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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

第五回 ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会写真展②

写真展⑦
写真展⑧
写真展⑨
写真展⑩
写真展⑪
写真展⑫
さて、今回の写真展へは12枚出展したため、後編として、残りの6枚も一挙公開です。

まず一枚目。
北谷美浜で、かなりの人数に声掛け、もう充分かな?と思って、一休みしようとアメリカンヴィレッジにある観覧車のビル2階のヨーグルトランドというファーストフード店に行こうと思ったら、黒人の親子が楽しそうに談笑していました。
親父さんも、何か、ファンキーでソウルフルなノリを漂わせているので、これを撮り逃す手はありません。
そこで、可愛いお子さん達ですなぁ、東京から来た心のカメラマンです、一枚撮らしてね♪とかでたらめ並べて近寄っって行ったら、このファンキー&ソウル親父、おもむろに「I remember you」とか言い出したのです。
え、何で、どこかで会ったっけね?とか問うたところ、二年前、この一番小さいベィビィがベィビィワゴンに乗っていた頃、浜辺の前の売店横で一枚撮ったよなぁ・・・とか驚きの独白。

いやはやお見それいたしやした、とか頭を掻く小生に対し、イッツOK!とか言って、子供達の頭を一人一人撫で、スマイル、スマイルと言い聞かせ、そしてしかるのち、OK!とビバリーヒルズコップのエディマーフィ宜しく親指と人差し指を丸めた合図をくれたので、おもむろにシッター切ったカットです。
アメリカ製のシネレンズを米国から直輸入したM8で以て撮影した米国黒人親子のカット、どこからか、スティービーワンダーの懐かしいメロディが流れてきたような気がしました。
カメラはLeica M8、レンズはBausch & Lomb Baltar35mmf2.3 開放撮影です。

続いて二枚目。テーマは「笑顔の奥の命の軌跡」
到着翌日24日は、クリスマスイブ、どうせ一人きりのクリスマスイブであれば、きっと来ない"キミ"を待っていても時は過ぎていくばかりなので、沖縄戦の激戦地を巡り、平和と命について、自分なりに沈思黙考するのも好いことだと考え、糸満に向かったことまではブログで先に述べた通りです。
糸満市のロ-タリーで玉泉洞方面のバスに乗り、まずはひめゆりの塔を目指しました。
バス停留は、ひめゆりの塔とその記念館より少し先に有り、降りてから100m程度戻る格好になります。
そして、敷地に入る門の前で、花売りのお婆さんに声を掛けられたので、お参り用の花を買いがてら、少し話し込みました。
その流れの中で一枚撮らせて貰ったのがこのカットなのです。
長い南国の年月がもたらした日焼けの顔の皺だらけの顔で心なしか物悲しげに微笑む老婆の目には、「私たちはここで命を落とした孫より若い女学生達に食べさせて貰っています」という言葉の重みが籠っているのではないか、と自分には思えました。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

それから三枚目。タイトルは「戦跡に輝く若い命たち」
ひめゆりの塔に献花、黙祷し、記念館を見学し、とてつもない寂寥感と閉塞感に囚われ、どうしようもないやるせない気持ちにもなってしまったので、次のバスまで相当時間有ったため、気を取り直すため、写真を撮りながら、摩文仁の丘の出来るだけ近くまで歩いていくこととしました。
ところが、その街道が、「地獄の中の地獄」と言われ、日本軍将兵も、民間人も生死の区別が極めて曖昧な状態で、目的地もなく行きつ戻りつ彷徨ったかつての道だったとは・・・

暫く歩いて、ひめゆりの塔の在る伊原から、米須を過ぎ、摩文仁の丘が彼方に見えてきた辺りで、陽気にはしゃぐ小々姐2人が居ました。
もう、誰かと話でもしなければ、息が詰まるくらいの思いで歩いていたので、地獄に仏とばかり小々姐達に、この辺りが太平洋戦争屈指の激戦地だったこと知ってる?とか聞いてみましたが、「あ、この辺に慰霊塔みたいなのが一杯有って、夏前になると本土からお爺ちゃん、お婆ちゃんがいっぱいやってくるから、そんな話は学校で聞いたことが有る」といったレベルの認識でした。
しかし、ここで本土の人間がしっかりせよと鼓舞する訳にもいかないので、今の時代の平和のアイコンとして、遥か摩文仁の丘を背景に一枚撮らせて貰った次第。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

