
さて、今宵のご紹介ですが、一週遅れのお盆休みを挟み、今月最後の更新となりますが、満を持しての発表、おそらくは工房作品史上、最も難度が高く、工期も掛かった、殆どゼロから新レンズを作り上げるのに等しい製品をアップ致します。
その名も「Dallmeyer Oscillograph51mmf1.9」。海外の売主から工房に届けられた時、コパルプレスという裕に500~600グラムはあろうかという巨大な中版用シャッターに前後群が捻じ込まれた状態で、これが本来の用途での正しい使い方だったとは思ったのですが、そんな巨大なものにライカ用のせいぜい40~50φのヘリコイドを介してMマウント化するなどということが構造上、そして意匠上からも許容されるはずがなく、ライカ判で使おうと思った途端、前後群を使って、真ん中部分は新たにゼロから作らねばならないことになるので、なかなか手が出ず、おおよそ、一年は防湿庫で眠りに就いていたワケです。
ところが、昨今の新型コロナ症候群ことCOVID19のパンデミックのおかげで、海外遠征は云うに及ばず、近所への外出ですら思うに任せなかったので、自粛で蟄居していてもやることがないので、在庫のレンズで何かしようといじくっているうちにムクムクと頭の中で内鏡胴の構造イメージが沸き起こり、予め採寸しておいた前後玉のネジ部の直径、コパルシャタ-を介しての前後群間のクリアランスを元に、手元のパーツで使えるものは使い、足りないものは新たに真鍮インゴットから削り出し、レンズレッドまでは何とか作り上げることが出来ました。
ただ、ここまででも道半ばで、ヘリコイドを付けて、ライカのフランジバック27.8mmに合わせ、無限出るよう、バックフォーカスを取らねばならないので、このレンズヘッドを固定するヘリコイドの素材探しから始めねばならず、手元のものを色々試した結果、同じくオシログラフ用レンスのOscillo-Raptar51mmf1.5の改造パーツとして初めて採用し、つい先日も、同じく産業用レンズであるGeneral Scientific社製の50mmf2.0の改造に成功しているため、Olympus OM Zuiko50mmf1.8のヘリコイド&マウントユニットを採用することとした次第。
然しながら、ヘリコイドの内側の薄いアルミ製の筒状のパーツに0.5mmピッチのネジを切って、それで固定すべくレンズヘッドとの内外径差を埋めるべく、両面0.5mmピッチのネジを切ったスペーサをアルミ丸インゴット削り出しで作らねばならず、これが薄いアルミの壁を僅かに変形させヘリコイドの回転トルクに影響を与えてしまうので、結局Zuikoレンズを2本お釈迦様にして、3本目で成功、OMマウントを削り落とし、全周スクリューを介してMマウント金物を固定しました。しかし、43mmの対角線カバーのイメージサークルとしては、後玉の金物もレンズの開口部自体もかなり大きく、それが故、既存のマウント改造用パーツでは追いÞつかず、結局、元のパーツは前後群2点のみで、あとは他のレンズのものを加工したり、新たに削り出して作ったりで凡そ通常の改造の10本分は手間暇かかったという次第。
これでもはや撮影は出来る仕様にはなりましたが、せっかく絞りユニットを組み込んだ内鏡胴を拵えたので、絞り羽根をリングと連動させなくては面白くないので、これも手持ちのパーツから適当なものを探し出し、内径を削って調整し、連動機構も苦心惨憺付加したもの。
ここまでやって、やっと距離計非連動のMマウントレンズの出来上がり!です。
で、話は前後しますが、このレンズの構成はオーソドックスな4群6枚ダブルガウスタイプ、用途はオシログラフのスコープ画面を間接撮影するためのマクロレンズのような使い方で、だいたい1950年から60年くらいに作られたもののようです。
では、さっそく、実写結果をもとにその実力の程を眺めて参りましょう。カメラはすっかり試験機からスナップのお供に昇格したSONY α7RII、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

まず一枚目のカットですが、この日は、まだランチを食べていなかったので、上野駅で降り、駅構内にある、フレンチの名店「ブラッスリーレカン」のランチを戴いてから、周辺を撮って、しかるのち浅草に移動して撮ろうと考えたのですが、珠玉のランチを戴いてお店を出てすぐに目が合ってしまったのが、このコスプレパンダファミリーの群像だったので、手っ取り早く一枚戴いてみたもの。

二枚目のカットですが、アメ横方面で撮ろうと思い、そのまま上野駅の広小路口から出て、目の前の広小路通りを渡って、アメ横センタービル方面を目指して歩いていたら、ちょうど前に手頃なカポーが歩いていたので、ちょいと失礼、とばかりに小走りに距離を詰め、後ろから一枚戴いてみたもの。

三枚目のカットですが、ご存知アメ横はjRの山手、京浜東北、そして近年は東京駅経由の高崎・宇都宮の両湘南ライナーの高架沿いに上野から御徒町の駅までの区間に続く、戦後の闇市の残滓のような佇まいの種々雑多の小さな商店、飲食店の連なるエリアなのですが、その中間辺りの高架を横断する道路沿いに位置する居酒屋がまだ陽も高いのに活況だったので、その様子を一枚戴いてみたもの。

四枚目のカットですが、アメ横随一のランドマーク、アメ横センタービルの手前の三角地の上野駅寄りに小高い台座の上から周囲を睥睨するバイキンマンのような不可思議なキャラクターの黒御影石で出来た像があるので、1m程度の距離から、この石像をモチーフに背後に建つアメ横の一本西の通り名を示す派手なゲートを入れて撮ってみたもの。

五枚目のカットですが、このバイキンマンもどきの石像が建つ分岐点をどちらかと云えば人通りも多く賑わっている印象のアメ横方面へ歩を進め、何か適当な被写体はないか鵜の目鷹の目で歩いていると、店頭でお互いに中国語で話しながら、達者な日本語で店員さんに値切りのハードネゴやってるしたたかな様子を横から一枚戴いてみたもの。

六枚目のカットですが、御徒町駅の手前まで来たので、そろそろ恩賜公園経由、上野方面へ戻って地下鉄銀座線で浅草へ移動しようかと思い、広小路通りに出たら、陽気なフィリピーナのグループが近くのチェーン店系カフェで買い求めた紙カップを片手に大声で語らい合っていたので、恐る恐る近寄って、声掛けて、一枚撮らして、と頼んだら、一番可愛いこ!とグループから推挙され押し出された小姐に、後で写真を送る約束でモデルさんになって貰ったもの。

七枚目のカットですが、国立博物館前の広場付近で撮りたかったので広小路通りを西側に渡ってそのまま北に進み、恩賜公園に続く階段を登っていったら、ちょうど中段辺りにある噴水に妙にカラフルなTシャツ着込んだホームレス氏が頭と云わず肩と云わず突っ込んで、それこそ水浸しになって力づくで涼をとっていたので、人間ってホント逞しいなぁとか感心しながら通りざまに一枚撮ってみたもの。

八枚目のカットですが、今回の不可思議なレンズの性能評価でどうしてもやりたかった、広大な広場を使っての被写界のクオリティチェックです。無限で中央の国立博物館を撮れば、画面周辺の光量落ちや歪み、或いは片ボケなど、コリメータに匹敵する性能評価が実戦で確認出来るのですが、今回のα7RIIの裏面照射のCMOSによる描写では想定したほど周囲の乱れもなく、少々拍子抜けしたくらいです。

九枚目のカットですが、国立博物館前の広場を動物園方向、即ち左手に折れ、ちょっとした森の中の小径を辿ると、瀟洒な煉瓦造りの箱物が見えてきて、そこが都立美術館なのですが、その中庭に一点の曇りもなく磨き上げられたスレンレスの球体が有るので、それが敷地内の建物、そして空に浮かぶ雲をデフォルメし映している様子を撮ろうと思い立ち寄ってみたもの。

十枚目のカットですが、都立美術館は結局お休みで庭の中に入っての撮影は出来なかったものの、何とか思い通りのカットは撮れたので、再び国立博物館前の広場に戻り、さて、何か良い試写用被写体は無いものかと物色してみたら、噴水池の周囲に色とりどりの花々が丹精されプランタに植わっていたので、その様子を一枚戴いてみたもの。

十一枚目のカットですが、そろそろ浅草に移動する頃合いになってきたので、西洋美術館の入場無料エリアの秀逸な銅像を撮ってから移動しようと、立ち寄ってみれば、こんなコロナ禍でも、こういうところはそこそこ人出が在って、一番人気の「考える人」は記念撮影する一般人各位が行列していて、とてもそこに並んで、独りで銅像を撮ろうと云う気も起きなかったので、てっとり早く、遠藤周作の「沈黙」の如き重厚な佇まいの群像ものを下から一枚戴いてみたもの。

十二枚目のカットですが、上野駅から地下鉄銀座線に乗れば5分と経たずに終点浅草に着きますが、今回も深川からのダイレクトルート同様、まずは雷門周辺で撮ろうと思い、たまたま人出が無かったので、雷門のアイデンティティである巨大赤提灯の下に潜り込み、殆ど定点観測スポットと化している、底部の逆ハーケンクロイツの金メッキ金物を至近距離で撮ってみたもの。

十三枚目のカットですが、雷門の周辺は目ぼしいモデル候補、特に浴衣の類いに身を包んだ海外からのゲストなど、それこそ唱歌"宵待草"の歌詞ではないですが、待てど暮らせど来ぬ人を云々となってしまい、お楽しみのお茶の時間を過ぎてしまいますから、ちゃっちゃっと気持ちを入れ替えて、仲見世通りを宝蔵門を目指して歩き出すこととし、このご時世ならでは閑散とした昼過ぎの佇まいを捉えてみたもの。

十四枚目のカットですが、仲見世を少し歩いていたら、お揃いの浴衣に身を包んだいたいけな極小姐姉妹を連れた黒人パパ、日本人ママの一家が浅草寺の方向からやってきたので、まさに天の恵みと思い、ダメ元で声を掛けてみれば、横田基地の軍属の方とのことで、面白そうだから撮ってくれ、良かったら撮った写真を記念に送ってくれ、とのことでノリの良いヲヤヂさんのご厚意に甘えて、お二方ともマスク外して貰っての撮影に応じて貰ったもの。

十五枚目のカットですが、雷門まで到達し、さて目の前の黄色い看板のファミレスでお茶とスィーツでも楽しもうかいな、とか思った刹那、そういえば早田カメラ本体に暫く顔出してないなと思い、面白そうなレンズヘッド物色も兼ねて早田カメラに寄った帰りに隣の洋食店横の手書き看板が良き味を出していたので、スカイツリーモ背景に収めるべく、ローアングルから一枚戴いてみたもの。
今回の感想ですが、なかなかレアな玉で、実写結果もそれほど上がっていないため、精密計測・加工により、オリヂナルのコパルシャッター装着時のクリアランス通りに前後群を固定したレンズヘッドが、果たして本来の描写性能を発揮、或いは味を再現しているのか、知る由もないですが、これはこれでそこそこ良く写るように出来たので、実用性を兼ね備えた高級骨董品としては有り、ではないのかなぁと。
さて次回ですが、次はぐっと庶民的な玉ですが、深川でレストア行った個体は描写が一味も二味も違う・・・が、何せオリジナルの描写を良く知らないので、何とも言えないですが、まぁそこそこ良く撮れるレンズが出来たので、結果報告します、乞う、ご期待!!
- 2020/08/30(日) 13:07:42|
- Mマウント改造レンズ
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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、7/22からの3泊4日の金沢旅行から前後編に分けてレポートするうちの後編をお送りしたいと思います。
まずは恒例の簡単な行程紹介ですが、現地滞在三日目の朝は、どういう風の吹き回しか、前の日にバスの中でポスターを見かけ、その日の晩にローカル局のCMでもやっていた、金沢骨董市というのに行ってみたいキブンになり、当日10時過ぎに宿を出て、駅近くのガストで朝飯食べてから、駅の観光案内の小姐に石川県の産業展示館へのバスでの行き方を教えて貰い、結果、12時40分までバスがないとのことで、雨宿りも兼ね、駅周辺をフラフラしてから金沢済生会病院行のバスに乗って、最寄りのバス停である運動公園前で下車、5分少々歩いて、一昔前の体育館みたいな造りの展示館に着くと、いきなり体温測定と連絡先の記入、手指のアルコール消毒を求められ、一連の手続きを終えて、中に入ってみたら、さぁ大変・・・
普通、というか昔、名古屋に居た頃通った北陸の骨董市では靑手九谷やら伊万里の結構良さげなものがそこそこの値段で出ていて、眺めるだけでも楽しかったのですが、何じゃこりゃ!?というカンジのガラクタ、贋物、まがい物満載の品ぞろえで、正直、栃木市の裏通りの骨董市の方がまだマシなものがあるくらいの体たらくで、30分と居らずに退出、バスはちょうど運動公園の敷地の対角線のスーパー銭湯前の方が良く通るとのことで、そこまで歩いていって、約30分ほど待って乗車、再び金沢駅まで戻り、バスの一日乗車券を買い求め、小雨降る中、そういえば、まだ前田利家侯にご挨拶もしていなかったことを思い出し、市内中心部の尾山神社前で下車し、お参りしてから、城跡を通り、ひがし茶屋街を皮切りに日暮れまで、ひたすらスナップ。そして最終日滞在四日目も親切な宿の女将に荷物を預かって貰い、駅まで出てからバスの一日乗車券を買い求め、その日の最優先課題である「ポール・ボキューズ金沢」でのランチを中心に動いて、香林坊そばの長町武家屋敷跡、雨の上がったひがし茶屋街周辺を中心にスナップを繰り広げ、16時台はじめの新幹線で帰京したというのが後編のあらまし。
では、それぞれの行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

まずは一枚目のカットですが、尾山神社前のバス停で降りた時は雨は収まっていたので、特徴有る石造り+銅葺き屋根の門を撮りながら、周辺に視線を走らせると、門に続く階段手前に左右に横切る側道があり、その左手側には、乗降客の多い駅近くの一本裏手に入った辺りによくある、ちょっとしたスナック街みたいなエリアが在って、ちょうどその雨上がりの湿った路上を好奇心に溢れた観光客が散策していたので、その様子を後ろから一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

二枚目のカットですが、尾山神社へのお参りも無事済ませ、さてこれからどうすっぺか?と自問自答していたら、ふと、頭の中で「ささ、奥へ参られよ」という言葉がよぎり、そのまま本殿奥へ足を踏み入れたら、今まで気づかなかった立派な回水式庭園が有り、その池の浮島との間に掛かった、煉瓦積みのアーチ橋が年代を纏い苔むしていて、得も言われぬ雰囲気を醸し出していたので、一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

三枚目のカットですが、尾山神社裏から新しく出来た多門櫓へと渡る橋を通って、同櫓から、これも近年出来たという、兼六園プロトとも云うべき玉泉院丸庭園を眺めてから広坂に下り、そこでバスに乗って、ひがし茶屋街最寄りのバス停まで移動し、まずはバス停から徒歩0分の主計町茶屋街を撮ろうと、降り立ったところ、また小雨がパラつき出し、前を行くカポーが傘をさし肩寄せ合って歩き始めたのでその姿を後ろから一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

四枚目のカットですが、前田候へのご挨拶の御利益なのか、主計町茶屋街屈指の撮影スポットである"なんちゃって尾道"階段の付近でいたいけな地元の小姐二名組が何に使うのか、小型ミラーレスでお互いに撮りっこをしていたので、声掛けたら、二つ返事でモデルさんになってくれ、お礼に彼らのカメラで撮って上げたら、大喜びされた時のもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

五枚目のカットですが雨が降り出すと退避場所が殆ど無い主計町茶屋街での撮影は早々に切り上げ、メインのひがし茶屋街まで歩いて移動し、霧雨が降り続くメインストリートまでやってくると、これはこれで、石畳もしっとりと湿っている上に、普段は乾き切って、やや冷たいカンジの周囲の木造建築物の壁面も心なしか艶やかに見え、悪くはないな・・・と思っていたら、ちょうど前にイイ雰囲気の相合傘の母娘が入ってきたので、有難く一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

六枚目のカットですが、前回3月に来た時も、滞在、1日目、2日目に来た時も、それほど人出は多くはなかったのですが、既に緊急事態宣言が解除されて久しい上、GoToキャンペンまで発令されている期間の有名観光地の週末ですから、それはそれは結構な人出で、雨にも関わらず、名物のかき氷屋のお店んの前にはいたいけな若者各位が行列を成し、ちょうど「氷」の看板の下に小姐3名組が陣取っていたので、声掛けてモデルさんになって貰おうとしたら、一名逃亡、二名が快く引き受けてくれ、ではお礼にと彼らのカメラで撮って上げる時には何故かまた三名になっていたという不可思議な現象を経験し、一方、撮っている間に見ず知らずの若者がずっと傘をさしかけてくれていたという、感動的な思い出の詰まった一枚。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

七枚目のカットですが、傘をさしかけてくれていた若者は、実は、工房主のカメラがライカデジタルで、しかもキャノンの50mmf1.2などをつけていたので、興味深々、話をしたかったとのことで、屋根の下で、撮影結果を何枚か見せて上げて、ではあの軒下の風鈴なんか、明暗差大きいし、どう写るか試してみようね、というデモンストレーションを兼ねて撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはCanon L50mmf1.2による開放での絞り優先AE撮影となります。

八枚目のカットですが、翌日は滞在4日目、当日の新幹線で江戸表に戻らねばならないので、陽が有るうちに撮れるだけ撮って、しかも前日、見つけた広坂は憲政記念館内の「ポール・ボキューズ金沢」でランチを摂らねばならないですから、結構慌ただしく、まずは今回スルーしていた近江町市場でバスを下車し、何を撮ろうか思案していた目の前に現れた目にも鮮やかな蟹の山を店主の女性に断って一枚撮らせて貰ったもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

九枚目のカットですが、近江町市場に着いたのは11時過ぎでしたが、12時を挟んで14時くらいまでは、前回の3月ですら、お食事処は長蛇の列に見舞われるため、早メシを済ませ、しかるのち、観光に没頭しようと考える合理的な思考の持ち主の人種も居てしかり、鮮魚商が店舗に併設した魚介料理を食べさせるコーナーでがっつり煮魚系の料理を平らげるいたいけな小姐の姿が目に留まったので、かなり接近気味に一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十枚目のカットですが、気を付けて探せば、結構、シャッターチャンス有りそうと思い、自分のランチタイムと憲政記念館までの移動時間も念頭に置いて、被写体を探していたら、居ました、居ました、またしても早メシガッツリ系の小姐が・・・ということで、鮮魚店店頭の角テーブルに身を寄せて、マスクなんかずらしてお昼前から丼メシを豪快にかき込むいたいけな小姐の姿が目に留まったので、斜め後ろから一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十一枚目のカットですが、市場内で一通り撮れたので、再びバスに乗って、香林坊にて下車、そこから徒歩で長町武家屋敷跡へと向かったのですが、この頃には雨も殆ど上がって、青空が顔を見せ、蝉時雨も耳に届くようになり、長い土塀に寄り添って流れる用水路伝いに歩いていたら、ちょうどその前を、如何にも金沢美人、という風情の小姐が優雅に歩んでいたので、有難く一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十二枚目のカットですが、ここ長町武家屋敷跡も他の歴史的景観保存地域同様、ただの民家が軒を閉ざして不愛想に建ち並んでいるワケではなく、かなりの頻度で飲食、物販、或いは体験提供型の店舗施設に転用されており、それぞれの店先では観光客の目を少しでも惹こうと趣向を凝らしているのすが、ひとつ心に残ったのが白磁のシンプルなデザインの風鈴の短冊に「ありがとう」と書かれていたのが目に留まったので、これは是非とも残したいと思い、最短距離で一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十三枚目のカットですが、長町武家屋敷跡の長い街並みもどん詰まりは元の香林坊の東急ハンズが入っているビル裏の用水路が流れる道路へと合流するのですが、その手前300mくらの石畳の小径は両側のお屋敷の木々の枝も高く鬱蒼としていて、なかなか風情の有る通りで、ちょうどそこに差しかかった時、白のお揃いのニットの小姐二名組が前を歩いていたので、有難く一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十四枚目のカットですが、豪華なフレンチのランチを挟み、午後の撮影はバスで移動したひがし茶屋街エリアから開始、この時点では雨が上がってから、かなりの時間が経っていたこともあり、茶屋街の石畳はすっかり水気も飛んで、また不愛想な無機質の顔に戻ってはいたのですが、前回発見したカボチャ風のレトロなデザインの水槽と鉢の組み合わせをメインに、通りを行き交う人々の姿を背景として写し込んでみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十五枚目のカットですが、暫しのお別れのつもりで、ひがし茶屋街のメインストリートに足を運んでみると、ちょうど入り口辺りのところで、二人組の浴衣姿の小姐がカメラを持って、シャッター押してくれそうな人が通り掛かるのを待っていて、わざとらしく横に立って、スマホンの露出計で測ってみたら、「あのぉ、カメラとかお詳しいんですか?」と声掛けてきたので、それ来た!と彼女達のα7IIIで撮って上げたお礼にモデルさんになって貰ったもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはLeitz Summaron35mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。
今回の感想ですが、いやはや、行って良かった、行けて良かった。金沢はだいぶ都会化したとはいえ、まだまだ古き佳き、日本の心が残っている気がしました。人々は親切だし、人を疑うことをしない・・・
当面、海外へは行けそうにないので、たまには魂の洗濯にでも新幹線乗って出かけましょうか。
さて、来週は一週遅れのお盆休みということでスキップ、その翌週は何が飛び出すか、乞うご期待!!
- 2020/08/16(日) 19:59:27|
- 旅写真
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さて、今宵のご紹介ですが、予告通りGo to キャンペン私家版みたいなカッコでの独り旅になってしまった感アリの7/22からの3泊4日の金沢旅行から前後編に分けてレポートするうちの前編をお送りしたいと思います。
実は3月に行った時、完成間近の歴史的建造物の復元工事があって、7月初めに完工とのことだったので、是非とも真新しい姿を見てみたいとの想いもあり、また、実のところ、北陸新幹線で3時間弱で着けるという便利さもこれあり、海外旅行が封じてとなっている昨今、最も魅力的な旅行先であることは疑う余地の無い話なので、今回も駅前の宿屋が出血料金の宿泊料を提示してくれたのもあって、ノコノコと出かけてきた次第。
まずは恒例の簡単な行程紹介ですが、10時20分台の新幹線に乗り、13時前に金沢駅に到着、まずは腹ごしらえとばかり、前回当たりを付けておいた「加賀屋」さんの駅名店街の中のお店で豪華箱膳を戴き、しかるのち、宿にチェッキン、そして荷をほどき、カメラとレンズのバッグだけ提げて、駅まで戻って、北鉄バス1日券を買い求め、まずは日中撮影が必須の広阪の21世紀美術館エリアに出撃し、新作レンズのテストをして、兼六園、金沢城址と回って、再びバスに乗って、浅野川至近の主計町茶屋街、そして近隣のひがし茶屋街を日暮れまで撮ってから駅に戻って、晩メシ、イブニングティの時間を過ごして、宿に戻ってそのまま就寝、翌日は、今から20年前に名古屋支店在勤中に月一で金沢地区へ遊びに来ていた頃、何回か寄った石川県立九谷焼美術館を訪問すべく、電車に乗って大聖寺迄出掛け、そこで美術館で銘品を堪能したあと、周辺の景観保護地区を見て歩いてから、再び電車で金沢に戻り、一つ手前の西金沢で下車し、北鉄に乗って、にし茶屋街に近い野町駅まで乗り、雨が小降りになるのを待って、にし茶屋街まで歩いて移動、何枚か撮ったあと、犀川の周辺が見ごたえのあるエリアも多いことを思い出し、片町方面まで徒歩で移動しながら撮って、陽も暮れたので宿に戻る前にティータイムし、部屋に荷物を置いてから再外出し、駅前で晩メシ食べて、宿に戻り爆睡、というのが2日目までの行動のあらまし。
では、それぞれの行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

まずは一枚目のカットですが、兼六園に入ってからも続いた、出来たばかりのBoyerの実写テストの最中に見つけた、水辺の数寄屋造りの家屋の前に佇む山吹色のクルマユリの可憐で健気な姿にすっかり見とれ、テスト終了後、スナップモードでの普通の玉に切り替えた時も、真っ先に一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはSummaron35mmf3.5での絞り開放AE撮影となります。

二枚目のカットですが、クルマユリに別れを惜しみ、後ろ髪を曳かれる思いで、園内の撮影スポットを探す旅に歩き出し、すぐに目に留まったのがちょっとした坂道を登る手前に建てられた、古風な佇まいのお茶室で、時間も時間だったので管理人のヲヂサンが戸を締めにやってきて、写真を撮ろうとしているのに気づき、ちょっと待っててくれたので、大慌てで撮ったもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはSummaron35mmf3.5での絞り開放AE撮影となります。

三枚目のカットですが、兼六園と云えば、やはりこの「琴柱灯籠」を抜きにしては語れないほど有名なランドマークで、普段の観光シーズンであれば、この灯篭が背景に入る、石造りのアーチ橋の上で記念撮影を撮る順番待ちの行列が出来、ちょっと変わったカメラなど提げていようものなら、すぐに呼び止められて、即席記念撮影係を拝命するところなのですが、この日は平日を奉公先をズル休みしての旅ですから、観光客など期待出来ようはずもなく、琴柱灯籠のみの出演となったもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはSummaron35mmf3.5での絞り開放AE撮影となります。

四枚目のカットですが、人気の無い兼六園で長居は無用につき、同様に人もまばらな金沢城址もさらっと流して、前回の経験則上、平日でも夕方近くには、インスタ映え目当てで、そこそこの人出が期待出来そうなひがし茶屋街方面にバスで移動し、まずはバス停降りてすぐ真下の浅野川沿いの主計町茶屋街で風情の有るところを撮ろうと思い、前回発見した、通りの真ん中辺りから南に開けたちょっとした坂の上からの”なんちゃって尾道”を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

五枚目のカットですが、これも主計町茶屋街の通りの中頃に位置する”なんちゃって尾道”風景を撮れる狭い階段の坂のすぐ下にある小料理屋の店先に掲げられた白い提灯を、路地裏の趣きある弁柄壁の建物を背景として一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

六枚目のカットですが、これも主計町茶屋街での景色ですが、短い裏通りをどん詰まりまで歩き通してから、犀川伝いの表通りをひがし茶屋街方面へ歩いて行くこととし、もちろん歩きながら撮ろうと、薄暗くなってきた裏通りを、鵜の目鷹の目、被写体を探していたら、夕暮れになかなか風情のある、ろうけつ染めの紫の暖簾が下がった小料理屋が目に留まったので、店先の様子を一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

七枚目のカットですが、裏通りのどん詰まり手前でまたしても南に大きく開けた通路というかちょっとした細長い広場みたいな場所があり、ここも南側の方が小高い丘になっているので、奥の方はまた階段で上に登る経路に繋がっていますが、広場入口付近にここの茶屋街の管理事務所みたいな場所があるので、風情ある手書き文字の看板越しに広場の様子を捉えてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

八枚目のカットですが、どん詰まりまで到達してから、木造の建物と建物の間のとても狭く、大人二人がすれ違うにはちょっと厳しいくらいのトンネルのような通路を抜け、陽はとうに西に傾いて夕暮れモ-ドには入っていますが、建物と建物の間の狭い裏撮りから川沿いの陽を遮るものが全くない場所に出てくると、やはり少々眩しく感じ、目を細めていたところ、ちょうど頃合い良く、浴衣のカポーが大人のオーラをまき散らしながら通り過ぎていったので、後ろから一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

九枚目のカットですが、このところ、あまりに風景写真、風景写真したシーンは専ら25mm程度の広角相当の優秀なカメラの付いたGalaxyに任せて、1~5m程度のものをきちんとしたカメラとレンズで撮るような役割分担が頭の中で出来上がっていて、肉眼で見ておーっとなっても、スマホンで撮っておしまい、通り過ぎるということが殆どでしたが、今回の浅野川上の景色は北陸固有の梅雨時の重苦しい曇り空が低く垂れ込めた様子を川面に映し、あたかもローマとかパリの河沿いの風景を描いた印象派の絵画みたいな雰囲気だったので、ライカの実力を信じて一枚だけ撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十枚目のカットですが、もう日暮れまで1時間も切った頃にやっとメインの撮影スポットであるひがし茶屋街に辿り着いたわけですが、当日も時折、雨がパラついたりしている上に、このところの観光客の減少を受けてか、3月に訪れた時と同様、平日はメインストリート沿いの物販店、飲食店とも殆ど扉を閉ざしており、それが故、訪れる物好きもまばら、という事情らしく、仕方なく閑散とした通りに奇特なカポーが足を踏み入れて暫く進んだ辺りで一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十一枚目のカットですが、ひがし茶屋街のどん詰まり、左右にしか抜け道は無い、というところまで歩き通し、経験則的に左の方向の方が、休みでも店先に花を活けていたり、オシャレなオブヂェを展示していたりと撮り歩くには楽しいルートであることは判っているので、迷いなく足を進め、曲がって10数メーター先の路傍に咲いていたルドベキアの黄色と赤紫の可憐な花を古風な木造建屋の建つ通りを背景に一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十二枚目のカットですが、翌7/23日はちょいと前の晩に部屋で呑み過ぎ、出発が11時半を回ってしまい、駅前のビル内の人気寿司店で蟹みそ丼など戴いてから、北陸本線関西方面に乗り、1時間ほどかかる大聖寺まで出かけ、16時過ぎには西金沢に戻り、そこから北鉄野町駅経由、にし茶屋街に入ったのですが、当日はあいにくの雨模様で、金沢市内屈指の和装インスタスポットのひとつにも関わらず、観光客はまばら、声をかけるにも、肝心要の相手がおらず、仕方なく、いつもは35mmか50mmなので、全景を収め切れなかった、茶屋街の事務所のレトロな佇まいを撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十三枚目のカットですが、それでも無人の茶屋街を撮ってもあまり面白くはないと思い、数少ない通行人が通りがかるのを待っていたら、ちょうど、関西から来たらしい、いたいけな小姐二名組が、あいにくの雨模様を呪いながらも、濡れた石畳って、結構イイ雰囲気なんやないのぉとかケタケタ笑いながら歩きすぎて行ったので、音もなく追尾し、後ろから一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十四枚目のカットですが、ここにし茶屋街は通り自体が短い上にひがし茶屋街ほど各店舗の店先に凝った趣向もなく、そもそも人通りが圧倒的に少ない、当日のにし茶屋街での長居は無用、夕暮れの犀川周辺の風景でも撮ろうと犀川大橋方面を目指して歩き出したら、川沿いに三階建ての風情ある木造建築物が在ったことを思い出し、灯りが点る前のその威容をどうしたら捉えられるか暫し思案の結果、逆光でセミシルエットで全景を捉えてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。

十五枚目のカットですが、金沢の街はセミシルエットもなかなか決まるなぁと独り言ちて、犀川大橋を渡る時、夕暮れの鋼製の橋の部材がとても力強く、しかし、長い歳月をそこに過ごし、通り過ぎて来た人々の物語をしみじみと語りかけてくるような気がして、夕暮れの空をバックに一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltoron28mmf2.0での絞り開放AE撮影となります。
さて次回は行程3日目の午後と4日目の出発前までの金沢の風景と出会った人々との交歓も併せてレポートしたいと思います、乞うご期待!!
- 2020/08/09(日) 19:58:21|
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