さて、海外遠征による夏休みを挟み、二週間ぶりの今回のアップは予告通り、7月の三連休+1で遠征した上海の今からの後編をお送り致します。
まず、滞在三日目当日の簡単な行程をおさらいすると、上海駅前のホテル近くの地下鉄に乗って、まず、市内の復興水郷、つまり周荘とか西塘みたいな数百年から千年にも及ぶ連綿とした歴史の中で生き永らえてきた旧跡ではなく、いったん途切れてしまった水郷である「七宝」の街並みを観光目的でリノベした人工の老街なのですが、なかなかどうして賑わっていて撮りどころもそこそこあって、1時間近く滞在して撮りまくり、ついで、食事も兼ねて、香港系の飲茶レストランのある「新天地」まで地下鉄で移動し、地下鉄の駅から新天地のエリアまで移動がてら声もかけたりして撮影し、まずランチを戴いてから、鬼のように撮影に精勤し、ここでも1時間弱撮ってから、次なる目的地、当日の昼の撮影の最終予定である「豫園」まで歩きながら、半ばスラム化したような元租界の欧米風住宅街みたいなところも覗きながら撮って、「豫園」に入ってのちはここでも小一時間、陽が傾くまで撮って撮って撮りまくった、というのが当日の行程です。
では、さっそく行程に沿って、個々の実写結果を逐次見て参りましょう。
カメラはLEICA M8 レンズは1~6枚目までがRodenstock Heligon35mmf2.8、7~12枚目までがCanonL28mmf2.8、13~17枚目がSchneider Apo-Componon40mmf2.8改Mによる全コマ絞り開放での絞り優先AE撮影です。

まず一枚目のカットですが、七宝の最寄り駅に着いてから、経験と勘で繁華街のある運河伝いの商業エリアに辿り着き、そこで、まずは水郷っぽいカットを撮らねばということで、目抜き通りに掛かっている、太鼓橋っぽい風情の石造りの橋のてっぺんから、わざと堰で水の流れを止めて、アオコを発生させることで水を緑にしたのではないかと勘繰りたくもなる毒々しい緑の水面を挟んだ両岸の煉瓦+漆喰造りの建物を撮ってみたもの。

二枚目のカットですが、水辺の風景をまず撮っておいてから、前日の本ちゃん水郷の「西塘」でも撮りどころ満載だった、商業エリアである目抜き通りを徘徊しながら、要所要所で立ち止まってスナップを敢行することとし、休日と云うこともあって、無辜の民草各位がいかにも幸せそうな様子で行き交う細い通りの両側から店舗の軒先が迫り出した目抜き通りの佇まいを撮ってみたもの。

三枚目のカットですが、後ろから優雅に刺繍なんか施した日傘をさした地元民と思しき、いたいけな小姐二名組がやってくるのが判っていたので、狭い目抜き通りのインターセプトポイントに立ち止まり、じっと息を凝らし到来を待ち、通り過ぎた瞬間にシャッター切ることで、景色の中に二人の後ろ姿を捉えてみたもの。

四枚目のカットですが、さすがに広大なエリアに店舗兼住宅があまた立ち並ぶ、本ちゃん水郷の「西塘」とはその規模を比べるべくもなく、入り口からものの10分もまっすぐ歩けば、リノベエリアの端から端まで歩き通すことが出来ますが、実はそのエリアの周辺にもオールド上海の風情を色濃く残した街並みがそこここに残っており、むしろ、そっちのスナップの方が面白くなったので、いったん、入場無料のリノベエリアを出ることとし、外側に繋がる運河伝いに街並みを散策しながらその様子を撮ってみたもの。

五枚目のカットですが、リノベの街並みと繋がる運河近くのメインストリートは観光客もそれなりに流れてくることから、そこそこ小奇麗に取り繕われてはいるのですが、それでも、側道や通りに面した店舗兼住宅の背後に聳え立つ手が入れられていないかの如き、イイ案配にやれた古い漆喰張りの建物がところどころ目に付き、まさに目指すのはこれだ!とばかり裏通りに一歩足を踏み入れれば、ハィビンゴ!とばかり文革時代の生き証人みたいな古いリアカーが置かれていたので、これ幸いにと一枚撮ってみたもの。

