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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Optics from a foreign country where ancient mage might create masterpice of doll with blue eyes~OPENAR50mmf2.0~

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さて、今宵のご紹介ですが、予定通り、青い目をした魔道士の作ったお人形のガラスの目玉のような東欧の魔都からやってきたレンズの実力のほどをご紹介致します。

まずこのレンズは1949年に発売になった、チェコスロバキアはメオプタ社のレンズ交換式ファインダーカメラ、OPEMA2の標準レンズで、構成は4群6枚の普通のWガウスタイプとみています。
カメラもレンズもライカに酷似しているので、バルナックタイプのライカに使えると思いきや、マウント径が1mm近く小さく、その上、フランジバックが公称1.3mm、実測では2mm近く短いので、ライカに何とか捻じ込んだとしても、近接専用になってしまうので、答えは、使えない、ということになります。

そこで、当工房では、新たにライカL39-SONY E用のアダプターのスレッド部を削り出して作り直し、SONYαで使えるようにしたものです。なお、このL38のスレッドを多めに作っていたので、同時にFUJI Xマウントとのアダプターも製造しました。

今回はイメージサークルの大きさと周辺の画質を確認すべくフルサイズで裏面照射CMOS搭載のSONYα7RⅡでテストしました。

ロケーションは浅草、撮影条件は絞り開放での絞り優先AEとなります。

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まず一枚目のカットですが、ロケ当日は、久々に浅草に出るので、何か旨いものでもランチに食べようと思い、ひさご通り奥の豚肉料理専門店「Groin Groin」さんで至極のローストポークランチを戴き、それから試写スタートとなったのですが、ひさご通りから奥山経由、浅草寺本堂へ抜けるルートで、花やしき通りを通っていたら、番屋みたいな建物のデコレーション前で、今や希少種と化した中国人一家が記念撮影していたので、声掛けて一枚撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、奥山まで来たら、つい最近の定点観測スポットとなった、常盤堂プレゼンツの壁面一面風車が生えている、人呼んで「風車の弥七」の壁でもテストを行おうと花やしき通りから南に曲がってみてびっくり、何といつもは閑散としていた壁面の前に西参道に入ってすぐのメロンパン屋さんで買い求めるための行列が出来ていて、済みませんね、この写真撮りたいんで、とか声掛けて行列の間を通して貰い、いつものように斜めから特定の風車、今回は紫の柄物手前の赤を狙って撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、無事、風車の弥七の壁前での試写を終え、奥山を本堂の在る境内に向かって歩いていたら、五重塔根底部の建物に面したちょっとした広場のような庭の石にちょこんと腰掛けた、いたいけなカポーが秋めいたお揃いのベージュのアウターなんか着込んで、秋の陽光を浴びながら楽しそうに語らい合っていたので、これはちょうどいい構図だなと思い、通りざまに一枚戴いてみたもの。

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四枚目のカットですが、本堂へ続く奥山からの道の北側には影向堂を筆頭に、数多くのお堂やらストゥーパ、石碑、石像のような信仰対象が点在し、その間にクリークのような水路が流れていて、その水路にはなかなか重厚な佇まいの石橋が架けられていて、これがまさに「石橋を叩いて渡る」のイメージか、と思わせるに十分な存在なのですが、その故事を知ってか知らずか、この時期では珍しいインドネシアからのゲスト各位が着物に色とりどりのヒジャブなど被って、橋の上で記念撮影なんかしていたので、その様子を遠巻きに一枚戴いてみたもの。

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五枚目のカットですがインドネシアの小姐の写真を撮らせて貰い、さあてと次は本堂周辺で画を拾いましょうとか歩き出したら、今度は日本人のなかなか落ち着いたトーンの和服を着こなした小姐二名組が、如何にも和服と草履の組み合わせでの行動は慣れてまっせ♪と云わんばかりの上手な歩き方で、しゃらり、しゃらりと目の前を元来た、奥山の方面へと通り過ぎていったので、慌てて後ろ姿を捉えてみたもの。