そして四枚目。タイトルは「男同士支え合う命たち」
翌日、嘉手名基地の見える道の駅に行ったことは先にブログへ書いた通りですが、目的を達し、那覇市内にバスで戻る途中、ちょっこし、泊港でバスを降りました。
外人墓地、泊大橋、とまりん周辺の離島行きフェリー・・・撮りたいものが結構有ったからです。
港東側の埠頭界隈を歩いていたら、来ました来ました、いかにも離島から那覇に出てきましたというそこはかとない好い雰囲気を漂わせた親子が手を繋いで幸せそうに歩いています。
そこで、卒璽ながら!と声を掛け、一枚撮らせて戴いた次第。
特にこのカット、親父さんの真下の緑のトレーナーの童子の無邪気な笑顔がとても素敵で惹かれました。悲しい歴史の島と未来を繋ぐものは、こういった無邪気な子供達の笑顔なのではないかと思った次第。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

まだまだの五枚目。タイトルは「寄り添う命たち」
泊港に寄ったその足で崇元寺経由、安里に出て、壺屋を目指しました。この途中にも姫百合橋のたもとの素敵な赤瓦の民家の写真をいつも撮っているのですが、その日は、品の良さそうなご婦人に声掛けられ、お話しをしてみたら、実はその家の女主だったとか、面白いエピソードは有ったのですが、壺屋で夕暮れの風景を一枚か二枚撮りたかったので、メインストリートの一本上の道で、昔ながらの木造住宅兼店舗の前で、モデルさんになってくれそうな人を待ちました。
すると、下から、娘さんと親父さんの二人連れが仲良さそうに歩いて来たではないですか・・・
そこで、あいや、暫しと声を掛け、後姿を撮らせてもらうからね、と強談判に臨み、リハ無し、やり直し無しの一発勝負で撮ったのがこのカット。
夕暮れの南国のけだるい雰囲気がそこはかとなく漂っていて、結構気に入ったカットとなりました。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

最後の一枚。タイトルは「惹かれ合う命ふたつ」
壺屋で思い通りのカットを撮れたので、余勢を駆って、一番難関の国際通りでのスナップに挑むこととしました。
これがなかなか難しい。というのも、どのシーズンも、ヂモティのみならず、観光客や長期滞在のバックパッカー、本土からのフリーターみたいな手合いも結構歩いていて、九州辺りの女性だとなかなか区別が付かないケースがまま有るからです。
しかし、明らかにジモティの高校生と判る小姐2人組が楽しそうに「さぁ」、「さぁ」言いながらトップバリュだかの買物袋を提げて歩いていたので、失礼ながらヂモティのちゅらさん2人組であるかな?とかワケわからん声かけ、先方の一人にマヂ受けしたので、ここからは話が早いので、後姿モデルさんになって貰えるよう説得し、一発必中で撮ったのがこのカット。
同じ夕暮れでも、本土と南国は漂う空気感が違うよね・・・というのがお客さまの感想でした。

今回の写真展、大勢のご来場、一同を代表して御礼申し上げます。
  1. 2011/02/27(日) 21:04:31|
  2. Arri改造レンズ群
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第五回 ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会写真展①

写真展①
写真展②
写真展③
写真展④
写真展⑤
写真展⑥
今回の更新は、本日まで半蔵門のJCII日本カメラ博物館附設ギャラリーClub25で開催されていた、「第五回ノンライツRF友の会/新宿西写真修錬会写真展」から、工房主の出展した作品のご紹介いきます。

まず一枚目。タイトルは「命のリレー」
これは12月23日に那覇の着いてすぐ、バスに飛び乗って北谷町美浜まで出掛け、アメリカンヴィレッジでお孫さんをあやしていた、いかにも沖縄のご婦人という雰囲気を漂わせておられる方にお願いして一枚撮らせて戴いたカットです。
画面一杯から、苦節を生き抜いた妙齢のご婦人からこの地方では「童神(わらびがみ)」と呼ばれる幼い命への慈しみが漂ってくるカットではないかと思っています。
カメラはZeiss Ikon ZM フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

そして二枚目。タイトルは「異国で繋がる若い命たち」
このカットは、サンセットビーチの浜辺まで歩いて行ったら、進駐軍の子息達と思われる子供達が堤防の上で、歓声を上げ、雑談に打ち興じていたので、声をかけ、全員集合で一枚撮らせてもらったカットです。
本国から遠く離れた極東の島国でも、子供達は友を求め集まり、そして元気に良く遊びます。
基地問題はネガティブな面のみ声高に語られることが多いですが、こういった沖縄の那覇以北であれば何処にでもあるような、草の根レベルの国際交流については、何ら取り上げられないのがいつも不思議でたまりません。
カメラはZeiss Ikon ZM フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

