fc2ブログ

深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

古代先進的製造商的遺產~AUTO YASHINON5cmf2mod.FD~

AUTO_YASHINON50.jpg
さて今宵のご紹介は、何にしようかなとか、昨日の中古カメラ市@銀座松屋≠牛丼・定食屋を徘徊しつつ考えたのですが、X-Pro1にくっつけたミランダやペトリと伴走し、そこそこ良さげなモノクロ撮ったにも関わらず、自分の中で半ば忘れかけていた鏡玉が有ったので、急遽、それをお披露目することにした次第。

モノはM42マウントのAuto Yashinon5cmf2をどうしても、モノクロフィルムで撮りたかったのですが、これ以上、不要不急のボディを増やしたくなかったので、うちにあるボディのどれかをM42マウント改造でもしようか、とか考えていたのですが、かつて、FマウントのZunow50mmf1.8を後玉干渉のため、FDに再マウント化したことがあったのを思い出し、当工房の銀塩一眼レフではNikon F、F3Pと並び信頼性の高いCanon F-1N ODで使う前提で脱着可能なマウントパーツを開発し、それをレンズ側に装着し、FDマウント化したのです。

発売は1960年代初め、今は亡き富岡光学製の4群6枚のプラナータイプのモノコートレンズです。

物の本によれば、このレンズには富岡が海外への販売用としてTOMINONブランドでも外観周りのデザインを変えたものを販売していたようです。

富岡光学と言えば、まさにかのCarl Zeiss銘のレンズのOEM製造を任されたくらいの技術力だったので、ボディ、レンズ一貫製造メーカーのものとはまたひと味もふた味も違った描写であることを期待し、改造して実写してみたものです。

では、昨年秋の深大寺でのストックフォトから実写結果見て参りましょう。

カメラはCanon F-1N OD 絞り開放、フィルムはKodak T-MAX100のフロンテアCD-R経由取込みです。

AUtO_YASHINON50_001.jpg
まず一枚目のカットですが、深大寺山門前でいたいけな小姐が千歳飴状の物体を持って、親御さんに撮って貰っていたので、あいや卒璽ながら拙者にも・・・ということでお願いして一枚撮らせて貰ったもの。

なかなかマイルドな写りで、背景の山門も通行人の爺さんもなだらかにボケてイイカンジだと思います。

AUTO_YASHINON50_002.jpg
二枚目のカットですが、山門前の茶店街を西方向に進んだ木立の中のちょっとした広場でフリマみたいなイベントやってて、そこで、話の筋より、話者のヂェスチャの方がまだ面白いような紙芝居をやってて、それでもかぶりつきでずっと離れない、いたいけな童子の姿が心を打ったので、後ろからその同胞愛に溢れる姿を一枚戴いたもの。

ピンは小僧さんのモジャモジャ頭に合わせていますが、このくらいの位置だと、開放でも紙芝居アジュモニまでかろうじて被写界深度に入っているように見えます。

AUTO_YASHINON50_003.jpg
三枚目のカットですが、同フリマでニットだったか、革製品だったかの手工芸品で何かの奨励賞を取ったとの触れ込みがあるブースに観客が集まって、眼を凝らして観察する姿が、戦後の闇市に暮らしの糧を求めて集う人々の姿に重なって見えたので、一枚戴いたもの。

ピンは体を折って、机上の製品?を凝視する老小姐に合わせていますが、光線の加減もあってか、ほぼ同距離の横のアジョシのジャケットのテクスチャ描写が印象的に思えました。

AUTO_YASHINON50_004.jpg
四枚目のカットですが、これもフリマ会場にて、手作りのニット製品を商うブースでちょうど商談成立、物の受渡しの決定的瞬間を捉えたものです。

ピンは売り子のアジュモニの手付近に合わせていますが、登場人物二名がかろうじて被写界深度に入って、作画的にはよしとしたいところですが、背景が非点収差の影響で大ぐるぐる大会と化してしまったのがちと残念でした。

AUTO_YASHINON50_005.jpg
五枚目のカットですが、フリマ広場の北側、茶店街に続く参道に面した位置に出ていた、操り人形みたいなものを置いてはいるが、いったい、何の目的でそこにいるのか、今いち存在理由がはっきりしないブース前でいたいけな極小姐に人形に関する説明を行っているところを一枚戴いたもの。