六枚目のカットですが、リノベ老街東側に広がっている、手の入っていない路地裏を心行くまで堪能したあと、ランチタイムを考慮し、何よりも7月の上海のこの暑さでしたから、早々に七宝駅そばの巨大ショッピンセンター一階のドーナッツ屋でアイステーでも飲みたいキブンで再び駅への最短ルートでもある老街に戻り、先ほどの街のランドマークでもある石造りの橋の袂のあずまや内部でで涼んでいた現地人一家を撮らせて貰ったもの。

七枚目のカットですが、七宝の駅からまた地下鉄に乗って、目指す新天地の駅に到着、駅構内にいるうちにレンズを交換し、地上に出て、撮りながら新天地の商業ゾーンを目指していたら、人工的なリノベ老街の合間に存在する、おそらく戦前の租界の中級クラスの外国人住宅街のなれの果ての如き、煉瓦造りの古風な長屋エリアを大通り沿いの側道の中に見つけたので、さっそく入り口から入り込んで一枚撮ってみたもの。

八枚目のカットですが、撮りながら歩くくこと15分程度、やっと目的地の新天地商業ゾーンに到着し、休日ともあって、地元民各位並びに諸外国からの観光客各位でかなりの賑わいを見せており、朝飯前ならぬ、ランチ前の一仕事とばかり、さっそくマロニエの並木の傍らに佇み、同じようにスナップの傑作を狙い、大型の日本産一眼レフを虎視眈々と構える地元の若いカメラマンと競うように撮った一枚。

九枚目のカットですが、新天地には香港の飲茶の名店「翡翠酒家」と台湾の小籠包の名店「鼎泰豊」が同一モールに入っていて、いつも悩まされるのですが、ここ上海では、世界の中華のランキングの小籠包部門で、「鼎泰豊」と双璧の「南翔饅頭店」の本店が徒歩20分圏内の豫園内に有るので、小籠包系はパスして、いつも香港で感動の味を楽しませてくれる「翡翠主家」で豪華な飲茶を頂き、しかるのち、商業モールから少し歩いたところで新天地商業ゾーン内部の佇まいを撮ってみたもの。

十枚目のカットですが、新天地商業ゾーン内部には、日本のデパートや最新のショッピンセンターがそうであるように、至る処に小休止のためのスペース、木やプラのシートや籐のチェアのようなものが置かれており、この日も暑くて蒸しては居ましたが、日陰では結構涼しい風も吹き通っていたので、石造りの建物のの間の細い通路沿いのチェアは大人気で、爆睡する地元民と思しき男性たちの傍らを如何にも無関心とばかり、今風の小姐分隊が通り過ぎるその瞬間を狙い撃ちしたもの。

十一枚目のカットですが、新天地商業ゾーンで食後30分も撮ったあと、次の目的地、豫園までは地下鉄であれば、それぞれ駅との徒歩を入れても15分もかからないですが、二つの人工撮影スポットの間には、戦前からの古い住宅地、開発から取り残されたような庶民の台所みたいな感じの市場通りみたいなエリアが有って、前回も思いがけず迷い込んだらイイ写真が撮れたので、今回も記憶を頼りに訪ねてみたら、カメラを提げた観光客がやってくるのが珍しいのか、祖母と遊んでいた極小姐がじっと見つめてきたので、広東訛りの中国語で、こんちは、写真撮ってもイイ、日本から来たんだ、とか声を掛けたら、祖母が満面の笑顔でどうぞ、どうぞと云うカンジで極小姐を促し、街頭スナップによる小さな国際交流となったもの。

十二枚目のカットですが、記憶を頼りに東へ東へと歩いて行くと、やがて、豫園に繋がる上海老街(オールド上海)の通りに出て、浅草の仲見世周辺のハデな土産物屋街やバンコクのワットプラケオ周辺の土産物屋通りにも相通じるような、如何にもアジア的な赤を基調として、ところどころ、金色を散りばめたカンジの街並みを観光客に混じって地元民も徒歩や自転車、そして二人乗りのノーヘルスクーターで元気に通り過ぎていくので、その様子を立ち止まって撮ってみたもの。

十三枚目のカットですが、やっと豫園のエリアに到着、南西のゲートから中にアプローチすることとし、そういや、去年は中に入る直前にとても美形の白人小姐二名にシャッター押すの頼まれて、その代わりにモデルさんになって貰ったっけかな、などと感傷に浸りながらレンズを交換し、まずは豫園内部の池の手前の広場で手を自撮り棒代わりに使い記念撮影をする香港人カポーのお姿を一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、前回訪問時、結構歩き回って、中のレイアウトはだいたい頭に入っていたので、まずは、池に浮か清時代の建築物のレプリカ越しに浦東地区のアジア一高い捩じりん棒みたいな超高層ビルの威容が見えるという不可思議な空間へ向かうこととし、ちょうどその途中で見かけた美形の欧米人小姐の記念撮影風景を横から一枚戴いてみたもの。

十五枚目のカットですが、豫園中庭の雑踏で、おそらくはタイからの観光客と思しき若いカポーがご自慢の自撮り棒を駆使して四方八方に向けて記念撮影をしているところをそっと横から撮ろうとしたら気づかれてしまい、笑顔でイイ写真撮れた?とか聞かれ、ホレこんなカンジと見せたら、是非欲しいと頼まれ、ぢゃ後で送って上げるからと約束した一枚。

十六枚目のカットですが、思わぬ国際交流にひやっとし、そしてニンマリした直後、豫園建物内部のハイテク土産物屋の入り口付近でスマホン二台持ちで、一心不乱にゲームしながら、おそらくはLINEとかいうSNSをも同時にこなすという恐るべき芸当をやってのけていたバイト店員の現地小姐の勇姿を傍らから一枚戴いてみたもの。

十七枚目のカットですが、もう陽も傾いて来たので、いったん駅前の宿に戻り、シャワーを浴びてから、頼りになる相棒のスマホンGalaxyS7edgeだけ持って、外灘と浦東の夜景を撮るべく宵の口に再出撃しようと駅に向かって歩き出した時、
駅の手前の大きな交差点で、夕陽を浴びるコロニアルスタイルの古風な建築物を背景に佇むローカル小姐二名組を姿を通りざまに一枚戴いてみたもの。
今回の旅の感想ですが、前回の厳冬期の訪問に次いで夏の暑い盛りの訪問、いわば二回とも観光オフシーズン中のオフシーズンで日本からのゲストが殆ど居ない素顔の上海を、自分の足で歩き、思う存分、見て、撮ることが出来たのは、航空運賃、宿代が安かったことよりも大きなメリットではなかったかと思います。
さて次回はまたしても旅写真、8月のお盆直後に訪問したお隣は韓国釜山の旅から二週に亘ってお送り致します、乞うご期待!!
- 2017/08/26(土) 23:32:19|
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さて、今週のアップは予告通り、7月の三連休+1で遠征した上海の今からの前編をお送り致します。
まず恒例の行程紹介から簡単に申し上げると、7月14日に成田から上海は浦東空港に飛び、インボランタリアップグレードの時は何かが起こる・・・の呪縛通り、今回も富士山の見えるビジネスの窓側の席に替えて貰ったのもものかわ、待てど暮らせどいつまで経っても飛行機は滑走路に移動せず、暫くして航路の混雑により、ということで一時間半近くの遅延で、上海についたのは陽も暮れた頃、更に市内からは結構不便な浦東空港から上海駅の目と鼻の先のホテルに入ったのは19時過ぎ、駅の周辺ではわざわざカメラを持ち出してスナップを敢行するような環境でもなかったので、顔本用の画を何枚か撮っておしまい、翌日は、意を決して、長距離バスに乗り、水郷へ行かん、と意気込み、ツアーが出ているという上海体育館へ出掛けたものの、そもそも乗り場が全然判らず、セカンドチャンスとして調べておいた、上海南駅からの定期便に乗って、独力で出掛けたもの。
そして滞在三日目は、またしても水郷制覇の野望に燃えた工房主は、この暑い中懲りもせず、上海駅から地下鉄に乗って、市内外れの水郷へ出かけ、そこでお昼過ぎまで撮ってから、ランチを兼ね、新天地へ地下鉄で移動、しかるのち、新天地で至極のランチ、食後に暫く辺りを撮ってから、前回は半分迷ったような写真撮りながら目的地へ着いちゃったような不可思議な散策が出来たので、その道を辿り、豫園まで歩いて行って、夕方まで豫園を撮って宿に戻って晩飯までおとなしくしていた、という行程。
では、さっそく、滞在二日めの中国国内の長距離バス単独行による水郷「西塘」での一日を行程に沿って見て参りましょう。

まず一枚目のカットですが、1.5時間近くバスに揺られ、西塘のバスターミナルに着くと、否が応にも目に付く、水郷エリアへの案内看板に沿って、暑い中中央入口まで徒歩で10分少々かけて移動し、そこで100元の入場料を支払い、中に入ると、辺りは整備された普通の公園みたいで、昔訪れたことがある「周荘」とか前回の蘇州みたいな雰囲気の老街が見当たらず、暫く奥に向かって歩いていくと、大きな池だか、運河の開けたところがあって、その遥か彼方に蘇州で飽きるほど目にした石造りのアーチ型の橋や、軒の両側が跳ね上がった瓦屋根の家々が見えたので、嬉しくてさっそくシャッター切ったうちの一枚。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

二枚目のカットですが、水辺の畔に有った水郷地区の全体図というか配置案内図を見て、遠くに見えた老街目指して歩くこととし、その途上にもそこここに売店やら茶店を兼ねた石造りの店舗兼住宅やら民泊のあいだあいだに運河というか掘割みたいなものが有って、同じ日本の水郷地区である佐原や近江八幡では考えられない間隔で橋が掛けられていたので、楽しく見物しながら手近なものに人が乗っかっていたので、これ幸いにと一枚撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

三枚目のカットですが、奥に向かって水辺の道を歩いてきたら、しめしめ、ローカル小姐が歩いて来て、この暑いさなか、半袖とは言え、シャツを着て、ズボンも長い綿パン履いて、サンダルではなく革靴を履き、ご丁寧にカメラを二台も提げていたのを見て、大事なスマホンを持ち逃げされたり、水中に投げ込まれる恐れもないと見たのか、そこそも流暢な英語で、シャッター押して二人を撮ってくれません?と聞いてきたので、OK、OKと何枚かポーズを変えて撮って上げたあと、おもむろに中国語で、写真撮っても良いか?と聞いて、モデルさんになって貰ったもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

四枚目のカットですが、気の良い上海小姐二人と別れてから、老街の入り口に着いたのですが、そこには動態保存の資料館みたいな位置づけの古民家みたいなのが在って、そうそう、入場料100元は20ヶ所近くの資料館、博物館みたいなところへの入場料も込みだったっけかな、と思い出し、少しでも元を取り戻すべく中に入ってみたら、建物や門、塀などのデザインがなかなかセンスよく、へぇ~とか思いながら何枚か撮ったうちの一枚。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

五枚目のカットですが、古民家資料館から出て、再び老街の水辺の道を散策しながら虎視眈々と被写体を探していたら、これまた古民家改造の土産物屋みたいなところの門前に大きな古木があって、その下の売店というか屋台みたいな土産物物販コーナーの辺りのごちゃごちゃ感がなかなかイイカンジだったので、誰か来ないかなと思った矢先、母屋から出て来た如何にもローカルカポーという風情の二人組が物色するでなし、興味なさげに店先を眺めていたので、一枚戴いてみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

六枚目のカットですが、日中ピークの暑さもものかわ、水辺の道を被写体を求め、更に進んで行くと、木陰で涼みながら、少し遅めのランチを摂っている親子が居たので、オモニが極小姐におでんだかを上げようとするのを目を細めニコニコと傍らで眺めていた、如何にも善人そうな雰囲気の若いヲヤジに一枚撮らせて貰って良いか声を掛けてみたら大喜び、食べるのに夢中だった極小姐に写真撮ってくれるんだから笑顔でお兄さんの方を向け、とか指示までしてくれ、まさに日中友好の懸け橋となったかの如き一枚。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

七枚目のカットですが、若い家族連れに撮影協力のお礼を丁寧に述べ、幸多かれと祈りながら別れ、ほどなくして水辺の視界が開けた遊歩道の先に目をやると、年端もいかないいたいけな童子達が、あたかもお金が無くて、どこもGW遊びに行けず、新宿辺りの喫茶店で集まってだべりながら日頃の不平不満を履き出し合っている、そんな風情を漂わせていたので、こりゃ、中国の病状も深刻だな、とか大きなお世話の気持ちで通りざまに一枚戴いてみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

八枚目のカットですが、この西塘の特徴、というかこの上海近郊の水郷は何処もそうでしたが、店舗兼住宅の軒先が次第に伸びて、通路自体があたかも廊下のような構造になってしまった独特のアーケード構造で、それも日本のどつぼった商店街みたいな殺風景な作りではなく、天井は組木細工で頑丈かつ荘厳な造作になっていますし、また床面も精緻な石畳模様が当時の豊かな街の美意識を表しており、息を呑みながらシャッターを押したうちの一枚。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

九枚めのカットですが、長い店舗兼住宅の連なる回廊を抜けるとまた上海近郊の水郷に特徴的な、東洋のベニスとも称された、運河に迫り出した石と漆喰で作られた独特の風合いの店舗兼住宅の連なりが姿を見せ、当日は暑かったことは猛烈に暑かったことは間違いないのですが、水面に映える、重厚な白い漆喰の壁の質感が素晴らしく、望遠でその絶景を撮ってみたもの。
カメラはLeica M8、レンズはVoigtlaender Heliar75mmf1.8による絞り優先、開放撮影です。

十枚目のカットですが、老街の前に開けた水辺の桟橋というか船着き場には、この西塘の運河内を巡る様々なコース設定の遊覧船があり、手漕ぎの櫓舟もあれば、船外機付きの実質モーターボートもありますが、一概に屋形船形式におそらくは篠で編んだと思しき屋根が掛けられており、容赦ない日光を直接浴びることなく、水面を渡る風だけ受けて水遊びが出来るという贅沢な仕様になっているようで、外からは丸見えなのですが、色は黒いがなかなか美形の小姐と目が合ったので、望遠で一枚撮らせて貰ったもの。
カメラはLeica M8、レンズはVoigtlaender Heliar75mmf1.8による絞り優先、開放撮影です。

十一枚目のカットですが、水辺から少し離れて、老街の陸側の路地散策でもしようかと思い、店舗兼住宅の途切れた辺りで奥行きが深そうな曲がりくねった横道に入ってすぐに、古びた漆喰の塀に派手なお化粧でも施したかの如き、赤紫の花々が咲き誇っていたので、思わずその対比に見とれ、次いで一枚撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十二枚目のカットですが、路地探検ののち、また老街のメインストリートに復帰し、水辺に沿って東方面に歩いていたら、香港みたいな雰囲気のそこそこ大きな水上レストラン、というか、係留したままの100トンクラスの船をそのままレストランに改装して、老街のメインストリートから手すり付きの跳ね板を渡って中に入るような構造になっていたのが面白く、家族連れが出てくるのを待ち構えて一枚撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十三枚目のカットですが、ミニ水上レストランを後にして、またメインストリートをひたすら東方面に歩いていたら、またしても蠱惑的な路地の入口が、あたかも時空の裂け目の如く、パックリと口を開けて、路地マニアの工房主においでおいでをしていたので、さすがに陽光燦々と降り注ぐ水辺の道ばかり歩き続けるのもしんどいので、涼しい日陰でもあろうかと見当をつけて飛び込んでみた路地の入口付近を撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十四枚目のカットですが、入った路地の奥まで行って、近代化された鉄筋アパートに遭遇し、地味な気持ちになって、今度は一本東側の別の路地から、雰囲気満点の老街のメインストリートに出たら、ちょうど目の前が木陰のベンチになっていて、結果としては、そもそも湿度が高過ぎて、暑く感じるのは直射日光の問題だけではないので、たいして涼もとれない場所なのですが、それでも少しでも過酷な直射日光から避ければということで、休むいたいけな上海小姐が数人いたので、そのまったりとした様子を一枚撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十五枚目のカットですが、老街の東の果て近くにはいちだんと高く大きな石橋が有って、こういう橋がまさに「石橋を叩いて渡れ」という丈夫でどっしりと安定感を漂わせた建造物なのに、更に叩くという一種の非破壊検査で安全性を自ら検証すべし、ということなんだな、とか妙に納得し、その上から運河の両側に広がる老街の街並みを撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十六枚目のカットですが、ふらふらと写真撮りながら老街の回廊やら水辺の小径を散策していたら、知らぬ間に有料の入場制限エリアから出てしまっていたようで、入場の時に「再入場するなら、今から指紋と顔写真を登録して貰う」とかゲートで云われ、そもそも出なきゃイイんだろ、そんな面倒なこと誰がするもんか、とか思い、一言「不要」(プーヤォ)と答えて入ってしまったことを思い出し、仕方ないから周辺でも撮って帰ろうと気持ちを切り替えた時、目の前にあった風景を撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。

十七枚目のカットですが、いかな有料エリアを出てしまったとは云え、そんなに急にミニ上海市内みたいな街並みに変わろうはずもなく、世界中から集まる観光客から1元のお金でも落としていってもらおうというつましい努力の賜物で、周りもそこそこ、内部の老街と違和感ない景色があったので、手近な橋の上から、遺恨の?老街方向を撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoigtlaender SW-Heliar15mmf4.5asph.IIIによる絞り優先、開放撮影です。
さて、次回の更新は翌週と云いたいところだったのですが、お盆の帰省前の更新が二週分間に合わなかったので、8/20の日曜日はスキップ、27日の日曜日とさせて頂きます。
後編は、市内水郷の「七宝」散策から、「新天地」「豫園」とエース級レンズ投入の数珠繋ぎでお送りします、乞うご期待!!
- 2017/08/13(日) 20:00:00|
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さて、今週のアップは予告通り、上州は太田世良田に400年以上も伝わるという、かつての「関東三大山車祭り」の一角「世良田祇園祭り」からお送り致します。
このお祭りは実家から電車で20分かそこらの太田市内で行われており、完全復活した3年前から毎年通って撮影しています。
尤も太田市がこの世良田地区を合併したのは、12年前の2005年前ですから、このお祭りを行う世良田東照宮にも「伊勢崎市無形文化財」という木札が神楽殿に掲げられていたり、昨年は確か伊勢崎市役所からも運営スタッフの応援が来ていたりして、まさに太田と伊勢崎と云う群馬県の3位、4位を競う都市同士の境界の街なのだと感じさせてくれます。
そんなこんなで今回は三回目の訪問、回を重ねる毎に見物客も増え、初めは質素だった山車も次第に彫り物が増え、絢爛豪華になって、往年の栄光に近づきつつありますが、今年はどんな状態だったのでしょうか。
当日の行動に沿って、実写結果を見て参りましょう。
カメラはX-Pro2、レンズは1~3枚目がVoigtlaender Ultron28mmf2.0、4~17枚目がCarl Zelss Distagon85mmf1.4MMJ、撮影条件は全コマ絞り開放による絞り優先AEとなります。
では、さっそく当日の行程に沿って、実写結果を見て参りましょう。

まず一枚目のカットですが、今年も毎年のように16時半頃の太田駅発の東武伊勢崎線に乗って、最寄りの世良田駅経由、会場である世良田東照宮及び国道354付近のエリアに到着したのが17時前、普段なら、まだ境内やその周辺の生活道路上で、出発前の準備をしている山車が数台居て、それらを目当てに撮影していたのですが、今年は既に国道354上に出てしまっていたので、撮影の安全と大漁を祈願ののち、ダッシュで国道354へ向かい、ちょうどメインステージのある交差点へ向かって移動していた山車が目に留まったので、その傍らから全貌を撮ってみたもの。

二枚目のカットですが、国道354上では、出陣式前の準備として、音合わせやら、演者と交代要員の配置などを確認し、メインの演者であるいたいけな童子達に大人たちが因果を含め、夜10時までの長丁場の出発前の万全の準備をしていたのですが、運行開始前の生演奏BGMも兼ねた童子達の笛や鉦や太鼓の熱演ぶりがなかなか板について来たので、介添えの大人衆に声かけて、屋台のすぐ脇まで入れて貰い、その様子を撮ってみたもの。

三枚目のカットですが、出発までまだ一時間以上もあるとのことで、とにかくまだ暑いし、得心行くカットは、まだ明るい天然光の時間帯に撮れるだけ撮ってしまいたかったので、国道354上の東西に散らばって停車している山車の間を行ったり来たりして、その様子を撮っていたのですが、ちょうど撮影に都合良く、交差点手前で2台の山車が団子状態で停車してお囃子を奏でていたので、斜め後ろからその様子を撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、停車している各山車とも、その周りは演者であるいたいけな童子達の保護者や地区の大人が取り巻き、井戸端会議ならぬ山車前会議やってたり、身内の記念撮影してたりで、なかなか近くに寄って、熱心にお囃子を奏でる童子達の様子を撮れるベストポジションに自力でアプローチするのは難しいのですが、そこはそれ気の良い田舎のコミュニティのこと、これはと目をつけた大人衆に声を掛けて写真撮りたいんだけど、と切り出せば、向こう正面の良い場所を空けてくれるので、一心不乱に小太鼓を叩く極小姐の姿もこの通り、というもの。

五枚目のカットですが、当日は曇天気味だったこともあり、17時も半を過ぎた辺りから空はだんだんと暗くなり始めましたが、レンズは既にf1.4という大口径の望遠に切り替えてますから、夜のシーンまではへっちゃら、ちょうど、山車が横に並んだ時、その前を歩く運行責任者の遥か先に別の山車が居たので、両者をモチーフにとした構図で1枚撮ってみたもの。

六枚目のカットですが、交差点手前で運行開始前の小休止、お囃子も暫く止んでいる時に、これまで太鼓を叩いたり、鉦を打ち鳴らしたりと炎天下でのいつもとは違う重労働にお疲れ気味のいたいけな童子達が、小休止にほっとした表情を見せていたので、望遠の利を活かして、傍らからすかさずその様子を一枚撮ってみたもの。

七枚目のカットですが、こういうイベントには付きものの、浴衣を着た小姐二人組観客の登場で、サービス精神旺盛なことに、かつての群馬最強のゆるキャラ、ぐんまちゃんやら、新進気鋭のゆるキャラ、おおたんの傍らに立って、アマチュアカメラマンのモデルやら、いたいけな童子達との記念撮影にも快く応じていたので、声かけてモデルさんになって貰ったもの。

八枚目のカットですが、なかなか運行開始しないので、いたいけな童子達は、これまでの日夜分かたずの過酷な練習で疲弊した心身がそうさせるのか、心地良い夕暮れの風に身を任せ、山車の手すりにもたれたまま、気持ち良さそうに惰眠を貪っていたので、傍らに歩み寄り、有難くそのお姿を一枚撮戴いたもの。

九枚目のカットですが、メインステージ上に運営側の役付きの人々が集まり、また威勢のイイお囃子の再開ということで、交差点付近の山車の上でお揃いの法被を着た、いかにも気立てが良さそうないたいけな小姐達が、いざ日頃の練習の成果を見せん!とばかり威勢の良い掛け声とともに小太鼓のバチを頭の遥か上まで持ち上げ、小気味良いリズムを奏で始めたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

十枚目のカットですが、同じ山車の後方に回ってみれば、晴れの舞台、いわばこの地区の山車のコンサートマスターにも相当する鉦の大役を任されたいたいけな小姐が、山車の下でカメラを構えるオモニのモデルになりながら、一方では笑顔で正確無比なリズムを刻んでいたので、その対比を天晴れと感じ、傍らから一枚撮ってみたもの。

十一枚目のカットですが、再び交差点の西側に目を転じれば、西の外れに停車して運行準備を行っていた地区の山車が、運行開始前の式典に向けて、交差点方向に動いて来たので、国道354上の比較的開けて背景が良好な位置に陣取り、ちょうど背筋を伸ばし、前の一点を見て歩く運行責任者が提灯持って誘導して来たので、その姿を一枚撮ってみたもの。

十二枚目のカットですが、式典開始前のお囃子演奏タイムで、眠気に任せていたいたいけな童子達も、やっと出番がやって来たことを悟り、若さゆえの素晴らしい回復力でしゃんとし、目を爛々と輝かせて、隣接する他の地区の山車の演奏状況をはじめ、辺りの状況を窺っていたようなので、その様子を一枚撮ってみたもの。

十三枚目のカットですが、このお祭りの面白いところは、既に運行様式が確立してしまっている、佐原や鹿沼、川越といった観光客にも大人気の新興山車祭りとは異なり、立派な山車こそ揃えてきてはいますが、村祭りの延長戦なので、その運用は緩く、演奏には関係ないいたいけな童子も体験乗車とばかりに乗り込んでおり、ばっちりと浴衣を着込んだ極小姐が退屈そうに外の様子を眺めている姿を一枚撮ってみたもの。

十四枚目のカットですが、毎年撮らせて貰っている、或る地区の山車の美人姉妹を今年も見掛けたので、撮らせてよ、と声かけたら、ちょっと待っててね、ということで、ヲヤヂさんに相談してきたら、いかにも剛毅そうなお祭りヲヤヂさんが出て来て、「ハィどれでも好きな子撮って!」ということで快諾、しかも顔本で宣伝しても一向に構わないという太っ腹なお返事も戴いたので、得心した美人姉妹+1の小姐3名様が山車の前でポーズ決めてくれたもの。

十五枚目のカットですが、どこの時代、どこの地区にも、こういうイベントを口説きのチャンスに私用する不心得者は居るもので(笑)、山車の上で、お囃子の演奏も何処へやら、適当に太鼓を時折叩きながら、この兄ちゃんは隣の席に座らせた、浴衣の極小姐とじゃれっこし通しで、本人達は知っての上でのお構いなしか、数少ないカメ爺、カメ婆各位の餌食になっていたので、尻馬に乗って一枚撮ってみたもの。

十六枚目のカットですが、そろそろ主催者側の挨拶を皮切りに運行開始前の式典が始まるということで、いちおう、観光協会の心証を慮ってしおらしくメインステージ前交差点広場に歩いて行ってみれば、ラッキーなことに、太田まつりの時に選出される実質的なミス太田である「ミス八瀬川」の小姐2名が居たので、声かけてモデルさんになって貰ったもの。

十七枚目のカットですが、今年の運行開始前の挨拶をはじめとした式典は、やれ小学生による鼓笛隊の演奏だ、やれ地区老人会の詩吟披露だ、やれ地区の幼稚園児による相撲甚句の演舞だ、とか山車祭りとは到底縁の無い催しものが一時間近く続くことになっていたので、仕方なく見切りをつけて市内に戻ることとし、駅に向かう直前、ふと目を向けた山車で、ヲヤヂさんとかき氷なんか旨そうに食べてた極小姐の姿が目に留まったので、傍らから一枚撮ってみたもの。
今回の感想ですが、まだまだ田舎の夏祭りテイスト溢れる手作り感満載のお祭り状態なので、とても楽しいと思いました。また回を追うごとに観客も増え、山車も絢爛豪華に成長していくので、いつの日にか「関東三大山車祭り」の一角に返り咲く日が来るのだろうかとも期待してしまいました。
さて次回は二週間に亘り、撮影時期は多少前後しますが、7月の三連休+1で遠征した上海の今をお送り致します、乞うご期待!!
- 2017/08/06(日) 22:35:43|
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