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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

An amazing bargain sale of fantastic optics ~TTartisan 21mmf1.5asph.~

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さて、今回の更新は、やっとのことで試写まで辿り着いたTT Artisan21mmf1.5asph.のご紹介を行います。
このレンズ、言わずと知れた中華レンズで、お値段は新品ベース実勢価格でだいたい7万円弱、今回の個体は、南半球の羊の国から輸入した極上というふれこみの中古品で、なんと電子湾でポチっとな♪して三日ほどで届いたという驚きの出会いで、お値段の方も、愛用していたLeicaElnarit21mmf2.8のヘリコイドレバーの破損修理を含めたOH代とさほど変わらないということで、F値が約半分ということも手伝い、ついつい買い求めてしまったという次第。
’20年6月1日に発売されたこの光学系の構成は11群13枚、LDガラスが5枚、ガラスモールド非球面を1枚使っている旨、各絞り値でのMTF曲線ともども公表されています。
では、さっそく、テスト日当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7cによる全コマ開放AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、ロケ当日は、久しぶりに新鮮なシーフードを食べてあちこち撮り歩きたかったので、東京駅に出るまで、江ノ島にしようか、小田原にしようか迷ったのですが、結局、まだ早い時間だったので、小田原の漁港に直行し、魚市場食堂でランチしてから、いったん駅に戻り、一日券を買って、周遊バスで訪れたのは、秀吉のイリュージョン「石垣山」で、広々とした二の丸跡の広場で帰り際の親子連れを入れて撮ってみたもの。もちろん無補正ですが、周辺の光量落ちも殆ど気にならないレベルです。

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二枚目のカットですが、ここが、井戸曲輪といって、秀吉によって石垣山に築かれた規格外の陣城の凄いところで、二の丸広場の奥、山の南東斜面にあり、なんと、水源確保のために石垣を積んで、谷を丸々堰き止めて、今でいうダムとした構築物というか施設なのですが、ここで汲み上げた水を沸かして、淀君他の側室に茶の湯を点てさせたという話が残っていて、戦場に奥方を連れてきて、遊興込みで相手が落ちるのを待つという彼我の戦力差を思い知らせるものだったということ。薄暗い木立の中から、空も入れて岩場を撮りましたが、意外とフレアも控えめ、暗部のコントラストも高めです。

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三枚目のカットですが、石垣山のお城は、人海戦術と有り余る軍資金に物を言わせ、たった80日で総石垣の、当時既に近畿や東海地方に存在していた通常の居城並みに曲輪内部の建造物もきっちりと整備したようなのですが、特に、お城の、或いはそこに住まう大名の権威そのものだったのが天守閣で、もちろん、北条氏の立て籠もる小田原城のから3kmほどの距離の山の上のことですから、ごつい石垣の上に真っ白い天守が姿を現せば、戦意喪失に繋がるのは自明の理で、その急ごしらえの天守が建てられていた石垣の跡を撮ってみたもの。徳川の治世になって、小田原攻めの際の臨時の城跡など荒れるに任された上に、大正の関東大震災で激しくダメージを受けたため、かつての石垣を構成していた大きな石が幾つか転がっているのみです。ここでも木立の中から、空を入れて遺跡を撮っていますが、驚くほど、フレアは少ないと言えます。

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四枚目のカットですが、そろそろ、ここの下を通る市内周遊バスが到着する時刻が近づいてきたので、時計と睨めっこしながら、バス停がある麓まで撮り歩いて行ったのですが、さすが国の指定した史跡だけあって、下草や樹木の伐採は言うに及ばず、ぱっと見、時代がかった石柱のようですが、頭頂部に載せられた、秀吉の旗印である千成瓢箪をモチーフにした瓢箪のレリーフが現代のものと気付かせてくれますが、側面の達筆な曲輪内案内は雰囲気満点で、思わず足を止めて一枚撮ってみたもの。ここでもほぼ逆光ながら、これだけのコントラストで周辺まで光量が十分に届いていると、周辺はやや解像度は甘めですが、像面湾曲が殆ど認められないのは立派と思います。

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五枚目のカットですが、石垣山のバス停から市内周遊バスに乗って、約20分ほどで小田原城の天守閣への最短ルートである藤棚前観光駐車場のバス停に到着、そこから本丸まで季節の花など眺めて撮りながら歩いて行こうと思った矢先、幼い姉妹連れのご老人が蓮の葉で覆いつくされ、かろうじて水面が顔を覗かすお濠の鯉の餌付けなんかやっていたので、有難くそのお姿を頂戴したということ。これだけの被写体とのディスタンスですと、いかなf1.5の大口径開放とはいえ、そこは21mmの超広角であるため、極小姐達のつやつや・さらさらの黒髪から、水面に浮かぶ蓮の葉、そして遥か彼方の空に浮かぶ雲の濃淡まで識別出来るという不思議な描写になりました。

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六枚目のカットですが、藤棚前の入口から真っすぐ坂道を上がれば、即、天守閣の聳え建つ本丸広場に上がれるのですが、それでは、試写ツアーは全く成立しないので、かなり大回りにはなりますが、正規の登城ルートである、銅門方面に移動し、21mmの威力を活かすべく、普段ならば、かなり後退しないと全幅が収まり切れない、木造復元の白亜の櫓門の姿を、いたいけな小姐お二人様が姦しく語らい合いながら前を通る瞬間狙ってシャッター切ったもの。ここでは手前の地面で極僅かな光量落ちと解像度の甘さが見て取れますが、たぶん、f4程度に絞れば、全く解消するレベルではないかと思います。

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七枚目のカットですが、どうせ先を急ぐ旅でなし、土日のみ、入場料無料で開放している、木造復元の銅櫓門の中に入って見学しないという選択肢は有り得ないので、足取りも軽く、向かって右の石垣張り土塁の上に設けられた階段を駆け上り、さて、中に入って、久しぶりに愉快なお人形さん達と記念撮影も悪くはないなぁとか思いながらふと門の下方を眺めると、人待ち顔の南蛮人の小姐が門の控え柱にもたれて、スマホンなど弄っていたので、櫓の外観込みで一枚撮ってみたもの。何故かこのカットでは、周辺の光量落ちも解像度低下も殆ど認められないのが不思議に思えました。

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八枚目のカットですが、銅門上の木造復元の櫓内部にさっそく入ってみたのですが、靴を脱ぎ終えるか否かというところで、フルサイズでは超広角として使える21mmレンズの威力を試さんと、内部の全景図を撮るべくとカメラを構えたら、ちょうど、いたいけな極小姐連れの若いヲヤヂが視界に入ってきたので、有難くエキストラご出演願ったもの。さすがf1.5だけあって、外よりむしろ照度の低い屋内の方が得意と見え、色再現もコントラストももちろんシャープネスも申し分はないのですが、若干、奥の柱に樽型の歪曲が認められます。

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九枚目のカットですが、すわ、黒沢監督写真か!?と驚くのもさもありなん、お人形さん達と仲良く「小田原評定」のシーンでえ記念写真撮りましょう♪という趣旨のコーナーで、普通に上から、ないしアイレヴェルで撮っても、お人形さんはお人形さんで、面白くも何ともないので、手前でぐわっと腹ばいになり、ファインダが覗けるギリギリの床面からの高さから見上げるアングルでお人形さん達の寸劇を撮ってみたもの。薄暗い室内に煌々と陽光を投げかける桟付窓が被写界の中央右手寄りに入りましたが、さすが現代のレンズだけあって、画面を覆うようなフレアも全体的なコントラスト低下も起こさず、きちんとした映画のごときシーン描写を見せてくれました。

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十枚目のカットですが、お茶タイムも逆算して、そろそろ、本丸に向かって歩き出さねばならないので、もうちょい寛げそうな銅門櫓から降り、ひとつ手前の住吉門という「埋門」形式に分類される、実はレアな形式の門をよく観察し、「内桝形」と云われるお濠と塀で囲まれた敷地内に収まった形式の90°に位置に建つ二つの門で仕切られた方形の空間全体を撮るべく、一回、正規登城ルートを戻ってお濠越しに撮ってみたもの。これだけ空を大きく画面に入れて開放で撮っているのに、周辺光量落ちは皆無で、ヘタすると対称系35mmをLeicaM(TIPO240)で撮るより良いかも知れません。

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十一枚目のカットですが、外濠に掛かる「馬出門土橋」の先に設けられた内桝形である馬出門虎口まで進み、高い塀で囲まれた方形空間に直角に設けられた二つの「高麗門」形式の門の特徴がよく判るような位置で虎口を撮ろうと、虎視眈々とカメラを構えたら、南蛮人ご一家が異国の言葉で談笑しながら出てきたので、ここぞとばかりに一枚撮ってみたもの。周辺光量の落ちも皆無、何となく、35mmくらいの準標準で撮ったようにも見える描写となりました。

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十二枚目のカットですが、再び銅門方面に戻り、本丸方面に向かうと、一段と高い丘陵の上に本丸があり、その奥まったところの高石垣の上に、お城のご本尊様ともいえる天守閣が鎮座ましましのですが、このシーズン、ちょうどGW過ぎ辺りから、花菖蒲と紫陽花がその丘陵部の麓の元内堀跡一帯に咲き乱れ、今回の目的は、レンズの試写がメインなので、迷うことなく道草とばかり、花の咲き乱れる内堀跡のお花畑に降りて丘の上の常盤木門の櫓門をバックに今は盛りの紫陽花を撮ってみたもの。ここでこのレンズの最大の不満点が出ました。それは最短が70cmしか寄れないこと、今流行りのヘリコイド付きアダプタ使えば良いのですが、結構高いので持っておらず、21mmでの70cmでは至近距離での主題の強調が出来ず、ちょい物足りないカットとなってしまいました。

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十三枚目のカットですが、常盤木門櫓の内部のお土産屋で結構面白い、現地でしか買えないお城グッズがかなりの点数目についたので、ガチャガチャも含め、結構散財し、そこそこ満足した気分で本丸をRC造の白亜の天守閣に向かって歩き出し、ちょうど良い手前の松の木の下から全景図を撮ろうとしたら、空中浮揚をする不思議な小姐が目の前にやってきて、地球の重力を無視したような滞空時間で跳ねていたので、有難く一枚頂いてみたもの。空が大きな面積を占めていますが、相変わらず光量落ちもなく、超広角らしからぬ描写なのですが、やはり、手前の地面を凝視すると、両脇は中央部と比べれば若干甘めの描写になっています。

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十四枚目のカットですが、実はこれまで10回以上も小田原城は訪問していたのですが、途中、新型コロナの長い蔓延期を挟んでいたこともあり、天守裏のこども遊園地の名物、外周を巡るミニSLの運航を今まで一度も目にしたことがなかったのですが、今回、初めて、正常運航していることが判り、線路端で待つこと5分程度で録音された効果音とともに、ミニチュアサイズの機関車がコーナーから姿を現し、なかなか雰囲気のある画となったもの。ほぼアイレベルの水平撮りだったのでパースも皆無、若干、右隅の石垣の描写が崩れ気味であることに目をつむれば、35mmレンズ並みにナチュラルな描写ではないかと思いました。

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十五枚目のカットですが、機関車がやって来る前に周囲の撮影環境をリサーチしておいたので、おサルさんならぬ、白髪のご老人が操る先頭車両が通り過ぎると、客車が数量それに牽引されて目の前の通り過ぎていったのですが、線路ギリギリのところに大ぶりな白いヤマユリが咲いていたので、70cmしか寄れないのは残念でしたが、いたいけなお子ちゃま各位が乗り込んだ汽車を見送るが如き、白い花を主題として一枚撮ってみたもの。このカットこそが、今回のレンズ試写の真骨頂で、後ボケはナチュラルですし、通目の前を通り過ぎる列車の躍動感みたいなものも良く雰囲気を捉えていると思いました。

今回の感想ですが、はじめて上海で海鴎製のミノルタコピー機を買い求め、きちんとした大きな店で買ったのに無限は出ないわ、方ボケするわと滞在中の試写で散々な結果だったので、翌日、プリント持参でお店にクレーム付けにいったら、あ、ゴメン、ゴメン、お店の在庫からどれでも好きなのを代わりに持って行ってちょうだい、とか言われ、ピンが甘いのをどうやって見分けて良品と替えるのか逡巡していたら、別のお客が、お店の人間に何か云って、ケント紙みたいなのを持って越させ、それをフィルム幅に切って、通りの向かいのビルのてっぺんに向けて、とりあえず無限が出るのを二台選ってくれて、安かったので、結局二台買って来てしまったということを思い出し、隔世の感を覚えた次第。

さて、次回は、たぶん、’23年の年明け早々にクラシックレンズ達と訪れた瀬戸内界隈ツアーからお送りしたいと思います、乞うご期待。
  1. 2023/06/26(月) 23:16:48|
  2. 深川秘宝館
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A heritage of Japan's industrial history in optics~Canon50mmf1.5L ~

て、今週は、予告通りとはいかず、駿河の国は三島、小田原へ行く二週前にレンズテストも含め出掛けた川越で、修理前にも関わらず、ハラショーな戦果を挙げてくれたCanon50mmf1.5Lのレポートを行いたいと思います。
当工房には国産のかなり珍しいものも多数ありますが、逆に中くらいの同スペックのコシナ製品やらライカと競合するクラスが手薄になっていて、特にキャノンのライカマウントは抜けだらけ、19mm、25mm、50mmもf1.4はあってもf1.5がないとか、そんなこんなで、出物があれば欲しいと思っていたのが、昨年春頃に新宿西口の某大手チェーン店のクラシックレンズコーナーでたまたまお値頃のものを見つけたので、カードが使えることもあって、中玉やや曇り有りに目を瞑ってエイヤ!と散財し、川崎の協力工場で完全に修理してから使えばイイやということで防湿庫で仮眠について貰っていたのですが、ふと使いたくなって、分解し、出来るだけ中玉の白いモヤを拭き掃除してから、多少のコーティング剥がれは無かったことにして新年の独り川越ツアーに持ち出したという次第。
まず簡単にこのレンズの氏素性をご紹介しておくと、産まれは1952年11月、キャノンは電脳空間上の仮想ミュージアムで以下の通り、説明しています。
「大口径F1.5の標準レンズ。当時の高級機メーカーにとっては、大口径標準レンズを持つことがステータスであった。なお本レンズはセレナー50mm F1.9、セレナー50mm F1.8 Iを経て、カールツアイス・ゾナー50mm F1.5をお手本に設計された。」
ということで宿敵日本工学のNikkor5cmf1.4同様、Zeissのf1.5ゾナーの3群7枚の構成に範を取った高性能のレンズ三羽烏の一角としてこの世に生を受けた、ということです。
では、さっそく当日の行程に沿って、実写結果を眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RII、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川から地下鉄、東武線経由、川越駅に到着し、そこから、結果的には大失敗だったのですが、一日乗車券で最初に川越城本丸御殿を目指そうと考えたのですが、年初の渋滞が予想以上に酷く、目的地手前のバス停辺りで1時を過ぎてしまい、このまま、御殿見物してからだと、間違いなく、ランチ難民になることは予想するに難くなかったので、大手町のバス停で降りて、「幸すし」さんで豪華ランチを戴き、まず氷川神社にお参りしてから撮影しようと歩く道すがら見つけた豆腐屋さんの点灯風景。

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二枚目のカットですが、最初の目的地「氷川神社」の南門まで来てみると、先ほどの市内の渋滞の写し絵の如く、着物姿のいたいけな小姐ご一行様を主体に入場行列が出来ており、これは逆に云えば、シャッタ-チャンスがあちこちに転がっているというシグナルでもあるので、久々のスナップ天国への期待に胸踊らせて石鳥居を潜ってすぐの手水場の着物姿の小姐二名組の後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、今年は二年ぶりの人出の賑わいを予想してのことでしょうか?かなり大規模な「鯛みくじ」の舞台がこれ見よがしに本堂前にしつらえてあり、しかも、新型コロナ流行前同様、この本堂前の一か所のみならず、密を避けるためなのか、東門の大鳥居手前の広場にも同様に「鯛みくじ」の舞台がしつらえてあって、年端もいかぬ着物姿の小姐各位がきゃぁきゃあと喚声を挙げながら竹の骨組みに紙を張って拵えた赤やピンクの鯛を釣り上げて盛り上がる姿を人垣のすき間から一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、この川越の氷川神社はコンパクトな境内ながら、浅草の浅草寺と同じくらい、魅力的なスナップポイントがあり、しかも、そのレイアウト上、大口径単玉のボケやら口径食の有無、程度、そして収差の出具合いを確認するのにうってつけの場所なのですが、本殿脇の絵馬トンネルも、毎回、参詣者の迷惑にならないよう前後の人通りを確認して撮っているのですが、今回はたまたま、繊細なピンを合わせている間に巫女さんが特別出演して戴いたもの。

