深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Oh! Folmosa♪~台北ツアー'13冬~

さて、一週お休みを戴きまして、今回が今年最後の更新、12月の三連休+1で旅をして参りました、「美麗島(Folmosa)」こと台湾ツア-'13冬からハイライト編をお送り致します。

出発は12/20の金曜日、世間の皆々様が年末最後の追い込みとばかり精勤されているのを尻目に、有り余る有給休暇を言葉巧みに取得し、ハローキティヂェットで台北は松山空港に着いたのは、現地時間で15時ちょい前のことでした。

当日は雨で、というか、4日間、結局全部雨だったのですが、到着当日は、いつもの倣いで、まずMRTとバスを乗り継ぎ、ナイター営業の故宮博物館に挨拶がてら顔を出し、早々と江戸お留守居役諸氏への土産調達です。

しかし、運命の暗転はこの故宮での長居から始まったのでした。

それは何故かと云えば、市内に戻るのが遅くなってしまったため、いつも素食の晩飯を戴く台北駅ビル二階の「明徳素食園」が仕舞モードで食事が出来ず、普段とは違うフードコートで、客家飯のコース(二人前)を意地汚く食べてしまい、翌日から胃痛と下痢に苦しめられ、悪天候とこの体調不良でベストの撮影モードとは行かなかったのです。

では、言い訳もひとくさり述べたところで、早速実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、到着翌日も雨だったのですが、ホテルで現地TVを観ていると、昨晩からずっと基隆の観光港に浮かぶ、巨大アヒルの話で持ち切りだったので、どうせ雨でも、傘さしての撮影か、巨大なオブヂェだから、建物の中からでも何がしかは撮れるだろうとの打算で、止せばイイのに、ローカル列車の立席で1時間も揺られて、すっかり体調不良モード全開状態で基隆の駅に着いたのは13時半過ぎ、駅に停まっていたアヒル特別列車を撮ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

当日はかなり厚い雲に覆われ、昼過ぎとは言え、暗めの光線状態でしたが、さすがミラーレス、かなりイイ具合いに描き出しています。

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二枚目のカットですが、駅を出てすぐの回廊でアヒルグッズを販売していた小姐2名組に「可以拍照嗎?」と声掛けてみたら、一人は顔を抑えて後ろ向いて、一人は「ハァ~ィ!」てなノリノリなカンジで手を上げてくれたので、即採用!となったものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

帰ってからモニターでまじまじと眺めたら、昔、田舎のデパートに歌謡ショーにやって来た天地マリの往年の笑顔を思い出してしまいました。

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三枚目のカットですが、小姐2枚続きもどうかなと思ったのですが、ちと恩義有る小姐なので、掲載したものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

どんな恩義かと云えば、朝飯も食べられず、下痢の脱水も有り、体調絶不調のため駅のベンチで青息吐息で現地で買ったチュアブルタイプの胃薬をため息つきながら飲んでいたのを一部始終見ていたらしく、ベンチから立ち上がって、蒼い顔(たぶん)で歩き出そうとしていたら、この小姐が何と、下痢には有り難いイオン系飲料を手に歩いて来て、流暢な日本語で「顔色良くないですね、これ飲んで下さい」と渡してくれたのです。

で、お礼を述べてお代を渡そうとしたら、「キャンペンなのでタダですよ」と云うので、せめてお姿を一枚撮らせて、優しい小姐のご尊顔を日本にも紹介したいので・・・とお願いして撮らせて貰ったのです。

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四枚目のカットですが、やっと体調が小康状態に戻ったので、傘を差し、港まで歩いて行って、話題の「巨大アヒル」の雄姿を捉えたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

が、しかし、ここで機材選びに難点が・・・そうシネレンズではシャープさや情報量が豊富なのはイイのですが、そうこの巨大アヒルの縫合線やら、雨による汚れの縦筋までくっきりこんと写し込んでしまったのです。

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五枚目のカットですが、巨大アヒルの雄姿だけ撮ってたんじゃ、深川流スナップの名が廃ろうってもんなので、港周辺でアヒルを背景に記念撮影なんか楽しんでいるところを借景として一枚戴いたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

これほどシャープで情報量多いレンズにも関わらず、バックのボケがゾナー並みに滑らかなのはさすがといつも思います。

しかし・・・傘差してのi-Phone手持ちぢゃまともな記念撮影なんか出来よう筈もないので、この後、声掛けて、彼らに向けてシャッタ-を切って上げたのでした、めでたしめでたし。

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六枚目のカットですが、巨大アヒルをモチーフに何枚か撮っていたら、風も出て、愛機X-Pro1が冠水する危険が高まって来たので、そろそろ引き上げようという時に港のアヒルを物悲しそうに眺めている小姐が居たので、ちょいと声掛けて、横顔を撮らせて貰ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

