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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The scion of the nobility in Leitz Empire~Summicron50mmf2M~

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さて、今宵のご紹介は予告通り、Leitz Summicron50mmf2Mをお送り致します。

この全身を上品な梨地クロムメッキで覆われた、Elnst Leitz社の代表的標準レンズは、先にM3と共にデビューし、その解像性能の高さを世に問うた沈胴Summicron50mmf2の二代目として、1956年にバトンタッチしたものです。

構成は6群7枚で沈胴式と同じで、鏡胴のデザインのみ変ったと考えて良さそうです。

ところが、このレンズ、発売から60年近く経っているのと、化学的には安定性が良くない希土類を大量に含んだ新種ガラスをふんだんに採用したため、中玉に曇りの有るものが殆どで、この個体も強い白色光では薄っすらと認められるくらいの曇りが有ったため、相場の半額以下で入手出来たものです。

おいおいしかるべきところに修理には出すとして、今回は、工房に入ったままの状態での大正~昭和へのタイムスリップ行です。

ということで、ロケ地は本郷菊坂界隈、カメラはM8で絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚めのカットですが、本郷三丁目の地下鉄駅を降り、記憶を頼りに旧菊坂町界隈を目指し、そこで見覚え有った「金魚坂」の入口付近に在る、良い案配に歳を経た住宅が目に付いたので、流れる雲をバックに一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、一枚目の味の有る住宅の側面を、「金魚坂」の店舗方面へ裏通りを進みながら、その隣接住戸ともども一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、記憶を頼りに辿り着いた「金魚坂」で見た目も涼しげな金魚達が水槽の中から歓待してくれているようなカンジがして思わず嬉しくなったので、水中の金魚達にピンを合わせ一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、敷地の東側、建物脇の通路のようなスペースで金魚すくいに没頭していた父娘x2の家族連れの姿が目に留まったので、まだ若いちょいコワモテのヲヤヂさんに「お嬢ちゃんの金魚すくいしているところ、一枚撮らせて貰ってイイですか?」と声を掛け、どーぞ、どーぞってことでお言葉に甘え一枚戴いたもの。
撮影後に背面モニターで金魚すくいにうち興じる娘さんの姿をご覧戴いたら、コワモテのヲヤヂさんが破顔していたのが印象的でした。

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五枚目のカットですが、また菊坂方面へ撮りに戻るため、「金魚坂」の北側の出口から出て、坂を下りる途中、お店の看板と古い住宅の屋根、そして夏の青空が奇妙なハーモニーを奏でているように見えたので一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、樋口一葉も使っていたとかいう鐙坂脇の古民家のところに有る井戸とその奥の江戸百景ともいえるような斜面を利用した木造集合住戸を目指して菊坂通りを歩いていたら、これもまた古い住戸が見えたので、植栽越しにその古めかしい玄関周りの様子を一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、これもお目当ての井戸と路地の近くで北側の空に沸き起こった入道雲と蔦の絡まった古めかしいアパートの側壁のコントラストが面白かったので一枚戴いたもの。

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八枚目のカットですが、菊坂通りの途中に在った禅宗の古刹の山門へ繋がる階段の道の脇に見事な紫陽花が咲いていたので、背景のボケ具合いも確かめたかったので一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、菊坂通り名物?のサイケアパートですの雄姿です。確か前回、初めて見て、驚き、何カットかR-D1sで撮ったのを思い出し、移ろい行く東京の都心で、今も変らぬ姿のままでいることを何故か嬉しく思いました。

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十枚目のカットですが、これも狭い裏通りの何処かノスタルジックな家並みを背景に紫陽花が見事に咲き誇っていたので、その可憐な姿を至近距離で撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、まさに数年前、都心のこんな造作の建物群が残っていたことを発見して狂喜乱舞した、本郷固有の斜面を利用した鐙坂東側の集合住宅群の佇まいです。

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十二枚目のカットですが、その集合住宅群のミニ長屋とも云えそうな廓の内側から下からは向かって左側の住戸の玄関横に生えているヤツデの葉を透かして、下の樋口一葉の井戸のある長屋界隈を撮り下ろしてみたもの。

