ラーメンの頂点のひとつ、神田多町の「五ノ神水産」へ向かうべく淡路町まで地下鉄で移動し、至極の一杯を堪能したのち、神保町まで撮り歩こうと、靖国通り北側のところどころに古い街並みが散在するエリアに足を踏み入れた直後に発見したなかなか雰囲気ある焼肉店の建物を一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、あまり北側に進んでしまうと、神保町から離れてお茶の水と水道橋の間の地下鉄もバスもない不便な住宅・店舗の混在地に入り込んでしまうので、ほどほどのところで、西に針路変更したところ、何となく、ハノイのホアンキエム湖の周辺の閑静な住宅街に在っても不自然ではないカンジのタイ・ベトナム料理屋さんの店舗を見つけたので、嬉しくなって一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、前回の神保町試写ツアーの最中、偶然入った路地裏で発見した、コロッセオ風の建築物を背景に、古代ローマ辺りのエピキュリアン派の呑ん兵衛爺サマがいかにも旨そうにワインの一杯を楽しもうとしている、風雪にやれたカンジの木製の看板が掲げられた路地を何とか再発見し、満足感一杯で撮った一枚。

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十一枚目のカットですが、呑ん兵衛のエピキュリアン爺の木製看板の掲げられた路地の入り口付近には、これまた江戸情緒の滲み出た、それこそ小唄の師匠の小粋な年増女性でも住んで居そうなカンジの仕舞屋があって、その庭への出入口に設けられた竹矢来がアクセントの木戸がお洒落に見えたので、ローアングルから一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、靖国通りと平行する裏通りを神保町の交差点付近まで辿り着き、白山通りまであと僅かというところまで来た辺りで、また南北を走り靖国通り側に口を開けた、面白げな路地を発見したので、どうせヒマなブラパチ道中につき、そこに足を踏み入れて、さて、どっち方面にむけて撮るのが面白いかなと思案の挙句、北に向けて通りの様子を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、もう白山通りを行き交う車や人々が見える辺りまで来たら、また面白い建物を発見、昭和初期の店舗兼住宅をリノベしたと思しき焼鳥屋さんで、夜は白提灯に灯が点り、焼鳥を焼く煙を辺りにもうもうと立ち昇らせ、この路地を行く左党諸兄を誘引するのでしょうが、昼の佇まいは化粧を落とした水商売の女性の如く、地味に古めかしい建物が裏通りの静けさに妙にマッチしていたので、感じ入るものがあり一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、もう一本、白山通りに合流する前に面白い路地があったのを思い出し、足を踏み入れてみれば、休日からなのか、或いは真昼間だからなのか、閉まってはいましたが、これもまた路地裏の古い仕舞屋をリノベしたスタンド居酒屋みたいなコンセプトのお店の玄関の上にゴーヤのような葡萄のような不可思議なガラス細工のランプが掲げられていたので、それを撮ってきたもの。

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十五枚目のカットですが、ブドウ/ゴーヤ型のランプの掲げられた居酒屋の通りの反対側の店舗兼住宅では、驚くべきことにこの冬の真っ只中に、如何にも涼しげ、もとい寒々とさえ感じさせかねない「氷」の幟がこれ見よがしに掲げられていたので、驚きも込めて至近距離から一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、うーん、実は最短が1.3mくらいになっちゃったので、使いづらいことこの上なかったのですが、反面、昔、コリメータが無い頃にえいやっ!とガラガラポン☆的にでっち上げた光学系は気持ち悪い色収差が酷かったり、像面湾曲が大きすぎて、APS-Cフォルマットでも構図に制約が大きいようなダメダメレンズに比べれば、この滲み具合も、球面収差の過剰補正によるものとも見受けられるので、最短距離のネックさえ解決し、EVFではピントの山が掴みにくいので、距離計連動とすれば、それなりに面白く使えるユニークな失敗作なのではないでしょうか。

さて、次回からは今回、番抜かしすることになってしまった、京都出張後の撮影2.5日間の成果を2回に分けてお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2021/01/11(月) 20:27:42|
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A practical chimera reborn in Fukagawa~Candustar50mmf3.5 by FGWG~

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さて、今宵のご紹介ですが、先週末に出掛けた旅先写真でもと考えたのですが、出発前にしっかりちゃっかり、工房作品レンズのテスト結果を整理し、掲載候補を選んでいたので、旅先でのスナップは年末特集として、今回は工房作品レポートいきます。

今回ご紹介するのは、一見、Canon50mmf3.5のライカマウント沈胴そのものですが、さにあらず、写真からではなかなか判りづらいかもしれませんが、距離指標がメートル表記で、鏡胴シャフトもかなり短めなので、何か違うな・・・と気づいた方は鋭い。

これは、キャノンのライカマウントレンズ、少なくとも85mmf1.5くらいまで、だいたい後群の絞り直後の凹が白濁、酷い場合には風化してしまい、すりガラス状態にまでなって、撮影不能になってしまい、50mmf1.8はほぼ全部、この50mmf3.5もかなりの数で発症していて、実は今回の個体も、「夜店の亀は買ったその日が千年め」の諺ではないですが、クリアな状態で買ってから半年もしないうちにあれよあれよという間に発症し、いつの間にかソフトフォーカスを通り越し、内蔵レンズキャップ状態になってしまい、撮影が不可能となってしまったため、比較的、出来の良いヘリコ&マウントアッセンブリは他の改造レンズに転用し、特徴的な首絞りのレンズヘッドのみが白濁した撮影不能の状態で部品箱に転がっていたのですが、或る日、ふと閃いて、こえまた改造パーツとして100を超える数を輸入しているソ連製インダスターのパーツを使って修理出来ないか?ということで、超ジュラルミン削り出しの内外面ネジ加工スペーサで移植に成功したものです。

では、さっそく、その奇跡の実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONY α7RⅡ、ロケ地は浅草、全コマ、絞り開放AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、FED50mmf2の試写を終え、再び、雷門周辺からスタートすることとして、被写体を物色していたら、ちょうど仲見世西側の側道で買ったばかりのメロンパンだか焼きそばパンを持って、あーだら、こーだら注文つけながら、記念撮影なんかしている和服姿の小姐二人組が目に留まったので、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、背面モニターで確認すると、フルサイズで撮っても周辺の画質低下や光量落ちもなさそうなので、安心して試写を進めることとして、今度は仲見世を挟んで反対側の側道で被写体を探していたら、ちょうど、お店の間の軒下から、お揃いのあらいぐまラスカル尻尾みたいな髪型の小姐二名組がいそいそと出て来たので、少々追尾して後ろから一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、仲見世に戻って、そのまま宝蔵門方面へ歩きながら被写体を探しながら撮り歩いても良かったのですが、ふと振り返ると風鈴の群れの近くにたむろしていた観光客のグループが立ち去り、三密状態が解消されたようだったので、いったん、くだんの土産物屋さんの店先に踵を返して午後の陽を照り返す風鈴群を斜め下から撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、風鈴群を撮って、その結果を背面モニタで確認してから、仲見世を宝蔵門方面に歩き出そうとしたら、いたいけな和服姿の小姐二名組が、一生懸命腕を伸ばして、自撮りを試みていたのですが、なかなか上手くいかないようだったので、声を掛けて撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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五枚目のカットですが、風鈴前の小姐二名組にレンズの蘊蓄垂れて、背面モニタの画像見せたら、こっちの画像が欲しいとの嬉しいお言葉だったので、連絡先教えて、その場は別れ、仲見世経由、宝蔵門方面へ歩き出す前に半ばルーティン化している、雷門下、特大赤提灯底部の金メッキ金物のハーケンクロイツを斜め下から撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、どうせダメだろうなとか思いながら、かつての定点観測スポット筆頭、「美人茶屋あづま」さんの店頭を一瞥して、あ、こりゃダメだ、お呼びでない、と扇屋さん店頭に大和絵団扇を撮りに行ってから、再び仲見世に戻る時、あづまさんの北側を通ったら、もじゃもじゃ頭にどてらみたいな和服の今風金田一耕助みたいな兄ちゃんと、CAみたいに小奇麗にお団子髪にまとめ上げた和服の小姐のカポーが路傍に佇み、帰し方行く末について語っているようだったので、そのようすを斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、宝蔵門を目指し、仲見世を歩いていたら、日本人ばかりというのは、このご時世珍しくもないのですが、このところ、ベネチアのカルナバルがCOVID19で流れてしまった仇討ちというワケでもないでしょうが、やたらお面をかぶったり、或いは頭の斜め後ろに髪飾り的に留めている小姐が多かったので、店頭のお面小姐を斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、通りの遥か彼方に見える宝蔵門を入れて通りの様子を撮ってみようと思い、適当な被写体がやってくるまで、真ん中につっ立っていても文句の出ようもないほど、まばらな人通りの仲見世に佇み、しばらく様子を伺っていたら、来ました来ました、七五三にしては少々育ちすぎていて、かといって、成人式のリハーサルにはまだだいぶ間があるといった趣の小姐を真ん中にやや人相の悪いヲヤヂ率いる家族連れが仲見世を横切ろうとしたので、その瞬間を一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、仲見世を歩いていたら、ほどなく、伝法院通りとの交差点に辿り着き、さてこのまま宝蔵門方面へ進むか、それともホッピー通り経由、花やしき方面へ進み、奥山から境内に入るのか、逡巡していたら、レイヤーの小姐二名組が伝法院通りの真ん中で相互撮影会なんか始めちゃったもんだから、声掛けてカメラマン役を買って出て、そのお礼にモデルさんになって貰ったもの。

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十枚目のカットですが、結局、往きは宝蔵門方面経由、境内を目指すこととし、レイヤー小姐に連絡先を教えて、そのまま仲見世を北に進もうとしたら、伝法院幼稚園の柵のところに狼男みたいなお面をかぶってじゃれていた小姐二名組を見つけ、「カッコイイ狼男のお揃いのお面被ってるとこ、一枚撮らしてよ」と頼んだら、「えー狼男じゃないすよ、猫ちゃんすよ、可愛い猫ちゃん!」とか抗議しつつもモデルさんにはなって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、宝蔵門経由境内に入り、まずはこの寒空の下、試そうなんて物好きはいないよな、とか思い、手漕ぎ井戸を一瞥してから、次なる定点観測スポット、お神籤売り場へ向かったら、居ました、居ました、農業研修だか、技能訓練生だかのベトナム人と思しき男女混合のご一行様が、社会主義国では珍しいのか、興味深々、お神籤なんか抽いていたので、その微笑ましい様子を横から一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、巨大香炉のそばでは目ぼしい被写体は見当たらなかったので、クラシックレンズにはかなり厳しい撮影条件である手水場の東側から西方面の人物をセミシルエットで撮るパターンにチャレンジしようと待ち構えていたら、若いヲヤヂがいたいけな愛娘の手洗いの様子を激写しようと、背後から指示を飛ばしていたので、正面、参拝者のすき間からまんまと一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、手水場で何カットか撮影後、自らもお清めをして、本堂にお参り、しかるのち、奥山方面に向かうべく、階段を降りたらば、そのすぐ近くで日本犬展示即売会の如く、愛犬三頭をちょこんと座らせて、請われるたびに観光客の撮影に応じていたので、声掛けて混ぜて貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、なかなか面白い写真が撮れたものだと思い、次なる定点観測スポットである西参道脇の壁面に設けられた常盤堂プレゼンツの「風車の弥七モニュメント」こと風車の壁面を撮るべく、歩き出し、ふと本堂を振り返ってみれば、老若男女、様々な人々がアルミナブラスト仕上げのチタン屋根も見事な本堂の雄姿をバックに自撮りに勤しんでいたので、その様子を一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、境内最後の定点観測スポットである「風車の弥七モニュメント」を斜め撮りすべく、このところ、メロンパンを買い求めるために塀際に整列している小姐グループないし、物見高いカポーの合間を縫って、ハイごめんなさいよ、と行列と壁の間に体を滑り込ませて被写界いっぱいに風車が入り込む構図で手前2列目の赤い風車にピンを合わせて撮ってみたもの。

