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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Return into Folmosa 2014 summer①

さて、今宵のご紹介は予告通り、7/18(金)から久々に飛んだ台湾は、北部、新北市に属する「金瓜石」地区での街撮りレポートをお送り致します。
カメラはX-Pro1、レンズは三代目Leitz Elmarit28mmf2.8、全コマ開放での絞り優先AE撮影です。
では、早速、当日の行程に沿って写真を追っていきましょう。

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まず一枚目のカットですが、お馴染み金瓜石集落の全景です。
ちょうど、山肌に家々が張り付くような配置となっていて、ところどころに住む人もなく荒れ果てた廃屋の煉瓦造りの遺構が見えます。

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二枚目のカットですが、尾根に位置する黄金博物館とは反対方向の旧集落方面に下りていくと、まず目に付くのがかつて金鉱で働いていた人々の暮らした住居遺跡ですが、その煉瓦の遺構を28mmの画一杯で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、煉瓦造りの遺構の横を通って、集落の下の公共駐車場へ降りていく細い道の脇に在る、これまた漆喰仕上げの大屋根住宅の遺構を画面目一杯で撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、駐車場からまた集落の上のほうに別の道を辿って登っていくのがいつものルートですが、その途中、二股分岐路の真ん中に生えたガヂュマルの樹に寄生したサトイモ?みたいな新芽が初々しかったので、集落の家をバックに一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、集落に登る途中で見つけた廃屋の様子を撮ってみたもの。尤も、造り自体は戦前より前と思われますが、電気メーターやエアコン室外機のどんがらが壁面に放置されていたので、電化されてから暫くは住民が暮らしていたようです。

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六枚目のカットですが、山あいの道を汗を拭き拭き登っていくと中腹くらいのところで視界が開ける箇所が幾つかあるのですが、そのひとつには、野生化したバラの花が咲いていたので、その生命力に経緯を表し、集落の家屋をバックに一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、集落の上の段まで階段を登りきり、そこを水平に歩きながら、被写体を捜していたら、この地方では一般的なのか、地味めなモルタルの壁面から浮き立つようなエメラルドグリーンに塗り分けられた木製の扉が半ば朽ちながらも、まだその鮮やかな色を残していたので、その対比の面白さに一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、集落では水道確保に苦心していたのか、所々にこのような汎用ステンレス製の貯水タンクがあり、その架台である煉瓦が上から滴る水滴で常に湿っているさまが妙に生活感に満ちていたので、青空を背景に無機質なステンレスのタンクと苔むしながら艶やかに湿った煉瓦の架台の様子を一枚撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、同じく集落上段を水平に移動する道を徘徊しながら、すれ違う住人である老人達に挨拶しながら、ふと来た方向を振り返ってみれば、古めかしい集落の家屋とせり出した岩、そしてそこから生えるサトイモ?の新芽が妙に面白いコントラストだったので一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、水平に移動する道とは言え、多少のアップダウンは付きもので、舗装された緩い坂道の手摺代わりに谷側に設けられた古めかしい煉瓦造りの低い壁とその向こうの南国に不向きな黒いアスファルト/タール塗りの屋根の佇まいを一枚撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、緩い坂道を登り暫く水平な細い道を辿って集落を徘徊していると、二股の道に当たり、更に上に登る道と、少し下降する道の二つが目の前に現れたのですが、その上方向を眺めたアングルが画的には面白かったので一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、先の分岐路をふだんは上昇志向のない小生が珍しく選び、歩いていくと、古めかしい煉瓦造りの長屋が高台に建てられており、一旦通り過ぎて振り返ると、金瓜石の高く険しい山を背景にあたかもマチュピチュ遺跡のような雰囲気にも感じられたので一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、旧集落散策も終わりに近づき、黄金博物館に続く幹線道路の下よりやや手前の集落の民家の前を通りがかったら、その様子が妙に中華的な生活観に溢れていたので、一枚戴いたもの。

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十四枚目のカットですが、今度は一旦、黄金博物館方面に上がり、その下にある、礼拝堂を中心とした集落を目指し、その途中で、中国人一家と出会い、記念撮影のシャッターなんか押して上げて、ハイさよなら、と別れ際にその街並みを背景に一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、その、観光客相手のお店もあり、多少は観光地化している方の集落の狭い階段を下って行ったら、やはり観光客馴れしたと思しきローカルドッグが見送りだか客引き目的で出て来て、ニコニコ笑いながら見下ろしているようなカンジがして面白かったので一枚戴いたもの。