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六枚目のカットですが、そうこうするうちにやっと荘厳なチタン屋根を葺いた本堂の真下まで到着、なかなか撮影に応じてくれそうな和服の小姐グループないし家族連れが見当たらなかったので、ここも定点観測スポットと化している本堂西側の金属製天水桶の緑の口縁に赤の篆刻のような意匠文字で刻まれた赤い陽刻にピンを合わせて、背景にスカイツリーを写し込む構図ですが、なかなか至近距離での陽刻はシャープ、その代わりと云ってはなんですが、スカイツリーは勿論のこと、手前の手水場の屋根までややざわついた荒れ気味のボケとなりました。

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七枚目のカットですが、本堂に久々にお参りしてから、周辺でモデルさんになってくれそうな人々を探していたら、和装に髪飾りのマリーゴールドの造花がとても似合う小姐が居るグループが本堂の段上から目に留まっていたので、声を掛けてみたら、インドからの留学生ということで、本堂、五重塔をバックに彼らの記念撮影して上げる代わりにモデルさんになって貰ったもの。

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八枚目のカットですが、インド人留学生のグループと挨拶して別れてから、手水場の辺りで被写体を探していたら、焼香場にこれまた秋っぽいベージュのお揃いのハーフコートともパーカーともつかないようなアウターを着込んだ小姐二名組が線香を買い込んで、着火してから巨大香炉の焼香場に向かって行ったのが目に留まったので、速攻、速足で後ろに向かい、その様子を一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、次なる定点観測スポット、御神籤売り場まで来たら、お御籤の入ったステンレスの六角柱から何度も筮竹を出しては記念撮影みたいなことをやってる、ヤラセ女子二名組を発見し、みーちゃった、みちゃった♪、面白そうだから、拙者にも一枚撮らせてよ、代わりにスマホンで記念撮影して上げるからさ、と声掛けてみたら、快諾、但し、マスクを外すと置き場がないので勘弁ということだったので、斜め後ろから撮影での出演となったもの。

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十枚目のカットですが、境内は宝蔵門東側、藤棚の下に設けられた衆生の休憩場の手前で清潔そうな純白モコモコのアウターを着た小姐が秋の陽光を燦々と照り返しながら、一心不乱にスマホンなんかいじっていたので、レンズのフレア具合い見るために観音様がお遣わしになった女人であろう!と勝手に思い込んで、藤棚の緑をバックに後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、当日は似たような境遇の気の毒なレンズの試写もしなければならなかったため、まず雷門までの間で一通り撮ってしまおうと思い、足早に宝蔵門まで移動してみれば、これまた今のご時世珍しい東南アジアからのゲストと思しき小姐2名、兄ちゃん1名のグループが宝蔵門の支柱の周りで記念撮影なんかしていたので、さっそく声をかけてモデルさんになって貰ったもの。

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十二枚目のカットですが、宝蔵門を後にして、仲見世通りを歩きながら、ふと早田カメラでも寄って、OPEMAの交換レンズの話でも社長に聞こうとか思ったのですが、やはり、社長曰く、30mmが有るにはあるが、自分も実物を見たことがない、とのことで諦め、隣の洋食店のミラーガラス上に掛かれた白文字でも撮ろうと思えば、下に大きめのママチャリが停められており構図的にNG、仕方なく、その並びの料理屋の門番の石の狛犬を最短距離で撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、伝法院通りの仲見世を挟んで東側には、いつもラムネ売りのヲヂサンの屋台が出ているのですが、今回はラッキーなことに、ちょうどラムネを呑み終えて、ラムネ売りのヲジサン他と上機嫌で歓談していた、一匹オオカミのチンドン屋さんである、プッチャリンさんに初めて遭遇出来たので、声掛けて、スカイツリーをバックに一枚撮らせて頂いたもの。

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十四枚目のカットですが、プッチャリンさんと同行の女人(奥様)にお礼を申し上げ、周囲の人たちの撮影ラッシュの輪を後にして、仲見世を足早に歩けば、あっという間に雷門が目に入り、その手前、「美人茶屋あづま」さんの角を西に曲がった側道との交差点北西の扇子屋さん店頭の、ど定点観測スポットである大和絵団扇のディスプレイ中のひょっとこの目にピンを合わせて撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、さて、次は雷門外東側の土産物屋さん店頭の風鈴群でも撮ろうかいなとか思いきや、居ました居ました、買ったばかりのメロンパンだかを食べながら交互に記念撮影している和装の国産小姐二名組が、ということで、食べてるところ、斜め後ろから撮らせてよ、スマホンで記念撮影して上げるから、と甘い言葉で誘い、モデルさんになって貰ったもの。