今回の感想ですが、やはり、ウラル産の最高級硝子原料を使っているだけあって、パーツとしてのロシアレンズはなかなか有能で、おそらく同じ年代生まれであれば、キャノンをはじめとし、同様の構成のレンズは
みな、特軽フリントの原料として万能薬の如く転嫁されたバリウム化合物の風化により白濁し、重症の場合、エレメント表面に僅かな凹凸すら生じてしまいますが、ソ連のレンズはあの憎たらしいほどの赤紫コートの恩恵なのか、表面に汚れやカビがあっても、適切にクリーニングしてやれば、光線透過という性能は全く問題なくリカバーできるので、使ってみたらこの通り、ということです。いやはやソ連のガラス産業恐るべし。

さて次回は、今年最後のアップとなりますが、先週、出張がてら、四日間に亘る外国人の居ない尊王攘夷?の街、京都の様子をお送り致しましょう、乞うご期待!!
  1. 2020/12/20(日) 19:55:14|
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奇貨可居的鏡頭~Boyer Saphir ((B))5cmf3.5mod.L39 by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介ですが、旅行で一週スキップ、実はその旅先でついでに試写も済ませてしまったので、途中降板とは言え、その実力の程をご披露致します。

今回のレンズは当工房では通算で4本程度改造してライカマウント化しているフランスはBoyer(ボワイエ)社製の4群6枚ダブルガウスタイプの光学系を持つSaphir5cmf3.5となります。

ここでややこしいのは<>の略字で、これがないと、3群4枚のテッサタイプになってしまうというのです。

今回のタイトルはまさに「奇貨居くべし」ですが、珍しく裏鬼門である目黒方面に試写&鏡頭漁に出た時、肩慣らしのつもりで寄った、親戚の家並みに心安い恵比寿駅前の大沢カメラで、店に入ってすぐのショーケース内に見慣れたアルミ製の可愛いレンズヘッドが極めて蠱惑的な値段付けられて並べられており、要はマウント、用途不明で前玉の水玉模様のシミ有りということで、お買い得価格を付けているとのことだったので、この玉なら何度も分解清掃に内面の反射防止まで全部やったことがあるので、速攻買い求め、その後、通好みのビルの二階に在りながら穴蔵みたいな雰囲気のお店、四谷の買取名人親子のお店を経て、工房に持ち帰り、寝る間も惜しみ、分解、超音波洗浄かけて、その後、丁寧のコバ塗り、鏡胴内部の反射防止を行って、L39のヘリコ&マウントユニットに削り出しの真鍮スペーサかまして全周スクリューで固定したもの。

コリメータを通して見た緑のレチクルは全周全てクリア、シャープで、これなら、ボワっと写るボワイエという汚名を返上出来るだろうと、旅行先への遠征リストに加えたもの。

では、さっそく、その実力のほどを逐次眺めて参りましょう。

ロケ地は金沢市内、カメラはLeica M(Tipo240)、全コマ開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、当日はお江戸をガラガラの新幹線で10時24分に出たので、金沢駅到着が12時52分、ちょうど遅めのランチに丁度イイ時刻に着いたので、駅名店街の「加賀屋」さんで至高の箱膳を戴き、しかるのち、駅前の宿にチェッキンの上、荷物を置いてから市内への撮影に出掛け、まず最初に立ち寄ったのが、金沢城下広阪の21世紀美術館で、無料ゾーンの庭園になかなかイイオブジェが有るので直行、まずはバス停から敷地入ってすぐのアルミ鋳物の空豆みたいな椅子が木漏れ日を浴びて鈍く光る姿を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、同じく21世紀美術館の庭園に複数個所設けられている、誰が誰に呼びかけているか判らないアルミ製のちょうど蓄音機のスピーカみたいな形状の伝声管に、いかにもバカンスで他の地域から来てますよ!感プンプンの小姐二名が、仲良く並んだ二本の伝声管が繋がっていようはずもないのに、一人が一本に絶叫し、もう一本にもう一名が耳を傾け、「何にも聞こえないよ~」とかやってる姿が滑稽だったので、傍から一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、これも21世紀美術館敷地内の空豆みたいなアルミ製の椅子が陽当たりの良い、館南部の芝生の上に据え付けられ、遠くの梅雨空に浮かぶ白い雲やこの美術館の建物の特徴であるほぼ全周をガラスの壁で覆われた円柱形の形状を窺える屋根のスカイラインの優しいカーブがきれいに映り込むので、ここでも一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、21世紀美術館の敷地内のあちこちに置かれたアルミ製の空豆ばかり撮るのも如何なものかとふと思い、蓄音機のスピーカ状の伝声管の周りに人々がたかっていない頃合いを見計らい、かつ何本かあるもののうち、青空が映え、周囲の植栽や青々としたきめ細かい芝生がきれいに映り込むものを選んで至近距離で一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、いつもAPS-Cサイズで撮っていると50mmは準望遠なので、とても建造物の或る部分を周囲の中で調和させた構図での写真を撮ろうとは思わないのですが、何せ、M(TIPO240)であれば、5cmの焦点距離を持つ玉は、掛け値無しの標準画角で使えますから、ファインダを覗き込み、明るくクリアなブライトフレーム内に意図した構図が収まっているのを確認し、ほくそ笑んで建物のなだらかで優しいカーブを捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、これも21世紀美術館の敷地内、ちょうどメインエントランスの位置する東側とは反対の西側のしかも敷地の外れ、傍らを通る道路に近い位置に建てられた、オールステンレス鏡面研磨仕上げの葡萄の房を逆さにしたような、或いは巨大なメタリックの泡のようなオブジェで、表面が鏡面なので、空を行く雲も地上を歩む観察者も全て映し返すという性質で、この日は梅雨空で白い群雲が複数の球面にそれぞれ映し出され、非日常的な視覚を与えてくれていたので、面白いと思い一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、次なる目的地は兼六園と決めていたので、時間を節約するために、宿を出ていったん駅に寄って買い求めた北鉄バス一日乗車券を活かし、バスで移動すべく、最寄りのバス停に向かって歩き出したら、敷地内丑寅の方角に設けられた巨大なカラーフィルタでもある大型曲面パネルを使った色彩遊びの体験型オブジェをいたいけな若者がお手々繋いで楽しんでいたので、傍から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、同じく21世紀美術館の敷地内でバス停への出入り口すぐそは、到着時とほぼ同じ辺りで若いオモニがアルミ製の前衛的ジャングルジム遊びを終えて帰ろうかという際に、念には念を入れて、アルコール付ペーパータオルで手を消毒していたようだったので、その微笑ましい様子を横から一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、バスに乗ろうかと思った刹那、前回、お向かいの神社にご挨拶していなかったことを思い出し、日暮れまではまだ時間もあることだし、境内にも何か所か撮影スポットが有ったことを思い出し、到着したバスは見送って、信号が変わるのを待って、道を横断し、「石浦神社」にお参りして行程の無事とシャッターチャンスを祈り、では失礼して、と物色した矢先に簾屋根の風鈴回廊の風鈴のひとつが目に留まったもの。

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十枚目のカットですが、風鈴回廊の風鈴をクローズアップして撮りましたが、全体的にも木々の間の木漏れ日を浴びて、所々、赤い木枠が艶やかに照らされ、何とも言えない風情を醸し出していたので、これもさっそくの御利益と思い、入り口付近から奥の方向に向かい、有難く一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここ石浦神社境内の風鈴回廊の横には、前回も撮らせて頂いた赤い鳥居の回廊が有り、ここは木立の外かつ簾の屋根が無いので、梅雨の合間の午後の陽光を燦々と浴びて、一本一本の鳥居の赤というか朱色が、それこそイタリアの誇る至宝フェラ-リの情熱の赤にも決してヒケを取らない、艶やかな佇まいを見せてくれていたので、ここも有難く一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、よくよく考えたら、広坂であれば、広大かつ複数のゲートを持つ兼六園もそれほど遠くはないし、そもそも、まだ観ていないところもかなり有りそうだったので、バスで兼六園に向かうのをやめて、お城の周りをテクテク撮りながら移動しようと思い、神社の北西の門からお暇しようとして、ふと石の鳥居に目をやったら、何らかの顔料で描かれた極彩色のハートが目に留まり、これも何かのご縁と思い最短距離で一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、広坂から一番近い兼六園の入り口から入場券買って中に入ってみると、前回は人が全く居らず、池に浮かぶ有名な琴柱灯籠だけ撮ったら、多少なりとも被写体がたむろしているであろう、茶屋街に移動すべく、園内の散策もそこそこに立ち去ってしまい、庭園内の建造物にまで関心が及ばなかったのですが、今回は入場したゲートのすぐ先に数寄屋造りの立派な佇まいの茶室が目に留まったので、せっかくだからと一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、茶室の反対側に目を転じてみれば、加賀友禅の如くゴージャスな錦鯉が遊弋する池の畔にこれまた風情溢れる数寄屋造りの建物が半分近く、杭に支えられ、水上にせり出しており、しかも涼をとるべく、池に開け放たれた縁側の先には藤棚が設けられているという念の入れようで、仕事柄、杭が腐食したら、宴会の途中に酔っ払いのヲッサン各位が三味線抱えたゲイシャガールともども池にどっぽーん!哀れ、腹を空かせた錦鯉達の餌食・・・とか妄想を膨らませて撮ったもの。

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十五枚目のカットですが、ゲートで入場料を払った時に貰った地図というか園内見取り図を頼りに、例の池に浮かぶ琴柱灯籠他、撮影スポットを探しながら園内巡りをしようかと思い、池の畔の火山岩をくりぬいたベンチみたいなのに腰掛けて辺りを眺めたら、お大尽とゲイシャガールの無理心中現場となりそうな数寄屋造りの木造家屋の玄関前に素敵なクルマユリのオレンジの花弁を見つけたので、周囲の観光客に気取られぬよう、ダッシュで位置取り、速攻で撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、まともな状態のものは良く写るじゃないですか・・・これまでの経験で云えば、Saphir5cmf3.5については、入手したもの全てが、後玉がコーティング劣化していたり、G3の絞り対向面のガラスのクモリが取れなかったりと、デジタルでなくても、コントラストが大幅に低下し、まさにボワっと写るボワイエレンズとなっていましたが、今回の個体は治療が上手く行ったおかげで、f3.5にダブルガウスを奢ってしまうという贅沢な構成のおかげで、f3.5で云えば、OHを経たSummaron35mmf3.5並みにシャープネスとヌケの良さを両立出来たのではないかと思いました。

さて、今回は金沢遠征の予告編みたいになってしまいましたが、次回から3泊4日の旅を前後編に分けて
お送り致します、乞うご期待!!
  1. 2020/08/02(日) 16:03:04|
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Amazing fidelity and distortion in one optics~Hugo Meyer KinonIII 51mmf1.8 mod.L39 by F.G.W.G.~

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まず、不本意ながら、先週はマイPCが原因不明の不調でどうやってもWifiに接続することが出来ず、スキップとなってしまいましたが、先週半ばから今週末にかけてOSの再々インストールと調整の結果、やっと復旧し、アップ出来る運びとなりました。
さて、では予告していた、工房の画期的新作品、Hugo Meyer KinonIII 51mmf1.8をライカマウントの距離計連動モデルに改造したものを今を去ること2か月以上前の石岡祭にてテストした結果をお送り致します。
まずはこのレンズの氏素性ですが、一見、ニッケルメッキ仕上げとしたため、古そうに見えますが、実は元々のクロムメッキ仕上げが痛んでいたのとヘリコイドに装着固定及び、無限を合わせるためのジョイント金物を削り出した時に工房オリヂナル技術である、古色ニッケルメッキ仕上げとしていたので、レンズヘッドをいったんバラしてクロムメッキをコンパウンドと酸洗を併用して極薄くし、その上から厚手の電解ニッケルメッキを行い古色仕上げとしたもので、レンズ自体の生まれはおそらく50年代とかそんなものではないかと思います。そしてメーカーは泣く子も黙る、ドイツはフーゴマイヤ社で構成は3群4枚のペツバールタイプのプロヂェクター用です。
では能書きはこのくらいにして、さっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)による全コマ開放(絞り機構無し)での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、北関東道経由、石岡の街に入ったのは午後1時ちょい過ぎ、ちょうど山車や幌付き獅子舞屋台の演者各位はお昼を食べ終わり、そろそろ午後の運行に出掛けようかという頃合いで、まずは安全祈願のため、このお祭りの祭神であらせられる常陸国総社宮にお参りすべく、背の高い杉の並木に陽光が遮られた参道を歩きながら、灯の陽った提灯を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、無事、神社への参拝を終え、お祭りのメイン会場である市内を東西南北に走る幹線道路に戻りがてら、山車は路上に停めたまま、下座連は楽曲を奏で、屋台後部の舞台では神楽を舞っていて、その傍らでは出待ちの金棒曳きの小姐各位がお茶を挽いていたので、そのオモニに声かけて、町会ご自慢の山車の前でモデルさんになって貰ったもの。