ピンは極小姐の頭の髪の毛付近で合わせましたが、登場人物3名の顔かたち、表情までは余裕で判別出来ますが、ここでも背景の木立はまたしてもぐるぐる大会となってしまいました。

AUTO_YASHINON50_006.jpg
六枚目のカットですが、深大寺と言えば「ゲゲゲの鬼太郎」、満を持しての登場です、と云いたいところではありますが、恒例のヴィジュアル系茶店「八起」さん店頭のいたいけなパートタイム労働者小姐のお姿を、お饅頭の購入と引き換えに一枚撮らせて戴いたもの。


小姐はそこそこマイルドにイイ案配に写っていますが、背景の木漏れ日たるや・・・非点収差、球面収差、そして口径食と、まさに収差のオンパレード、技術の富岡もなかなかワイルドだぜぇ☆とか思わず笑ってしまいました。

AUTO_YASHINON50_007.jpg
七枚目のカットですが、これもヴィジュアル系茶店「八起」さん敷地内の鹿おどしの様子を撮ってみたもの。

ピンは当然のことながら、竹筒の先端に合わせていますが、このマイルドでクセ玉というしょうもない愛すべき古玉は、筒に注がれる水流の迸る雫を見事捉えているのが感心しました。

AUTO_YASHINON50_008.jpg
八枚目のカットですが、深大寺境内の手水場にいたいけな極小姐連れの若夫婦が何も知らず、幸せ一杯胸一杯の表情で足取りも軽くやって来たので、ハィ、ここで逢ったのも何かのご縁、可愛いお嬢ちゃんの手を洗うとこ、一枚撮らしてやって頂戴ね、と眼が笑っていない笑顔でお願いし、はぁ、というカンジのリアクションだったので、一枚戴いたもの。

ピンは極小姐の顔で合わせたつもりだったのですが、何せ相当薄暗い手水場内の被写体に対し、背景の砂利地面は照り返しがきつく、いつものクイックフォーカシングが思い通りにいかず、かなり前ピン気味でギリギリ入ったかな、というレベルの合焦でした。

今回の感想としては、いやはや、このAuto Yashinon5cmf2って、先般のDSB50mmf1.9の直系のご先祖様の筈ななのに、難しい・・・今度、同じ条件で以て、EOS50Dにアダプタ経由でデジタルカラー撮影で試してみようかな。

さて、次回のアップは昨日、秘密結社ノンライツRF友の会のイベントで築地、月島、佃を撮り歩いたので、二台のうち、どちらかの画をアップ致しましょう。 乞うご期待!!

テーマ:CANON FD改造レンズ - ジャンル:写真

  1. 2014/02/23(日) 21:57:41|
  2. Canon FDマウント
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

臨時更新~CP+の美女達~

今宵は、写友Sundayphotograperさんからの誘い水に応じ、お蔵入り予定だった、CP+での数カットです。
一枚目から七枚目までは、X-Pro1+Porst50mmf1.2による絞り優先AEでの開放撮影、八枚目のみ、EOS50D+Kowa Prominar50mmf2による絞り優先AEでの開放撮影です。

F1.2とF2の競演ですが、その差がちょっとやそこらでは判らないくらい、Porst50mmf1.2ことAX Fujinon50mmf1.2の描写性能は本来高く、それが今まで喧伝されてこなかったというのは、X-Pro1の極めて優れたEVFによる10倍クロップ拡大機能で絶対焦点面での撮影が可能になったからではないかと思いました。

DSCF9068-01.jpg

DSCF9070.jpg

DSCF9069.jpg

DSCF9073.jpg

DSCF9072.jpg

DSCF9074.jpg

DSCF9075.jpg

EPSON by KOWA

テーマ:祭り/イベント - ジャンル:写真

  1. 2014/02/18(火) 21:51:33|
  2. イベント写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

Like a Poltergeist!!~Porst50mmf1.2~

Porst50mm-1.jpg
さて今宵のご紹介は、予告通り、工房附設秘宝館からいきなりの大物、旧小西六製のレヴィアタンことAR Hexanon57mmf1.2と相並び、バケモノじみた描写性能を発揮するPORST50mmf1.2の登場です。

