





【撮影データ】カメラ:EPSON R-D1s 露出 絞り優先AE 補整+-0、レンズ;1~3枚目;深川Extra AnastigmatII 50mmf1.9、4~6枚目;Fastax Raptar51.6mmf2改深川Speciale、全コマ開放
さて、まずはお詫びと訂正。
先週末の目論見では、栃木シリーズもう一発行こうかと思っていたのですが、週半ばの臨時更新で深大寺ツアー結果をご紹介出来なかったので、日曜日の定常更新でのお披露目とさせて戴きます。
深大寺へは、先週末の土曜日、そう、日本列島津々浦々の大荒れ模様の中、7名の勇士がうち揃い、もう過ぎ去らんばかりの里の秋を捉えようと深大寺まで繰り出したのでありました。
各メンバーそれぞれのブログで紹介がひと通り出揃い、主催者たる工房主が、一番最後のお披露目となりました。
まさに「白浪5人男」ならぬ「秋雨7人男」の「さてどん尻にひけぇしは・・・」の「南郷力丸」もイイ面の皮のノリです(笑)
今回使用した機材は、初試写のものがあったので、深川のテスト基準に則り、カメラはR-D1sが久々の登板です。
期待のNEX-7が洪水により行方不明状態で入荷の未通しが経たない状況につき、当面はテスト機の地位は安泰のようです。
で肝心のレンズですが、まず初めのカットから3枚目は、全く新しい光学系を設計したものを試作し、微調整前の試写という扱いで距離計連動改造からの製造ではなく、光学ブロックの設計、加工、組立まで当工房で行った野心的な作品といえます。
でも、本体のご紹は今暫しのお待ちを・・・
4~6枚目は、何度か登場していますが、内面反射の処理が上手くいってなかったため、ぐずぐずのフレア大会で、先週の栃木編でも工房主を梃子摺らせてくれましたが、今回は前の晩に、前後エレメントを全部外し、内面反射をグラファィト系無反射塗料で徹底的に行い、その上で、各エレメントのクリアランスを充分に注意し、組み直したFastax-Raptarです。
では、さっそく成果を見ていきましょう。
まず一枚目。
当日10時半過ぎに集合したは良いが、天気予報はむしろ悪い方に外れてしまい、雨足は強まるばかりです。
仕方なく、一行は山門したで雨宿りしながら、身近なもので手っ取り早く撮影を開始しています。
そこで、逆光性能評価も含め、目の前の雨に打たれる灯篭などをモデルさんにして一枚頂き。
ピンは灯篭の傘のまさに光った肩に置いていますが、どうでしょうか・・・
濡れた石の質感、そして石に当って砕ける雨の雫、R-D1sの小さな背面モニタで確認した段階でも、なかなか出来るレンズではないかと思いました。
背景のボケはビネッティングもあり、独特のものになっています。
そして二枚目。
11時も回る頃、やっと全員揃い、深大寺境内に紅葉を求め徘徊を始めました。
手洗場の前に雨に濡れた紅葉がちょうど眼の高さ辺りにせり出していたので、これ幸いに最短距離での撮影を行います。
ややフレアっぽいですが、瑞々しい紅葉の姿はありのまま捉えられていると思いますし、背景が球面収差にビネッティングも加わり、何か幻想的なイメージの作画になったのではないかと思います。
これを見たら、テッサータイプの方の試作レンズを嬉しそうに持って帰って嬉々として使っている、某幻覚写真家センセイがこっちが欲っすぃ~!とか夜行バスに乗って拉致しに来そうでちょっこしコワイ気もしました(笑)
それから三枚目。
あちこちにのブログで出まくら千代子状態の深大寺々猫ちゃんです。
相当撮られ馴れているらしく、全く動じないですし、時折、鋭いカメラ目線なんか投げかけてきます。