実は笑ったカットも撮るには撮ったのですが、そちらはちょっとピンとブレの問題がありまして、こちらのややニヒルな横顔のカットが採用となった次第です、はぃ。

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七枚目のカットですが、一夜明けて滞在三日目、北回帰線の南は晴れ時々曇りという情報を得ていたのですが、計画通り、台湾高速鉄道を使い、台中まで出掛け、そこからバスで辿り着いた「鹿港」の路地です。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

無造作とも思える積み方の煉瓦壁、そして古風な鉄製の金枠に妙に明るいブルーのペンキ塗り、同じ路地裏でも、日本のそれとはだいぶ趣きが変っていて面白いと思いました。

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八枚目のカットですが、同じ「鹿港」の裏通り、目抜き通りを結ぶ道を鼻歌なんか歌いながら通り過ぎて行く観光客の後姿を戴いたものです。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

日本でも、中国メインランドでもない、まさに台湾の空気がそのものが漂うカットになったのではないかと思います。

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九枚目のカットですが、鹿港の名所の筆頭、「掏乳巷」の入口付近で常に待機している人力車で遊ぶ極小姐達の姿が目に留まったので、親御さん達に「可以拍照嗎?」と声掛け、「好、是!」と応えてくれたので、通じないのに、「ほれ、こっちゃさ向いてけろ!」とか話し掛けながら撮ったもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

こんなノリノリで協力的な極小姐達もお年頃になってしまったら、写真撮らしてよ、とか声掛けても、やだよ、はずぃよ!とかお断り食っちゃうんだろうな・・・とも思い、ちょっと寂しくはなりましたが。

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十枚目のカットですが、鹿港でほぼ半日撮り続け、さて戻ろうかいなとか考え、バスで通って来た、鹿港のメインストリートを南方向に歩いていたら、何かしら、たぶん、道教関連ではないかと思いましたが、お祭りの一行と遭遇し、その行列の中のトラックの荷台で、無我夢中にスマホンでのゲームに打ち興じる幼い兄弟の姿が目に留まったので一枚戴いたもの。

機材はX-Pro1にCooke Kinetal 50mmf1.8改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

非常にシャープなレンズですが、光線状態のいたずらか、幼い兄弟の姿を何故か柔らかな雰囲気で描写しているのがとても気に入ったカットです。

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十一枚目のカットですが、滞在四日目、その日の夕刻にはまたしても白ネコ印の飛行機で江戸表へ戻らねばならないの、宿を12時前にチェックアウトし、台北駅構内でスナップしようと思い、到着当時から気になっていた、セピアの壁面写真の有る通路でのカットです。

機材はX-Pro1にHyper Lomo 35mm f2改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

ただ壁面写真だけ撮っても面白くないので、通行人を写し込もうと虎視眈々と待ち構えていたのですが、ちょうど、曰く有りげなカップルが通り、しかも、小姐の方が、思惑通り、壁面写真の方に注意を向けながら足早に通り過ぎて行ってくれたので、イイ按配の演出になったのではないかと思います。

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十二枚目のカットですが、駅ホールで一番最後に撮った、メインランドからの観光客のお子さんである極小姐姉妹のお姿。

機材はX-Pro1にHyper Lomo 35mm f2改M、絞り優先AEでの開放撮影です。

実は、当日も鹿港でのハッスルのおかげで、体調絶不調は変らず、かなり酷い顔色とムリに作ったような笑顔で声掛けまくったので、次々玉砕、親御さんがOKしても、童子達が只ならぬ雰囲気を察し、親御さん達の後ろに隠れてしまう、或いはしがみついてイヤイヤするなんて拒絶反応を立て続けに食らい、相当心が折れかけたのですが、最後の最後にダメ元で声掛けてみたら、オモニが笑顔で頷き、幼い極小姐姉妹を横で撮らせて貰ったのがこのカットです。

まぁ、普通の写真っちゃ普通の写真ではありますが、オモニと極小姐達に「謝々、再見!」と声掛けて立ち去ろうとしたら、お婆と思しき老女が手を振って、「感謝!」と笑顔を見せてくれたのです。それで採用となったわけ。

今回の感想としては、やっぱり、イイ写真撮ろうとしたら、精神力が要ります。その精神力の源泉は健康以外の何物でもありません。健康には気を付けて、傑作モノにしましょう。

で、次回、新年一発目の更新は、鹿港スペシャル、3本のレンズを使い、モノクロフィルムで18世紀、清の時代の路地も残る鹿港の素顔を捉えた特集行きます、乞うご期待。

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2013/12/29(日) 23:57:54|
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Monochrome truces~Canon L35mmf2 featured by R-D1s~

