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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

心の旅~うちなーII~Thanks for your hearty smiles!

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【撮影デ-タ】カメラ:1,2,3,6枚目;Leica M8 ISO Auto 露出補整+1/3 全コマ開放、4,5枚目;Zeiss IkonZM Ektar100、露出補整+1/3、全コマ開放、レンズ:1枚目;Uncertified Super lens35mmf2.3mod.M、2~3枚目; Speedpanchro32mmf2mod.M、4枚目;O-Raptar51mf1.5mod.M、5枚目;Speedpanchro50mmf2mod.M、6枚目;Speedpanchro40mmf2mod.M
さて、今宵は水曜日からの続き、前回は主に街角の風景で行ったので、今回は、モデルさんになって頂いた方々とのふれあい中心に作例ご紹介しましょう。

その前に、よく、自分で作ったレンズなんか旅に持ち出して失敗したらどーするんですか?ましてや沖縄旅行なんて、せっかく撮った画がオシャカにでもなったら、取り返しつかないでしょう・・・というような趣旨の質問を受けます。今回、現地で色々な方と"ゆんたく"しながらも同様の心配をして頂きました。

勿論、工房主人、ウデ(改造の方・・・)に覚えは有りますが、元々が小心者ゆえ、沖縄行きが決まり、往きの京急の中から、いつもの思考の堂々巡りが始まります。

それは、前回を越える、とまでは高望みしないものの、前回並みくらいには満足行く写真撮れるだろうか?いや、前回と同じような写真ばかり撮っていたら、マンネリだし、こんなに頻繁に通う意味が無い・・・今回も沖縄現地の人に声かけたら、快くモデルになって貰えるだろうか?いつも東京から来たと名乗ってはいるが、ホントにそれで良いのだろうか?そして、作ったレンズが実写でピンが来てなかったらどうしようか、或いは、傾斜カムのプロファイルがまずくて、旅先で距離計を狂わせでもしたらどうしようか?色々と考えてしまい、実は那覇空港のゲートを抜け、モノレールの2日券買う時が一番、自分自身の心の中の臆病さとモノづくりに関する、自信過剰なまでのプライドがせめぎ合い、ホントに今回も来るべきだったのか一人考え込んでしまう瞬間なのです。

しかし、那覇をベースとしつつ、季節が変わり、本島内の行き場所も少しずつ変えているので、この楽園は毎回、違う顔を見せてくれ、時には想像もつかないような出会いとシャッターチャンスを恵んでくれます。

では、今回、出発前の逡巡を吹き飛ばしてくれた、素晴らしき出会いの一部をご紹介していきましょう。

まず一枚目。
到着して2日目、那覇ではいつも訪問する、心安らぐ場所、壺屋にやって来たということは、前回の記事で、浴衣の小姐達との遭遇のところで記しましたが、その後、国際通りから、また壺屋の有名な?井戸の辺りまで歩いて、今度は一般上の、あまり観光客が入ってこないような裏通りで撮影対象を探していました。
すると、陶房と思しき建物の入口の庇の下に、陶器の皿が陰干しされていて、その台座が焼き締めのシーサーだったので、面白い配置と思い、中の方に撮影の許可を貰うため、声掛けて、一枚撮らせて貰い、お礼を述べて、立ち去ろうとしたところ、「中を覗いて行きませんか?」と有り難くも声を掛けて頂いたので、元が人見知りしない育ちの工房主は、嬉しくなって、ほぃほぃと中に進み、作業の実況を拝見しながら、説明を受けていました。
そして、厚かましくも、お仕事風景を撮らせて欲しいとお願いし、職人さんお二方が熱心にしかも目を見張るような器用さで次々と轆轤から皿やカップを作り出していく光景を撮らせて頂いた次第。

帰京後、家のネットで以って調べたら、この工房、壺屋でも有名な「育陶園」のご当主自らが轆轤を回されていたとは露知らず、息子さんにずいぶんとぶしつけな質問もしてしまった・・・と後から赤面した次第。
この場を借りて、心よりお詫び申し上げます。

そして二枚目。
那覇滞在三日目、朝から豪雨にはなったのですが、お昼過ぎに一応雨も上がったので、久しぶりに「琉球村」へ行ってみたくなり、朝一番でバスツアー全て断られたのを良いことに自分で郊外バスを探し、出かけることに。

