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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Nostalgic but very capable, CC Petri 40mmf2.0 mod. FX by F.G.W.G.

Petri40mmf2_000.jpg
まず、先週は、急にPCのWindowsの具合いが絶不調となり、これを再インストールする時「個人ファイル・設定を保存」したにも関わらず、画像編集ソフトどころか、Word、Excel互換ソフトまで雲散霧消してしまい、その再設定に時間を取られてしまい、完全リカバーはこの週末まで持ち越され、従ってアップも不本意ながら一週間スキップをせざるを得なかったという次第です。

で、そのご紹介予定だったレンズですが、確かに不用意にアップしてしまうと、まだ使えるものまで破壊され、その挙句に再利用も出来ず、結局、屑箱行きを量産させてしまう虞れがなくもなかったので、じっくり時間をかかけてアップ出来る今週の方が好都合ではあったのですが、先の栃木祭りでテスト撮影を兼ねたデヴューを遂げた「Petri CC 40mmf1.7」をXマウントに改造したものをご紹介したいと思います。

まずはレンズのご紹介ですが、このレンズが装着されていたのが、PETRI ES AUTO35というコンパクトレンヂファインダー機で、1974年に発売になった電子制御の銀塩機で、何と40mmf1.7という、キャノンが一世風靡したキャノネットQL17に対抗するかの如き奢ったレンズが搭載されていた、とても意欲的な製品でした。
しかも、キャノンが45mmでf1.7だったのに、より広角側でf1.7というところに小メーカーの心意気を感じてしましまいました。

完全に分解出来なかったので、反射光と前後群を外してのレンズ度数と曲率等からの推定では、4群6枚、しかも前後の凸エレメントが殆ど同じ大きさ、曲率であることから、まさに広角プラナー型の典型ではないかと思いました。

このレンズを距離計もファインダも機能不全になっていた、ジャンク機から艱難辛苦の果て取り外し、無限の取れないMマウント経由、全長を縮めたFXアダプタを介してFXマウント化したものです。

では、さっそく実写結果を逐一、見て参りましょう。

ロケ地は栃木祭り、カメラjはFuji X-Pro2、全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、11時過ぎにメイン会場である大通りに入り、そこから北の方向に歩いて行く途中、何組かの山車、及びその町会の社中とすれ違いましたが、その中で、なかなか派手な衣装をまとい、しかも先導を務める手古舞シスターズにありがちな濃い化粧とバリバリの日本髪風カツラではない普通っぽいポニーテールが初々しい、如何にもローカル小姐ですよ、という風情の小姐が目に留まったので、横に並んで一枚撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、引き続き大通りを奥へ奥へと進んで行くと、いたいけな童子達が先達を務める山車とその町会社中に遭遇したのですが、遊びたい盛りの童子達ににしてはなかなか殊勝な心掛けで、大声を掛け合って、出発前の規律を保とうとしていて、その緊張感に溢れた雰囲気を至近距離から撮らせて貰ったもの。

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三枚目のカットですが、同じ山車の社中で、町会の他の子を撮ると、自分も写真を撮って貰いたいらしく、先先達の小々姐の一人がおっかなびっくりこちらを見つめていたので、ホラ撮るよ、とか言って、カメラを向けたら、如何にも待ってましたとばかりに満面の笑顔を浮かべてくれたので、有難く一枚撮らせて貰ったもの。

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四枚目のカットですが、今回の一連のお祭りシリーズの総集編のような、隔年開催の栃木祭り本祭りで、なかなか幸先の良い滑り出しだったので、遭遇する山車の町会ごとに、まずは先達の金棒曳きの小姐のカットを撮らせて貰っていたのですが、大通りの真ん中辺りで出会った町会の山車のの先達の小姐はその器量もさることながら、なかなか撮り慣れていらっしゃるようで、工房主のみならず、次から次へとやってくるカメ爺、カメ婆の無理繰り要求にも笑顔で応えていたので、その熟練のポートレをお願いした一枚。