それから三枚目。タイトルは「今を咲き誇るしなやかな命たち」
このカットは先にブログに先行アップした、浜辺で遊んでいた北谷の女子高生達の小姐達に声掛けて、浜辺で勢ぞろいして貰ってシャッター切ったカットのうち縦構図です。
こういったどこか牧歌的な雰囲気が、我々を沖縄に通わせる原動力となります。
カメラはZeiss Ikon ZM フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

続いて四枚目。タイトルは「命有る星に生まれた二人」
このカットもブログで先行アップした渚で遊ぶ兄妹に声掛けて撮らせて貰ったカットのうち縦構図です。
海の中でシルエットになっている二人と、柔らかくたゆたうさざなみ、そして遥か彼方の雲の切れ間から差し込む陽光のコントラストが、会場を訪れて戴いた方々にも好評だったようで、小生の出展中で最高得点をマークしました。
カメラはLeica M8 レンズはBausch & Lomb Baltar 35mmf2.3 開放撮影です。

まだまだの五枚目。タイトルは「南国の真冬にいま煌く命たち」
これも、先にブログで先行アップしたモデルさん同様、北谷美浜のサンタガールさんにポインセチアのオブジェの前をお友達とさりげなく歩いているところを撮らせて貰ったカットです。
何か季節感が惑わされそうな南国の不可思議でけだるい雰囲気を漂わせているのではないでしょうか。
カメラはZeiss Ikon ZM フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

最後の六枚目。タイトルは「弾まんとする若い命たち 」
このカットもサンセットビーチから北谷美浜のアメリカンヴィレッジに戻り、ちょうどスケートボードをしている少年達にレゲェおじさんのTシャツと同じような髪型をしているのが居たので、面白いから写真撮影に協力してね、と声掛けたら、OK!と答えるのみならず、後の2名のちょっととっぽい兄ちゃんも呼んで、一緒に入って記念撮影スタイルのカットになったものです。
カメラはLeica M8 レンズはBausch & Lomb Baltar 35mmf2.3 開放撮影です。

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2011/02/27(日) 20:59:24|
  2. 旅写真
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Even small zanthoxylum stimulates extremely ~Dallmeyer Dalmac2"f3.5~

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【撮影データ】カメラ:R-D1s ISO200 絞り優先 AE 全コマ開放 ロケ地:仙台~山形
さて、今週火曜日からいよいよ、我々の秘密結社"ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会の第五回写真展が半蔵門の財団法人日本カメラ博物館別館地下一階附設Club25ギャラリーで開催されますが、その前にもう一発更新行きます。

今回のご紹介は、工房で手掛けた3本面のDallmeyer Dalmac2"f3.5のL39改造レンズです。
3本も持ってるなら、一本くらい売れよ!とか怨嗟の声も聞こえてきそうですが、実は、3本がこれまた別のレンズと思えるくらい仕様が違うのです。

先の2本はそれぞれ、CX、Sと旧コンタックス系のマウントに改造して、その性能はここでお披露目しましたが、今回の個体は先の2本とレンズの銘柄は同じでも全く別物のレンズに思えます。

まず、同じレンズとしては有るまじきことなのですが、このレンズの方が先の2本より若干ではありますが、まだフランジバックが短いのです。

そもそも、前群1枚目直後に絞り板を配したエルマー型(テッサー型も同様)は、その構造上、主点が後ろに来るのでで焦点距離が50mmもあれば、ちょっと器用な人であれば一眼レフですら無限まで出るような改造が可能で、中途半端にフランジバックの長いCXやSなど比較的容易に改造出来るという寸法です。

しかしながらこの個体は、見たときからヘンなレンズで、そもそも硝材とコーティングが全く先の2本(一号機;ブルー、二号機;ノーコートに近い極淡いブルー)と異なっていて、この写真で見て明らかに判るように、新種ガラスに近い硝材とブラウン+パープルマゼンタのコーティングになっています。

精密検査をしたわけではないので、ここから先はライツのエルマーの系譜からの類推でしかないですが、もしかすると、この個体は何らかの特殊目的用に製造され、硝材も当時のチャンスピルキントン社のメニューでは足りず、独ゲルツが開発した、当時の「高屈折ガラス」を用いて製造されたスペシァルモデルではないか?という妄想が湧いてきます。

高屈折ガラスを用いたのであれば、透過光バランスが青スペクトル域を吸収し易いため、このような、淡いブラウン+ブルーマゼンタコートの組み合わせであることも納得できます。

何れにせよ、仕様が違おうと、稀少であろうと、描写性能が悪ければ全く意味がないので、今回はインダスター22の余剰ヘリコ&マウントパーツと組み合わせ、L39化したのです。

