
さて、一週お休みを戴いての今週、今年最後の更新となりますが、予告通り、ハラショーな工房作品をご紹介したいと思います。
モノはご覧の通り、一見、オリヂナルのノンライツ沈胴レンズのようにも見えますが、さにあらず、海外から曳いてきたプロヂェクター用の焦点距離5cmのペツバールタイプのレンズをスペ-サーを兼ねる固定金物を介して、インダスタ22のヘリコイド兼マウント部品に全周スクリュ-留めしているのです。
このレンズヘッドは一号機とは微妙に異なっていて、一群の玉から二群までの間のシャフトがくびれる位置がだいぶ前の方で、反対にくびれた部位は一号機よりもだいぶ太く、ヘリコイドの中に隠れてしまっている二段目のくびれ部以降でも一号機とは同じくらいか、まだ少し太いくらいで、一号機同様、インダスタのヘリコイドに無改造で全周ネジ留めする設計にしていたので、金物の政策には結構苦労しました。
肝心の資料がネットの何処を見回しても見当たらないので推察しかないですが、この玉はおそらく1950年から60年にかけてのプロジェクタ用として何処かの機器に組み込まれて売られていたのではないかと思います。それが、液晶式になって、スライドを投射するタイプは絶滅危惧種となってしまい、機器は廃棄され、レンズのみ市中に彷徨い出たのではないかと。
ではさっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。ロケは11月の築地周辺、カメラはLeica M(Typo240)による全コマ開放AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、今回も出発がお昼過ぎになったので、まずは腹ごしらえをしてからの撮影とすべく、波除神社近所の穴子の名店「つきじ芳野吉弥」さんで、税込み3000円近くするゴーヂァスな穴子のばかし合い重定食を戴き、旧市場と場外を分かつ、場外西側の大きな道路を通って、東西を走る小路で撮影しようと歩き出し、曲がってすぐのところで、かつて近大マグロを売り物にしていた海鮮料理の軒先に精巧な模型が吊るされていたので、向こうから人がくるタイミングを見計らって一枚撮ってみたもの。

二枚目のカットですが、そのマグロの精巧な模型を軒先に吊るした黒い壁の海鮮料理屋のお隣はアウトレットみたいな瀬戸物屋さんが、いつも、土産物なのか、自分用の普段遣い用なのか判りませんが外国人が鬼気迫る様子で物色しているので、通りざまにその様子を一枚戴いてみたもの。

三枚目のカットですが、同じく場外市場西側の通りの中ほどに国産のいわゆるブランド豆類だけを商うお店があり、豆類専門店という渋いカテゴリーながら、そこそこ賑わっていて、なかなか写真を撮れるようなクリアランスが取れなかったのですが、ふとお客が途切れた合間を見計らって、最寄りの店員さんに声掛けて、暗い店内をバックに浮かび上がるような雰囲気の豆の木札を撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、南北を走る場外市場西の大きな通りからまずは北から二本目の南北通路に入ることとし、曲がってすぐのところに店を広げている刃物屋さんの店先に、何と包丁の口金に使うニッケル/銅合金の薄板を曲げて作った屋号の3Dオブヂェが置かれていたのが目に留まったので、傍らのスキンヘッドの店員さんに一緒に撮らせてと頼んだら、あ、逆光になるっすからやめとけば、とギャグで断られ、オブヂェだけの出演となったもの。

五枚目のカットですが、刃物屋さんを後にして、観光客と買い物客でごった返す東西通路を東の彼方に見える築地本願寺方向に進んでいたら、パリのオープンカフェならぬ築地場外の屋外食堂で、デンマークからという眉目麗しいブロンズヘアの小姐がかなりガッツリオシャレに食事していたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

六枚目のカットですが、この東西通路もそろそろ晴海通りが見えてきて、一本北の東西通路に移ろうかという頃合いになってきたので、一番東側の狭い南北連絡通路まで来たとき、ここから入って行こうかなと向き直ったら、薄暗い通路に所狭しと建ち並んだお店が結構な繁盛ぶりだったので、その様子を一枚撮ってみたもの

七枚目のカットですが、場外市場内で一番北の東西連絡通路をさっきとは反対に西方向に歩き出してすぐ、「ハィ、ライカにズマールつけてスナップとはイイ趣味してるぢゃないか」とかα7RIIIにミランダのレンズなんかはめたアメリカ人カポーのヒゲヲヤヂが声掛けてきたので、ズマールぢゃねぇよwwwとか云って、暫し路上カメラ談義に花が咲き、どんな写りか経験したいので、撮って送ってくれ、と頼まれ、一枚撮って上げたもの。

八枚目のカットですが、ヒゲヲヤヂ達と別れてすぐ、なんと肝の据わったことか、この混み合った場外市場の通路のど真ん中で交代ばんこに記念撮影などを敢行している南アフリカとドイツからという小姐二名組が居たので、見るに見かねて声をかけ、シャッター押して上げた代わりに、画を送る約束でモデルさんになって貰ったもの。

九枚目のカットですが、一番北の東西通路もほどなく歩きとおし、あっという間にまた元の西端の南北道路に出てしまったので、この辺りで何枚か撮ってから北から三本目の東西通路に出てみようかなと思って歩き出してすぐ、中国産小姐が旨そうにツアーご一行さまとソフトクリームなんか堪能されていたので、通り過ぎさまに一枚戴いてみたもの。

十枚目のカットですが、北から三本目の東西通路に入って10mも行かない辺りに乾物屋さんがあって、いつも剥製だか干物だか判らないような、もはや食品というカテゴリーを超越し、民芸品の域に達してしまったかの如き、かつては鮭だったと思しきオブヂェが吊るされていたので、ヒマそうに歓談中の店番のおかみさんに声掛けて人混みをバックに一枚撮らせて貰ったもの。

十一枚目のカットですが、その東西通路にも屋台風というか、観光客の立食い向けに海産物を商うお店があちこちに在って、そのひとつ、通路に建ち並ぶ店舗の間の南北を貫いた細い屋根付き路地みたいなところにちょっと入り込んだところに在るうに専門店で、中国からの観光客が物珍し気に買い食いなんかしていたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

十二枚目のカットですが、同じくこの東西通路上にはシーフード系だけではなく、加工品を中心に肉系の店頭販売もやっていて、確か自家製ソーセージだかを店頭のグリルで炙り、道行く人々に商っているところがあって、生ビールを近所で売ってるスタンドもあることから、若い人たち中心に賑わっていたので、その様子を後ろから一枚戴いてみたもの。

十三枚目のカットですが、同じ東西通路を東に向かって歩いていたら、後ろから何か話しながら、男性をお付きの方のように従えてやってくるちょっと見、清水ミチコ似の中国人女性の姿が目に留まったので、ちょっと先の道の端、商店の廂の下から、通り掛かるのを待ってそのプチ楊貴妃ぶりを一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、さてそろそろ築地本願寺方面へ戻って、茅場町まで歩いて、東西線で深川のおうちにでも帰ろうかなとか思い、また元来た道を辿りかけたら、色は黒いがなかなか愛想の良い小姐が声を涸らして、新鮮なインドマグロの切り身の店頭販売なんかやっていたので、お客がはけた瞬間を狙い、宣伝して上げるからモデルになって!と頼み、二つ返事で撮らせて貰ったもの。

十五枚目のカットですが、これも一番東の南北通路を歩いていたら、北のどん詰まり辺りの、この前燃え尽きたラーメン屋遺跡辺りに出来た物販・飲食ブースで、店員さんが中国人とみるや、唐突に値切りモード、爆買いモードを同時発動して真剣勝負のショッピンを楽しんでいた台湾人大姐の様子を一枚撮ってみたもの。
今回の感想ですが、うーん、なんというか、ラッキーとしか言いようがない!二本買ったペツバールタイプのプロジェクションレンズの実焦点距離が二本とも51.2±0.3の範囲だったとは・・・おかげで何の苦労もなく、ライカMで実用んに耐える距離計連動仕様が出来るとは。
現在、三号機用のレンズヘッドを成約し、配達待ち、届いたらさっそく改造して、距離計連動しようにして、生活費稼ぎに売りに出そうかな(笑)
さて今年も最後までお付き合い戴き有難うございました。
来年は正月早々、10日から海外遠征しますので、更新は1/19の日曜日にお会い致しましょう、ではどちら様も佳いお年を!!
- 2019/12/22(日) 17:11:05|
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さて、今宵のご紹介は予告通り、泣く子も黙る?おフランスの希少レンズメーカーSom Bertiot社製の型番無し50mmf2.8を当工房で距離計連動型に改造したものです。
このレンズ、他に紹介もないし、売った本人が良く判らんが良さげなレンズなので試してくれ、とのことで出自、用途が全然判りませんが、絞りが付いていないことで、おそらくは70年台以降の産業用の複写とかラインセンサー用とかそんな用途ではないかと思います。また、構成は反射面が明るいもの6か所につき、この明るさでは異例のトリプレットではないかと思います。尤も、このコーティングは希土類を使った新種ガラスに用いられるアンバー系なのでそこはそれ、ムリの無い設計とは思いますが・・・
ではさっそく晩秋の深大寺での実写結果でその性能を見て参りましょう。
カメラはLeica M8によるAE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、本堂エリア裏のペットセメタリー横にある木造建屋の蕎麦屋のうち一軒で軽く昼飯を済ませたのち、本堂のある境内に戻り、被写体を探していたら、ちょうど手水場にいたいけな童子同伴の家族連れがやって来たので、通常の物見遊山の観光客を装い、横から手水を使うところを一枚戴いてみたもの。

二枚目のカットですが、今回のメインの目的はまだ残って咲いているか否か気がかりでない曼殊沙華の花々の消息を訪ねることであり、気も急いていたので、本堂にお参りして早々に山門から土産物屋が立ち並ぶ参道に降り、目的地まで歩きながら撮ろうと
したら、ちょうど可愛いラブ連れの中年夫妻がやってきて、その横をいたいけな小々姐連れのオモニがせっかちに追い越そうとしていたので、テイクオーバーの瞬間を狙ってシャッター切ったもの。

三枚目のカットですが、某国営放送局の朝ドラが信楽を舞台にしていて、狸が準主役だからというわけでもないですが、ここ深大寺の山門前にはだいぶ昔から、楽焼の絵付け体験とかお手軽陶芸体験をやらせてくれる「深大寺窯」というお店があって、そのマスコットキャラクターが信楽焼きの狸なので、距離計の最短域での精度をみるためもあり、至近距離で一枚戴いてみたもの。

四枚目のカットですが、ここ深大寺の山門前の土産物屋通りと云えば、浅草は仲見世の「美人茶屋あづま」さんと並ぶ美人茶屋「八起」さんがあるので、さっそく、店頭で、串に刺した団子の実演販売を行っている、いたいけな学生バイトと思われる小姐店員さんの精勤ぶりを傍らから一枚戴いてみたもの。

五枚目のカットですが、同じく山門前の土産物屋通りの「八起」さんの店舗より東側にある店内飲食コーナーとその横に開けたちょっとした庭園があるのですが、そこに、あろうことか、柵を乗り越えて闖入しようとするいたいけなガキンチョの姿を認めたので、注意するでなく、犯行現場を写真で押さえてみたもの。

六枚目のカットですが、同じく「八起」さんの店内飲食コーナーの入り口に建てられたメヌー板をソフトなんか舐めながらじっと眺め、品定めしている極小姐と、やれやれまだ何か食べるのかぃ?とか半ばあきれ顔で後ろから見守る、孫には大甘の爺ちゃん婆ちゃんの姿がとても微笑ましく見えたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

七枚目のカットですが、山門前の土産物屋通りでの撮影はいったん早々に切り上げ、可憐ながら艶やかな曼殊沙華の花々が待っているはずの深大寺城址及び水棲植物園に足を速め、早々に小高い丘の上に広がる城址公園の入り口までやって来たら、ちょうど秋そばの花が満開だったので、望外の歓迎を嬉しく思い、その可憐な姿を一枚戴いてみたもの。

八枚目のカットですが、蕎麦の花々の望外の歓迎に気を良くして、城址公園内の秘密の曼珠沙華畑に足を運びましたが、なんと、時期も10月最終週と遅かったためか、昨年は目が痛いほど地面を覆い尽くしていた鮮やかな赤い花々は申し訳程度に何株か残っていただけでしたが、それでも、来るのを待っていてくれたようでとても嬉しく、至近距離で一枚戴いてみたもの。

九枚目のカットですが、そもそも高台で水はけ良く、陽当たりも良いという曼殊沙華の花々には少々過酷な環境の城址公園に多くの花々を期待するのはどだい無理な話でもあるので、全国でも珍しい白のアルビノ株がそこここに咲き残っている、水棲植物園の湿地に降りることにして、曼殊沙華の花々が一番好む、田の畔に結構な数が群生していたので、嬉しくなって、一枚戴いてみたもの。

十枚目のカットですが、同じく水棲植物園の陽当たりの良い田んぼの畔で、この時期には珍しく満開の群生を見つけたので、既に刈り取られた後の稲の株跡が黒々と点在する田んぼの水面をバックに一枚撮ってみたもの。

十一枚目のカットですが、ここ神代植物園附設水棲植物園には人工湿地を核として池、田んぼといった水辺の植物やそこに住まう魚類、昆虫類などを楽しめるコンセプトでレイアウトが設計されているのですが、中央にはウッドデッキの遊歩道が設けられていて、その上を散策出来るようになっていて、土手の上の曼殊沙華の花を撮っていたら、ちょうど親子連れがその上を歩いてきたので、有難く出演頂いたもの。

十二枚目のカットですが、ここ水棲植物園の湿地土手には結構な数の曼殊沙華の花々が咲き残っていたにはいたのですが、お目当ての純白のアルビノの株でシャンとしているのはなかなか少なく、やっと見つけ出した小群生の中には既に花が萎れてしまっていたものもあり、勝手に取り除いてしまうわけにもいかず、土手の上の柵超しに群生ごと撮ってみたもの。

十三枚目のカットですが、ちょうど陽も暮れかけてきて、水棲植物園の湿地中央をクランク状に曲がりながら南北に貫通するウッドデッキを入れた風景がなかなか風情があるので、北側の端から南方向に向かって一枚撮ってみたもの。

十四枚目のカットですが、そろそろ土産物屋通りの店舗が店頭販売の店仕舞いが近づいてきたので、あと何枚か撮ろうと思い、水棲植物園を後にして、再び土産物屋通りに足を運ぶことにして歩き出したら、中国人と思しきカメラを下げた清楚な小姐が傍らを通り過ぎていったので、すぐさまその後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

十五枚目のカットですが、そういえば、「八起」さんの庭園入り口に立てられた赤い番傘の写真を撮っていなかったことに気づき、ちょうどくずきり、くず餅の幟が傍らに掲げられてたのでこれも一緒に物販コーナーに群がる観光客各位をバックに一枚撮ってみたもの。
今回の感想ですが、まさにトランプ様々・・・中国を経済的に締め付けてくれているおかげで、電子湾での爆買いも小康状態、2~3年前ではとても買えなかったような希少レンズやレンズヘッドがリーズナブルな価格で再び買えるようになったため、こういう贅沢な遊びが出来るようになりました・・・実はまだ未改造の希少レンズヘッドが5本。
さて、次回は田舎に帰省するので一週スキップ、その次は今年最後の更新で、何が出るかはお楽しみ、乞うご期待!!
- 2019/12/08(日) 19:59:42|
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さて、お待たせ致しましたが、今年最後の海外撮影ツアー、上海での3泊4日の旅の後編、滞在三日目の「朱家角」、「田子坊」の様子をお送りしたいと思います。
まずは恒例の行程紹介ですが、滞在三日目の朝はまず虹橋経由、「朱家角」に行くこととし、それから「田子坊」へと地下鉄を使って回ることとしました。これまで上海を訪れるごとに最低一か所は水郷古陳を訪問し、出張で来た際の休日に現地商社のスタッフに連れて来て貰った「周荘」を皮切りに「西塘」、「七宝」と周り、ここ「朱家角」が最後に残っていたのですが、つい最近、地下鉄が開通したため、今回jは日本出発前から訪問を計画していて、訪問することとなったもの。
また「田子坊」は名前がコミカルなこともあるのですが、そもそも工房主は上海のコロニアル様式の街並みに興味あるので、よく地下鉄を交通大学駅で降り、淮海中路を東に向かって歩き、「新天地」、「上海老街」経由、「豫園」そして「外灘」というルートを、或る時はぶっ通しで、また或る時は部分的に地下鉄併用で歩き、ところどころ、大きな通りに入り口を開けている「老房子」という低所得者層向けの古い住宅街に入り込んで、租界時代の石造りの建物がそのまま残っているのを今の住民の暮らしぶりそのままで撮るのが好きなのですが、よく行く「新天地」はゼロからの老房子再現、そして「田子坊」は昔からの石造りの建物が建ち並ぶ老房子の街の一帯をそのまま活かしてリノベしたということで、ここも渡航前から訪問しようと決めていたところだったのです。
では、さっそく当日の行程に沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはVoigtlaender Ultron35mmf1.7asph.による全コマ開放、絞り優先AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、朱家角の古鎮は上海市内中心部からは確かに最寄りの駅までは虹橋乗り換えで地下鉄で行けるのですが、虹橋から17号線に乗り換えて、小一時間かけて朱家角の駅に着くと、また古鎮の入り口までは徒歩で20~25分くらいかかるとのことで、その行程も楽しみの一部とポジティブに捉え、道案内の看板は適当に流し、見当付けた方角に歩いていくことにしたのですが、駅を降りてすぐの運河か小川か分からなくなっている水面を眺めて、ヲッサンが独り水辺でボォッと生きていたので、叱るでなく、その哀愁に満ちた後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

