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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

The true charm of handmade optics~Fukagawa 9th Anastigmat 45mmf1.8~

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さて、今週のご紹介は、予定変更、金曜日の晩に軽く飲んで帰ってきてから、手元のジャンク機を分解して取り出した国産コンパクトカメラの前後アッセンブリをいじくり回していたら、突如、インスピレーションが降りてきてしまったので、土曜の朝から旋盤回してぐりぐりと加工し、コリメータ見ては修正し、ということででっち上げたオリヂナル光学系のご紹介となります。
メインパーツはCanonL50mmf1.8Iを使用し、その中の光学エレメントを一切取り払ったどんがらとし、そこに、jかねてからジャンク機を分解して取り出してストックしていたエレメントを組み合わせて標準域の焦点距離をも持つ光学系を作り出したということです。
何故、土曜の朝からちゃっちゃっとやって、日曜には試写出来るくらいのスピードで開発、製造出来たかというと、実は元々、HEXANON45mmf2.0のコンプリートが一式揃っていて、そのリマウントを行おうとパーツを作り込んでいたのですが、最後群、即ちL6にカビ跡やコーティングムラこそあれ、キャノンの内鏡胴に無加工で押し込める後群アッセンブリを発見し、それがCOLOR YASHINON DX45mmf1.7で、せっかくなので、L6はまマミヤかリコーから取り出したちょうど寸法の合う凸玉に入れ替えて三社連合の光学系とした次第。
しかも、今回のチャレンジは光学系をでっち上げたことよりも、今までは薄塗りと白文字入れが困難だったので、絞り環の黒塗り化は諦めていたのですが、今回、たまたまペイントブラシ並みに吐出量コントロール出来るスプレーを発見し、それを使い塗装後、焼付けし、水性リキテックス使って文字入れした次第。
では、さっそく、その実力のほどを確かめて参りましょう。
ロケ地は原宿から表参道、カメラはFuji X-Pro2、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、木場から地下鉄に乗り、移動した先は明治神宮前/原宿の駅でそこから竹下通りに向かうと、浅草の仲見世や新宿歌舞伎町の目抜き通りをも凌ぐ雑踏で、しかもその中ほどに立ち止まって、自撮りなんか敢行する外国人観光客が後を絶ちませんから、シャッターチャンスがあちこちに落ちているのも同様、有難く中国産小姐の自撮り模範演技を横から1枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、行き交う人の間を縫って、被写体探しながら竹下通の中を進んでいくと、結構、カメラやレンズには興味を持つ人も居るようなので、すれ違いざま、工房主のカメラとレンズに一瞥をくれた中東系の殿方と白人のご婦人のかカポーに声を掛け、趣旨を説明の上、栄えある本日第一号のモデルさんになってもらったもの。

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三枚目のカットですが、竹下通りの原宿側入口から200mかそこら中に入ったところにある、七色のウンコ型綿菓子を商う店の二階店舗への階段踊り場で、赤い髪の毛の白人小姐が流暢な日本語でテキパキと客をさ捌いていたので、下から撮ってイイ?と声掛けたら、うんうんと不承不承頷いてくれたので、有難く1枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、階段上の赤毛の小姐にお礼を述べて、また竹下通りを表参道方面に進んで行くと、ままたしても、撮らせてくれそうオーラを発しているハーフの殿方と白人小姐のカポーに遭遇、さっそく、出演交交渉し、竹下通りの雑踏を背景に二人揃って一枚撮らせて貰ったもの。

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五枚目のカットですが、二人組を撮り終え、例を云って、歩き出して直後、MARVELLとDCの映画キャラのコスプレ混成軍みたいな白人男女の集団が歩いて来て、これはしめしめ、とか思い、たまたま目が合った、スーサイドスクワットに出て来た「ハーレィクィン」のカッコしてる小姐に「Buenasu Tardes,Harey Queen!」とか声掛けたら、如何にも判って貰えて嬉しいとばかり破顔したので、モデルさんになって貰ったもの。