なお、小生がR-D1sやM8でテストすることから、いつも「インフキャッチャーはどうしてます?」という質問をされることがあるので、先回りしてお答えすると、「殺してます、その孔には、手製のサファイアカボとか、オニキスカボを埋めてゴーヂャス感醸し出してます」ということです。

では能書きはこのくらいにして、早速作例行ってみます。

まず一枚目。
今回は、月初から写真秘密結社の主要メンバーがフラチャイズである山形市内で堂々2回目の個展を開いているというので、2月22日からの写真展でのピン立て対決の事前偵察もあるので、行かずばなりません。そこで3連休の初日を使い、スーパーひたち君、在来快速を乗り継ぎ、北山形に乗り込むこととしたのですが、腹が減っては勝負は出来ぬ、ということで、街撮りも兼ね、仙台で一旦下車し、駅の周辺をカメラ提げ、徘徊していました。

すると、有った、有った、好いテスト対象が・・・
そう、エスニック料理店だかの看板を兼ねたオブジェが真っ赤っかな姿を通りに晒しているでは有りませんか?
ここで、赤の発色傾向を見るテストをやらせてもらいます、というか、このレンズの実写第一発目です。
地元で一枚も撮らずに旅先でテストするのは、工房主の悪いクセですが、最短そこそこでこのディテールの描写、そして赤の発色はなかなか満足いくものだったといえます。

そして二枚目。
赤の発色とディティールの描写に満足した工房主は、何とかいたいけな美小姐を撮らねばならないと、ヘンな義務感に燃え、裏通りからまた駅前のペディストリアンデッキ方面に足早に戻ります。
すると、かなり高そうなホテルのエクステリアとして、ガス灯みたいなデザインの照明と、ちょっこしレトロなデザインの黒染めの金物が目に留まり、しかも、立っている位置からだとちょうど逆光になってしまう位置なので、敢えて、ここで黒の締まりと、逆光への耐性を見るため、シャッターを切りました。
すると、どうでしょう、空は曇り気味とは言え、盛大に光っていますし、シネレンズでもヘタしたらハームムーン状のニジが出そうなところですが、何ともありません、最新のコンパデジで撮ったみたいにガス灯もどきもエクステリアの金物もディテールを再現しています。

それから三枚目。
駅が見える交差点の真上付近まで歩いて来たら、いました、いました、いたいけな女子中学生の小々姐2人組が・・・
早速、声を掛け、街をぼーっと眺めながら携帯しているとこを撮りたいんで、ハィ、そのままでね、ぢゃ、いきますよ!とか、お願いして2回ダメ出しして撮ったのがこのカット。
約2mの距離からですが、合焦した小々姐は程好いシャープネスで捉えられていますが、背景は極めて心地好い蕩けるが如きボケとなりました。

まだまだの四枚目。
小うるさい注文つけたにも変わらず、好演をしてくれた小々姐2人組に懇ろに礼を述べ、もうそろそろ腹も減ったし、かといってどこでメシ食うか考えるもの面倒くさくなってきちゃったんで、目の前のパルコの食堂街に上がり、望外のタイ料理セミバイキングを戴いてきました。
その後、また駅に戻り、仙山線で目指す、北山形に向かうこととしました。
しかし、何が幸いするか判らないものです。
仙台街撮りの時は声掛けても正面からのどアップでピース姿なんかの写真を撮ってみたい、と思う小姐には巡り合わなかったのですが、仙山線で座ったボックス席に直後に乗り込んできて占領してしまった図々しいおばさん一行が居なくなって、初めて気がついたのですが、那覇か石垣でもスカウトされるくらいのハイレベルの美小姐が向かいに座ったお友達と楽しくガールズトークなんかしながら、おのおのの携帯のカメラで撮りっこなんかしているのです。
もう、これは今回のハイライトになって貰うしかない、と悲壮な決意と日頃の会社生活では絶対出来ないような建設中のスカイツリーからバンジージャンプするくらいの蛮勇で、声を掛けてみた次第。
ところが、意外とあっさりOKしてくれて、縦横計2カットを撮らせて貰ったのですが、格段の美小姐ぶりが判るのはこっちのカットだったので、こちらをアップした次第。どうもご協力有難うございました。もし連絡戴ければ、ほんのささやかなお礼代わりに大きく伸ばしたプリントをお送り致しますよ。