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五枚目のカットですが、絵馬トンネルを抜け、誰にも会わないのを良いことに、本殿裏の「願い縄文杉」の周りを一周回ってから、切り抜き細工の金灯籠が吊り下がる仄暗い回廊に出ようと歩き出したら、老神木の御利益てきめん、スマホンの画面を眺めながら、うーんイマイチじゃね、とかいいながら、あろうことか、スマホンを地面に置いて、砂利で下部を埋めて三脚代わりにして記念撮影しようとしていた着物姿の小姐二名組が居たので、見るに見かねて、撮って上げようか?と声かけたら、え、それα7ですよね、レンズも見たことない凄いの付けてるし・・・えー!お仕事ですか?是非是非お願いします、という会話の後、スマホンで撮って上げた延長線上で、あとで送る約束して撮って上げたもの。

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六枚目のカットですが、川越は初めて、とのことだったので、小姐ご一行様に簡単な境内の撮影スポットと市内のオススメ観光スポット、ティータイムのお勧めカフェなど、教えて上げてから、本殿奥の昼なお暗い回廊に点る切り抜き彫金細工の吊り灯篭の群れを回廊の向こう側の青空を背景に最短距離付近から一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、再び本殿脇の通路から中庭に出て、何か面白げなものはないかと目を凝らして境内をスキャンして見たところ、境内を流れる小川を舞台に、溶ける和紙で作られた人形を水に流して厄難消滅させましょうという趣旨の「人形流し」の場に来た時とはうって変わって人だかりが出来ていて、中でもお揃いの藤色グラデーション模様の羽織を纏ったいたいけな小姐二名が実に真剣な表情でじゃぶじゃぶやっていたので、その様子を傍らから一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、氷川神社からは南東へ徒歩5分ほどの距離に位置する、今回のメインディッシュ「川越城本丸御殿」へと移動し、実はこの前までは幾度となく来たことはあるにもかかわらず
お城と云えば、天守閣と石垣、そしてお濠という定番の豪華三点セットがパブロフの犬の習癖の如く染み付いていた工房主は、地味な平屋建ての古建築に入ってみようなどとは努々思わず、パスしていたのですが、仕事も兼ねてかなり本格的に城郭の研究を初めてみれば、全国にはスーパー銭湯並みに点在するRC造模擬天守閣などより遥かに価値のある、日本でたった4つしかない現存の御殿と知るに至り、矢も楯もたまらず飛んできて、玄関周りを一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、建物自体を江戸期のものをそのまま保存していることが極めて貴重なのは云うまでないことですが、その内部、建屋の床板から壁、天井板に至るまで、可能な限り、オリジナルの状態に忠実に動態保存しているのみならず、庭も、観光客の目を楽しませようと、すみずみまで清掃が行き届いた白砂の上に、かの京都は竜安寺の枯山水の如き掃き目が施してあって、とても見事で心打たれたので窓から一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、表玄関から順路を巡っていくと、離れのような別棟の建造物に続く渡り廊下のような場所に出て、記憶している限りでは、本土に残存する残りの二軒+復元一軒でもこういう渡り廊下で別棟に続いているような構造は無かったよなぁ・・・とか訝しげに渡り廊下に差しかかって、ふと窓の外に目をやると、あたも田舎のお爺ちゃん、お婆ちゃんが暮らす農家母屋の濡れ縁でしみじみと脱力しきった都会人の一家みたいな景色が広がっていたので、思わず一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、目的の川越城本丸御殿の仔細検分も無事終え、後は実物は跡形も残ってはいませんが、富士見櫓跡、各御門跡を巡って、次なる撮影目的地、駄菓子屋横丁へと徒歩で移動し、いつもの通り、北側の幹線道路沿いの入口から横丁に足を踏み入れてみれば、居ました、居ました、ここも例年の正月上旬の倣いで、いたいけな和装の小姐があちこちに大量発生中、特に成人式帰りみたいな白いストール羽織った二人組の雰囲気が良かったので、街並みを背景に後ろ姿で語って貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、駄菓子屋横丁東の出口付近で、二組ほどの親子連れがレインボー柄の綿菓子をいたいけな童子各位に買い求め、スマホンで撮っては、きゃぁきゃあと盛り上がっていたので、つい、原宿の竹下通りでも超人気のレインボー綿あめですよね、面白そうだから、一枚撮らせてね、と頼んだところ、親御さんが童子達に命じて、掲げさせ、街並みをバックに一枚撮らせてくれたもの。

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十三枚目のカットですが、まさか標準レンズでこんな構図で撮るとは、家を出るまで努々考えもしていなかったのですが、駄菓子屋横丁から蔵造りの街通りに戻る道筋の角に位置する古刹の門前に高い銀杏の樹が植わっているのですが、こんな市街地でも樹の背景はお寺の境内であるため、樹よりも高い建物や電柱のような構築物がないので、樹の枝々のシルエットが夕焼け空を背景に浮かび上がるが如き画が撮れると思いファインダ覗いたら、果たしてその通りとなったので、したり顔でシャッター切ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、まさか標準レンズでこんな構図で撮るとは、家を出るまで努々考えもしていなかったのですが、駄菓子屋横丁から蔵造りの街通りに戻る道筋の角に位置する古刹の門前に高い銀杏の樹が植わっているのですが、こんな市街地でも樹の背景はお寺の境内であるため、樹よりも高い建物や電柱のような構築物がないので、樹の枝々のシルエットが夕焼け空を背景に浮かび上がるが如き画が撮れると思いファインダ覗いたら、果たしてその通りとなったので、したり顔でシャッター切ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、そろそろ、「粟ぜんざい」が名物の駅近くの和菓子屋併設茶店の「あかりや」さんで絶品のスィーツを戴きながらイブニングテーを楽しみたかったので、蔵造りの街並みを本川越駅方面に向かって歩いていたら、ちょうど、埼玉りそなのドーム手前で、珍しくお客を載せた人力車が駆けてきたので、置きピンでえいやっと撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、本家もそうですが、f1.5のゾナーって、ほんと良く写りますよね・・・いや、貼り合わせ面が多いので、クラシックレンズにしては、コントラストが高いのは判りますが、それにしても合焦部のピントのキレといい背景のボケのなだらかさとの共演による被写体の浮き上がり効果といい。川崎では何故か修理を拒否されてしいまったので、大久保の名人に後群の研磨、再コート、バル貼りという限定修理お願いして、三羽烏のニッコール、タナーと真昼の決闘としゃれ込みたいものだと思いました。

さて来週は人生初の四国旅行のため、一週スキップ、その翌週は箱根山両端のお城旅をレポート致します、乞うご期待!!

  1. 2022/02/06(日) 19:59:47|
  2. 深川秘宝館
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An enigmatic optic found in a back street in Metropolis, Tokyo~Yashica28mmf2.8~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、買ったばかりの謎の広角レンズの試写をお花畑で行ってきた結果をアップ致します。
このレンズ、新宿西口の某チェーン店の風変わりな店長がやっている中古メインのお店の陳列棚の片隅で、新品同様のピカピカのレンズが数千円という信じられないお値段で並べられており、説明はヤシカ-コンタックスマウントの用途不明、放送関係機関からの放出品という説明だったので、イメージサークルもフランジバックも判らないまま、ただ手に取った時の状態の良さと、ヤシコン製ディスタゴン後期のMMJタイプと同じ深緑色の低反射のコーティングを信じて買い求めてきたものです。
構成は6群7枚、おそらくは和製ディスタゴンと呼ばれたヤシカMLレンズと同系統の中身と思われますが、謎があって、仮に監視カメラとか局でのテスト撮影用だとすると、レンズ最後端に3ミリくらいの丸い棒が突き出していて、一眼レフには装着出来ないようにしてあるとのことなのですが、全くそんな痕跡はなかったし、では、一眼レフ用のML刻印漏れか?と問えば、オート絞り機構が元から付いていないので、さにあらず、「A」で始まるシリアルナンバーを持つことから、富岡製の謎のヤシカ銘レンズ、としか言いようがないのです。
で、ロケ地ですが、例年、夏になると厚木から昭和記念公園、成田、熊谷に至るまであちこちでひまわり畑が出現し、撮影に行くのもよりどりみどり、休日の天気、或いは起床時間で何処に出向くのか当日の朝に決められたのですが、今年はそうはいかず、今までノーマークだった、交通の不便な武蔵村山の「ひまわりガーデン」へ向かうこととしたのです。
当日は、ランチを最寄りの都会である立川で摂り、しかるのち、バスで会場最寄りのバス停まで移動しました。会場を外から眺めると、かなり盛りを過ぎた感ありありで、だいぶ首無しひまわりも多かったのですが、面積がかなりあったので、中に入りゃ、ま、何とかなるさと楽観的に入場料無料の会場に足を踏み入れ、1時間近く炎天下、撮影してきたもの。
では、当日のテスト結果を逐次眺めて参りましょう
カメラはα7RⅡ、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、炎天下の休耕田?をひまわり畑に転用しているだけあって、周囲に陽射しを避けたり、涼をとれるような施設など皆無なので、来訪客の熱中症対策でもあるのでしょうか、入り口に程近い辺りに、つる植物のへちまを張りめぐらせた緑のシェルターが設置されており、いたいけな小姐グループが中で記念撮影なんかしていたので、まずは有難く封切に一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、園内をざっと眺め、ところどころに残る、花の密度が比較的高そうなエリアを目指して歩いていたら、一輪の大ぶりなひまわりの花のおしべだかめしべだかを目当てに、一匹のニホンミツバチが健気にも花粉を集めにタッチアンドゴーを繰り返していたので、至近距離に近寄り、その様子を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、園内は来訪客が歩いて見て回る利便性を考慮し、車が通れるくらいの大きな通路とそこから花畑に足を踏み入れられるような人の子一人がやっとのけもの道のような小径からなっており、花畑のブロックの大きな区切りにもなっている中央東西通路の角に咲いていた何輪かを撮ろうと足を運んでみたら、曲がった先でモデル撮影会みたいなことをやってるグループが居たので、借景させて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、先ほどから、一人で園内を巡って、スマホンで身だしなみ確かめてから、腕を目いっぱい伸ばして自撮りやってる外国人の小姐がこちらをチラチラ見ているのは気付いていたのですが、声かけたら、おー!COVID19ノーサンキューとか脱兎の如く逃げられても気分悪いので、こちらからは見ないようにしていたのですが、角を曲がって、撮影会グループの後に比較的、花が揃っていた辺りで撮り始めたら、たどたどしい日本語で、スイマセンとか話しながら、ソーシャルディスタンスを踏み越え接近し、モバイルホンのシャッター押してくれませんか?とかお願いモードになってきたので、撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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五枚目のカットですが、横田基地の従業員という小姐にメールアドレスを教えてからその場で別れ、再び会場内を徘徊していたら、抜けるような夏の青空に浮かぶ入道雲を背景に、来訪客による切り取り次第の首狩りの被害にまだ遭っていない背の高い花が隣の花のようにうなだれもせず気高く一輪咲いていたので、いかにも夏らしい風景を一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、会場には場内を一望出来る展望台、といっても、工事現場で使う足場用の鉄パイプと足場板を組み合わせた、せいぜい大人の背丈かそこらの急ごしらえのお立ち台なのですが、何とかと煙は高いところに・・・のたとえ通り、工房主も高いところがあれば、天守閣であろうと展望タワーであろうと登る習性あるので、さっそく上に上がり、場内の様子を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、実はここ「ひまわりガーデン」はどういう理由なのか聞き洩らしましたが、フェンスに囲われた会場が大きく二つに別れていて、最初にバスから降りて足を踏み入れた西側の長方形のブロックが第一会場、そしていったん会場の外に出て、南西側のフェンスの切れ目に設けられた入り口から入るのが東側の第二会場とのことで、入ってすぐの辺りに、まだ首狩りに遭っていない植生があったので、至近距離から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、第一会場では気付かなかったのか、或いは珍しいので、早々に来訪客によるフリー首狩りに遭ってしまったのか、見かけた記憶のなかった中が赤茶色のグラデーションになっている花が、比較的花弁も揃った健全な姿で咲いていたので、足を止めて夏の青空をバックに一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、まだまだ暑いし、そろそろ、午後のお茶もしたいので帰ろうかと思い、再び第一会場に戻り、花の密度の高そうなエリアに戻ってみたら、ちょうど、イイ形の夏の雲が空に浮かんでいたので、それを背景に撮ろうと思い、かなり苦心惨憺してけもの道経由、花々の下に辿り着き、だいぶ見上げる格好でそっくり返って撮った一枚。

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十枚目のカットですが、来た時とは違う、西側フェンス沿いの道を歩いて出口に向かっていたら、これぞ、ひまわり!といったイメージの真ん中の種の出来る丸い部分が極端に大きく、回りの黄色い花弁が小さい、ちょうど、ジェットエンジンのタービンディスクみたいなバランスの大輪の花が健気にも炎天下で一輪咲いていたので、これも何とか真下に辿り着き、最短距離から一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、この写りで一万円もしないというのは、まさに宝探しの妙に尽きると思いました。オート絞り機構が無いとはいえ、そもそもコンタックスやら、ヤシカFR系列のボディで使わない限り、無用の長物でしかない機能ですから、ホント、イイお買い物をしたと、我ながら恵比寿顔になってしまいました。

さて次回は、またしてもお城探訪、湖東地区から西三河までの9つの天守閣を4日間で制覇した、もうゲップも出そうな城巡りツアー2回構成の前編にお付き合い戴きます、乞うご期待!!
  1. 2021/08/15(日) 19:46:46|
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Amazing performance of historical optics beyond my expectation in advance ~Tanar5cmf1.5~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、久々の深川秘宝館、国産物故メーカーのゾナータイプの雄、Tanar5cmf1.5、修復上がりの、まさに名刀の切れ味をお送り致します。
まずこのレンズの氏素性ですが、このレンズを産み出した田中光学については、Wikipediaにて、
「元はシネ用レンズやアクセサリー、ライカ用アクセサリーを主に製造する会社であったが1953年(昭和28年)にコピーライカのタナックを発売してカメラメーカーとなったが1959年(昭和34年)に倒産した。」との極めて簡単な説明しかなく、そんな泡沫メ-カーであったにも関わらず、50mmの標準レンズはf3.5から幻のf1.2まで7種類も発売していた、という50mmには思い入れのある?キャノンと同じような布陣が謎とされています。
今回のf1.5は倒産寸前の1957年に発売のパララックス補正付アルバダ式フレーム付、一軸不回転式で最高速1/1000まで備えた高級機のタナックSD用の高級レンズとして発売されたとのことで、3群7枚のゾナータイプ、実は工房に来た経緯も都内某所でボディと一緒に売りに出されていて、ボディもレンズも修理が不可欠ということで、或る好事家の方と共同で買って、レンズを引き受けた、ということでした。
では、早速、この幻の銘玉の修理上がりの実力を逐次眺めて参りましょう。ボディはLeica M(TIPO240)、全コマ絞り開放によるAE4撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、実はこの前の週に富士フィルム様からX-pro3とFujino50mmf1.0の広報機を拝借し、試写を行って、ロケハンを行っていたため、このスペシャルなレンズの試写もまだ桜の咲き残る浅草界隈で行おうと思い立ち、ご丁寧にランチまで同じお店で戴いてから、観音裏から三味線堀公園経由、今戸へ抜けようと思い、山谷線堀公園の桜並木の間から顔を出すスカイツリーの雄姿を一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、ここ山谷堀公園は、大正の初期くらいまでは吉原から大川に繋がる水路で、江戸の昔は、大川から猪牙舟でここに漕ぎ入れ、そのまま流れを遡って、吉原大門の近くの船着き場まで繰り出す、というとても優雅なお遊びの舞台だっただけあって、公園内のオブジェも都市の記憶と云えるような示唆に富んだものがしつらえてあり、その中で「雀百まで踊りを忘れず」という格言をアルミの鋳物で具象化したものがなかなか秀逸だったので、足を止めて至近距離で一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、山谷堀のどんづまり、即ち都道314号線こと言問大谷田線との合流点を左手に進んで3分も歩かないうちに沖田総司終焉の地、かつ招き猫発祥の地、女性宮司で有名な今戸神社に到着するのですが、あいにく前週と違い当日はモデルさんになってくれそうな雰囲気の小姐各位が見当たらなかったので、絵馬を眺めるグループ客の後ろ姿を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、前週はお賽銭も上げずご無礼したので、お賽銭を上げて心ばかりのお参りを済ませ、立ち去る前に何か面白いオブジェでも、と注意深く本殿周りを徘徊してみたら、肝要植物の野生化したみたいな不可思議な植栽の真ん中に赤い耳に前掛け、全身金泥で輝く如何にも金運呼び込みそうな招き猫の人形が目に付いたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、同じく今戸神社の境内で、先ほどグループ客各位が手に取って眺めていた絵馬の奉納スペースを本殿サイドから南の空に向かって眺めてみると、露出は難易度超高しですが、背後にスカイツリーの雄姿が収まり、なかなか構図としては面白いので、EVFを覗き、露出補正とAEロックを駆使して何とか文字・図柄まで辛うじて判読出来る状態で撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、今戸神社の次は、前週はそれなりにきちんとお参りした聖天社は失礼して、浅草寺は境内に入ることなく奥山から西参道方面へと抜け、合羽橋経由、上野に抜けてしまったので、浅草寺から仲見世界隈を撮ろうと思い、速歩きで待乳山の下を通った時、下の公園で、いたいけな童子達の遊ぶ声が聞こえたので、足を止めて、ブランコで遊ぶその姿を一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、浅草寺病院東側の北側の出入り口から本堂に向かって歩いていくとソメイヨシノはもはや盛りを過ぎて、殆ど葉桜となってしまっていましたが、それと入れ替わるように濃いピンクも艶めかしい八重桜が盛りを迎えつつあって、木立の影から、総チタン葺きの黒々とした大屋根の威容も見え隠れしてきたので、適当な辺りで足を止めて一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、手水舎で手と口を清め、本堂にお参りして清々しい気分で階下に降りたとたん、いたいけな小姐二名に呼び止められて、本堂前で二人の記念写真撮って欲しい、出来れば、パナソのミラーレスでも・・・ということだったので、ふたつ返事でお引き受けし、代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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九枚目のカットですが、奥山方面に移動しながら、記念撮影している人の多い影向堂近辺で、いたいけな観光客にでも声掛けようかと本堂前を歩き出した途端、本堂西側テラスに着物の一団がたむろして、思い思いの自撮り棒で、大声で何か主張しあいながら記念撮影みたいなことをやっていたのが目に付いたので、下から駆け上り、久々の中国語で話し掛けて、モデルさんになって貰ったもの。