ホテルのネットで調べてみれば、何のことはない、いつも北谷美浜に遊びに行くのと同じバスで以って、読谷村のちょっこし先まで足を延ばせば、なんと、この心温まるテーマパークの目の前に路線バスのバス停が在ると言うではないですか・・・

パレットくもぢ1階のケンタでの軽い朝飯もそこそこ、モノレールに乗って隣の駅の旭橋に向かい、バスターミナルから「120番名護西線」のバスに乗ります。

1時間半ほどすると、目の前に懐かしい「琉球村」の看板が見えてきました。
これまで2回ほど来たことがありましたが、慣れないうちは観光バスの一日がかりのツアーに組み込まれた訪問で、だいたい、90分弱程度しか滞在時間が無いですから、この日のように、着いて暫くしたら、また大雨になってしまい、陶芸センターみたいな建物で雨をしのぎ、そしてしかるのち、また空模様を見つつ、撮影再開・・・といった融通無碍のスタイルでの創作は困難でした。
しかし、今回は帰りのバスの時間は自由なので、納得行くまで粘りました。
園内を散策して、獲物を物色していると、さすがに暑い最中でビーチでもない、こういう渋めのテーマパークに訪問しているゲストは少なかったのですが、まず、泥細工のシーサーへの絵付け体験、即ち立体塗り絵のコーナーに、進駐軍の非番の兵隊さん達と思しき男女グループが楽しそうにやっていたので、縁側からエクスキューズミィーとか声かけて、一枚、写真撮らしてよ♪と行ったら、プリーズプリーズ、好きなだけおやんなさい♪という有難いお返事。
あんまし沢山撮っても、単調になるだけなので、一枚勝負で撮らせて貰ったのがこの一枚。
画面から、「ゆんたく」しながらの楽しい作業の雰囲気が伝わってくるようです。

それから三枚目。
ここ「琉球村」は建物ががらんどうで展示してあるだけでなく、各建物の中で体験型の遊びが出来るようなコンセプトになっていて、次に訪問した古民家の中では、おばぁがイイ声を張り上げて、関西弁のお姐さん方に三線の稽古をつけていました。
そこで、進駐軍の兵隊さん達に「Thank you very much have a nice day!」の大合唱で送り出され、相当テンションが上がった工房主は、ここでも、稽古中の3人に対し、「あっのぉ、東京から来た観光客なんですが、楽しそうな雰囲気、一枚撮ってよろしいか?」とか不可思議な大和言葉で話しかけ、おばぁが、どーぞ、どーぞ♪とか言ってくれたんで、図々しくも「ぢゃ、谷茶前とか、安里屋ユンタとか楽しげなのでやりましょう♪、でも出来るだけ自然にお願いします。」とか言い終わるか終わらないうちにおばぁは正調「安里屋ユンタ」を声張り上げ歌い、満面の笑顔を見せてくれました。

続いての四枚目。
園内で満足行くまで撮った工房主は付属の沖縄料理食堂で何か食べてから、那覇市内の戻ろうと考えていたのですが、15時を過ぎてしまっていたので、食堂は営業終了、おなかを空かせたまま、失意の帰還となるところでした。
そこで、仕方なく、バス停横の自販機でナタデココ入りヨーグルトかなんかを買い食いし、空き缶を捨てる場所が無かったので、トイレ借りがてら、また「琉球村」のエントランス手前の施設まで戻りました。

そうしたら、居ました、居ました・・・今回、欠けていたもの。
そう、前回、前々回と、ここを訪問した際には、自腹で貸衣装を借り、琉球古来の衣装「琉装」というらしいのですが、そのコスプレしながら園内を徘徊している、無辜の観光客各位が居たので、軽いノリで撮らせて貰っていたのですが、今回は、暑さ故の入場者減のため、全然巡り合えず、一枚も撮れていなかったのです。
そこへスタッフの気の良い小姐がニコニコと歩いてきたので、ちっこし呼び止め、即席モデルさんになって頂いた次第。
ナガタさん、その節は有難うございます・・・いかがですか、小生、手作りのレンズで写させて貰ったポートレートは?

