さて、今宵のご紹介は、先週末の三連休に月曜有休くっつけて、久々に飛んだ香港・マカオから、二週に亘りお送り致します。
まずは簡単に旅程から。
3月22日の土曜日の夕刻、成田から空路香港に入り、予め予約しておいた北角駅至近の高層木賃宿を目指しました。
が、しかし、慣れ親しんだ金鐘~銅鑼湾エリアや九龍エリアと異なる北角でのこと、駅には深夜12時前には着いたですが、地図を見ても全然土地勘湧かず、結局30分以上もやっちゃ場界隈を彷徨い、やっと辿り着いたのでした。
翌朝、10時ホテル発でMRT湾岸線経由、上環まで趣き、そこから、ジェットフォイルに乗ってマカオを目指しました。
12時半過ぎにマカオの旧市街に入り、セナド広場をスタート地点とし、前回、偶然発見した愛おしき路地裏を再び捜しだすべく、二台のカメラと共に石畳の道を歩み始めたのでした。
機材はカメラは全てFuji X-Pro1、レンズは1枚目~7枚目までHeligon35mmf2.8、8枚目~11枚目までHyper-Lomo35mmf2、12枚目~15枚目までElmarit28mmf2.8、全コマ開放での絞り優先AE撮影です。
では、23日のマカオでの足取りに沿って、実写結果を見て参りましょう。

まず一枚目のカットですが、セナド広場横の登り坂を降りて来る、ヂモテーの兄ちゃん、姐ちゃんの様子を捉えたもの。

二枚目のカットですが、セナド広場奥、セントポール天主堂跡へ向かう道の途中に有る、巨大なリンゴの作り物の前で記念撮影する中国人親子に混ぜて貰って、いかにもやんちゃな双子坊主を一枚撮ったもの。

三枚目のカットですが、セントポール天主堂跡への道を西に逸れ、前回のおぼろげな記憶を頼りに路地裏探検へ入る前の辺りの様子を一枚撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、人出も多く活況を呈する表通りを離れ、観光客など殆ど入って来ない、地元の生活道路を勘を頼りに歩くこと10数分、やっと前回の記憶に有る路地のひとつに辿り着いたのでその様子を入口付近で一枚撮ってみたもの。

五枚目のカットですが、路地に入ったり出たりしながらマカオの旧市街を徘徊しているうち、地元カポーの結婚記念写真撮影の場に出くわし、邪魔しないよう、控えめに一枚撮らせて貰ったもの。

六枚目のカットですが、路地から出た裏通りの乾物屋さん?の店頭で薬種の日干ことやってる兄ちゃんが目に留まったので、邪魔しないよう、脇から一枚撮らして貰ったもの。

七枚目のカットですが、裏通りを歩くうち、また風情の有りそうな路地裏を見つけたので、そこに入り込み、偶然見つけた、誰かの思いと共に鉄扉に巻きつけられたマフラーの図。

八枚目のカットですが、裏通りからモンテの丘の要塞経由、セントポール天主堂跡へ向かうべく登った坂の途中の様子を一枚撮ってみたもの。

九枚目のカットですが、セントポール天主堂から降りて、再びセナド広場方面へ向かう途中見かけた、丘の斜面の建つ、カラフルな洋館の佇まいを一枚撮ってみたもの。

十枚目のカットですが、再びセナド広場から西に伸びる裏通りを徘徊中、なかなか風情有る石畳の坂を見つけたので、無人で撮るのも味気ないので、ちょうど、韓国人の小姐、もといアガシ2名が登って行ったので、ここぞとばかり一枚戴いたもの。

十一枚目のカットですが、その裏通りをずっと歩いて行くと、再び見覚え有る路地に遭遇し、嬉しくなって、その入口付近の様子を一枚撮ってみたもの。

十二枚目のカットですが、陽も傾き掛けたし、そろそろフェリーターミナルへ戻ろうかとか思い、とにかく大きな道に出なくては、と手持ちの地図に無い道をただひたすら勘で歩きながら遭遇した路地裏での一枚。

十三枚目のカットは後で地図を見て気付いたのですが、セナド広場方面のグランビアを捜しながら、実は天主堂跡の古建築外を抜け、東のフェリーターミナルに向かっていたのですが、その時、目に付いた古色蒼然とした石造りの民家の様子。