暫し睨めっこし、エイヤ!とばかり撮ったのがこのカット。
カリカリではないものの、必要かつ充分な解像力は出ており、後ボケは距離によっては二線傾向ですが、全般的に球面収差の影響でマイルドなボケとなっています。
また前ボケは、まさに融けるが如きボケで、予想以上に使いでのある玉ではないかと思いました。
続いて四枚目。
有名蕎麦屋さんでゆったりしたランチ後、レンズを交換し、雨の深大寺城址の撮影に向かいました。
まずは、いつもの撮影スポット、館跡を示す柱の位置に置かれた黒御影石の石柱を撮影です。
今回は、石も芝生も濡れた状態の撮影なので、いつもより、色もコントラストも高めで、条件としては、却ってイイかも知れません。
結果はご覧の通り、尾島祭り、栃木祭りと、工房主を悩ませたぐずぐずのフレアは完全に退治され、シャープでしっとりした、ドイツレンズとも、日本レンズとも違う、まさにヲ-レンザックの大口径の味を見せてくれました。
背景は、若干、非点収差の影響があるのか、真ん中の芝生が極わずかにぐるぐる傾向ですが、ナチュラルで心地良いボケではないかと思いました。
ここまでやって、やっとOscillo-Raptar51.6mmf1.5と兄弟の名乗りを挙げられるようになったのではないかと思いました。
まだまだの五枚目。
深大寺城址から降りて、神代水生植物園に向かいました。
ここもまさに水生植物園と銘打つだけあって、いつもの好天の時より、むしろ、今回の方がイキイキとして見えました。
園内を巡らされた木の橋を歩きながら撮影スポットを物色していたら、まさにうってつけのポイントを発見しました。
刈り取られた水田をバックに咲き終わりに近い紅葉が雨に打たれているシーンです。
構図的には、赤と緑で最高の配色ですし、光線状態もバッチシでした。
で撮影結果を見てみると、ここでは、前のカット以上に非点収差が自己主張しており、主役である濡れた紅葉の背景の水田の株が明らかにぐるぐると渦巻き状態です。
しかし、見ていて不愉快になるレベルではなく、やはりヲーレンザックのレンズの造りの上手さに改めて感心した次第。
最後の六枚目。
いつもの木の橋を水生植物園入口方向から撮り下ろしたカットです。
今回は雨に濡れ、木が黒光りしていて、別の顔を見せてくれたようです。
ピンは画面中央の逆くの字方の手摺に合わせていますが、雨に濡れた下草の濃い緑と、黒々とした木の橋がシャープに捉えられ、前後のボケはマイルドで、なかなか嬉しい撮影結果になりました。
今回は人物は全く撮れなかったですが、たまにはこういう雨天での風景オンリー撮影ってのも、レンズの特性評価、そしてオールラウンドな撮影のウデを磨くには悪くないなぁと思いました。
さて、次回は何が出てくるか、色々案が有ってまだ決めかねていますので、乞う御期待。
テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真
- 2011/11/27(日) 23:32:33|
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【撮影データ】カメラ:Leica M8 絞り優先AE 露出補整+1/3、レンズ:1~4枚目;Astro-berlin Pantachar35mmf2.3改M、5~6枚目;Fastax-Raptar51.6mmf2改L39、全コマ開放
さて、波瀾の空模様に加え、北関東では大きな余震まで有った週末を乗り越え、やっとブログ更新の晩がやって参りました。