さて、今宵のご紹介は予告通り、モノクロでの卓越した描写性能を活かし、改造レンズの検査・最終調整を主業務とした予備役から、モノクロ専用機に転進したR-D1sとCanonL35mmf2のコンビで以て謎の社会主義国産まれのレンズの伴走を行った際のカットからお送り致します。

結論から言っちゃえば、う~ん、どっちが主役でどっちが脇役か判らないくらい、自分では満足した働きぶりぢゃなかったかと思います。

しかし、面白いと思ったのは、被写体選び、アングル、そして寄り方、露出に至るまで、自分では意識しないで、カラーで撮る時とガラッと変えているということです。

ただ、共通しているのは絞り優先AEの全コマ開放撮影ということくらいではないでしょうか。

では、R-D1sの働きぶりを当日の行程に従って見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、カラー編でもありましたが、稲村ケ崎駅から江ノ電線路伝いの道の山肌に在る再生家具&インテリアのお店の庭先での一枚です。
ここでも芒越しに建屋軒先の様子を撮ってみましたが、29mmの画角に対し、35mmの1/1.5画角ですから、実質53mm程度のレンズで接近戦しているのと同様のインパクト有るカットになったのではないでしょうか。
忠実なばかりで色気が無いとも揶揄されることが有るこのL35mmf2ですが、カラーでは地味目な発色と硬い線でなかなか使いこなしも難しいですが、モノクロではほらこの通り、硬さもそれほど気にならない、イイ雰囲気のカットになっていると思います。

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二枚目のカットですが、稲村ケ崎から七里ヶ浜方面に向かう線路伝いの道に面して、白尽くめでちょっとオシャレな佇まいの洋館風個人邸が目に留まったので、そのまま外観を撮るんぢゃ能が無いんで、庭先の冬に実る柑橘類の実を主役とし、洋館は背景として出演して貰ったもの。
ホントはピン合わせた手前の実の周辺の葉をもいで撮りたかったですが、さすがに他人様の庭先で勝手に果実がなっている樹に手を伸ばすのも、まさに「李下で冠を正さず」そのものズバリですから、諦めてありのまま撮ったら、やはり葉で陰り、柑橘系のテクスチャは十分表現出来なかったようです。

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三枚目のカットですが、七里ヶ浜近くの海岸上の公営駐車場でかっけぇバイクをこれ見よがしに停め、本人は陽光燦々燦と降り注ぐペトンの堤防上で缶コーヒーなんか呑みながら長閑に日向ぼっこなんかしていたので、ハィ採用!とばかり、一枚戴いたもの。
このレンズ、或る程度以上の距離から撮れば、被写界深度もそこそこ稼げるようで、堤防の上のライダー兄ちゃんに合わせたら、兄ちゃんからバイクまで何とか入ったようです。

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四枚目のカットですが、七里ヶ浜から再び江ノ電に乗って、江ノ島手前の腰越駅で降り、漁港に向かい、そこで漁船の雄姿を至近距離で撮ってみたものです。
こういう、標準レンズ相当の画角で広角みたいな撮り方はカラーではまず撮らないですが、いやはや、モノクロでは、結構大胆になりますね。
ピンは船名に合わせていますが、画角は53mm相当とは言え、元は35mm、船尾までのボケはなだらかですし、FRPの真新しい船体の照り返しがとても美しく表現されたのではないかと思いました。

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五枚目のカットですが、江ノ島に着いてから正面階段向かって右側ルートから岩屋洞窟方面にアプローチするのは今回のみならず、いつもの倣いですが、鐘の鳴る丘方面へ続く島頂上付近の茶店街の坂道で、前を行くカップルの仲睦まじいお姿を一枚戴いたもの。
このカット、膝から下くらいの視点で撮っていますが、そう、階段を上りきらない辺りで前行く人間を狙うと、こういう島の猫の視点みたいなカットで撮れる面白さがあるのです。ただ、前を行く人間の服装は十分気を付けないと、このご時勢、大騒ぎになりかねませんが・・・笑

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六枚目のカットですが、いつも生しらす丼をご馳走になる「江ノ島亭」さんの係累と思しきいたいけな極小姐が、愛くるしいトイプードル状の生物と戯れる図です。
引き綱を付けて、板前姿のヲヤヂさんを追って店から出てきたのはイイのですが、まだ幼いこの犬的な生き物ははしゃぎ回る習性があるようで、その引き綱が四つ脚に絡み、四苦八苦して何とかその場を逃れようと必死にもがいているにも関わらず、愛犬の惨状を我が事として認識しない極小姐がしきりに綱を引っ張るので、困った表情を浮かべたような犬状生物の表情が面白かったです。
なお、この後、「お嬢ちゃん、ワンコと一緒のこと一枚撮らしてよ!」とか面白半分声掛けてみたら、「や~だよ、だって、ヘンなカッコもう撮ってんだもん!!」とか口尖らせて答えたもんだから、はぃはぃゴメンな、とほうぼうのていでその場を後にしました。