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六枚目のカットですが、ここ竹下通りは人通りもお店も多いですが、長さ自体は大したことないので、写真撮りながらでも15分も歩けば、表参道側の出口に到達してしまい、ただ、この出口の門の辺りからは比較的見晴らしが良いので、後から後から歩い来る人間を撮るのには好都合なので、ゲート下に佇み、個性的な白人小姐が来たのを見計らってシャッター切ってみたもの。

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七枚目のカットですが、竹下通りを出て、反対側の原宿通り経由、表参道まで移動しようと、明治通りに面した交差点で信号待ちしていたら、赤い大柄チェックの長袖シャツを粋に着こなしたザンギリ頭の東南アジア系小姐が、おもむろに自撮りなんか始めたので、その様子を通りざまに1枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、同じ明治通り沿いの交差点で、右手方向を向けば、これまた若い外国人観光客が、マドリッドやパリぢゃあるまいし、真昼間から背中に手なんか回しちゃって、仲睦まじさを最大限発信しちゃってくれてましたから、それぢゃ遠慮なく、と有難く後ろから一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、明治通りを横断し、原宿通りに入って100mも行かないうちに浴衣の小姐発見、何処か適当なところで追い縋って出演交渉しようと思い、まずは風情有る通りの中で後ろ姿でも、とか歩きながら撮っていたら、あらら、店舗の中に入っちゃって、これきりのカットになってしまったという残念なもの。

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十枚目のカットですが、ここも浅草仲見世の扇屋さん店頭の大和絵団扇同様、定点観測スポット化しつつありますが、一階がファミマ、地下が確か美容室とかなっている店舗兼住宅の地下に降りる階段入り口になかなかイイ経年変化した木の椅子とその上にランプ風オブジェが置かれていたので、背景に適度に観光客も入れて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ここ原宿通りも竹下通り以上に短い通りで、すぐどん詰まりに行き当たってしまい、奥のコンクリート防護壁伝いに北へ曲がるか、手前を南へ曲がって表参道のメインストリートに出るよりないので、その手前の南へ曲がる角にあった時計屋さんのセール看板にピンを置き、背景に観光客を入れて撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、原宿通りから表参道へ抜ける道の途中にもアパレルから小物の物販店、そしてび美容室等々、なかなか趣向を凝らした店舗等が立ち並んでいますが、その中でも配色やモチーフが秀逸とお思った店舗側面の壁画の前を、今風の装束に身を包んだいたいけな小姐二人組が過ぎて行こうとしたので、とっさに一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、同じく表参道へ抜ける裏通りに面した半地下店舗の店頭に、紫の色も鮮やかな、このシーズンの象徴の如き、紫陽花の株が植えられていたので、店頭壁面に描かれたお店のロゴをバックに最短距離で一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、そろそろ表参道との境界であるPolo by Ralph Laurenの重厚なビルが見えてきそうな辺りの店舗の店先でタンクにCFRPのテクスチャのシールを貼り付けた黒い大型バイクが停められていたので、華やかなこの通りにはやや異質な存在が却って作画的には面白く、ローアングルから一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、被写体を物色しながら歩いていくと、程なく、Polo by Ralph Laurenの煉瓦張りの、大学と見まがうが如き重厚な建物の近くまで到達し、今回の標準域の焦点距離では、ポジション的に建物の全体像は獲れないので、適当な通行人を入れて、特徴的な部分のみ撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、表参道へ上がるスロープ状の通路上にはちょっとした広場のようなところがあって、いつも国内外の観光客がたむろして賑わっていますが、今回もタイ人と思しき若いカポーが、もぐもぐタイムで一休みしているところを戴こうかと思ったら、子連れ狼拝一刀宜しく、険しい目つきの白人男性が携帯で話しながら乳母車を押してきたので、役者揃ったところでシャッター切ったもの。