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五枚目のカットですが、実は今回、栃木祭本祭では前回のUltranit50mmf2.8をはじめ、このレンズを含めて3本をテストを兼ね持ち込んだのですが、元肥料屋さんの店頭にさりげなく置かれた黒塗り大八車の上に置かれた季節の花の鉢がなかなかイイ雰囲気を醸し出していたので、手前の車輪のエッヂにピンを合わせて全レンズで撮ったうちの一枚。

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六枚目のカットですが、時刻も12時前後になってくると、いかな冬の時期でも太陽が高く上がってくるので、山車のような背の高い被写体を入れてのカットはなかなか構図に苦労させられるのですが、今回は実は、もう一本、同じ口径のレンズ用にニコンの50mm用の深いフードを持ち込んでいたので、それを装着していた上に左手を上手く使ってハレ斬りを行い、後光が射す山車の前に勢揃いした先達の小姐各位の雄姿を北側かから撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、先の山車の前で町会の人にも声かけて撮らせて貰ったにも関わらず、背面モニタの画像見せた途端、一番手前向かって左側の小姐が切れてしまっていることをすかさず指摘され、本人からもブーイング出たので、特別に個人撮影となったもの。

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八枚目のカットですが、お土産に江戸へ持ち帰るお酒を買い求めるお店のメドがついたので、お茶の時間に再集合するまで、各人、自由行動、となり、金色の獅子頭が気になっていたので、また元来た道を栃木駅方面へと戻って行ったら、ちょうど、獅子頭の横のお囃子屋台で、いたいけな童子下座連が景気の良いお囃子なんか奏でていたので、最前列に通して一枚撮らせて貰ったもの。

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九枚目のカットですが、食事前に撮らせて貰った山車社中の先達が、どうやら交替したようなので、これも是非撮らねばとか、妙な使命感に燃えて、また町会の世話役の方に度々済みませんねぇとか声かけて最前列に通して貰い、日本髪のカツラが妙に似合う小姐本人にも横から一枚撮らせて貰うよとか声かけて一枚撮らせて貰ったもの。

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十枚目のカットですが、やはり山車祭りと云えば、灯の点る宵の口以降が実質的な本番なようで、昼の間は動いたり、止まったりというカンジで、ここでもたまたま、伝統的景観保存家屋のような店舗前に停車していた山車の傍らで曳き綱を曳く若衆と先達の金棒曳きの小姐達が、だいぶ緩いカンジでご歓談中だったので、か家屋をバックに金棒曳きの小姐の後ろ姿を撮りたかったので声かけてモデルさんになって貰ったもの。

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十一枚目のカットですが、大通り上に複数停車する、各町会の山車の周辺では、当然のことながら町会の面々が思い思いに時間を費やしているわけで、殊、ここ栃木祭りは隔年開催なので、町会の世話役の方々にとっては、天気にも恵まれ、人の出もまずまずとなったので、感慨もひとしおだったのでしょうか、腕を組んで自らの町会の山車をしみじみと眺め語らい合う姿を後ろから一枚頂いたもの。

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十二枚目のカットですが、集合時間前にカット数を稼ぎたかったので、大通り上の各町会の山車の周辺で何か画になりそうなネタがないか、鵜の目鷹の目、探しながら歩いていたら、居ました、居ました、ひょっとこの面をめくり上げて仮眠?をひと休み状態だった神楽舞いの演者さんが目に留まったので、小走りに駆け寄り、声かけてモデルさんになって貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、ラストスパートとばかり、各町会の山車の間を駆け巡るっていたら、エイエイオー!とか、いたいけな童子達の元気の良い鬨の声が聞こえてきたので、ここぞとばかりにダッシュし、町会の世話役の方に声かけて、人垣の中に通して貰い、気勢を上げる童子達の上からその様子を一枚撮らせて貰ったもの。

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十四枚目のカットですが、刻々と迫る集合時間を前に各町会の山車の周辺で何か面白いシーンはないものか見て回っていたら、居ました、居ました何年か前に、物凄く立派な鹿革の祭り半纏を粋に着こなしていた、まさに祭りの顔役然とした、初老の男性が、これまた粋なカンジの小姐と仲良くツーショット決め込んでいたので、横から一枚撮らせて貰ったもの。