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十三枚目のカットですが、その集合住宅群の廓内にお邪魔し、その路地の様子を鐙坂方面から可憐な紫陽花越しに撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、鐙坂の途中に開いた廓の門から出て、坂を下り、再び菊坂通りに戻って歩いていたら、これも那覇のやちむん通りの路地裏ぢゃあるまいし、元々が渋い配色とデザインの上にイイ歳の取り方をして、優美に枯れた住戸が在ったので、玄関回りの佇まいを一枚戴いたもの。

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十五枚めのカットですが、目ぼしい目標は殆ど撮り終え、そろそろ空模様も怪しくなって来たので、本郷三丁目の駅に戻ろうかいなと、元来た菊坂通りを戻っている時に、緩い坂の斜面にきれいなプランターで季節の花々を植えていたマンションがあったので、その前まで来て、プランター越しに下の坂の様子を一枚戴いたもの。

今週の感想ですが、う~ん、正直驚きました。都内でノスタルジックなエリアと云えば、まずは月島、佃、そして曳舟から東向島というのが、通り相場だとばかり思っていたのですが、しかし、数年ぶりに本郷菊坂界隈を訪れてみれば、大正から昭和初期の住戸がかなり高い頻度で現在も使用され、残っているではないですか・・・

聞くところによれば、押し寄せる観光客や心無いカメラマンらに地元の人々も迷惑と思うことも多々有ったそうで、こういう稀有なエリアは、街並みを残す並々ならぬ努力に頭を垂れ、心してお邪魔しようと思った次第です。

さて、来週は工房製改造レンズのご紹介いきましょうかね、このM8と併走で実写終ってますから、天候フリーで予定通りアップ可です。乞うご期待!!
  1. 2014/06/29(日) 19:59:18|
  2. 深川秘宝館
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Das Grosser des objektive der Mamiya~Mamiya Sekor C 45mmf2.8 mod.EF

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さて今宵のご紹介は予告候補のうち、Big MamiyaことMamiya Sekor C 45mm f2.8N改EFでいきます。

このレンズ、元はと云えば、云わずと知れたMamiya645用の広角レンズで、7群9枚のディスタゴンタイプ、同社の会社更生法適用後の1985年以降にラインアップされた新設計のものらしく、マルチコートも煌びやかに、その秘められた性能を物語っています。

確かにこのレンズ、中判用交換レンズを改造したものなので、元々のレンズ自体が重い上に、素材選択の都合上、EOSとのフランジバック差と口径差を埋めるべく、真鍮無垢材の丸インゴットを二個刳り貫いた上、ネジ切って接合しているので、肉抜きもままならず、超ヘビー級の改造レンズとなりました。少なくとも、当工房で改造したレンズでは135mmクラスまで含めても一番の巨漢です。

ただ、よくよく考えてみれば、今をときめく、Zeiss銘で長野県のリンゴ畑で産まれてくる?OTUS55mf1.4しかり、SIGMA50mmf1.4Aしかり、みなイメージサークル大きめに取ったレトロフォキュもといディスタゴンタイプなので、初戦の潮来に出る前から、性能のほどは予想はついていました。

では、早速実写結果見て参りましょう。

カメラはEOS50D、絞り優先AEでの全コマ開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、まずは潮来の宿に撮影には不要不急の手荷物を預けようぢゃまいか?ということになって、一旦、宿に寄ってから、あやめ祭り会場の「前川あやめ園」に歩いて行く途上でみつけた、門前に五右衛門風呂みたいな釜を置いて、そこに今を盛りに咲き誇る菖蒲を植え、通り掛かる人々の目を楽しませようという、なかなか素晴らしい心意気のお宅の佇まいを撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、「前川あやめ園」へ抜ける細道沿いで見つけた魚屋さんの店先に下げられていた、夏の涼のシンボルのような簾にピンを合わせ、店先の様子を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、「前川あやめ園」の西側を流れる前川に掛かる鉄橋上から、いかにも涼しげな日傘を相合傘に差して、ザッパ船の船着場の様子を眺めて、いかにも楽しげに語らい合っていた熟年夫婦の後姿を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、毎年恒例の「あやめ娘」の小姐達全員による歓待ということで、この時間帯シフトの小姐に加え、去年、ポートレート撮らせて貰い、お話しもしたことある小姐が3名ほど加わっていたようなので、7名の正規+3名ということで、10名の増強体制のうち、精鋭?8名のお姿を一網打尽的に撮らせて戴いたもの。