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十七枚目のカットですが、表参道に出たらもうそんなに被写体はないだろうなぁとか逡巡しながら、青山通りこ交差点目指して出してすぐ、この産まれたばかりのレンズの初陣を祝福するが如き珍客が路上に現れたので、すかさず人混みを縫って車道際まで撮って、その光輝く黒い車体を撮らせて頂いたもの。

今回の感想ですが、うーん、こういうレンズが好みという人が居る話を聞いていなかったら、作り直しをしていいそう(笑)
但し、絞り環の黒塗り焼き付け+白文字入れの技術をほぼ確立したので、次回以降の製造技術アップにはお大幅に役立ったようです。

さて次回は田舎に帰省予定につき一週スキップ、今度こそLeica M(TIPO240)による古玉再発見でもやりましょう、乞うご期待!!
  1. 2018/06/24(日) 22:23:29|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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Riunione con fate dei fiori~Itako Iris Festival'18 and walking in Sawara~

さて、今週のご紹介は予告通り、潮来あやめ祭りの嫁入り舟撮影用に持っていった望遠と佐原の街並み撮影用に持っていった超広角の何れもカールツァイスの製品の競演をお送り致しましょう。
潮来のあやめ祭りは毎年、5月の25日くらいから一か月程度、潮来駅至近の「前川あやめ園」を会場として開催され、その期間は、ミスあやめ娘の小姐各位が園内を歩きながらモデルさんになってくれたり、週末の集客イベントとして、「潮来嫁入り舟」が盛大に開催されたりと、都内、或いは近郊のイベントに比べれば、人出は今一歩の感無きにしもあらずではありますが、それでも地元の方々の催しにかける熱意と、工房主のように毎年通うコアなファン等に支えられ、ほんわり感の漂う、居心地の良いこじんまりとした年中行事となっています。

今回はちょうど花のピークとも云われた6/9(土)のお昼過ぎ現地入りし、瑞々しい花々はもちろんのこと、毎年顔を合わせる、あやめ娘各位やスタッフの小姐も撮らせて貰ったりとなかなか満足度の高いイベントで、ただ、狭い会場のこと、それほど長時間滞在して花のみ撮るほどのこともないので、今回は泊りではなかったため、「嫁入り舟」の後、15時台初めの電車で佐原に戻り、そこで17時前まで撮ってから高速バスで東京駅まで戻ったというのが当日の行動でした。

では、さっそく当日の行動に沿って、カールツァイス兄弟の活躍を見て参りましょう。
カメラはX-Pro2、レンズは1~3枚目までがSonnar135mmf2.8、4~17」枚目までがDistagon18mmf4による全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、毎年、ほぼ同じインターセプトポイントから嫁入り舟ご一行様があやめ畑の中を静々と歩いてくる様子を撮るので、長めの玉を必ず一本カバンには入れて来るのですが、今回は昨年の北京ツアー用に購入したSonnar135mmf2.8、APS-Cの画角換算で約200mmを使って、渾身の花嫁ご一行様を撮ろうと準備してきたので、大ボケ玉から付け替えた際、試写で3mほど先に咲くあやめの花を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、ポイントで待つこと10分弱、14時かっきりに妙なる調べが流れるあやめ園の東側土手の上に、白無垢の衣装に身を包んだ花嫁さん、その付き添いのご両親と潮来市青年会の有志の方々が長持等を担いで現れ、まさにしずしずと一歩歩いては立ち止まり、また一歩歩いては立ち止まり、という撮影の利便性も考慮したかの行進であやめ畑の中を櫓船の船着き場目指して歩いて来たので、渾身の一枚をモノとすべく、ファインダ越しの表情を追いながら、ここぞと思ったシーンで撮ったうちの一枚。

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三枚目のカットですが、花嫁ご一行は登場してから10分もしないうちにあやめ畑の中の道を歩ききって、櫓船の船着き場に辿り着きますが、その前に第二インターセプトポイントである嫁入り舟の撮影場所にダッシュで移動し、川の見える柵際は物見高い見物人がまさに文字通り鈴なり状態なので、適当に空いているところに割り込ませて貰い、漕ぎだしてこちらに向かって来た舟を今年は橋の上から撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、あやめ園の西側のすぐ真横を流れる前川は、200mほどで北利根川に接続する位置関係なのですが、「嫁入り舟」はあやめ園内中央部の前川に面した船着き場から漕ぎだすと、手漕ぎの櫓船であっても、5分かそこらで北利根川の堤防上水門脇に作られた観光船着き場のようなところで待つ花婿の元へと到着するのですが、そこからまた記念撮影後、人力車に乗って何処かへ走り去るという成り行きなので、発車前の様子をローアングルから一枚撮らせて頂いたもの。

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五枚目のカットですが、メインエベントの「嫁入り舟」を撮ってしまえば、あとは宵のライトアップの中での嫁入り舟まで、特段、イベントなど無いですから、電車の時間まではひたすら可憐な花の妖精たちと向かい合って、今年のその姿を残すのみなので、広角の寄れる特技を活かし、ほぼ最短で一輪のあやめの花をあやめ園のランドマークである太鼓橋をバックに撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、15時5分発の鹿島線に乗って、10分強ほどで佐原駅に着くと、いつもとは180度逆のコースで、忠敬橋をほぼ最短で目指すのではなく、旧市街の西方向、造り酒屋が並ぶ佐原街道方面へと歩き出し、暫く歩くと、追分交差点のようなところに佇む、「よろず屋」系の個人商店があったので、懐かしく思って、一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、二軒並ぶ造り酒屋のうち、有名な東薫酒造の方は案内付のツアーでしか内部にはい入れて貰えないことになっていて、ちょうど、15時半のツアーが出てしまったので、待つのも時間が惜しいのので諦め、次なる目的地の馬場商店に向かい、そこは仕込場の手前までは自由に入れるので、旧倉庫前のちょっとした庭園の佇まいを撮らせて貰ったもの。

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八枚目のカットですが、子供の頃、実家が忙しい時、預けられていた母型の実家の造り酒屋にもあった、煉瓦積みの角断面の煙突が青空に伸びる様が妙にノスタルジックで、18mmの画角を活かし、薄雲の浮かぶ青空をバックに倉庫越しの煙突の姿を撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、佐原の旧市街地には、空襲が無かったこともあり、また、鉄道の便もそれほど良くなかったこともあり、奇跡的に蔵造の旧家屋が良好な状態で保存されており、近年はその街並みが観光資源ととして、外部から客を呼べるようになったこともあり、玄関先を開放して、家の中の様子を差し支えない範囲で見せてくれる家もそこそこあることから、通りがかった一軒の旧家の玄関先の様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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十枚目のカットですが、佐原の旧市街には幾つか有名なランドマークがあり、年二回のお祭り以外の時でも、東京等からの観光客が休日にはそこそこやって来ては、地図を片手に写真撮ったりして散策を楽しんでいたりするのですが、ここ、「与倉屋の大土蔵」も本来の醤油蔵としての役目は終えましたが、イベントホールとして、随時開放されて、中に入ることが出来るのですが、来月初までは開放の機会は無いとのことだったので、外観のみ撮影したもの。

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十一枚目のカットですが、「与倉屋の大土蔵」横を通り抜けると、すぐに旧市街の真ん中を南北に流れる「小野川」の流れに行き当たり、土蔵周辺の店舗兼住宅もしっかりと景観に調和した、時代がかった木造の佇まいに統一されていて、しかも今回は佐原でもあやめ祭りをやっているということで、川のほとりのあちこちにか可憐な鉢植えのあやめの花が咲いていてので、川と街並みを背景に一枚撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、そうこうするうちに16時になり、30分に一回の「ヂャーヂャー橋」からの放水デモンストレーションの時間となったので、当日は中国人観光客が結構多かったので、ベストポジションを団体で占領される前にダッシュし、伊能忠敬の実家をバックに放水する橋の周りを一枚撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、放水が終わった「ヂャーヂャー橋」を後にし、小野川伝いを上流方向、即ち佐原駅方面に戻りながら撮り歩くこととしたのですが、歩き出してすぐさま、遊覧船が放水が終わり、下をくぐることが出来るようになっなったのを見計らってやって来たので、通り過ぎざまに一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、忠敬橋を渡ってすぐ、小野川伝いの道のうち、西側の方を歩いていたら、ここでも、川のほとりの休憩用ベンチの横に可憐なあやめの鉢植えが飾られていたので、川の対岸に見える、醤油、つくだ煮等で名高い「正上商店」の木造建築を背景として、川面も入れて一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、佐原の川伝いの道を散策すると、誰もが撮りたくなる街のランドマーク「正上商店」の向こう正面、真下の小野川の木製の船着場には櫓船が繋がれていて、江戸情緒120%だったので、嬉しくなって立ち止まり、薄雲が浮く青空をバックに一枚撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、ここも小野川沿いの旧市街のランドマークのひとつ、「木下旅館」の手前で、川のほほとりの柳の木の下にもあやめの鉢植えが飾られていて、ローアングルから狙えば、ギリギリ、「木下旅館」をバックに入れての構図が出来なくもなかったので、試しに一枚撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、そろそろ佐原駅方面への道へと曲がって、川伝いの道から離れなければならない辺りに差し掛かる手前辺り、旧家と旧家の間の、大人二人が肩を並べてやっとすれ違えるような、中国華南や台湾の老街などに見られる狭い路地が目に留まったので、21mmのパースを活かし、一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、うーん、カールツァイスのレンズはやっぱりイイですね♪・・・使用した玉はいずれも、コンタックスブランドの日本製一眼レフ用に用意された交換レンズですが、よくよく考えてみれば、一眼レフ用では、18mmから200mmまで、ズームも二本有って、殆どの焦点距離を揃えていたのでした。そうそうQBMマウントも含めれば、最大派閥かも知れません。

さて、次回jはLeica M(TIPO240)使っての旧玉再発見でもしましょうかね、乞うご期待!!
  1. 2018/06/17(日) 20:25:38|
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猴子也從樹上落下~Fukagawa Experimental Optic 41mmf1.9~

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さて、今週のご紹介は予告通りに久々の工房製オリヂナル標準レンズ九号機のご紹介を致したいと思います。
実は、水曜夕方から加工を始め、殆ど完成に近かったテッサータイプのレンズがRF用にはフランヂバックが長すぎることが判り、貴重なCanon5cmf1.8のヘリコイド&マウントユニットを使うのにはもったいないと考えたため、金曜日の夜8時の時点で方針変更、今まで仮組して放ったらかしにしてあったWガウスタイプのレンズヘッドを、急遽、、バックフォーカスを合わせるべく最後端のエレメントに手元の凸レンズを幾つか試し、どんぴしゃで28mm付近に来たものをスペーサを介してヘリコイド&マウントユニットに固定したもので、先の8号機のような綿密な収差計測や調整など行わず、出たとこ勝負で翌土曜日に潮来あやめ祭りに試写に出てしまったもの。
このレンズ、L1とL6はマルチコートの別の機種のレンズを使っていますが、L2+3の二群、L4+5の三群はキャノン5cmf1.8のものをそのまま使っております。
さぁ、どんな大暴れレンズに変身したか、当日の実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはX-Pro2、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、木場の駅を9時57分発の東西線で西船橋経由、潮来駅に着いたのが12時半前、二時間半近くの長旅ではありましたが、駅前の「長崎屋食堂」さんで絶品のづけ鮪丼定食700円(税込)を戴き、しかるのち、駅至近の前川あやめ園に入ったのが午後1時前、さっそく、園入り口付近でいたいけな極小姐相手に愛敬を振りまいていた「あやめちゃん」のお姿を一枚戴いたもの。

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二枚目のカットですが、「あやめちゃん」の淡色系のボディを撮った際、かなりフレアというかハロっぽい特性であることが判っていたので、では薄紫色の被写体に陽が射している状態ではどうか?ということで、園内のあやめ畑で手っ取り早く撮れそうな孤立花を探して最短距離で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここあやめ祭りに来たら、絶対に忘れてはいけないのが、ミスあやめ娘の小姐達の撮影で、まさに手ぐすね引いて待っているというか、誰も声をかけて上げないと、お茶挽き状態になってしまうのが一目瞭然とばかり、「潮来」の白い暖簾前に勢揃いしていたので、お久しぶりですね、まずは一枚お願いします、とか適当に愛想を振りまいて撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、モデルさんになってくれるミスあやめ娘の小姐のOGということはないでしょうが、ちょうど、彼女達のオモニくらいの年齢の大姐というかアヂュモニ達が、お揃いの、粋でいないなせな白い浴衣みたいな着物に身を包んで、一糸乱れず、あやめ畑の中の小径で創作舞踊みたいな踊りを舞っていたので、遠目に1枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、ここ潮来市は、上州笠懸郡三日月村(現群馬県太田市薮塚)の木枯らし紋次郎、遠州森町(現静岡県周智郡森町)の森の石松と並ぶ大衆時代劇三大スターの一角、潮来の伊太郎の出身地として世界に名高い場所であることから、顕彰碑とともにあやめ園の中心にその銅像が建てられているので、表敬の意味も含め、下から1枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、ここ潮来のあやめ祭りでは土日の11時と14時、そして夕方は19時に嫁入り舟といという、潮来の伊太郎と並んで世界に冠たるフォークロアを題材とした、実際に挙式予定のカポーにご出演頂き、あやめ園の中を静々と花嫁行列が進んで、しかるのち、手漕ぎの櫓舟で花婿の待つ、北利根川の埠埠頭まで漕ぎ出すというイベントが用意されているのですが、まだ開始までには時間があったため、船着き場に係留されていた嫁入り舟を撮ろうとしたところ、ちょうど頃合い良く、娘船頭ならぬ爺さま船頭の漕ぐ櫓舟が漕ぎ出したので、通り過ぎる瞬間を見計らっての渾身の一発。

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七枚目のカットですが、嫁入り舟越しに爺さま船頭の漕ぐ船を見送ったら、次いで正真正銘の娘船頭さんの漕ぐ櫓舟がやって来たので、望遠を付けたEOS50Dをカバンに入れて来なかったことを一瞬悔やみながら、それでも何とかその雄姿というか可憐なお仕事ぶりを残すべく、この使いずらいレンズで何とか追い縋ってモノにした一枚。

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八枚目のカットですが、この神経質というか破天荒なキャラの大暴れレンズの使い方もだいぶ判ってきたので、とにかく、直射日光下では撮らない、高反射率のものは画面中央からは避けるという二点を守って撮るべく、背景開けている位置に咲く二輪の薄紫と薄青の花を見つけたので、さっそく、実験とばかり中央に配置し、最短距離で撮ってみたもの。

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九枚目のカットですが、では、画面中央でない位置に比較的明度の高い黄色い花を入れて、更に背景の大きめの構造物を入れて撮ってみたらどうなるかと考え、園内を徘徊しながら、橋の南側に咲く、黄色いあやめの株を見つけたので、太鼓橋を背景に構図を取っていたら、たまたま日傘の貴婦人ならぬローカルアヂュモニ二人組が通りがかったので、印象派の絵画みたいになるかな、と思い試してみたもの。