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三枚目のカットですが、オモニと小姐に撮った画を見て貰ってからお礼を述べて別れ、また大通りを駅方面に向かって歩いていたら、いたいけな小姐各位がステージというか雛壇みたいな台座の上に立って、自分たちの町会の山車に乗車の下座連の奏でる祭り囃子に合わせ、扇子を振りながら、唄とも口上とも聞こえるパホーマンスを一生懸命やっていたので、町会の人に声かけて、向こう正面に通して貰って面頭向かって撮ったもの。

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四枚目のカットですが、そのいたいけな小姐一個小隊が台上で熱演する傍らで、まだその年齢に達してはいないものの、金棒曳からは卒業した頃合いの小々姐数名が威勢のイイ、台上の小姐各位のパホーマンスを見るでなし、横のお友達と楽しく歓談していて微笑ましかったので、横から一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、再び駅方面を目指し大通りを歩きながら、被写体を探していたら、ちょうど神社の方向から金棒曳の極小姐各位に率いられた町会の山車ご一行さまがやってきたので、大通りの車道から歩道上にいったん上がり、可愛らしい太刀持ち露払いが世話役の口上に乗って目の前まで歩いてくるのを待って撮ったもの。

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六枚目のカットですが、いたいけな先導組に続いて大人の曳き手、そしてやっと山車本体が姿を現すのですが、その上で神楽を舞っていたおかめがなかなか剽軽な動きながら、それぞれの所作が洗練されていて、しかも、佐原祭りや川越祭りを見慣れた目からすれば、日本武尊の山車でおかめの舞???という不可思議な組み合わせに惹かれしたから一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、日本武尊の山車をやり過ごしてから、後を追うように駅方面に歩いてみれば、先ほどの雛壇の扇子ガールズとは別のコスチュームの小姐一個小隊がまた自らの所属する町会山車上の下座連のお囃子に乗って、体をゆすり、扇子を振って、熱心にパホーマンスを繰り広げていたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、緑のお揃いの法被姿の小姐一個小隊の所属する町会の山車はと歩み寄って見てみれば、おそらくはおかめの親子の舞の子役を演じるであろう、いたいけな極小姐が知り合いのヲヂサン・ヲヴァサンだかに声掛け、励まされ、満面の笑顔で応えていたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、笑顔が百点満点の極小姐の鎮座まします山車を後に、また駅方面へと歩き出したら、程なく、神輿と曳き太鼓のご一行様に遭遇、その太鼓の屋台の上には、カッコだけは大人顔負けの全身赤の柄模様入り祭り装束で身を固めた、いたいけな童子が、鋭い眼つきで辺りを睥睨していたので、斜め下から一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、同じく神輿と曳き太鼓の別の社中もやってきたので、目を凝らしてみれば、太鼓の屋台の上に、これまたカッコだけは一丁前ながら、麦わら帽子だけがちょっと場違い感を醸し出して緩い印象を与えている童子が陣取っていたので、これも近くに歩み寄って一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、大通りを歩いていたら、またしても、山車からのお囃子に合わせた、複数の妙齢の小姐の威勢のイイかけ声が聞こえて来たので、目線を転じれば、台の上の並んだお揃いの藍染の法被姿の小姐が一生懸命ながら笑顔を浮かべて
自らの町会をPRするかけ声なんか発してるので、また町会の世話役の方に声かけて、演台の横に通して貰って撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、そうこうしてるうちに神社からの大人神輿がやってきたので、再び紅海のモーゼの前の海面の如く、工房主も含めた観客は車道をさっと開けたら、程なく、威勢の良い掛け声と子供神輿では考えられないような上下左右のストローク、いわゆる揉みを行って、白装束に烏帽子姿の壮丁達に担がれた神輿がやってきたので、何とか至近距離から担ぎ手の熱気を捉えてみたもの。

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十三枚目のカットですが、大通りを石岡の新駅舎が遥かに見える辺りまできた辺りで、おそらくは山車の曳綱の曳き手であろう、法被に身を固めたポニーテ-ルの、なかなか眉目秀麗の小姐が真昼間から振る舞い酒なんか呑みながら、陽気に自撮りなんか楽しんでいたので、傍らからその楽し気な様子を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、同じく駅に通じる東西の大通りの路上で、縁起物の獅子舞にいたいけな我が子の無病息災、開運成就を祈った若い親御さんが、目の前に座らせ、お約束の頭ぱっくんちょをさせようと企んだらしいのですが、その極小姐は自分の置かれた立場が良く判らず、目の前の真っ赤な怪獣みたいなのをまず触って理解しようと、見つめながら手なんか伸ばそうとしていたので、獅子舞の演者も果たしてぱっくんちょなんかいきなりやっちゃってイイものなのか迷ってしまい、結果、お見合いになってしまったシーンを撮ってみたもの。t

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十五枚目のカットですが、ここも駅までは徒歩3分もかからない辺りの大通りの路上で、なかなかイケメンの神楽舞いの兄ちゃんが向かいの山車の舞台の上で般若の面を脱いで、汗を拭いながら、同僚と話していたのを、いたいけな中学生くらいの小姐が路傍から、眩しそうな表情で下から見つめていたのを斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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十六枚目のカットですが、もう駅の前の交差点辺りまで辿り着いた頃、駅前のロータリーで歌舞楽曲を演じていたと思しき山車が、いったん、大通りを神社方向、即ち西方面へと戻り始めていて、その曳綱役になかなか美形の小姐の姿を認めたので、山車を見送りがてら、路傍から山車をバックに一枚戴いてみたもの。

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十七枚目のカットですが、駅前のロータリー手前である町会の山車の前で、それこそ富岡八幡宮の大祭でもゲストが務まるような全身ビシッと決めた祭り装束の童子が渾身の力と体重を駆使して自分の手足とさほど太さの変わらない綱を曳いていたので、応援したい気持ちも込めて、真横から一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、このレンズ、実は今まで不仲だったカメラ業者から或るレンズを買ったのをきっかけに仲直りし、その関係修復の気持ち、ということで彼のコレクションだったというフーゴマイヤのレンズを相場よりだいぶ安く譲って貰い、それをミラーレスで使うつもりで改造しようとしたら、なんと平行カムでM型ライカの距離計にばっちり連動したというウソのようなお話しで、このレンズ、結構気に入っています。

さて次回は先々週の上海ツアー三泊四日の旅からハイライトを二週に亘ってお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2019/11/17(日) 20:00:00|
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Pleasant guest from France~Boyer Saphir5cmf3.5 mod.L39 by F.G.W.G.

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さて、今宵のご紹介は夏休みの工作?の一環で、このところ中華圏からの買いが一段落し、電子湾でモノが刷けなくなってきた欧州の業者からOffer有って、お値段も手頃なレヴェルで折り合えたので、さっそく買い求めたBoyer Saphir弐号機の改造結果でをご紹介致します。
このレンズ、50mmf3.5にしては相当贅沢な4群6枚構成になっていて、左右完全対象の、ちょうどライツのズマロン3.5cmf3.5と似通った構成になっているとのことで、内面反射の制御の問題か、或るいはコーティングの経年劣化によるものかは明確には判りませんが、コントラストは低めながら、恐ろしくシャープで、フランスレンズは眠い、という前評判を払拭するに相応しい性能と思いました。
では、9月の第2週に出掛けた石岡祭りでの撮影結果を逐次眺めて参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、石岡市には14時前には入れたのですが、初日は昼よりもむしろ夜のライトアップしての山車運行がメインになっているようなカンジで、メイン会場の大通りではあちこちで山車を停めて、その傍らで、いたいけな小姐各位がお揃いの祭り装束に身を固め、自分たちの町会をPRする文句を入れたお囃子で扇子を使って演舞を見せてくれていて、手近で数の揃った町会を見つけたので、世話役に挨拶して最フロントローに通して貰い撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、幸先の良い出だしに感謝しながら、メイン会場である大通りを祭神であらせられる石岡神社を目指して歩いていたら、ちょうど山車の前でスマホンなんかで食後の記念撮影なんかしていた、お年頃の小姐.3名組のお姿が目に留まったので、さっそく小走りに近寄って出演交渉、山車の前で町会の提灯掲げて仲良し三人娘の記念撮影となったもの。

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三枚目のカットですが、青木町の山車の前でいたいけな三人娘の記念撮影して、お礼奉公とばかりに三人のスマホンで順繰りに記念撮影なんかして上げて、その後、雑談なんかしていたら、たまたま通り掛かった隣の町会の山車の兄ちゃんと一人が知り合いだったらしく、撮って貰いなよ!と嬉しい口利き、さっそく移動して勢揃いして貰って記念撮影となって、その後、またお約束の各人のスマホンでの撮影に応じて上げたもの。

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四枚目のカットですが、普段のフランチャイズの都内での撮影ではまず考えられないような僥倖の連続に気を良くして、大通りを西方向に歩いて行ったら、山車の周りに小姐軍団は居なかったのですが、山車の上に、本番では面をかぶり、おかめを舞う役の小姐二名が腰かけて、楽し気に談笑していたので、下から声かけたら、快諾して、モデルさんになって貰ったもの。

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五枚目のカットですが、おかめが休憩中の山車の西隣の山車では、ご苦労様なことに昼の日なかの見物客もそれほど居ない時刻にお囃子に合わせて陽気に元気に舞う太郎冠者の演者が目に留まったので、どうせ夜の本番は拝見出来ないこともあり、しばし、山車の真下に陣取って、舞を眺め、ハイライトと思しき箇所で一枚戴いて、手を振って別れたもの。

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六枚目のカットですが、再び大通りを西を目指して歩いていたら、先ほど太郎冠者の踊りを眺めていた傍らを談笑しながら数名で通り過ぎていった”狐面”の小姐が二つ先の山車の町会に居たことを発見し、声かけて、お囃子に熱が入る町会の山車をバックに後ろからお面だけ撮らせて貰ったもの。