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七枚目のカットですが、「江ノ島亭」前から更に岩屋方面に進むと奥津宮が在り、その鳥居方向から、姦しい小姐達の声が聞こえてきたので、反射的に一閃、シャッターを切ったもの。
この古色蒼然とした画面の雰囲気、健康的な小姐達のいでたちがせめて小袖か何かであったなら、明治・大正期の写真と言っても通用したかも知れませんが、まぁ、これはこれ、ミスマッチも面白いカットになったと思います。
なお、シャッター切ったら、向こうも話し中にも関わらず、こっちに目線向けたので、すかさず笑顔で会釈したら、小姐二名のニコニコと笑顔で会釈の倍返しだったので、声掛けて、もっと撮れば良かったのかな、とすれ違って後悔することしきり。

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八枚目のカットですが、双子ちゃんが奥津宮界隈を親御さんと飛び回って、オモニの読み上げる案内板の由来に感心したり、親御さんのスマホンで記念撮影したり、八面六脾の大活躍ぶりだったので、手水場の陰に潜み、ちょうどお二方がアニメソングなどを口ずさみながらお清めなんかしているところを一枚戴いたもの。
そこそこの距離で撮ったため、かなり被写界深度は深くなっていますが、それでも、モノクロでありながら、光沢有る化繊のパーカーみたいな衣装に身を包む双子の姿は、何か童話の一シーンを彷彿とさせてくれるような印象を与えてくれました。

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九枚目のカットですが、岩屋洞窟へ降りる階段付近まで行ってから、また今度は反対時計回りで辺津宮経由、ヨットハーバー方面を目指すため歩いていたら、サムエルコッキングガルテン手前の和風茶屋にイイ加減に陽が射していたので、通行人もろとも一枚撮ってみたもの。
これだけくっきりとハイコントラストに上がってしまうと、やはりフィルムっぽくは見えなくなってしまい、デジタル臭さが顔を出すというひとつの限界サンプルになってしまったかの感アリのカットでした。

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十枚目のカットですが、辺津宮から江ノ島大橋に向かう参道の中ほどで、親子連れであーんちて!をおおっぴらにやっていた方々が目に留まったので、さっそく、あの~、お父さんにあーんちて!やってるとこ撮らして貰えませんか、イヤ、怪しいもんぢゃ決してありませんので・・・とかお願いしてみたら、ホラこの通り、ということで一枚戴いたもの。
いやはや、迫真の演技ですね、ご協力有難うございました、こんな見ず知らずのアヤシゲなカメラマンの唐突な要求にもイヤな顔ひとつしないで応えて戴いて。
このカットは前カットに比べれば、だいぶ、欧州のモノクロフィルムっぽい雰囲気を醸し出しているのではないでしょうか。

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十一枚目のカットですが、ヨットハーバーへ向かう道の側道、一本山際の裏通りの寂しげな様子です。
江ノ島は関東の、いや、日本でも屈指の有名な観光地で、土日ともなれば、観光客でごった返すようなイメージがありますが、この地元民の生活道路は、平日も土日も、いつもこんなカンジで、どこの海辺の町にでもあるようなありきたりの日常感がそここに漂っています。

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十二枚目のカットですが、もう地方といえど大きな都市では全滅しかかっている「よろず屋」的な商店の佇まいです。
殆ど人通りのない通りでしたたが、それでも、地元民や、民宿の宿泊客、そして魚釣りにきた観光客目当てに零細商店は幾つか軒を並べており、ただ、奥に入り込んでいるのか、店先に人気がないので、たまたまヲッサンが居た店が有ったので、軒先から、一枚撮らして貰いますね♪と声掛けて撮ったものです。
何故か幼少の頃の昭和の香りが漂う懐かしいカットになったと個人的には思いました。

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十三枚目のカットですが、もはや定番撮影スポットの感有り有りの小田急ヨットクラブの風景です。
カラーだと、クラブハウス兼管理事務所の水色をはじめ、立て掛けたヨットの淡いパステルカラーが空に映えるのですが、モノクロだと濃淡でしか表現出来ないので、また違った印象となって面白いのではないでしょうか。
でも、このCanon35mmf24のなだらかなボケによる奥行き感の表現方法には目を奪われたのもまた事実です。

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十四枚目のカットですが、ヨットハーバー方面から江ノ島大橋方面のメインストリートを歩いていたら、駐車場の道路際フェンスギリギリの区画に、最新型のプジョーのスポーツクーペが停まっていたので、その先鋭的な造詣をどうしたら端的に表現出来るものかと考えて撮ったカット。
カーボンファイバー風のルーフ枠の質感、そしてグラマラスで艶やかなボディラインに映り込んだ冬の江ノ島の光景がとても対照的で面白いカットではないかと思いました。