十四枚目のカットも地図に無い裏通りをただひたすら歩く途中遭遇した古建築の様子、何でも声を掛けて来たご老人によれば、150年はゆうに経っている古建築なのだとか。

十五枚目のカットですが、やっと位置を割り出すランドマークのひとつである、ギアの灯台が間近に見える、広場まで出られたので、心に余裕も出て来て、そこに置かれていたなかなかセンス良いオブジェ越しに洋館風建物を撮ってみたもの。
今回は実は、ネガモノクロで撮ったものを上げようかと考えていたのですが、DPEでネガをCD-Rに取り込む際、なんでも、送り用ローラーの磨耗によるすべりで像の流れや歪みが出てしまっていて、やり直したいということでまた返してしまったので、仕方なく、デジでのカラーとなった次第。
さて、来週は、翌日も出勤したマカオ後編と出発当日早朝の香港北角エリアの活気溢れた様子をお送り致します。乞うご期待!!
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- 2014/03/30(日) 23:54:44|
- 旅写真
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さて、今宵のご紹介は、予告通り、工房で今年初めに改造した、W-Nikkor35mmf2.5改Mです。
このレンズ、勿論、元は不世出の水中カメラ、NIKONOS用の水陸両用として、1963年8月に発売され、1976年8月にマルチコート化されたと云うことです。
構成は4群6枚の変形オーピックタイプ、元はニコンSシリーズ用の広角レンズとしてラインナップされたものですが、コンパクトで素性が良かったためか、光学系を一部手直しし、NIKONOS用の主力として採用されたということです。
かつて、当工房がARRI用レンズは135フィルムフォーマットでは満足に撮れない、とか、引伸レンズは一定以上の距離では収差の関係でまともな画が撮れないとか、そういった定説みたいなものを改造と実写でひっくり返してきました、今回も水中カメラ用レンズをMマウント化し、超精密加工の傾斜カムで以て実写したらどんな写りになるか試したもの。
では、早速実写結果見て参りましょう。ロケ地は水戸偕楽園の梅祭、カメラはM8、全コマ開放絞り優先AEです。

まずは一枚目のカットですが、長い時間、電車に揺られて偕楽園に辿り着いたはイイが、梅は平均してせいぜい1.5分咲き、黒々とした木々の寒々とした光景なんざ撮っても交通費のムダなので、昨年の経験を元に、イベント広場周辺でお勤めをこなす、ミスの小姐2名の働きぶりを挨拶代わりに一枚戴いたもの。

二枚目のカットですが、ミスの小姐各位をまのあたりにして、そのまま傍観者として撮っているのでは当工房の名が廃りますから、当然のことながら、ゆるキャラと観光客の一部をなす童子達とのふれあい撮影タイムの段取りの悪さにより発生するロスタイムを利用し、手持ち無沙汰のミス梅まつりの小姐二名に声掛けて一枚撮らして貰ったもの。

三枚目のカットですが、これも恒例の水戸黄門ご一統に扮した田舎芝居のご一行サマが観光客各位と一緒に記念撮影するというコーナーがあったので、その上前を跳ね、無辜の観光客はなかったことにして、黄門サマとミス梅まつりの小姐、そして助さんだか格さんだか云う黄門サマの手の者を背景の好文亭なる、歴史的建造物を背景に撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、これも梅まつりの恒例イベントのひとつ、いたいけな女子高生が制服姿で点茶してくれるという、アキバ辺りのお年頃の男子なら、聞いた途端に鼻血出して卒倒してしまいそうな催しなのですが、その風景を観光客に紛れ、一枚戴いたもの。

五枚目のカットですが、偕楽園の中に点在する常設売店のようなところも、このシーズンはやはり書き入れ時のようで、店毎に異なる思い思いの法被を店員さんに羽織らせ、呼び込みや物販に従事させていたので、その様子を何気なく眺めていたら、ふと目が合った、なかなかの美形の小姐が居たので、一枚撮らして、と頼んで一枚撮らして貰ったもの。