このドイツの写真機材業者PORST銘で売られていたボディ、レンズとも、80年初頭では、富士フィルムが自社製品と同じAXマウントで供給しており、この50mmf1.2もご他聞にもれず、もはや超レアアイテムと化し、同時期のニコン、キャノン、ミノルタ、アサペン、オリムパスの球面50mmf1.2よりも中古相場が高くなってしまっているフジノンAX50mmf1.2のOEM版です。

構成は7群7枚ということで、プラナー派生型が多い一眼レフ用交換レンズとしては珍しく、貼合わせ面皆無のユニークな設計となっています。

なお、このレンズ、AX→Mの非連動アダプタですら発売されていないので、またしても工房にてワンオフで製造したもので繋いでいます。


では、早速実写結果見て参りましょう。撮影条件は例に拠って例の如く、全コマ開放、ロケ地は、いずれも昨年秋の撮影で、1~7枚目までが江ノ島、8~10枚目が佃島となっています。

Fujinon50mmf12_01.jpg
まず一枚目のカットですが、江ノ島の「あの鐘を鳴らすのはアナタ」という海の見える丘の上の鐘を午後の穏かにたゆたう海面をバックに撮ってみたもの。
デジタル固有の現象として、輝度差の大きな輪郭部には、被写界深度の浅いレンズということもあり、極僅かにパープルフリンジ的な線も見えなくはないですがそれでも、これだけ、ハロもなくクリア且つシャープに写るのが、40年近く前の市販レンズというのは驚きです。

Fujinon50mmf12_02.jpg
二枚目のカットですが、この鐘の鳴る丘の鐘台座部に有る「恋人を一生拘束しまっせ」とかいう世にも恐ろしい弊習を具現した、鍵だらけのフェンスを被写界深度の浅ささを示すため撮ってみたもの。
ピンが合っているゾーンだけ帯状にキチンと結像し、当然のことながら、アウトフォーカスの前後はボケていますが、シャープさのお釣りとして、後ボケは結構ざわついた二線ボケ大会と化してしまっています。

Fujinon50mmf12_03.jpg
三枚目のカットですが、岩屋洞窟方面へ降りる「行きはヨイヨイ、帰りはコワイ」階段へ続く道沿いにある瀟洒な茶店前で、いたいけな小姐2名が入ろうか入るまいか、青春に付きものの迷いを体現していたので、これ幸いに、とお店の佇まいもろとも一枚戴いたもの。
画面は小姐達のお召し物をはじめ、反射度も低く、色も黒から暗色系統だったので露出はプラス目に掛けたのですが、そのお釣りで縁台上の白いビニールパックの餅菓子上の物質のテクスチャがフレアとともに吹っ飛んでしまいました、

Fujinon50mmf12_04.jpg
四枚目のカットですが、愛すべき写友のSundayphotograperさんが、たびたび、近所の郷社のうさぎ像を登場させてくるので、それに対する返歌として、かめ像の登場です。
最短撮影距離付近で、ピンは鼻先に合わせていますが、極めて薄い被写界深度のエフェクトで、あたかも「安堂ロイド」のウージングアウトで時空の歪から実体化してくるようにも見える面白い画になったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_05.jpg
五枚目のカットですが、岩屋洞窟からサムエルコッキング園方面へ戻る双丘の階段辺りで被写体を待っていたら、如何にも健康さが売り物ですよぉという雰囲気の関西からの小姐2名が横を通り過ぎていたので、EVFで追尾しながら、頃合いを見てシャッター切ったもの。
開放から十分シャープなのは云うまでもないですが、歩行の瞬間を高速シャッターで的確に捉えていて、しかも大口径特有の擬似望遠効果でなかなか風情の有るカットになったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_06.jpg
六枚目のカットですが、この江ノ島では捨て猫が多いことが有名なのですが、このサムエルコッキング園近傍もご他聞に漏れず、猫の一大棲息地になってまして、石垣の上から獲物を狙うが如き鋭い視線で睨んでいたのを睨み返しつつ、えいやっと一枚撮ったものです。
EVFの10倍クロップ拡大による精密射撃ですが、まさに猫の瞳に合わせたら、背景のブッシュも、手前の石垣もボケて、ちょっとしたネイチャーフォトのテイストになったのではないかと思いました。