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十枚目のカットですが、上で話し掛けて撮って、背面液晶見せながら、通訳してくれる人経由、撮ったのを後で送って上げるねとか話をして、手を振ってまた下に降りた途端、下から一部始終を見ていたとのことで、バングラデシュから来たというお二方に呼び止められ、我らもお願いしたいとのことだったので撮って上げて、後で送る約束したもの。

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十一枚目のカットですが、今日はずいぶんポートレートを撮ることが多く、ミラノとかバルセロナでのスナップみたいだなぁとか独り言ちて、ふと本堂下の巨大香炉に視線を走らせると、明らかに国産と判る、いたいけな小姐一個分隊が、他人様の上げたお線香の煙で御利益の端くれでも頂こうと、他力本願寺みたいな行動していたので、有難く反対側から一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、奥山方面へ移動するのをすっかり放念上人し、境内の定点観測スポットの巡回モードに入り、まずはお御籤売り場へ足を運んだところ、お参りの御利益か、いたいけな極小姐が若いヲヤヂさんと一緒にお御籤なんか抽いて、難しい文字なんか読めないはずなのに、一生懸命、籤に書かれた図柄をもとに内容を読み解こうとしていたので、その努力に感じ入って、後から一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、そろそろ奥山界隈と、例の風車の弥七オブジェなど撮りたいと思い、再び本堂方面へ足を向けたところ、本堂下の寺行事掲示板の下で、自撮り棒が機雷なのか、或いは単に宿に忘れてきたからなのか、腕を精一杯伸ばして、二人の記念撮影をスマホンで撮ろうとしているベトナム人の兄ちゃんが居たので、見るに見かねて声を掛けたら、大喜び、何枚か撮って上げたお礼にモデルさんになって貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、奥山方面に歩いて行って、影向堂の手前辺りで、またしても、スマホン片手に道行く人々を目線で追ってる小姐二名組が目に留まったので、記念撮影ですか?良かったら撮って上げましょうか?心臓停まるくらい上手いですよ♪とか適当な自己PRしたら、そんなに上手くなくてもイイですけど、お願いします、ということで、何枚か撮って上げたお礼にモデルさんになって貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、美人茶屋あずまさん裏の扇子屋さん店頭の大和絵団扇が定点観測スポットの一番目であるとしたら、本堂を抜けて西参道入り口付近にしつらえられた、常盤堂プレゼンツの壁面一面の風車、通称?風車の弥七オブジェはまさにトリで、今回の試写の締めとして、いつもの通り、壁面ギリギリ斜めからその中の一枚にピンを合わせて撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、物故メーカーの中でも、レンズを自社設計していたズノーこと帝国光学、そしてペトリ、ミランダは作例も多く、また工房でも過去に何回か試写したことがあったので、実力のほどは良く判っていたつもりですが、この田中光学の、しかも、Nikon、Canonですら、開放撮影でのハロや近距離撮影での球面収差、像面湾曲等に悩まされたf1.5のゾナータイプで、まさにオリジナルのオプトン製並みのシャープネスやコントラストを発揮する性能には心底驚かされました。実際には2月の京都旅行で実力のほどは判っていましたが・・・

さて、次回は、再び遠征のため一週スキップ、その翌週はBaltar25mmf2.5で撮った花の季節の小田原城界隈の写真をご紹介、乞うご期待!!

  1. 2021/06/06(日) 13:54:21|
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An egg of Columbus ~Rodenstock EL-Omegar50mmf3.5~

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さて、今宵の更新ですが、予告通り、工房にずっと眠り続けてきた、ドイツはRODENSTOCK社製EL-OMEGAR50mmf3.5の試写結果をお送り致します。
このレンズ、今から10年以上前に電子湾で、次々と引伸しレンズを落札、輸入していた時、プラ製鏡胴の軽くて造りがチープな玉に1万円弱も払ってしまい、バックフォーカスが少し短めでライカマウントでは改造が面倒で、そもそもプラレンズなんか手間暇かけて改造する気も起きなかったので、ずっと防湿庫の隅っこに捨て置かれ、そのうち取引先のウオータージェットでレンズのカッタウェイでも作る時の実験台にでもしてやろう、とかよからぬことを考えたことすら忘れさられた存在だったのが、ふとEマウント金物が安く輸入出来、また、BORGヘリコイドのコピー製品も安く買えたので、ものは試しに、と結合させて、試写してみたら、その見た目のチープさ、軽さに反し、フルサイズ機の画面の隅々まできちんと結像し、無限でも解像力出ていてびっくりしたので、ここにアップしようと思い立ったものです。
レンズ構成は3群3枚のトリプレットで、RODENSTOCK社のラインアップではROGONARの前の製品らしいので、おそらく80年代の製品と思われます。
ではさっそく、試写結果を逐次眺めて参りましょう。カメラはSONYα7RII、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、当日の試写も遅めのランチを兼ねての外出だったので、そのお食事処の周辺からのスタートになりますが、神田は千代田小通りの神田駅の方が少し近いくらいの場所にある「五ノ神水産」さんにて至高のオマール海老スープのまぜそばを戴き、しかるのち、比較的撮影スポットが散在している神保町方面でまず目に付いた、某食堂店頭のお猿さんのオブジェを撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、これも神保町は靖国通り沿いのスポーツ用品店店頭に飾られた、のっぺらぼうならぬ、今どきの若い小姐を模したマヌカンの像ですが、妙にサラサラとした変わった色合いのかつらがなかなかおしゃれだったのと、背景に文字の書かれた看板、そして点光源があったので即採用し、最短付近で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここ神保町はかつて「写真工業社」が位置していたことからも判る通り、表通りよりもむしろ、靖国通りに繋がった裏通りの方が、種々雑多な景色があって、試写にはもってこいなので、定点観測である、コロッセウム風の建造物へ移動する途上の昭和の匂い濃厚なホルモン焼屋さんの店頭を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、側道を神保町交差点方面、即ち西に向かって歩き出したらすぐに、絶滅危惧種から不死鳥の如く復活を遂げたアナログレコードをメインに扱う中古レコード屋さんの店頭の路上に、風雪に晒され、ちょっとバンクシーの風刺画っぽいテイストを纏ったいたいけな極小姐の看板があったので、至近距離で一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、数分も歩いたら、神保町界隈での撮影ではすっかり定点観測スポットと化した、飲ん兵衛のローマ人?の木製の看板をバックに明治大学だったかのコロッセオ風の建物が聳え立つ路地に辿り着き、おっさんのハゲ頭にピンを合わせて木製看板をメインに路地の様子を撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、飲ん兵衛ローマ人の看板の在る路地から、再び神保町交差点方面に歩き出してすぐに、或るテイクアウト専門の飲食店の店頭にさりげなく置かれ幾星霜、ところどころペンキも剥がれ、木材が剥き出しになってはいるものの、コカコーラのコーポレートIDである鮮やかな赤地に白の文字は依然とくっきり残っていて、また光線の射し込み方が面白かったので、足をとめ、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、靖国通りの北の側道を歩きながら、ふと目に留まった陶製のネコがツタの間から姿を覗かせるオブジェですが、実は既視感有りで、これもつい視界に入って、足を留めて撮ることとしたのですが、そう、今戸神社にも本殿前にそっくりの風景有ったのを先週土曜日に発見し、びっくりしたもの。

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八枚目のカットですが、神保町交差点を北上する白山通りの車の往来の音が聞こえてくるくらいのエリアでランチタイム終了で準備中の中華料理屋さんの店頭の人の頭近くの高さに誇らしげに飾られた、使い込まれた鉄製の中華鍋とおたまのセットが何となく重厚な質感を発散していたので、足を留めて下から一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、腹ごなしついでの神保町での撮影は上がり、次いで、半蔵門線沿いでスカイツリーが近くに見えるところに行きたいキブンだったので、まずは沿線の撮影スポットである清澄白河駅で降り、ここも複数の定点観測スポットがある、清澄通り西側に広がるモダン長屋の前で通行人が通りがかるのを待って一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、ここも清澄白河のモダン長屋界隈での定点観測スポットのひとつである美容室の前にさりげなく置かれた、どことなくトロピカルな雰囲気の色使いのグラデーション塗装の自転車と、なんとその背後のガラスに白ペンキで手書きされた月の休業日一覧を一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここも清澄白河のモダン長屋の定点観測スポットのひとつである、昼からやってるビアハウスの店頭で煌々と点された白熱電球型LED電球と「BEER」の看板を吊るした、妙な造形意識の滲み出た水道等配管用鉄パイプ製の支持具が面白く、当日も至近距離から一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、モダン長屋を南の端まで歩き通し、再び半蔵門線に乗るべく、元来た道を引き返そうとしたら、これまた定点観測スポットである白くペイントされた木製の壁と大きなガラス窓が目印の個人商店系ブティックの前で撮っていなかったことを思い出し、いたいけな小姐の乗る自転車が通り掛かったのを奇貨として一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、モダン長屋の北の端、清澄庭園の入り口へと続く塀沿いの東西を貫く道路の手前辺りに位置する店舗群の前辺りで、前方から、天気も良かったことから、長屋の前の通りを仲良くお手々つないで歩いてくるいたいけな若いカポーの姿を認めたので、程よい辺りで通行人エキストラ出演願ったもの。

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十四枚目のカットですが、清澄白河駅から半蔵門線に乗って、東京メトロ区間では終点となる押上駅で降りて、十間川の水面にスカイツリーの優美な全景が映る秘密ポイントまで徒歩で移動することとし、川の南側を歩いていたら、おそらくはスカイツリー観光の外国人目当てで開業したのでしょうか、妙にアーリーアメリカンテイストのダイナー&パブのお店があったので、店頭を掃いていた店主に断って、オブジェのアメ車を撮らせて貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、まさに当日の撮影の締めくくりに相応しく、またこの一見チープな名門の鬼っ子のようなレンズの底力を思い知らされたカットになったのですが、十間川上に掛けられた或る橋の上から、陽も西に沈みかけ色づいた雲に囲まれ、水鏡と対になって優美ながらも力強い姿を見せてくれたスカイツリーを撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、破壊する寸前だった防湿庫の澱のような扱いだった名門の鬼っ子が、点光源でも、後ボケでも至近距離での解像力でも、遠景の描写でも、同世代のレンズで、ましてやトリプレットでここまでの性能を発揮するものは見当たらないくらいの実力を見せてくれたことに驚きました。

さて、次回は旅に出ようと思いますので一週スキップ、その翌週は秘宝館から国産大口径の真打登場予定、乞うご期待!!
  1. 2021/04/04(日) 22:02:45|
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Optics from a foreign country where ancient mage might create masterpice of doll with blue eyes~OPENAR50mmf2.0~

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さて、今宵のご紹介ですが、予定通り、青い目をした魔道士の作ったお人形のガラスの目玉のような東欧の魔都からやってきたレンズの実力のほどをご紹介致します。

まずこのレンズは1949年に発売になった、チェコスロバキアはメオプタ社のレンズ交換式ファインダーカメラ、OPEMA2の標準レンズで、構成は4群6枚の普通のWガウスタイプとみています。
カメラもレンズもライカに酷似しているので、バルナックタイプのライカに使えると思いきや、マウント径が1mm近く小さく、その上、フランジバックが公称1.3mm、実測では2mm近く短いので、ライカに何とか捻じ込んだとしても、近接専用になってしまうので、答えは、使えない、ということになります。

そこで、当工房では、新たにライカL39-SONY E用のアダプターのスレッド部を削り出して作り直し、SONYαで使えるようにしたものです。なお、このL38のスレッドを多めに作っていたので、同時にFUJI Xマウントとのアダプターも製造しました。

今回はイメージサークルの大きさと周辺の画質を確認すべくフルサイズで裏面照射CMOS搭載のSONYα7RⅡでテストしました。

ロケーションは浅草、撮影条件は絞り開放での絞り優先AEとなります。

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まず一枚目のカットですが、ロケ当日は、久々に浅草に出るので、何か旨いものでもランチに食べようと思い、ひさご通り奥の豚肉料理専門店「Groin Groin」さんで至極のローストポークランチを戴き、それから試写スタートとなったのですが、ひさご通りから奥山経由、浅草寺本堂へ抜けるルートで、花やしき通りを通っていたら、番屋みたいな建物のデコレーション前で、今や希少種と化した中国人一家が記念撮影していたので、声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、奥山まで来たら、つい最近の定点観測スポットとなった、常盤堂プレゼンツの壁面一面風車が生えている、人呼んで「風車の弥七」の壁でもテストを行おうと花やしき通りから南に曲がってみてびっくり、何といつもは閑散としていた壁面の前に西参道に入ってすぐのメロンパン屋さんで買い求めるための行列が出来ていて、済みませんね、この写真撮りたいんで、とか声掛けて行列の間を通して貰い、いつものように斜めから特定の風車、今回は紫の柄物手前の赤を狙って撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、無事、風車の弥七の壁前での試写を終え、奥山を本堂の在る境内に向かって歩いていたら、五重塔根底部の建物に面したちょっとした広場のような庭の石にちょこんと腰掛けた、いたいけなカポーが秋めいたお揃いのベージュのアウターなんか着込んで、秋の陽光を浴びながら楽しそうに語らい合っていたので、これはちょうどいい構図だなと思い、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、本堂へ続く奥山からの道の北側には影向堂を筆頭に、数多くのお堂やらストゥーパ、石碑、石像のような信仰対象が点在し、その間にクリークのような水路が流れていて、その水路にはなかなか重厚な佇まいの石橋が架けられていて、これがまさに「石橋を叩いて渡る」のイメージか、と思わせるに十分な存在なのですが、その故事を知ってか知らずか、この時期では珍しいインドネシアからのゲスト各位が着物に色とりどりのヒジャブなど被って、橋の上で記念撮影なんかしていたので、その様子を遠巻きに一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですがインドネシアの小姐の写真を撮らせて貰い、さあてと次は本堂周辺で画を拾いましょうとか歩き出したら、今度は日本人のなかなか落ち着いたトーンの和服を着こなした小姐二名組が、如何にも和服と草履の組み合わせでの行動は慣れてまっせ♪と云わんばかりの上手な歩き方で、しゃらり、しゃらりと目の前を元来た、奥山の方面へと通り過ぎていったので、慌てて後ろ姿を捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、そうこうするうちにやっと荘厳なチタン屋根を葺いた本堂の真下まで到着、なかなか撮影に応じてくれそうな和服の小姐グループないし家族連れが見当たらなかったので、ここも定点観測スポットと化している本堂西側の金属製天水桶の緑の口縁に赤の篆刻のような意匠文字で刻まれた赤い陽刻にピンを合わせて、背景にスカイツリーを写し込む構図ですが、なかなか至近距離での陽刻はシャープ、その代わりと云ってはなんですが、スカイツリーは勿論のこと、手前の手水場の屋根までややざわついた荒れ気味のボケとなりました。