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十六枚目のカットですが、これまた観光客向けの店舗の在るエリアを通り過ぎ、ここでも現地住民各位しか通らないであろう路地裏を徘徊していたら、まさに時代をカンジさせてくれるような古めかしい窓と南国の象徴である生い茂った植物の葉が、静と動のコントラストのようで面白かったので一枚撮ってみたもの。

今回の感想は、九份もイイですが、画的にはここ金瓜石地区のように殆ど俗化しておらず、戦前から高度成長期までの生活臭があちらこちら残るエリアの方がテクニックを求められ、それなりに腕に覚えある手合いには面白いんぢゃないか、と思いました。

さて、来週の更新は台湾ツアー後編、翌日、台湾国鉄と桃園客運のバスを乗り継いで初訪問した大渓での冒険の様子をお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2014/07/26(土) 22:43:13|
  2. 旅写真
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~第八回ノンライツRF友の会写真展@JCII_Club25 ア・カ・ル・イ写真生活~

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さてもやって参りました今年度の定例写真展。
今回は「ア・カ・ル・イ写真生活」というお題で、メンバー各位がそれぞれに想う「明るい!」、或いは「あ、軽い!」写真を持ち寄っての競作です。
なお、工房主は今回はモノクロ連作でいきます。
会期中の水曜、金曜3時半以降、土曜、日曜は終日在廊しておりますので、コワイもの見たさに実物を見物されたい方はふるってご来館下さい。勿論、入場料は一切戴いておりません、はい。
  1. 2014/07/26(土) 22:36:29|
  2. CMタイム
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A hearty carnival in a provincial town named Sawara 2014②

さて、外遊のため、一日遅れの更新ですが、前回に引き続き、佐原夏の大祭2014最終日の日曜日、7/13の朝からの行動に沿って、撮影結果をアップ致します。
カメラは前日に引き続きX-E1、レンズは先般の潮来あやめ祭りで大活躍のCarl Zeiss Planar85mmf1.4YCにFXアダプタを介しての撮影です。全コマ開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目ですが、昨日に引き続き、山車に遭遇する可能性が高く、また細い運河沿いの道なので、山車の移動速度も遅く、かつ接近戦に向いているので、一行で張っていて、反対側の道を通り掛かったところを、伝統的テイストの店舗をバックに一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、山車の巡行の合間、伝統的な佐原の商店の軒先で、祭りの雰囲気を静かに表現したらどんな按配になるものか、少々意匠的に構図を工夫して一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、同じく伝統的建築物で商売を行っている商店の軒先にふと目を凝らしてみれば、何と寺院で使っているような型打ち巴つきの本瓦になんと銅製の雨樋、パイプを使っているぢゃありませんか、重要だけど、あまり目立たないところにお金を使う、その心意気が嬉しくなって一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、そうこうしているうちに次なる山車が軽妙な佐原囃子を奏でながら近づいて来たたので運河のほとりの柵ぎりぎりまで後退し、すれ違いざまに下座連の笛の吹き手を伝統的家屋をバックに一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、少し早めのランチで名代の鰻重を戴いてから、また間道を通り、小野川沿いに出た時、その畔で祭り装束も凛々しい、粋でいなせな姐さん連が地べたに座り込んで歓談に打ち興じてたので、老人カメラマン各位を隠れ蓑に一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、13時の放水時間近くだったので、伊能記念館前のヂャーヂャー橋を目指し、小野川を遡っていったら、当のヂャーヂャー橋の上のベンチを丸々一個、親御さん公認で浴衣姿の極小姐達が占拠していたので、またしても、声を掛けるに掛けられず、こそこそと近寄っちゃズームで撮っちゃ逃げ、撮っちゃ逃げの爺さんカメラマン各位を尻目に声掛けて、記念写真撮るところを横から一枚撮らして貰ったもの。