最後の五枚目。
盟友の写真展を背筋の凍りつく思いで見終えたあと、その日のうちに江戸表に戻りたかったので、陽が傾きかけた山形市内の雪道をひとりてくてくと北山形駅へと歩いていきました。
そこで、また面白いオブジェが目に留まりました。
そう、広葉樹の幹にまた別の蔓植物が寄生していて、その葉が枯れたままくっついていて、何か古生物の遺骸みたいな雰囲気になっているのです。
しかし、なかなか下の積雪からの照り返しも有って、難しいカットになりました。色はかなり青転びしています。
樹の表面は程好いシャープネスで捉えられていますが、やはり背景のボケはなだらかに融け、工房主の好みのレンズであることが判りました。

今回の感想は、やはり当然のことながら英仏比較ということで、前々回のAngenieux G10との描写比較となり、シャープネスでは劣位に回り、コントラストでは優位に立ったということです。

しかしながら、実はこのレンズ、急いでシェイクダウンに持ち出したので、関東カメサのフロントの方からアドバイスを受けるまでもなく、後玉以降の内部反射対策を全くやっていないので、それを終えた後、Kodak Ektarフィルムで真昼の決闘といきたいと考えています。

さて、来週は22日から始まる写真展のネット上公開いきたいと思っています。乞うご期待。

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2011/02/20(日) 20:00:00|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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CMタイム~第五回 ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会写真展のお報せ~

写真展ハガキ表
写真展ハガキ裏
拙サイトをご高覧の皆様、はぃここでCMタイムです。
今回、またしてもJCII 日本カメラ博物館さまのご厚意で、花のお江戸のど真ん中、千代田のお城のまん前という素晴らしくも勿体無い会場にて、来週火曜日から、翌週日曜一杯まで、工房主の所属する写真秘密結社「ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会」の第五回写真展を挙行致します。

ま、写真展の告知自体は9名のお仲間でサイト持ってる方々はそのサイトで、そうでない人間もmixiやtwitter辺りで宣伝をしてくれているので、小生のサイトでは、自分が何を出そうかということを前宣伝したいと思います。

そもそも、会写真展の元からのコンセプトは、「個々のミニ写真展の集合体が会の写真展」そう、まさにショッピングセンターのフードコートのイメージなのです。

従って、人物もあれば、風景もあれば、マクロ撮影もあれば、水中写真もあり(あ、さすがにこれは無いか?・・・)
また機材もシネレンズから、100年超も経つクラシックレンズ、稀少国産レンズから最新デジまで何でもござれ。

では、工房主は今回は何を出すのか。

まずは、タイトル、「命どぅ宝」これで統一します。トータルで人物12点いきます。

尤も近接でポートレートともスナップとも判別出来ないようなカットばかりぢゃ、ロケ地の雰囲気が伝えられないので遠景に人物、という作品も何点か混ぜてあります。

タイトルの示す通り、今回の写真展もオール沖縄ロケ撮りおろしで臨みました。

12月のクリスマス挟みの4連休で会社休み、北谷町美浜、糸満、そして那覇と30組近くの老若男女、さまざまな国籍の方々に声を掛け撮らせて貰った貴重な作品の中から、テーマに合わせて厳選したものです。

本来であれば、東北の強豪であり盟友が全紙相当の大型作品をぶつけてくるのは予想出来ていたのですが、やはり、可能な限り、現地の方々の数々の笑顔をメッセージとして東京の皆さんに伝えたく、熟慮の結果、4PWのサイズで額もギリギリの大きさの太子判としました。

前にブログの記事でも書きましたが、今回の小生の写真展のテーマは「命の大切さ」です。

今を去ること66年前、かの南国の楽園の上、そして島周辺では「鉄の暴風雨」が吹き荒れ、20万人を超す尊い人命が失われました。

梅雨時のガマの中で太陽を再び見ることなく命を落とし、まだ人の手で掘り起こされることのない島の人々、シュガーロ-フで、飛び交う銃砲弾の下、日常の一部と化した死に対し、「こんなはずぢゃなかった・・・早く家へ帰りたい、一刻も早く平和な時間を取り戻したい」この思いだけで目の前の敵と命の取り合いをしていた日米双方の名も無き兵士達、そして、充分な医薬品も知識もないまま「地獄の中でも最も苛酷な地獄」に突き落とされ、約3ヶ月でかけがえのない命と有望な前途を散らされた年端もいかない数百名の乙女達・・・

そういった人々が一様に望んでいた「平和な今」の姿をジグソーのピースのように集めることによって、少しは供養になり、また命の大切さが希薄化しつつつある今を生きる人々にも少しはその尊さを訴えられるのではないか?と思った次第です。

何れにせよ、今回は、これまでが何の脈絡もなく、ただ"上がり"が良さげなカットだけ集めたテーマ性の稀薄な出展だったのに比べ、一連の作品はかなりメッセージ性の強いものに仕上がったのではないかと思っております。
また、これこそが太平洋戦争末期に三月二十日の大空襲で灰燼と帰した中島飛行機の街、太田で産まれ、同じく三月十日の大空襲で数十万の尊い命が失われた江戸深川に今は暮らす者のささやかな祈りでもあるのです。