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七枚目のカットですが、本堂に久々にお参りしてから、周辺でモデルさんになってくれそうな人々を探していたら、和装に髪飾りのマリーゴールドの造花がとても似合う小姐が居るグループが本堂の段上から目に留まっていたので、声を掛けてみたら、インドからの留学生ということで、本堂、五重塔をバックに彼らの記念撮影して上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、インド人留学生のグループと挨拶して別れてから、手水場の辺りで被写体を探していたら、焼香場にこれまた秋っぽいベージュのお揃いのハーフコートともパーカーともつかないようなアウターを着込んだ小姐二名組が線香を買い込んで、着火してから巨大香炉の焼香場に向かって行ったのが目に留まったので、速攻、速足で後ろに向かい、その様子を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、次なる定点観測スポット、御神籤売り場まで来たら、お御籤の入ったステンレスの六角柱から何度も筮竹を出しては記念撮影みたいなことをやってる、ヤラセ女子二名組を発見し、みーちゃった、みちゃった♪、面白そうだから、拙者にも一枚撮らせてよ、代わりにスマホンで記念撮影して上げるからさ、と声掛けてみたら、快諾、但し、マスクを外すと置き場がないので勘弁ということだったので、斜め後ろから撮影での出演となったもの。

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十枚目のカットですが、境内は宝蔵門東側、藤棚の下に設けられた衆生の休憩場の手前で清潔そうな純白モコモコのアウターを着た小姐が秋の陽光を燦々と照り返しながら、一心不乱にスマホンなんかいじっていたので、レンズのフレア具合い見るために観音様がお遣わしになった女人であろう!と勝手に思い込んで、藤棚の緑をバックに後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、当日は似たような境遇の気の毒なレンズの試写もしなければならなかったため、まず雷門までの間で一通り撮ってしまおうと思い、足早に宝蔵門まで移動してみれば、これまた今のご時世珍しい東南アジアからのゲストと思しき小姐2名、兄ちゃん1名のグループが宝蔵門の支柱の周りで記念撮影なんかしていたので、さっそく声をかけてモデルさんになって貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、宝蔵門を後にして、仲見世通りを歩きながら、ふと早田カメラでも寄って、OPEMAの交換レンズの話でも社長に聞こうとか思ったのですが、やはり、社長曰く、30mmが有るにはあるが、自分も実物を見たことがない、とのことで諦め、隣の洋食店のミラーガラス上に掛かれた白文字でも撮ろうと思えば、下に大きめのママチャリが停められており構図的にNG、仕方なく、その並びの料理屋の門番の石の狛犬を最短距離で撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、伝法院通りの仲見世を挟んで東側には、いつもラムネ売りのヲヂサンの屋台が出ているのですが、今回はラッキーなことに、ちょうどラムネを呑み終えて、ラムネ売りのヲジサン他と上機嫌で歓談していた、一匹オオカミのチンドン屋さんである、プッチャリンさんに初めて遭遇出来たので、声掛けて、スカイツリーをバックに一枚撮らせて頂いたもの。

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十四枚目のカットですが、プッチャリンさんと同行の女人(奥様)にお礼を申し上げ、周囲の人たちの撮影ラッシュの輪を後にして、仲見世を足早に歩けば、あっという間に雷門が目に入り、その手前、「美人茶屋あづま」さんの角を西に曲がった側道との交差点北西の扇子屋さん店頭の、ど定点観測スポットである大和絵団扇のディスプレイ中のひょっとこの目にピンを合わせて撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、さて、次は雷門外東側の土産物屋さん店頭の風鈴群でも撮ろうかいなとか思いきや、居ました居ました、買ったばかりのメロンパンだかを食べながら交互に記念撮影している和装の国産小姐二名組が、ということで、食べてるところ、斜め後ろから撮らせてよ、スマホンで記念撮影して上げるから、と甘い言葉で誘い、モデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、いやはや、先の当工房ブログでは、OPEMAに装着した姿だけ紹介し、実写結果は出していなかったのですねぇ・・・しかも、写りは甘く全然ダメという巷の噂に惑わされて、全然、試写してみようとさえ思わなかったうちに肝心要の専用ボディはシャッターリボンが切れたとのことで、全然使い物にならなくなってしまったし・・・が、今回、ふと閃いてL38の全周スクリューを削り出して、一挙にFXとEマウント作ってしまったので、試写してみたら、予想以上に良く写りましたし、イメージサークルも24x32フォルマットのカメラ用であるにもかかわらず、全く問題なくフルサイズCMOSをカバー出来たし、云うことなしでした。

さて、次回は月末~月初の連休を利用して旅に出ますので、一週お休み、その翌週から旅写真をお送りしたいと思います、乞うご期待。
  1. 2020/10/25(日) 23:18:48|
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A duel before rain~Comparison of eccentric optics, Cinor40mmf1.5mod.M & Miranda50mmf1.4

さて、今宵のご紹介ですが、まずはお詫びと訂正。荒天のため、希少なクラシックレンズの試写には忍びなく、急遽、研究用に撮影しておいた、f1.5クラスのワイルドレンズの比較をご紹介したいと思います。
今を遡ること9/26の土曜日、毎年、この時期には可憐な秋の赤い妖精達、深大寺の彼岸花を愛でに出掛けていたのですが、今年はちょうどそのスィートスポットには金沢ツアーに出てしまっていて、何故か出遅れた昨年同様、待ちきれなかった赤い妖精達は、穴場である深大寺城址の彼岸花畑には数本しか残っておらず、水棲植物園の畔に辛うじて咲き残っていたまばらな花々を撮影したのと同じ轍を踏むのかと思いきや、今年は関東地方は雨が多い上、朝夕の冷え込む時期が遅れたため、その日、電車とバスを乗り継いで、遥々、妖精達との再会に胸膨らませて、霧雨がパラつく城跡への坂道を速足で登って行ったら、何と、今年は早めに開花したという、これまた可憐な白い妖精の如き、蕎麦の花が出迎えてくれて、望外の邂逅に気を良くして、深大寺城址公園のランドマークである「この樹なんの樹、気になる樹」のずっと手前の蕎麦畑で、地元民各位の丹精に感謝しながら、何枚か撮らせて戴いてから、この樹なんの樹の奥、敷地西端の土塁の間の雨樋状の狭い場所に設けられた秘密の彼岸花畑まで足を運び、心おきなく妖精達との1年ぶりの再会を喜び、有難く撮らせて貰ってから、再び、坂道を降り、水棲植物園のミニ湿地帯の土手に咲く赤いや白色の彼岸花達とも再開を祝し、雨が本降りになるぎりぎりまで撮ってから、また、バスと電車を乗り継いで、江戸表に戻ってきたもの。
では、さっそく、そのワイルドレンズ達と秋の妖精達のセッションを逐一眺めて参りましょう。

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まず第一シーンですが、上がCinor40mmf1.5でカメラがX-Pro2、下がAuto-Miranda50mmf1.4でカメラがα7RIIの何れも開放(以下、同じ条件)で、水棲植物園のゲートから深大寺城址に上がっていって、木立の間の曲がりくねった坂道を通り抜け、視界が開けたところに二面設けられた蕎麦畑ではちょうど白い可憐な花々が盛りを迎えていたので、至近距離でそれぞれ撮ってみたもの。
やはり、ペツバール型のCinorno非点収差によるグルグル、周囲の像面湾曲、そしてそれらに反比例するかの如き、中心部のシャープさはかなり印象的で、それに引き換え、Milandaは遠方の木漏れ日に口径食は見られますが、それほど背景は暴れてはくれませんでした。

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第二シーンですが、何れも、ほぼ最短距離で撮ったのですが、APS-C機でX-Pro2だと60mm相当になってしまい、50mmそのままのMirandaに対して、同じ距離で撮ると単純計算でも2割増しになってしまうのですが、このシーンでは何故か、Cinorでも背景が野分が来たか、或いは映画ファイナルカウントダウンの時空の渦が開いたシーンかと思えるような激しいグルグルも像面湾曲も認められず、むしろ、背景の溶け方はMirandaより滑らかにさえ見えてしまうという不可思議な結果となりました。

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第三シーンですが、これは厳密に云えば、同一の被写体ではありますが、同じ大きさに入れようと、狭い彼岸花畑でクリアランス稼ぐべく、角度少々変えて撮ったもので、背景の流れ具合をストレートには比較できないとは思いますが、ここではCinorの方は、その荒々しい本性を思い出したかの如く、非点収差と像面湾曲を遺憾なく発揮し、中央の主役を引き立てることに成功していますが、片やMrandaの方も背景や周囲は若干二線ボケは認められるものの、それほどうるさいものではなく、中心部のシャープさとコントラストの高さによる質感表現では一歩もひけをとっていないように思えます。

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第四シーンですが、これも深大寺での試写では浅草寺での仲見世側道の扇子屋さん店頭の大和絵団扇並みの定点観測スポットなのですが、深大寺城址公園芝生に聳え立つこの樹なんの樹の南西に伸びる、深大寺城址の館跡を示す、発掘調査に基づいた礎柱の位置を記した黒御影石のオブジェなのですが、これも、出来るだけ同じ大きさで撮ろうと位置変えて撮ってみたもので、いずれも手前の石の一番近いエッジにピンを合わせて撮っていますが、Cinorが非点収差と像面湾曲を思う存分発揮し、おどろろおどろしくも印象的なカットに撮れているのに対し、Mirandaの方はその場の静謐さを写りで表現しているかの如く、フルサイズ機でも画面の隅々まで破綻なく、素直でクセのない優等生的な写りを見せてくれました。

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第五シーンですが、深大寺城址公園の高台から、麓に広がる水棲植物園の湿地帯へ別のルートで降りようと思い、白い花々が満開の蕎麦畑の南側を通った時、この角度からの方が、先ほどの北側からのアプローチに比べ、密なイメージで撮影出来るのではないかと思い、足を止め、下はぬかっていたのですが、ひざを着くすれすれまでしゃがみ込んで、一番手前の花を狙ってみたもので、やはり狙いは成功、Cinorではシャープに映し出された主人公の花を中心に背景の花々が野分のごとく渦巻いてダイナミックな印象を前面に押し出していますが、Mirandaの方は云えば、ここでは背景のボケにザワつくような芯は認められず、静謐な中にも主人公の白い花を描き出すことに成功しています。

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第六シーンですが、実はクラシックレンズにとっては、大敵中の大敵、大輪の白い花の撮影、ここ、深大寺以外ではなかなか目にすることが少ない、アルビノ種の白い彼岸花が水棲植物園東側の土手沿いの何か所かに群生していたので、相変わらず霧雨が降り続く中、逆にピーカンでないことが幸いして、Fuji、SONY、どちらの機種もEVFで覗く画面一面が白い照り返しによるフレアに塗りつぶされることもなく、彼岸花の花弁特有の繊細な造形を余すことなく描き切るのに成功したものですが、それでもCinorは背景と周囲が非点収差と像面湾曲により大暴れ、もう一方のMirandaの方は画面の隅々まで破綻の無い描写ですが、背景の木々の濡れた葉からの照り返しがややザワついて見えます。

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第七シーンですが、深大寺水棲植物園には、高台の深大寺城址公園の蕎麦畑と並び、湿地帯の一部が水田となっており、そこで水稲の栽培が行われているのですが、お腹を空かせた渡り鳥やら、近所の雀、烏、椋鳥、或いは目の細かさからすれば、イナゴ、バッタの類いをシャットアウトすべく、この時期になるとオレンジ色の霞網が山脈の如く、何本もの支柱により張り巡らされ、それが角度によっては、オレンジの波が空間を畝っているかの如く見えるので、アマチュア写真家各位の恰好の被写体となっているのですが、丁度良いところに彼岸花が一輪咲いていたので、霞網を背景に撮ってみたものですが、Cinorの方は背景のオレンジの網と云わず稲の波と云わず、盛大な非点収差、像面湾曲攻撃で大暴れですが、Mirandaの方は。あたかも印象派画家が水彩画で描いたかの如く、静謐な秋の一コマの如く捉えています。

今回の感想ですが、Cinorはこれまで何本か改造したペツバールタイプのものの中でも、殆ど、コンスタントに大暴れしてくれて、レジャーやらお仕事の記録には到底使い物にならないキワ物ではありますが、まさに芸術は爆発だ!を辞世の句にされた某著名芸術家の先生の意思を具現化したかの如きキュービズムの絵筆であって、一方のMirandaはNikon、Canon、Minolta、そしてPetriと比べても、ワイルドな玉だとは思いましたが、今回は相手が悪かった・・・借りてきたネコの如く大人しい挙動を示しただけにとどまってしまったような気がします。

さて次回は予定通り、いにしえの魔道士の作った,お人形のガラスの蒼い目玉のような、東欧の魔都からやってきたレンズの実力のほどを試してみましょう、乞うご期待!!
  1. 2020/10/18(日) 23:52:31|
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奇貨可居~Tamron SP28-80mm3.5-4.2 FC Macro~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、OMマウント繋がりという安直な選択で申し訳なくはありますが、たまたま、物故マウントであるOMマウントだったというだけで、そこそこキレイで内部も異常ない販価44000円のズームがちょっと豪華なランチ一回分で買えてしまったので、ちょい汚れが付いていた1、2群のみ開けてクリーニングし、あとは殆ど買ったままでの試写です。
このレンズ、1983年発売、1987年終売のアダプトール2というユニバーサルマウント付のもので、今や、その交換マウントの方が健全なものを探すと高くつくような代物となっていて、レンズ構成は8群9枚で最短距離は80mmで36cmまでのかなり意欲的な仕様でした。
実は、何かの時のために、とアダプトールはニコンFとキャノンFDとペンタックスKまでは揃えてあるので、今回の試写が上手く行けば、色々使い道はあるな、という下心も有って、買ったのでした。
では、さっそく実写結果を眺めて参りましょう
ロケ地は深川森下、カメラは、このところ、真面目な働きぶりが評価され、すっかりお散歩カメラの位置をゲットしているSONYα7RIIによる全コマ開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川森下は「深川せいろ飯」で名高い「割烹みや古」さんで珠玉の「深川せいろ飯御膳」を戴き、それから近傍で試写スタート、ということで、まずは清澄白河駅から歩いてお店に来る途中に見つけた面白そうなシーンということで、緑のトタン外壁のイイ案配のやれたカンジの飲食店を撮ろうとしたら、来る時にはいなかったミニクーパー氏が路駐していたので、有難く借景で一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、清澄通りを南に向かって歩けば、10分もしないうちに清澄白河の交差点に出て、そこを渡ってから門前仲町方面に向かって1~2分も歩けば、この近辺の定点観測スポットである、関東大震災後に造られた、通称モダン長屋商店街に行き着き、さっそく、手前の音楽教室前に陣取り、後から追い越していったママチャリにご出演願って一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここもモダン長屋の一角で定点観測スポットとなっている、パステルトーンの自転車がガラス張りの店頭にさりげなく置かれている美容室なのですが、これもよくよく冷静に観察してみれば、ガラスにメタリック塗装の車体ということで、高反射率の被写体の複合パターンで、内面反射の高いレンズでは大フレア大会となり、著しくコントラストは低下してしまうはずなのですが、ピーカンで激暑の下町の午後でも、不思議と涼し気な風合いとなったもの。

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四枚目のカットですが、ここも躯体がコンクリート製のこの長屋の中では異彩を放つ、札幌時計台の如き、白塗り板張りのグラスエリアを店頭に据えた個人経営のブティックなのですが、いつもは、グラスエリアを主体に、人や自転車が通り過ぎるところを画面目いっぱいで切り取っている構図に対し、今回は28mmの画角をフルに使えるので、長屋の屋根まで入れるべく縦位置で全体像を捉えてみたもの。