まだまだの五枚目。
那覇滞在4日目、いよいよ帰京の日です。
この日は前日からの雨模様がまだ続いており、正午になってもまだ雨が上がらず、仕方なく、パレットくもぢでゆっくりお昼飯を戴いたり、ローカル映画を楽しんだりして、15時も半になったら、ウソのように天気は回復し、写真日和となりました。
そこで、撮影続行です。
那覇に逗留時、必ず訪問するもう一箇所、そう壺屋とならぶ古い那覇の風情を残す街、首里城裏の住宅街、首里崎山町、首里金城町の一帯へモノレール経由赴きました。

この町も壺屋同様、必ず毎回訪問していますが、季節ごとに違う表情を見せてくれ、また住民各位は地元の人であろうと、観光客であろうと、必ず挨拶を交わす、という、いまどき、ここ沖縄では渡名喜島か、本土なら天川村くらいしか思い当たらないような、素朴で心安らぐような街なのです。

今回も雨上がりとは言え、太陽がカンカンと照りつける首里城裏側、首里崎山町の上り坂を黙々と登って行ったら、元気なロコ少年達が奇声を上げながら反対側から競うように走って来たので、一人を呼び止め、「少年達よ、おじさんは東京から来た旅のものだが、記念に一枚、そこな赤瓦の建物の前で撮らせておくんなさい・・・」とか、またこれも奇妙なヤマトグチでモデルをリクエスト、初めは怪訝そうな顔しながらも、一人が立ち位置に立てば、みんな右向け右とばかりに勢ぞろいしてカメラに笑顔向けてくれたので、ハィ、チーズ!とシャッター切ったのがこの一枚です。

最後の六枚目。
首里城裏側の最大の見所は、やはり王府時代から連綿と続いた、石畳の道でしょう。
この石畳の坂道には途中何箇所か撮影スポットが在って、絵葉書にもなり、カラオケのビデオクリップにもなり、教えもしないのに、アマチュアカメラマン達がシャッターを切るのですが、同じように何箇所を巡って、石畳の道の終点辺りにある、古民家のような休憩所まで来た時、先ほど通り過ぎた時は木戸が固く閉まっていたのですが、どうやら開け放たれ、地域の住民の方々が何か面白げな催しをやっているようでした。

そこで、カメラ2台提げ、いかにも一般観光客とはちょっとばかし違いますよ然とした工房主人は、木戸の開け放たれた縁側に立ち、保護者と思われるお父さんのような方に、「東京から来た旅の者ですが、ゆんたくしているような楽しげなところを一、二枚撮らせて頂けませんか?」とお願いしてシャッター切ったうちの一枚がこのカット。
実は、手前のカチューシャの娘さん、一枚目のシャッター切った時、どういうわけか、虫の居所でも悪かったのか、床の間の方を向いて飲み食いしていて、手前の人物が背中向けている・・・という作画的には、なかなか苦しいカットになってしまったのですが、他の2人のお友達、そしてお父さんの「カメラの方向いてあげなよ」といった加勢もあり、望外のピースでの写真となった次第。
皆さん、ご好意、心より深謝申し上げます。

今回は、出発前の不安をかき消すように、真夏の、人があまり街に出ていないようなハンデの状況下でも、予想以上に出会いと写真が撮れました。
これだから沖縄通いは止められない。
ご覧になっていて、夏休みの予定がまだ決まって居ない方、秋の3連休のご予定がまだ決まっていない方・・・香港、台湾、或いはグアム、サイパンも良いですが、古き佳き日本の心が今も残る沖縄はもっと素敵な思い出が残せると思いますよ。
是非、ご検討を。

さて、来週は、所属するノンライツRF友の会とこの頃、ゲスト参加を認めて頂いている某散策会メンバー各位との合同撮影会@湘南からのレポートとなる予定です。乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2010/07/25(日) 20:52:58|
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心の旅~うちなーI

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【撮影データ】カメラ:Leica M8 レンズ:1,2枚目;Cine-Xenon28mmf2改M、3,4,5,6枚目;Uncetified Super lens35mmf2.3改M、全カット開放撮影
先週末はふらっと海を超え、琉球の国まで遊びに出かけてしまっていたので、日曜日の定例更新をさぼってしまいました。お楽しみにされていた方々には深くお詫びを申し上げます。

さて、予告通り、今日、水曜日にまずは前半戦としてM8で撮影した、北谷町美浜、そして名護市の旧市街、そして、那覇で最も心休まる場所のうち、壺屋からの写真とレポートをお送り致します。