今宵は今月初めに栃木市へ数十年ぶりに訪問、しかも写真撮影を目的とした来訪では初めてで、幸運にも、2年にいっぺんの11月初旬の土日2日間のお祭り、しかも雨が降り出す前日の土曜日に偶然遭遇出来たので、極めてラッキーだったとしか言いようがありません。
ここ栃木市は、浅草から急行で約1時間、直線距離にして東京から約80kmの栃木県南部に位置する都市で、かつては、市内を流れる川と、例幣使街道沿いの宿場町で栄え、宇都宮に県庁が移るまでは、県庁所在地として、その名の示す通り栃木県の中心地だったといっても過言ではないでしょう。
しかし、同じく小江戸として名を馳せる佐原のケースと同じく、巴波川経由の江戸との直接の物流が衰退し、またJR、自動車道でも幹線から外れてしまったが故、商業的には衰退してしまいましたが、それでも、戦災に遇わなかった美しい街並みと、素朴で優しい「江戸の人情」が脈々と息づいています。
世界最大級の航空機産業の興隆と共に各地からの人口流入を招き、その挙句に昭和20年3月の大空襲で、街は焼かれたものの、その後も自動車産業に転換した大企業のお蔭で、北関東屈指の豊かな街とは言われるようにはなったが、それと引換えに古い町並みと古くからのコミュニティ、そして人情のようなものを失ってしまったような上州の故郷を思うと、この美しい街並みと豊かな心が根付く栃木、佐原の方がよっぽど羨ましく感じることがあります。
余談はさておき、今回の栃木ツアーは、ほんの思いつきでした。
佐原は最低、年2回、川越も3ヶ月に一回は撮りに行ってるし、小諸はちょいと一日仕事で遠いし、佐倉はいつでも行けるし、ということで、近場で面白そうな写真が撮れそうなところはないか、逡巡していたところ、昔、日立製作所さんへの営業の用で月一回通っていた栃木のことを思い出し、秋なら天気も良いし、川面に映る雲と蔵作りの街並みも良いんぢゃね♪とか、そのくらいの軽い気持ちで11月初旬の土曜日、ふらりと日比谷線経由東武電車でお昼前に栃木駅に着きました。
駅に降り立つと、川越でも佐原でも良く見られる、法被を着た観光組合の人がカウンターを出し、その傍らで地図とか観光パンフを配っていました。
早速、情報収集のため、近寄り、街の街路図を戴き、撮影スポットについて情報を求めました。
すると「お客さん、偶然やって来たとしたら、物凄く運がイイです♪ 今日、明日と二年に一回の秋祭りなんです!
どうか、イイ写真一杯撮って、全国に宣伝して!!」と励ましのお言葉を頂戴しました。
そこで、M8を相棒にレトロな街を撮るに相応しいクラシック、ネオクラシックレンズが活躍です。
まず一枚目。
駅から真っ直ぐ前に伸びる街を進んでいくと蔵作りの街が並ぶメインストリートに行き当たるところは、川越と良く似ていて、ふと既視感を覚えそうになってしまいました。
蔵作りの建物がちらほら見えてくる辺りになると、道路を封鎖して歩行者天国状態にして、路上にテントや即席の売店を設け、産直野菜などを商っていました。
イイ被写体はないか、キョロキョロと見回しながら歩いていたら、偶然、八百屋の店先で品物を並べようとする若くて美しいお母さん(ちゃんと宣伝しましたからね!)と一緒にお手伝い?をするいたいけな小々姐がこっちを見てて、目が合っちゃったんで、つかつか歩いて行って、一枚撮らしてね♪と声を掛けて、ハーィ♪と答えた瞬間にシャッター切ったのがこのカット。
このあと、へぇ、江戸表からふらっと来て偶然お祭りだったとは運がイイですね、一杯楽しんでいって下さいね♪とか、少しお話して、丁寧にお礼を述べ、お店を後にしました。