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十五枚目のカットですが、いつも店先の錆びた自転車を撮らせてもらうカフェの店先にずいぶんと古い佇まいの雰囲気有るバイクが停まっていたので、それをモチーフに一枚撮ってみたもの。
エンジン下部をもうちょい入れて、上をも少し切った構図にすれば、まるで気の利いたインテリア用ポスターぢゃね!?とか思いましたが、これが素人の悲しいところ、R-D1sのブライトフレームではなかなか近距離でそこまで厳密なフレーミングは至難の業なのです。

今回の感想としては、やっぱり、R-D1sのモノクロは面白い。しかも、見たままを忠実に写し取ろうとしてしまうカラー撮影に比べ、モノクロでは、寧ろ、目の前の空間をデザインして撮ろうと、見せ方に一捻りも二捻りも考えて工夫しますから、或る意味、頭の体操にもなりんぢゃないかと思いました。

さて、来週は海外渡航で一週間スキップ、年内はあと一回の更新となります。何が出るかはお楽しみ!! 

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  1. 2013/12/15(日) 19:57:19|
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此奇貨可居~Pentacon29mmf2.8~

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まずはお詫びと訂正から。今週末のアップは工房作品からと云いながら、水曜日に衝動買いしてしまったレンズの試し撮りがしたくて、伴走機としてモノクロ専用機に転進したR-D1sを従え、湘南まで出かけてしまったので、浅草辺りでちゃかちゃかっと作例作って、ハィ今回も声掛けたらこれだけ撮影に応じてくれました♪なんて手軽な紹介とは行かず、急遽、差し替え、その衝動買い結果をアップさせて戴きます。

このレンズ、なかなか買って来てから気づいたのですが、なかなか変わっています。
まずは焦点距離、29mmなんてヘンテコなのは世界中捜してもこのモデルだけでしょう。
また、銘板には通常刻印されているシリアルNo.というものが全く見当たりません。

しかし、よくよく細かいところを見ていくと、1980年代作の外貨獲得用の輸出向けレンズとは思われますが、鏡筒内部やレンズ後端の反射防止処置は、1960~70年代のわが国の輸出用レンズのそれよりも良く出来ており、いかな東ドイツ国営企業製とは云え、元はカールツァイスだけあって結構几帳面な作り込みとなっていて、同時期の描写性能には当たり外れがあるものの、造りは概してシャビーだったソ連製の光学製品とは一線を規しているのではないかと思いました。

構成は7群7枚のレトロフォキュタイプ、Multi Coatingとこれみよがしに書いてある通り、緑の反射面も華やかなマルチコーティングのモダンなレンズです・・・が、同じ江ノ島でテストしたら、相手は50mmとは云え、見た目はしょぼいルビーもどきコートのロシア製シネレンズには逆光では全く持って太刀打ち出来なかったです・・・笑

では早速実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、稲村ケ崎の駅から降りて、海沿いの街道から一本山際に入った江ノ電の線路沿いの道には瀟洒な住宅が数多く並んでいるのですが、そのうちの一軒の門扉横にアルミ製の素敵な外灯が有ったので一枚戴いたもの。

このレンズ、実は25cmくらいまで最短距離が寄れるそうですが、なにぶん、気温が高めの日にカメラを首から提げていたため、ファインダアイピースが結露し、なかなかピント合わせが上手くいかず、このくらいの距離でやっとスプリットイメージの合否が判ったのです。

アルミ製の被写体は勿論のこと、背景の木製の塀もなかなか良い色具合で再現されていますが、ただ、その後ろの木々の枝葉は若干暴れ加減です。

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二枚目のカットですが、その線路伝いの道を七里ヶ浜方面に歩いていくと、線路の上、山肌にしもた屋風の再生家具屋さんがあり、いつも顔を出して、挨拶代わりに何枚か撮らせて貰っており、今回は家屋内で接客中だったので、外回りだけ何枚か撮らせて貰ったうちの一枚。

ピンは手前の芒の穂に合わせていますが、画面全体の発色もバランス良く、背景も映画の一シーンみたいに穏かなボケ加減となっていて、鎌倉のはずれの静かな冬の一日という雰囲気を醸し出してくれたのでは、と思いました。

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三枚目のカットですが、江ノ電沿いの道が海沿いの道と合流してすぐ目の前にある、七里ヶ浜駐車場から砂浜に降りてみたら、和装の妙齢の女性とその他一名が潮風と戯れておられるご様子だったので、背後から借景として一枚戴いたもの。

このカットでは、冬とは言え、晴天の昼下がり、1DsMKIIはISO200でもf2.8の開放は1/8000のシャッター速度を走らせていました。

なお、このカットではこのレンズのあらというかクセがひとつはっきり出ていて、それは、画面向かって左下の砂浜の足跡が、非点収差の影響か、波以上に盛大に動いているように見えることです。