今回は、着いた当日にまずホテルのチェックインもそこそこに荷物置いて、珍しく旅写真の相棒に選んだM8といつもの頼りになるZeissIkonZMをカバンに詰めたまま、目の前の勝手知ったるバスターミナルから郊外バスに飛び乗り、1時間弱の北谷町美浜のアメリカンヴィレッジを訪れました。ここからが冒険談の始まり、始まり・・・

まず一枚目。
この日は憎たらしいほどのピーカンで、気温も高く、更には金曜の一番暑い時間だったこともあり、老若男女世界の人種が溢れるここ美浜のアメリカンヴィレッジも、人っ子一人居ないとは言わないまでも、閑古鳥が鳴きながら屋根の上で焼鳥になってしまうような状況でした。
そこで仕方なく、この頃練習を始めた、人を入れないで街角のオブジェだけでスナップ作画する手法で一枚二枚。
その中で一番夏らしい雰囲気が伝わってきそうなのがこの一枚です。
「ごらんあれが竜飛岬、北のはずれと、見知らぬ人が指を指す・・・」という最果ての地に一人旅を敢行された向きには申し訳ないですが、こちらでは夏真っ盛りです。

そして二枚目。
アメリカンヴィレッジでは暑い中、待てど暮らせど、フォトヂェニックで、しかも気安くモデルになってくれそうな気の良いヂモティの若者はやって来ません。
そこで、あまり気乗りはしませんでしたが、すぐ目の前のビーチに向かいます。
やはり、そこでも人もまばらで、え、ホントこれが夏の海???てなカンジの惨憺たる按配で、目の前にはただただ白い砂浜と蒼い空が広がるのみです。
仕方ないので、去年、八頭身の美少女に出会った思い出に浸りながら、極めて趣味悪い色に塗られた海浜安全監視員席をヤケ気味に乱写です。

それから三枚目。
北谷町美浜での不発に終わったスナップに心痛めながら、夜は旨い沖縄料理と銘酒「泡波」なんか舐め、ぐっすり爆睡、翌朝はまた気を取り直して、また目の前のバスターミナルから高速バスに乗り、一路、名護市を目指しました。
名護市自体は「美ら海水族館」に2回、今帰仁城に1回行ったことが有って、その際通っていますから、土地勘はないワケでなく、バスもスムーズに乗れ、目的地の名護バスターミナルに着いたは良いですが、ここでも、着いたはイイが暑さで誰も歩いていない、仕方なくバスターミナルに戻り、恐る恐る、団扇で涼をとる運転手さんらしき人物にプリントアウトして肌身離さず持ち歩いていた汗まみれの地図を示し、「津嘉山酒造所ってここからどう行けば宜しいか?」とお伺いを立てたところ、この運転手さん、那覇から車飛ばして来て、ちょうど休んでいるところを東京からの物好きな旅人に捕まってしまったという、世にも不幸な役回りで、仕方なく、事務所に入って行って、小生は外で茫然と待つこと暫し。
ほどなく事務所内に招き入れられ、ヂモティと思しき、妙齢の女子事務員サンに「あ、ここ、バスターミナルからは結構遠いです、この季節歩くと30分以上掛かるし、間違いなく日射病になるからやめた方がイイです・・・3番乗り場からバス乗ってって下さい、急ぐなら門前のタクシーも有りますし。」と事務的ながらも、旅人の健康と自社の売り上げにまで心を配るご発言。
しかし、腹減っていたので、ターミナル前の食堂でメシ喰ってる間にバスは旅立ってしまったため、仕方なく、タクシーで津嘉山酒造所に連れて行って貰ったのでした。
着いてみると、朝、出かける前に電話で、敷地の中に入って、建物を仔細に検分し、容赦無く写真撮影するから宜しいな!?とお伺いを立てていたにも関わらず、酒造所のゲスト担当と思しき30代半ばの饒舌な兄さんは、如何にも内地から来ましたというカンジの従順で気の良さそうな熟年夫妻にマシンガンセールストークを浴びせるのに余念なく、小生は最初から最後まで徹頭徹尾、一人で快く撮影が出来たのでした。この場を借りて心より御礼を申し上げます。