Fujinon50mmf12_07.jpg
七枚目のカットですが、片瀬江ノ島の海浜公園で遊ぶ親子連れが目に留まったので、そうそう、この日は人物一回も撮ってなかったなぁ・・・とか思い、ノルマを果たすべく、「なかなかモデルさんになってくれる方が見つからなくて」とか愚痴めいたリクエストをたら、私達でよければどうぞ、と快く撮らせて戴いたもの。
ピンはいたいけな極小姐の眼で合わせていますが、何せ頑是無い乳幼児のこと、せわしなく動きますから、シャッター切った瞬間、後ろにズレ、ヲヤヂさんの幾星霜経た貫禄有るご尊顔のテクスチャの精密描写になってしまったというヲチ。

Fujinon50mmf12_09.jpg
八枚目のカットですが、江ノ島訪問の翌週、写友Sundayphotograperさんと月島、佃界隈撮ってたとき、佃の舟溜りの救命用浮き輪がイイ年月経てたので、オブジェとして一枚撮ってみたもの。
ここでもEVFによる10倍クロップ拡大モードでの精密射撃ですが、全くf1.2クラスに付きもののハロがなく、却って、背景がシャープさのお釣りとも云える、芯有りのざわついたボケというのが意外性有って面白いと思いました。

Fujinon50mmf12_10.jpg
九枚目のカットですが、佃では超有名な中華の名店「麗江」さん店頭に整列した甕汲み出し紹興酒の空き甕をオブジェとして撮ってみたもの。
まさにこの甕の行列みたいなものが腕の優劣が出るような被写体ではないかと思い、いつも、出かけるたび、違うレンズで撮る角度や構図変えて、練習のつもりで撮るよう心がけています。

Fujinon50mmf12_11.jpg
十枚目のカットですが、「麗江」で甕を撮ってた遥か先、佃小橋上で七五三の記念写真撮ってた家族が居たので、ダッシュで駆け寄り、親御さんに出演交渉し、モデルさんになって貰ったもの。
しかし、作業服来た、目つきの鋭い中年ヲヤヂに巨大なレンズを向けられ、本能的に危機感を感じたか、傘を持つ両手で何かガードしているような、また硬い表情のカットになってしまったのが残念でした。

今回の感想としては、やはり高性能EVFが売り物でミラーレスにあっては比較的大ぶりでホールド性の良いX-Pro1でこそ、何とか街中スナップで使えますが、やはり被写界深度も極端に浅く、またX-Pro1の1/4000ではピーカンの日中では苦しいかも知れないようなので、難度の高いレンズだと改めて思った次第です。

さて、来週はローテ通り、工房作品のレンズ紹介いきます、何が出るかはお楽しみ、乞うご期待!!

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2014/02/14(金) 23:00:49|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4

満員御礼!! ノンライツRF友の会第七回写真展~楽しい写真は世界を救う~

さて今宵のご紹介は、本日17時30分迄、半蔵門の「日本カメラ博物館」附設ギャルリ「Club25」にて開催されていた「ノンライツRF友の会 第七回写真展 "楽しい写真は世界を救う"」に工房主が出展した作品8点を一挙公開したいと思います。

写14_001
まず一枚目のカットですが、昨年2月の連休期間中に訪問したお隣、韓国の旧正月の1コマで昌徳宮史跡に家族でやって来たいたいけなチマチョゴリの小姐、もといアガシの晴れ姿を声掛けて撮らせて戴いたもの。

カメラはFuji X-Pro1、レンズはPO3-3Mによる絞り優先AEでの開放撮影です。

外気は軽くマイナス10℃近く下がってましたが、声を掛けたら、後ろにいた弟さんと思しき若い男性にダウンコートを預け、薄着のチマチョゴリで笑顔で撮影に応じてくれたのがとても印象的でした。

写14_002
二枚目のカットですが、これもお隣韓国の旧正月の1コマとなりますが、これは昌徳宮から景福宮に向かい、その敷地内の博物館前で伝統菓子の頒布を行っていた市の職員の女性がとても美しかったので、声を掛け、モデルさんをお願いしたもの。
カメラはLeica M8、レンズはFMAO40mmf2.3による絞り優先AEでの開放撮影です。

このカットでは、陽が顔に当たって、まぶしそうにしているのと撮られ慣れていないのか、表情がやや硬いですが、撮り終わってから、「カムサハムニダ!」と礼を述べて立ち去ろうとしたら、満面の笑顔で「Thank you. and A Happy New Year!」と手を振ってくれたのが印象的でした。