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五枚目のカットですが、とりあえず、昼の部の撮影を切り上げ、お茶してから宿に戻ろうとまたしてもとぼとぼと歩く途上、曲がり角の彼方に、このような鄙びた地方にはちと不似合い?な山門が目に留まったので、元々、好奇心旺盛な一行のこと、宿に戻る時間を多少先延ばししても、と見物に訪れ、その石畳越しに静謐な境内の雰囲気を撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、翌日曜日に再び、会場を訪問したとき、結構混みだしてきたので、手っ取り早く、シンボリックなカット撮んねばなんめぇと、あやめ娘の小姐のお一方にお願いし、「潮来の伊太郎」像したで笑顔のポートレ-トを撮らせて貰ったもの。

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七枚目のカットですが、前日も、いたいけな童子が罰ゲーム的に労役を課せられていた、足踏み水車でのあやめ田への給水を、あまりにも楽しげに、まさに鼻歌キブンで軽々こなしていたカンカン帽の年配小姐の姿が目に留まったので、水を貰えて心持ち、ハリを戻しかけてきたあやめの花越しにその雄姿を撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、あやめ祭りとは云いながら、あやめだけではやはり人が呼べないのか、或いは、呼応して観光キャンペーン張ってる佐原に密かに対抗してのことか判りませんが、ところどころ、泥田の中に美しい蓮の花が咲き誇っていたので、重いレンズもものかわ、水田に相当身を乗り出しての決死行で捉えた渾身の一枚。

今回の感想ですが、いやはや、重いだけあって、写りが安定して危なげがなかったです・・・というか、重すぎて、バランス失い、水路に転落しそうになったことは幾たびかありましたが、さすが、中判の巨大なイメージサークルのしかも、レトロフォキュのテレセントリック性に優れた投射像の真ん中だけ使うのですから、悪かろう筈もないです。

さて、来週は、今回出番を譲った名門エルンストライツの貴公子、ズミクロンM50mmf2でもいきましょうか。乞うご期待!!
  1. 2014/06/22(日) 22:13:48|
  2. Arri改造レンズ群
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Ticket to paradise?~Iris Flower Festival in Itako ’14

さて、今週のご紹介は、夏祭りシーズン第一発目として、潮来あやめ祭り2014に「シネ用レンズを楽しむ」のブログオーナー、hiroさん、「Sundayphotographer」のブログオーナー、出戻りフォトグラファーさんと6月14日、15日と嬉し恥ずかしのお泊りツアーで出かけてきた結果をアップ致します。

機材は、1~3枚目、5枚目がX-Pro1+Classic Heliar75mmf1.8、4枚目がEOS50D+Big Mamiya45mmf2.8、6、8枚目がEOS50D+Planar85mmf1.4YC改EF、7枚目がX-Pro1+CanonL35mmf1.4、9、11~13枚目がX-Pro1+SummicromM50mmf2、10、14枚目がEOS50D+Big Mamiya45mmf2.8で全コマ開放での絞り優先AE撮影です。

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まず一枚めのカットですが、金曜日に中野で仕入れたばかりのClassic Helia75mmf1.8のキレ味を試すべく、あやめ祭り会場とその対岸を結ぶ太鼓橋の頂上から、ザッパ船の舟着場の全景を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、13時過ぎに着いて、14時からの嫁入り船を狙っていたので、乗船までのあやめ園内の行進を狙い、中央通路の向こう正面に陣取っていたので、列の後ろから二番目を歩く主役が見えず、ちょうど、行列一行が曲がりかけたときに花嫁さんのご尊顔が見えたため、渾身の一発を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、花嫁さんの嫁入り船イベントも無事終わり、ぢゃ、なんか腹に入れるべぇ・・・というhiroさんからの発議に従い、近隣のファミレスで腹ごしらえをしてから、日暮れ前の一時間ばかし、会場風景を拾うべく園内を徘徊していたら、いたいけな童子が、何のおイタの罰なのか、足踏み揚水機動力の刑に処せられていたので、あまりの気の毒さに一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、お待ちかねの「ミスあやめ2014」の今回シフト7名+3名のうちの3名選抜組?です。さすが強者、皆さん相当撮られ馴れているとお見受け致しました。