もし、お時間の許す方は是非、ご高覧お願い致します。

最後に沖縄戦で尊い命を落とされた全ての方々の御霊のご冥福をお祈り申し上げます。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2011/02/19(土) 11:33:09|
  2. CMタイム
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徠卡vs康泰克斯 數碼照相机上的戦門(続編)

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浅草寺境内で複数の方々のご好意でテスト撮影を完了し、仲見世の一本東の裏通りを歩いていたら、スカイツリーの見える伝法院通りの交差点付近で若いお父さんがお子さんを抱え上げ、仲良さそうにあやしています。
そこで、こんな素晴らしい構図を逃したら、アマチュアカメラマンの本分にもとる、ということで、声を掛けて、成長中のスカイツリーをバックにそれぞれワンカットずつ撮らせて戴きました。ご協力有難うございました。
このTVS-Dのカットは背景に光る壁面が入っているので、アンダー気味ではありますが、それでも、肌色が潰れず、また、EKTARフィルムのように、いきなり青緑に転ぶという困った現象も起こさず、あくまで肉眼に忠実なまま、明度が落ちている、という描写なので、とても好ましいと思います。
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次いでLX-5によるカットでは35mm相当まで焦点距離を上げていますが、それでも背景の人物や建物のデフォルメはちょっと違和感が残ります。
やはり解像度では、バリオゾナーに一歩譲るのと、発色が彩度高め、コントラスト高めになってしまうのが目に付きますが、それでも、親子の肌の露出的中度はこちらの方が一段上手だったので、使い前としては、こちらに軍配が上がるのはやむを得ないでしょう。
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浅草で8組以上の方々のご厚意を得て人物を中心とした新旧デジカメのテストを終え、新宿へ向かいました。
当然、もうテスト撮影は終わったというつもりだったのですが、世界堂本店で写真展に使う台紙を受け取って、新宿三丁目からまた地下鉄に乗って、深川い戻ろうと思って某伊勢丹まで歩いて行ったら、あぁ、何たる偶然、またフェラーリと会ってしまった・・・しかも今度は、本家本道の赤です、情熱のイタリアンレッドです。
一般的にツアィス設計のゾナー系統は赤が独特の発色をする、ということで、一度、コンデジでやってみたかったのですが、まさか、TVS-DとLX-5の二台一緒に持って歩いている時に出会ってしまうとは・・・
構図はやはりこのクルマで一番セクシーなフロントフェンダーの峰です。
さすがバリオゾナーはこのエナメルの如き赤の塗装肌とスピードラインの鍛造ホイルのアルミの地肌を極めてドイツ的な几帳面さで描き分けています。
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さてLX-5によるフェラーリの描写は、TVS-Dと較べれば、同じクルマを同じカメラでベルリンとマラガで撮ったくらいの発色傾向の違いが現れます。
それでも、スピードラインの鍛造ホイルの細部に亘る描写では、解像力に一歩勝ると思われたバリオゾナーに一矢報いる出来だったのが印象的です。
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さぁ、今回のライカvsコンタックス、デジタルの戦い、皆さんはどちらに軍配を上げますか。
工房主は、今風の写りと操作性ということでLX-5に敬意を表したいと思いますが、やはり、8年の時空を飛び越え、浅草に出没し、最新のバリオズミクロン装備のLX-5に互角以上の戦いを繰り広げたTVS-Dに軍配を上げたいと思います。
しかし、贅沢な希望を述べれば、TVSーDに装備された超豪華なバリオゾナー35-70mmf2.8-4.8を改良し、LX-5並みの操作性を持ったコンデジが再登場すれば、間違いなく、世界最強のデジSLRキラーとなると思うのですが・・・

さて、来週は工房作品のご紹介行こうと思います。乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2011/02/13(日) 20:00:00|
  2. 深川秘宝館
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徠卡vs康泰克斯 數碼照相机上的戦門

【カメラ:Contax TVS-D、Panasonic Lumix LX3 全コマ開放 ISO100 絞り優先AE】
さて今宵の企画は、何と新旧最強デジカメのガチ勝負、八百長無しの5番勝負です。
本件は今まで暖めてきたものの、何を撮ろうか、どう見せたら良いか、なかなかアイデアが浮かばなかったため、実行に移せなかったものですが、沖縄での声掛け街角スナップの延長でやりゃえーぢゃん!ってことで、ホームグランドの浅草で、今日のお昼過ぎに8組近くの方々にお願いしてモデルさんになって戴き、ついでに新宿の用足しに出た際に某ブルヂョア御用達デパートの1階エントランスに鎮座ましましていた、セレブの愛車を撮ったものです。
では早速見て行きましょう。