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四枚目のカットですが、腰越漁港で一旦降りて、江ノ島に着いてから洲鼻通り経由、江ノ島へ向かう渡海橋への地下道から上がるところで、前を行くカップルの影が伸びていたので一枚戴いたもの。

実はテスト撮影の前日、古玉愛玩の同志Sunday_Photographerさんから、逆光には弱い、との事前情報を得ていたので、それでは、といつものテストパターンとしてトライしてみたもの。

画面中央最下部にクリオネそっくりのコーティングの補色のゴーストが出ていますが、まぁ上からは直射日光、下からは石張りの歩道からの照り返しがある中で、上出来なんぢゃね?というのが偽らざる感想で、ただ、被写体のお二方の頭部の毛髪が、EOS1DsMKIIの撮像素子の受光量の限界なのか、或いは光学系での強烈な光線の回り込みによるものなのか、輪郭がぼやけてしまっているのが残念に思いました。

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五枚目のカットですが、渡海橋を渡り、参道を通り抜けて、弁財天社の階段から元来た参道方向を振り返る格好で一枚撮ったもの。

ここでまた、このレンズの驚くべきクセが明らかになりました。
眼下の真直ぐな石の階段がわずかに円弧状に曲がっているのはご愛嬌としても、画面向かって右端寄りの黒のダウンパーカーの小姐のお姿があたかも左サイドからの強風に煽られたかの如くぎゅっと右方向にひん曲がっているかのように写り込んでいます。

まぁ、銀塩フィルム時代であれば、平坦度はシリコン半導体の撮像素子ほどシビアではなく、受光面自体も何μかあったので、ここまで目立たなかったのかも知れませんし、またAPS-フォーマットであれば、中央部のみのトリムとなりますから、不運な?ディストーション小姐の姿も写り込むことはなかったのかも知れません。

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六枚目のカットですが、弁財天社階段右手の坂道から島の裏手方向、岩屋方面へと向かい、その坂道の途中で木立が途切れて午後の傾き掛けた冬の陽射しが景観型のガードレールを照らし、素晴らしい陰影を作っていたので一枚撮ってみたもの。

明るい陽光の下や反射率の高い被写体ではいまひとつ良いとこ無しのこのレンズですが、こういう暗めの締まった配色の被写界はそこそこイイ線行っているカンジで、ただ、四隅がちょいと流れ加減なのが残念でした。

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七枚目のカットですが、島の裏手の道を歩きながら、反対時計周りでヨットハーバー方面に向かう途中、断崖絶壁に向かって視界が開けたところで岩肌に芒が茂っていたので、その対比が面白くて一枚撮ってみたもの。
ピンは芒の穂に合わせていますが、背景の断崖絶壁は若干崩れ気味です。

また前ボケも崩れ気味ではありますが、この配置ではシャドーとなってそれほど目立たないのがラッキーでした。

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八枚目のカットですが、前回のYashica DSB50mm f1.9のテストで好評?だったヨットハーバー近くの小田急
ヨットクラブの全景の図です。

ここでは、これまでのカットで見られたような四隅の崩れや樽状のディストーションはそれほど目立たず、寧ろ、控えめな発色や緻密な線描写が、やはりドイツのレンズの血脈を感じさせてくれると思います。

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九枚目のカットですが、江ノ電の鎌倉高校前駅ホーム上から撮った江ノ島に沈む夕陽の図です。

島での撮影が終わり、江戸表へ戻るため、江ノ島から再び乗車した車中から江ノ島に夕陽が沈むのが見えたので、江ノ島ツアーに良く連れて行ってくれた今は亡き新宿の老写友教えて貰った「夕陽は鎌倉高校前のホームから眺めるのが一番綺麗」という言葉を思い出し、前の席のちょいと美しい小姐二人組(の眺め)に心の底でサヨナラを告げ、鎌倉高校前で途中下車し、藤沢方面への電車を待ちながらスマホンで夕陽の撮影をする女子高生達に混じって撮った、刻々と海に沈むオレンジの火の玉はとても美しく、このちょっと落ちこぼれ気味?の東側に産まれた名門の末裔は最後に満塁ホームランを打ってくれたカンジでした。

今回の感想としては、フルサイズの撮像素子を持ち、測定器並にシビアなプロ機ではこのレンズもあらが目立ち、いいとこ無しですが、たぶん、50Dとか20Dで持ち歩けば、47mm相当でスナップには使い易い画角の上、四隅の流れも切られてしまうので、結構、便利に面白く使えるのではないかと。

さて、来週はこの1DsMKIIと伴走したR-D1sによるモノクロ撮影珍道中編をお送り致します、乞うご期待!!