戦後すぐに作られたと思しき、このPantachar35mmf2.3はかなりフレアっぽいですが、それでも必要かつ充分な解像度は有しており、この緩い出会いの雰囲気を良く伝えてくれるような気がしました。
そして二枚目。
メインストリートを進むに従い、お店やら、子供のど自慢小会とか、だんだんとお祭り濃度が高まってきます。
しかし、佐原、川越の祭りと違うのは、観光客、特に年配者の写真団体、小集団が皆無で、レンジファインダ機はおろか、大きな一眼レフを持って、気合入れて写真撮ってる人も殆ど見かけませんでした。
だいたいはコンパデジか携帯、しかも撮る対象は身内か知り合い、赤の他人様の一挙手一投足をスナップと称して面白がっている小生は極めて稀有な存在と思い知らされました。
しかし、わざわざ出て来て、しかもせっかくのお祭りですから、いつものスタイルで撮りまくらねばなりません。
そこで、前を歩いていた、お揃い半被の小姐3人に心臓が口から飛び出すくらいの緊張感で恐る恐る声を掛け、撮らせて貰ったのがこのカット。
髪の毛に一本一本が区別出来るくらいの解像度は出ていますが、やはり白い半被はフレア気味で背景も流れ気味です。
それから三枚目。
小姐3人組にへへへ、お江戸から来たとは言っても、ホントとはお隣り群馬産なんだよ♪とかネタ明かしして、な~んだ、そうだったのぉとか、打ち解けたところでお礼を言って別れ、また通りを進みました。
すると暫く行った先で、昼から一杯引っ掛けてるのでしょうか。イイ色に赤熱したお爺さんが、藍染の半纏なんか纏い、腕を組んで、知り合いでもあるのでしょうか、若い夫婦の乳幼児の頭を撫でたりしてゴキゲン状態です。
そこで、ちょいとごめんなさいよ、記念に一枚撮らして貰いますよ、はぃはぃ、自然にね、とか、適当に注文付けながら、歩道際からメインストリート側に回りこみ、神速でシャッター切ったのがこの一枚。
やはり白が飛び加減ですが、赤い顔で上機嫌の爺サマの表情は余すところ無く捉えていると思います。背景もやはり大胆に流れ気味です。
続いて四枚目。
メインストリートも真ん中より少し先に進むと、やっと、お祭りの主役、山車が見つかりました。
佐原や川越のように、絢爛豪華なものが数十基も揃った様は筆舌に絶するくらいの一大ページェントですが、ここ栃木市では、小ぶりなものが3基寄り添うように並び、これはこれで牧歌的なイイ雰囲気を醸し出しています。
そこで、携帯で自分達の町の山車の勇姿を捉えんとする、半纏姿の小姐の後ろに音も無く近寄り、愛する?山車をバックにそっと一枚戴いたのがこのカット。
耳からあごの線でピンを合わせていますが、髪の毛までは完全に合焦範囲で解像力を発揮していますが、背景の山車はぐずぐずに崩れかけてしまっています。
まだまだの五枚目。
メインストリートから一本入ったところにイベント会場みたいなのがあって、そこで、特設テント村のようなところで、特産品やら、ファストフードのようなものを即売していたのですが、地元のケーブルテレビみたいなものがブースを出していて、多少ハデな目鼻立ちの小姐が風船なんかを配って、愛想を振りまいていたのです。
そこに先刻、風船を貰ったと思しき小々姐がつかつか歩み寄り、「ねぇ、さっき貰った風船、あそこ飛んでるんだど、何処まで行くの?」とか、如何にも子供らしい純な質問をしていました。
自然科学系の知識に疎そうな小姐がう~んと答えあぐねている刹那、戴いたのがこのカット。
よっぽど、或る高さになったら、圧力差に耐え切れず、風船はあぼ~んと破裂してしまうのだよ!とか人生の厳しさを教えて上げようかとも思いましたが、こんな牧歌的な町で世知辛い現実を披瀝するのも無粋なので、半被の小姐に一礼をして通り過ぎました。
