





【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE ISO200 露出補整 #4以外 +/-0、#4 -1_2/3、 ロケ地 生口島
さてさて、一週間、シルバーウィークとやらでふらっと旅など出てしまい、更新をサボってしまい、事情を知らなかった方にはご心配をおかけしたのではないかと小心者の工房主は気に病んでの更新です。
今回は5連休のうち、4日間を使い、瀬戸内濃度の一番濃い地帯?尾道、鞆の浦、倉敷を訪問して参りました。
そして、旅のお供は新作のシネレンズ3本+既存1本です。
そのお供のうち、仲間内のレヴューで結構ウケが良かったSpeedpanchro40mmf2の作例のご紹介です。
各所でそれぞれのレンズをデジ、フィルムで試しましたが、今回は、生口島という、尾道から高速艇で40分ほどの緑豊かな、沖縄とはまた別種の島時間の緩やかな流れに身を置いて撮ったものをご覧戴きたいと思います。
まずはその前にいつもの、機材の能書きを少々。
このCooke Speedpanchroというレンズは、ここではかなり一般的になってしまった、ドイツのArnold &Richter社(Arri.社)の出す、映画撮影用カメラ、Arriflex35シリーズの交換レンズのひとつで、何故かドイツのカメラなのに大英帝国が世界に誇る、Rank Tayler Hobbson社が供給するシネレンズです。
そもそも、このArriflexは、Carlzeiss社のレンズ付きで1930年代初頭にスタートしたものが、初めは報道用の動画撮影、そして劇場用とバリエーション、生産数が増えるに従って、様々なレンズメーカーが交換レンズを供給するようになりました。
工房主が知る限りでも、Carlzeiss、Schneider、AstroBerlin、Rodenstock、Kilfit、そしてフランスではKinoptik、Angeniuex、Somberthiot、米国ではKodak、Bosch&Lomb、Wollensak、英国ではこのRTH社、日本からもニコン、キャノン、コーワ、フジノンが供給していました。
ワンオフのものを含めたら、 もっとあるのかも知れません。
肝心のこの個体は、おそらく1960年代後半から70年代初頭までに作られたものではないかと思います。映画用レンズは基本的にスタジオの備品であると同時にとても高価な産業機械であったので、民生用と違い、メンテナンスの都度、当時の最新の仕様で取り込めるものは取り込んで修理することが良く行われたらしく、比較的古い鏡銅の中にかなり新しいマルチコートのエレメントがさりげなく嵌めこんであったりしますので、鏡胴形式やナンバーで製造年代を特定するのはかなり難しいのです。
とはいうものの、このレンズが電子湾で釣り上げられて、家に届いた時、描写性能を大きく左右する中玉には、絞りの羽から飛んだと思しきオイルスポットや曇りが見受けられ、試写するまでもなく、初期性能は望むべくもないだろうと推測されましたので、川崎の或る時は駆け込み寺、或る時は緊急病棟であるKファクトリーに持ち込んだのです。
先方でも、そもそもこのレンズは整備マニュアルも基準MTFもないので、ベストでの分解整備ということでお引き受け戴きましたが、2ヶ月弱ほど経って、引き取りに伺い、完成品を手渡された時、もう大丈夫との確信を持ちました。
そして、ここから先は工房の腕の見せ所、キレイに直して戴いたエレメントは勿論、鏡胴にも削ったり、接着剤で何かくっつけたりすることなく、メカニカルなパーツ装着だけで、回転ヘリコイドの直進化、そして、マウント変換&フランジバック調整、そして傾斜カム装着による距離計完全連動化を実現しました。
ですから、数箇所のビスを外すだけで、全くオリジナルのArriflex用のレンズに早変わりできます。
と、能書きは長くなりましたが、作例の説明行きます。
まず一枚目。
これは、尾道の駅前埠頭から、高速艇に乗って、瀬戸の島々を縫って生口島の瀬戸田の港に上陸した際、桟橋の隅で錆にまみれながら地道に役目を果たしている鉄鋼製品を目にしたので、思わず敬意を込めて一枚シャッターを切ったものです。