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五枚目のカットですがこれも、同じくモダン長屋のもうちょい清澄白河交差点寄り、次の目的地である「江戸深川資料館通り」への交差点手前の辺りまで歩いて行ったら、ちょうど、横断歩道を渡ってきた、レトロなカンジの麦わら帽の小姐が交差点方面に向かって力強く歩き始めたので、28mm域でその後ろ姿を捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、ホントは18時過ぎくらいになって、陽が暮れ出してから、「BEER」の武骨な白い看板の下に吊るされた精巧な白熱電灯型LEDの灯が目を惹く時刻の方が、画的には数倍魅力的なのですが、そこまでこの灼熱の深川の下町で時間を潰すのも勿体ないですし、撮った結果を即見たい!ということで、まさに昼行燈を地で行く状態で一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、実は試写の前の晩にも、テレワーク体制下での運動不足解消のための毎日の就業時間後の近所の一万歩ウォークにて、ここ清澄白河付近を散策した時、帰りにたまたま資料館通りに足を踏み入れ、と或る居酒屋の店頭に「今日から俺は!」劇場版と思しき、気合いの入った人形が置かれていたので、それを撮ろうと思い、ランチを「みや古」さんにして、てくてくと撮りながら歩いてきたのですが、途中から資料館通りに入ったため、清澄通りから展示されていた「案山子フェスティバル」の一環とはつゆ知らず、趣向の凝らされた案山子に目を奪われ、まずお出迎えの一号機を挨拶代わりに一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、ここ「江戸深川資料館」通りは良く云えば、再開発の波に呑まれず、比較的、昭和の建物がそこかしこに保存されている、悪く云えば、流行から取り残され、ディープな観光客しか寄り付かないエリアとなっていて、あまり新型コロナ流行前後で人通りが変わったような印象も無いのですが、それでも、不動心の象徴の如く、群馬や栃木辺りの都市部でも消滅してしまったかの如き下町の総菜屋さんが健気に営業を続けていることに敬意を表し、一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、ここ資料館通りの「案山子フェスティバル」はどうやらコンテスト形式らしく、それぞれ、時事ネタを巧みに取り入れた上で趣向を凝らした造形で以て、それなりに耐候性もある案山子に仕上げて来ているのですが、まさか!?と思うようなものが視界に入り、なんと、新型コロナこと「COVID19」の病原体であるコロナウィルスの顕微鏡写真を擬人化して、「コロナ星人」として地球を侵略中・・・と展示していたので、子供達も尖鋭化してるなぁと独りごちながら熱々カポーがその前を通るのを待って一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、新型コロナみたいな殺伐とした時事ネタもありますが、展示物の製造元が周囲の児童会みたいな団体で、指導者には閑なご老人も居るようで、普遍的な、観る人の心を和ませるような造形のものも勿論有り、こんな和やかな案山子で果たして腹を空かせたカラスやら雀が恐れおののいて畑から遠ざかってくれるだろうか?という風情で孫をあやすお爺さんといったテーマのものを見つけたので、ほっこり一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、趣向を凝らした様々な案山子を眺め、また商店街のそこここに点在する、昭和の名残を留めた店舗兼住宅など眺めていたら、あっと云う間に資料館通りの商店街のアーケードのどん詰まりが見える辺りまで来てしまい、そろそろ、本日のメインディッシュである「今日から俺は!」の剣山頭の不良高校生の案山子の写真でも撮ろうかいなと思った矢先、ふと脇道に目を向けたら、古風な工場風の建物の前にメテオグレーのRX-8が・・・ということで嬉しくなって一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、思わずきれいなRX-8の写真が撮れたことが嬉しくなって、足取りも軽く、もうすぐどん詰まりも近い資料館通りの商店街を歩いていたら、妙に店先が賑わってる、土産物屋のような和装屋のような不可思議な商店があり、近寄ってみたら、インスタ友の「田巻屋」さんで、前から何度も前を通っていたのに気づかなかったとはいやはや不覚、と思った矢先、補助輪付自転車の童子とその若いヲヤヂが傍らを通り過ぎていったので、店頭写真に入って貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、深川東橋から冬木町経由、工房前の東富橋まで続く道である墨田区役所通りとの交差点近くに辿り着き、やっとのことで、昨晩、仄暗い居酒屋の灯りに照らされた「今日から俺は!」の剣山頭の不良高校生とその同僚のとうもろこし頭の二体のかかしがちょうど資料館通りに平行し、向き合う形で設置されていたので、個々に撮るより、一緒の方が、とのことで逆光もののかわ、一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、資料館通りの商店街から表通りに相当する清州橋通りを通って、再び、地下鉄駅の有る清澄交差点方面へ戻らねばならないので、墨田区役所通りを北に曲がったら、なんと、その側道では、ワーゲンの古いバンがちょこんと鼻先だけ出して停まっていたので、閑静な住宅街をバックに一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、ここ清澄白河エリアのモダン長屋と並ぶ、昭和の建築遺構、いや、まだまだ十分に現役なので、遺構といっては申し訳ないレトロ建造物の雄、同潤会アパートが次々取り壊されてもう地上には残っていないのに、ほぼ同時期の建造物として、表通りに威容を誇る「清州寮」の姿を28mmで捉えてみたもの。

今回の感想ですが、安物のOM-NEXアダプタで内面反射対策をしないまま試写に出てしまったので、ハイライトではフレアっぽくなってしまいましたが、周辺まで破廉恥な像面湾曲や光量落ち、妙なマゼンタ、シアン転びもなく、中心付近では素晴らしく解像力も高く、なんでこんなお値段で叩き売られていたのか不可思議でたまりませんでしたが、こんどSONYから出るレンジファインダ型のコンパクトフルサイズ機α7Cにつけて小旅行など持ち出したら、GALAXY S9の出番が減ってしまうのではないか、との印象です。いやはや80年台後半の日本のレンズ専業メーカーの高級機の性能は侮り難し。

さて来週は久々に友と旅に出ますので、一週スキップ、その翌週から二週くらいで旅写真レポートしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2020/09/13(日) 21:03:03|
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Unexpected reborn of ordinery optics~OM F.Zuiko 50mmf1.8 Auto-S~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、有り合わせの材料で美味しく料理する・・・まさに使い勝手の良い下町の大衆食堂の如く、工房のパーツ取りの過程で発生したパーツの組み合わせによるリビルト品の試写結果をレポート致したいと思います。
今回のクランケ(患者さん)はOLYMPUS OM Zuiko50mmf1.8、既に銀塩カメラの終焉と共にシリーズも命脈を終えたOLYMPUSの小型軽量アマチュア用一眼レフOMシリーズ用の最廉価標準レンズです。
当工房では、先のDallmeyerのOscilloやら、General Scientific社製のものやら、プロジェクタ用のバレル
レンズに至るまで、口径が太すぎて、ライカマウントのヘリコイドに収まり切れない光学系の改造には、主にOMのヘリコイドを使って、ライカMマウント金物を付けたり、フジのXマウント金物を付けたりと便利に使わせて貰っているのですが、そうすると当然のことながら、ZUIKOの元の光学系のエレメントは失業してしまい、かなりの頻度で貼り合わせ部が白濁しかけている後群はともかくとして、まだ使えそうなエレメントがパーツとしてストックされていて、今回、前玉は傷、中玉はカビながら奇跡的に後群は白濁も傷もコーティング剥がれもなく、健全な状態だったので、当面、ヘリコイドを使う改造は無い見通しなので、いっちょう、手持ちパーツでいまだ人気の根強いOM Zuikoをリビルトしてみようと思い立った次第。
このレンズは4群6枚のオーソドックスなWガウスタイプで、1971年にOM-1(発売当時はM-1なるもL社からのクレームで改名)の普及判標準レンズとして発売され、細かい改良は受けながらも2000年頃にOM2000を最終モデルとして銀塩一眼レフ撤退と共に生産・販売中止となりましたが、普及品であったが故、かなりの数がジャンク市場に出回っているため、パーツ取り用ドナーとして重宝されるのです。
ではさっそく実写結果を逐一眺めて参りましょう。
カメラはX-Pro2、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、試写当日はお昼は上野駅のレカンで食べてしまったので、浅草は試写するだけの目的につき、上野からは銀座線の地下鉄で移動し、雷門近くの出口から上がって、まずは至近距離でのシャープネスと逆光を見たいと思い、ちょうど空いていた雷門のアイデンティティである巨大赤提灯下に滑り込み、底部の金物に施された逆ハーケンクロイツのメタリックな輝きを北側の空を入れて撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、お江戸随一の観光名所のランドマークをあまり一人で占拠すると、遠路遥々訪れた観光客各位を熱いさなかお待たせしてしまうことになるので、そこそこに場所を空けたら、待ってましたといわんばかりに入れ替わり立ち替わりにいたいけな着物姿の小姐二名組が邪魔者の居なくなった赤提灯の雄姿を上から下まで収めんと、かなりムリして二人でのけ反って撮ってる姿が面白く、後ろから一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、本来であれば、雷門の次の定点観測スポットである「美人茶屋あづま」さんの店頭で実演販中のお仕着せ和服の健気な女給さんの精勤するお姿でも物陰から仮借ない観光客各位に混じって、さっと撮ってしまいたいところですが、そもそもお客も居なけりゃ、女給さんもおらず、お店番は仏頂面の中年男一名では寄り付く気持ちも失せ、ちょうどその先の角の舟和の仲見世支店前に若いカポーが和服姿で得も言われぬ雰囲気を醸し出していたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、やはり鎖国モードだと、写真撮らせてと声かけると一緒になってはしゃいでポーズなんか決めてくれる世界各国からの陽気なノリの観光客各位が皆無につき、そもそも人出が昨年レベルには戻っていない上に仲見世路上には和装の若い人々が極めて少ないかったので、早々に歩き通して宝蔵門前でも同様にシャッターチャンスなさそうなのでパスし、手漕ぎポンプの近くに行ってみれば、居ました、居ました子供会みたいなのがプチ遠足みたいな行事で出っ張ってきていて、盛大に写真なんか撮ってるので、ちょうどセミシルエットで手を洗っている小々姐が居たので、父兄に混じって有難く一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、境内でも、これまでの経験則からして撮らせて貰えそうな雰囲気の和装グループは皆無につき、仕方なく物撮りモードに入ることとし、まずはいつも通り手っ取り早く、本堂向かって左側の天水桶の上縁に陽刻された謎の赤い象形文字みたいなのをモチーフに青空に映える東京スカイツリーを無限の背景に入れて撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、こういう時はだいたい奥山方面に行くと何かしら被写体は有るものと相場は決まっているので、西参道方面に歩いて行くと、このところの浅草寺西方面での定点観測スポットである常盤おこしが設けたという無数の風車の壁まで歩いて行く途中、影向堂のちょい先の西側広場脇に二階家ほどの高さの樹があり、その下の方の枝の先に可憐な藤色の花が咲いているのが目に留まったので、足を留めて、最短距離で一枚試し撮りしてみたもの。

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七枚目のカットですが、このところ不調の「美人茶屋あづま」さんやその裏の扇屋さん店頭の大和絵団扇のデスプレイに代わり、新たな定点観測スポットとなった西参道そばの常盤堂おこしプレゼンツのインスタスポットである風車の弥七モニュメントも、同じようでいて、時折、風車を総入れ替えしているらしく、今回立ち寄ってみた時は、夏の猛暑に対する一抹の清涼剤を意図したかの如き、涼やかな水色メインにところどころアクセントとして、どことなくピカチュウめいたレモンイエローの羽根に赤い留めピンという仕様のものも混ぜていたので、記念撮影する小姐各位に邪魔にならぬよう真横から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、無事、風車の弥七モニュメントを撮り終え、無謀にもインスタ小姐各位に無理くりモデルさんをお願いしようとした巨大デジ一眼レフヲヤヂが、大丈夫です、大丈夫です、あ、これは結構ですって意味ですから・・・とか解説付きのお断りモードを発揮され、ほうぼうの呈で逃げ出したのを尻目に見てから本堂方面に向かったら、影向堂前で記念撮影結果を見てる小姐が居たので、スマホ覗き込んでいるとこを撮らして、と頼んで一枚撮らせて貰ったもの。

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九枚目のカットですが、実は本堂前の石畳を全面張替え工事していて、そもそも人通りが生じないような動線となっていて、お御籤売り場にも人気は無し、手水場も同様ということだったので、宝蔵門そばで張ってみようかと思った矢先、偽金髪も午後の傾き出した陽光に煌めく、如何にもレンタル浴衣という風情の小姐二名様が傍らを通り過ぎて行ったので、振り返りざまに一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、昨年の今頃でも、休日はその石畳さえ見えることのなかった仲見世ですが、意識せずともソーシャルデスタンスが保てるくらいの閑古鳥状態にも拘わらず、OZとか大人の週末系のお手軽グルメ特集記事紹介型の雑誌メディアで取り上げられたお店はそこそこ人を集めており、宝蔵門から程近いこの揚げ饅頭だかの店頭では、糖質制限ダイエット何するものぞ!?という気概の小姐が列をなしており、ちょうどそのうちの一名、大人になった"偽赤毛のアンアン"みたいな小姐の髪が午後の陽光に煌めいて見事だったため、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、シャッターチャンスを物色しながら仲見世を雷門方面目指して歩いていくと程なく伝法院通りとの交差点に到達しますが、この日も屋台を曳いたラムネ売りのヲヂサンが居て、背景にスカイツリーが丸見えのロケーションも功を奏して、インスタ映え目的の自撮り用小道具として、そこそこレトロで涼やかなイメージのビン入りラムネがいたいけな浴衣姿の小姐には売れているらしく、先に買い求めたカポーに引き続き、小姐二名様も買い求めようとしていたところを斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、仲見世を歩きながら、確かに、背中で語るカットで統一しても面白いな☆とか思いついた矢先、手前のお店から出て来たカンカン帽に麦わら手提げバッグの、郊外へハイキングでも出かけるかの如きいで立ちの小姐と、一見お揃いの黒系装束のようでありながら、Guessのロゴをサークル状に大きく配した派手なTシャツの兄ちゃんが手に手を取ってしっぽりと歩き始めたので、これ幸いと有難く後ろから一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、目の前の雷門が大きくなってきた頃、前方の定点観測スポット、「美人茶屋あづま」さんの店頭に目線を走らせたら、もう食べちゃってお替りを買おうかどうしようか逡巡しているのか、或いは近所の鍵っこで、別のことにお小遣いを使ってしまって、好物の黍団子を買えず、仕方なく店頭の賑わいでも眺めようかと時の移ろいに身を任せたままにしているのか、独りぼっちの極小姐がかいがいしく働くお店のカウンターの横から中を覗き込んでいたので、後ろから一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、夏季限定の定点観測スポットとなった雷門東側、天婦羅の「三定」裏の土産物屋さん店頭に吊るされた、如何にも涼し気なギヤマン製風鈴が一列に勢揃いし、極僅かなクルマの通り過ぎる風に揺れて、晩夏の夕方の陽光を煌めかせながら、微かな音を奏でる様子を至近距離に陣取って一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、さぁて、何処かでお茶でもしてから帰ろうかなと雷門前まで歩いて行ったら、ちょうど良いことに結婚式か何かの記念撮影のリハーサルか何かで、如何にもその業界の人ですよ、と云わんばかりの黒づくめのパンツ姿のウェディングコーディネータの小姐他スタッフと金襴緞子の帯締めながら♪みたいな和装のカポーが緊張しながらも真面目に段取りの打ち合わせなんかやってたので、横から、多幸を祈りつつ、他の観光客に混じって一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、実はアダプタなのか、組み合わせたエレメントの相性の問題なのか、精密調査をしていないのですが、無限が4m程度になってしまっていたので、近~至近距離のカット尽くめになってしまいましたが、それを覗けば、オール開放でここまで撮れれば十分及第点ではないでしょうか。

さて、次回ですが、実はこの試写の帰りにSONYのEマウント用アダプタを買い求めたので、これは点検後、再試験するとして、家に有った分解清掃済のOMマウントのズームレンズを実験台に試写しましたのでご紹介します、乞うご期待!!
  1. 2020/09/06(日) 21:31:15|
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Challenge to impossbility in restoration~Jupitar8L39~

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さて、今宵のご紹介ですが、先週水曜くらいまでは、従来のレンズ改造10本分の手間をかけて実写可能にした超希少レンズのレポートをお送りしようと思っていたのですが、実は先週の金曜日に四谷三丁目の良心的なジャンク屋さんから破格値で買い受けてきたロシアレンズのレストアが予想以上に上手くいったので、これを放っておくわけにも行かず、急遽デビューさせることとしたものです。
どんな状態だったかと云うと、レジから店内に向き直って、真っ先に目に留まる箱の中に一本だけ銀色の小さなライカマウントレンズと思しきものが転がっていたので、手に取ってみると、かたかたと僅かに音がして、店主曰く、たぶん直らないと思いますので、部品取り用でしょうね・・・と。
半信半疑、もう一台の獲物である某マミヤの独自バヨネットマウントの不可思議一眼レフと一緒に持ち帰ってから、状態を確かめると、確かに内部で固定されていないエレメントがあるらしく、振ってみるとかたかた音がする。
で、早速分解してみると、このゾナー型の三群のうち、前から二つ目の三枚貼り合わせ、即ち凸凸凹の二枚目が無いらしく薄いため、G2を固定する全周ネジのアルミリングを奥まで締めても、すきまが残るため、かたかたと音がする、という状態でした。
また、ずっとこんな状態でかたかたと内鏡胴の金物にガラスがぶつかっていたたけ、周囲には数か所貝殻割れの小さなものがあちこちに見られ、工房の診断では、すり傷とコーティング傷みが目立つ、前玉とセットで交換、ということになりました。奇跡的に後玉は擦り傷もなければ、Jupitar8系統には持病の如きバル剥がれもなく健全な状態だったので、このまま使うこととしました。
早速、工房にストックしてある、数十本分にも及ぶJupitar8系列のスペアパーツから、まず傷が少ない前玉を選び、USSRレンズ固有の赤いコーティングの関係上、透過光が青色がかることを確認し、第二群では比較的透過光がアンバーがかり、ガラスの状態の健全なものをルーペでチェックし選び出し、組み合わせを選び出しました。
前のものとは硝材とカーブが少し異なるので実焦点距離は誤差の範囲内でも、内鏡胴の固定位置は少なからず変わってくるので、まず光学系を組んで、ヘリコイドに仮固定してから、コリメータで根気よく無限位置を割り出し、しかるのち、絞り指標を距離計指標の基準点に合わせました。
やっと出来た臓器移植2/3の重症患者はコリメータとテストパタンで見る限りでは、オリジナルゾナーにも負けない解像力、画像の均質性が得られていたようだったので、、昨日、浅草に至高のランチを食べに行くついでに試写を行ってみたもの。
ではさっそく、当日の行程に沿って、実写結果を眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RIIでの全コマ開放絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、今回の試写も深川から江戸表の浅草まで試写だけのために出てくるのも何なので、前々から限界にチャレンジしようと思っていた浅草観音裏の豚肉料理専門の名店「グロワグロワ」さんで至極の四元豚ローストポークランチなどを戴いて、幸福に浸りお店を出てから、さて、何から撮り始めようかなと我に返ってすぐに目に留まった並びの提灯屋さん店頭の赤提灯を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、実は田原町で降りて、お店に移動する途中でも、撮影スポットの見当を付けながら歩いていたわけで、すき焼き今半さんの一本南の裏通りが路地裏の焼肉タウンみたいになってて、なかなかイイ雰囲気だったので、足早にそちらに向かい、白提灯をターゲットに路地全景を撮ろうと構えたら、いたいけな極小姐二名が出て来て遊び始めたので、有難くエキストラ出演願ったもの。