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七枚目のカットですが、”狐面”の小姐軍団の町会の山車では、ちょうど金棒曳きの極小姐も、午後の運行のために食事休憩から戻ってきたらしく、それでも、金棒曳OGの姉ちゃんが買ってきた駄菓子でモグモグタイム、その様子がとても幸せそうに見えたので、傍らで親同志の娘自慢に余念が無いオモニに恐る恐る声を掛けてみれば、あーら気が付きませんで!ということで、気の毒なことに「お客さんがk撮ってくれるっていうんだからしゃきっとしなさい」とねことでモグモグタイム中断でモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、ステージママまがいの親切なオモニと話を中断してしまったお友達にもお詫びと御礼を申し上げ、再び大通りを西に向かい、南北を走る大通りが見えてきた辺りで、お囃子も中断し、小休止中と思しき山車の上で、これまたおかめの舞を演じると思しきいたいけな小姐が山車の上にちょこんと腰掛け、所在無さげに遠い目をしていたので、音もなく近寄り、下からその佇まいを一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、道草しながら東西を走る大通りを歩き通し、やっと南北を走る大通りに出たところで、金棒曳の小姐が出待ちの様子でベイビィチェアカーに腰掛けて、寛いでいたので、傍らのオモニに声かけたところ、またしてもサービス精神旺盛で、満面の笑顔を浮かべるよう演技指導の上、一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、南北を走る大通りを200mも南に歩くと、神社へつながる西方面への通路が見えてくるのですが、その通りの両側には、モルタルや漆喰で意匠を凝らしたレトロな佇まいの店舗兼住宅があちこちに建ち並んでおり、その前を祭り装束の人々が行き交っていたので、西側に立ってその様子を一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、南北を走る大通りから、目的地である神社の森に続く通りに曲がってすぐ、次々と幌付き獅子舞が出てきたので、通りの傍らに佇み、見送りがてら、獅子頭の舞うさまを一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、どういう運行スケジュールとなっていたかは、ガイドブックを貰っていなかったので、いまひとつ掴み切っていなかったのですが、どうやら、午前中に山車と神輿の方は、一足先に神社でのお祓いを終えて、大通りに出たらしく、神社の方向、あとで判ったのですが、集結地であるその手前の小学校の校庭から出て来るのは幌付き獅子舞ばかりでしたが、なかなか清楚な女性が先導役として曳き綱を曳いていたりしたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、幌付き獅子舞ばかりが延々と続く行列ではありましたが、これも詳細に検分していると、老若男女、様々な演者の様子がなかなか面白く、台車が通り過ぎる際、幌の横のすき間から見える幼い演者のきょとんとした様子でも撮ろうと思い、カメラを構えて待ち構えていたら、鋭い目線を浴びせて来た童子が居たので、一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、山車やお神輿と同様、本隊の傍らを多くの町会の面々が幌付き獅子舞の横を同伴して歩いていたのですが、その一行の中で、菅笠をかぶって、鼻歌キブンでご自慢の幼い娘を傍らに歩いていくヲッサンの姿が妙に印象的だったので、通り過ぎざまに一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、まもなく、もう一回南に折れて神社へと続く鬱蒼とした森の小径へ入る手前の煉瓦塀の屋敷の前で、お揃いの紫色のTシャツに小さなおかめの髪飾りがいかにもおしゃれな小姐の一団が通り過ぎようとしていたので、前が詰まって、小休止したタイミングを見計らって、傍らから一枚戴いてみたもの。

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十六枚目のカットですが、神社への森の小径の手前、小学校の校庭で集結していた幌付き獅子舞の最後の数組が出陣前の準備をしていて、その随伴の子供獅子舞の演者が出発前にかぶり物の点検というか調子を確かめている様子だったので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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十七枚目のカットですが、小学校の校庭から出発した最後から二番目の幌付き獅子舞の一群に台車の傍らを随伴している、比嘉愛未ばりの美形の小姐の姿を認め、さっそく傍らに駆け寄り出演交渉、OKは貰ったのですが、恥かしかったのか、アップでは撮らせてくれたのですが、まともに目線が貰えなかった残念な一枚。

今回の感想ですが、実はレンズ後端の内面反射処理が少々甘く、構造材の真鍮の地肌が剥き出しで黒染めしてなかったのと、フードも付けていない条件でのピーカン撮影となってしまい、フレア大会となりましたが、ご覧の通りシャープな光学系なので、もう少し暗めの、たとえば夕刻とか曇天であれば、だいぶ良いところが引き出せる面白い使い方が出来るのではないかと思いました。

さて次回は10/13に佐原祭りに行けなかった代わりに森下~清澄白河、そして秋葉原で出会った海外の人達との出会いをお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2019/10/13(日) 22:18:38|
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Progressive but authentic~Dallmeyer DX 2"f3.5 mod.L39 by F.G.W.G.~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、夏休みの工作よろしく、お盆休み前後にどどど~と海外から入着したレンズをその勢いに勝るとも劣らない加工のインスピレーションの沸き起こるまま、立て続けに改造したうちの二番手いきます。
まずはこのレンズのご紹介ですが、かつての国産の8mmとか16mmフィルムのムービーカメラ用レンズの如き鏡胴のデザインですが、用途は複写用ないし引き延ばし用とのことで、鏡胴上の刻印も絞りの数字も皆、対物レンズ方向を向いて作られています。
そして構成ですが、工房に何本かあった、Dallmac50mmf3.5と同じ構成で3群4枚のテッサータイプのようですが、外装の素材からして、製造はもう少し後の時代のようです。
従って、産まれはだいたい60年代終わりから70年代はじめくらいとみればよいのではないでしょうか。
では、さっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。
ロケ地は今日の午後の浅草、カメラはFuji X-Pro2、全コマ開放による絞り優先AEモードでの撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川から浅草に東京メトロ線経由到着してからのまず第一の定点観測スポットである雷門前には、今日も天気が良い週末ということもあり、いつも通りの賑わい、世界各国からの老若男女で賑わってましたが、大提灯前で中国ないし台湾からのいたいけな若者達のグループが交代番こで記念撮影なんかしてたので、きれいどころの小姐の番になった時、おすそ分けとばかり横からさっと一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、同じく雷門前で大提灯の「松下電産」の文字を発見し、「え~もうあらへん会社銘やん」とか、素っ頓狂な関西弁を上げ、「マヂ、受けるやん、帰ったら、家族やら、友達に見せたろか~」てなノリで東京随一の観光名所のランドマークのシンボルが関西経済の重鎮によって寄贈されたことを発見し、ブラタモリ的な知的好奇心を刺激された喜びの表情で刻印を撮ってるところを通りざまに横から一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、肝心要の巨大赤提灯の下では、また別のグループの浴衣に身を固めた小姐が腕を広げたり、首を傾げてみたりと、仲見世通り方向から提灯とのツーショットを如何に面白く演出するか腐心しており、これもなかなかみどころだったので、先の関西小姐二名も前ボケに入れて画面に収めてみたもの。

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四枚目のカットですが、雷門付近での撮影を程々に切り上げ、続いては第二の定点観測スポットである「美人茶屋あづま」さんの多能工女子従業員のご尊顔でも拝そうかと思いきや、今日は、美人茶屋???という体たらくだったので諦めて、次なる定点観測スポットの扇屋さん店頭に向かおうとした時、店の横で順番待ってる小姐がなかなか美人さんだったので、今日はお客さんが代役ね♪と勝手に納得して、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、「美人茶屋あづま」さんの角を曲がって、扇屋さんの建つ交差点に向き直った時、ぽっくりもカランコロンと軽やかな音を建て、けたたましく嬌声を上げ、お互いに肩なんか叩き合いながら、殆ど、日没後の新橋のSL前広場の酔いどれリーマンのノリで通り過ぎていく小姐の一個分隊が居たので、夕陽に溶け込もうとする後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、やっと到着した第三の定点観測スポット、「美人茶屋あづま」さん裏の扇屋さん店頭の大和画モチーフの団扇ですが、今回も上から二段目のひょっとこの面が描かれた団扇のひょっとこの目にピンを合わせて、店頭の藍染めの暖簾をバックに入れて一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、団扇屋さんの店頭での借景団扇撮影を無事終え、再び仲見世通りを宝蔵門方面に進むべく、踵を返した刹那、ふと気配を感じて左手を振り向けば、いたいけな浴衣姿の国産小姐が、大声で談笑しながら接近してきたので、歩きスマホンを戒める意味もあって、向こう正面から抜き打ち的に一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、再び仲見世通りに戻り、宝蔵門を目指して歩き出してすぐ、舟和の仲見世通りの出店の店頭で髪の毛をボルゾイ犬っぽく脱色して染め直したちょっと二次元系の小姐二名が、いかにも人の良さげなアヂュモニ店員から、買い求めた品物の袋をカウンター越しに渡して貰う時、「有難うございまーす♪」とかハモってたので、アヂュモニも思わず笑みがこぼれた瞬間を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、仲見世通りを歩き出して3分もしないうちに伝法院通りとの交差点に到達、このまま宝蔵門経由、浅草寺境内に進んでしまうのも枚数稼ぐには勿体ないので、またしても伝法院通りを六区方面に道草しようとした矢先、タイ産小姐二名が天丼で有名な「大黒屋」さん店頭の長床几に腰掛け、写真撮影なんか始めたので、声かけて混ぜて貰ったもの。

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十枚目のカットですが、天丼屋さんの店頭で思いがけず佳き人物カットが出来たので、やっとリズムを取り戻し、再び仲見世通りに戻り、目と鼻の先の宝蔵門を目指して歩き出そうとした矢先、スキンヘッドにサングラスの大男と、赤紫の髪の毛をツインテールにした小姐というおっかなげな男女が前を歩いていたので、運試しとばかりに声をかけてみたところ、説明を聞いて、面白そうだ、是非とも一枚撮って見せてくれ!ということで快諾してモデルさんになって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、仲見世通りを歩き切り、ほどなく宝蔵門前のちょっとした広場に到着したのですが、キツネの面とも、かのヴェネチアの仮面祭りのマスクとも見えるような不可思議なお面を頭にちょこんと乗っけた小姐二名が、ただでさえ自撮り棒に比べれば短い腕を慣れない浴衣の袖で伸ばし切れず、なかなか宝蔵門をバックにした自撮りが上手くいかなかったようなので、声かけて、芸術的に撮って上げる買わりにモデルさんになって貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、いつものパターン通り、往きは宝蔵門の下を潜らず、横の定点観測スポット、手漕ぎポンプを目指して歩いていたら、いつもの子供のお仕事に代わって、妙齢のいたいけな小姐が渾身の力で水を酌み、海外からの観光客の撮影リクエストに応えていたので、おすそ分けとばかり、横から一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、手漕ぎポンプを後にして、境内第二の定点観測スポットである御籤売り場へ向かうと、その前で、おそらく日本人と思しき、妙齢の女性二名と還暦過ぎのスキンヘッドのご老人に年齢不詳の中年男一名という不思議な集団がお御籤の引き当てた中身に関して、様々な解釈を試み、横で聞いてた爺ちゃんは退屈して若い子を探しに一人で離れて行きました・・・という風情だったので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、肝心要の御神籤売り場の中に向き直ってみれば、まだ小学校に上がる前くらいのまさに文字通り、いたいけな極小姐が、もうこの年で将来への不安???と思わせぶりで、一人では抱えきれないほどの重さのステンレス製筮竹入れをシェゲナベイビィ♪とばかりに揺さぶり始めたので、その様子を横から一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、浅草寺境内の一番の難関撮影スポット、手水場の逆光での撮影シーンを試すべく、建物東側から、西方面の水面が空くのをじっと我慢強く待っていたら、小グループが二つ去り、ちょうど反対側で手水を使おうとする孫?の様子を仏頂面でスマホン使って撮ろうとしていた爺様の様子が見えたので一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、古くても、キチンと設計、製造されたレンズは良く写りますね、シャープだし、ボケもきれいだし、少なくともAPS-Cフォルマットであれば、画面の四隅迄アラは出ないし・・・ホント、中華勢が眺め模様?の電子湾はイイ玉がお手頃価格でポンポン釣り上げられるから、感謝、感謝です・・・尤も7~8年前に戻っただけなんですけどね。

さて、次回jは、まだ改造したのは2~3本残ってるんですが、勢いで買っちゃった面白、ずっこけレンズがありますので、それを使ってのレポートいきましょう、乞うご期待!!
  1. 2019/09/01(日) 22:24:37|
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A tiny but funky jewely from Paris~Boyer Topaz2"f3.5 mod.L39 by F.G.W.G.~