もう説明が要らないくらい鮮明に質感、重量感をあますことなく捉えているのではないかと思います。
バックの純白の船体の滲み具合もデジにしては上出来だと思います。
そして二枚目。
瀬戸田の港から観光スポットが集まっている、島内部へ商店街経由、徒歩で移動します。
生口島は周囲が34キロも有るという、かなり大きな島で、平野もあれば、山も有り、言われなければ、海に浮かぶ島に居るとはとても思えないような不思議な場所です。
その商店街で、海産物が並ぶお土産屋さんの店先で楽しく、幸せそうに肩車なんかしてゆ~らりと散策する親子連れを後ろからいきなり一枚戴き。
3~4mの距離で撮った筈ですが、かなり被写界深度が狭く、1mも先を歩くお母さんはもうボケてしまっています。
それにしても赤、黄、緑という信号機の化身みたいなお父さんのコスチューム、瀬戸内の陽光に輝いてましたよ。
バックのボケはかなり暴れ加減です。
それから三枚目。
まずは目的地その一、「耕三寺」という、はっきり言って、宗教施設なのか、昭和的なテーマパークなのか良くワケが判らない観光名所に入場料1200円也をお支払いして入ってきました。
ここでは東照宮の陽明門とか、どっかの寺の五重塔とか、等寸で、オーナー独自の宗教観、趣味を適度にブレンドしてコピーしたものを敷地の至るところにところ狭しと手当たり次第に建立し、東武ワールドスクエアとか、深圳世界乃窓などの画期的先駆けとしての存在感を十分に発揮してくれていたりして、二度目の訪問であっても、その健在ぶりに嬉しくなってしまいます。
で、その入口付近に値が張りそうな唐金製の彫刻入り灯篭がイイ案配に錆びて緑青吹いていたんで、質感捉えられるかのテストで一枚撮った次第。
その結果としては、ここでも一枚目の鉄錆同様、緑青の質感、彫刻の繊細な文様等シャープにクリアに捉え、その反面、また新型インフルエンザの熱に浮かされた悪夢のように歪む後ボケとの対比が面白いな、と思った次第。
続いて四枚目。
この俗悪的な宗教テーマパークにも見所があり、それは、「未来心の丘」という小高い丘の頂上一体をイタリアだかギリシャから持ってき白い大理石で敷き詰め、その上に当時の新進気鋭の彫刻家の作品を展示するという極めて野心的で文化的な香りのする展示ゾーンなのです。
そこで、いかにもモデルになりたいという自発的被写体オーラを発する黒尽くめのコスチュームの小姐二人組が大理石のオブジェを色々使って、モデルごっこ・・・当然、混ぜてもらい、一枚戴きました。
でも、お礼に一枚進呈なんて野暮なことはしません。
このカットでは惜しいかな、デジでは踏ん張りきれず、大理石からの陽光の反射で完全にテクスチャは飛んでしまいましたが、黒尽くめの小姐2が却って強調される結果になって、これはこれで面白い結果になったのではないでしょうか。
最後の五枚目。
ゆったりと島時間を楽しんだとは言え、元がせっかちな深川の人間のすること、やはり日暮れまでに尾道に戻り、日暮れの港町風情をばっちり撮って、旨い地魚のフレンチを賞味したいとか、不純な?思いで港に向かう足取りは勢い早くなってしまいます。
しかし、その粗忽者の前を歩く心豊かな島の人々は、歩くスピード、影の長さで以って、「島時間、島時間」と焦る心を鎮めてくれたのではないかと思いました。
今回の撮影旅行が実質的シェイクダウンテストとなりましたが、予想以上に素晴らしい成果を発揮し、予備役に転向したR-D1sともども期待に応えてくれたと思いました。
テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真
- 2009/09/27(日) 21:05:41|
- Cooke Speed Pancro 40mm
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6






【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE 露出補整+1/3 ISO800 全コマ開放、 ロケ地: 浅草
今日は久々の晴天、愛読者各位も過ぎ行く夏を惜しむかの如く、何処かに行楽に出かけられたのではないでしょうか。