今回の感想ですが、いやはや、先の当工房ブログでは、OPEMAに装着した姿だけ紹介し、実写結果は出していなかったのですねぇ・・・しかも、写りは甘く全然ダメという巷の噂に惑わされて、全然、試写してみようとさえ思わなかったうちに肝心要の専用ボディはシャッターリボンが切れたとのことで、全然使い物にならなくなってしまったし・・・が、今回、ふと閃いてL38の全周スクリューを削り出して、一挙にFXとEマウント作ってしまったので、試写してみたら、予想以上に良く写りましたし、イメージサークルも24x32フォルマットのカメラ用であるにもかかわらず、全く問題なくフルサイズCMOSをカバー出来たし、云うことなしでした。

さて、次回は月末~月初の連休を利用して旅に出ますので、一週お休み、その翌週から旅写真をお送りしたいと思います、乞うご期待。
  1. 2020/10/25(日) 23:18:48|
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A duel before rain~Comparison of eccentric optics, Cinor40mmf1.5mod.M & Miranda50mmf1.4

さて、今宵のご紹介ですが、まずはお詫びと訂正。荒天のため、希少なクラシックレンズの試写には忍びなく、急遽、研究用に撮影しておいた、f1.5クラスのワイルドレンズの比較をご紹介したいと思います。
今を遡ること9/26の土曜日、毎年、この時期には可憐な秋の赤い妖精達、深大寺の彼岸花を愛でに出掛けていたのですが、今年はちょうどそのスィートスポットには金沢ツアーに出てしまっていて、何故か出遅れた昨年同様、待ちきれなかった赤い妖精達は、穴場である深大寺城址の彼岸花畑には数本しか残っておらず、水棲植物園の畔に辛うじて咲き残っていたまばらな花々を撮影したのと同じ轍を踏むのかと思いきや、今年は関東地方は雨が多い上、朝夕の冷え込む時期が遅れたため、その日、電車とバスを乗り継いで、遥々、妖精達との再会に胸膨らませて、霧雨がパラつく城跡への坂道を速足で登って行ったら、何と、今年は早めに開花したという、これまた可憐な白い妖精の如き、蕎麦の花が出迎えてくれて、望外の邂逅に気を良くして、深大寺城址公園のランドマークである「この樹なんの樹、気になる樹」のずっと手前の蕎麦畑で、地元民各位の丹精に感謝しながら、何枚か撮らせて戴いてから、この樹なんの樹の奥、敷地西端の土塁の間の雨樋状の狭い場所に設けられた秘密の彼岸花畑まで足を運び、心おきなく妖精達との1年ぶりの再会を喜び、有難く撮らせて貰ってから、再び、坂道を降り、水棲植物園のミニ湿地帯の土手に咲く赤いや白色の彼岸花達とも再開を祝し、雨が本降りになるぎりぎりまで撮ってから、また、バスと電車を乗り継いで、江戸表に戻ってきたもの。
では、さっそく、そのワイルドレンズ達と秋の妖精達のセッションを逐一眺めて参りましょう。

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まず第一シーンですが、上がCinor40mmf1.5でカメラがX-Pro2、下がAuto-Miranda50mmf1.4でカメラがα7RIIの何れも開放(以下、同じ条件)で、水棲植物園のゲートから深大寺城址に上がっていって、木立の間の曲がりくねった坂道を通り抜け、視界が開けたところに二面設けられた蕎麦畑ではちょうど白い可憐な花々が盛りを迎えていたので、至近距離でそれぞれ撮ってみたもの。
やはり、ペツバール型のCinorno非点収差によるグルグル、周囲の像面湾曲、そしてそれらに反比例するかの如き、中心部のシャープさはかなり印象的で、それに引き換え、Milandaは遠方の木漏れ日に口径食は見られますが、それほど背景は暴れてはくれませんでした。

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第二シーンですが、何れも、ほぼ最短距離で撮ったのですが、APS-C機でX-Pro2だと60mm相当になってしまい、50mmそのままのMirandaに対して、同じ距離で撮ると単純計算でも2割増しになってしまうのですが、このシーンでは何故か、Cinorでも背景が野分が来たか、或いは映画ファイナルカウントダウンの時空の渦が開いたシーンかと思えるような激しいグルグルも像面湾曲も認められず、むしろ、背景の溶け方はMirandaより滑らかにさえ見えてしまうという不可思議な結果となりました。

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第三シーンですが、これは厳密に云えば、同一の被写体ではありますが、同じ大きさに入れようと、狭い彼岸花畑でクリアランス稼ぐべく、角度少々変えて撮ったもので、背景の流れ具合をストレートには比較できないとは思いますが、ここではCinorの方は、その荒々しい本性を思い出したかの如く、非点収差と像面湾曲を遺憾なく発揮し、中央の主役を引き立てることに成功していますが、片やMrandaの方も背景や周囲は若干二線ボケは認められるものの、それほどうるさいものではなく、中心部のシャープさとコントラストの高さによる質感表現では一歩もひけをとっていないように思えます。

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第四シーンですが、これも深大寺での試写では浅草寺での仲見世側道の扇子屋さん店頭の大和絵団扇並みの定点観測スポットなのですが、深大寺城址公園芝生に聳え立つこの樹なんの樹の南西に伸びる、深大寺城址の館跡を示す、発掘調査に基づいた礎柱の位置を記した黒御影石のオブジェなのですが、これも、出来るだけ同じ大きさで撮ろうと位置変えて撮ってみたもので、いずれも手前の石の一番近いエッジにピンを合わせて撮っていますが、Cinorが非点収差と像面湾曲を思う存分発揮し、おどろろおどろしくも印象的なカットに撮れているのに対し、Mirandaの方はその場の静謐さを写りで表現しているかの如く、フルサイズ機でも画面の隅々まで破綻なく、素直でクセのない優等生的な写りを見せてくれました。

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第五シーンですが、深大寺城址公園の高台から、麓に広がる水棲植物園の湿地帯へ別のルートで降りようと思い、白い花々が満開の蕎麦畑の南側を通った時、この角度からの方が、先ほどの北側からのアプローチに比べ、密なイメージで撮影出来るのではないかと思い、足を止め、下はぬかっていたのですが、ひざを着くすれすれまでしゃがみ込んで、一番手前の花を狙ってみたもので、やはり狙いは成功、Cinorではシャープに映し出された主人公の花を中心に背景の花々が野分のごとく渦巻いてダイナミックな印象を前面に押し出していますが、Mirandaの方は云えば、ここでは背景のボケにザワつくような芯は認められず、静謐な中にも主人公の白い花を描き出すことに成功しています。

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第六シーンですが、実はクラシックレンズにとっては、大敵中の大敵、大輪の白い花の撮影、ここ、深大寺以外ではなかなか目にすることが少ない、アルビノ種の白い彼岸花が水棲植物園東側の土手沿いの何か所かに群生していたので、相変わらず霧雨が降り続く中、逆にピーカンでないことが幸いして、Fuji、SONY、どちらの機種もEVFで覗く画面一面が白い照り返しによるフレアに塗りつぶされることもなく、彼岸花の花弁特有の繊細な造形を余すことなく描き切るのに成功したものですが、それでもCinorは背景と周囲が非点収差と像面湾曲により大暴れ、もう一方のMirandaの方は画面の隅々まで破綻の無い描写ですが、背景の木々の濡れた葉からの照り返しがややザワついて見えます。

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第七シーンですが、深大寺水棲植物園には、高台の深大寺城址公園の蕎麦畑と並び、湿地帯の一部が水田となっており、そこで水稲の栽培が行われているのですが、お腹を空かせた渡り鳥やら、近所の雀、烏、椋鳥、或いは目の細かさからすれば、イナゴ、バッタの類いをシャットアウトすべく、この時期になるとオレンジ色の霞網が山脈の如く、何本もの支柱により張り巡らされ、それが角度によっては、オレンジの波が空間を畝っているかの如く見えるので、アマチュア写真家各位の恰好の被写体となっているのですが、丁度良いところに彼岸花が一輪咲いていたので、霞網を背景に撮ってみたものですが、Cinorの方は背景のオレンジの網と云わず稲の波と云わず、盛大な非点収差、像面湾曲攻撃で大暴れですが、Mirandaの方は。あたかも印象派画家が水彩画で描いたかの如く、静謐な秋の一コマの如く捉えています。