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十五枚目のカットですが、新作レンズのテストであるからには、最短での性能も見なければならないので、手っ取り早く、身近な山車を見回したら、鹿沼祭りの山車にも匹敵し得るような見事な木彫りの獅子がしっかりと両目を開けてこちらを睨みつけていたので、これ幸いにと一枚撮ってみたもの。

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十六枚目のカットですが、同じ町会の山車の傍らで、お囃子を担当する下座連のベテラン奏者のご老人が目を細め、自らの町会の山車を感慨深げに眺めていたので、そっと斜め後ろから、その様子を一枚戴いてみたもの。

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十七枚目のカットですが、集合時間が近づいてきたので、集合場所の近くまで足早に戻ってきたら、丁度、停車しながらお囃子を奏でる山車が有ったので、その先達を務める、高校生という二人組に声掛けてモデルささんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、いやはや、事前の期待も予想をも遥かに上回る描写性能で驚かされました。歴史には"If"は禁物ですが、もう少しペトリが商売が上手くて、企業体力が残っていたなら・・・レンズ専業メーカーとして、細々とでも露命を繋ぎ、このレンズもライカマウント化されていたなら、とか思ってなりません。

さて、次回は、やっと買えた驚愕の一本、CP+で目を付けて9ヶ月ぶりにやっと手元にやってきた新レンズ、これを同じく栃木祭りでの撮影でレポートしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2018/11/18(日) 22:21:58|
  2. X-mount改造レンズ
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Stable Color Ultranit50mmf2.8 mod. L39 uncoupled

Ultrarit50mmf28.jpg
まず、先週は、天気の良い土曜日にふと降りてきたものがあったため、終日、レンズ加工に入ってしまい、翌日曜日には結構な雨が降って、その前の週に完成していたハラショーなレンズの試写に出掛けることが出来ず、不本意ながらスキップしてしまいました。
そこで、今週のご紹介は、先週レポート予定だったハラショーなレンズを無謀にも二年に一回の開催という絢爛豪華な栃木祭りの場でテストすることとし、他の二本とともに11時過ぎから昼食挟みで14時半という短い時間で試写をした次第。

まずは恒例のレンズ紹介ですが、このStable Braun Color Ultranit50mmf2.8は云わずと知れた、1950年代に流行った、レンズシャッター式の距離計連動機構付きレンズ交換レンジファインダ機Braun Paxette2型以降のモデル向けとして、Stable社がブラウン向けに供給した、L39ネジを持った交換レンズなのですが、径、ピッチともライカのL39と全く同一なのに、フランヂバックがライカの28.8mmに対し、44mmという一眼レフ並みの長さで、Paxette用レンズはそのままではライカには使えないので、あちこちでスペーサというかカプラを作って、何とか使われていたようです。
実を云うと、色々改造し、それこそレイドルフなどというマニアックなものまでライカマウントに改造していたのに、それよりもずっとポピュラーなPaxette用は今回が初の加工で、それは、レンズ単体ではなかなか程度の良いものが出てこなかったからでもあります。
ところが今回は新宿某所で、ヘイコイドが固くて動かないという状態で、光学系はピッカピカの個体が素晴らしいお値段で出ていたので、買ってきて分解、整備し、マウント改造を行ったもの。
構成は3群4枚のオーソドックスなテッサー型、この時代は50mmのテッサーはf3.5がスタンダードだったはずなので、無理しているのかと思いきや、実写ではその性能を如何なく発揮してくれました。
では、さっそく実写結果を見て参りましょう。
機材はFuji X-Pro2、全コマ、絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

Ultrarit50mmf28_001.jpg
まず一枚目のカットですが、11時10分過ぎに当日のメンバー3名が栃木駅で全員集合し、そこから祭りの会場である旧市街へと歩いて行ったのですが、大通りを通行止めにして仕切ったお祭りエリアのあちらこちらには絢爛豪華な山車が停められ、お囃子などを奏で、その周辺には出待ちの金棒曳の小姐各位も居たので、さっそく一番最寄りの社中の先達の極小姐に声かけて山車をバックにモデルさんになって貰ったもの。