続いて四枚目。
デジとフィルムで合せて40枚近くも撮ったら、飽きて来て、高い交通費払って、何やってんだろう?てな自己嫌悪の感も心の奥底で夏の入道雲の如くむくむくと沸き起こり、せめてバス代の幾らかは取り返してやろうと、撮影協力の御礼もそこそこに付近を散策しつつ、これはと思う景色にシャッターを切ったのでした。
しかし、暑くて人が殆ど居ないのと、赤瓦の家が殆ど無い・・・そう、沖縄の住宅近代化の要、コンクリート瓦はここ名護市が発祥の地なので、古い家屋はだいたい、灰色のコンクリート瓦、リニューアルしている家も、その上に石灰の白を上塗りしているくらいなのでした。
ガイドブックを読みながら半ば落胆し、あぁ、こんなことなら出掛ける前にもちっと本読むべきだった・・・とかやや後悔しながら、何気なく路地を通り抜けた先に有りました、有りました赤瓦と薄いコーラルピンクに木部を塗った、戦後すぐのタイプの住宅が・・・
思わず嬉しくなってシャッターを切ろうとしましたが、んんん、待てよ、このタイプの住宅なら、那覇探せば、何処だってそこそこ在るぢゃないか!ってことで、その前に咲く、南方の美しい花に主役を譲り、背景として脇役に回って貰ったカットでした。

まだまだの五枚目。
その後、バス停の在る名護市庁舎まで歩いて移動途中に面白い家々を撮ったり、また、偶然、市庁舎の外部階段経由、最上階のテラスまで登れることが判り、各階でシーサー達を青空をバックの撮ったり、モデルさんが居なければ、居ないなりに適当に撮影し、ほどなくやって来たバスに飛び乗り、那覇に戻りましたが、まだ陽は高い時刻に戻れたので、そのまま、バスターミナルからモノレール旭橋まで歩き、牧志まで乗って、壺屋の街を訪問することとしたのです。
その牧志駅から壺屋の街の入口まで歩く途中、交差点で如何にも沖縄の美男美女高校生という感ありありのカップル?に遭遇したので、アイコンタクトの上、横断歩道ですれ違いざまに撮った一枚。
M8の小さなモニターで、撮った直後チェックした時は気が付かなかったですが、男の子の方は明らかにカメラ目線になってしまってました。

最後の六枚目。
姫百合橋の大通りから壺屋の通りに入ると、いたいけな高校生くらいのローティーンの小姐達が珍しく内地風の着物を着て、通りを闊歩していました。
上手くすれば、盆踊り大会、いや花火大会?で大量の浴衣小姐がたむろする場所に連れてって貰えるかも知れない♪という下心剥き出しで、結局、国際通りの入口までふらふらとついてっちゃったんですが、その途中、如何にも壺屋でござぃってところをご一行サマが通りかかったので、そこで慌ててシャッター切ったのがこの一枚。
殆ど目測、開放で撮ったにしては、そこそこ見られる、雰囲気有るカットになったのでは、と秘かに満足した一枚なのでありました。

今回の3~6枚目までは、工房の新作レンズのシェイクダウンだったので、正式発表はもう少し後になりますが、何れにせよ、期待以上の描写性能でした。

この続きはまた日曜日の夜にお送り致します。乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2010/07/21(水) 23:41:16|
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第二回出張撮影~本郷裏通りの青春~

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【撮影データ】カメラ:R-D1s、ISO200、露出補整+1/3、全コマ開放、レンズ:1~3枚目:Cooke Spped Panchro50mmT2.2ser.3改L39、4~6枚目:Apo-Rodagon50mmf2.8改M
さて、このところ、暑い天気と急転直下の豪雨などが続いておりますが、読者各位はいかがお過ごしでしょうか?
週末はいつも工房に引きこもって、沖縄系音楽流しながらレンズ加工などやっている工房主にも、時たま、お呼びが掛かることがあります。
今回も、某写真愛好家集団各位のご好意で、お声掛けを戴き、新宿西口写真修錬会/ノンライツRF友の会の愉快な中間達と、その撮影散策会という極めて心地良い催しに混ぜて貰って、好天の下、本郷三丁目で集合し、本郷の菊坂町辺りを撮り歩いてきました。

今回の機材は、来週の出撃に備え、最初期に改造したCooke Speedpanchro50mmT2.2ser.3を先般、最新の材質、加工技術、そして測定技術を投入し、リメイクしたものと、その比較用に引伸レンズ軍団の長、Apo-Rodagon50mmf2.8を持ち出しました。ホントはカバンにはもっと本数入っていましたが、要は歩きながらの撮影なので、換えるのが億劫だっただけです。