最後の五枚目。
会場であるメインストリート奥まで到達したので、また元来た道を引き返していたら、先刻通り過ぎた、軽食店舗の前のベンチで買い求めたばかりのアイスクリームをいっぱしの食通ばりの苦みばしった表情で吟味している童子が居ました。
こりゃ面白いとダッショで駆け寄り、保護者と思しきおばぁに一声掛けて撮らして貰いました。
だいぶマイルドでフレアっぽい上がりにはなりましたが、こういった極めて緩い牧歌的なカットは、カミソリの如きシネレンズよりは、まだまだフレア対策が不十分なヲーレンザック製の特殊産業用レンズの方が相応しかったような気がしました。
さて、来週は、秘宝館のコレクション玉を使って、栃木市の水の町としての素顔をご紹介致します。
乞う御期待。
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- 2011/11/20(日) 23:55:48|
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【撮影データ】カメラ:Leica RE 絞り優先AE 露出+1/3、フィルム:Kodak Ektar100、ロケ地:晴海トリトンスクウェア
さて、今宵のご紹介は、現行市販レンズの中ではかなりレアの部類に入るのではないかと思える、Vario-Elmar21-35mmf3.5-4.0を取り上げたいと思います。
この黒ずくめの重厚感有る、Rシステム最終期の広角ズームは2002年に販売開始、2009年にR9がSシステムにバトンタッチする直前にひっそりとカタログから姿を消しました。
ライカAGの資料サイトによれば製造数は3400本程度、構成は8群9枚、即ち、"エルマーの定理"に則り、貼り合わせ面は一箇所だけ、ASPHの呼称の示す通り、非球面レンズを1枚奢っています。
では早速、作例いってみます。今週も晴海のトリトンスクウェアからのピックアップとなります。
まず一枚目。
先週、M8とノーコートバルター35mmf2.3の記事の際にもアップした花で作られたイルカの図です。
M8での35mm、即ち、46mm相当の画角ではこの地上絵の全貌をあますところなく捉えるのは、構図的にもかなりムリがありましたが、銀塩一眼レフのREであれば、21mmが掛値なく使えるので、ド楽勝で撮れます。
カメラを構えてピンを合わせていたら、歌を唄いながらスキップしてきた小々姐が、振り付け付きで歌って踊り出したので、早速、借景させて貰いました。
撮るや否や、その小々姐は駆け寄って来て「ねぇねぇ、何かの雑誌の取材!? いつ何月号に載るの!?」とか、期待に小さな胸を膨らませて、笑顔で矢継ぎ早に質問を浴びせてきましたが、「残念でした、おぢさんはただのカリスマブロガーだよ・・・」とか言った途端、「な~んだ、新作発表して損しちゃった」とかほっぺたを膨らませて、またスキップして後ろへ過ぎ去って行ってしまいました。
とまぁ、そんなエピソードもありましたが、開放からシャープ、歩道の窯業系舗装材は西日をもろに浴びてギンギンに反射していましたが、ゴースト、フレアとも無縁のカットとなりました。
そして二枚目。
そんなこんなでカメラ2台、しかもライカをこれ見よがしに提げた、一見玄人筋のへたれアマチュアカメラマンは中央区観光祭り会場でもある、トリトンスクウェアの中を進んで行きました。
すると、いたいけな小々姐3名がテントの即席売店の前でじゃれているではないですか?