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五枚目のカットですが、あやめ祭りに来て、主役を撮らないのでは、ただの女好きの中年ヲヤヂのヨタ日記になってしまうので、このClassic Heliar75mmf1.8の新品時の高性能ぶりを検証すべく、ほぼ最短距離での可憐なあやめの花の単独撮影です。

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六枚目のカットですが、一旦宿に戻り、大きな風呂でみんなで汗を流した後、日暮れのあやめ祭り会場の再び足を運び、宵の嫁入り船風景を撮ろうと、その前座的イベント、LED精霊流し?の中、リアル娘船頭さんが巧みに櫂を操る船の姿を大口径レンズの威力で捉えたもの。

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七枚目のカットですが、EOSがCarlZeissと組むなら、ということで、X-Pro1に組ませた往年のスーパーレンズ、CanonL35mmf1.5であやめ祭り会場である前川あやめ園の宵の全景を捉えてみたもの。

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八枚目のカットは、当日のメインイベント、宵の嫁入り船の運航風景です。なかなか暗い水路で大口径とは云え、苦労しましたが、ところどころに照らされるLEDトーチの気まぐれな灯りを頼りに85mmf1.4の威力を発揮したもの。

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九枚目のカットですが、翌15日、予定より15分ばかり早く宿を出て、会場に向かったら、茨城空港PRのいたいけな小姐2名がテントの中で所在なさげに無聊を託っていたようなので、声を掛けて、表に出てもらい、お二方の可憐なお姿を撮影させて戴いたもの。

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十枚目のカットですが、やはり会場の楽しげな雰囲気も撮ってアップしないとPRにならないため、あやめのお花畑越しに「潮来の伊太郎」像をめがけて一枚撮ってみたもの。しかし、最近の30絡みのローカル中小姐が「建物前の笠かぶった時代劇っぽい銅像前で集合ね♪」と云っていたのにはひっくり返りそうになりました(苦笑)

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十一枚目のカットですが、昨日、帰りがけに笑顔で見送ってくれた特定小姐に挨拶しようと乗船場の建物を訪れた帰り、石碑の前で浴衣の兄妹を撮影していた親御さんが居たので、声を掛けて極小姐さんのお姿を色々注文付けて、あやめ畑の前にて撮らせて戴いたもの。撮った写真をご覧戴いた上で、メールで送って上げませうか?と申し出ましたが、メールやってないんで・・・とオモニからお断りを食ってしましました、トホホ。

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十二枚目のカットですが、そろそろ集合時間が近いため、あやめ園らしいワンカットを、と思い、水路との柵越しに半身乗り出し、太鼓橋の手前で方向転換するザッパ船の操船風景を一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、前日のClassic Helia75mmf1.8の性能と比較すべく、カミソリの異名を持つ?SummicronM50mmf2でのあやめ単独撮影を試してみたもの。

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十四枚目のカットですが、よくよく考えてみれば、Big Mamiyaも花の近距離撮影試してなかったので、太鼓橋の陰が射すか射さないかという微妙な位置から、比較的萎れていない数輪を狙い、観光協会屯所を背景に一枚撮ってみたもの。

今回の感想としては、毎年訪問していますが、今年は飛躍的に訪問客が増えた印象を受け、知名度が上がったことに嬉しく思う反面、せっかくの穴場が穴場でなくなってしまうような複雑なキブンです。
しかし、人が増えても、このフレンドリーな運営が変らない限り、自分としては年間ローテに組み入れ、仲間を誘って、これからも毎年訪れたいと思いました。

さて、来週のアップは今回活躍したBig Mamiya45mmf2.8か、先般、週末の降雨でテスト撮影の出鼻をくじかれてしまった工房久々のライカMレンズSummicronM50mmf2のレポート行きます、乞うご期待!!
  1. 2014/06/15(日) 23:09:51|
  2. 旅写真
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Rätsel der Geschichte japanischer Optik~Ofunar5cmf3.5mod.L39~

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さて今宵のご紹介は、金曜日から続いた関東地方の大雨の影響により、作例作りに出かけられなかったため、予定変更し、急遽、名実ともに"隠し玉"いきます。

このレンズはかつての大船光学が、引伸用として戦後まもなく開発したとされている4群4枚(異説有り)の光学系で、どうやら、オリジナルは前身の富岡光学大船製作所の頃に設計されたカメラ用レンズらしいです。

らしい、というのも、このレンズも大船光学自体もまだ研究が進んでおらず、そのためか、かなり良い状態で、値段も捨て値と言っても過言ではない値札付いた状態で新宿の某カメラ市場の引伸レンズ/ヂャンクの棚にこれ見よがしに置かれていましたが、誰も省みる人がおらず、たまたま目に付いたので、工房主が値段が値段だから・・・というアヴァンチュールキブンでお金を払い、家に連れ帰ったという次第。

しかし、改造しての初デビューが異例のM8をパートナーとしての街撮りでしたが、英国のCooke社や米国Wollensak社の同時期のトリプレットを蹴散らす、超高性能ぶりを発揮してくれたのです。

では、早速実写結果見て参りましょう。ロケ地は先週末のものと同じ「京島」です。撮影条件jはカメラM8、絞り優先AEでのオール開放撮影です。

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まず一枚目のカットですが、路地裏を散策していたら、イイ案配に枯れたトタン屋根壁の住居とその壁面に、これも味のある消火器収納函が目に付いたので一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、同じく京島二丁目の迷路のような路地裏を彷徨っていたら、「甍の波と雲の波」ならぬ、七重八重のトタン屋根の山脈が目に留まったので、一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、ここ京島は、深川に比べれば、遥かにスカイツリーに近いので、少しでも南に開けた路地があれば、このように、突如として、この街並みとアンマッチなカンジが漂うスカイツリーが顔を覗かせている、と云う状態を撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、今も残る京島二丁目名物の長屋造りの店舗兼住宅の代表的ランドマーク、「安食屋豆腐店」さんをモチーフに一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、前回、下見した時は見落としていたようなのですが、災害対策用の雨水汲上げ用人力ポンプのイイ錆びかけ具合いが目に付いたので、背後に回って一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、午後の一番陽の強い時刻だったのですが、ちょうど、街で一番高いと言われる「マンモス滑り台」越しに世界一高い自立式鉄塔がその雄姿を誇っていたので、これを撮らない手はないので、真逆光であるにも関わらず手でハレ切りの上、撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、これもスカイツリーが民家の屋根越しにその巨大な姿を覗かせているので、引伸レンズは無限は全然ダメ、という俗説の反証の目的で無限の解像度を見る目的も有って、ツリーに焦点合わせてシャッター切ってみたもの。

今回の感想としては、う~ん、さすが富岡クオリティ・・・これぢゃ、カールツァイスもパートナーとして選ぶ訳だ、ということ。
そういえば、二年くらい前に富岡光学を京セラが買収して改名した、「京セラオプト」がミラーレス用レンズを開発するとか、さかんに喧伝していたのはどうなったのかな???

戦後まもなくのレンズがこれだけ頑張るんだから、本家カールツァイスも、そのライバルたるシュナイダやライカを超えるものをリーズナブルなお値段で出してくれてもおかしくはないと思うのですが。

さて、次回は、あやめ祭りで今週登場予定だったレンズも交え、大撮影大会、そのレポートお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2014/06/08(日) 19:30:08|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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A Nano-trip to the nostalgic streets~Tamanoi & Kyojima located in the north east part of Tokyo~

さて今宵のご紹介は今週末の土曜日に、久々の"秘密結社"ノンライツRF友の会のイベントで、「玉の井いろは通り」と「京島2丁目」界隈をスナップした様子をお送り致します。

機材は1、4、8枚目がM8+AngenieuxR11 35mmf2.5改M、2、3、5~7、11~15枚目がEOS50D+Carl Zeiss Distagon18mmf4YC改EF、9、10枚目がM8+Miracle-Triplet50mmf3.5改L39、全て絞り開放の絞り優先AE撮影です。

では、当日の行動に沿って逐次画を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、待ち合わせの浅草橋駅から柳橋に向かう道すがらのカフェ前にブーゲンビリアの花が美しく咲き誇っていたので、渋めのカフェを背景に一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、柳橋へ向かう日本橋側の堤の上から、船溜りを眺めたら、珍しくスタンドアップパドルボード('14.6.5訂正)の集団がたむろしていたので、屋形船に混じって遊弋している姿を一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、堤と平行する道をそぞろ歩きし、柳橋詰まで辿り着いたので、おそらく鬼平の時代から営業していたと思しき古風な船宿の佇まいを一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、我々の到着とほぼ同時にスタンドアップパドルボード(同上)のご一統様が神田川遡上コースを辿って行ったので、周囲のビルの様子も入れて、船溜りの中を進むシーカヤックの様子を一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、都営線、東武と電車を乗り継ぎ、東向島までやって来て、「玉の井いろは通り」を散策しながら、通りの奥にある、いかにも昔の青線地帯時代の趣きを残すスナック跡の様子を一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、ここも迷路のような玉の井の象徴のような三角地の地形そのままに立った建物の敷地のどん詰まりまで有効利用しようとコカコーラの自販機を据え付けていて、その白い壁と赤い自販機のコントラストが見事だったので一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、だいぶ前に来たとき、いかにも「ダンスホール」的な建築様式を残す建物が有ったのを発見して、相当興味を持っていたのが、前回発見出来ず、今回、偶然再発見し、アプローチ路も特定出来たので、その特徴的なパーツを撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、玉の井の裏通りで古い木造アパート一階の錆びかけた鉄製の窓格子が午後の斜めの陽を浴びてイイ佇まいだったので一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、再び電車に乗って曳船駅まで戻り、勝手知ったる何とかの通り、京島の迷宮へ舞い戻る途中、通りに面した民家の玄関先でバラの花が咲いていたので、新作の国産銘機トリプレットの実力のほどを試すために一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、京島二丁目の交差点を過ぎ、いよいよ、東武亀戸線北側の京島二丁目地区を探検しようとした時、これまた民家の庭先で可憐な赤紫の花が二輪咲き誇っていたので、これも実力テストの一環として一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、幸運なことに空襲にも見舞われず、戦前の住空間をいまだ色濃く残す京島二丁目エリアでは、昔ながらの長屋建築様式が残っていて、様々な本でも紹介されている、「安食豆腐店」の有る長屋の前で一枚戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、豆腐店の入っている長屋から南方向の通りに入ると、スカイツリーが至るところで顔を覗かせるので、通り沿いの古風な建物とのコントラストが面白いので一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、これも同じ通りのトタン張りの長屋建築越しにスカイツリーが顔を出しているので、その姿を入れて一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、今回の主目的地の京島南公園まで着いてからまた駅に戻る道すがら、またしても民家の軒先で美しくまた力強く咲く白い花々の姿に目を惹かれたので、背景の通りの様子も入れて一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、裏通りの民家の脇のちょっとした空き地を利用して、園芸をやっているご家庭があったので、その様子を一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、う~ん、2、3年前に来たときに比べ、玉の井も京島も、そして今回は時間無く訪ねられなかったのですが、鳩の街も、確実に普通の街へと変貌してしまっています。

思うにスカイツリー効果で地価上昇、固定資産税を払うためにマンション、アパートへ建て替え、或いは数軒分の土地を所有する地権者同士が話し合って、区画整理も含めたブロック単位での再開発・・・そういった諸々の経済合理性の論理で、古き佳き時代の佇まいがみるみるうちに失われていくのは、とても残念な気がします。

尤も、空襲にやられた結果、綺麗な街並みになってしまい、自らも快適な深川地区のマンションに暮らす人間が、京島の不便な木造長屋でいつまでも暮らせ、とは口が縦に裂けても云えないのがまたつらいところでもあります。

さて、来週は久々に面白いレンズを格安で買えたので、その実力のほどをテストしてみましょう。乞うご期待。
  1. 2014/06/01(日) 22:53:45|
  2. Arri改造レンズ群
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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