写14_003
三枚目のカットですが、場所は台湾の瑞芳という街をGWの旅行中に九份からの帰りに寄った際、電車待ちの間、駅前を写真撮りながら徘徊していたら、ジューススタンドみたいなお店が在って、二回ほど前を通り過ぎた時、どうもこの小姐と眼が合ったような気がして、ええぃ、旅のアヴァンチュールはダメ元だ!とか妙な蛮勇を奮い起こし、店の敷居を跨ぎ、小姐に「レモンヂュースとキミの笑顔下さい」とマクドばりのオヤヂギャグで先制攻撃をかまし、キョトンとしているところを広東訛りの中国語で写真撮らして♪と頼んだら、好是、ぢゃ、ジュース渡すところがイイわねということで、彼女のリクも踏まえて一枚戴いたもの。

カメラはX-Pro1 レンズはCanon New FD50mmf1.2Lによる絞り優先AEでの開放撮影です。

この後、7月にも彼女に逢いたくて、この写真を焼いてカバンに潜ませ、台北に飛びましたが、あいにくの台風一過、鉄道は停まり、待てど暮らせどやってこないバスを乗り継ぎ、やっと瑞芳の駅前に辿り着いたところ、彼女のお店のシャッターは無情にも閉まったままでした。

写14_004
四枚目のカットですが、話は若干巻き戻しますが、GW中の九份訪問中、街中をカメラ提げて、鵜の目鷹の目でモデルさんを探していたら、目の前で新型の如何にも高そうなベンツが停まり、運転手が開けたドアから若いオモニがまだまだ幼い乳児を抱いて降りて来たので、声掛けて、九份の街をバックに一枚撮らせて貰ったもの。

カメラはLeica M8、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8 3rd.による絞り優先AEでの開放撮影です。

撮らせて貰った直後、お礼がてら背面モニターで撮影結果見せて上げたら、オモニが何か囁いたのち、乳児がニコニコ笑って喜び、二人して手を振って見送ってくれたのが印象的でした。

写14_005
五枚目のカットですが、ところ変って、3月は常陸の国、古河の桃祭りでの1コマ、桃林の中で姦しく友垣と戯れるいたいけな小々姐に声を掛け、みんなヤダ~恥ずいよぉ~とか云うなか、「XXちゃん一番可愛いからモデルさんなってあげなよぉ」ってことで小々姐達の賑やかな互選による推挙と言えば聞こえはイイですが、要は人がイイため、逃げ遅れた人身御供みたいなもんです(笑)

カメラはLeica M8、レンズはSuper Rokkor50mmf1.8による絞り優先AEでの開放撮影です。

腕の向き角度といい、表情とイイなかなか決まってます。AKBやSuper☆Girls入りはちょい厳しいとしても、ミス桃娘くらいには十分なれるんぢゃないかと思いました、将来がなかなか楽しみです。

写14_006
六枚目のカットですが、ところは甲斐の国、甲府、4月の信玄公祭りでの1コマ、甲府城跡でたまたま休憩中の若武者小姐の凛々しいお姿を頂戴したもの。

カメラはEPSON R-D1s、レンズはFMAO40mmf2.3による絞り優先AEでの開放撮影です。

こんないたいけな小姐が武者装束ってのもなかなかカッコイイですが、昭和前半産まれの工房主には、遠くから、ヲヤヂさんと寛ぐ、この小姐の姿が目に留まり、同世代の薬師丸ひろ子の「戦国自衛隊」の1シーンが頭に浮かんだので、矢も盾もたまらず、モデルさんをお願いしたって次第です。

写14_007
七枚目のカットですが、7月は下野の国、成田での祇園祭での1コマ、参道で親御さんと休憩中の祭り装束のいたいけな極小姐二人組のお姿をお願いして撮らせて貰ったもの。

カメラはEPSON R-D1s、レンズはAstroberlin Kino-Hyper50mmf3.5による絞り優先AEでの開放撮影です。

実はこのカット、伴走機であるX-Pro1に装着したHexanon35mmf2.8でも撮影していて、そちらを保護者の方にお送りしましたが、写真としての上がりはこちらのカットの方が光の回り方からして、工房主の好みではあります。