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さて、一週飛ばしての今週の更新は、またしても工房謹製の改造レンズのご紹介となります。
というのも、7月に入って以降、どうも電子湾の漁場に異変が起こったらしく、これまでは眺めるだけだった、中くらいの珍品レンズが想定外のお手頃価格で面白いように釣り上げられ、しかもそれがすぐに届いてしまうので、先にご紹介したダルマヤのペツバー
ルレンズ以降、実は3本も改造してあり、まだ未改造のレンズヘッドも3本ほどあるという状態なのです。
思うに、これまでトロール漁船よろしく、まさに電子湾を底引き網で根こそぎ浚っていった中国勢が、トランプ爺の関税攻勢により輸出がままらず、輸出で大儲けし、更に趣味と実益を兼ねてビンテーヂレンズを買い漁っていた中富裕層が青息吐息で、レンズどころではなくなっているのかも知れません(笑)
とヨタ話はさておき、このレンズの氏素性ですが、生まれは1939年のフランスで、このBoyer社の数学者上がりの女性設計士の趣味なのか、全てのラインナップに宝石の名称がつけられたうちの、このトパーズシリーズは撮影、引伸ばし兼用の万能レンズとして設計されたトリプレットとのことで、何故か当時としては最新のテクノロジーであるコーティングが施されています。
ではさっそくこの令和の世にライカマウントとして蘇った、昭和初期の舶来玉の写りを逐次眺めて参りましょう。
ロケーションは今日の夕方の浅草、カメラはX-Pro2、全コマ開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、木場から浅草に地下鉄経由移動する際、必ずその前を通ることになる雷門は、ここでの第一定点観測スポットでもあるのですが、今日も、世界各国から老若男女のゲストが所せましと記念撮影を繰り広げていたので、さっそく目に付いた手近かな小姐二名組の撮影を目の前から一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、同じく雷門前、もう少し大提灯の方へ歩いて行ってみれば、中国人グループのうち、小姐がよほど浴衣が気に入ったのか、同行の男女に色々と注文付けながら自分でも様々なポーズ付けて、赤提灯の親玉とのツーショット写真を楽しんでおられるご様子だったので、男性カメラマンの横に並んで一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、そろそろ陽が傾いてくる前に境内で何枚か撮りたいと思い、雷門を後にして次なる撮影スポットである、美人茶屋あづまさん、そして扇屋さん店頭の大和画団扇と撮り歩きに向かおうとした刹那、金髪ベリーショートながら、なかなか小粋に浴衣を着崩した小姐がその友人らしき小姐と共に横をスタスタと通り過ぎようとしていたので、ただちに追い縋って、暮れかかる仲見世通りをバックに一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、無事、金髪小姐の小粋な後ろ姿の撮影に成功し、次なる定点観測スポットである、美人茶屋あづまさんの店頭に向かうと、今日も観光客相手に、着物姿のいたいけな女給さん各位が八面六臂の大活躍ぶりで、100円、200円の小商いにも拘わらず、笑顔でハキハキと商売に励んでおられたので、少しでも宣伝の足しになれば、との思いを込めて、店頭から、その精勤ぶりを一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、美人茶屋あづまさんの店頭でかいがいしく働く小姐各位に心の中でお礼と声援を送りつつ、店頭を後にし、距離にすれば10mも離れていない裏通りの角に佇む、扇屋さん店頭に飾られている、大和画の団扇の群れの前に立ち、今日も、ちらっと店内から目線を走らせた女将さんと思しき妙齢のアヂョシに目礼し、ひょっとこの鼻先にピンを合わせて背景に暖簾を入れて一枚撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、所定のルーチンにも近い、団扇撮影を終え、再び、美人茶屋あづまさんの横を通って、仲見世通りい出たら、今日も、浴衣姿の日本勢が数の上では健闘していて、あづまさんのすぐ斜め前のアイス屋さんの店頭でも、大阪弁か京言葉なのか、ちょっと判別つかないような関西言葉でけたたましく会話しながら、順番を待つ、金髪、カラコンの小姐とその愉快な仲間たちの姿が目に付いたので、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、仲見世通りを被写体探しながら宝蔵門方面を目指して歩くと、雷門からでも5分かそこらで伝法院通りに到達してしまうので、ちょいと横道にそれることとして、伝法院通りを西に向かって少し歩き、良いモデルさんでも来ないものかと手薬煉引いてお待ち申し上げていたら、ほどなく、お揃いの花の髪飾りも艶やかな浴衣姿の小姐二名組が夕陽に向かってそろりそろりと歩いて来たので、数メーター追い縋って、後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、今度は同じ伝法院通りでもスカイツリーをバックに浴衣姿の小姐でも撮りたいと思い、仲見世通りとの交差点まで戻ってみたら、中国人のヲタクっぽい兄ちゃんがα7系列のハンドグリップくっつけたごついカメラでいかにも日本人の浴衣姿の小姐に頼み込んで撮らせて貰っているようなシーンに遭遇したので、終わり次第声かけてモデルさんになって貰ったもの。

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九枚目のカットですが、撮影に協力して貰った国産小姐二名に撮影結果をお見せし、後でメールでお送りする約束してから、再び仲見世通りを宝蔵門目指して歩き出したら、ほどなく、人形焼きの店頭実演販売やってるお店の店頭で、かぶり付いて、その作業風景をじっと見入っている、いたいけな肥満児の姿が目に留まったので、食に対する探究心に敬服し、横から一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、人形焼のお店の店頭から宝蔵門の下までは1分もかからない距離なので、その門の手前のちょっとした広場で被写体を待ち構えていたら、中国人小姐が相棒が携帯でがなり出し、記念撮影タイムが中絶し、無聊を託ちながらスマホンなんかいじっていたので、哀愁帯びたその後ろ姿を有り難く一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、宝蔵門をくぐらず、まずは境内一番目の定点観測スポットである手漕ぎポンプのところに向かってみれば、たかっている童子の姿もなく、それどころか周囲の地面が濡れた後すら見えなかったので、仕方なく諦め、第二の定点観測スポットであるお御籤売り場に向かおうと歩き出した刹那、境内に立って、マニアックなカメラを下げた人間を眼で追っている浴衣姿の小姐二名組が目に留まったので、こちらから歩み寄り、シャッター押そうか?と聞いたら、顔に困惑の色が浮かんだので、中国語、英語で話しかけてみたら、やっと通じて、X-T2のシャッター押してくれる人を探していたのだけど、フジを使っている人がなかなか来なくて・・・ということで、まさにビンゴ!!交渉成立で、何枚か撮って上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、境内での幸先良いスタートを観音様に心の中で手を合わせて感謝し、次なる定点観測スポットである手水場に向かう途中、もう時間で売り場を締めていた線香売場のカウンタの片隅で、スマホンでお土産の戦利品を撮影していた中国産小姐二名組の姿が目に留まったので、手水場の入り口、線香売場カウンタの反対側から一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、やっと打率の高い定点観測スポット、手水場の屋根の下まで来て、被写体を物色していたら、建物丑寅の方角、ちょうど、本堂サイドに涼し気な浴衣を小粋に着こなした色白の小姐が慣れた手つきで手水を使いこなしていたので、反対側から人垣超しにその優雅なお姿を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、同じく本堂前の手水場の屋根の下、東側に移動し、ちょうど逆光に近い撮影ポジションで、人物の輪郭が光って浮かび上がる効果を狙い、ちょうど良い被写体がやって来るのを待ち構えていたら、金髪でお団子を結った妙齢の白人小姐がやってきて、如何にも米国からの裕福な観光客ですよ感を発散する相方に右手方面からの撮影を頼んで、ちょっと緊張している面持ちを、傾いた夕方の陽射しを背景に一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、久しぶりにお参りでもして行こうと思い、自分も手水を使って、本堂に参拝したのち、お茶とスイーツでも楽しんでから深川に戻ろうと考え、それでも先ほど、混み合っていた割にはそれほど良い画が撮れそうになかったため、パスしたお御籤売り場を覗いてみたら、ちょうど欧米からの観光客ご一行様が籤引き体験を楽しまれていたので、黒い瞳が魅力的な小姐の斜め後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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十六枚目のカットですが、宝蔵門をくぐって、再び仲見世通りに繋がる広場に出てみれば、何組か海外からのゲストと思しき小集団が記念撮影などしていたので、ちょうどハローキティのショルダ-バックをいとおしそうに抱えて宝蔵門をバックに記念撮影していた小姐二名組が居たので、その会話からタイ語と見当付け、話し掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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十七枚目のカットですが、前回のダルマヤのペツバールのテストの際、弁天堂前の道を雷門方面に歩き出したとたん、石段に座る、ファンキーなカポ-に遭遇、快くモデルさんになって貰った経緯もあるため、柳の下の泥鰌宜しく、またもこのルートを選択してみれば、さすがに今日は石段に腰掛けてオヤツを愉しむ海外からのカポーは見当たらなかったのですが、伝法院通りとの交差点の手前のコアラか何かの人形焼きのタレ幕広告の前のベンチに腰掛けていた曰くありげなカポーと目が合ったため、声かけてみたら、古いレンズのッテストか、面白い!ということで快くモデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、いやはや、今は2019年ですから、御年80歳ちょうどの古玉、しかもコンピュータもない時代の3枚玉が、当時では想定もしなかったデジタルカメラで撮ってもこんなに良く写るのですから、ホントビックリしました。
こういう感動があるからこそ、家の台所を工作機械が占拠していても満足できるのでしょう(笑)

さて、次回も立て続けに加工を行った工房製の改造レンズのレポートいきましょかね、乞うご期待!!
  1. 2019/08/25(日) 19:56:57|
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Stable Color Ultranit50mmf2.8 mod. L39 uncoupled

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まず、先週は、天気の良い土曜日にふと降りてきたものがあったため、終日、レンズ加工に入ってしまい、翌日曜日には結構な雨が降って、その前の週に完成していたハラショーなレンズの試写に出掛けることが出来ず、不本意ながらスキップしてしまいました。
そこで、今週のご紹介は、先週レポート予定だったハラショーなレンズを無謀にも二年に一回の開催という絢爛豪華な栃木祭りの場でテストすることとし、他の二本とともに11時過ぎから昼食挟みで14時半という短い時間で試写をした次第。

まずは恒例のレンズ紹介ですが、このStable Braun Color Ultranit50mmf2.8は云わずと知れた、1950年代に流行った、レンズシャッター式の距離計連動機構付きレンズ交換レンジファインダ機Braun Paxette2型以降のモデル向けとして、Stable社がブラウン向けに供給した、L39ネジを持った交換レンズなのですが、径、ピッチともライカのL39と全く同一なのに、フランヂバックがライカの28.8mmに対し、44mmという一眼レフ並みの長さで、Paxette用レンズはそのままではライカには使えないので、あちこちでスペーサというかカプラを作って、何とか使われていたようです。
実を云うと、色々改造し、それこそレイドルフなどというマニアックなものまでライカマウントに改造していたのに、それよりもずっとポピュラーなPaxette用は今回が初の加工で、それは、レンズ単体ではなかなか程度の良いものが出てこなかったからでもあります。
ところが今回は新宿某所で、ヘイコイドが固くて動かないという状態で、光学系はピッカピカの個体が素晴らしいお値段で出ていたので、買ってきて分解、整備し、マウント改造を行ったもの。
構成は3群4枚のオーソドックスなテッサー型、この時代は50mmのテッサーはf3.5がスタンダードだったはずなので、無理しているのかと思いきや、実写ではその性能を如何なく発揮してくれました。
では、さっそく実写結果を見て参りましょう。
機材はFuji X-Pro2、全コマ、絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、11時10分過ぎに当日のメンバー3名が栃木駅で全員集合し、そこから祭りの会場である旧市街へと歩いて行ったのですが、大通りを通行止めにして仕切ったお祭りエリアのあちらこちらには絢爛豪華な山車が停められ、お囃子などを奏で、その周辺には出待ちの金棒曳の小姐各位も居たので、さっそく一番最寄りの社中の先達の極小姐に声かけて山車をバックにモデルさんになって貰ったもの。

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二枚目のカットですが、お祭りメイン会場である大通りを奥へと歩いていくと、次々と豪華な山車、そしてその周囲を取り巻く、町会の社中の人々に遭遇するのですが、目にも鮮やかな赤を基調とした衣装の金棒曳小姐軍団が完全にお茶挽き状態でヒマそうにしていたので、二年ぶりに江戸から撮りにやって来た旨伝えて、ご自ご自慢の町会の山車をバックにモデルさんになって貰ったもの。

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三枚目のカットですが、どんどん大通りを進んでいくと、見覚えのある山車に次々と遭遇し、頭の中で、鹿沼、川越とこちらの山車の上のお人形さんキャラが混乱しそうになっていたのがだんだん思い出して来て、そうそう、いたいけな童子が弁慶のお人形さんの下でバリバリのカツラかぶって、素通しの竹笛みたいなのを吹くま真似してたっけかな♪とか思い出して、目の前の武蔵坊弁慶の山車の主従をモチーフとして撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、そもそものそもお祭り撮影と云うものは、とにかく会場の隅である大通りの一番奥まで行ってみないと埒が明かないので、どんどん撮りながら歩いていたら、或る町会の社中とふとすれ違った時、一人の小々姐がなかなか粋でいなせな組み紐の髪飾りなんかして、祭り半纏なんかもバシっと決めこんでいたので、踵を返し、斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、同じくお祭りメイン会場の大通りの半分以上過ぎた辺りで、市長を始めとした主催者、及び来賓の挨拶の終わるのを待って、出発の用意をしていた山車の前でなかなか良い、不敵な表情を浮かべて山車が不意に動きだすのを抑えていたおとっつぁん二人の姿が目に入ったので、立ち止まって一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、途中、ランチを挟んで、また撮影を再開したのですが、確か夜だけだとばかり思っていいた、山車どうしのお囃子合戦、いわゆる”ぶっつけ”の現場にたまたま遭遇し、ちょっとイイですか、とか町会の役付きの半纏来た方に声かけたら、中へ中へと押し込まれ、気が付いたら、社中どうしが手に手に提灯ややら扇子を振り上げて相手を圧倒しようとしている最前線にまで来てしまい、凄まじい臨場感で撮ったうちの一枚。