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三枚目のカットですが、「グロワグロワ」さんの位置するひさご通りから、まずは定点観測スポットが数多く存在する浅草寺境内へ向かうべく、奥山経由、本堂へ最短ルートである、花やしき通りを通るべく、ゲートの手前まで辿り着いたら、如何にも雨の日のお出かけ然とした長靴履いて傘を握りしめたいたいけな極小姐がオモニに手を引かれて横切ろうとしていたので、とっさに一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、花やしき通りに入ってすぐ、細い路地から、人の気配と話声が聞こえてきたので、目を向けてみたら、どうやら、正真正銘の路地裏の人気店がその奥にあるらしく、大勢の老若男女がおとなしく列をなしていたので、列最後尾の小姐のいかにも夏らしい麻のアッパッパの風合いを捉えるべく、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、花やしき通りを奥山方面に向かいながら、途中にも何か面白い被写体はないものかきょろきょろと物色していたら、観音裏の初音通りの一角の涼をとるべく設けられた藤棚の手前に新しく出来たたこ焼き居酒屋の赤地白く擬人化したタコの図を染め抜いた幟が面白かったのでお店の出入口手前から一枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、花やしき通りをどん詰まりまで歩き通すと西参道のゲートに辿り着きますが、このところの新しい定点観測スポットとなった常盤堂プレゼンツの風車の弥七メモリアルモニュメントともいえる千成風車の壁面でも撮ろうと思い、足を運んでみたら、嬉しいことに先週とは全て取り換えられて、青一色の基調となっており、さっそく有難く斜め横から一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、壁面を斜めから撮って、背面LCDモニタで確認していたら、済みません、スマホで一枚撮って貰えませんか、いちおう拭いてお渡ししますので、とかいう今風のお申し入れをしてきた小姐二名組が居たので、イイよ♪と二つ返事で撮って上げたあと、ではモデルさんになってよ、と申し入れたら、えーセンパイ、顔出しはマズイすよ!ということで特徴的なツインテを撮らせてもらうことで妥結したもの。

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八枚目のカットですが、奥山を経て本堂方面へ向かうべく影向堂前まで歩いてきたら、一心不乱にスマホンの画面なんざ二人で覗き込みながら、関西弁で西方面に抜けたら仲見世へ戻るのが大回りになるし、昼間から酔っ払いが歩き回る西成みたいなところ通らなあかんで、とかけちょんけちょんに浅草をコケにしまくってくれていたお登りさんにつき、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、そうこうするうちにあっという間に目の前の本堂まで辿り着いたら、珍しいことにこの時期、絶滅危惧種に等しい、海外からのゲストの集団が、青息吐息の観光産業の典型、レンタル着物を一個小隊借りてのコスプレ撮影に勤しんでいたので、いちばん、器量の良さげな小姐の番になった時、リーダーと思しき平服の兄ちゃんにタイ語で話し掛けたら英語でオーケー貰って撮らせて貰ったもの。

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十枚目のカットですが、今回も従前の第一の定点観測スポットである扇屋さん店頭の大和絵団扇が展示枠ごと店内に仕舞われていて、撮影どころではないし、「美人茶屋あづま」さんも小姐がビニールシート越しにフェイスシールド+マスクということで、到底撮影しようという気など起きない状況だったのでスルーし、前回、結構イイ感じだった、雷門横、三定裏の土産物屋店頭のギヤマン風鈴群を撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここもいつもながらちょい安直ではありますが、レンズのシャープスやら逆光耐性を見るのにはちょうどいい、仲見世のどん詰まりに位置する雷門直下、パナソニックプレゼンツの大赤提灯の底部金具のメッキしたての金物の叩き出し逆ハーケンクロイツ文様の輝きを今回も最短距離で撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、次なる目的地、ジョナサン田原町店に向かおうといったん北へ向かうべく、仲見世の東側側道を歩いていたら、たまに試写に利用させて貰っている製造直販のお煎餅屋さんの店頭のガラス開口瓶に入った各種あられ類が、表面に塗られた醤油とみりんの混合液の焼きあがったイイ照りを見せていたので、比較的好みな「げんこつ」の札にピンを合わせて撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、仲見世側道と仲見世を東西に貫き、東端が東武浅草駅に繋がる新仲見世通りとの交差点に位置する「美人茶屋あづま」さん母体の「味処あづま」の店頭で、如何にも昼から飲酒しそうな人種が徘徊する浅草ならでは集客方法と感心しましたが、氷水の張られた透明なボウルに「貉祭」だのスーパードライだのが漬けられて汗をかいていたので、その涼し気な様子を一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、その交差点に付近で果たしてどのルートで田原町まで歩こうか、いや、せっかく上野・浅草まで出て来たのに、近所にもあるようなファミレスで時間潰すのが時間の使い方として妥当なのか、或いはインスタ映えする写真撮れるのか、自問自答している傍らを浴衣に身を固めたいたいけな小姐二名組が通り過ぎていったので、とっさに後姿を一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、結局、先週、豪奢なランチを戴いたレカンでスィーツを戴きながらティータイムを楽しめることを思い出し、ファミレスで小さなパフェとドリンクバーで800円以上もすることから、寧ろ割安感すら感じられることから、いつもとは違う、本願寺の裏の道を上野駅まで歩くこととし、偶然、和風旅館を改装したゲストハウスの格子窓に咲いていた昼顔を至近距離で一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、やっぱり、四谷三丁目の写真機商親子のカメラ、写真に賭ける思いの熱さをまた感じさせられる結果となりました。
たぶん、パーツと測定器具無いとここまで復活させることは出来なかったでしょうが、直せないものを直せないとお金を払う前にビジネスライクに言い放つ。売らんかなという意欲が溢れるのもいけないですが、それ以上に商品に対し良しあしを正確に見極めた上でそれに見合った値札をつけ、買おうとする人間には正直にその値段の理由を告げる・・・まだまだ長い付き合いになりそうです。
さて、次回は旅行に出掛けたら一週スキップ、行ってなければ同日に別のお店にて買い求めたもう一本のレンズの実力をお披露目しましょう、乞うご期待!!
  1. 2020/07/19(日) 19:17:59|
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Ordinary but exciting~Minolta Rokkor PF 45mmf1.8~

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さて、今宵のご紹介ですが、期せずして二週スキップ゚となってしまいましたが、この梅雨時、週末が雨になってしまうと、せっかく試写に出掛けようとしても叶わず、人間の無力さを感じざるを得ず、忸怩たる思いで気まぐれな天気の微笑みを乞い願い、やっと今週は梅雨の晴れ間が顔を出してくれ、やっと更新に漕ぎつけられた次第。
そこで、満を持しての今週のご紹介は、ですが、済みません、地味なレンズで・・・。
ドナーさんはシャッターもファインダ連動もガタガタで再起不能の1963年発売Minolta Himatic7の光学系、Rokkor PF45mm f1.8の前後光学系を工房特製の汎用テストベッドに取り付けてのテストとなります。
このRokkor PF45mmf1.8とは、即ち5群6枚という凝った構成で全群を分解したわけではないので、どこが空気界面になっているのかは、一眼レフ用のPFレンズを開けてみたら、2群と3群間が空気ギャップになっていたので、おそらくは同じ構成になっていると思われます。

では、早速、今週末の実写結果を逐次眺めて参りましょう。
撮影条件は全コマ開放絞り優先AE、ボディは1~9枚目がX-Pro1、10~15枚目がX-Pro2となります。

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まず一枚目のカットですが浅草といえば、伝統と実績と不愛想?な店主有名な某カメラ店がありますが、そこに久々の挨拶がてら顔出した通り道にある、凝灰岩製のシーサーないしは狛犬の彫像がなかなかイイ味を出していたので、最短距離のシャープネスを確認するために行き交う通行人の怪訝そうな目線もものかわ、しゃがみ込んで慎重にピンを合わせて撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、凝灰岩の彫像が置かれている伝法院通りと仲見世通りの交差点をそのまま宝蔵門方面に歩き、門の近くで記念撮影している観光客各位にでも声掛けて撮らせて貰おうとしましたが、さすが金曜日の午後は全く閑散としていて無駄な努力であることが一瞬にして判りましたので、そそくさと次なる定点観測スポットである御籤売場に向かうと、ここも人気が無かったのですが、こういう時こそ撮れるカットもあろうかと、手前の御籤筒にピンを合わせ、売場全景を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、境内はやはり人もまばらで、声掛ければ気前良くモデルさんになってくれそうな国内外の見目麗しいゲストは皆無、そこで仕方なく、個人的な案件で観音様本堂にお礼参りをした後、本堂向かって左側の天水桶の謎の象形文字にピンを合わせ、無限のスカイツリーがどのように写り込むかテストしてみたもの。

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四枚目のカットですが、演歌「岸壁の母」ではないですが、奥山から西参道にかけてはインスタやら記念撮影に向いていると思われる建物やオブヂェが点在しているので、もしやもしや♪に曳かされて速足で移動してみれば、やはり梅雨の合間の平日の午後という厳然たる事実は変えようもなく、ヂモティの方々すら姿が見えず、仕方なく、常盤堂が観光用に寄贈したという風車の弥七オブヂェを1mほど先の1枚にピンを合わせ、ほぼ真横から撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、境内での撮影はほどほどに見切りつけ、このご時世、真昼間から、酒なんかかっ喰らっている、理解不能な人種各位が跳梁跋扈する通称「ホッピー通り」へと足を向けたら、居ました居ました、客引きがそれこそ2~3mおきに立ち並び、幾らオープンとはいえ、店頭のテーブルではビニールシートなどの飛沫伝播防止対策も皆無で高歌放吟のご様子なので、お裾分けとばかり有難く一枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、通称「ホッピー通り」でうろうろしているところを会社の同僚やら知り合いに見られるのもこっ恥ずかしいので、何枚か撮ったら早々に退散し、再び伝法院通りとの交差点を東に進み、何も撮れそうにない伝法院通りは足早にスルーして再び仲見世通りに戻り、被写体を探しながら歩いていたら、如何にも夏のリゾート行きそびれました・・・という風情の小姐二名が無為に宝蔵門方向に歩き去っていったので、その後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、仲見世通りの二大定点観測スポットである「美人茶屋あづまさん」は小姐スタッフ不在、扇子屋さん店頭の大和絵団扇は見本の方向がみんな店の出入口方向に向けられていたので何れも撮影不能、仕方なく、前回も富岡製リケノン43mmf1.7でテストした雷門直下のニュー提灯の金物のハーケンクロイツ似のエンボスを至近距離で一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、人も居らず、また今年はほうずき市も行われなかったようで、どの店頭にも色鮮やかな鉢植えのほうずきが吊るしておらず、困った時のほうずき頼みも出来ず、雷門前ではてさてどうしようかと思い巡らせていたら、いつもより少ないお賽銭にも関わらず、聖観音様のご加護の賜物なのか、風に弄ばれる風鈴の音が聞こえてきたので向き直ってみたら、三定奥の土産物屋さんの店頭に可憐な風鈴が沢山吊るしてあり、涼し気なガラス細工の煌めきを放っていたので、至近距離で一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、風鈴を撮ってから背面液晶で眺め、なかなかイイんぢゃない♪とひとりごちて居たら、来ました、来ました観光客が!ということで、海外から直送ということはこの時期有り得ないので、民間の在留者か進駐軍、大使館関係者の類いでしょうが、雷門を前にして、夏っぽい衣装のパンチパーマの大男が恰幅イイ小姐連れで記念撮影の仕方をディスカッションしてたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、一夜開けて土曜日の朝、不意に築地ランチが食べたくなり、起床時間も遅かったので重いものを食べてしまうと、せっかくのランチが台無しとなってしまうため、軽く紅茶とワッフルだけ摂って、シャワー浴びてから築地に出掛け、お目当ての「ととや」さんで久々の「サービス丼」など戴いてから、さては人気の少ない、ここ築地でどうやって撮ろうかと悩み、まずはヲーミングアップとばかり、波除神社の提灯群を一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、波除神社に一礼してから場外市場西端に面した道路を歩いていたら、来ました、来ました、マスクもせずにスィングしながらファンキーなフランス人の兄ちゃんが、ということで、ダッシュで近寄り、ちょっとイイか?ということでレンズと撮影の趣旨を等々と説明し、面白そうだね♪ということで、撮った写真送って上げる約束でモデルさんになって貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、幸先のイイ出足に気分もうきうき、場外市場を東西に走る通路の北から二本目の通りに面した斉藤水産さんの前を通り掛かってみたら、遠目で紐で括った仔豚が路上に打ち棄てられている、幾ら鮮魚商とは言え、家畜をぞんざいに扱うとは!?と義憤に駆られて速足で店の前に来てみれば、さにあらず、コロコロ太ったブルが飼い主のお買い物を邪魔しないよう、路上で寝そべっていただけでした、ということで、記念に一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、その齋藤水産さんよりちょい東にある南北通路との交差点をこのピーカンというのに、真っ黒い武骨なこうもり傘のあいあい傘状態で、嬉々として歩き去っていく、20代後半のカポーの姿が目に留まったので、追い縋って後ろから一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、前のカットを注意深く検分すると判るのですが、このこうもり相合傘カポーが通り過ぎた後、工房主の目に留まったのは、乾物商の店頭に掲げられた「COFFEE」の文字が刻まれた丸い浮動看板・・・この日は風が少々あって左右に揺れていたのでなかなかイイ位置でシャッター押すのに苦労したという知られざる苦労を秘めた一枚。

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十五枚目のカットですが、左右に揺れるコーヒー印の丸看板をほぼドンピシャ一発で思った位置で止められ、おっしゃ!と背面液晶を検分していたら、これまた築地場外市場には似つかわしくない雰囲気のリゾート行きそびれ系ファッションの20代後半OLみたいな小姐二名組がいかにも食べない、買わないつもりで散歩だけしに来ましたオーラ放ちながら傍ら通り過ぎていったので、有難く後ろから一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、今回のMinolta Himatic7用の前後光学系はクリアランスもバッチシだったようで、前回の富岡光学製リケノンではかなり気になった周辺の像の乱れ、像面湾曲と外コマが少なくとも、PCの15.6インチ高精細液晶でも判らないくらいなので、非常によくできたのではないかと思いました。今度、機会あれば、是非とも、ズミクロンの肩書も持つ、CLE用のRokkor40mmf2.0と白昼の決闘をさせてみたいとも思いました。

さて、次回は、長い間時間と手間をかけて、ほぼゼロから作り上げた幻のレンズの驚愕の試写結果をお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2020/07/12(日) 19:58:24|
  2. 深川秘宝館
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Nostalgic views in 21st. century ~ Yashinon45mmf1.8~