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七枚目のカットですが、そのヂャーヂャー橋から川面に目を下すと、昨年までは殆ど姿を見かけなかった、北京ダック、もとい、鴨の群れがあちこちに徘徊というか遊弋していて、これはこれでなかなか面白い風景なので土手から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、無事、ヂャーヂャー橋の放水を眺め、また写真に収めたので、山車を求めて、メインストリートを東方面、即ち、香取神宮方面に向かって歩こうとしていたら、色も鮮やかなかき氷を手にした、これまた粋でいなせな少々姐と出くわしたので、声を掛けてモデルさんになって貰ったもの。

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九枚目のカットですが、そのメインストリートの八坂神社付近に集う山車を背景にこれまた和風の浴衣が似合う小姐三人組が、やれ芋を茹でたのがあるから食え、とか、やれ、さっきとうもろこし食ったばかりだから、炭水化物オンパレードぢゃねとか、また別の小姐がソフトクリームは食いたいとか言ってんのに、何贅沢云ってんだオラ!?とか楽しいやりとりしてたので、その千葉小姐の楽しい雰囲気でも捉えられないものかと思い、背後から一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、そぞろ歩きをしていたら、また小野川を跨ぐ忠敬橋まで来たので、ふと下の川面に目をやると、浴衣を着こなした、いたいけな小姐達が涼しげに舟遊びを楽しんでいたので、上から一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、そろそろ、お茶でもしてから、お江戸に戻ろうかい、という時刻になり、またもと来た小野川伝いの道を下り、駅方面に戻ろうとしたら、運良く、山車の釣る瓶撃ちに遭遇し、まずは、先導の鮒を屋上に据えつけた山車の下座連と取り巻き社中の様子を撮ってみたもの。

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十二枚目のカットは同じく、鮒の飾りの山車の飾り物が降雨対策でビニールの覆いに覆われた様子を捉えてみたもの。
何か鮮魚店から買ってきた魚が巨大化したみたいで面白いと思いました。

今回の感想は、やはり、佐原祭りは面白い、都内から近く、また成田空港からも至近にも関わらず、こんな江戸情緒残る町並みで密着感たっぷりの演者も見物者も一体化して楽しめる祭りは貴重だと思いました。

さて、次回更新は、一足先に夏本番の台北の旅から、寂寥感たっぷり、地味なキブンになれる街撮りカットのオンパレードいきます、乞うご期待!!
  1. 2014/07/21(月) 20:31:55|
  2. Arri改造レンズ群
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A hearty carnival in a provincial town named Sawara 2014①

さて、今宵のご紹介は、今週末、土日泊りがけで撮影旅行に出かけた下総の国は佐原での夏の大祭2014から二週に亘ってお送りする前編となります。
機材は新規導入のX-E1、レンズは1~10枚目がGaussTachar32mmf2.3、11枚目以降は全てPORST50mmf1.2で全コマ絞り開放での絞り優先AE撮影です。
では、当日、夜までの行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、着いてすぐに昼飯を食べに佐原の名店「ロティスリー吉庭」さんへ寄って、散々食べてから寛いで、お祭りの主役たる山車をやっと探し当て、後ろから文字通り体張って山車を後推しする健気な若衆の上気した顔をモチーフに撮ったカットです。

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二枚目のカットですが、表通りから香取神社方面の山車が集結しているとの情報を得たので、山車を眺めながら通りを歩いていたら、たぶん最年少と思われる年端もいかないいたいけな極小姐が周りの大きな子供達に混じって、曳き綱を曳く姿が可愛らしかったので、一枚戴いたもの。

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三枚目のカットですが、色々な山車を眺めて歩いていたら、妙に細かいデテールが気になりだし、新カメラの表現力も見たいと思い、手っ取り早く目に付いた山車側面の繊細な彫刻を最短付近で撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、表通りから一本入った通りの曲がり角で、山車を「の之字廻し」なる人海作戦ドリフトみたいなワザを決めようとしていた時も極めて冷静沈着に「昭和枯れすすき」かなんかのお囃子を奏でていた下座連各位の様子がカッケェ♪と思い、自分の考えるベストアングルに回り込み一枚戴いたもの。

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五枚目のカットですが、休憩時間?のイザナミの命の山車の社中の小姐各位がいかにも楽しげに歓談などに打ち興じ、こちらに歩いてきたので、ご本尊である山車をバックに夏の青空も入れて一枚戴いたもの。

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六枚目のカットですが、そろそろお茶でもすっぺか?という雰囲気になり、同行者二名と伊能忠敬遺跡にある子孫が経営するという茶店に行こうとする途中、なかなかイケてる小姐が通り過ぎたので、小走りに追い縋り、首実検してみれば、一昨年も撮らせて戴いた、べっぴんさん二人組だったので雑談がてら、山車群をバックに交差点での撮影に応じて戴いたもの。

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七枚目のカットですが、伊能忠敬遺跡の茶店を出て、日没前にもう一スパートすっぺかとか語らいながら、小野川沿いを忠敬橋方面に歩き出したら、居ました、居ました、はしゃぎ回るいたいけな中国人小姐を連れた家族連れが・・・そこで中国語でヲヤヂさんに写真撮らせてよ、とか頼んだら、オモニとオッパーの方へしがみついちゃったので、ぢゃ、ママと一緒に撮りましょうねとか、通じたか通じないか判らんまま声掛けて撮った一枚。

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八枚目のカットですが、小野川を駅方面へ向かって下って行ったら、いつものランドマーク、「正上」の先の辺りで大きく、手書きの文字も立派な布製の幟も悠然と風にたなびいていたので、伝統的家屋群を背景に一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、これも小野川沿いの散策道の有名撮影スポットのうちの一箇所なのですが、佐原にしては珍しく広い間口に複数個所の木戸とその間を繋ぐスペースに今でも斬新な色使いのタイル張りの壁面が有り、また旧家にしては珍しく張り出の短い庇も特徴的なので、久々に軒下から一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、同じく小野川沿いにある元造り酒屋の商店で、お祭り時期と云わず、日中から宵の口にかけて、いつも玄関のガラス引き戸を開けていて、店内の様子や中の窓越しに庭の様子ば眺められるようにしているお宅があるので、今回も声掛けて、夕陽を浴びる、造り酒屋時代の通い樽などをモチーフの一枚撮らせて戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、一旦宿にチェックインしてシャワーなど浴び、装備を換えてから、夜祭フェイズに出撃する途上、宿に隣接する高度成長期以前の鉄階段アパートの窓にに地上波デジタルアンテナが整然と並び、夕陽をバックに虚空を指していたのが面白かったので一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、そのアパートの更に隣に平屋の貸家群があり、その庭に一輪優雅に咲いていた、大輪のひまわりの花に何故か心惹かれるものがあり、最短付近で一枚戴いたもの。

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十三枚目のカットですが、山車にかなりの接近戦が挑める、小野川沿い東側、いわゆる本河岸エリアを主戦場に選び、待ち構えたところ、やってきた山車上で照明に煌々と照らされた下座連の演じる姿を一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、前のカットと同じ山車が人力ドリフトこと必殺「の之字廻し」で方向を変えたら、バックの店舗の賑わいも入って、お祭りらしいシーンになったので、またしても一枚戴いたもの。

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十五枚目のカットですが、山車巡行が一段落し、月明かりに煌々と照らされた小野川伝いの道を表通り方面、忠敬橋
向かって歩いていたら、「正上」の建物群の間から月が煌々と照らし、建物がセミシルエット状態になっていたのが、あたかも東山魁偉の絵画のようで幻想的だったので、f1.2の威力を活かし、一枚撮ってみたもの。フィルターに反射して出来たもう一個の緑の月がご愛嬌です。

さて、来週の更新では日曜朝からの行動に沿っての実写結果をアップ致します、ここでも大口径単玉の魅力炸裂です、乞うご期待!!
  1. 2014/07/13(日) 22:59:38|
  2. 旅写真
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Wonderful Goblin's nose~OKC2-35-1mod.M by F.G.W.G.~

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さて、今宵のご紹介は北の大地はUSSR、旧ソ連邦1992年産まれのシネレンズ、OKC2-35-1、ディスタゴンコピーと思われる35mmf2.8のレトロフォキュタイプを工房で距離計連動加工したものです。