写14_008
八枚目のカットですが、8月は浅草の伝法院通りのとあるうどん屋さんの店先での1カット、初めは軒先のほうずきの鉢を撮ろうかなと歩み寄ったら、店の戸がおもむろに開き、浴衣の女性が出て来て、「ほうずきの鉢と並んで、夏のイメーヂで一枚撮らしておくんなさい」とかお願いしたら、あ、本職の連れが出て来ますので、一緒にどうぞ♪とか云われ、どんな怖い兄ちゃんが出てくるかと思ったら、目を疑うような美形の小姐が出て来て、事情を話したら、イイですよちょ快諾して、ポーズを決めてくれたものです。

カメラはFuji X-Pro1、レンズはKonica AR Hexanon57mmf1.2による絞り優先AEでの開放撮影です。

写真展会場にご来臨戴いた中には、広告代理店やら企業の広報の方々も居られましたが、やはり「この娘、絶対、素人ぢゃないよね、この口の結び方と言い、絶妙の微笑と言い、かなり慣れてるモデルさんか何かですよ・・・」てなご意見が多数でした。う~ん、観音様のご利益ってホント絶大なんですねぇ・・・

今回の写真展には、多数ご来臨戴き、誠に有難うございました。この場を借り、メンバー一同を代表して、御礼を申しあげます。

さて、来週は久々の工房附設秘宝館行ってみましょうか、乞うご期待!!

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

  1. 2014/02/09(日) 20:45:04|
  2. 街撮り写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:7

A benchmark of my atelier's products~F.M.A.O.40mmf2.3~

FMAO40mm.jpg
さて今宵のご紹介は約二年前に開発完了しながら、それこそ影武者のように、新作レンズの伴走機のレンズとして、それらの描写性能、操作性等の比較評価用として活躍して来た、F.M.A.O.(Fukagawa Most Advanced Optic)の称号を持つ、Baltar40mmf2.3改Mの堂々お披露目です。 

何処がAdvanced(先進)なのかと云えば、ディズニースタジオのキャップが付いたガタガタのミッチェルマウントのハウジングに入った玉は、硝材は大変良さそうだったにも関わらず、手入れがされていなかったのか、前後玉は汚れ放題、絞り羽根も油まみれだったので、ハウジングからエイヤっと取り出し、バラして中のエレメントを全部クリーニングの上、コバ塗り、内面反射防止のグラファイト系塗料塗布をやって組み直し、そしてMマウント用のヘリコ&マウントアッセンブリに組み込む際の固定方法を当工房初のキャノン製L39レンズ方式としたのです。

更に、このレンズブロックには当然、フィルタ枠なんか無いですから、工房ストックのヂャンクパーツから、エクステンションリング削り出し、43mm径のフィルタを装着出来るようにしたものです。

また、このレンズブロック、Baltar40mmf2.3自体の氏素性は他の50mmや35mm同様、米国のBausch & Lomb社がハリウッドからの要求に対し、U.S.Goertz社にOEM供給を仰いだもので、おそらく1960年代半ばから後半の製造と思われる、4群6枚のオーソドックスなオーピックタイプです。

では、この工房の隠れた実力レンズの性能を見て参りましょう。

カメラはM8、ロケ地は昨年の旧正月のソウル、全コマ開放の絞り優先AE撮影です。

FMAO_01.jpg
まず一枚目のカットですが、ソウル屈指の史跡、景福宮の敷地内にある国立民族博物館へ向かう道すがらの様子です。
この日は日中でもマイナス10℃近くまで気温が下がっていて、シネレンズの性能を以てしても捉えられませんでしたが、前を歩くオモニとプチアガシ2名の3人組は相当盛大に白い呼気を上げていたのが印象的でした。
しかし、大陸の真冬の乾燥した大気は空を何処までも青く見せていたのがとても印象的でした。


FMAO_02.jpg
二枚目のカットですが、民族博敷地内の移築故民家の外観を写してみたもの。
ここでは、戸口に貼り出された「立春大吉」のスローガンにピンを合わせていますが、乾いた大気中だけあって、年月を経た木造建築の枯れた質感、瓦一枚一枚の表情を余すところ無く捉えていると思いました。また、手前の積雪も日光を照り返していましたが、それほど著しいフレアを纏った前ボケにならず、肉眼で見たものに近い雰囲気と思いました。