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2013/12/08(日) 18:10:37|
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Monochrome melodies~R-D1s with Elmarit28mmf2.8~

さて、今宵のアップは読者の皆様への日頃のご愛顧に応え、臨時更新として、つい最近凝っているモノクロ撮影を長年の愛機R-D1sのモノクロームモードで試したらどうなるか、をご紹介しました。
レンズは先の長浜でのモノクロフィルム撮影の28mmf2.8がキャノンの対称光学系であったのに対し、今回はレトロフォキュ系のErmalit28mmf2.8の三代目で試しました。
ロケ地は神田神保町、絞り優先AEでの全コマ開放です。

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まず一枚目は神保町交差点から九段下方面に向かう道路南側の古書店街でそこはかとなく人生の悲哀を漂わせて手頃価格の古書漁りをする年配の男性達を入れての街角風景です。

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二枚目のカットは軍資金を下ろしに入った某大手都銀のATMコーナーの出口に八墓村のポスターの山崎努か、或いは坂の上の雲の乃木希助か、肩幅まで両脚をどっかと広げ背筋を伸ばし、通りを睥睨するハンチング帽の爺様と談笑しながらその前を通り過ぎていく今風の小姐の姿を対比的に捉えたものです。

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三枚目のカットは都銀ATMコーナーからお目当ての蕎麦屋側に交差点を渡ったら、ちょうど、レトロな雰囲気のスクーターになかなか決まった装束で跨ってた、恰幅イイ兄さんが居たので通り過ぎざまに一枚戴いたもの。

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四枚目のカットはすずらん通りに入って、ふと陽の傾きかけた西方面に目をやると、自転車の親子が走って来たので、これ幸いに一枚戴いたもの。

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五枚目のカットはすずらん通りで何枚か試写した後、再び、表通りに出て来て、特徴有るカバン屋?さんの前で面白げな通行人入れて撮ろうぢゃん、とか待ち構えていたら、程なく、クルーゾー警部みたいな装束の妙齢の男性が通りがかったので、一枚戴いたもの。

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六枚目のカットは再び、元来た、神保町交差点よりひとつ西の大きな交差点方向に歩いていたら、受験か何かの途中と思しき母娘が、背面液晶なんか眺めながらトロトロ歩いていた小生を追い越して行ったので、これ幸いと一枚戴いたもの。

今回の感想はR-D1sはまだまだやるなぁ・・・と思った次第。
低照度域や、ホワイトバランスの補正範囲等々、X-Pro1やM8にすら一歩も二歩も遅れをとって、半ば現役引退の予備機に甘んじていたR-D1sですが、モノクロではとても素晴らしく、欧州製のモノクロフィルムのような淡い描写でイイ雰囲気です。従って、R-D1sには本日付を以て予備機兼モノクロ専用機の発令を行いたいと思います。

では日曜日の定時更新をお楽しみに。再見!!

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  1. 2013/12/05(木) 23:37:02|
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A little autumun may be found~深大寺新蕎麦&紅葉ツアー2013~

さて今週のご紹介は、予告通り、11/23に秘密結社「ノンライツRF友の会」の愉快な仲間達各位と出掛けた、紅葉真っ盛りの深大寺ツアーからハイライト編としてお送り致します。

当日は、10時半集合、実質、11時前から撮り始めたのですが、メンバーの日頃の功徳の賜物か、晴天に恵まれ、気温も程好い状態でまさにお出かけ撮影日和そのものでした。

機材は、カメラはオールX-Pro1、レンズは1~3枚目のカットまでが、Auto Miranda 35mmf2.8、4枚目からラストまでが、Petri35mmf2.8です。
撮影条件は絞り優先AEによる全コマ開放撮影です。
では、早速当日の行動に沿って、撮影結果を見て参りましょう。

Jindaiji13_001.jpg
まず一枚目のカットですが、一行は11時前に集合後、まずは山門から西の方角にあるちょっとした木立の広場で蚤の市みたいなイベントやってるので、まずそこでヲーミングアップ代わりに撮ろうぢゃまいか?ということでみんな打ち揃って気もそぞろに会場に着き、そこで撮り始めた時に、難しい顔して散策している白人の男性がやって来たので、一枚戴いたもの。
同じ35mmでも、Hyper-Lomo35mmf2の切り抜いたが如き輪郭描写には遠く及びませんが、それでも、木立の中で背後には木漏れ日の盛大な照り返しが写り込んでいる状況でこのくらいのコントラストと程好いシャープネスで描写出来る性能は、往時の国産レンズもなかなかやるもんだ、と正直関心しました。