工房主人は、本日は実家から車を飛ばしてお江戸深川まで戻り、日の有るうちに試写しなきゃなんないと、数ヶ月前に名人から渡された彼のレンズにかける哲学の具象であり、当工房へのメッセ-ジそのものである、このSummar5cmf2の試写に浅草まで繰り出したのです。
そもそも、こんなに試写が遅れてしまったのは、34mという特殊フィルター径のためで、これがなかなか入手出来ず、ずるずると時は過ぎ、しかもシネレンズによる写真展が迫っているため、寸暇を惜しみ、遠くであろうと近場であろうと、とにかくシネレンズをはじめとした工房製品の試写の貴重な休日を割いたため、夏前に手渡されたこの貴重な作品の評価が遅れに遅れてしまった次第。
このSummar5cmf2は1933年にツァイスのゾナー5cmf2という当時のハイスピードレンズに対抗して作られたWガウス型のライツ初のハイスピードレンズなのですが、とにかく現存するものは、程度が悪いものが多く、従って、写りも眠いとか、ピンが合っているかいないか判らないとか散々な評価を受け、中古市場では、とてもステータス性を誇るライツ社のクラシックレンズとは思えないような価格、そう1万円前後から叩き売られるという有様でした。
今回のレンズも例外ではなく、元々が新宿の某カメラ店の地下売り場でジャンク扱いで数千円で売られていたものを、初めは部品取り用、しかし、弟子の助命嘆願を受け、エレメントを全部開け、クリーニングとコバ塗り、そして回し積みをしてかなりまともには写るようにはなったのですが、当工房ではさすがに前玉のキズ、中玉の曇りまでは完全に除去することは出来ず、まぁ、フレアも味わいのうち・・・とか通ぶってそこそこ使っていました。
ところが、或る時、別のレンズのエレメント再生をお願いしに、大久保の名人のところに伺って、このSummarの話をして、作例をご覧戴いたら、「だめだめ、全然こんなんじゃダメ、見せて貰ったからには置いてって下さい、深川さんが、こんな状態ので撮り捲ってたら、ご本人の恥ですし、Summarの汚名が広まるだけですから・・・」と、いつもにない厳しいお言葉。
しかも、畳み掛けるように「私に預けたからには、全く見違えるように別のレンズにしてお返ししますから、作業内容、写りには文句言わないで下さいよ、約束ですよ・・・」と。
そして、待つこと約3週間。名人からのお電話で、「出来ましたので、いつでもお閑の有る時にお越し下さい」と。
早速、次の週末、新宿西口写真修錬会の会合の前に弟子を伴い、大久保のラボを訪問、見違えるように生まれ変わったSummar5cmf2改を受取りました。
名人は笑いを押し殺せず「良く写りすぎるからって文句言って来ないで下さいよ、ここまでやっちゃったら、元には戻せませんからね・・・」といつもにない上機嫌でした。
その夜、修錬会のアジトである某茶店でR-D1sで何枚か試したら、万全の撮影コンディションではないにも関わらず、コントラストが異様に高く、ヌケ、シャープネス、画面全体の均質性に優れた、まさにシネレンズもどきのクラシックレンズに産まれ変わっていることに気付いたのです。
と、まぁ能書きはさておき、作例見ていきましょう。
まず一枚目。
これは、浅草の数有る試写スポットのうち、近接性能と、逆光、そして後ボケがいっぺんに見られる優れた場所なのですが、ここでは、夏の終わりにかけてのみ、店先に見事なほうずきの鉢植えを吊るしています。
この描写でも、近接にも関わらず、極めて緻密にほうずきの実、葉、そして籠を描写し、若干の上品なフレアをまぶしているのが、逆光と判るアクセントです。
まさにクラシックレンズの"クラシック"という意味を最新のマルチコート+異常低分散ガラス+非球面で武装したレンズでの作例との比較において判らしめてくれるカットではないでしょうか。
そして二枚目。
仲見世を歩くと、週末はいつでも世界中の人々が徘徊しています。
この白人のカップルも、かなり至近距離でカメラを構えていたのにも関わらず、どこ吹く風で、自分達のショッピングを楽しんでいました。
ここでも、日本人に比べ、反射率の高い白人の肌が店先のハロゲン光源に照らされ、かなりフレアを誘発しそうなシチュエーションですが、とても柔らかく、滑らかに質感再現しています。
ここでは、前カットと比して、後ボケはそれほど暴れていません。