Ultrarit50mmf28_002.jpg
二枚目のカットですが、お祭りメイン会場である大通りを奥へと歩いていくと、次々と豪華な山車、そしてその周囲を取り巻く、町会の社中の人々に遭遇するのですが、目にも鮮やかな赤を基調とした衣装の金棒曳小姐軍団が完全にお茶挽き状態でヒマそうにしていたので、二年ぶりに江戸から撮りにやって来た旨伝えて、ご自ご自慢の町会の山車をバックにモデルさんになって貰ったもの。

Ultrarit50mmf28_003.jpg
三枚目のカットですが、どんどん大通りを進んでいくと、見覚えのある山車に次々と遭遇し、頭の中で、鹿沼、川越とこちらの山車の上のお人形さんキャラが混乱しそうになっていたのがだんだん思い出して来て、そうそう、いたいけな童子が弁慶のお人形さんの下でバリバリのカツラかぶって、素通しの竹笛みたいなのを吹くま真似してたっけかな♪とか思い出して、目の前の武蔵坊弁慶の山車の主従をモチーフとして撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_004.jpg
四枚目のカットですが、そもそものそもお祭り撮影と云うものは、とにかく会場の隅である大通りの一番奥まで行ってみないと埒が明かないので、どんどん撮りながら歩いていたら、或る町会の社中とふとすれ違った時、一人の小々姐がなかなか粋でいなせな組み紐の髪飾りなんかして、祭り半纏なんかもバシっと決めこんでいたので、踵を返し、斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

Ultrarit50mmf28_005.jpg
五枚目のカットですが、同じくお祭りメイン会場の大通りの半分以上過ぎた辺りで、市長を始めとした主催者、及び来賓の挨拶の終わるのを待って、出発の用意をしていた山車の前でなかなか良い、不敵な表情を浮かべて山車が不意に動きだすのを抑えていたおとっつぁん二人の姿が目に入ったので、立ち止まって一枚撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_006.jpg
六枚目のカットですが、途中、ランチを挟んで、また撮影を再開したのですが、確か夜だけだとばかり思っていいた、山車どうしのお囃子合戦、いわゆる”ぶっつけ”の現場にたまたま遭遇し、ちょっとイイですか、とか町会の役付きの半纏来た方に声かけたら、中へ中へと押し込まれ、気が付いたら、社中どうしが手に手に提灯ややら扇子を振り上げて相手を圧倒しようとしている最前線にまで来てしまい、凄まじい臨場感で撮ったうちの一枚。

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七枚目のカットですが、大通り上の、同じく”ぶっつけ"合戦の最前線では、通してくれた町会と相手方の町会の演者も手が届くくらいの近さで見られるわけで、向きを変えてみたら、いたいけな小々姐の演者が山車のさ最先端のお立ち台みたいなところに立っていて、声を限りに自分の属する町会の名を叫び、渾身の力を込めたかの如き力強さで提灯を振り上げていたので、目が合った時にカメラ持ち上げ、指で"1"と示したら、暫くこっちを向いてくれたので、有難く一枚撮らせて貰ったもの。

Ultrarit50mmf28_008.jpg
八枚目のカットですが、この”ぶっつけ”というものは、相手のお囃子のリズムに引き込まれるか、或いはお囃子担当の下座連の演者が力尽きて、スローダウンするかしないまで決着がつかないワケで、最前線で、声を張り上げ、腕を振り上げる担当は何回も交代することになるので、見ていた間に何回か入れ替わって、通してくれた町会の方で、世話役の爺さまに抱えられたいたいけな極小姐が力強く応援するのを見届けて、その場を後にする直前のカット。