FMAO_03.jpg
三枚目のカットですが、民族博敷地内の石造で戯れるいたいけなプチアガシを撮らせて貰ったもの。、
博物館敷地内には児童公園みたいなものがあって、そこにも、きちんと歴史的な意匠を活かすべく、工夫が有って、メルヘンチックな石造のサークルも良く見れば、可愛らしくデフォルメされた十二支であったりして、童子達も大喜びのご様子でした。

FMAO_04.jpg
四枚目のカットですが、当日は韓国旧正月だったので、博物館敷地内でも様々なイベントやってて、その中で、韓国の伝統的お菓子を販売しているブースに滞在中で見かけた中で一番の美形アガシが居たので、テント脇から、まずご挨拶代わりに一枚戴いたもの。
誤解を恐れずに申し上げれば、このアガシ、全然韓国人っぽくなくて、日本人の留学生かとも思いましたが、韓国語で話し掛けてみれば、生粋の韓国人、で自己紹介したついでに博物館の向こう正面に出て来て貰って、ポートレィトをばっちり撮らして貰い、それが今回の写真展のひとつの目玉となったってヲチです。

FMAO_05.jpg
五枚目のカットですが、博物館正面で突っ立ってると、結構、老若男女、民族衣装であるチョゴリを着て博物館に入ったり、出て来たりしていたので、カメラを2台提げた不振な外国人のヲッサンと思ったか、小生の周りで遊びながら、こっちをチラチラと見ていたプチアガシ姉妹のオモニが来たのを良いことに声掛けてモデルさんになって貰ったもの。
そんな経緯ですから、撮影に協力的なのは云うまでもなく、後から来た爺サマという老人が、達者な日本語で「孫達は日本が本当に大好きなんですよ、お隣の国同士なんだから、仲良くするのが一番ですよね、ホント」とか笑顔で正論を述べ、それぢゃ失礼します、と一家で歩き去って言ったのが印象的でした。

FMAO_06.jpg
六枚目のカットですが、景福宮の外に一旦出て、塀沿いに歩いている途中見かけた、スナックの屋台周りの様子です。
ソウルもやはりアジアだけあって、街中、至るところでこういう食物やら、帽子、ストッキング、或いは海賊版も含めたスマホンのケースみたいなものが、舗道上や道路の隅に出ているのを見かけます。
この屋台は、五平餅みたいなものと、豚串、みたいなものをグリルで炙って、道行く人々に売っていたようです。

FMAO_07.jpg
七枚目のカットですが、景福宮の南門である、光化門前の衛兵と一緒に記念撮影をしていた中国産極小姐の姿をカラフルな衛士もろとも撮ってみたもの。
いつ韓国に行っても感じるのですが、本当にこの国の色使いは、同じアジアの中でも特異ではないかと思いました、キンキラ文化とも思われるタイですら、こんな1km先からでも見分けが付くようなコスチュームの衛士なんか居ないし、ましてや、中国、日本はもっと地味です。
しかし、NHKの韓国時代劇「トンイ」など観ていると、同じようなカッコの衛士が頻繁に出てくるので、今の世の観光用にデフォルメしているのでもなさそうです。

FMAO_08.jpg
八枚目のカットですが、光化門から少し東に移動し、光化門を遠景に入れた周辺写真を撮ろうと待ち構えていたら、如何にもソウルの冬支度!てなカッコで足早に歩き過ぎるアガシを見かけたので、追いかけて声掛け、モデルさんになって貰うのも、午後には飛行機に乗って帰る身にはもどかしく、ちょいと追尾して、背後から一枚戴いたもの。
冬支度がバッチシ決まったアガシの姿は極めてシャープに描かれていますが、背景の光化門も、更にその後方の雪景色の小高い山の様子もなだらかにボケ、イイ案配の画になったのではないかと思いました。

実はこのツアーの後、機材の点検、整備をしていたら、さすがに気温マイナスとスチームガンガンの地下鉄駅構内やデパートなどを行き来したので、このレンズも中のエレメントに曇りが残り、条件によっては不本意なフレアが頻発するようになってしまったので、しばし休息中だったのですが、昨年、大掃除後の手持ち無沙汰にまたバラして大掃除したら、蒼い眼をしたお人形はアメリカ産まれのセルロイド♪ばりに美麗な状態になったので、また今週から大活躍です。

さて、来週は4日から始まる「第7回ノンライツRF友の会 写真展@日本カメラ博物館Club25」出展作品のオンライン大公開を行います。乞うご期待!!

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2014/02/02(日) 17:33:56|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる