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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Back to the past~Kanazawa Photographic Tour’20.Sept.①~

さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、一週スキップの後は、久々の遠出、大学時代からの友人との加賀の国への旅から3日間の撮影内容からダイジェストを3週に亘ってお送りしたいと思います。
まずは、恒例の簡単な行程紹介ですが、日程は9/18から9/22の5日間で、最初の一泊目は加賀温泉郷のうち、最も風光明媚とされる湖畔のいで湯、片山津温泉に投泊したのですが、あいにく駅に着いた時点から翌朝まで大雨で、とてもまともなカメラに貴重なレンズを付けてスナップしようなどという気にはなれず、専ら、インスタ用にGALAXY S9で撮ったのみ、翌9/20の午前中に移動した金沢からが実質的な撮影ツア-の始まりとなりました。そして20日から現地発の22日までは好天に恵まれ、かなり枚数が伸びました。
なお、今回の旅の大きな特徴は、初め検査用として導入したSONYα7RIIがその精勤ぶりを認められ、何かと
不便なAPS-C機であるX-Pro2に代わり、Leica Mの初の相棒の大役を務めたということです。
では、さっそく金沢初日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはSONYα7RII、レンズはLeicaのVario Elmar21-35mmf3.5-4.5asph.による全コマ開放絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、加賀温泉駅から各駅停車の電車に揺られること45分、金沢駅に到着すると、昨日の荒天とは打って変わって、抜けるような青空が頭の上に広がる好天で、気温もそれほど高くはなく、まさに秋の撮影シーズン到来、ということで、加賀棒茶にあやかってでしょうか?駅前広場の隅の目立たないところに鎮座ましまし、あたかも渋谷のハチ公像の如く、いたいけなジモティー若者各位の待ち合わせ目印ないし、無聊を託つ人々のたむろする場となっている巨大やかんの全体像を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、滞在中はいつも「市内バス1日乗車券」を買い求めて、それを使い、市内の名所旧跡を回るのですが、今回は旅の安全とシャッターチャンス邂逅祈願も兼ねて、前回、最終日に訪問した「尾山神社」に参拝してから回ろうと、バスを降りて、特徴的な唐金造りの山門に向かう途中、このご時世というのに、遠足ないし修学旅行のいたいけな女学生グループが前を横切っていったので、有難く登場願ったもの。

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三枚目のカットですが、前回は最終日、結構な雨になるつつあったので、配色からしても雨天の暗い空では映えず、そもそも雨の中、貴重なレンズを付けたカメラを出すのに抵抗あり、スマホンでしか撮影しなかった竣工したての「鼠多門櫓」とその手前の木造風架橋ですが、今回は背後に夏空の名残の如き、青空と白い雲が広がっていたので、フルサイズ機の威力発揮で21mm端で全景を捉えてみたもの。

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四枚目のカットですが、ここ「玉泉院庭園」も前回、初めて訪問しましたが、雨がかなりきつくなってきていて、カメラでの撮影は断念し、GALAXY S9での静止画と動画撮影のみ行った庭園全景を広角ズームを活かし、色々な構図で切り取ってから帰り間際、このご時世では宇宙人並みに稀有な存在と化した外国人観光客の小姐二名がすれ違っていったので、視界一杯に広がる見事な庭園に対峙し、ワンダホゥ!とか感嘆しながら撮影開始する様を後ろから一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、玉泉院庭園を見物した後は、次なる目的地への途上にも有り、前回もかなり満足度の高かった「Cafe Paul Bocuse Kanazawa」で至極のランチを堪能し、同行の友人ともまったりした気分で、徒歩でも5分以内の距離にある「21世紀美術館」へと向かい、金沢市内の美術館の入場料金としては破格の1200円の入場料もさることながら、入場待ちの十重二十重の人民各位の行列に、端から中に入ろうと云う気も起らず、専ら入場無料の庭園の撮影を行うこととし、巨大なカラーフィルターが渦巻状に配置され、位置により透過する姿が変わる通称「RGBの森」の様子を捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、ここも「21世紀美術館」での入場無料の庭園屈指のインスタ映えスポットである、磨き上げられたステンレス製の泡、ないし葡萄の房を象徴的に象った巨大な半球の集合体のオブジェですが、この日の素晴らしい青空を映し出す涼し気な佇まいに惹かれる、いたいけな若者各位はひきも切らず、傍らで暫し様子を伺い、可愛げな小姐二名組が首を傾げ、肩を寄せ合って自撮りした瞬間を逃さず、斜め横から一枚戴いてみたもの。

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七枚目のカットですが、同じく「21世紀美術館」の庭園の至る所に建ち、アルミ製のラッパ状の金物に何か声を掛ければ、庭園の何処かのラッパから聞こえて、見知らぬ誰かと、偶然の産物である地中の管越しの会話が楽しめるという企画なのですが、どうやら、ここのラッパとあそこのラッパが繋がっているようだ、という法則みたいなものが、ジモティーの来訪者には、まさに文字通り筒抜けらしく、若いオモニが連れて来たラッパの前で、いたいけな極小姐が「パパ着きましたよ♪」なんて、予定調和説的な遊びをしているところをオモニに声掛けて撮らせて貰ったもの。

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八枚目のカットですが、この21世紀美術館は庭園のあちこちに散りばめられた金属製のオブジェも見どころあるのですが、扁平な円柱状の形状を持つ、ガラスカーテンウォール構造の建物自体もかなり優美な佇まいを見せており、それが最も引き立つのが、陽も西に傾きかけてきた黄昏時分なのですが、この日は、行程上まだお昼過ぎの訪問となってしまったので、ガラス張り建物のスカイラインの美しさと芝生の対比を撮ろううと思っていたら、傘を差した小姐二名組が追い越していたったので、急遽出演願ったもの。

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九枚目のカットですが、当日は日中がまだまだ暑くなってきたので、陽が傾くまで、エアコンの効いた美術館みたいなとこを見学して涼もう、とかイイ年こいたヲッサン達の考え出しそうなことをどちらともなく云いだし、では1億円近くする古九谷の大皿でも話の種に見物しようかね、ということで、石川県立美術館へ徒歩で移動する途上に鎮座まします、金沢一の古社「石浦神社」にお参りがてら、掲題のインスタスポットである鳥居回廊横の風鈴通りの入口の涼し気な風鈴を至近距離から35mm端で撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、石川県立美術館で、入場料をケチって常設展のみ観たら、展示してある筈の古九谷大皿ご一行様が忽然と姿を消し、同行者から、皿は何処に有るんだぃ?とか切実な表情で聞かれ、受付付近のイベント告知を読んでみれば、何と、刀剣をはじめとした加賀百万石の伝統工芸品の特別展の方へ全部持ってってしまっているとのことで、失望し、ほうぼうの呈で最寄りのバス停からバスに乗って訪問した、主計町(かずえちょう)茶屋街中央付近の弁柄壁に囲まれた路地を撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、同じくひがし茶屋街に行く前に寄った、前菜程度の扱いのつもりだった主計町茶屋街ですが、今年に入って三回目の今回の金沢訪問では、前回比10倍近くの人出があり、これまでは閑散とした裏通りの店並みがどこか物悲しい佇まいを見せていたのが、打って変わったように路地にも人が出入りし、お店のオーナーと思しき男性も、妙に饒舌にお客に近傍の観光案内から、ライバルの筈の東西茶屋街へも是非、とか調子イイこと言ってたので、町会看板越しにそんな雰囲気も撮ってみたもの。

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十二枚目のカットですが、まだ時間の早い主計町茶屋街を後にし、金沢随一の観光ランドマークと云っても過言ではない、ひがし茶屋街へと足を踏み入れた途端、何じゃ、ここは浅草の仲見世通りか、それとも原宿の竹下通りか、はたまた台湾の九份の基山街か、と見まがうほどの人出だったのですが、そうなるとこれまでメインストリートで思う存分、晴れ着姿の撮影を楽しめた観光客の小姐各位は、側道、裏通りでひっそりとやるしかなく、地べたにスマホン置いて二人で撮ろうとしていた小姐各位に声掛け、何ポーズか撮って上げたお礼にとモデルさんになって貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、金沢に現存する三か所の茶屋街のうち、ここ、ひがし茶屋街が最大かつ、周辺のエリアも含めれば、北陸では人出も最も多い観光地なのですが、メインストリートのどん詰まりの更にその奥には、かの北大路魯山人がこよなく愛した「山の尾」という超高級料亭が小高い山の中腹に建っており、そこへ続く道への曲がり角がなかなか佳き風情なので、いたいけなカポーが通りがかった頃合いを見計らってシャッター切ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、ここも、ひがし茶屋街を訪問すると、毎回、夕暮れ時分を見計らって、ギヤマン製のカボチャとそれを保持する錆びた鉄枠が妙に通りの風情と似合う鉢を撮るのですが、これまでここ、ひがし茶屋街といえども、人出が殆どなく、背景に人、しかもそれなりに優美な衣装の小姐を入れて撮ることなど予想だに出来なかったのが、数メートル背後で楽しげに歓談などしていたので、有難くエキストラ出演願って撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、同じくひがし茶屋街ですが、先ほどよりはだいぶ、メインストリートの人出が減ったようだったので、わざと目立つように中間付近の石畳の道の真ん中付近にしゃがみ込み、写り込むのを憚ってか、立ち止まっている観光客各位の息遣いなど感じながら、「山の尾」の聳え立つ小高い山の方向を目がけて21mm端で通りの全景を撮ってみたもの。

さて、次回は金沢滞在二日目、銘玉と共に武家屋敷巡りから始まる古都の旅のレポートをお送り致します、乞うご期待。
  1. 2020/09/27(日) 20:00:00|
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奇貨可居~Tamron SP28-80mm3.5-4.2 FC Macro~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、OMマウント繋がりという安直な選択で申し訳なくはありますが、たまたま、物故マウントであるOMマウントだったというだけで、そこそこキレイで内部も異常ない販価44000円のズームがちょっと豪華なランチ一回分で買えてしまったので、ちょい汚れが付いていた1、2群のみ開けてクリーニングし、あとは殆ど買ったままでの試写です。
このレンズ、1983年発売、1987年終売のアダプトール2というユニバーサルマウント付のもので、今や、その交換マウントの方が健全なものを探すと高くつくような代物となっていて、レンズ構成は8群9枚で最短距離は80mmで36cmまでのかなり意欲的な仕様でした。
実は、何かの時のために、とアダプトールはニコンFとキャノンFDとペンタックスKまでは揃えてあるので、今回の試写が上手く行けば、色々使い道はあるな、という下心も有って、買ったのでした。
では、さっそく実写結果を眺めて参りましょう
ロケ地は深川森下、カメラは、このところ、真面目な働きぶりが評価され、すっかりお散歩カメラの位置をゲットしているSONYα7RIIによる全コマ開放での絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、深川森下は「深川せいろ飯」で名高い「割烹みや古」さんで珠玉の「深川せいろ飯御膳」を戴き、それから近傍で試写スタート、ということで、まずは清澄白河駅から歩いてお店に来る途中に見つけた面白そうなシーンということで、緑のトタン外壁のイイ案配のやれたカンジの飲食店を撮ろうとしたら、来る時にはいなかったミニクーパー氏が路駐していたので、有難く借景で一枚戴いてみたもの。

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二枚目のカットですが、清澄通りを南に向かって歩けば、10分もしないうちに清澄白河の交差点に出て、そこを渡ってから門前仲町方面に向かって1~2分も歩けば、この近辺の定点観測スポットである、関東大震災後に造られた、通称モダン長屋商店街に行き着き、さっそく、手前の音楽教室前に陣取り、後から追い越していったママチャリにご出演願って一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここもモダン長屋の一角で定点観測スポットとなっている、パステルトーンの自転車がガラス張りの店頭にさりげなく置かれている美容室なのですが、これもよくよく冷静に観察してみれば、ガラスにメタリック塗装の車体ということで、高反射率の被写体の複合パターンで、内面反射の高いレンズでは大フレア大会となり、著しくコントラストは低下してしまうはずなのですが、ピーカンで激暑の下町の午後でも、不思議と涼し気な風合いとなったもの。

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四枚目のカットですが、ここも躯体がコンクリート製のこの長屋の中では異彩を放つ、札幌時計台の如き、白塗り板張りのグラスエリアを店頭に据えた個人経営のブティックなのですが、いつもは、グラスエリアを主体に、人や自転車が通り過ぎるところを画面目いっぱいで切り取っている構図に対し、今回は28mmの画角をフルに使えるので、長屋の屋根まで入れるべく縦位置で全体像を捉えてみたもの。

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五枚目のカットですがこれも、同じくモダン長屋のもうちょい清澄白河交差点寄り、次の目的地である「江戸深川資料館通り」への交差点手前の辺りまで歩いて行ったら、ちょうど、横断歩道を渡ってきた、レトロなカンジの麦わら帽の小姐が交差点方面に向かって力強く歩き始めたので、28mm域でその後ろ姿を捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、ホントは18時過ぎくらいになって、陽が暮れ出してから、「BEER」の武骨な白い看板の下に吊るされた精巧な白熱電灯型LEDの灯が目を惹く時刻の方が、画的には数倍魅力的なのですが、そこまでこの灼熱の深川の下町で時間を潰すのも勿体ないですし、撮った結果を即見たい!ということで、まさに昼行燈を地で行く状態で一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、実は試写の前の晩にも、テレワーク体制下での運動不足解消のための毎日の就業時間後の近所の一万歩ウォークにて、ここ清澄白河付近を散策した時、帰りにたまたま資料館通りに足を踏み入れ、と或る居酒屋の店頭に「今日から俺は!」劇場版と思しき、気合いの入った人形が置かれていたので、それを撮ろうと思い、ランチを「みや古」さんにして、てくてくと撮りながら歩いてきたのですが、途中から資料館通りに入ったため、清澄通りから展示されていた「案山子フェスティバル」の一環とはつゆ知らず、趣向の凝らされた案山子に目を奪われ、まずお出迎えの一号機を挨拶代わりに一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、ここ「江戸深川資料館」通りは良く云えば、再開発の波に呑まれず、比較的、昭和の建物がそこかしこに保存されている、悪く云えば、流行から取り残され、ディープな観光客しか寄り付かないエリアとなっていて、あまり新型コロナ流行前後で人通りが変わったような印象も無いのですが、それでも、不動心の象徴の如く、群馬や栃木辺りの都市部でも消滅してしまったかの如き下町の総菜屋さんが健気に営業を続けていることに敬意を表し、一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、ここ資料館通りの「案山子フェスティバル」はどうやらコンテスト形式らしく、それぞれ、時事ネタを巧みに取り入れた上で趣向を凝らした造形で以て、それなりに耐候性もある案山子に仕上げて来ているのですが、まさか!?と思うようなものが視界に入り、なんと、新型コロナこと「COVID19」の病原体であるコロナウィルスの顕微鏡写真を擬人化して、「コロナ星人」として地球を侵略中・・・と展示していたので、子供達も尖鋭化してるなぁと独りごちながら熱々カポーがその前を通るのを待って一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、新型コロナみたいな殺伐とした時事ネタもありますが、展示物の製造元が周囲の児童会みたいな団体で、指導者には閑なご老人も居るようで、普遍的な、観る人の心を和ませるような造形のものも勿論有り、こんな和やかな案山子で果たして腹を空かせたカラスやら雀が恐れおののいて畑から遠ざかってくれるだろうか?という風情で孫をあやすお爺さんといったテーマのものを見つけたので、ほっこり一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、趣向を凝らした様々な案山子を眺め、また商店街のそこここに点在する、昭和の名残を留めた店舗兼住宅など眺めていたら、あっと云う間に資料館通りの商店街のアーケードのどん詰まりが見える辺りまで来てしまい、そろそろ、本日のメインディッシュである「今日から俺は!」の剣山頭の不良高校生の案山子の写真でも撮ろうかいなと思った矢先、ふと脇道に目を向けたら、古風な工場風の建物の前にメテオグレーのRX-8が・・・ということで嬉しくなって一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、思わずきれいなRX-8の写真が撮れたことが嬉しくなって、足取りも軽く、もうすぐどん詰まりも近い資料館通りの商店街を歩いていたら、妙に店先が賑わってる、土産物屋のような和装屋のような不可思議な商店があり、近寄ってみたら、インスタ友の「田巻屋」さんで、前から何度も前を通っていたのに気づかなかったとはいやはや不覚、と思った矢先、補助輪付自転車の童子とその若いヲヤヂが傍らを通り過ぎていったので、店頭写真に入って貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、深川東橋から冬木町経由、工房前の東富橋まで続く道である墨田区役所通りとの交差点近くに辿り着き、やっとのことで、昨晩、仄暗い居酒屋の灯りに照らされた「今日から俺は!」の剣山頭の不良高校生とその同僚のとうもろこし頭の二体のかかしがちょうど資料館通りに平行し、向き合う形で設置されていたので、個々に撮るより、一緒の方が、とのことで逆光もののかわ、一枚撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、資料館通りの商店街から表通りに相当する清州橋通りを通って、再び、地下鉄駅の有る清澄交差点方面へ戻らねばならないので、墨田区役所通りを北に曲がったら、なんと、その側道では、ワーゲンの古いバンがちょこんと鼻先だけ出して停まっていたので、閑静な住宅街をバックに一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、ここ清澄白河エリアのモダン長屋と並ぶ、昭和の建築遺構、いや、まだまだ十分に現役なので、遺構といっては申し訳ないレトロ建造物の雄、同潤会アパートが次々取り壊されてもう地上には残っていないのに、ほぼ同時期の建造物として、表通りに威容を誇る「清州寮」の姿を28mmで捉えてみたもの。

今回の感想ですが、安物のOM-NEXアダプタで内面反射対策をしないまま試写に出てしまったので、ハイライトではフレアっぽくなってしまいましたが、周辺まで破廉恥な像面湾曲や光量落ち、妙なマゼンタ、シアン転びもなく、中心付近では素晴らしく解像力も高く、なんでこんなお値段で叩き売られていたのか不可思議でたまりませんでしたが、こんどSONYから出るレンジファインダ型のコンパクトフルサイズ機α7Cにつけて小旅行など持ち出したら、GALAXY S9の出番が減ってしまうのではないか、との印象です。いやはや80年台後半の日本のレンズ専業メーカーの高級機の性能は侮り難し。

さて来週は久々に友と旅に出ますので、一週スキップ、その翌週から二週くらいで旅写真レポートしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2020/09/13(日) 21:03:03|
  2. 深川秘宝館
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Unexpected reborn of ordinery optics~OM F.Zuiko 50mmf1.8 Auto-S~

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さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、有り合わせの材料で美味しく料理する・・・まさに使い勝手の良い下町の大衆食堂の如く、工房のパーツ取りの過程で発生したパーツの組み合わせによるリビルト品の試写結果をレポート致したいと思います。
今回のクランケ(患者さん)はOLYMPUS OM Zuiko50mmf1.8、既に銀塩カメラの終焉と共にシリーズも命脈を終えたOLYMPUSの小型軽量アマチュア用一眼レフOMシリーズ用の最廉価標準レンズです。
当工房では、先のDallmeyerのOscilloやら、General Scientific社製のものやら、プロジェクタ用のバレル
レンズに至るまで、口径が太すぎて、ライカマウントのヘリコイドに収まり切れない光学系の改造には、主にOMのヘリコイドを使って、ライカMマウント金物を付けたり、フジのXマウント金物を付けたりと便利に使わせて貰っているのですが、そうすると当然のことながら、ZUIKOの元の光学系のエレメントは失業してしまい、かなりの頻度で貼り合わせ部が白濁しかけている後群はともかくとして、まだ使えそうなエレメントがパーツとしてストックされていて、今回、前玉は傷、中玉はカビながら奇跡的に後群は白濁も傷もコーティング剥がれもなく、健全な状態だったので、当面、ヘリコイドを使う改造は無い見通しなので、いっちょう、手持ちパーツでいまだ人気の根強いOM Zuikoをリビルトしてみようと思い立った次第。
このレンズは4群6枚のオーソドックスなWガウスタイプで、1971年にOM-1(発売当時はM-1なるもL社からのクレームで改名)の普及判標準レンズとして発売され、細かい改良は受けながらも2000年頃にOM2000を最終モデルとして銀塩一眼レフ撤退と共に生産・販売中止となりましたが、普及品であったが故、かなりの数がジャンク市場に出回っているため、パーツ取り用ドナーとして重宝されるのです。
ではさっそく実写結果を逐一眺めて参りましょう。
カメラはX-Pro2、全コマ絞り開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、試写当日はお昼は上野駅のレカンで食べてしまったので、浅草は試写するだけの目的につき、上野からは銀座線の地下鉄で移動し、雷門近くの出口から上がって、まずは至近距離でのシャープネスと逆光を見たいと思い、ちょうど空いていた雷門のアイデンティティである巨大赤提灯下に滑り込み、底部の金物に施された逆ハーケンクロイツのメタリックな輝きを北側の空を入れて撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、お江戸随一の観光名所のランドマークをあまり一人で占拠すると、遠路遥々訪れた観光客各位を熱いさなかお待たせしてしまうことになるので、そこそこに場所を空けたら、待ってましたといわんばかりに入れ替わり立ち替わりにいたいけな着物姿の小姐二名組が邪魔者の居なくなった赤提灯の雄姿を上から下まで収めんと、かなりムリして二人でのけ反って撮ってる姿が面白く、後ろから一枚戴いてみたもの。

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三枚目のカットですが、本来であれば、雷門の次の定点観測スポットである「美人茶屋あづま」さんの店頭で実演販中のお仕着せ和服の健気な女給さんの精勤するお姿でも物陰から仮借ない観光客各位に混じって、さっと撮ってしまいたいところですが、そもそもお客も居なけりゃ、女給さんもおらず、お店番は仏頂面の中年男一名では寄り付く気持ちも失せ、ちょうどその先の角の舟和の仲見世支店前に若いカポーが和服姿で得も言われぬ雰囲気を醸し出していたので、傍らから一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、やはり鎖国モードだと、写真撮らせてと声かけると一緒になってはしゃいでポーズなんか決めてくれる世界各国からの陽気なノリの観光客各位が皆無につき、そもそも人出が昨年レベルには戻っていない上に仲見世路上には和装の若い人々が極めて少ないかったので、早々に歩き通して宝蔵門前でも同様にシャッターチャンスなさそうなのでパスし、手漕ぎポンプの近くに行ってみれば、居ました、居ました子供会みたいなのがプチ遠足みたいな行事で出っ張ってきていて、盛大に写真なんか撮ってるので、ちょうどセミシルエットで手を洗っている小々姐が居たので、父兄に混じって有難く一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですが、境内でも、これまでの経験則からして撮らせて貰えそうな雰囲気の和装グループは皆無につき、仕方なく物撮りモードに入ることとし、まずはいつも通り手っ取り早く、本堂向かって左側の天水桶の上縁に陽刻された謎の赤い象形文字みたいなのをモチーフに青空に映える東京スカイツリーを無限の背景に入れて撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、こういう時はだいたい奥山方面に行くと何かしら被写体は有るものと相場は決まっているので、西参道方面に歩いて行くと、このところの浅草寺西方面での定点観測スポットである常盤おこしが設けたという無数の風車の壁まで歩いて行く途中、影向堂のちょい先の西側広場脇に二階家ほどの高さの樹があり、その下の方の枝の先に可憐な藤色の花が咲いているのが目に留まったので、足を留めて、最短距離で一枚試し撮りしてみたもの。

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七枚目のカットですが、このところ不調の「美人茶屋あづま」さんやその裏の扇屋さん店頭の大和絵団扇のデスプレイに代わり、新たな定点観測スポットとなった西参道そばの常盤堂おこしプレゼンツのインスタスポットである風車の弥七モニュメントも、同じようでいて、時折、風車を総入れ替えしているらしく、今回立ち寄ってみた時は、夏の猛暑に対する一抹の清涼剤を意図したかの如き、涼やかな水色メインにところどころアクセントとして、どことなくピカチュウめいたレモンイエローの羽根に赤い留めピンという仕様のものも混ぜていたので、記念撮影する小姐各位に邪魔にならぬよう真横から一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、無事、風車の弥七モニュメントを撮り終え、無謀にもインスタ小姐各位に無理くりモデルさんをお願いしようとした巨大デジ一眼レフヲヤヂが、大丈夫です、大丈夫です、あ、これは結構ですって意味ですから・・・とか解説付きのお断りモードを発揮され、ほうぼうの呈で逃げ出したのを尻目に見てから本堂方面に向かったら、影向堂前で記念撮影結果を見てる小姐が居たので、スマホ覗き込んでいるとこを撮らして、と頼んで一枚撮らせて貰ったもの。

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九枚目のカットですが、実は本堂前の石畳を全面張替え工事していて、そもそも人通りが生じないような動線となっていて、お御籤売り場にも人気は無し、手水場も同様ということだったので、宝蔵門そばで張ってみようかと思った矢先、偽金髪も午後の傾き出した陽光に煌めく、如何にもレンタル浴衣という風情の小姐二名様が傍らを通り過ぎて行ったので、振り返りざまに一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、昨年の今頃でも、休日はその石畳さえ見えることのなかった仲見世ですが、意識せずともソーシャルデスタンスが保てるくらいの閑古鳥状態にも拘わらず、OZとか大人の週末系のお手軽グルメ特集記事紹介型の雑誌メディアで取り上げられたお店はそこそこ人を集めており、宝蔵門から程近いこの揚げ饅頭だかの店頭では、糖質制限ダイエット何するものぞ!?という気概の小姐が列をなしており、ちょうどそのうちの一名、大人になった"偽赤毛のアンアン"みたいな小姐の髪が午後の陽光に煌めいて見事だったため、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、シャッターチャンスを物色しながら仲見世を雷門方面目指して歩いていくと程なく伝法院通りとの交差点に到達しますが、この日も屋台を曳いたラムネ売りのヲヂサンが居て、背景にスカイツリーが丸見えのロケーションも功を奏して、インスタ映え目的の自撮り用小道具として、そこそこレトロで涼やかなイメージのビン入りラムネがいたいけな浴衣姿の小姐には売れているらしく、先に買い求めたカポーに引き続き、小姐二名様も買い求めようとしていたところを斜め後ろから一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、仲見世を歩きながら、確かに、背中で語るカットで統一しても面白いな☆とか思いついた矢先、手前のお店から出て来たカンカン帽に麦わら手提げバッグの、郊外へハイキングでも出かけるかの如きいで立ちの小姐と、一見お揃いの黒系装束のようでありながら、Guessのロゴをサークル状に大きく配した派手なTシャツの兄ちゃんが手に手を取ってしっぽりと歩き始めたので、これ幸いと有難く後ろから一枚戴いてみたもの。

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十三枚目のカットですが、目の前の雷門が大きくなってきた頃、前方の定点観測スポット、「美人茶屋あづま」さんの店頭に目線を走らせたら、もう食べちゃってお替りを買おうかどうしようか逡巡しているのか、或いは近所の鍵っこで、別のことにお小遣いを使ってしまって、好物の黍団子を買えず、仕方なく店頭の賑わいでも眺めようかと時の移ろいに身を任せたままにしているのか、独りぼっちの極小姐がかいがいしく働くお店のカウンターの横から中を覗き込んでいたので、後ろから一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、夏季限定の定点観測スポットとなった雷門東側、天婦羅の「三定」裏の土産物屋さん店頭に吊るされた、如何にも涼し気なギヤマン製風鈴が一列に勢揃いし、極僅かなクルマの通り過ぎる風に揺れて、晩夏の夕方の陽光を煌めかせながら、微かな音を奏でる様子を至近距離に陣取って一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、さぁて、何処かでお茶でもしてから帰ろうかなと雷門前まで歩いて行ったら、ちょうど良いことに結婚式か何かの記念撮影のリハーサルか何かで、如何にもその業界の人ですよ、と云わんばかりの黒づくめのパンツ姿のウェディングコーディネータの小姐他スタッフと金襴緞子の帯締めながら♪みたいな和装のカポーが緊張しながらも真面目に段取りの打ち合わせなんかやってたので、横から、多幸を祈りつつ、他の観光客に混じって一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、実はアダプタなのか、組み合わせたエレメントの相性の問題なのか、精密調査をしていないのですが、無限が4m程度になってしまっていたので、近~至近距離のカット尽くめになってしまいましたが、それを覗けば、オール開放でここまで撮れれば十分及第点ではないでしょうか。

さて、次回ですが、実はこの試写の帰りにSONYのEマウント用アダプタを買い求めたので、これは点検後、再試験するとして、家に有った分解清掃済のOMマウントのズームレンズを実験台に試写しましたのでご紹介します、乞うご期待!!
  1. 2020/09/06(日) 21:31:15|
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charley944

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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