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九枚目のカットですが、サンルートホテルの前も過ぎ、大通りも奥まって、そろそろ通行止めの金物も見えてこようという辺りで、栃木祭りの山車の中では一番の大細工である「諫鼓鶏」という伝説上の鶏を載っけた山車に遭遇したので、その絢爛豪華な太鼓のオブジェの上にとまる巨大鶏を正面から撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_010.jpg
十枚目のカットですが、会場の端までいったん歩いて行って、また集合時間までの間、大通りで色々なシーンを撮ろうと、辺りを見回しながら歩いていたら、南の方向に向かっているので、基本的に前方の人物は全部、逆光ないし、それに準じた光線状態となるのですが、それでも祭り装束に纏め髪の小々姐の頭のてっぺんのお団子が陽に透けてとても美しく見えたので、コントラスト低下具合いも確かめるため、斜め後ろから追いつきざまに一枚撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_011.jpg
十一枚目のカットですが、今回の栃木祭りではどうやら新しい試みとして、ガイドパンフでスタンプラリーみたいなことを愉しむような趣向となっていたらしく、大通りのあちらこちらに瓦版屋とか、町娘風の江戸時代のコスプレをえ演じていた人々が居て、なかなか自然な振る舞いが目を惹いたので、そのまま接客するところを撮らして貰うね、とお願いしたもの。

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十二枚目のカットですが、これも大通りを南から北の方向に進んで来た山車の先達を務める金棒曳のご一行様で、朝からこのピンク基調の清楚なカンジの衣装の社中は初めて目にしたのと、演者の小姐達自体も他の町会よりやや上で、なかなか堂に入ったカンジの行進だったので暫く並走し、横から一枚撮らせて貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、メイン会場の大通りはやはり蔵造の街並みを売り物とする佐原、川越と同じように厳密には江戸時代の蔵造りの店舗兼住宅もあれば、大正、昭和初期、戦前の建築様式も混じっているワケで、街並みをバックに山車の雄姿を撮るといっても、背景が昭和初期ではやはりアンマッチ感は拭えないので、おのずと山車を撮影しようとしたら、インターセプトポイントは決まってきてしまうため、セオリー通り、そこでま待ち構え、横顔が吉田沙保里選手とよく似た演者の奏でる山車を撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_014.jpg
十四枚目のカットですが、今回持参した3本のレンズ全部で撮ってみた、元肥料店、今は確か和菓子店か何かの店舗の前にさりげなく置かれた大八車とその上の野草を手前の車輪のエッヂにピンを合わせて、背後の白い小さな花のボケ具合いを確かめてみたもの。

Ultrarit50mmf28_015.jpg
十五枚目のカットですが、再集合場所の近くまで戻ってきた時、と或る町会の山車が別の町会の山車と仲良く並んで、"ぶっつけ"のリハーサルを行っていたようで、先の向かい合って、町会総出で声を張り上げ、腕を振り上げ渾身で競い合う雰囲気ではなく、何となくまったりしたカンジで周囲の社中もお互いに歓談しているような雰囲気だったのですが、その中でショートカットで日焼けも初々しい小姐が健気に動き回っていたので、そその様子を一枚戴いてみたもの。

Ultrarit50mmf28_016.jpg
十六枚目のカットですが、同じく、"ぶっつけ"のリハーサル中の二台の山車のうち、反対側の町会の方の山車の前の方で、いたいけな金棒曳の小姐三人娘が所在無さげに本番到来を待っていた様子を横から一枚撮ってみたもの。

Ultrarit50mmf28_017.jpg
十七枚目のカットですが、再集合迄はまだ時間が少々有ったので、ゆっくりと大通りを行進していく山車とその社中の様子でも撮ろうかと待ち構えていたら、まだお若いのに、一般的に山車祭りでは灯りが点って本番じ状況になる夕暮れを前にお疲れモードのいたいけな童子達がやってきたので、すかさず一枚撮ってみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、ツァイスやスナイデル、ローデンストックという一流レンズメーカーは云うに及ばず、イスコやスタインハイルと比べても二流どころとまで酷評されることもあるステーブルのテッサー型、しかもこのタイプでは限界に近いf2.8でここまでの描写が出来るとは正直驚いてしまいました。これだからレンズ遊びはやめられないのです。

さて、次回は、またしても生まれてしまった閃きの一本、これを同じく栃木祭りでの撮影でお送りしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2018/11/11(日) 21:42:40|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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