さて、早速、ルートに沿って、作例見ていきましょう。

まず一枚。
これは、Speedpanchroによる撮影で、本郷三丁目の駅から出て、目の前の大きな通りを渡り、菊坂町に向かう途中で見かけた米国風ファーストフードレストランの店先のオブジェです。
まだ開店前なのを良いことにメンバー13名が寄ってたかって思い思いのアングルで撮影しています。
撮影開始直後にこんな面白いオブジェに逢えるとは幸先が良いです。
ピンは手前から二つ目のバーガーの上のバンズのゴマに合わせていますが、やはり、当然のことながらシャープで、カラーバランスも陰影の表現も素晴らしいと思います。
ただ、解像力の跳ね返りか、背景が若干2線ボケになってしまっているのが残念でした。

そして二枚目。
皆でワイワイ語らい合いながら、ところどころ、これはと思う撮影スポットでは、無口となって真剣な面持ちで撮影モードに入るのは、皆さんさすがだと思いました。
菊坂町の古い街並みを思い思いに撮り歩きながら、急に開けた小公園までやってきたら、久々の好天が待ち遠しかったのでしょうか、いたいけな子供達が様々な遊具で遊んでいます。
子供撮りは、そこはそれ、伊達に沖縄通っているワケではないので、カメラを構えながら、「撮るぞぉ~」とか、ひょうきんに言いながら、あうんの呼吸でシャッター切ります。
このなかなか愛くるしい小々姐はなかな協力的で、ボールを道具に何カットか魅惑的なシーンをプレゼントしてくれました。
まさか、こんな幼いうちから、シネレンズの凄さを見抜いての協力姿勢であれば、将来が末恐ろしい気もしました。
沖縄のピーカンの白い砂浜ほどではないにせよ、かなり地面からの照り返しも強く、オーバー気味の露光とはなってしまいましたが、それでも、しなやかで美しい黒髪のテクスチャや、あどけない表情など、余すところなく記録しているのは、アリレンズの最終系と言われたSpeedpanchro Ser.3の威力の為せる業だったのでしょう。

それから三枚目。
菊坂町での撮影も一通り終え、途中、午前のお茶&休憩タイムをはさみ、昼飯を目指し、今度は一本上の道を東京帝国大学方面に歩いていきます。
その途中、勘が働いたというか、ふと足を踏み入れた路地に有りました、有りました・・・そう、小生の沖縄撮影の3種の神器とも言われる、ハイビスカスと人力井戸ポンプが・・・
飛行機賃払わずとも、大好きな沖縄のエッセンスが撮れるなら、これに越したことは有りません。
嬉しくて、いつものワンパターンのアングル、構図で一枚戴き。
ピンは画面上部右側のハイビスカスの花に置きましたが、やはり強い直射日光下、花のテクスチャは跡形もなく飛んでしまって、かろうじて反射率の低い花中心部の赤と輪郭のみ残しています。
人力井戸ポンプは、長年の風雪による塗料の経年変化で艶がなくなって、イイ感じの佇まいとなっています。

続いて四枚目。
ここから、選手交代、Apo-Rodagonの出番です。
東京帝大方面の通りをちょっこし横道に逸れると、「金魚坂」という看板が目に入ります。
ここは何でも、金魚の販売から釣堀から、レストラン・カフェなど手広く経営しているようで、その業態の摩訶不思議さに驚くよりも、固定資産税の高い都心部のこと、このような複合経営を手掛けなければ、伝統ある屋号が守れないのだろう、とふと、我に返った次第。
空中に浮かぶ看板を撮ってみましたが、やはり、ピン置いた手前の看板の赤い文字の艶かしさはこのレンズの引伸用途には留まらない懐の深さを感じさせてくれるのではないでしょうか。
また、バックのボケも絵画の遠近法のようになだらかな好ましいボケです。

まだまだの五枚目。
早速、中に入ってみれば、釣堀で、親子連れが釣りなどを楽しんでおり、親御さんにアイコンタクトで写真撮りたい旨伝え、カメラを向けました。
このカットでは、手前の小々姐の髪の上の白いリボンを目当てにピンを置きましたが、さすが、引伸レンズの雄、シネレンズにも一歩もひけを取るどころか、中心部の解像力の高さで、見事に反撃しています。
少々オーバーかも知れませんが、こちらの小々姐の髪の毛は画面から飛び出してきて、攫めそうな錯覚を覚えるほどのシャープさです。
また、ここでのバックのボケの自然さも、並みの銀塩撮影用レンズではまず歯が立たないと思われます。

