深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

たおやかなる美意識の結晶~S-Micro Nikkor 5cmf2.5

mikel02a.jpg
いよいよ待ちに待った、深川精密工房のご本尊、S-マイクロニッコール5cmf3.5のお出ましです。
この端正なオールクロム仕上げの沈胴仕上げのたおやかなレンズが、超絶シャープ&クリアな画を描き出す。

そもそも、このレンズを欲しいと思ったのは、性能に期待したわけでも、希少性があるからでもなく、ただ、日本の半導体産業勃興の嚆矢となった、ステッパレンズの遠いご先祖様で、産業遺産としての興味からでした。

そして、縁有って、米国の某有名ディーラーのオヤジのコレクションを売りに出したのを譲って貰い、里帰りさせてわけです。

どんなコレクションアイテムでも、まごうことなきレンズであれば撮ってみたくなるのが人情というもの、家に来てから最初の週末、ガマンし切れず、観光客御用達の浅草に連れ出して、試写と決め込んだのです。

なーに、久々に里帰りした往年の銘レンズに時の移ろいとともに変わっていった浅草を見せてあげたかったという遊び心もあったのかも知れません。

都営線を蔵前で降り、駒形どぜうの前でパチリ、藪そばの前でパチリ、そして、雷門前の人力車溜りでまたパチリ、雷門の巨大提灯下の黄金色の金具をまたパチリ・・・と同伴した同じくニコン製のニッコール5cmf1.1と交互に撮ってきて、近所のDPEで現像してびっくり!

とにかく目の覚めるようなシャープさ、そして、クリアさ、しかも、画面の隅々まで均一な出来栄え・・・ライツの玉が空気を写すなら、こちらは空気のベールを剥ぎ取り、まさに純粋な概念としての形、色を鋭く掴み撮ってきて、ネガにそのまま焼き付けたというカンジでした。

言い方を換えれば、これは芸術ではなく、まさに記録そのもので、芸術には許される、見るものの主観による画像への解釈の違いというものを一切許容しない、冷徹ですらある客観的事実しか提供しない正確無比なマシーンなのです。

このレンズ構成は、f3.5にはありがちなテッサータイプではなく、変型ガウス型の一派であるクセノタータイプを採用しています。
一面目がまっ平らなのがチャームポイントとでも申せましょうか。

まさに撮る腕前と、被写体を選ぶ、鋭利な刃物のようなレンズだと思います。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/01/31(木) 23:09:50|
  2. 深川秘宝館
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Cine-Heligon50mmT2.0

cine-heligon_a.jpg
今日は、またキブンを変えて、当工房の得意ワザ、ArriマウントのシネレンズのL39改造版のご紹介。

このレンズは、アリフレックス用では、マイナーというか、レアというか、単焦点ならカールツアィスか、テーラーホブソン、ズームならアンジェニーという定番のなかで、おそらく受注生産で極少数生産されたと思われる、キネヘリゴン50mmT2です。

このレンズの特徴は、見た目はただの地味めな一見フツーの大人しいレンズですが、銘板でレンズの焦点距離の刻印と、シリアルの間の三重弧にご注目!

そうこの、外側から赤、青、黄のマークは、このレンズが三波長色収差補正型のスペシャルレンズ、掛値無しのアポクロマートであることを知らっと識らしめているのです。まさに知らしむべからず、拠らしむべし・・・ですか。

マクロスィータみたいにゴージャスな鏡胴のデザインでもないし、また、人気モノのキノプテーィクみたいに銘板に堂々と"Apochromat"とおのが出自を主張するワケでもないですが、とにかく実写性能が物凄い・・・はっきり言って、自分のコレクション内での実写比較であれば両方とも、敵ではないとカンジました。

いっぺん、組んですぐ、江ノ島に午後、試写に出かけたのですが、夕暮れ時、島上部のタワー横の海の見えるテラスで何気なく、人が群れている状態を撮ったのですが、現像してびっくり!立体感、精密感、そして臨場感といったものが、膨大かつ緻密な情報に裏打ちされてプリントに焼付けられているのが目に留まり、思わず心が震えました。

このレンズは名前こそ変型ガウス一派のHeligonで、たとえばレチナIIなどに付いているものと同じようにも思えますが、そういったマスプロ製品とは、構成、硝質などが変えられているのだろうと思いました。