今回の感想ですが、Cinorはこれまで何本か改造したペツバールタイプのものの中でも、殆ど、コンスタントに大暴れしてくれて、レジャーやらお仕事の記録には到底使い物にならないキワ物ではありますが、まさに芸術は爆発だ!を辞世の句にされた某著名芸術家の先生の意思を具現化したかの如きキュービズムの絵筆であって、一方のMirandaはNikon、Canon、Minolta、そしてPetriと比べても、ワイルドな玉だとは思いましたが、今回は相手が悪かった・・・借りてきたネコの如く大人しい挙動を示しただけにとどまってしまったような気がします。

さて次回は予定通り、いにしえの魔道士の作った,お人形のガラスの蒼い目玉のような、東欧の魔都からやってきたレンズの実力のほどを試してみましょう、乞うご期待!!
  1. 2020/10/18(日) 23:52:31|
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Back to the past~Kanazawa Photographic Tour’20.Sept.③~

さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、先月の連休を利用した、いわばプレGOTOキャンペンとも言えなくもないような金沢4泊5日の旅から、まともなカメラとレンズで撮影を行うことが出来た三日間を三回に分けてご紹介しようという企画の最終回、金沢市内滞在三日目の朝からの行動で撮った画のダイヂェストを逐次眺めていくことと致します。
まずは恒例の簡単な行程紹介から参りますが、金沢滞在三日め、この日は同行者とは別行動で宿も別々になってしまうため、朝起きてから、何故か食堂で一緒になった同行者と宿の心尽くしの朝飯を戴き、しかるのち、エレベータで暫しの別れを惜しみ、チェックアウト後、駅前の北陸鉄道バスの営業所に寄って、当日のバス一日乗車券を買い求め、まずは大野港地域に行きたいと思っていたので、13時台の金沢駅西口から出ている路線バスで14時過ぎに港の停留所に着き、親切な運転手さんに帰り方まで丁寧に教えて貰ってから、撮影スタート、帰りのバスまでの一時間ちょいで街を撮り歩き、また路線バスで駅に戻ってから、市内循環バスに乗り換えて、長町武家屋敷跡に出掛け、ここでまた1時間ちょい撮影し、帰る前のラッキーチャンスを狙い、ひがし茶屋街にバスで移動し、日暮れ前にバスに乗って駅に戻ったというのが当日の行程。
では、その足取りを追って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズは1~4枚目迄がCosina製Nokton35mmf1.4、5~15枚目が独製オリジナルNokton50mmf1.5深川改M、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、金沢駅西口から30分弱のバス旅の終点である大野港地域は、今を去ること20数年前、奉公先の大店の名古屋支店の営業管理職だった頃、よく同行の商社の方にご招待頂いた有名な寿司屋が有るので、月に一回は来ていたのですが、江戸に戻ってからは、金沢自体が遠かった上、大野港地域はバスの便が極めて悪く、タクシーで往復すると、それだけで5000円弱かかり、飲食代と合わせれば、軽く1万円コースになってしまうため、長らく足も遠のいていて、今年になってから、今回で三回目の金沢訪問ではありますが、ここ大野は20年ぶりの再訪で、バス停に降り立ったら目の前で船大工のお爺さんが仕事してたので、雑談がてら一枚撮らせて貰ったもの。