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七枚目のカットですが、大通り上の、同じく”ぶっつけ"合戦の最前線では、通してくれた町会と相手方の町会の演者も手が届くくらいの近さで見られるわけで、向きを変えてみたら、いたいけな小々姐の演者が山車のさ最先端のお立ち台みたいなところに立っていて、声を限りに自分の属する町会の名を叫び、渾身の力を込めたかの如き力強さで提灯を振り上げていたので、目が合った時にカメラ持ち上げ、指で"1"と示したら、暫くこっちを向いてくれたので、有難く一枚撮らせて貰ったもの。

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八枚目のカットですが、この”ぶっつけ”というものは、相手のお囃子のリズムに引き込まれるか、或いはお囃子担当の下座連の演者が力尽きて、スローダウンするかしないまで決着がつかないワケで、最前線で、声を張り上げ、腕を振り上げる担当は何回も交代することになるので、見ていた間に何回か入れ替わって、通してくれた町会の方で、世話役の爺さまに抱えられたいたいけな極小姐が力強く応援するのを見届けて、その場を後にする直前のカット。

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九枚目のカットですが、サンルートホテルの前も過ぎ、大通りも奥まって、そろそろ通行止めの金物も見えてこようという辺りで、栃木祭りの山車の中では一番の大細工である「諫鼓鶏」という伝説上の鶏を載っけた山車に遭遇したので、その絢爛豪華な太鼓のオブジェの上にとまる巨大鶏を正面から撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、会場の端までいったん歩いて行って、また集合時間までの間、大通りで色々なシーンを撮ろうと、辺りを見回しながら歩いていたら、南の方向に向かっているので、基本的に前方の人物は全部、逆光ないし、それに準じた光線状態となるのですが、それでも祭り装束に纏め髪の小々姐の頭のてっぺんのお団子が陽に透けてとても美しく見えたので、コントラスト低下具合いも確かめるため、斜め後ろから追いつきざまに一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、今回の栃木祭りではどうやら新しい試みとして、ガイドパンフでスタンプラリーみたいなことを愉しむような趣向となっていたらしく、大通りのあちらこちらに瓦版屋とか、町娘風の江戸時代のコスプレをえ演じていた人々が居て、なかなか自然な振る舞いが目を惹いたので、そのまま接客するところを撮らして貰うね、とお願いしたもの。

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十二枚目のカットですが、これも大通りを南から北の方向に進んで来た山車の先達を務める金棒曳のご一行様で、朝からこのピンク基調の清楚なカンジの衣装の社中は初めて目にしたのと、演者の小姐達自体も他の町会よりやや上で、なかなか堂に入ったカンジの行進だったので暫く並走し、横から一枚撮らせて貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、メイン会場の大通りはやはり蔵造の街並みを売り物とする佐原、川越と同じように厳密には江戸時代の蔵造りの店舗兼住宅もあれば、大正、昭和初期、戦前の建築様式も混じっているワケで、街並みをバックに山車の雄姿を撮るといっても、背景が昭和初期ではやはりアンマッチ感は拭えないので、おのずと山車を撮影しようとしたら、インターセプトポイントは決まってきてしまうため、セオリー通り、そこでま待ち構え、横顔が吉田沙保里選手とよく似た演者の奏でる山車を撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、今回持参した3本のレンズ全部で撮ってみた、元肥料店、今は確か和菓子店か何かの店舗の前にさりげなく置かれた大八車とその上の野草を手前の車輪のエッヂにピンを合わせて、背後の白い小さな花のボケ具合いを確かめてみたもの。

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十五枚目のカットですが、再集合場所の近くまで戻ってきた時、と或る町会の山車が別の町会の山車と仲良く並んで、"ぶっつけ"のリハーサルを行っていたようで、先の向かい合って、町会総出で声を張り上げ、腕を振り上げ渾身で競い合う雰囲気ではなく、何となくまったりしたカンジで周囲の社中もお互いに歓談しているような雰囲気だったのですが、その中でショートカットで日焼けも初々しい小姐が健気に動き回っていたので、そその様子を一枚戴いてみたもの。

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十六枚目のカットですが、同じく、"ぶっつけ"のリハーサル中の二台の山車のうち、反対側の町会の方の山車の前の方で、いたいけな金棒曳の小姐三人娘が所在無さげに本番到来を待っていた様子を横から一枚撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、再集合迄はまだ時間が少々有ったので、ゆっくりと大通りを行進していく山車とその社中の様子でも撮ろうかと待ち構えていたら、まだお若いのに、一般的に山車祭りでは灯りが点って本番じ状況になる夕暮れを前にお疲れモードのいたいけな童子達がやってきたので、すかさず一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、ツァイスやスナイデル、ローデンストックという一流レンズメーカーは云うに及ばず、イスコやスタインハイルと比べても二流どころとまで酷評されることもあるステーブルのテッサー型、しかもこのタイプでは限界に近いf2.8でここまでの描写が出来るとは正直驚いてしまいました。これだからレンズ遊びはやめられないのです。

さて、次回は、またしても生まれてしまった閃きの一本、これを同じく栃木祭りでの撮影でお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2018/11/11(日) 21:42:40|
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Cheap but working precisely~Schneider Xenar50mmf2.8 mod.L39 by F.G.W.G~

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さて、今週のご紹介は、予告通り、先の横田基地で試写した、久々の当工房製改造レンズのレポートいきます。
今回改造したのは、前にもフィルムで試写結果を挙げたことのあるAkalele、Akaletteシリーズ用AKAスピゴットマウントの独Schneider社のXenar50mmf2.8(3群4枚テッサー型)に工房特製L39距離計非連動アダプタを付け、更にそれにLMリングを装着し、Mマウントで使えるようにしたものです。
今回はX-Pro2で試写してますから、3つのアダプタ経由の撮影となります。
今回も全コマ開放、絞り優先AEでの撮影となります。
では、当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、基地に入って会場である、滑走路南の誘導路上の一番近いところには対潜哨戒機と思しき、大型のターボプロップ4発機が駐機し、そのコックピット下辺りでは、サービス精神旺盛な基地関係者が、9月とはいえ、日中の暑さもひとしおだったにも関わらず、アメコミやらハリウッド映画の話題作のキャラに扮し、かぶり物装けて、来客サービスに励んでいたのですが、その中でも一番不気味なプレデターがいたいけな国内外の若者に人気で、ベトナムからのご一行様をおもてなししているところを後ろから覗いていたら、気づいた仲間が前を開けて押し出して最前列で撮らせてくれたもの。

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二枚目のカットですが、同じく対潜哨戒機下のキャラクターとのプチふれあい広場?でベトナム人ご一行様の後に家族連れが蛮勇を奮い起こし、実は気の良い狂暴宇宙人キャラに手招きされるまま,その前に立ち、如何にも勇気有るんだぞとか言いたげに目いっぱい笑い、剽軽なポーズなぞしている様子が面白かったので、横から一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、対潜哨戒機を後にして、会場奥へと歩いて行くと、ピーカンではなかったものの、まだ残暑がきつい時期にも関わらず、アスファルト敷きの会場地面にはレジャーシート状の敷物を敷いて、まさにプチハイキングのノリで大入り満員状態で、その中で背筋を伸ばし、遠い目線で携帯で文字を打つ黒装束の小姐が目に付いたので、カメラ目線の立ち食いヲバサマは度外視し、一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、この二日間の基地開放フェスティバルの目玉、というかマスコミ等も注目し、喧しく報道していたため、観客動員数増加に役立ったと思われる、オスプレイ、複数機体の地上、飛行展示が当日もちょうど開始され、アナウンスに従って滑走路から垂直離陸したあと、ターボプロップの軸を水平飛行に移行するデモンストレーションをしていたので、無限の描写を見るのにちょうど良いため、当日のメインレンズであるG-Biogon21mmf2.8付のX-E1に換え、このXenarで撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、観客の多くが注視する滑走路のちょうど反対側、輸送機やヘリコプタ類が展示されていた誘導路南側スペースにも地上展示されている機が有ったのですが、この機は来場客に内部を見学させるのみならず、α9を抱えた女子報道員の小姐のための展望スペースにもなっていたようで、髪の毛をお団子にした、愛想の無い女性兵士が一心に最新鋭機オスプレィの雄姿を撮るのに余念がなかったので、その様子を真下に行って黒人のノリの良さげな番兵に話をつけ、撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、女子報道員の小姐はカメラを構えている合間に手など振って笑顔を見せても、全然、関心ななく、不愛想な状態ままで、そのうち、オスプレイが会場の観客の皆様にお集まり頂いたお礼のお辞儀をしますとか云うので、また滑走路方面に向き直ると、機種をこちらに向けて角度を下げだしたので、熱演?に見入る観客越しに一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、デモ飛行も一段落し、オスプレイも何処かに飛んで行ってしまったので、再び地上展示のスペースに戻ってくると、一仕事終えたのか、先ほどの女子報道員の小姐が地上展示機の後ろ側に移動し、そそくさと機材を仕舞い出したので、また、下の黒人番兵に断って、そのお仕事ぶりを見上げる格好で一枚撮らせて貰ったもの。

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八枚目のカットですが、今回の見せ場も終わってしまったので、誘導路北側、ちょうど滑走路を背負う形で、せ戦闘機、攻撃機の類いが複数展示されているエリア迄歩いて移動、もう殆ど常連と化し、しかもその特徴的な武装であるA-10フェアチャイルド機首の30mmモータードガトリンガンに野次馬がみんな指突っ込んで記念撮影していたので、その合間を縫って雄姿をほぼ最短で撮影してみたもの。

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九枚目のカットですが、その地上展示スペース人気者機体、A10フェアチャイルドの番兵兼エスコートをしていたのが、これまた、かつての英国のチャールズ皇太子を思わせる長身でハンサムな渋い兵隊さんだったので、客の合間の手持ち無沙汰に下をぼぉっと眺めていた時、手を挙げてカメラ向けたら、渋い表情作ってくれたので、ここぞとばかりに有難く一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、機体展示の間には、抜け目なく、アメ横の中田商店の上前撥ねるみたいなサープラスの売店が出ており、その中で、長いブロンズヘアにアポロキャップみたいなものをかぶって、文字通りエビス顔で売り上げを数えていた美小姐が居たので、音もなく気配消して近寄ってから、遠慮がちに一枚撮らせて頂けると大変有難いとか声掛けたら、金勘定の現場を押さえられた気恥ずかしさからか、目いっぱい笑顔浮かべてピース迄しししてくれちゃったので、大変良い気分で撮らせて貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、会場の地上展示では、国内外の様々な基地から看板機体を持ち込んだため、結果的にF16及びその派生機種が一番多くなってしまったのですが、その中でも、韓国は烏山(オサン)基地かからのエースパイロットが乗っているという機体は観客への見学はさせておらず、キャノピーのみ開けて、外観写真撮影用に特化していたのですが、正面から見た照準器のガラスの反射光が美しいため、それを活かす構図で撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、こちらも地上展示スペースに駐機していた、先ほどのキャノピー開けていたF16の傍らには見慣れない複座型の機体が展示されていて、さっそく、その場で調べてみたら、F16Dという派生機種のようで、この機体も外観撮影のみオケーの展示ということだったので、近くのデッキに登る順番が来たので、ほぼコクピットと同じ高さから撮ってみたもの。