六枚目のカットですが、やはり梅まつりに来て梅の花の可憐な姿をアップしないのもまずかろうと、園内を歩き回ること十数分、やっと何とか枝ぶりの良さげな木を見つけ出し、このレンズの最短で一枝撮ってみたもの。

七枚目のカットですが、帰りの水戸駅のホームに水平近くで射し込む夕陽がとてもきれいに思えたので、車内に荷物を置いたまま、発車寸前に列車の外へ出て一枚撮ってみたもの。
さて、今回の感想、実は・・・このレンズ、ちょい構造上問題が有って、もう治したのですが、無限方向へ何回か強く回し込むと、絞りが絞られて行ってしまうという現象があり、6枚め以降は明らかにISO1260で1/60とか日中では有り得ない撮影条件になっちゃってたんで、頭に地が上り、一旦、全コマ消去し、伴走機の撮影結果に急遽差し替えようかとも思ったのですが家に帰ってファイル復活ソフトで元に戻し、伴走機の撮影条件と比較し、何とか梅の木のカットまでは開放だったと推定出来たことから、7枚のみアップしたという次第。たぶん、丘の上から千波湖方面撮った時、無限を強く回したんで絞り込まれちゃったのかな、と。
でも、限られたカットとは云え、良く写りますね、川越でもR-D1sでモノクロ撮影でテストしましたが、シネレンズ並みの性能に驚きました。
さて、来週は海外遠征にて一週飛ばし、その成果は翌々週の週末にアップ致します、乞うご期待。
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- 2014/03/16(日) 19:57:38|
- Mマウント改造レンズ
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さて、今宵のご紹介は予告通り、長年、というか一番最初に買ったライカレンズにも関わらず、シネヘリゴンをはじめとする改造レンズを使いこなすまではネームバリューに怖気づいて、ずっと防湿庫の肥やしとなっていて、使い出してからも、他のレンズに先を越され、これまで一回も秘宝館コレクションとして紹介されることのなかった悲劇のエース、1979年登場の二代目、4群6枚プラナータイプのSummicron50mmf2Mのご紹介です。
まぁ、ぶっちゃけ、このレンズの諸元や由来なんざつらつら書いても手間掛かって、読者各位も退屈してしまうだけなので、早速実写結果いってみましょう。
場所は今を去ること2009年GWの那覇、カメラはご覧のM4Pサファリ、フィルムはIlfordのXP2、要はカラープロセスC41で手軽にモノクロを楽しめるヤツです、はい。例によって例の如く、全コマ絞り開放です。

まず一枚目のカットですが、那覇と云ったら、やはり首里城ですが、その首里城の裏手に位置する、金城町の石畳道もかなり有名な観光地で、その絵葉書等で何万カットも撮られたであろう、有名な石敢富の横手から遥か下を行くカップルを見下ろしたものです。

二枚目のカットですが、金城町の石畳道降り口よりちょい下にある、高台から那覇港方面を見渡せるオッサレー♪なカフェの全景図を撮ってみたもの。

三枚目のカットですが、金城町の石畳道の中腹くらいの広場に面して建っていて、金城町の集会所になっている古民家の軒下から縁側方向を撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、石畳道中腹のガヂュマルの樹が有る広場でいたいけな童子達が、一足早い夏をエンヂョイせんと、天然石の椅子に腰掛け、クー♪とか云いながら、冷たい缶ヂュースなんか呷ってる姿を戴いたもの。

五枚目のカットですが、首里城南側の裏道、崎山町の辺りの月極め駐車場とも、ただの私設公園ともつかないちょっとした広場のガヂュマルの樹に吊り下げられていた、250kg爆弾の不発弾を平和利用したと思しき鐘?の姿を撮ってみたもの。

六枚目のカットですが、首里城エリアからゆいレールで那覇市内に戻り、牧志公設第二市場方面に向かって、国際通りを歩いていたら、如何にも那覇のロコ小姐みたいなお二方が前に現れたので、これ幸いにと一枚後ろから戴いたもの。

七枚目のカットですが、牧志公設第二市場へ向かうむつみ橋通りだったか平和通りだったかの路上で、楽しそうに語らい合う若いパパさんとその友人が居たので、まずは撮らして貰い、さすがに黙って立ち去るのも何なので、会釈して、撮りましたよ、と知らしめてからその場を後にしたときのもの。