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二枚目のカットですが、話好きな船大工のお爺さんに別れを告げて、かの高級寿司屋方面に歩いて行こうとしたら、程なく、ヨットクラブの建物が目の前に見え、それが、この鄙びた歴史がかった街並みには、何となく不似合いな、湘南とか房総っぽい雰囲気のモダンな佇まいで、壁上面の半月状の磨き上げられたガラスに青空と白い雲が映っていたので、思わず足を止め一枚撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、こういう天気のイイ日に海辺の町に来ることほど、心が躍ることも日常生活では
さほどないわけで、時間が1時間ちょいしかないのに、どうせ小さな町だからのんびり見て回ったって、すぎに見終わるさ、という都会人固有の奢りもこれあり、まっすぐ、懐かしの高級寿司屋のある街並みに歩いていけばいいのに、初めての街を散歩に連れて歩かれる仔犬みたいにあっちをキョロキョロ、こっちをウロウロ、その中で目に留まったのが、湊を背景に堤防の上でイイ案配に錆びた船の係留金具と思しき物体を至近距離で一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、懐かしの高級寿司屋の前にはタクシーが鎮座ましまし、暫く眺めていたら、車内から人の好さそうな運転手さんが降りてきて、写真撮るのに邪魔なら動かしましょうか、とか声を掛けてくれましたが、はぃお願いしますなどとは言えないメンタリティーの持ち主なので、いえ結構、懐かしさに眺めていただけなので、とその場を立ち去り、街をぐるっと一周し、漁船がたくさん係留されている岸壁を経て、これまた馴染みの「ヤマト醤油」さんで醤油のアイスでも食べて帰ろうかと寄ったはイイがGOTOキャンペンの人々が列をなして、とても時間内にバス停に戻れる保証は無しだったので、敷地内の写真だけ撮ってその場を後にしたもの。

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五枚目のカットですが、ところ変わって、市内で循環バスに乗り換えて10分行かないうちに着いた香林坊バス停から程近い、長町バス武家屋敷に向かうべく、一昨日のルートを辿ってみると、前回はショーウィンドーの中身にばかり気を取られて、看板までは注意が向かなかったのですが、一人の気安さで、いつものあっちをキョロキョロ、こっちをウロウロで被写体探していたら、軽食店の入り口に掲げられていた楕円のホーロー製看板がなかなかお洒落であることに気付き、真下まで行って見上げる格好で一枚撮ってみたもの。

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六枚目のカットですが、この日も時間が時間だけに結構な数の観光客が繰り出していて、その中には着物を含めたコスプレ系の老若男女もかなり見かけたのですが、なかなか趣きのある板塀を獲ろうと、中腰で構えていたら、着物の二人組がじっと傍らで待っていて、撮り終わったら、お願いがありまして、とのことで、ほら来た!スマホンのシャッター押して下さい、だろとか思ったら、手提げからキャノンのRPだか取り出して、これで撮ってくれそうな人を探してました、とのことで、何枚か撮って上げたお礼にモデルさんになって貰ったもの。

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七枚目のカットですが、そろそろ、いたいけな和装の小姐も撮れたし、お次なる目的地であるひがし茶屋街へ向かおうかとバス停に戻るべく歩き出したら、これまで気づかなかった、白い木の板を横葺きにした上に、かなり凝ったガラス面積も大きな出窓が特徴的なカフェが用水路を隔てて建っていたので、足を止めてその特徴的な部位を切り取って一枚撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、同じく長町武家屋敷跡から香林坊のバス停に向かう途上、見慣れてはいましたが、或るお屋敷のなかなか風情のある土塀が午後の傾きかけてきた陽光でちょうど逆光気味になって、そのセミシルエットが重厚感を醸し出していたので、アングルを工夫し、背後の近代的な建造物と武家屋敷街のはずれなので、位置によってはどうしても写り込んでしまう電柱を避けるべく撮った一枚。

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九枚目のカットですが、ひがし茶屋街に向かう前に、前日は貸切満員御礼でお茶が出来なかった、しいのき迎賓館のポールボキューズへ寄ってもイイかなと広坂ハス停で降りたのですが、やっぱりお茶は撮影を心おきなく終えてから、イブニングティーにした方が、今回の趣旨には合うかなと翻意し、向かいの21世紀美術館裏手のステンレス製の巨大な葡萄の房みたいなオブジェの前で仲睦まじく記念撮影なんかするカポーのお姿を後ろから一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、前々日は、まだ時間が早くて、アルミ製の空豆チェアがその独特のプロファイルを浮かび上がらせるような撮り方が出来なかったのですが、もうこの時間では陽が西に傾きかけていたし、天気も抜群に良かったので、巨大葡萄を背景に芝生から生えたアルミ製の空豆チェアの磨き上げられた近未来的な表情を浮かび上がらせて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、21世紀美術館は裏手から入って、目の前のバス停までの移動途中にサラッと撮っただけで、目の前の石浦神社に心の中で今回の行程での多運を感謝し、暫しの暇乞いをしてから、程なくやって来た路線バスに乗って金城楼前バス停まで乗って、そこから徒歩で2~3分のひがし茶屋街に移動、メインストリート手前の裏通りを覗いてみたら、お店の開店準備の合間にお孫さんと戯れる若いお爺さんが居たので、声掛けて一枚撮らせて戴いたもの。