それから三枚目。
仲見世を歩き切って、宝蔵門をくぐると、浅草寺の境内に入ります。
いつもは、宝蔵門前で観光客を数枚撮って引き返し、伝法院通りに抜けるところですが、今日は、キブンを変え、ご本尊にお参りしてから境内で何枚か撮らせて戴くことに。
その中で真っ先に目が留まったのが、この祈るような眼差しでみくじを結ぶ少姐でした。
この掲示板には、「凶、大凶のみ結び合わせて下さい」と書いてあるので、この小姐は何か願い事をした後、みくじを引いたら、折悪しく「凶」か何かを引き当てててしまい、「やだなぁ・・・」とか、心の中で舌でも出しながら結んでいたのでしょう。
ここでもかなり至近距離でカメラを構えていたのにも関わらず、全く意に介さないようで、快く?モデルになって戴いたこの薄幸の小姐の今後の多幸を祈らざるを得ませんでした。
続いて四枚目。
このみくじ売り場で目を転じると、日本人離れしたスタイルの小姐2名がお互いのみくじをみせっこして、「声に出して読みたい日本語」ごっこをやっています。ところが、漢字に慣れていないのか、なかなかスムーズに読めません。あーだのこーだの、いや違うわよ!なんてやっているところを一枚戴きました。
ここでも合焦部の硬くならない程度の心地良いシャープネスと、なだらかな後ボケ、そして極めてナチュラルなコントラストが気に入ったカットになりました。
最後の五枚目。
また仲見世を歩いて戻り、雷門側まで来たら、なかなかお目にかかれない、東欧風の美女2名が店頭でショッピングしている場面に遭遇しました。
カメラを構え、気配を消して至近距離まで近寄ると、敵もさるもの、こちらの企みには当然勘付いていて、向かって奥の小姐が一瞬ニコリと笑ったかと思うと、また真剣なショッピング値切りモードにレジューム。
その値切りの気迫を一枚戴いたという次第。
ここでは、陽も暮れかけ、人工光があちこちから射すという悪条件であったにも関わらず、この豪胆な東欧の小姐達のお姿はかなり上手く捉えられたのではないかと思いました。
このカットでも、バックはかなりおとなしめに落ち着いたのではないでしょうか。
今回、この名人の渾身の作を試すにあたって思ったことは、何事も慢心はいけないということ・・・
たとえ、かなりのレンズの改造が出来るようになり、それなりに撮れるようにはなっても、まだ上には上が居て、日々の精進を以ってのみ、その技と哲学に近づけるのではないかということ。
いや、それこそが奢りで、名人は生涯技を磨き、存在を高めていくのですから、背中を遠く眺め、彼が或る時点で到達した位置を後から追い続けていくことくらいしか出来ないのでしょう。
テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真
- 2009/09/13(日) 20:55:10|
- 深川秘宝館
-
| トラックバック:0
-
| コメント:6






【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE 全コマ開放 露出+1/3 ISO200
今週末は土日とも好天に恵まれ、自民党政権の置き土産である休日高速乗り放題1000円の恩恵に与かり、行楽に出かけられた方も多いと思います。
このやや引きこもり気味の工房主人は、土曜日はついつい閃いたメカの実機化と生産技術への実証にほぼ一日弱を費やし、とうとう出かけずじまいになってしまったので、この日曜日には、翌日が会社勤めであることも度外視し、近場の行楽に出かけました。
とは言っても、腰の重い主人のこと、出かける前に昨日組んだレンズの無限チェックした、やや甘く、直したら、今度は近距離で傾斜カムのプロファイルがおかしいという迷宮に入り込み、出かけたのが12時ちょうど、途中、門仲交差点のサブウェイでメシなんか食べてから都営線経由京急で横浜、そこから逗子行きで、目的地の鎌倉に着いたのは、2時半前になってからのことでした。
今回は直近開発・製造したレンズと過去に製造したものの、ずっと出番待ちになっていた一本との混成軍によるロングランテストの半日でした。
で、今回ご紹介するのが、このFujinon-E5cmf3.5改Sマウントです。