経験則からして、こういうじゃれている小姐、小々姐達は、撮らせてね♪と声掛けても、まず断られることがありません。
そこで、ハィハィ、キミ達、ブログのネタね、餌食とも言いますよ♪、とか面白くもないオヤヂギャグで場を凍らせつつ、35mm域で一枚撮らせて貰ったのがこのカット。
陽の当たり加減にもよりますが、それほど、カリカリでもないカンジでいたいけな小々姐達の肌の質感を良く捉えていますし、背景のボケもナチュラルでイイカンジではないでしょうか。
しかし、他人事ながら、同じお店に「りな」ちゃんが二人居たら、呼ぶのに困らない!?って思いました(笑)
それから三枚目。
小々姐御本人、そして傍らで歓談に打ち興じていた保護者各位に心からお礼を述べ、また会場徘徊に出ます。
すると、居ました、居ました、イイネタが・・・
またいたいけな小々姐3名組が、きゃぁきゃぁ黄色い喚声を上げながら、縄跳びなんかに打ち興じています。
その前に立って、暫し様子を見てたら、「おぢさんも縄跳び入る!?」とか、また嬉しい声を掛けてくれました。
しかし「有難う♪ も、う~ん、おぢさんはやめとくわ、だって、カメラ2台提げて跳んだらエラいことになるし、そばに置いたら置いたで、キミ達をお父さん、お母さんに言われたでしょ? 貴重品は常に手放しちゃいけないって」と笑いを押し殺して、思いっきり、上から目線で嬉しい誘いをお断りしました。
そこで好機到来「でも、せっかく、こうして出会ったんだから、記念に一枚撮らしてね、そう、みんなが跳んでるとこがイイな♪」とか好き勝手放題言ってみたら、気のいい下町の小々姐達、こうして笑顔で一生懸命跳んでるとこを撮らせてくれたという次第です。
向かって一番左の小々姐なんか、マヂで気合い入れて跳んだもんだから、出来上がったカットみたら、思わず、某教団の空中浮揚かいな、とか思いほくそえんだものです。
ここでは35mmでの画角で撮っていますが、この程度離れると被写界深度の関係でバックもそれほどボケないようです。
風になびく髪、衣服の皺、やはり必要且つ十分な質感描写の解像力を持ちながら、ここでは意外と優しく描写しています。
続いて四枚目。
縄跳び三人組の小々姐に笑顔で手を振ってお礼を述べて、また会場を徘徊しはじめました。
すると、運河の開けた背景の前で、幼い姉妹が他愛無いことでじゃれているではないですか・・・
これはシャッターチャンスと思い、35mm域で一発必中の一撃を戴いた次第。
しかも、姉妹に気を取られていて、あまり目に留まらなかったのですが、その前方にはペットボトルを切断して作ったと思しき、リサイクルとは真っ向から反する、アヤシゲなオブヂェ、木陰には漆黒の自転車が・・・
まさにこのカットこそがこのVario-Elmar21mm-35mmf3.5-4.0 ASPHの描写特性を雄弁に語る作例だと個人的には思いました。
開放からの必要かつ充分な解像力、締まった暖色系の発色、コントラストと階調再現性の高いバランス、心地好い前ボケ・・・
でも、この程度の性能なら値段が数分の一の国産ズームだって出せるだろう?・・・当然そういう疑問も湧きます。
しかし、車に喩えれば、首都高を100km以下でトロトロ流すにしても、アストンマーチンDBSとフーガ、マジェスタ辺りではやはり違うのです。
それは数値に出来ない感性の領域かも知れないし、見えないところにこそお金を掛けるという欧米の一流メーカーの堅持してきた哲学に無意識に感応する精神の問題かもしれないのです。
最後の五枚目。
更に獲物を探して会場を徘徊していると、太陽に背を向け、こっちを向いてうわっぱりを脱いでいる小々々姐と目が合いました。
そこで、しゃがみ込んで一枚戴いたのがこのカット。
画面に直接太陽は映り込まなかったものの、斜めからフード越しに忍び込んだ秋の斜陽は、クリオネみたいな形のフレアを二個、画面右から中央方向に残していってくれました。
35mm域での撮影なので、パースによるデフォルメはなく、あたかもレンジファインダでいつも撮っているカンジで撮れました。
今回の感想としては、やはり、ライツRシステム最後の広角ズームは期待されて登場されただけあって、まだ使いこなせていないだけで、奥が深いようです。