しかし、このレンズを某海外オークションで買って以降、二度と同じものが売りに出ているのを見たことがありませんし、懇意にしている国内外の映画用機材の専門ショップ数軒にも引合出しましたが、ハナシに聞いたことはある・・・くらいの答えだったので、いまだに二号機製造のメドが立っていません。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/01/27(日) 21:22:37|
  2. Cine-Heligon
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CEロッコール50mmf2.8改Sマウント

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あまりコレクション自慢ばかりやってると、「ふん、深川精密工房ってのは、ただの金満コレクターだったんかい!?」と揶揄されそうなので、そろそろ本業紹介。
このレンズも、現実的には100%有り得ない、夢のスワップの実現です。

ベースになったのが、国内ではまず見かけない、旧ミノルタ製の引伸し用レンズ、CEロッコール50mmf2.8です。

実は、国産は小学校時代の祖父の形見のキャノネットから始まり、高校でペンタME、会社入って暫くして道楽の血が疼きだした頃買ったのが、ニコンF、F2チタン、そしてF3P、F5、それからキャノンのF1Nを黒、茶合わせて5台とEFが一台ってなありさまで、オリンパス、ミノルタとはとんと縁がありませんでした。

しかし、この工房の操業開始後、ふと40mmのコダック製銘玉、シネエクター40mmT2が入手できたので、その直進ヘリコイドに代え、ライカマウント化すべく、ドナーを探していた時、クモリ有りという触れ込みで中野の某量販中古店で安く買い求めたCLE用ロッコールがモノは試しに撮ってみたら、恐ろしく良く写るんで、ミノルタ製レンズに興味持ったのです。

そして、何気なく電子湾を遊泳していたら、或る日、C.Eロッコールといういかにも良く写りそうな見慣れないレンズが・・・

説明文をよくよく読んでみると、引伸機用に作られたものらしく、ニコン、シュナイダ、そしてローデンなんかに較べると結構レアだということ。また光学系の状態もミント!とか書いてあったんで、米国人の誠意を信じ落札。

ついてみると、予想通り、なかなかの状態のレンズ。さて、コイツを何マウント化するかで悩みました。

いつものキャノンヘリコでLマウント化でも良かったのですが、もうCLE用のが有るんで、ここは一丁、絶対無いものにチャレンジと決めて、またSマウント化。

で、当工房にて精密加工の結果、産まれたのがこのニコンSマウントのC.Eロッコール。

肝心の写りの方はというと、さすがにシャープネス、淡い色の再現性といった限界的な性能ではそれぞれ、ELニッコール改造レンズ、ローデンシュトックの両レンズには一歩譲りますが、とにかく、ボケがきれい、また階調再現性とコントラストのバランスに優れ、新宿駅前で夕刻にテスト撮影した時など、慌しい街角の空気までも写し取っているかのようでした。

レンズ構成については、資料もなく分解もしていないんで、またいつものスリット経由の白色光を両面から当てての反射面からの推定ですが、おそらく、5群6枚の変形ガウス型ではないかと思います。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/01/22(火) 23:57:31|
  2. Sマウント改造レンズ
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恩讐の彼方に~ハンザキャノンとデトローラ400~

onshuu.jpg
今日は、趣向を変えて、自家製の改造レンズではなく、当工房の開発参考用?と称して、せっせこ買い溜めたコレクションの一部をご紹介しましょう。

この2台はどちらも第二次世界大戦前に太平洋を挟んだ両側の新興工業国(少なくとも光学という意味においては)で製造された、エルンストライツ社の35mmカメラ(バルナック型)の派生型カメラです。

左側が、Detrola400という機種で、米国の音響機器メーカーが1940年に製造したカメラです。シャッター速度は1500分の1まで有って、デザインも秀逸ですが、まぁ、実際の性能は、同じ時代のライカDIIIあたりにも及ばなかったと思います。また、商売的にも、価格がかなり高かったらしく、ライバルのアーガスの廉価カメラにこてんぱんにやられて、結局、2年間で少数のみ製造販売され、おかげであまた有るノンライツレンジファインダーでも屈指のレアアイテムとなっています。

一方、右のキャノンは、今の世界に冠たる優良大企業、キャノンが精機光学と称し、戦前に細々と作ったカメラを、大手写真用品問屋であるハンザ商会の販売力で売って貰っていたという、今では考えられないような出自を持つカメラです。