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このカットはまず先攻TVS-Dで仲見世の裏通りを徘徊していた、カリフォルニアから来たという陽気な男女に声を掛け撮らせて貰ったものです。
かなり逆光に近いシチュエーションでしかも金髪の白人ですから、レンズのコーティング及び、内部反射といったゴースト、フレア対策をしっかりやっていないと、コントラスト低下どころか、まともに見られない写真となってしまいますが、この8年近く前の超高級コンパクトデジ、コンタックスのデジタルですから、まさにリアルコンデジは凄まじいほどの解像度と色再現性を持って、こんな難しいシーンを露出補整すらせず、開放でカメラ向けてシャッター切るだけで撮れてしまうのです。pana_01.jpg
二枚目はパナのLX5によるものです。このカットではちょっとちょんぼって、広角端24mmでの開放で撮ったので、必ずしもイーコールコンディションではないですが、実際に見た目より、ΔE*abの色差計で2~3度くらい彩度が高いカンジの発色になっています。
また、F2.8とf2を較べるのは必ずしもフェアではないですが、解像度はやはりバリオゾナーに軍配が上がるようです。
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今日は、外人さん中心の声かけ、かなりウケが良かったので、その余勢を駆って、日本人の小姐お二人組にも、声掛けて、おみくじを読んでいるところを撮らせて貰いました。ご協力、心より感謝申し上げます。
このカットでは、やはりTVS-Dのバリオゾナーの解像度と目で見たそのままの発色に驚かされます。
また、特筆すべきは、これほどピーカンの下で黒系の衣装を纏った人物を撮っても、全く赤外光の影響が無く、UVIRフィルタの性能が極めて優れているということを実感させてくれます。
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次いでLX-5による同カットです。ここでも24mm端で撮ってしまっているので、必ずしも画角が厳密に一致していませんが、立ち位置が同じなのと、同じモデルさん達なので、描写傾向の違いは判ると思います。
ここでも気が付くのは、バリオゾナーが解像度で勝負掛けるなら、バリオズミクロンは発色の艶やかさでそれに応酬する、という傾向です。
しかし、くどいようですが、たった500万画素で8年近く前のコンデジが、普及版なら最新一眼デジですら馬脚を出しそうなシーンで、最新最強ともいわれるLX-5と同等以上の勝負をしているのです。
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今度は境内の手水場前でお孫さんをあやしていたご婦人にお願いして、逆光も逆光の極めて苛酷な条件で五重塔をバックにお孫さんもろともモデルさんになって貰いました。
ここでも、TVS-Dのバリオゾナーは恐るべき性能の発揮します。
この逆光で開放撮りっぱなしのシーンでも、しっかりとご婦人とお孫さんの表情を捉えています。惜しむらくは、五重塔の屋根瓦の先端にパープルフリンジらしき光芒が僅かに認められることですが、これはどんなデジカメにとっても同様に苛酷な光線状態につき、やむなしと見ています。
pana_06.jpg
対するLX-5ではまたチョンボって24mm端での撮影ですが、パープルフリンジもない代わりに、全体の露光を落とし気味でその結果、ご婦人とお孫さんの表情もかろうじて判別は出来るものの、TVS-Dのそれに較べれば、やはり再現性という点で一歩譲ってしまいます。
本来ならば、写真コンテストに出すような作品であれば、この中間くらいの露光がちょうど良いのでしょうが・・・
【続く】

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2011/02/13(日) 20:00:00|
  2. 深川秘宝館
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Une erreur de syntaxe dans la théorie de la photographie~Angenieux G10 mod.M~

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【撮影データ】カメラ:Leica M8 絞り優先AE ISO Auto 露出+1/3 全コマ開放、ロケ地:中目黒~代官山
さて、もう早いもので、2月の第一週の週末というか、暦的には第二週の始まりの日曜日です。
今回のご紹介は、仏 P.Angenieux社製の引伸レンズ? G10のMマウント改造モデルとなります。

このレンズは電子湾は言うに及ばず、都内の中古カメラ市でもたまに見かける割には、謎が多く、いつ位にどの程度の数量が作られたか、はっきりしたデータがなく、また、最大の謎はそのレンズ構成です。