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十二枚目のカットですが、若いお爺ちゃんにお礼を述べてから、日増しに混み出したメインストリートに足を運ぶと、こんなところでは奇遇に近い、中国語でピーチク、パーチクしゃべくりまくって、コスプレ写真を撮り合う、若い男女の集団に遭遇、暫く様子を窺い、何枚か纏めて撮ったあとの撮影結果講評タイムを見計らって、リーダー格の兄ちゃんに中国語で話し掛け、面白いレンズで撮ってるんだけど、とモデルさんを供出して貰ったもの。

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十三枚目のカットですが、ノクトンの驚異の画に驚いていたコスプレ集団に別れを告げ、更なるシーンを求めて裏通りに入ってみたら、時間もちょうど良い頃合いになっていたので、裏通りでは一足早く店々の軒先の照明具やら照明付き看板に灯が点り出したので、なかなかイイ風情を醸し出していた甘味屋の軒先で一枚撮らせて頂いたもの。

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十四枚目のカットですが、前回気付いていた、江戸時代をモチーフとしたひがし茶屋街のメインストリートとはやや趣を異にした、佐原とか、倉敷には有りがちな明治から昭和初期の建築様式を模し、薄緑色にペンキを塗られた木板を横葺きにしたこれもまたレトロな雰囲気の建物が建っていたので、人が通りがかる瞬間を待ち受けて一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、人の出入りの多いメインストリートからは少し離れて、飲食店系のお店がまだ開店していない裏通りでは、人通りもまばらではありましたが、落ち着いた木造建築が建ち並ぶ石畳の小径をいたいけなカポーが肩を寄せ合って通り過ぎて行くので、路傍に咲くピンクの小さな花越しに、その通りの夕暮れ前の佇まいを一枚撮ってみたもの。

さて、次回は、久々の新作、実は拙ブログでカメラに装いた状態のカットは上げ、写りはあんまり期待しないでね、とか云ったまま、実写結果を10年以上上げていなかった、東欧はガラス細工の本場から来た銘玉の驚異の実力が、このたびマウントアダプターの開発に成功し、α7RIIの力によって判明したので、やっとお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2020/10/11(日) 21:51:07|
  2. 旅写真
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Back to the past~Kanazawa Photographic Tour’20.Sept.②~