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さて、今宵のご紹介ですが、こちらお江戸は相も変わらず外出自粛中ではありますが、家の中に籠ってばかりいるのも気が滅入るので、やむなく、先週土曜日に工房から徒歩で回れる範囲、即ち、”三密”状態に陥るリスクを排除し得ない公共交通機関の利用無しでロケハンし、他人様との会話は勿論のこと、距離も3m以内には立ち入らないよう、最新の知見かつ細心の注意を駆使し、試写を行って参りました。
今回は、キャノンのライカマウントヘリコイドで距離計連動式新レンズを生み出すためのテストベンチである、セイコーSVシャッターユニットのどんがらにボーグヘリコイド経由Xマウントを装着した、云わば可動式テストベンチに、バックフォーカスの関係で今回はテストを断念せざるを得なかったCanon45mmf1.9に代わり、ヤシカ製レンズ固定式RF機のレンズの前後玉を装着し、実写を行ったもので、ドナーさんはヤシカカメラから1959年発売のYashica 35YLという機種のYashinon45mmf1.8です。
この玉は、可能な限り、エレメントを分解清掃し、内部反射軽減策を取った段階で確認した限りでは、4群6枚のガウス型でセイコーSVシャッターを挟み、きれいに前後群の3枚ずつが分かれるので、それをそのままテストベンチに捻じ込んで撮影に持ち出したもの。
では、さっそく当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはFuji X-Pro2による全コマ開放、絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、今回は豊洲でランチを摂ろうと考えてコース選定をしたので、永代通り経由の遠回りはパスし、木場と越中島の境界辺りから福山通運の巨大な物流基地を右手に見て、豊洲に入り、そのままトステムビバホームへ移動するコースを撮ったのですが、越中島の船溜まりの手前の木陰に黄色い花が健気に咲いていたので最短距離で一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、越中島から都立三商の南の運河にかかる橋を渡れば、あっという間に豊洲エリアに入るほど、工房所在地と豊洲は近いのですが、運河にかかる長い橋に差しかかった辺りでエンジン音が聞こえてきたので小走りに橋の真ん中を目指したら、まだシーズン前というのに、モーターボートが東に向けて疾走し、そのあとを水柱上げたジェットスキーが追いかけていたので、ちょうど画面の真ん中に来るのを見計らって、背後のツインタワァー西館共々、ミニチュアっぽく一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、運河にかかる橋を渡り切ると、まず豊洲の新ランドマークである芝浦工大の豊洲新キャンパスが目に留まり、駅やビバホーム方面に向かうにはその前を通り、すぐに左手に折れなければならないのですが、その曲がり角の歩道上にもかつてIHIの造船工場の街の名残を留めるオブヂェが置かれており、アングルと陽の射し加減を工夫して撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、芝浦工大のキャンパスからビバホームに向かうには、駅前から東雲方面、そして湾岸線へと続くメインストリートの一本東の通りを通るのですが、普段なら、職住接近のオフィス街ということもあって、休みの日ともなると、そこここに親子連れが溢れ返っている様子を目にするのですが、時期も時期だけなのか、もっと他に行きたい場所がたまたま有ったからなのか判りませんが、かなり閑散としていて、たまたまビル手前の共有緑地の石のベンチに腰掛けて語らい合った親子連れが目に留まったので、その後ろ姿を有難く一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、ここ豊洲は都内、或いは周辺に円高不況後、バブルを挟んで次々と造られた新都心に属するエリアでも最後発の組に属し、かつまた最も本物の都心に近いということから、かなりお金をかけて練りに練った都市計画をもとに整備されていて、ビルとビルの間の公開緑地も通路も無計画に継ぎはぎで造られた新宿副都心やら六本木、青山、西麻布界隈とは異なり、あちこちにゆとりが有って、散策も楽しめ、運動場手前の騎楼形式の一階廊下状通路のベンチみたいなところで、愛犬と寛いでいたゲントルマンが居たので、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、ビバホーム二階の回転しない回転寿司店では想定外の混雑ぶりで、到着時には40組近く前が居たのですが、棄権やら、人数やら席タイプ指定のノウハウのおかげで、30分ちょいで席に案内され、キブン良く食事を終えて、次なる撮影地、ららぽーと豊洲裏の運河付近での撮影を行うため、いつもとは違う、駅から西に向かう道路伝いに運河脇の通路に出る際、公園でいたいけな童子達がひなたぼっこがてら元気に遊んでいたので、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、道路脇のちょっとした遊具の置かれた公園みたいなところを通り過ぎたら、すぐ目の前に運河というか湾奥というか水面の煌めきが目に入り、いつも陰気な運河横の工房に寝起きし、この頃は在宅勤務とやらで、奉公先から出社するに及ばずと禁則を喰らってる身でもあって、自ずとテンションが上がるのですが、目を足元に転じれば、陽光燦々と降り注ぐ階段上でシャボン玉アワーを繰り広げる親子連れが居たので、バリバリ逆光もものかわ、上から目線で一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、水面に沿った通路を北に向かって歩くと、程なく、ららぽーと豊洲のシンボルである、旧IHI豊洲造船工場の遺構である造船用クレーンの鋼構造が目に入るので、画面に収まりきるぎりぎりまですり足で近寄りファインダ覗いてはまた三歩進んで二歩下がるという何処かの物故演歌歌手のヒット曲みたいな位置決めの上、ちょうど通行人が差しかかった瞬間にシャッター切ってみたもの。

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九枚目のカットですが、はてさて、シンボルの造船用クレーンの近くまで来てはみたものの、今回のパートナーは45mmの1.5乗数ですから、68mmという風景撮るには一番中途半端に近い画角のため万事休す、何を撮ろうかいなと思い巡らせていた横を親子連れがジョギングして通り過ぎていったので、EVF覗きながら丁度いい辺りに来るのを待ってシャッター切ってみたもの。

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十枚目のカットですが、ここ豊洲一帯は、大学近くのオレンジの鋳鋼製車輪のみならず、至る所に街の記憶というテーマでかつての造船上に縁のある、錨やら歯車やら車輪やらがオブジェとして配置されているのですが、ここららぽーと豊洲裏の船溜まりはかつての造船所の中心部だっただけあって、その記憶の残滓たる鋼製オブジェの展示にも念が入れられており、中でもいつも錆止めの白ペンキを厚塗りされた歯車の群れが陽光を浴びて印象的なので、停止線の鎖から乗り出して一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、クレーン下のウッドデッキの広場で、先の陽光燦々と降り注ぐ下での白ペンキ厚塗りのオブジェ撮影が奇しくも逆光に対するこのレンズの強さを立証する結果となったため、より近くで陽光を照り返し光っている、おそらくは仮係留用の鋼製重しのような物体表面に鋳込みで表された文字がどの程度表現できるのか試しに一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、次なる目的地、晴海橋梁の雄姿を撮るべく、ララポートを右手に見ながら水面沿いの通路を北にずっと歩いていくと晴海橋梁の袂に繋がるルートに出るため、わざと遠回りし、いったん、ドックの上を渡された人道橋ではなく、馬蹄状ドックの奥部を回る際、ドックであった船溜まりの岸辺に残されたポラードという船係留に使う鋼製の遺構をオブジェとして再利用したものがあったため、嬉しくなって一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、この元ドックだった小さい馬蹄状の入り江は現在は都営連絡船の船着き場に利用されており、いつもは、松本零士デザインの「Himiko」とその2番艦「Hotaruna」が入港するのですが、今般の新型コロナ騒動で都営の水上バス系は皆運休とのことで、ヒミコ姉妹の留守を守る都所有のパーティクルーザーに代役出演願ったもの。

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十四枚目のカットですが、元ドックの船溜まりの底部はかつての造船所の構造にならい、水面から高く作られていて、眼下の水面は言うまでもなく、その間をつなぐ、芝生、合間に立つ木々や根本のコンクリート製ベンチも一望に見渡せるのですが、この日も三密もものかわ、二密なら文句有るかぁとばかり木陰で密着攻撃を楽しむいたいけな若いカポー達が大量発生していたので、上から目線で有難く一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、いつもはストレートにその雄姿を捉えている晴海橋梁ですが、今回はシーズンのおかげもあって、武骨な高度成長期の働き手への長年の精勤に応えるためにか、袂に設けられたささやかな花壇付ミニ公園でバラが真っ盛りでイイ香りを発散していたので、花を主役に鋼製橋をセミシルエット的に捉えてみたもの。

今回の感想ですが、うーん、なかなか宜しいですね。さすがに開放だと周辺が大甘になりますが、それでも、普段使ってる、オールドレンズと比べれば、逆光に異様に強く、プロジェクタレンズだったら、画面の中に虹のオンパレードでオズの魔法使いが東京物語の予告編でも演じそうな勢いですが、これはフレア、ゴースト、コントラストの低下もなく、使い方によっちゃ素晴らしいレンズだなと思いました。

さて、次回は、生まれ変わった沈胴ユピテル8Mの試写結果でもレポートしましょうかね・・・早く戒厳令が開ければ良いですが・・・乞うご期待!!
  1. 2020/05/17(日) 23:25:51|
  2. 深川秘宝館
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Return from junk box~Jupitar8M rebuilt No.01~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、GW中の禁足令下での手持無沙汰に沈胴JUPITAR8M50mmf2の製造段階で、元々、Nikon Sマウントレンズ製造用パーツとして3ダースほど買い求めたキエフ用JUPITAR8MのCXマウントレンズ難有り詰め合わせから、マウント金物はNikon Sに合ったので利用したが、光学系は汚れが酷い、或いはカビているなどの理由で内鏡胴ごとジャンク箱に放置されていたパーツの中から、前玉では汚れたり、カビのようなものが覆っているが、キズが無さそうなものを選ってクリーニングし、第二群の三枚貼り合わせはバル剥がれと傷がなく、そして黄変色の少ないものを選って、後群の二枚貼り合わせは最後面によく有りがちな分解用レンチによる引っ掛け傷、バル剥がれが無く、黄変色の少ないものを選って、結像性能に大きく影響する1群と3群の組み合わせをメインに試し、三枚貼り合わせは外観による官能検査しかしようがないので、状態の良さそうなものを適当に選って、マウント金物の数である3つの良品光学系を作り出しました。
今回のものはRE01、即ち製造番号1号で性能的には前回アップした沈胴タイプの暫定組み上げモデルを超えていると思います。
では、5/9(土)の徒歩による森下~清澄白河~福住~深川の撮り歩き結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RII、全コマ開放による絞り優先AEでの撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、今回はランチに明確な目的があり、起床した時間でシャワー浴びてから身支度していたら、お店の開いている時間に間に合わなくなるおそれが有ったので、往きはズルして木場から東西線、門前仲町駅で都営大江戸線に乗り継ぎ、13:30よりも前にお店に入って、葦簀張りの大広間を一人で使わせて貰い、豪華な深川飯を戴き、しかるのち、近傍を撮り歩こうと、大川端の芭蕉像の飾られている小高い塚に赴いたところ、自粛延長に伴い、芭蕉記念館本館同様、閉鎖が続くとのことで、仕方なく、その隣の特徴ある避難階段を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、こんなご時世、通りがかりの人に声掛けるのも憚られますし、そもそも、足を留めて貰ったところで、マスクをしている人物を至近距離で撮ってもあまりキブンの良いものでもないので、昔の五輪真弓の「恋人よ♪」のカラオケの画面を思い出し、「マラソン人が行き過ぎる」ということで、河岸遊歩道をヂョギングする人の後ろ姿を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、今回の組み立てでは金物のクリアランス上、全く問題なく、無限が取れたので、こういう眺めの良いところで、風景を撮るのも悪くはないと思い、日本のヒンデンブル橋の異名を持ち、しかも、戦前のハイテク鋼材ハイマンガン低燐鋼材で作られて、鋼材をほっそりとした造りとしたという逸話が益々写欲をそそるので、一枚撮ろうかと思いきや、ちょうど、視界に日向ぼっこがてら散策に来た母娘が入ったので、急遽、そちらを被写体としたもの。

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四枚目のカットですが、河岸遊歩道にそれほど長時間留まっても、それほど被写体はなさそうな上、同じような背景になってしまうので、早々に退散し、都内のフォトヂェニックな橋の中でも、5本の指に入りそうな、由緒も正しい萬年橋の優美な鋼のお姿でも撮りましょうかと遊歩道から上に上がって暫くしたら、ちょうど、鼻歌交じりの自転車の兄ちゃんが通りがかったので、EVFで追い縋って一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、萬年橋の優美な姿を捉えたのちは、本来であれば清澄庭園に移動し、池の周辺でシャッターチャンスを狙いたいところですが、あいにく、ここも自粛期間延長ということで、とりあえず月内は閉園ということでやむなく離脱、再び清州橋通りに戻って蛙が軒天井からぶら下がっている青銅製オブヂェが印象的な浄土宗のお寺にお邪魔し、その軒天蛙の洒脱な姿を下から捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、軒天蛙の青銅製の青ざめた姿を後にし、すぐ東隣りの細い通りを南に抜けると、清澄白河の震災長屋ストリートに出るので、清州橋通りから南に曲がって歩き出してすぐ、両脇の寺院の敷地から覆いかぶさった木々の枝による日陰で、芙蓉のような薄紫のグラデーションの美しい花が咲いているのが目に留まったので、細い通路を背景として、最短距離で一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、昨年、確か、花祭りの期間に入って、甘茶掛けの話を聞かせて貰ったお寺だったので、今年は何かやっていないものかと、正門から中を覗き込んでみれば、立て看板に、三密を避けるべく、墓地での墓参りすら禁止、方向参りという本堂の中の祭壇から墓地の方向に向かって焼香、念仏が出来るという趣旨の話が記されていたのですが、納所前のちょっとした庭の石灯篭の前で何とレモンがなっていたので、これも最短距離で一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、お寺を後にし、清澄通りを南に1分も歩けば、すぐに関東大震災後に内外各地からの支援により建てられたというレトロモダンな雰囲気の震災長屋ストリートに出ますが、いたいけな童子が自転車で暴走してきたので、ちょうど良い頃合いを見計らって、エキストラ出演願ったもの。

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九枚目のカットですが、同じく清澄白河の清澄通り沿いの震災長屋ストリートの清澄白河駅に近い辺り、丁度、反対側に深川資料館へ続く道への横断歩道の在る辺りの植栽で、そこそこ背が高い白い花を付けた植物が目に留まったので、長屋の店舗をバックに撮ろうかとEVF覗いていたら、白いフレアスカートを風になびかせた、今や絶滅危惧種の聖子ちゃんカットの小姐が通りがかったので印象派絵画的後ボケとして出演願ったもの。

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十枚目のカットですが、同じくここも震災長屋ストリートの定点観測スポットである白い木枠の独立系ブティック店舗なのですが、このところの自粛の流れを受けて、閉店こそしていますが、それでも店内のデスプレィは、小姐各位には魅力的に映るのでしょうか、通り過ぎる小姐は皆、中を窓越しに覗き込んでいくので、その様子を傍らから一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、白い木枠のブティックから南方向に歩き、交差点の手前辺りにあるのが、震災長屋ストリートの人気店のひとつ、クラフトビールを心尽くしのおつまみとともに楽しめる、パブのような業態のお店で、ここの軒先に掲げられた水道管を繋いで作った看板と真昼間から煌々と照らされた白熱電球型LED電灯がなかなか面白いので背景のメニューやらお店の紹介みたいな掲示物の後ボケも楽しめるため、一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、ここも清澄白河の震災長屋ストリートの南の端、目の前の仙台堀川を渡ってしまえば、住み慣れた門前仲町エリアに足を踏み入れることになるくらいの清澄白河の外れですが、震災長屋ストリートの人間以外の被写体として判り易くて手っ取り早いサトちゃん象の電動遊具が置いてある薬局があるので、足を伸ばす価値あり、当日も店番の女将さんに目礼してから一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、いつもは森下ないし清澄白河から徒歩で清澄通り経由、工房に戻る時は門仲交差点まで真っ直ぐ歩いていって、そのまま木場方面に永代通りないし、その側道を通っていくのですが、このところのテレワーク後の散策で、だいぶ佐賀、福住辺りの様子が判ってきたので、西葛西橋通りを茅場町方面に曲がり、被写体としてはボツにしましたが、緑色に塗られたアールデコ調の曲線が魅力的な橋の姿を撮ろうとした時、偶然、河の下流に見つけた5月の風物詩の姿を撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、ここは今回の大発見、何と、東向島や曳舟、或いは本郷菊坂町の裏通り辺りにひっそりと残っていそうな戦前から戦後すぐにかけての木造モルタル造住宅が路地に建ち並び、何とその一角には手漕ぎポンプさえ残っていたので、狂喜乱舞し、一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、今回の思わぬ、近所での大発見に気を良くして、出がけの駄賃に同じく昭和の残滓が色濃く残るエリアを撮って帰ろうと思い直し、門仲交差点手前、赤札堂南の通りと交差する、辰巳新道という新宿ゴールデン街の劣化コピーみたいな通りに足を踏み入れ、丁度良い至近距離向けの被写体を見つけて撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、それなりに丁寧に組み上げれば、ゾナーはなかなか面白い写りをするレンズだということは再確認出来ましたが、室内での検査機器から、やっとスナップの相棒として首掛けストラップを与えたα7RIIもクロップ拡大の仕方を手が覚え、M(TIPO240)同等の速写が出来るようになったので、たとえ、レンズのテスト撮影途上でも決定的瞬間をモノに出来る可能性が高まったということです。

さて、次回はJupitar8Mリビルトシリーズはお休みにして、キャノネット用キャノン45mmf1.9の実力とやらを見せて貰おうか・・・ということで、乞うご期待!!
  1. 2020/05/10(日) 19:21:40|
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Nostalgic scenes brought by an optic of a company lost~Taronar45mmf2.8~