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二枚目のカットですが、同じく蚤の市のエリアで市のボランテアみたいな妙齢のオモニ?が昔話をご自分の人生観に重ね合わせた新解釈で編集し直したと思われる愉快な紙芝居を休み休み上演していたのを赤ん坊を背負った若いオモニが背中の赤子をあやしながら紙芝居見物としゃれ込んでいたので一枚戴いたもの。
X-Pro1の撮像素子の性能なのか、はたまた、マグニファイヤもない一眼レフの光学ファインダでは性能が出し切れていなかったのか、研究の余地はありますが、いやはや、カリカリしてはいないものの、赤子を背負った若いオモニのウールの帽子の生地のテクスチャをはじめ、発色バランスを含め、素晴らしくリアルに細部を再現し、しかもバックのボケは変な非点収差の渦巻き現象なども生ぜず、ゾナーの如きマイルドな蕩け加減です。

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三枚目のカットですが、土産物屋街に続く東西の参道に面した蚤の市の広場の外れで、あやつり人形を披露している兄さんが居て、子供連れが興味を持って近寄ってくるたびに、飽きもせず熱心に、市井の人形遣いとしての熱き思いの丈など語っていたので、背後から一枚戴いたもの。
ここでは向かって左の極小姐のピンクのフリースやコンビニ御用達の白きポリ袋に直射日光が当たり、かなりのハイライト加減だったのですが、金属光沢で日光を反射しているマイクスタンド状の物体表面にパープルフリンジが認められるくらいで、鑑賞上有害無益なフレア、ゴーストの類いが認められないのはやはりたいしたものだと唸ってしまいました。

Jindaiji13_005.jpg
四枚目のカットですが、深大寺ペットセメタリー近くの蕎麦の名店「松葉屋」さんでのゴーヂァスな蕎麦のランチを挟み、午後の撮影に出掛けた神代水生植物園での紅葉を入れたカットです。
ここは、さすが財政的にゆとりある都の施設だけあって、湿地帯上に架けられたウッドデッキ上の歩道はいつも白木に近い美麗な状態で、植物の緑と花や、紅葉の赤や黄色に映え、とても素敵な素材ではないかと感心しております。そんな穏かな配色を往年のPETRI製の広角は歪みや流れもなく、忠実に描写してくれます。

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五枚目のカットですが、深大寺城跡での撮影後、お茶を挟み、陽加減がイイ按配になってきたということで、再び、深大寺周辺に戻り、撮影した、蚤の市会場入り口の山羊に餌付けなんかしていた心優しい極小姐の図、山羊さんとのツーショットです。
或る意味、このカットをPCのモニタに映し出し思ったことは、硝質、コーティング、そして構成ともAngenieux35mmf2.8と瓜二つながら、この極小姐の清潔そうな白いウールのセーター上のハイライト滲み、これこそが、PETRI製レンズのDNAであり、真骨頂なのではないかと思いました。

Jindaiji13_007.jpg
六枚目のカットですが、陽も傾きかけ、タングステン光源が存在感を増して来た頃の茶店街のランドマーク的存在、浅草の「あずま」さんと並ぶ、美形小姐が看板娘を務める「八起」さん店頭の図です。
このカット、湯気がもうもうと上がり、しかも背後からハロゲンの光源が店頭の小姐をガンガン照らしていますが、ここでも、かなりクリアにそして程好いソフト加減で主役の看板娘を中心として、秋の夕暮の雰囲気を描き出しているのではないかと思いました。

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七枚目のカットですが、深大寺山門脇には見事な紅葉を見せる古木が植わっており、その手前には、如何にも儚げな風情の芒が風になびいていたので、その対比を面白く思い一枚撮ってみたもの。
ピンは手前の芒に合わせていますが、背景の紅葉も素晴らしくなだらかなボケで、まさに暮れ行く秋の穏やかな空気まで描き出したカットになったのではないかと自分では思いました。

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八枚目のカットですが、山門前の茶店街でちまちまと秋の痕跡を探し出して撮っていたら、突如、山門の辺りから喚声が上がり、振り返ってみれば、朝から七五三で賑わっていたこの深大寺で、仏前結婚式のカップルが門をくぐり抜け、まさに階段を降りようとしていたところが目に留まったので、EVFを速写向きのピーキーングモードに切り替え、数カット撮ったうちの一枚。
ここでも、純白無垢の花嫁衣装は晩秋の傾きかけた陽光に輝いていましたが、この往年のレトロフォキュレンズはその晴れの衣装全面に優しげなフレアを纏わせた姿で描写していました。

今回の感想としては、やっぱり、仲間と撮りに行くのは楽しいですね、同じ被写体を人により撮り方が違うし、また自分が見落としたシーンを撮っていたりと、後でネットにアップされたものを見ても、佳き刺激になります。

さて、来週は工房作品から何かご紹介致したいと思います。乞うご期待!!

テーマ:四季 −秋− - ジャンル:写真

  1. 2013/12/01(日) 21:03:04|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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