八枚目のカットですが、牧志公設第二市場の入口付近で、果物屋さんの店番手伝ってんだか、つまみ食いするために鎮座ましましてんだかワケ判らん童子が居たので、買い物客のオモニの背後に紛れての一枚。

九枚目のカットですが、牧志公設第二市場でおそらく一番有名で人気あり、実際何度も撮らせて貰ったことのある、魚屋のおばぁのお姿を斜め後ろから一枚戴いたもの。

十枚目のカットですが、市場の中で観光客が品定めをする姿を、手薬煉引いて、気合入れて待ち侘びるヲヤヂさんの勇姿をモチーフとして撮ってみたもの。

十一枚目のカットですが、同じく公設市場の食肉売場で、観光ガイド片手の若い観光客カップルと楽しげに談笑する中年ブッチャー氏の朗らかな姿をモチーフとして撮ってみたもの。

十二枚目のカットですが、地元の若き有閑マダム予備軍みたいな小姐が、同じような年回りのお店の小姐と、完全に世間話モードに入って寛ぎ放題のところをモチーフとして一枚戴いたもの。
今回の感想ですが、まだこの頃はKentmare100のような上質なクラッシックの風合いを再現出来るモノクロが無かったので、まぁ銘玉もこんなもんですが、近いうちに海外ロケででも銀塩モノクロ撮影もやってみたいな、とも思いました。
さて、次回は工房作品から久々の話題作行こうかな、乞うご期待!!
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- 2014/03/09(日) 22:24:24|
- 深川秘宝館
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さて今宵のご紹介は予告通り、ICS世界の中古市@銀座松屋≠牛丼/定食屋に託けて行われた、秘密結社ノンライツRF友の会ナノ撮影ツアー築地~月島・佃島からお送り致します。
当日は、同行の写友Sundayphotographerさんの仄かな期待を裏切って、M8とNikon SP黒Press Specialで臨んだのですが、今回は面白さ加減、というか二重像が殆ど見えない中で、よくぞf1.1の玉の開放でここまで撮れたか!?という新鮮な驚きもあったので、SP+4Nikkor5cmf1.1コンビを即採用としたのです。
フィルムはこのところハマってるKentmare100EX36の全コマ開放撮影です。
では早速、当日の行動を追って、実写結果見て参りましょう。

まず一枚目のカットですが、12時も15分くらい前から築地界隈を回ることとしたのですが、お目当てのまぐろ料理専門店が結構並んでいたので、まずは門跡通りのお店を眺めながら場外回って、画拾おうということで歩き出してすぐ、広東訛りのガァガァ響く中国語が聞こえてきたのですかさず近寄り「ネイハオ、シャオチェ カーィパイヂャオマ?」とか何とかの一つ覚え中国語で話し掛け、「ハォ、シー♪」とか云うことだったので一枚戴いたもの。
ピンは奥の白っぽいダウンの小姐のご尊顔に合わせたつもりなのですが、やや前ピン気味で箸を持つ、白魚の如き白い手指がくっきりすっきりと写ってます。
背景・・・んなもん有るか!?てな、凄まじい後ボケになっています。

二枚目のカットですが、同じ門跡通りのたしかそば・うどん兼業店だったと思うのですが、そこで、白髪を刈り上げたちょいとくたびれながらも仄かに粋な雰囲気の漂う店の爺ちゃんが背中丸め加減で黙々と昼の賄いをカウンターの片隅で黙々と食べていた姿を背景から一枚戴いたもの。
開放ではさすがに全般的に柔らかい描写とはなりますが、よくよく眼を凝らして見てみれば、耳周りや横顔に刻まれた年輪の如き無数の皺が精緻に描写され、背景のぐるんぐるんさ加減と相俟って、一種異様な光景となっております。

三枚目のカットですが、門跡通りの曲がり角方向へ歩いていたら、視界がふいに開けたので、歩いてきた本願寺方向向けて、場外の雑踏の雰囲気を撮ってみたもの。
このカット、撮影距離が結構長いこともあって、一番アラが出そうな前ボケも含め、意外にノーマルな写りになってしまっています。
感覚的には、先般、台湾の鹿港の市場を撮ったAngenieux35mmf2.5の柔らかさにも似通っているような気もしました。