二枚目のカットですが、運河みたいな小川みたいな水路の途中で東に曲がり、古鎮の方向を目指して先ほどの鄙びた風景とは一転して、宿の在る上海の下町とそれほど変わらない雰囲気の商店街みたいな街中を歩いていたら、いたいけな極小姐二名が、カッコ良くスケボー乗るでなく、二人で前後に背中合わせで座って乗っかり、おしゃべりしながら押したり、押されたりして遊んでいたので、傍らのオモニに声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

三枚目のカットですが、看板に従い、商店街を北に曲がると、前方にやっとそれらしい造りの石の橋が見えてきて、さっそく、その上に登ってみたら、水路沿いの古鎮の街並み、しかも商店や食堂などが軒を並べる中心部からは外れた、生活ゾーンのような質素なエリアが見えてきたので、嬉しくなって、橋の中央から一枚撮ってみたもの。

四枚目のカットですが、橋を商店街とは反対側に渡り、水路に面した家の裏の細い石畳の通りに降り、先の蘇州の山塘街の経験を活かし、まずは、繁華街と思われるエリアとは反対側を目指して歩きながら撮っていたら、路地にネコが座っていたのを見つけ、そっと近寄って撮ろうとしたら、この猫、前世は犬だったのか、目が合うとニャーォとか鳴きながら近寄って来たので、適当なところで腰を下したところで一枚撮ってみたもの。

五枚目のカットですが、先ほどの橋を起点に繁華街とは反対方向に家の裏の通路を歩くこと15分程度で、住民の生活ゾーンのどん詰まりが見えてきましたが、その二つ手前に比較的大きな橋があったので、そこに登って、背後に林が控えた水辺の街を水面に映る空と雲を入れて撮ってみたもの。

六枚目のカットですが、古鎮の西端、住民の生活ゾーンのどん詰まりまで到達したので、折り返すこととし、今度は東に向かって、水路とそれに面して建っている家の裏の道を歩いていたら、商業ゾーンがそろそろ始まるか、といった趣きの家並みの辺りで、民宿みたいな家の前のベンチで白人の中年バックパッカーみたいな小姐がお茶しながら一心不乱にスマホンいじってたので、そのミスマッチが面白く、カメラ向けたら、何を勘違いしたのか、記念撮影途上だったヂモティみたいな小姐がおもむろにこちらに向き直り笑顔なんか見せてくれたので、有難く出演願ったもの。

七枚目のカットですが、基本的にここ「朱家角」でもどこの水郷古鎮でも全く同じなのですが、古鎮の中心部の目抜き通りといった一部を除き、家が船着き場を備えている構造上、通路が家より内陸にあって、従って、普通歩いている時は水面は見えない造りになってるのですが、それでも橋以外にも共同洗濯場や船着き場などで家々の街並みが途切れて水路に出られるところがあり、中心部へ向かう途上、ちょっとした広場と高い石造りの橋が在ったので、上に登って、家の建ち並ぶ水路を行く観光船を撮ってみたもの。

八枚目のカットですが、中心部にやっと入ると、先ほどの質素な生活ゾーンと同じ名の街とは思えないような、先日の杭州の「清河坊」、或いは市内の「豫園商場」もかくやあらんばかりの色とりどりの物販店やら大勢の人通り、その中で宋の時代以前の衣装を着せて、著名な橋をバックに記念撮影をしてくれるお店があって、面白そうなので、暫し立ち止まって眺めていたら、ちょうど中学生くらいの小姐が衣装に着替えて出て来て、これから記念撮影するようだったので、カメラマンに頼んで混ぜて貰ったもの。