産まれは1936年らしく、先のDetrola400よりは、4年早く産まれています。しかし、両者を較べると、国民性が判るというか、気質が表れているというか、とにかく、シンプルイズベストで信頼性と耐久性?を志向した感のあるDetrloa400、対して、ハンザキャノンはとにかく、ファインダの構造からして、徹底的にライツのモノマネを避けようと光路に位置しないよう、わざわざ使う時は飛び出すようにした"ビックリ箱"ファインダとしたり、レンズもライツのスクリュータイプではなく、わざわざ加工の面倒な、ツアイスのコンタックスタイプのバヨネット&歯車式フォーカス機能にしたり、日本人の几帳面さが窺われます。

しかし、どちらも今や第一線を退き、コンピュータの化身みたいになってしまった子孫達、使い尽くされたら、捨てられてしまう運命の現代の電子化カメラを嘆き、憐れみながら、お互い不幸な時期を乗り越え、この深川の地で偶然出会ったことで、ゆったりと来し方を語り合っているのかも知れません。

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/01/21(月) 00:21:48|
  2. 深川秘宝館
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Canon 50mmf1.8II改S

nanon.jpg
キャノンが創設当時から戦後暫くはニコンからニッコールレンズの供給を受けていたのは、クラカメファンなら誰しも知っていることですが、もしその逆があったら・・・

キャノンは、名匠、伊藤宏氏の活躍により、もはやニコンの助けを必要としないばかりか、性能的にも比肩、いや、国内にのみライバルを求めず、RFカメラの総本山、西独ライツにまで挑戦した志の高いメーカーだったと個人的には思っています。

しかし、性能的にも、またコストパフォーマンス的に優れていても、不運なことにそのレンズシリーズがあまりにも合理的で地味なデザインだったため、当時も今も、マニアックなクラカメファンには受け入れられていないのが実情だったように思います。

また、当時、開発されて間もない新種ガラスを特定部位、具体的には後ろから2群目、枚数的には3枚目になる張り合わせエレメントの凹レンズに採用したため、絞り羽根真後ろの空気に触れる被写体側が風化し、白く濁ってしまうことが多かったため、必要以上に評価を下げてしまっています。

そのため、当工房では中玉クモリや、前玉割れ・キズの50mmf1.8を十数本買い込み、主に改造用として、ヘリコイドのみ外し使っていたのですが、或る時、奇跡的に中玉にクモリのない個体を新旧1本ずつ買えたのです。

そこで、当工房では、この風采は上がらないが天才的な描写性能を持つ、勤め人風レンズをもっとオシャレにする方法を考えました。

それは、前玉、後玉で一番状態のイイものとクモリない中玉を組み合わせ、完全な光学系を作り上げ、これをニコンSマウント化するというアイデアでした。

キャノンがおそらくどのニコン純正5cmf2よりも高性能の標準レンズをニコンに供給し返す・・・そう考えただけで、なんかワクワクしながら拵えた2本のうち、1本がこちらSer.IIの光学系を使った2号機です。

写りは、開放では程よく柔らかく、色のバランス、コントラストもほど良く、後ろボケもゾナー系のようなとろけるようなカンジで、見て愉しく、使って愉しく、人を驚かせてまた愉快な、一粒で三遍おいしいレンズになりました。

マイクロニッコールばりの超シャープな怪物レンズ、Ser.IとIIのパーツミックスで拵えた1号機もお楽しみに。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/01/16(水) 22:25:02|
  2. Sマウント改造レンズ
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Rodenstock Rogonar-S 50mmf2.8改 Nikon Sマウント

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さてさて、また本業の改造レンズのご紹介に戻ります。
このレンズは、一見、ロシア製コンタマウントレンズの新製品にも見えますが、さにあらず、これもまた、当工房の作品です。

元になったレンズは、引伸機用では世界中から高い評価を受けている、かの独Rodenstock社製のRogonar-Sというレンズです。

このレンズは元々は引伸機のマウントに装着して使用することになっているため、当然のことながら、ヘリコイドがありません。
そうなると、折角、L39のネジが切ってあるのに、Lマウントボディにつけても、アダプタ介してMマウントボディにつけても、ピント調節の出来ない、ただのお飾り玉になってしまいます。

そこで、当工房は、先のSマウント一号機のノウハウを活用して、Sマウント化することにしました。

そうすれば、とにかく、何とか、∞だけ併せて、機械的にがっちり固定しちゃえば、ヘリコの心配も、ましてや、いつも頭を悩ます距離計連動カムの調整も要らず、簡単に実用レンズが出来ちゃうワケです。