四枚目のカットですが、門跡通りの曲がり角付近でスマホンの画面見ながら、地方配送の伝票書いてる小姐達のお姿がなかなか凛々しく、この雑多な空気の支配する場外市場ではまさに「掃き溜めにツル」的にも見えたので横顔を一枚戴いたもの。
しかし、手前のスマホン小姐にピンを合わせたつもりが、若干後ろにずれて、一心不乱に伝票に向かう年配の小姐のダウンの袖辺りがピンの芯になっているようにも見えます。
袖のテクスチャの再現性たるや見事なもので、背景の恐怖新聞の一シーンみたいな時空ぐるぐる系ボケとの対比が凄いことになっていると思いました。

五枚目のカットですが、場外市場の中に入り、店頭から店舗の中まで被写体を求め、Sundayphotographerさんと通りを徘徊しているうちに裸電球が煌々と照る店内で黙々と商うゴム長の女性店員さんの姿が印象的だったので一声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。
こんなクセ玉ですが、意外に思ったのが、画面向かって左側の裸電球がかなり見た目に近い雰囲気ですっきりと描写されていること。
また、これだけのハイライトがありながら、ところどころ写り込んでいる、店内の陰の部分もかなり鮮明に描写されているのが感心しました。

六枚目のカットですが、場外市場の中の通りで寿司屋が相並ぶ辺りで鰐淵晴子ばりにバタ臭い面持ちの小姐が、並びながらメニューを渡され、さぁ何にしましょうかね♪とか楽しそうに迷っている様子を横から一枚戴いたもの。
ここでも、小姐のご尊顔にピンを合わせたつもりだったのが、若干後ピンで顔より少し奥に位置するメニューよりもまだ後がピンの山になっているように見えます。
前ボケは独特の柔らかなそこそこ心地良いボケ加減ですが、背景はやはり非点収差とコマ収差、球面収差のゴッタ煮状態で大変なことになっているように見えます。

七枚目のカットですが、場外市場の中で海産物を扱うお店の店頭にて、いたいけな小々姐が健気にもお店番なんかしていたので、「お嬢ちゃん、一枚撮らせてね♪」とか声掛けたら、ニコニコ笑ってウン♪と頷いてくれたので、ぢゃ遠慮なくって一枚撮らして貰ったもの。
ご本尊様たる小々姐は大口径特有の柔らかいタッチでありながら細かいテクスチャなども余すところなく捉えていますが、小々姐を中心として背景はぐるぐると渦巻き加減なところが、ちょいホラー的で面白いと思いました。

八枚目のカットですが、ここも場外市場の中のお店の店頭ですが、珍しいことに鯨肉製品を売ってて、店の中でもそれらを食べさせるとのことで、中国人と思しき小姐達が一生懸命、呼び込みなんかやってる姿を一枚戴いたもの。
このカット、当然のことながら、小姐のご尊顔にピンを合わせたつもりだったのが、いやはや、向かって右側の開けた空間が非点収差、球面収差にコマ収差までコンチハ☆状態で大暴れ、大変賑やかなカットになってしまいました。
モノクロだからまだ何とか見られますが、カラーだったら、もう収拾つかない状態になっちゃってたかも知れません。

九枚目のカットですが、まぐろ料理専門店での心踊る煌びやかなランチの後、Sundayphotographerさんと一路、月島方面を目指し、晴海通りを目指し、その途中の一大ランドマークである勝鬨橋橋詰で大川方面に向け、橋の主要部分を入れて一枚撮ってみたもの。
近距離戦では大暴れし御し難いクセ玉ではありますが、風景写真になった途端、ほれこの通り、大口径レンズの開放撮影固有の柔らかな線描写も相俟って、えもいわれぬイイ雰囲気のカットになっていると思います。

十枚目のカットですが、橋詰から河川敷公園のような場所に下りてみたら、あにはからんや、人を人とも思わない、大胆不敵なカモメの水兵さん軍団が手摺上を占拠し我が物顔状態だったので、一番、人間擦れしてないようなうぶな雰囲気を漂わせる若鳥を見つけ出し、得意のマタギ直伝の気配消し法を使い接近して一枚戴いたもの。
かなりのピーカンでしかも水面からの照り返しもキツかったですが、やはりラティテュードの広さはたいしたもので、フロンテアでCD-Rに取り込む際に何らかの加減は行われていると考えるのが妥当ではありましょうが、こうして、カモメの水兵さんとの接近戦が見事くっきり描写されてしまうとは。