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十枚目のカットですが、このレンズ、コントラストも低く、彩度も低いダメダメレンズであることは間違いないののですが、それでも、非点収差の発現の仕方がなかなかツボを得ており、特にこういう花が群生する場所で、至近距離の被写体を撮ると、あたかも野分のさなか、一輪咲く花のように、というか、モーゼの十戒の海が割れるシーンの如きダイナミック感を表現してくれることが判ったので、構図を工夫して撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、ぐるぐるがなかなか面白く撮れるので、ついつい、禁断のそっち方面にはまってしまいそうになって、駄目だ駄目だ、自分の目指す写真は、その道具たるレンズはこういう路線じゃない、とか自自分に言い訳しつつ、目の前のきれいなお花畑が不肖のレンズを通すと、全く別の世界にトランスフォームししてしまうのが面白くてついつい撮ってしまったもの。

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十二枚目のカットですが、似たり寄ったりの花達ばかり撮るのも、せっかく、電車乗り継いで二時間半近くかけて茨城の沿岸くんだりまでやって来た意味がないので、ミスあやめ娘の"セット販売"ではなく、バラ売り状態の個別撮影会なんか出来ないものかとか不純な考えを巡らせながらお花畑を徘徊していたら、何と、あやめ娘小隊とは別動隊の藍染法被の小姐が笑顔で歩いてきたので、かくかくしかじかと事情を説明し、モデルさんになって貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、撮ったカットを藍染法被の小姐に見て貰い、お世辞でもすっご~ぃ!とか感動して貰ったかのお言葉を頂戴し、ついつい図に乗って、もしかしたら、このレンズは画期的な発明品なのかも知れないとか思い込み、ちょうど太鼓橋の真下の日陰で咲いていた一輪の薄紫のあやめの株を見つけたので、ままたしても最短距離で一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、反射率の高いものに対しては、物凄いハロで、X-Pro2の背面モニタでは日中、細部を確認することは出来ませんでしたが、ただ、先の日陰のあやめを最短で撮ってみた時、解像力はそれなりにあることは判ったので、では、反射率のそこそこ低い、或る程度の距離のオブヂェはどうかと思い、園内に設置されている足踏み水車を5m程度の位置で撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、そういや、スマホンでは何枚か撮ったものの、このレンズで以て、あやめ園の全景を撮っていなかったなぁと気付き、急遽、太鼓橋の上に駆け上り、嫁入り舟を上から望遠で狙おうと不埒にも大型三脚なんか据え付け始めたカメ爺、カメ婆の間隙を縫って、園内の北の方角に向かって全景を撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、そろそろ、嫁入り舟の撮影ポジション取りで園内のカメ爺、カメ婆がざわめき出す頃ではありましたが、そこはそれ、もう10年近く、毎年通っていますので、あやめ畑の中の行列撮影のベストポジションから、舟に乗り込んだ一行を捉えるインターセプトポイントまで熟知してますから、ギリギリまで園内で撮り歩けるワケで、まだ太鼓橋の上で、娘船頭さんの漕ぎ出す様子を余裕こいて一枚撮ってみたもの。

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十七枚目のカットですが、そろそろいつものあやめ畑傍らの定位置に向かおうかと思った矢先、いたいけな女子高生と思しき小姐が菅傘なんか被って、文字通りミドシップに搭載された状態でやってくる舟が目に入ったので、これを待って、上から一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、うーん、やっぱり時間かけてきっちり収差測定して組まないと、使い易いレンズは生まれませぬ・・・とにかく、コントラストも彩度も高い、シャープなレンズが好みなので、そういった意味では今回のレンズは拙速に組み上げたため、失敗作でしかありませぬ。ただ、この非点収差の出方はそのままで、フレアを抑え、コントラストが上げられれば、使い易くて面白いレンズが出来そうな気もしますので、今後の研究課題としましょう。

さて、次回は潮来あやめ祭りの嫁入り舟撮影用に持っていった望遠と佐原の街並み撮影用に持っていった超広角の何れもカールツァイスの製品につき、その競演をお送り致しましょう、乞うご期待!!
  1. 2018/06/10(日) 17:24:26|
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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