まさにモノグサ向けのお手軽調理で本格的な一品!ってヤツですね。

で、写りはというと、実は、この玉、普通のレンズとは逆方向から光が入るんで、なんと、一群目が張り合わせになった逆配置のテッサー型なんですが、開放から素晴らしくく描写のキレが良く、シネレンズもかくやあらん・・・という色ヌケ、立体感で、巷間の、引伸レンズは写ることは写るが、ハイコントラストでガチガチで平面的に写る、という風評を力強く払拭してくれたのでした。

なお、この兄弟機のロダゴン50mmf2.8も同様にSマウント化してますし、ロダゴン80mmのf4はニコンFマウント化してますが、同様に信じられない描写です。
これらも追ってご紹介しますんで、乞うご期待。 [Rodenstock Rogonar-S 50mmf2.8改 Nikon Sマウント]の続きを読む

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/01/15(火) 23:52:27|
  2. Sマウント改造レンズ
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LEICA I型改DII深川スペシャル

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まずはじめに、このライカDIIは、別に当工房でI型からIIに換装したわけではありません。
1931年産まれで、後に産みの親であるエルンスト・ライツ社自身の手によって、当時の最新型のDIIに換装されたものと思われます。
この端正な漆黒の衣装を纏った貴婦人との出会いは、今でもはっきり覚えています。

新宿西口の某中古カメラ店ジャンク棚の隅で国産コピー機程度の安値を付けられ、ひっそりと新しい主を待っていた・・・それはもう酷い有様で、革は脱皮直前のザリガニの如く今にもごっそり抜け落ちそうで、黒のエナメルも手垢だらけだった。

しかし、何か気にかかるものがあって、普段は全くバルナック型、ましてやブラックボディのライカなどにはキョウミなどない小生が手に取ってよく見ると、へこみも、大きなキズも、ましてや、酷使の跡も見られず、ましてや、ファインダ、巻き上げ、シャッターなどは、手許のOH帰りのREIDといい勝負くらいでした。

そこで、ココロの整理がついて、この老貴婦人を連れ帰ることとしたのですが、安物の合皮を着せるのは何か畏れ多い気がして、ハンズで最上級の本トカゲ革を買って帰り、当工房で型紙を作成の上、張り直しをし、またエナメルはイオン交換水とマイクロファイバー布で拭い、ご覧のような美しい姿を取り戻したというわけです。

また、この全回転エルマーと言われるニッケルメッキの沈胴レンズの写りも大変素晴らしく、逆光にならない限り、低光量でもバランス良く発色し、開放から合焦部はほど良くシャープ、ボケはキレイに溶けるようなカンジで、絶好調のボディと相俟って、このコンビを深川界隈を提げてスナップなどすると、とても幸せなキモチにさせてくれます。

テーマ:バルナック型ライカ - ジャンル:写真

  1. 2008/01/12(土) 00:31:17|
  2. ドレスアップカメラ
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Cooke Ental 2"f3.5改L39

ental1.jpg
英国が戦争末期に産み落としたバルナック型35mmRFの傑物Reid・・・
その標準レンズと言えば、Rank Tayler Hobson社のこれもまた名玉アナスティグマット2"f2
とがセットされているが、いかんせん高いし、しかも、イタリアデザインの美しいアルミ鏡胴に収められたアモタルアナスティグマット2"f2のLマウント持ってるんで、あえてキレイなボディだけで相当安く買えたのに、同じ性能?の専用?のレンズまで買う気は起きなかったのです(要は根がケチ!)。

ところが、電子湾で、或る日、総真鍮削り出しの鏡胴でしかも、トラファルガー広場とか、コンコルド広場に有るオベリスクみたいに荘厳な刻印が刻まれている端正なレンズが結構、お手ごろな値段で売りに出されているのを発見しました。
落札した品物が届いてみて判ったのが、これは引伸用レンズの旧型で今主流の39φネジのものでなく、半端な口径のネジだったんで、誰も手を出さなかったのだろうということ。

しかし、この端正な佇まい、青い眼をしたセルロイドのお人形さんのような美しいレンズに魅了され、何としても、再び命を吹き込んで上げたいと思いました。

そこで色々と思案の挙句思いついたのが、やはり腐るほど買い込んである、インダスター22のUFOみたいなパンケーキヘリコイドを大幅に穿孔してそれをマウントにしてしまうというアイデア。
早速、手持ちの十数個の中からキレイで色調が比較的真鍮にクロームメッキしたものに近く、作動も滑らかなものを拠って調整の上、組み直し、これを加工してこの端正な女王様の国の老紳士の如きレンズを固定してL39のレンズとして蘇らせたわけです。

今回は資料もなく、光学系を分解もしなかったので、エレメントからの反射光と、写りにより推測するしかないのですが、おそらく構成は変形ガウス、或いはクセノタータイプと思われ、驚いたことに、テーラーホブソン一族に共通する、暖色系でこってりとしながらも、階調再現性も程良く、開放から合焦部は極めてシャープ、ボケはなだらかという、作った労苦も忘れさせてくれる素晴らしい逸品になったと思っています。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/01/10(木) 22:34:31|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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深川精密工房第一号改造レンズ レチナクセノン改L39

xenon.jpg
さぁてお立会い、親の因果が子に報い、可哀相ななぁ、この子でござぁい・・・古今東西見回しても、こんな不恰好なレンズないよ! ってことで、ここらで、洗練された?深川精密工房の作品群が出来る前、そう工作機械もボール盤しかなく、ネジ孔を穿つことくらいしか出来なかった初期の頃の作品を紹介致します。
これは、レチナIIについているクセノン50mmf2のシャッターハウジング&絞りユニットごと、ジャンクボディら取り外し、ジュラルミンのパイプでフランジバックを調整して、キャノンのL39ヘリコに合体させたものです。
工作自体はちょいと器用な人なら思いつくでしょうが、実は作った当時、開放でも8mくらいから無限はばっちりピントが来るのですが、どうも近距離が合わない・・・おかしいなと思い、新規に拵えたLマウントピント基準機で見てみると、ピント面と二重像の合致が近距離になるとずれてくる・・・で、ものの本で調べたら、実質焦点距離が47mm程度しかないということが判ったので、レンズ繰り出し量とカムの繰り出し量が一致しないのを補整するため、初めて、斜行カムの加工にチャレンジし、何とか成功した記念すべき第一号レンズなのです。
このクセノンも、さすがにシュナイダー時代に天才トロニエ博士が世に送り出した変形ガウス型の傑作の一族だけあって、不恰好ですが、開放から写りはシャープでコントラストもほど良く、隅々まで破綻無いあっさりとした色ノリの画を描き出してくれます。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/01/09(水) 23:33:45|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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オリジナルノクトンと深川ノクトン

nokton.jpg
クラカメマニアなら、まず誰しも一度は憧れるフォクトレンダー製ノクトン。
しかし、数少ないLマウントのものは、今や中堅サラリーマンの月収に相当する額にも匹敵し、また、プロミナント用のものは、本体がロボットロイヤル36やフォトン並みに巨大な割には自動巻上げもなく、しかもフォーカスが左のノブで調整、ファインダー自体も出来の悪い万華鏡みたいで見ずらいから、とても気軽に撮影に使えるワケもなく、一部のLやS等のアダプタを入手出来た者のみが、そのソフトでムーディな写り味を堪能出来たのです。
そこで、無いものは作っちまえ、しかも、あり合わせのモノで安く旨く作るのをモットーとするあたかも主婦の鑑の如き当工房では、キャノンのLレンズのヘリコとジャンクのプロミナントのマウントを精密加工で合体させ、無調整でいかなるL/Mボディにも、プロミナントマウントの標準レンズなら装着出来るようにしたのです。
左が当工房製の通称"深川ノクトン"、で右が言わずと知れたオリジナルノクトン。
このレンズは、良く知られるように前群の曲率が比較的大きく、また、6群7枚構成の非対称ガウス型であるためか、開放ではかなりフレアっぽくソフトに写り、古い町並みなど、とてもレトロっぽく写って、イイカンジです。え、絞ったらどうかって?開放でしか使わない主義なんで、ノーコメントです(笑) [オリジナルノクトンと深川ノクトン]の続きを読む