このレンズの改造自体はもう3年近く前に完成し、ちょうどこのくらいのシーズンの京都祇園界隈での極秘任務でその高性能ぶりを発揮して、公式デビューも間近、と思われたのですが、このレンズが完成直後、別のタイプの、やはり旧ソ連邦製のシネレンズで35mmf2のプラナーコピーのこれまた超高性能レンズが入手出来、そのコンパクトで半絞り明るく、緑、紫のマルチコートの面相も美しいレンズブロックを即攻で距離計連動改造したら、すっかり、それに嵌ってしまい、先輩格のこの天狗の鼻みたいな、ちょいとヴィジュアル的にはハンデ負った玉は出番を失っていた、ということなのです。

ただ、京都の祇園のような時代がかった地区では高性能ぶりを遺憾なく発揮ことは検証済みなので、今回、モノクロ専用機としたR-D1sとコンビを組んで、大正から昭和初期へトリップするタイムマシンになって貰ったということです。

では、早速実写結果を見て参りましょう、ロケ地は本郷、カメラはR-D1s、絞り優先AE、全コマ開放です。

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まず一枚目のカットですが、本郷菊坂通りにある古刹の長い緩やかな階段の向こうに夏空が広がっていて、なかなか良い雰囲気だったので、寺の名称を刻印した石碑にピンを合わせ、門回りの全景を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、お寺の写真を撮らせて戴いたのち、記憶を頼りに菊坂通りの一本南というか下に位置する、菊坂下道という通りに下りて、そこの古めかしい佇まいのアパートが道一杯に立ち並んでいる様子を一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、菊坂下道の半分より奥まった辺りに位置する、樋口一葉住居遺跡の奥手、鐙坂に連なる崖を利用して建てられた木造建築の佇まいを下から見上げるアングルで一枚戴いたもの。

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四枚目のカットですが、その菊坂下道を南に入ったところに位置する樋口一葉住居遺跡前の、一葉も使っていたという曰く付きの井戸をその崖下の木造建築へ連なる階段下から撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、先の三枚目の崖下の木造建築物のカットの階段上部向かって左側に無造作に置かれた古めかしい木製の梯子状の物体が階段上からはイイ光線加減だったので一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、その木造住宅のこれまた窓の辺りが北西に開けた空に照らされてイイ雰囲気だったので階段上から一枚戴いたもの。

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七枚目のカットですが、崖中段の路地みたいなところから、鐙坂に抜けられる出口があるのですが、その出口を背にして、路地に咲くあじさいをモチーフとして木造住宅の佇まいを撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、鐙坂から菊坂方面へ再び下り、元来た方向へ進んでいくと、これまた古めかしい銭湯と床屋さんがあって、その床屋さんの葡萄の蔓や葉に囲まれた回転看板の佇まいが何とも云えない雰囲気を醸し出していたので、一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、ここも菊坂下道を進んでいくと、何と、京島二丁目辺りと見紛うが如き木造平屋建築が立ち並ぶエリアに出て、そこでは夏の涼をとるためか、家の周りに夏の草花の鉢をところ狭しと置いていたので、その様子が面白く、一枚戴いたもの。

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十枚目のカットですが、菊坂下道をどん詰まりというか、終点の言問通りまで到達してしまったので、戻りは菊坂上道を通って、本郷通り方面を目指したのですが、すぐに古風な土蔵と木造建築物を発見し、川越みたいだなぁとか思い接近したら、樋口一葉と親交有った「伊勢質店」という老舗だということだったので、軒先の佇まいを一枚戴いたもの。

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十一枚目のカットですが、これも菊坂通りの上道と下道の間の段差というか斜面を上手く利用した古い木造の三階建て住戸が目に留まったので、背景に暮れかけた西の空を入れて下からその佇まいを一枚撮ってみたもの。

今回の感想としては、相棒のズミクロンがカラーで写実的なカットを量産し、あたかも、有象無象の観光ミニガイド、みたいなテイストになってしまった感なきにしもあらずですが、このR-D1sの秀逸なモノクロモードとレトロフォキュの素直な描写が相俟って、何となく、叙情的な雰囲気の組写真になったのではないかと思いました。

さて、次回は久々のお祭り写真です。さて、何処が出るのかな、乞うご期待♪
  1. 2014/07/06(日) 22:22:58|
  2. Arri改造レンズ群
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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