最後の六枚目。
金魚坂を後にして、木村伊兵衛翁が名作を撮ったというポイントに皆で向かいます。
その途中で、建築会社の資材置場があって、先行メンバー各位が散開し、早速、ミニ撮影会の様相を呈しています。
その中で、皆さんどういうワケか三角コーンにはご執心でしたが、この黄色い、ムーミンに出てきた棒状の謎の生物みたいなオブジェはまさにアポクロマートレンズの性能の一端を知るのに相応しいと思い、小躍りしてシャッターを切った次第。
ここでも、発色、シャープネス、そして距離感を感じさせる自然なボケ、このレンズを引伸用と決め付けてしまうのが極めて難しくなるような反証が出てきました。
勿論、映像撮影用の産業レンズである、アリレンズは高性能というのは当たり前ですが、少なくとも、今回のR-D1sによる街撮りでは、甲乙付け難い、好勝負を繰り広げたのではないかと思った次第。

さて来週は、金曜日から、また飛行機に乗って、ぶらり旅に出てしまうので、早ければそのレポートも兼ね、再来週の水曜にでも更新入れます。

乞うご期待。

テーマ:お散歩写真 - ジャンル:写真

  1. 2010/07/11(日) 21:21:50|
  2. 街撮り写真
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管家看到 another story~Cooke KInetal12.5mmT2 mod.M~

cooke kinetal125T2
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【撮影データ】カメラ:R-D1s ISO400 絞り優先AE 露出補整+1/3 全コマ開放 、ロケ地:浅草
さて、感動の二連作を乗り越え、今日は久々の「科学と学習」風のコンテンツ行ってみます。
このレンズは、言わずと知れた映画撮影用レンズの銘玉中の銘玉 Cooke Kinetal12.5mmT2のArri.スタンダードマウントを当工房にて、Mマウント化&距離計連動化したものです。

実は、このレンズ、欲に目が眩んだ工房主が16mm用のレンズと売主が書いていたのを、焦点距離16mmと勝手に勘違い、こりゃ、安く出物を手に入れたワィ・・・とほくそえみ、品物の到着までは暫しの幸福な空想と充実感の日々だったワケです。

が、しかし、到着して、不相応に立派なキャップを開け、銘板を見て仰天・・・げげげ、焦点距離12.5mとは。

当工房では今まで18.5mmまでの焦点距離のレンズしか距離計連動をやったことがありません。

何とならば、焦点距離が短くなればなるほど、光学系の合焦のための前後ドライブ量と距離計連動カムのドライブ量のギャップが大きくなって、二昔前以上に流行った、富士急ハイランドか小山ゆうえんち辺りのジェットコースターのレールのカーブを彷彿とさせるような極端な傾斜カムを極めて精緻に加工せねばならず、実際に工房発足当時に手掛けた18.5mmのアンヂェニーの加工でエライ目に遭っているからです。

さて、なりそめはこのくらいにして、判る範囲で簡単にこのレンズの氏素性の紹介行きます。

このレンズは独Schneider Kreutznach、Carl Zeissと拮抗する、英国光学界の雄、Rank Taylor Hobbsonがシネキャメラの巨人、Arnold & Richter社製のArriflexの16mm判向けに供給したもので、マウントがスタンダードで、コーティングがマルチであることから、70年代の半ばから終わりにかけて生産されたものと思われます。
レンズ形式は、枚数や群構成は不明なものの、明らかにレトロフォーカスタイプであることは見てとれます。

では、何故、今回、こんな"失敗作"の作例紹介をすることとしたのでしょうか?
それは、SONYのNEXが発売になり、Mマウント等のレンズカプラーも今月から、国内外の業者により発売される見通しとなりましたが、今までマイクロフォーサーズで使っていたシネレンズがNEXシリーズのAPS-Cサイズの撮像素子で撮るとどうなるのか?という質問があちこちから戴きましたので、論より証拠、同じAPS-CサイズのR-D1sでシュミレートした結果を公開しようと思った次第。

なお、タイトルは東北の畏友、Y形さんの果敢なチャレンヂへのオマーヂュの意味合いも含めて付けたもので他意はありません(笑)