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  1. 2008/01/09(水) 23:17:32|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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ニッコール50mmf1.4ライトウェイト

tanack.jpg
このレンズをぱっと見て、アレ、なんか変!?と気付いたアナタはもうビョーキ・・・
そうこのレンズは当工房にて、元々、ニコンSマウントだったニッコール50mmf1.4のハウジング&マウント目当てに追剥ぎしたのを気の毒に思い、改造用に腐るほど買ってある、キャノンのL50mmf1.8のマウント&ヘリコイドに移植したものです。
このゾナー型のレンズは、シャープ、カリカリといったニッコールの評判とは裏腹に、開放ではちょいとフレアぽくしっとり写り、フォクトレンダーの旧ノクトンみたいな画を描き出します。 [ニッコール50mmf1.4ライトウェイト]の続きを読む

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/09(水) 00:26:14|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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ELニッコール改50mmf2.8S

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Arri改のレンズばかり載せていると飽きられてしまうのもイヤなんで、ここらで話題一変、Sマウントの変りレンズをご紹介。
これは、旧ELニッコールの引伸し用レンズを当工房でSマウント化してニコンの旧RF機に使用出来るように改造したもの。
このレンズは、ガウス型とオルソメター型の折衷型ということで、解像度、コントラストについては極めて高いが、描写が平面的になる、或いは無限では絵作りが出来ないといった風評もものともせず、マイクロニッコールもかくやあらん!というすっ飛んだ写りをしたのです。

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  1. 2008/01/09(水) 00:20:36|
  2. Sマウント改造レンズ
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Arri改造レンズ[Cine-Xenon50mm]

cine-xenon.jpg
無事、お江戸府内の初詣が夕方までに終わったんで、ヒマ潰しにもう一枚アップ。
レンズでは、ツァイス、ローデンシュトックと肩を並べ、ライカ、コダックその他カメラメーカーにも愛用されている、独シュナイダー・クロイツナッハ社製のArriマウント映画撮影用のレンズ、Cine-Xenon50mmを当工房でL39マウント化&距離計連動化したもの。
このレンズは、絞りはコブラの瞳孔みたいに菱形だし、コーティングも一見、フツーのスティルカメラのものと同じに見えるし、お値段も電子湾底引きで300ドルも出せばかなり程度の良いものが買えたが、やはり、”Cine”の肩書付きの産業用レンズの底力は物凄い。キチンと加工してやれば、写真に全く関心ない人でも、おや、このプリントは何か違う・・・と気付くほど。
あたかも中判以上で撮ったかの如く、情報密度が濃いのです。

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/06(日) 17:58:07|
  2. Cine-Xenon50mm
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Arri改造レンズ[Cooke Speedpanchro Ser.II 50mm]

speedpanchro50.jpg
Speed Panchroの40mm判だけぢゃなんか寂しいんで、小出しに更新するつもりが一挙に2個同時掲載。
この英国製のArriレンズはCarlZeiss社のシネレンズと並び、35mm、及び16mmの映画撮影用として独Arnold& Richter社で自社製のArriflexに採用された産業用レンズです。
レンズ形式は、現代のダブルガウスタイプの実質的始祖と言われる、H.W.Leeが1920年に開発したOpicレンズの改良型で、驚くほどシャープで色ノリも良く、かつボケがなだらかで美しいというまさに魔法のレンズです。尤も、新品のお値段はライカで一番高いレンズの数倍しますが・・・

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/06(日) 12:09:50|
  2. Cooke Speedpanchro 50mm
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Arri改造レンズ[Cooke Speedpanchro Ser.II 40mm]

cooke2.jpg
mixiの方でお仲間から、暖かいご声援を頂いたので、調子こいて、早速更新。
映画の世界では有名なCooke Speedpanchroという、英国のRank Taylor&Hobbsonが世に送り出した、Arriflex35用のス-パーレンズを当工房にてマウント部作成、ヘリコイドOH、そして、難工事であった斜行カムの新設の上、ライカ等Mマウントに生まれ変わらせたものです。勿論、後から付けたメカ類は全てメカニカル結合なので、外せば、Arriの現役レンズとしていつでも復帰可能です。

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/06(日) 11:28:01|
  2. Cooke Speed Pancro 40mm
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新年早々HP立ち上げ♪

Fukagawa_Products Photo
新年早々、遂にウワサ?の深川精密工房のHP立ち上げです。
3日坊主にならねば良いが・・・
まずは、工房作品の改造レンズ群をお披露目。このほか、銘レンズ、珍カメラなどのコレクションもあり、そちらの「深川秘宝館」も原則交替でご紹介致したく。

テーマ:趣味と日記 - ジャンル:趣味・実用

  1. 2008/01/06(日) 01:58:06|
  2. Arri改造レンズ群
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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