九枚目のカットですが、商業ゾーンの果て、古鎮の東端まで歩き通し、東洋のヴェネチアと呼ばれるこの街の、「リカルド橋」に相当する著名大型橋「放生橋」の辺りを過ぎたら、周りは新しい造りの店舗ばかりになってきたので、そろそろ引き返すことにして、また元来た道を歩き出したら、水路に面した家の奥の通路に入った辺りで、如何にも人柄の良さそうな若いヲヤヂさんが物販店で買い物をしているオモニをいたいけな童子とともに待っていたので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

十枚目のカットですが、また朱家角の駅まで歩いて戻って、そこから小一時間かけて、虹橋駅まで移動、次なる目的地「田子坊」を目指したのですが、最寄りの地下鉄駅から地上に出てびっくり、表通りに面したガラスショーケースを備えた一般的な低層商業ビルみたいなのが建ち並んだ一角にぽっかりと黒い出入り口が口を開けていて、そこからひっきりなしに若い人々が出入りしていたので、直感的にそこが「田子坊」エリアの入り口と思い、入ってみたらすぐに、コスプレして自撮りしていたメガネの小姐が居たので、声掛けてモデルさんになって貰ったもの。

十一枚目のカットですが、おそらくは原宿に匹敵する人の出だと思いましたが、どの通路も若い地元民、そして、結構な数の白人観光客で溢れていて、またそれらに対し、道まで出て来て勧誘を行う物販店等の店員が居るので、活気には満ち溢れているのですが、写真撮るには被写体までの距離が撮りづらく、先ほどのメガネ小姐以降はなかなか声掛けて撮らせて貰うシチュエーションに恵まれなかったのですが、或る曲がり角でいたいけな童子達のはしゃぐ声が聞こえてきたので、足を踏み入れてみれば、串に刺した杏雨みたいなのを売っている、あまり流行っていなそうな店頭で、童子達が若いヲヤヂさんと遊んでいたので声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

十二枚目のカットですが、なかなか微笑ましい写真が撮れたのに気を良くして、親子に心からのお礼を述べて、また新たな路地探検の旅へと歩き出したら、隣でも同じようなもの売ってて、そこにはヂモティと思しき、地味なカッコの小姐二名がテーブルについて、買ったものを食べるぢゃなし、スマホン見ながらダベってるご様子だったので、背後から一枚戴いてみたもの。

十三枚目のカットですが、屋根のため、昼なお暗い迷路のような通路が縦横無尽に走るここ田子坊ですが、中には屋根のない、オープンエリアの通路も有り、店先のデスプレイも照明もユニークなお店が建ち並んでいたので、通行人を入れて、その佇まいでも撮ろうかいなと思ったところ、いたいけな極小姐連れの白人一家が折良く通りがかったので、一枚戴いてみたもの。

十四枚目のカットですが、東のどん詰まりみたいな店舗の壁面がなかなか面白げな造作となっていて、その前で記念撮影なんかしていた、ヂモティの小姐二名組が居たので、声掛けて、二人まとめていっぺんに撮って上げるからとの条件で、デジ一で撮って上げた代わりにモデルさんになって貰ったもの。

十五枚目のカットですが、まだ陽暮れには時間があったのでオープンエアの通路で自然光下で撮れるだけ撮ろうと思い、比較的広い通りを見つけたので、そこで赤提灯の下を行き交う人々の様子をテーブルで食事を摂ってる人物越しに撮ってみたもの。

十六枚目のカットですが、一見どん詰まりに見えて、その実、クランク状、或いは稲妻状に曲がって、奥へと続いている細い通路があちこちに有るのですがその中へといたいけな若いヂモティのカポーが仲睦まじく歩いて行ったので、その後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

十六枚目のカットですが、そろそろ陽も暮れて、晩飯時間も近くなってきたので、屋根の有る通路での人工光下でも撮っておこうと思い、建物の密集する路地裏のようなエリアに足を踏み入れてみたら、オーガニックの石鹸やらローションやらを商うお店の店頭に造り物のフラミンゴを据え付けた池状のオブジェが置いてあって、そこでいたいけな極小姐二名組の写真なんか撮っていた若いオモニが居たので、声掛けて撮らせて貰ったもの。
今回の感想ですが、うーん、やはり上海は面白い、料理が旨いことはさておいても、人々は素朴でオープンで、時としてお節介で・・・街はと云えばひと月単位ででも表情を変えますし。
出来れば年に2~3回は通いたいものだと思いました。
さて次回は、久々の工房新作改造レンズのご紹介、乞うご期待!!
- 2019/12/01(日) 19:40:33|
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