今回の感想ですが、久々のAKA-L39のアダプタ作成、AKALELEの前板を外し、ボディ側の全周スレッドの採寸から始め、金物を削り出してから、フランジバック補正兼マウント部のパーツに捻じ込み、コリメータ見ながら無限を追い込んでいって仕上げたのですが、手間かけた甲斐あって、なかなか良く写るし、また手持ちの別のレンズにも幸いにして互換性ありそうなので、また試してレポートしたいと思います。

さて、次回はこの週末に満を持して出掛けた久々の佐原秋の大祭からレポートしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2018/10/14(日) 18:45:20|
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Failure in production but something attractive~Fukagawa Experimental Optics 001~

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さて、今週のご紹介は、微妙に予告とはズレますが、簡易版の工房製造、脱力系レンズのご紹介行きます。
これは何で簡易版なのかと云えば、決まったサイズの内鏡胴というか、エレメントハウジング、スペーサ、そして外形は全て同一、度数の異なる凹凸を組み合わせて、とりあへず、無限で結像することを確認し、ヘリコイドに固定してでっち上げた、まさに真面目な光学設計者の方が見たら、赤面して激怒しそうなお遊びなのですが、なかなかどうして、条件さえ合えば、そこそこ面白いソフトフォーカスレンズにはなるので、また分解してべ別の構成に作り変える前にいちおう、実写結果だけでも上げとこうかな、と思った次第。
今回の構成はドアスコープの使えそうな度の強い凹に対し、一枚当たりの曲面を緩めるべく三枚の度数の異なる凸を合わせて、凹を一群にしてしまうと、一眼レフのレンズ並みにバックフォーカスが長くなってしまい、かカッコ良くないので、リバースして、当初考えた構成と180度引っくり返して、凸(強)、凸(中)、凸(弱)、凹(激強)の構成として、ハウジングに収め、ヘリコイドに固定したもの。
焦点距離は、だいたい45mm程度に仕上がりました。
従って、今回テストのX-E1だと、68mm程度の中望遠くらいの画角になるワケです。
絞りは入れていないので、全コマ、開放になります。
では、さっそく土曜の浅草での実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、この日は出来上がったばかりの拙写真展のハガキをハヤタカメラボに届けたかったので、その前に辺りを撮り歩こうと思い、まず仲見世の東側側道付近を物色していたら、少々時期は外れましたが、ほうずきの鉢植えが店頭に吊るしているお店が有ったので、至近距離に接近し、売り物のせんべいを背景に一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、同じく、仲見世の東側側道の商店街のとある店頭にて、ひょうたんを吊るしていて、そそれが背景の藍染の暖簾と朝顔の花の造り物との配置がなかなか洒脱だったので、これまた近寄って、周りで物珍しげに見守る外国人観光客もものかわ、一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここも仲見世の東側側道でちょうど伝法院通りとの交差する辺り、ちょうど、ハヤタカメラボの親会社?である早田カメラ並びにある某有名洋食店の飾り窓兼、季節、ないし、手書きでお勧めメニューを記した鏡状のサインボードに記された文字を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、早田カメラの面した伝法院通りの仲見世を挟んだ東側すぐの辺りに白波五人男のシーンだったかを模した、大見得を切っている石川五右衛門のプラ製オブジェが置かれており、中東辺りの外人観光客のグループが興味深げに代わる代わる記念撮影を愉しむのを待ってから、そのご尊顔を撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、ハヤタカメラボで用を済ませた帰り、伝法院通りの頭上に高く掲げられた門の如き通り名称の看板の真下付近で、白人か観光客のカポーがスマホンと紙ベースのガイドブックを見比べ、あーだら、うーだら行先を議論していたので、その様子が面白く、通りざまに一閃浴びせてみたもの。
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六枚目のカットですが、伝法院通りとの交差点から仲見世に入り、目の前に見える宝蔵門までやって来たら、既に17時を回っていたので、秘仏ご本尊様を安置しているという本堂の扉は固く閉ざされてしまったものの、境内は既にライトアップが始まって、門下に吊るされているメガ赤提灯も様々な角度かからスポットライトを浴びせられ、煌々と輝いていたので、その威容を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、宝蔵門をくぐって、境内に進むと、主である本堂が店仕舞いしてしまっているというのに、五重塔をはじめ建物や境内の主要施設は煌々と照らされ、真夏の昼間の熱気を避けたかの如く、日没後もなかなか人通りは多く、定点観測スポットである御籤売場でも国内外の善男善女が、自らの運命を知るべく、真摯に籤の解読に努めていたので、その様子を横から1枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、同じく浅草寺境内は御籤売場にて、レンタルの浴衣に身を固めた、おそらくはマレーシアかインドネシア辺りの言語を話す東南アジアからの観光客の小姐グループが、籤の内容はそっちのけで、浴衣装束と境内の風景との組み合わせが相当気に入ったらしく、交代で色々なポーズなどつけて、インスタ用か何かの写真をスマホンやらタブレで撮っていたので、その様子を横から1枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、これも境内は宝蔵門周辺でのカットですが、独り旅と思しき、白人小姐が自撮り棒を色々いじくって、セルフポートレを撮ろうと試みていたらしいのですが、暗い中、色々な角度からスポットライトが当てられていて、なかなか上手く撮れないのか、撮っては険しい顔でモニタを確かめ、また試すという動作を繰り返していたので、普通のレンズなら、声かけて一枚撮って、メアド聞いて後で送って上げるね♪が出来るのですが、さすがにこのレンズでは、背面モニタ見た途端、困惑した顔でノーサンキュ!とか云われるのが怖くて、声を掛ける着になれず、遠巻きに一枚撮るに留めたもの。

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十枚目のカットですが、使っていて、だんだん特性が判ってきたのですが、このレンズ、フレアは物凄いですが、意外や意外、中心部分の解像力はそれほど悪くはなさそうなので、それを簡単に確認するため、スポットライトを浴びた宝蔵門下のメガ赤提灯に記された墨書の芳名を撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、同じく宝蔵門下のメガ赤提灯と並んで吊るされている、黒地に金泥で花びらか何かの散らし模様に同じく金泥で描かれた芳名を撮ってみたのですが、これも意外や意外、文字自体がかなりは反射率が高くスポットライトの光を弾いているのにも関わらず、ピンを合わせたところは、それほどフレアには覆われず、個々の文字が読めることが判ったもの。

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十二枚目のカットですが、宝蔵門から少し離れたところから宝蔵門下の煌々と照らされた二つの提灯とその下で記念撮影を楽しむ外国人観光客のグループとその横を通り抜け、こちら方面に歩いてくる東洋人の小姐2名の姿がなかなか面白いモチーフになったので、物は試しに一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、ここも日没後も国内外からの観光客で賑わう宝蔵門付近で、ライトアップされた浅草寺の五重塔、宝蔵門、そして少し遠方に花やしきのフリーフォール系アトラクションの鉄塔の姿が見える辺りで中南米からのカポーが撮影結果をデヂカメの背面モニタで確認しながら、早口のスペイン語で何かを議論していたので、横からその様子を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、宝蔵門を後にし、そろそろお茶とスィーツでも楽しもうかいな、と思い、仲見世を通って、雷門前のデニーズにでも行こうかいなとか思って歩き出したところ、軒先を煌々と照らした店舗が雷門迄真っ直ぐ続く、夜の仲見世の風景も、昼とはまた異なって趣きあると思い、強力な光源が真っ正面に入っていいるのもものかわ、一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、歩くこと、3分程度で、あっと云う間に目の前の雷門に到達、ここでも門全体は云わずもがな、スポンサーであるパナソニック殿の前社名「松下電器」のご尊名が記されたメガ赤提灯一号も同様に四方八方からスポットライトで煌々と照らされ、福々しく照り返していたので、その一部を切り取って解像感を確かめてみたもの。

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十六枚目のカットですが、同じく雷門下のメガ赤提灯一号付近ですが、四六時中見かける、提灯の真下に立ち止まり、或る者は、提灯の真下から金物に手を伸ばす同行者の姿を、また或る者は真下から提灯自体のい威容を捉えようとシャッターを切るのですが、これもEVF越しに眺めれば、そこそこ人物の姿は良く判別出来たのでシャッター切ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、浅草寺近傍から、隅田川の対岸に聳え立つ東京スカイツリーの雄姿でも捉えようかと思い、雷門前広場を後にして、神谷バーの前を通って、浅草一丁目の交差点を渡り、水上バス乗り場に面したテラス迄やってきて、趣向を凝らしたというLED照明に照らされたその姿を一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、当工房のコンセプトですと、即不合格、解体処分という出来ですが、もしかすると、「蓼食う虫も好き好き」とも言いますから、今度の写真展の会期中までは保存して、仲間内の反響を窺ってみたいと思います。

さて、次回は何か国産の陽の当たらなかったレンズでも発掘して夏休み時期の東京でも撮りましょうか、乞うご期待!!
  1. 2018/08/05(日) 20:57:46|
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The true charm of handmade optics~Fukagawa 9th Anastigmat 45mmf1.8~

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さて、今週のご紹介は、予定変更、金曜日の晩に軽く飲んで帰ってきてから、手元のジャンク機を分解して取り出した国産コンパクトカメラの前後アッセンブリをいじくり回していたら、突如、インスピレーションが降りてきてしまったので、土曜の朝から旋盤回してぐりぐりと加工し、コリメータ見ては修正し、ということででっち上げたオリヂナル光学系のご紹介となります。
メインパーツはCanonL50mmf1.8Iを使用し、その中の光学エレメントを一切取り払ったどんがらとし、そこに、jかねてからジャンク機を分解して取り出してストックしていたエレメントを組み合わせて標準域の焦点距離をも持つ光学系を作り出したということです。
何故、土曜の朝からちゃっちゃっとやって、日曜には試写出来るくらいのスピードで開発、製造出来たかというと、実は元々、HEXANON45mmf2.0のコンプリートが一式揃っていて、そのリマウントを行おうとパーツを作り込んでいたのですが、最後群、即ちL6にカビ跡やコーティングムラこそあれ、キャノンの内鏡胴に無加工で押し込める後群アッセンブリを発見し、それがCOLOR YASHINON DX45mmf1.7で、せっかくなので、L6はまマミヤかリコーから取り出したちょうど寸法の合う凸玉に入れ替えて三社連合の光学系とした次第。
しかも、今回のチャレンジは光学系をでっち上げたことよりも、今までは薄塗りと白文字入れが困難だったので、絞り環の黒塗り化は諦めていたのですが、今回、たまたまペイントブラシ並みに吐出量コントロール出来るスプレーを発見し、それを使い塗装後、焼付けし、水性リキテックス使って文字入れした次第。
では、さっそく、その実力のほどを確かめて参りましょう。
ロケ地は原宿から表参道、カメラはFuji X-Pro2、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、木場から地下鉄に乗り、移動した先は明治神宮前/原宿の駅でそこから竹下通りに向かうと、浅草の仲見世や新宿歌舞伎町の目抜き通りをも凌ぐ雑踏で、しかもその中ほどに立ち止まって、自撮りなんか敢行する外国人観光客が後を絶ちませんから、シャッターチャンスがあちこちに落ちているのも同様、有難く中国産小姐の自撮り模範演技を横から1枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、行き交う人の間を縫って、被写体探しながら竹下通の中を進んでいくと、結構、カメラやレンズには興味を持つ人も居るようなので、すれ違いざま、工房主のカメラとレンズに一瞥をくれた中東系の殿方と白人のご婦人のかカポーに声を掛け、趣旨を説明の上、栄えある本日第一号のモデルさんになってもらったもの。

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三枚目のカットですが、竹下通りの原宿側入口から200mかそこら中に入ったところにある、七色のウンコ型綿菓子を商う店の二階店舗への階段踊り場で、赤い髪の毛の白人小姐が流暢な日本語でテキパキと客をさ捌いていたので、下から撮ってイイ?と声掛けたら、うんうんと不承不承頷いてくれたので、有難く1枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、階段上の赤毛の小姐にお礼を述べて、また竹下通りを表参道方面に進んで行くと、ままたしても、撮らせてくれそうオーラを発しているハーフの殿方と白人小姐のカポーに遭遇、さっそく、出演交交渉し、竹下通りの雑踏を背景に二人揃って一枚撮らせて貰ったもの。

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五枚目のカットですが、二人組を撮り終え、例を云って、歩き出して直後、MARVELLとDCの映画キャラのコスプレ混成軍みたいな白人男女の集団が歩いて来て、これはしめしめ、とか思い、たまたま目が合った、スーサイドスクワットに出て来た「ハーレィクィン」のカッコしてる小姐に「Buenasu Tardes,Harey Queen!」とか声掛けたら、如何にも判って貰えて嬉しいとばかり破顔したので、モデルさんになって貰ったもの。

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六枚目のカットですが、ここ竹下通りは人通りもお店も多いですが、長さ自体は大したことないので、写真撮りながらでも15分も歩けば、表参道側の出口に到達してしまい、ただ、この出口の門の辺りからは比較的見晴らしが良いので、後から後から歩い来る人間を撮るのには好都合なので、ゲート下に佇み、個性的な白人小姐が来たのを見計らってシャッター切ってみたもの。

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七枚目のカットですが、竹下通りを出て、反対側の原宿通り経由、表参道まで移動しようと、明治通りに面した交差点で信号待ちしていたら、赤い大柄チェックの長袖シャツを粋に着こなしたザンギリ頭の東南アジア系小姐が、おもむろに自撮りなんか始めたので、その様子を通りざまに1枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、同じ明治通り沿いの交差点で、右手方向を向けば、これまた若い外国人観光客が、マドリッドやパリぢゃあるまいし、真昼間から背中に手なんか回しちゃって、仲睦まじさを最大限発信しちゃってくれてましたから、それぢゃ遠慮なく、と有難く後ろから一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、明治通りを横断し、原宿通りに入って100mも行かないうちに浴衣の小姐発見、何処か適当なところで追い縋って出演交渉しようと思い、まずは風情有る通りの中で後ろ姿でも、とか歩きながら撮っていたら、あらら、店舗の中に入っちゃって、これきりのカットになってしまったという残念なもの。

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十枚目のカットですが、ここも浅草仲見世の扇屋さん店頭の大和絵団扇同様、定点観測スポット化しつつありますが、一階がファミマ、地下が確か美容室とかなっている店舗兼住宅の地下に降りる階段入り口になかなかイイ経年変化した木の椅子とその上にランプ風オブジェが置かれていたので、背景に適度に観光客も入れて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここ原宿通りも竹下通り以上に短い通りで、すぐどん詰まりに行き当たってしまい、奥のコンクリート防護壁伝いに北へ曲がるか、手前を南へ曲がって表参道のメインストリートに出るよりないので、その手前の南へ曲がる角にあった時計屋さんのセール看板にピンを置き、背景に観光客を入れて撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、原宿通りから表参道へ抜ける道の途中にもアパレルから小物の物販店、そしてび美容室等々、なかなか趣向を凝らした店舗等が立ち並んでいますが、その中でも配色やモチーフが秀逸とお思った店舗側面の壁画の前を、今風の装束に身を包んだいたいけな小姐二人組が過ぎて行こうとしたので、とっさに一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、同じく表参道へ抜ける裏通りに面した半地下店舗の店頭に、紫の色も鮮やかな、このシーズンの象徴の如き、紫陽花の株が植えられていたので、店頭壁面に描かれたお店のロゴをバックに最短距離で一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、そろそろ表参道との境界であるPolo by Ralph Laurenの重厚なビルが見えてきそうな辺りの店舗の店先でタンクにCFRPのテクスチャのシールを貼り付けた黒い大型バイクが停められていたので、華やかなこの通りにはやや異質な存在が却って作画的には面白く、ローアングルから一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、被写体を物色しながら歩いていくと、程なく、Polo by Ralph Laurenの煉瓦張りの、大学と見まがうが如き重厚な建物の近くまで到達し、今回の標準域の焦点距離では、ポジション的に建物の全体像は獲れないので、適当な通行人を入れて、特徴的な部分のみ撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、表参道へ上がるスロープ状の通路上にはちょっとした広場のようなところがあって、いつも国内外の観光客がたむろして賑わっていますが、今回もタイ人と思しき若いカポーが、もぐもぐタイムで一休みしているところを戴こうかと思ったら、子連れ狼拝一刀宜しく、険しい目つきの白人男性が携帯で話しながら乳母車を押してきたので、役者揃ったところでシャッター切ったもの。

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十七枚目のカットですが、表参道に出たらもうそんなに被写体はないだろうなぁとか逡巡しながら、青山通りこ交差点目指して出してすぐ、この産まれたばかりのレンズの初陣を祝福するが如き珍客が路上に現れたので、すかさず人混みを縫って車道際まで撮って、その光輝く黒い車体を撮らせて頂いたもの。

今回の感想ですが、うーん、こういうレンズが好みという人が居る話を聞いていなかったら、作り直しをしていいそう(笑)
但し、絞り環の黒塗り焼き付け+白文字入れの技術をほぼ確立したので、次回以降の製造技術アップにはお大幅に役立ったようです。

さて次回は田舎に帰省予定につき一週スキップ、今度こそLeica M(TIPO240)による古玉再発見でもやりましょう、乞うご期待!!
  1. 2018/06/24(日) 22:23:29|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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The 8th optics from F.G.W.G.~Fukagawa Anastigmat 45mmf1.6L

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て、今週のご紹介は予告通りに久々の工房製オリヂナル標準レンズ八号機のご紹介を致したいと思います。

一件、えっ何の変哲も無いCanonL50mmf1.8ぢゃね!?とか思って、すぐにページ閉じようとした、そこのお兄さん、カメ小姐さん、ちょっと待った(笑)

確かに工作精度や、加工効率からキャノン50mmf1.8の前後光学エレメントアッセンブリ以外、すべて流用してますが、中の光学系は真っさらの新設計、新規製造であります。

ネタを明かしますと、前群、即ち絞りユニットより前の凸+凸/凹の漏斗型のモジュールはほぼ新品同様無傷のものが手元にあったため、ヤシカエレクトロ35のカラーヤシノンDX45mmf1.7をそのまま使っていますが、後群は絞り直後の凹/凸の径がより大きいヘキサノン45mmf1.6のものを使い、一番後ろの緩い凸はちょっとコートムラが気になったので、ほぼ同じサイズの予備パーツ、おそらくオリンパスのコンパクト機かOMズイコー辺りから外したと思しき、殆ど度数が同じものがあったので、コーティングの色調がちょっと違うのに目をつぶって押し込み、前後モヂュールのクリアランスを確認するため、仮鏡胴に装着し、捻じ込みの深さを加減しながら、ひたすらコリメータで周辺のシャープさと周辺の歪み、そして色収差を見ながら位置決めし、それを計測し、図面におとして、キャノン50mmf1.8の内鏡胴の内部を切削して前後のモヂュールを新たに真鍮無垢から削り出したインナージョイントを介して固定し、光学ブロックを完成させ、そしてそれをヘリコイドに無限位置を割り出してスペーサをこれも超ヂュラルミン2024から削り出したスペーサを咬ませて固定したという次第です。

ではさっそくその労作?の実力を見て参りましょう。カメラはX-Pro2、ロケーションは1~11枚目までが浅草、12枚目が渋谷、13枚目は永代橋上となります。もちろん、全コマ開放での絞り優先AEさ撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、組み上げたばかりのレンズを持って向かった先は浅草、浅草寺への仲見世の起点である雷門に向かうと、いつでも浴衣みたいなデザインの着物みたいなコスチューム着ている若い男女がたむろしてますから、被写体には事欠かず、大赤提灯をバックに自撮り結果を確認している中国産小姐二人組が居たので、さっそく、通りざまに1枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、この日は結構天気も良く、午後13時前だったので、この大赤提灯も陽光にて照らされ、片や門の中の仁王像の辺りは昼なお暗い状態ですから、これを一枚の画面内に収めれば、な内面反射の具合いとコントラスト、階調再現性が判るということで、赤提灯の入る割合をよく考えて撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、雷門を過ぎ、仲見世に足を踏み入れるとすぐに、第一の定点観測スポットであある美人茶屋あづまさんの店頭に到達しますが、あいにくこの日は美人店員さんが品切れだったようで、仕方なく、店頭に居合せた清楚なカンヂの仔馬髪的中国小姐の後ろ姿を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、美人店員さんが品切れ状態の美人茶屋には用が無いわけで、次なる定点観測すスポットである仲見世西側側道との交差点に位置する扇屋さん店頭の大和絵団扇を被写体にしてのてテスト撮影ということで、前回は何故か全て東側に向けられていて、撮るのに苦労しましたが、今回はまた店の出入口と平行して南向きだったので、風神画のでべそにピンを合わせて一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、また仲見世に戻ろうと踵を返したら、さきほどの中国人小姐が妹と思しき極小姐を傍らに従え、伝説上の英雄、桃太郎も彷彿させる有様で、手を伸ばす妹に適宜きび団子を渡してああやしながら、結構、豪快に団子を串から頬張っていたので、有難く横から1枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、宝蔵門を目指し、仲見世を歩きながら被写体を探していたら、明らかに自分でデザインし、染めたと思しき、大胆な図柄の着物風のコスチュームを纏った茶髪の日本人小姐二人組が傍らを肩で風切って追い越して行ったので、声かけて前からだと背中の図柄撮れないので、しばし後をついて歩き、周囲が開けたところで、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、仲見世の真ん中をちょっと過ぎた辺りの繁盛店、実演販売人形焼のお店の軒下の焼き方さん達がガラス越しに見える位置で、凄まじく真剣な眼差しで職人の仕事ぶりを凝視するフィリッピン人の小姐の姿が目に留まったので、傍らから一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、これも仲見世の伝法院通りとの交差点近くの東側側道に面した、人気店の軒下で確かメロンパンかなんかではなかったかと思いますが、並んで買う順番を待っていた白人カポー観光客の小姐側にピンを合わせて撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、再び仲見世を歩きながら撮ろうと思い、伝法院方向に向き直った途端、またしても浴衣のようなデザインの着物みたいなコスチュームをまとい、日本人では絶対にやらない、ラムネにストローを突っ込んで呑みながら、きょとんとした表情で歩いている中国人小姐のお姿をとっさに1枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、伝法院通りをかの早田カメラ方向に歩くとすぐ目に入るのが、洋食屋オウミのミラー状の窓ガラスに白ペンキで書き出されたお勧めメヌーで、これは白ペンキと鏡面という、日中の撮影ではかなりシビアな被写体ですが、あえて、フレアの出具合を確かめたくて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、浅草での用事も済ませ、次なる目的地、原宿へ向かう際、神谷バー前の浅草一丁目交差点に差し掛かったら、珍しく、若くて美形の着物風コスチュームに身を包んだ小姐二名がごゴキゲンで人力車に乗ってこちらにやってくるのが見えたので、EVFのピーキング機能を信じ撮ってみた必殺の一枚。

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十二枚目のカットですが、場所は変わって渋谷の夜、裏原宿でのクラシックカメラフェア、そして東急本店での中古カメラ市と連戦の後、センター街中ほどの馴染みの沖縄料理屋で楽しく飲み食いした後、店の向かいのクレープ屋か何かの前にいたいけな若者各位がたむろしていたので、これ幸いにと人工光下での試写を行ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、当日は、お開きの時間が9時前とかなり早めだったので、茅場町から門前仲町までの区間は歩きながら何か撮ろうかと思い、残念ながら、このところ、永代橋自体のブルーライトアップは行っていないようでしたが、それでも、月島マンハッタンの夜景はいつもになく蠱惑的で美しかったので、橋の上に三脚立てて並んでいるカメラマン諸氏の間から一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、測定機器をちゃんと使って、きっちりこんと組み上げると、ここまで良く写るんですねぇ・・・しかも、同行のOさんにお願いしてM(TIPO240)でも試写して戴いた結果、フルサイズでも、Wガウスの失敗レンズではありがちな像面湾曲も殆ど無かったとか・・・よし、次回以降もこうやってきちんと製造しよう(笑)

さて次回ですが、翌週は週末帰省の関係上、一週スキップ、翌々週は本日製造を始めた工房製カスタムレンズの試写結果、ご紹介出来ると思います、乞うご期待!!
  1. 2018/05/27(日) 22:13:29|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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