でも、残念ながら、後玉背後のプロテクタ金物のせり出しの関係で、スゥィングバックミラーを持つEOS1DsMKIIですら使えないので、当面はREでお付き合いするよりほかなさそうです。
さて、来週は運良く行き当たった栃木祭りのレポートをお送り致します。乞う御期待。
テーマ:街の風景 - ジャンル:写真
- 2011/11/13(日) 21:00:00|
- 深川秘宝館
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【撮影データ】カメラ:Leica M8 絞り優先AE 露出 +1/3 全コマ開放、ロケ地:深川~晴海~佃島
さて、またしても日曜日の夜の帷が降りて来て、あぁ、明日は月曜、憂鬱な一週間が始まる・・・というサザエさんのテーマ曲的刷り込み効果すら出てきた感すら有る、当工房ブログの更新です。
今宵のご紹介は、作例は何度かご紹介し、写真展でも作品を大伸ばしにして発表していますが、御本尊様のご開帳がまだ!ということに先々週気付いてしまったため、急遽の登場です。
まずはこのレンズの氏素性のご紹介から。
このレンズは兄弟というかファミリーがこのサイトでも、あちこちでも出回るようになったので、もはや珍しくも何ともなくなってしまった感無きにしもあらずですが、それでも、この玉、個体は珍しいのです。
何とならば、1960年代の終わりから、70年にかけてUSゲルツがボシュロム社のためにOEM製造したこのミッチェッル用のレンズブロックは、他の個体と以下の点が異なっています、
①時代的にコーティングが施してあってしかり、なのにノーコート
②前後のエレメントの曲率が明らかに緩い
③レンズブロックのハウジングが他の35mmのものと較べて異様に大きい
このレンズ、電子湾の夜釣りで米国の業者から買ったのですが、何とその鏡胴のキャップ、プリント基板の茶色い積層紙レジンみたいなキャップには「Walt Disney Production」という文字が線刻で刻まれていました。
因みに同ロットで買い求めた、FMAOレンズの元になった、Baltar 40mm f2.3も同様のパッケージングでしたが、そちらは、コーティング付きでした。
構成は4群6枚、35mmf3.5のズマロンとか、ヤシコンのGプラナー45mmf2などと良く似た対照型Wガウスです。
時代に逆行するようなノーコートは写りにとってハンディキャップになるのか・・・では早速、撮影結果を見て行きましょう。
まず一枚目。
今回の作例作りは、佐原、川越と遊び歩き過ぎ、くたびれてしまったこともあるのですが、たまには地元にも目を向けてみようぢゃまいか?ってことで、門仲の駅まで歩きながら撮って、大江戸線を勝鬨橋で降り、そして晴海~月島~佃島というルートで深川に戻ろうと考えたのです。
そこで家を出てすぐに富ヶ岡八幡宮の鳥居があるので、その麓付近に敷設された、酉の市の提灯を試しに撮ってみました。
ピンは手前から二本目の下段の提灯の赤文字に置いていますが、質感再現の忠実さもさることながら、周辺光量落ちも相俟って、画としても雰囲気出たのではないかと思いました。
前ボケもなかなか素直で受け入れ易いのではないでしょうか。
そして二枚目。
大江戸線に乗って、都庁方面で二駅目で降りるとそこは晴海の手前、勝鬨です。
この晴海通りに降り立ち、晴海方面に歩いていたら、思わず、年初に亡くなった父親と弟と3名で小学校高学年の頃、晴海の見本市会場で開催された「スーパーカーフェスティバル」とやらにのこのこ上京してきて、艱難辛苦の果て会場に着いたは良いわ、入場者が殺到して、結局入れず、何も見ないで帰って来たというほろ苦い思ひ出を思い出しました。
そんな感傷を心の奥底に再びしまい込み、見本市会場に代わって建てられた、トリトンスクェアを目指します。
ビル自体も趣向が凝らされ、しかも麓の低層建築や造園なども凝っているので、ちょっとしたテーマパークのような佇まいの街区です。
しかも当日は中央区観光祭りとやらでガーデニングコンクールみたいのやら、ミニ演奏会みたいのやらやってて、会場には、ミス中央区とかいう赤いおべべの小姐が3名も区の役職者と同伴で仏頂面で立ち尽くしていました。
そんな会場内を適当に徘徊しながら、もう一台の銀塩一眼レフと交互に撮って、小一時間も過ぎた頃、次の撮影ポイントたる月島へ移動すべく、傾きかけた陽射しを逆手にとって逆光のテストとして撮ったのがこのカット。
ピンは花で形作られたイルカの胸鰭の先端に合わせていますが、歩道の窯業系素材からの照り返しもものかわ、フレアを全く生じていません。
ただかなりの俯角を付けて撮ったためか、後ボケは何となくざわざわしたカンジになってしまっています。
それから三枚目。
トリトンスクエアから東側の橋を渡ると、昭和のかほり漂う街、月島です。
裏通り中心に満遍なくシャッターチャンスを探しながら歩いていたら、何と、名物、レトロ交番前の通りを女子高生の小姐が歩いてくるではないですか・・・しかも、渋谷とか新宿界隈に出没するような種族とは違い、極めてまともないでたちです。
さっそく交渉し、顔を出さない約束で後ろからついて行って、一枚撮らせて貰いました。
このレトロな雰囲気のカットには匿名希望の御本人もなかなか満足されてはいましたが、う~ん、背景のオレンジのタクシーと黄色のトラックが大幅減点してしまいました。
この島では、タクシーは禁止して駕篭か人力車、トラックは禁止して大八車と、灯りもせめてガス灯くらいにすべきでしょう。
続いて四枚目。
モデルになって頂いた小姐に心より御礼を述べ、佃方面に足を急ぎます。
暫く歩いていたら、子供たちのはしゃぐ声が聞こえてきて、路地を曲がったら、ホロウィンの大行列に出くわしました。
行列と逆行する形でいつもの撮影スポット船溜まりを目指していくと、何とこのコスプレ集団の巣窟は、倉庫を改造してスペイン料理屋だとか、色々業態転換している地区の大手の子供向け英語学校主催らしく、その建物の下には、異国人の先生やら、父兄やら、子供達が思い思いのコスプレでノリノリでした。
そこで、かくかくしかじかのカリスマブロガーでたまには本職写真家につき、今回のイベント出くわしたからにはお遊びで撮らして♪と、恰幅良さそうなおぢさまにお願いしたところ、どーぞ、どーぞ、もし何なら、コスチューム余ってますから、スパイダーマンでも着込んで一緒に回りながら撮りますか?とか、タイの洪水並みにご好意が溢れ出すような有り難きお申し入れも戴きましたが、そこまで熱意はないんで、出発前後でちょこちょこっと撮って、ハイおしまい。
カメラ目線の小僧さんにしっかりピンを合わせたカットをお披露目です。
最後の五枚目。
ハロフィン行列で盛り上がるスタッフ各位に心尽くしのお礼を述べ、船溜まりに向かいました。
そこで何枚か撮った後、赤くてチャーミングな佃小橋を渡り、メインストリート?の方向を目指しました。
すると、居ました居ました。
ここ佃島は、古来の地域コミュニティと高所得層の住む高層マンションの住民が理想的に融合した稀有の住環境らしく、平屋の古民家に住む小々姐も、高層マンションで星が手に届きそうな生活をしている小々姐も日暮れまで仲良く遊んでいます。みんな仲良しの下町っ子なのです。
そこで、よろづやの前でおやつ食べて盛り上がっていた、小々姐集団に「美味しそうなおやつ食べてるとこ、しら~と撮らせてね♪」と声掛けた途端、「お~ぃ、写真だってよ、みんな集まれ、集まれ、ほれ、そこ、オレの顔隠れるぢゃね、よけろよ!」とかひと騒ぎです。
結局、自然なカンジのカットは諦め、下町の小々姐達のバイタリティ溢れるカットを掲載することとなった次第。
しかし、結局、こんな無邪気でオープンな子供達に元気を貰ったような一日でした。これだから下町のスナップはやめられないのです。近いうちのプリントしてみんなに配ってあげよう♪
さて、来週はこのBLATAR35mmf2.3と同伴して撮影を行った、銀塩一眼レフズームのレポートをご紹介致します。
乞う御期待。
テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真
- 2011/11/06(日) 21:00:00|
- Mマウント改造レンズ
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