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さて、今宵のご紹介ですが、引き続き外出自粛中ではありますが、家の中に籠ってばかりいるのも気が滅入るので、やむなく、徒歩で回れる範囲、即ち、”三密”状態に陥るリスクを排除し得ない公共交通機関の利用無しでロケハンし、他人様との会話は勿論のこと、距離も3m以内には立ち入らないよう、最新の知見かつ細心の注意を駆使し、今回も試写を行って参りました。
今回は、キャノンのライカマウントヘリコイドで距離計連動式新レンズを生み出すためのテストベンチである、セイコーSVシャッターユニットのどんがらにボーグヘリコイド経由Xマウントを装着した、云わば可動式テストベンチに、これまでデジタルで試写が行われたことはまず無いであろう、国産絶版のレンズ固定式RF機のレンズの前後玉を装着し、実写を行ったもので、ドナーさんは日本光測機工業株式会社製の1964年発売のTARON VLという機種のTARONAR45mmf2.8です。
この玉は、奇しくも、かつて後玉をインダスター22のものに替えて、奇跡の復活を果たしたペトリオリコール45mmf2.8と同じく3群4枚のテッサ型でセイコーSVシャッターを挟み、前群が凸の前玉と後群が貼り合わせの凹凸と分かれるので、それをそのままテストベンチに捻じ込んで撮影に持ち出したもの。
ただ、このレンズの名誉のために申し上げておくと、個体の状態はあまり宜しくなく、前玉にはかなり大きめの磨き傷、中玉には小クモリと被写体側のコーティング劣化、後玉は最後面にやはり目立つ磨き傷が有るという満身創痍の状態を極力クリーニングし、コバ塗り直し、鏡胴内部の反射防止強化のみで試写に臨んだものです。
では、さっそく当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはFuji X-Pro1による全コマ開放、絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、またランチ含みでお昼過ぎに門前仲町方面へそぞろ歩きしながら、ランチスポットと被写体を探していたのですが、いつも贔屓のしている中国人店員のやってる豚骨醤油ラーメンのお店の手前の裏通りへ曲がる角の元和菓子屋の古風な木枠窓が今日は開かれていて、空を写してイイ案配だったので、通行人各位の視線もものかわ中腰で気合入れて撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、何処をどう歩いて遭遇したのか、正確には覚えて居ないため、再現性に不安有りではありますが、結構なお味の焼鳥&唐揚げ定食を駅近くの居酒屋ランチで戴き、相生橋経由、月島を徒歩で撮り歩こうと移動した途上で、あまりの手作り感というか、こんなのを勝手に作ってお店の宣伝マスコットに使うと、世界的ねずみ講ことD社が黙ってないんぢゃまいか?とか色々考えながら、でもまぁ、被写体としては面白いからイイんぢゃね?と一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、門前仲町の交差点を清澄通りに曲がり、西側を歩いて相生橋を目指すと、区立越中島プールが見えてきますが、その敷地の入り口付近の対岸の石川島造船所を記憶すりためのオブヂェなのか、巨大な鋼鉄製の錨と鎖の実物が数十本のステンレス製の細い柱に裏側から支持されて屹立しており、良く見れば、その二又に分かれた先端がダイオウイカの耳みたいなカンジで面白かったので、至近距離で一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、越中島プールの先はすぐ、大川端の河岸公園で、この日も天気バツグンであったため、三密を裂けるべく、各組、十分なソーシャルデスタンスをとってのハイキング気分、ちょうど、相生橋の全景が撮れるアングルの被写界下部に、いたいけな男女の童子を連れた逞し気なオモニが居たので、一家でエキストラ出演して貰ったもの。

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五枚目のカットですが、相生橋の全景を撮ってしまえば、さきいかの一本も貰えないような他人様のハイキング日和など、元より興味もないので、そうそうに河岸公園を後にし、相生橋を渡ろうとしたら、後ろから、今風の母娘が姦しく語らいながらやってきたので、後ろ姿でエキストラ出演願おうとやり過ごし、追い越しざまに風が小姐のポニーテールの髪を弄んだ瞬間をえいやっと一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、相生橋を渡り切ると、江東区の古都門前仲町から、中央区に属する帝都最古の下町、佃・月島に入るのですが、前回発見した、歩道上のあちこちに設けられた花壇に町会ごと飾り付けを行った縁起物オブヂェの一番手、招き猫ご一統様の福々しいお姿を至近距離から一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、招き猫ご一統様のすぐ先に、何とこのご時世に不埒なことに、屋外とは言え、1mも空けずに長々と行列を作り、人々はのろのろと前進していたのですが、何の配給かと先頭まで歩いて正体を確かめてみれば、「肉のたかさご」のご自慢の又焼を買い求めるための整理券配布だったらしく、納得、ふと横に目を転じれば、たかさご店舗裏の工場脇路地がとてもアーティスティックに錆びたトタン壁だったので、一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、これもたかさごの工場の横の路地を奥まで歩いて行って、偶然発見したのですが、既に廃業したと思しき、店舗兼住宅の入り口横の木製の飾り窓のペンキが数十年もの直射日光やら、潮風に晒されて、ひび割れ、木製の下地から剥がれて浮き上がった様子が半分だけ陽が射していて、とてもイイ雰囲気だったので、通りから一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、かなり面白い発見をして気分上々となり、清澄通りの一本北の裏通りを暫く西方面に向かって歩くこととして、結局は佃の住吉神社裏手の船溜まり北側の佃小橋辺りまで歩いて行ったのですが、その途上、家の横の花壇にバラを丹精されているのが目に留まったため、裏通りをバックに至近距離で一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、佃小橋の手前の船溜まり東側の低層住宅が立ち並ぶエリアの一角で、最新型と思しきイタリアの悍馬、フェラ-リを日光浴させているご家庭が目に留まったので、さっそくダッシュで近寄り、アルフィの高見沢某っぽい方(実は妙齢の女性!)が横で小物整理なんかしていたので、挨拶がてら声掛けて一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、佃小橋まで到達し、はてさて、いつもは広角レンズの独壇場の佃界隈で、焦点距離換算68mm弱のレンズでどうやって景色なりを切り取ろうかと橋の欄干の表札と睨めっこなんかしてたら、ぐっすり眠りこけたいたいけな同時を肩に担いだ若いヲヤヂさんがのしのしと通り過ぎていったので、即座に一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、佃小橋を渡ってすぐ、佃島での定点観測スポットである、銭湯一階に位置する中華の隠れ名店「麗江」さん店頭の甕出し紹興酒の空になった甕が並ぶ様を手前から三つ目の甕の素焼の蓋にピンを合わせて撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、紹興酒の甕のカットが背面液晶で見た限りは望外の出来だったのに気を良くして、15時のお茶の時間の前にもう一仕事とばかり、同じく佃・月島の定点観測スポットであるレトロ交番のある月島商店街まで歩いて行って、いつもとは逆に、望遠側になっているので、画面に交番を程よい大きさに収めるために道の真ん中に陣取らなくても良いので、気軽にアーケード下で待っていたら、ちょうどイイ案配に自転車のカポーが仲睦まじくやってきたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、月島レトロ交番も撮ってしまうと、後はもう消化試合みたいなキブンなので、適当に商店街のアーケードを西の果てまで流して、再びメインストリートである清澄通りに戻り、門前仲町方面へ500mも戻るとコンビニ二階に素敵なファミレスが在るので、そこでお茶とスィーツを楽しんでから門前仲町方面へ戻る途中、朝潮運河沿いの公園を通りがかった際、木陰で外メシを愉しむ母娘の姿を認めて、通りから一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、これぞ、このレンズの真骨頂!とも言えそうなカットですが、無事、佃・月島でのミッションを終えて、越中島の調練橋経由、木場方面へ戻る途中、いつもの通勤路とは違う径路を通ってみたら、木造の店舗兼住宅の鉄製外階段に夕陽がイイ案配に当たって輝いていたので、矢も楯もたまらず、一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、絶版メーカーのレンズ、しかも状態がベストではなくても、油断出来ないですね。このレンズ好きか嫌いかと聞かれれば、確かに68mm相当の中途半端な単玉一本では、街撮りでは、ずいぶんとあきらめなければならないシーンが出て来そうですが、これと同じ機種でずっと状態の良い個体を入手出来、それを当工房のCANON50mmライカマウントの鏡胴使って距離計連動化出来たら・・・考えただけでワクワクしてきました。是非とも、新型コロナ後の香港かハノイ辺りでスナップに連れ出してみたいですね。

さて次回は分解してクリーニグ終えたばかりのCANON45mmf1.9か、再リビルト後、無限調整したユピテル8か適当に気が向いた方を自粛ブームが吹き荒れる無人の街に連れ出しますので、乞うご期待!!
  1. 2020/05/03(日) 23:23:46|
  2. 深川秘宝館
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Nostalgic hero is comming up!!~Carl Zess Opton Sonnar 5cmf1.5CX~

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て、今宵のご紹介ですが、不本意ながら、新型コロナ騒動にかまけて、確定申告の仕上げも有ったため、先週は自宅兼工場から殆ど一歩も出ず、あたかも核戦争後のシェルター内のサバイバルの演習みたいな週末となってしまいせっかくの秘宝館の出待ちのトップバッターに出番を与えて上げられず、今週も待ちに待った土曜日が、東京では天変地異に等しいこの時期の大雪で外出出来ず、やっと好天に恵まれた日曜日の今日、勘を働かせて、写真撮らせてくれそうな、本当に日本のことが好きな海外からのゲストが遊弋していそうな原宿~表参道へと出かけたのでありました。
で、今回のご紹介は云わずとしれたCarlZess社のSonnar5cmf1.5、東西分裂後、西側の会社で作られた、いわゆるOpton Sonnarという代物です。
構成は3群7枚という、凡そ空気面を減らすためにはコスト増も厭わないという方針で作られた特異な構成であるため、メーカーから出たあと、修理が入っちゃったりしたものは、貼り合わせの芯出しやエレメント間のクリアランス、平行度等々、出荷基準からはかけ離れた粗悪な仕上げのものもたまに見かけたので、実際に撮ってみないと、その出来栄えは判らないのです。
では、さっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはα7RⅡ、全コマ開放による絞り優先AE撮影。ロケ地は原宿~表参道~渋谷となります。

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まず一枚目のカットですが、地下鉄を乗り継ぎ、深川から原宿駅に出たのは15時過ぎで、さっそく一番シーンが転がっていそうな竹下通を目指し、入口付近の人物を物色していたら、マスクを買えないのか、或いは信条的、宗教的理由で装けないのか判りませんが、オーストラリア訛りの英語を話す男女が傍らで地図なんか拡げてくれたので、さっそく話し掛け、幾つか撮影スポットを教えて上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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二枚目のカットですが、暫く、白人二人組と一緒に竹下通を歩き、赤毛の小姐がちょっと買いたいものがあるらしく、店に入りたいというので、そこで別れ、ふと店の前の裏通りへの入り口付近に視線を走らせたら、なかなか春っぽい佇まいの小姐2名がショッピンの戦果を背中向けてレヴューしていたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、如何にも不審人物然とした様子でストラップに繋げた真っ黒いカメラに銀色の怪しげなレンズを付けて竹下通を東に向かって歩いていたら、突如、人混みをかき分け、ライオンが二頭躍り出てきて、しかもあろうことかそのうち一頭が、格好の得物を見つけたとばかり凄い勢いで工房主向かってずんずん歩み寄ってきて、すわっ!儚かった人生もこんな路上で猛獣の餌となってオシマイ!?と思いきや、その正体はカツラを被ったゴールデンレトリバーの兄弟で、連れてたヲッサンと妙に話が合ったので、即席路上撮影会となったもの。

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四枚目のカットですが、後で写真送る約束してファンキーな"ライオン遣い"のヲッサンに別れを告げ、また竹下通りを歩き出したら南側に如何にも高そうなレストランのエントランスへ続く小径が目に留まり、これがなかなか手の込んだ造作だったので、路上の3mほど先のダイヤ形タイルにピンを合わせて一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、竹下通りもそろそろどん詰まりに近い辺りまで来たら、地下のお店というハンデを抱えたがため、安くて美味しい中国スィーツが売り物のカフェも今回の新型コロナ騒動で全然お客が寄り付かないということで、いたいけなマスク姿の中国人小姐が懸命に店先で呼び込み行っていたので、商売の邪魔にならないよう、ちょっと避けて貰って、苺飴のオブヂェの写真だけ撮らせて貰ったもの。

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六枚目のカットですが、くだんの苺飴のオブジェの反対側の店舗では地上1階というアドヴァンティッヂを活かし、七色の食品添加物満載の綿飴を道行くいたいけな通行人の小姐各に言葉巧みに売り捌いていたので、国防色のフリースの小姐とその連れの黒色ダウンというユニクロ、ないしGUコンビの小姐が店頭のオブヂェの前に立ちはだかった頃合いを見てシャタ-切ってみたもの。

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七枚目のカットですが、その竹下通のどん詰まり手前に位置するボロい儲けの七色綿飴屋の店頭で、ハワイからという日系人中心の女系一家が一本の綿飴をつましく分け合って賞味していたので、さっそく声掛けて、スマホンで何カットか撮って上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、そろそろ、竹下通りの終焉を意味する、大通りとの交差点が見えてきた辺りのファストファッション系のお店の店頭で、これまた女系家族?という佇まいの婆ちゃん、ママ、そしていたいけな小姐の計三名が店頭の布製品を物色していたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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九枚目のカットですが、竹下通りのどん詰まりまで歩いて、そのまま明治通りにかかる信号を渡って、向こう側の裏道、確か原宿通りという名前に代わっていたと思いますが、そこを暫く歩くと、人の出は落ちますが、なかなか店頭のオブヂェに秀逸なものが目に留まるようになり、まずは南側の側道に抜ける角の店頭に飾られた大文字付のジャケットのデスプレイを一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、ここも原宿通りのどん詰まり、南へ抜ければ表参道へ抜ける、通称キャットストリートとの交差点北西に建つビルの地下店舗への階段入り口にいつも置かれている、古びた木製のロッキンチャアのオブヂェを撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、これも原宿通りどん詰まりのロッキンチェアの至近距離の店舗入り口付近公道上に飾られた、季節のファッションと黒地の看板を組み合わせた、なかなか秀逸なオブジェでしたが、そのまま撮っても面白くないので、ちょうど、後ろの住宅街方向へと歩き去って行く人が入った辺りでシャッター切ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、原宿通りを奥まで歩き通してしまったので、いったん、ロッキンチェアの有る交差点まで戻り、キャットストリートを表参道方向に向けて歩き出すと、有りました、有りました、ストリートスナップの華とも云うべき、面白いオブヂェが、ということで、親亀の上に子亀ではなく、ピューマだか豹の上に可愛い茶トラの仔猫がいまにも鳴き出しそうな雰囲気で乗せられている様子が微笑ましかったので、一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、キャットストリートを歩いていて、予想外の嬉しい発見が、群馬県の老母の隠居所の狭い庭にも植えてある、路上あちこちの陽光桜が6~8分咲きとなっていたことで、思わず、最短距離で路上の様子をバックにその愛くるしいピンクの花々を一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、ここ原宿に来ても、たまたま新宿、銀座で遭遇しても、いつも混んでいるか、或いは他で食事を済ませて戦意喪失しているかで、日本進出からもはや5~6年は経っていようというのに、意識高い?米東海岸系ロブスターサンドのお店Dukes Lobster Sandwichをまたしても見掛けて、今日は門仲でラーメンを食べてから出掛けてしまったことを悔やみながら、店頭で美味しそうに食べている人々の様子を一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、キャットストリートをひたすら歩いていたら、いつの間にか渋谷のスクランブル交差点前に出て、ええぃ面倒だ、ということで新宿ハンズへ行く予定を変更し、渋谷ハンズまで歩いて行ってしまい、そこで一通りの必要なものを買い求め、さて、どこでお茶して帰ろうかいな?とかルンルン気分でセンター街を歩いていたら、兄ちゃん、おもろいカメラとレンズ持っとるやないけ?とか声掛けてきた外国人カポーの写真を撮って差し上げたもの。

今回の感想ですが、いやはや、お店から買った状態から前後面をクリーニングした程度でこれだけ写れば、上出来だと思います、ニッコール5cmf1.4を買ったままで同じ条件で撮ったら、フレアというかハロがもっと出て、コントラストもずっと低くて、途中で撮影切り上げにしてしまったかもしれないくらいですから・・・

さて、次回は、恒例の3月連休の旅行で留守にしますから、コロナに斃れなければ、月末にそのレポートを上げたいと思います。もちろん、金を出せば買える普通のレンズだけではなく、秘宝館の出待ちレンズなども持ち出す予定です、乞うご期待!!
  1. 2020/03/15(日) 19:58:37|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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