この隠れた銘玉・・・とはいっても中古カメラ店では、程度の悪いものなら200~300円でも買い手が付かないこのレンズを、工房開設当時、練習台として買ったまま、ずっと手付かずで防湿庫の奥で、地層に埋もれ続けていたのですが、或る頃、電子湾が不漁で全然、新鮮な玉が入手出来ない時、思い切って、レンズを全部開け、エレメントの清掃、コバ塗り、そして、引伸ばしレンズに有りがちな、チョークリングの切開を行い、実効F3.3程度まで明るくすることに成功、そしてこれによって球面収差が増大することが予想されることから、カリカリの引伸用レンズから、撮影用への転用が上手く行くだろうとの想定したわけです。
実際にマウント加工前のレーザ光のコリメーションやラヂアス&タンジェンシャルパターン投影でも、素晴らしい性能を発揮していたので、実写はむべなるかなとは予想してはいましたが、まさか、同じR-D1sでの撮影、しかもアヤシゲな三国製のS-Mアダプタ経由の撮影で、先に加工したFujinar-E5cmf4.5改Lを凌駕するような描写力を発揮してしまうとは・・・まさに恐るべし、オーパーツです。
では、実写作例行ってみましょう。
まず一枚目。
これは、小町通りの名物ともなっている、人力車の車夫さん達の営業風景その一です。
この掛布元監督みたいな顔立ちの若いガチムチ兄いはたぶん新顔なのでしょうが、断られても、断られても、イヤな顔ひとつせず、直射日光がカンカン照りの下、極めてソフトな語り口で次から次へと気の弱そうなカップルを勧誘していきます。
笑った瞬間を狙ったので、一番ピント合わせ易い肩口であわせましたが、寧ろ、笑顔がソフトなカンジになって結果オーライではなかったかとも思います。それにしてもバックのボケはとてもキレイでとてもテッサー型とは思えません。
続いて二枚目。
小町通りを暫く歩いてから左に折れるとお約束の撮影スポット其ノ1に当ります。
ここには、風雨に朽ちるに任せてある、真紅のスクーターが路地裏の黒板塀の茶店脇に一年365日何時でも置いてあって、ご自由に撮影して下さい♪と勧誘しているようなものです。
このカットでも、風雨ですっかり光沢を失った赤いカウルの鈍い発色と黒板塀の照り返し、ガラスの反射と質感の緻密な描き分けに成功していると思います。
おっと、シャッター押したら、小姐が中から出てきてしまった・・・これにはあえてコメント致しません。
そして三枚目。
何枚か撮ったら、また路地裏を後にして、華やかな小町通りに戻ります。
ここで、色とりどりの傘がカラフルに虚空にディスプレイされていました。ここで一枚戴き。
ピンは一番手前のゲゲゲの鬼太郎のちゃんちゃんこ柄の傘の布のエッジに合わせていますが、極めてシャープ、後ボケも溶けるが如くで心地良く随伴した謎のスーパーレンズとも拮抗する出来でした。
更に四枚目。
通りを奥まで歩き、鶴岡八幡の前の通りと交差するあたりで引き返し、表の小町通りを駅に向かいます。
ここで、また車夫さんの勧誘活動に遭遇、今度の青年は語り口の口上もさることながら、表情の起伏の作り方がとても上手く、カップルは完全にペースに乗せられてます。ここで成約を祈りつつ、一枚戴き。このカットが、引伸レンズは平面から平面の投影向けに特化して設計されているので、撮影に使えても、平坦な描写になって面白みがない・・・という教科書的な概念を否定してくれます。
最後の五枚目。
この暑い日中に歩き回ると、いくら秋口とは言え、暑くもなりますし、喉も渇きます。
そこでふと眼に留まったのが、この涼しげな水流で冷やされている地ビール・・・
まだはんぶん以上、旅程を残し、撮影予定枚数も半分以下なので、ここは心を鬼にしてガマン、写真だけ撮って、涼しい雰囲気だけ貰ってその場を後にしました。
今回の感想は、恐るべし引伸ばしレンズ・・・ジャンク寸前の棚にもこんなかっとんだ描写をするレンズが潜んでいるものだ、と改めて認識した次第。
工房主人のレンズ遍歴の旅はまだまだ続きそうです。
テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真
- 2009/09/06(日) 22:44:57|
- Sマウント改造レンズ
-
| トラックバック:0
-
| コメント:8