まず一枚目。
浅草と言えば、まずは雷門、これを抜きにしては浅草は語ることが出来ません、前々から超広角レンズ手に入れたらやってみたかったのが、提灯の真下あたりからどアップで提灯の雄姿を画面に納めること。
さすがに真下は、今日も大勢の観光客各位が通行していたので、足蹴にされる危険を孕んでいたので、ちょいとオフセットし、距離計が連動する最短1mで撮ったものです。
それでも、3m以上の距離から撮ったように見えてしまうから不思議なものです。
提灯表面の紙の質感、白いメッシュ、それぞれの描写がタダモノではない解像力を感じさせてくれます。

そして二枚目。
個人的な浅草の撮影スポット、裏通りの団扇屋さん店頭のディスプレィです。
これは、もう目測40cmで撮りました。
だいたいいつも使う35mm~50mmクラスのレンズの1.5m程度の距離に近いカンジです。
ひょっとこ面の値札にピンを置いていますが、この画像では判りずらいかも知れませんが、恐るべきシャープさと自然な描写で捉えています。
バックのボケは周辺の中心方向への曲がりは仕方ないとして、結構素直なボケ方をしています。
なお周辺手前右の白い光輪はレンズ枠の反射を拾ったものと考えられます。

それから三枚目。
所定の撮影スポットを二箇所クリアして、某団子屋さんには好みの美小姐が不在でしたのでそのままスルーし、浅草寺本堂方面に流れる人の群に身を置きます。
と、ハーフと思しき、内地では珍しい美小々姐の手を引いて仲見世を悠然と歩く中年のご仁が追い抜いていきました。
ここで、俄然、インターセプトモードです。
いつもの50mm~28mmだとこのような人ごみですと、充分なクリアランスが取れないので諦めてしまうところですが、今回は距離を4分の一程度に縮めてしまう、魔法のレンズをつけています。
1m以内に接近しながら、すかさずシャッターを切ったのがこの一枚。
実際には、手を伸ばせばまさに触れなんとする距離であったにも関わらず、2m以上の距離を置いてゆったりと後姿をスナップしているように見えるから不思議なものです。
周辺の人々はここでも激しく画面中央方向に引っ張られ、画面左の小姐など、現実社会で起こった事象なら、即刻、救急車で整形外科病院行きの首の曲がり方をしています(笑)

まだまだの四枚目。
伝法院通りと仲見世が交差する場所、そうマニア各位には、かの名人のお店の曲がり角と行ったほうが通りがイイ場所まで来てみると、例の歩く観光名所、桜金造似のズラ饅頭屋さんが居ました。
大変申し訳ないのですが、蓬の風味が好きでないので、いっぺんも買ったことがないのですが、何十回も撮ったことがあるので、またカメラを向けると、仕事中にも関わらず、カメラ目線&即席ポーズ。
精一杯、写真で宣伝するので、これで勘弁してやって下さいね。

最後の五枚目。
伝法通りを鵜の目鷹の目で歩いて獲物を物色していたら、このところ、雨後の筍の如く急増した中国人観光客が、異様に騒ぎ、エキサイトし、カメラ片手に何事かを喚き走るものも居る・・・なんぢゃ、ここは天安門でも、外灘でもねぇぞ・・・と毒づきながら走らせた目線の先には・・・居ました居ました、今日一番のキワモノが、いや、ここ数年で一二番を争う、お笑いネタです。

そう、かなり年配で大柄の白人、もしくは中東系の女性2名が2コート2ベークの厚塗り塗装よろしく、かなりこってりしたお化粧を施され、しかも、ハタチかそこらの町娘が着そうな柄の着物なんか着て、行進していたのです。

う~ん、奇声を上げて、この怪人たち?を取り囲み、即興撮影会をおっぱじめた厚顔無恥な中華人民共和国からの裕福なゲストたちに混じって、もっと接写で激写したかった・・・しかし、ワタシは日本人ですので(笑)

今回の感想としては、画面がケラれる以外はそれほどアブノーマルに画面が歪んだりしないので、構図によっては、50mmや35mmで撮ったものがフードでケラれました、で通っちゃうほど極フツーの写りで、何か拍子抜けしました。
しかし、こういう人ごみの中でのスナップには、極めて有効な接近戦用兵器ということが良く判った次第。

さて、来週は、先月に引き続きお呼ばれのお散歩会からのダイヂェスト行く予定です。乞うご期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/07/04(日) 23:53:25|
  2. Arri改造レンズ群
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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