十一枚目のカットですが、勝鬨橋を渡り切ろうかという辺りで築地方面を振り返って、橋の構造物をメインに通行人各位を入れて一枚撮ってみたもの。
ピンは街灯の後ろから下に配線の細管が下に伸びる辺りに合わせての置きピンで通行人が自転車で通り過ぎる頃合いをみてシャッターを切ったものですが、後ろにかけてはなだらかにボケていくのですが、手前の街灯から前にかけてはかなり大胆に流れ、不思議な風景画となっています。

十二枚目のカットですが、勝鬨橋を渡り、更に晴海トリトンスクエア経由、月島へ入り、いつもの定点観測点である除川組の辺りから路地の様子を撮ってみたもの。
だいぶ前には「スバルFF1」というファイナルファンタヂーのご先祖サマみたいな国産前輪駆動車の歴史的遺産がこの路地で動態保存されていたのですが、ここのところ姿を見掛けません。
願わくば、長い時間かけてのレストア中でいつかはまた元気な姿を見せてくれる、なんて嬉しい展開を期待しているのですが。

十三枚目のカットですが、除川組の路地から月島商店街方面へ抜け、レトロ交番遺跡を目指し、いまだ昭和の香り漂う古風な商店街を徘徊しながら、ところどころ通りと交差する路地の様子を撮った一枚です。
まさに大口径単玉の良いところは、背景はボケどころかすっ飛ばして、ナシにしてしまうところ・・・こんな風情溢れる路地から顔を出す青空の果てには、資本主義の象徴そのものである高層マンションや、高額所得者専門の医療機関である某宗教系巨大病院の屹立する高層ビルが無粋な姿で市井の民草の暮らしを睥睨している姿がいやでも目に入ってしまいますから。

十四枚目のカットですが、ここも月島の昭和的空気が凝縮された撮影スポットである、レトロ交番遺跡をモチーフにその前を通り過ぎる通行人を入れて一枚撮ってみたもの。
元々、被写界深度の浅い玉ですから、こういう風景撮影で置きピンはどの辺りにするのか悩むところではありますが、手前の舗装の色つき窯業系ブロックの合わせ目で予め見当を付けておいて、実際にこれは、と思った被写体が通ったところで前後に微調整するところなのですが、何せ、二重像が殆ど見えないSPでしかもいつものライカ系とはヘリコイドの回転方向逆ですから、さすがに間に合わず、ちょい前ピン気味になってしまったという顛末です。

十五枚目のカットですが、終点、佃島での定点撮影スポット、船溜りからの高層マンション群の様子をただ撮るんぢゃ面白くないので、手前のヂャングルヂムをモチーフにメルトダウン寸前の資本主義を象徴するかのようにマンション群をボカして撮ってみたもの。
さすがに据物斬り状態だと殆ど見えない二重像でもなんとなりましたが、いやはや、撮影時に意図した以上に資本主義の象徴たる富裕層の居城、高層マンションは蜃気楼もかくやあらん、とばかりの豪快なボケと化し、いつもとは違った表現を楽しめたと思いました。
今回の感想としては、ベネズエラから秘密兵器が届いたので、今度は梅か桃か、桜の咲くお祭り広場で二重像ばっちりのM系列機で世紀末的描写を楽しもうかと、そうそう、f2クラス並の端正な写りが売り物のPORST50mmf1.2とか、レヴィアタンの異名を持つAR HEXANON57mmf1.2、或いは終生のライバル、Canonのf1.2クラスの玉とでデジタル対決させても面白いかも・・・よっく考えておきます。
さて、次回はまた秘宝館から何か紹介します。これまで登場したようで一回も正式に紹介されていなかった気の毒なRF界の貴公子玉、ストックフォトでご紹介致します、乞うご期待。
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- 2014/03/02(日) 20:00:00|
- ニコンSマウントレンズ
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