枚数は6枚、最初の群が凸と凹の貼り合わせになっていて、その後が【の内側に極めて弱い凸、そして絞りを挟んだ対向の】の内側にも弱い凸玉が入っていて、後群は張り合わせが一切無しの凹と凸の組み合わせになっていますから、クセノタータイプのようでもあるし、ズミクロン35mmf2の8枚玉にも構成が似てなくもない、極めて不可思議な構成です。

なお、今回の改造に当っては、オリジナリティを加えるべく、絞り直後の弱い凸玉ホルダを兼ねたチョークリングを目一杯切削し、実効F値ではf3.5程度まで開口面積を稼いでいます。

さて、今回のタイトル、フランス語で「写真理論における構文エラー」という文意ですが、まさに写真の教科書的な常識、いや風評を実写で覆す、という意味でつけました。

これまで他の引伸レンズからの改造版の際にも述べましたが、一般的には引伸レンズは、①平面⇒平面の複写目的なので、撮影に使っても立体感、距離感を表現出来ない、②至近距離での透写に使われるため、無限に近い距離域では解像力が極度に落ちる、③コントラスト重視で階調再現性に劣る、とか言われますが、さて、これが、深川精密工房に手に掛かるとどうなるか、作品を見て行きましょう。

まず一枚目。
中目黒の駅を降り、西に歩いて行くと、大通りから一本入った辺りに瀟洒な住宅地が在って、そこには小さいながらも遊具を備えた公園があります。
その公園で幼い姉弟が遊んでいたので、保護者に「撮らして貰いますよ♪」と断って、滑り台の下で親御さんの投げるボールを待ち構える小々姐にピンを置いての一枚です。
比較的、画面内の明暗差に弱いM8を以てしても、ピーカンの下白っぽい服を着た小々姐も背景の木立ちの暗がりも見事に一画面の中で描き切っていますし、前に立つ小々姐と背後の弟との距離感も、卓越した解像力の為せる技か、極めて自然且つ心地好く描き分けています。

そして二枚目。
親御さんと童子達にお礼と別離の挨拶を述べ、駅方面に戻ります。
その途中、小さいながら、地域の方々の崇敬を集めているようで、きちんと神域の手入れが行われている神社があったので、黙礼しつつ、手前に有った手水の水面と竹の様子を一枚戴き。
竹、石、そして水面といった質感を的確に描写するのみならず、背景の小石も自然な後ボケで描ききっています。

それから三枚目。
駅の向かにある高層ビルの下には半地下部を含めたちょっとした広場があり、地域の人々が行きかっています。
そこで、いたいけな小々姐2組が溌剌と歩いてすれ違ったので、振り向き様に一閃、久々に辻斬りスナップの炸裂です。
このサイズだとなかなか判りずらいかも知れませんが、衣服の細かい皺から、髪の毛のつむじに至るまで、素晴らしい細密描写です。この謎のフランス玉は、難なく東洋の美女予備軍を隅々まで容赦なく捉えてしまったようです。

まだまだの四枚目。
中目黒を後にして、西郷山公園経由、代官山駅方面に向かおうとしたら、日柄が良かったのか、日頃の行いが良かったからなのか今となっては知る由もないですが、偶然、近くの結婚式場で式を挙げたばかりと思しき、まだ初々しい新郎新婦がこの203高地のような丘に登ってきました。
丘の中腹辺りから、一行の正面に陣取ってカメラを構え、ちょうど木陰から二人が日なたに出たところでシャッターを切りました。
ここでも、柔らかな花嫁のヴェールの質感から、幸福の絶好調といった感ありありのお二方の表情まで余すところなく捉え、しかも、背景の木陰の中の様子まで、しっかりと描写しています。

最後の五枚目。
代官山駅への道を歩いていたら、偶然、漆黒のフェラーリが路傍に駐車していました。
一般的にフェラーリは赤か黄色、モデルによってはブルーもアリ、とか言われていますが、そんな派手目なデザインのクルマに敢えて黒を選んだ、オーナーの大人の選択に敬意を表して、このクルマの一番セクシーな表情といわれる、フロントフェンダーの峰の曲線を一枚戴きました。
ここでも、このフランスのレンズはイタリアの"走る工芸品"の高品位の塗装はいうまでもなく、官能的でさえある曲線に写った景色まで清清しく描写しています。

今回の一連の画でもうお判りになったかと思いますが、引伸ばしレンズであろうと、撮影レンズであろうと、素性の良いレンズは、どう使っても高性能を発揮するということです。
工房の存立理念は、まさに先入観を打ち破り、知られざる高性能レンズを発掘し、陽の目を見させることにあるのです。

さて、来週は、型破りの面白い企画を考えていますので、乞うご期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2011/02/06(日) 22:37:30|
  2. Mマウント改造レンズ
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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