さて、今宵のご紹介ですが、予告通り、先月の連休を利用した、いわばプレGOTOキャンペンとも言えなくもないような金沢4泊5日の旅から、まともなカメラとレンズで撮影を行うことが出来た三日間を三回に分けてご紹介しようという企画の二回目、金沢市内滞在二日めの朝からの行動で撮った画のダイヂェストを逐次眺めていくことと致します。
まずは恒例の簡単な行程紹介から参りますが、金沢滞在二日め、この日は朝起きてから、同行者と宿の心尽くしの朝飯を戴き、しかるのち、駅前の北陸鉄道バスの営業所に寄って、当日のバス一日乗車券を買い求め、そのまま駅前ロータリのバス発着場から長町武家屋敷に最寄りのバス停である香林坊迄乗って、お昼前まで犀川大橋まで含めた周辺を撮ってから、再びバスに乗って駅前に戻り、前日夜は振られた「モリモリ寿司」の丼物コーナーで珠玉のランチを戴き、しかるのち、午後は同行者の強いリクエストもあったため、お城周囲を観て歩こうぢゃまいかということで、石川門付近からアプローチし、50間長屋の内部を仔細に検分し、次いで国指定重文の三十間長屋を見学しようと足早に移動したところが、5分弱オーバーであえなくシャットアウト・・・で無情にも外観見学だけ、となってしましましたが、大学時代から、ポジティブ思考が取り柄のヲッサン二人旅ですから、気分転換も瞬速で、じゃ、しゃーないから麓のポールボキューズでお茶とスィーツ戴いてから、西茶屋周辺でも見学すっぺ♪ということで、しいのき迎賓館までそぞろ歩きしてみたら、なんとここも当日午後は貸切満員御礼・・・仕方なく、21世紀美術館前からバスに乗ってにし茶屋をちゃちゃっと観てから、駅構内のカフェでお茶すっぺ♪と方針変更し、結構な時間、バスを待って、結局、にし茶屋近くの寺町近くを通る野町方面行き路線バスに乗って、近くで降りて徒歩で移動し、50mダッシュで走り切れるくらい小さなにし茶屋をちゃちゃっと観てから、九谷焼窯元に寄ってちょいとお買い物がてら見学し、また近くからバスに乗って駅に戻ったというのが当日の行程。
では、その足取りを追って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはM-Rokkor40mmf2.0、全コマ絞り開放によるAE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、香林坊のバス停で降り、東急ハンズの入った東急系雑居ビルの西側のせせらぎの小径を暫く歩くと、程なく長町武家屋敷跡のエリアに到達し、今年3月から3回目の訪問では、倍々ゲーム的に人出が増え、だいぶ観光地らしい佇まいを取り戻して来ましたが、飲食、物販店の無い、堅気の衆の家々が建ち並ぶエリアでは、午前中の静けさが支配しており、そんな石畳と土塀の街並みを一枚撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、武家屋敷をさらっと端から端まで撮り終えて、ぢゃ、次どこ行こうか?ということになって、にし茶屋街は夕方にとっておいて、犀川大橋とその近傍にある、今や消防法の制約で希少物件となっている木造四階建ての建物でも観に行こうということになって、この通りに着いた時から、相方が気になって仕方なかったという木倉町商店街を抜け、片町、犀川大橋へと向かう途中にその歴史有りそうな商店街の佇まいを入り口付近から撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、ここ木倉町商店街は、工房近所の木場がそうであったように、幕藩時代の、木造建築物の新築、改築、或いは補修工事用の木材をストックしておくエリアだったとのことですが、今や、南欧料理尾から各地の地方料理、ドイツ風レストランに至るまで、文字通り、百花繚乱の呈をなしており、その中でも、一瞬、ドイツのロマンチック街道のローテンブルク辺りにいるような錯覚を覚えさせる街角の表情を一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、木倉町商店街も終わりに近づいた辺りで、日中は休んでいる夜光性動物の如き飲食店の軒先に九谷焼ではないでしょうが、涼し気な白磁に愛くるしい絵付けを施した様々な形状の風鈴が吊り下げられており、それが犀川辺りから吹いてくる秋の風に弄ばれて微かな音色を立てていたので、距離計連動の最短距離から一枚撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、木倉町商店街が百万石通りに合流する辺りから、男の足では3分も歩けば、優美な橋の袂に到着し、その、大正時代に輸入鋼材で以て、当時の最新鋭の鋼構造エンジニアリングであるワーレントラス工法で作られた鋼の貴婦人が、同じく大正時代に賭けられた、工房近所の鋼の老紳士、永代橋ともども今でも現役として一日に何万台もの鉄の箱や着飾った、儚い二本足歩行の生き物が色々な思いを秘めて渡っていく様を眺めてきて、これからもずっと眺めていくと思うと感慨深く、その佇まいを一枚戴いてみたもの。

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六枚目のカットですが、犀川大橋を渡ると金沢中心部旧市街では中心からやや離れた西のエリアになるのですが、ここもにし茶屋街、寺町をはじめとして、見どころは結構あるのですが、ランチタイムの初期動作が遅れてしまうと、悲惨な結果が待っているのは前回の個人旅行でも十分に身に染みていることなので、ガイド役の工房主は時間配分を上手く考えながら回らねばならず、午前の部では、徒歩10分圏内のにし茶屋街は見送って駅に戻ることとし、犀川畔の木造四階建ての料亭の外観写真のみ撮ったもの。

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七枚目のカットですが、金沢駅前のForusなる商業ビル6階の食堂街にて珠玉のランチを戴き、しかるのち、再び、駅前ロータリーのバス発着場から市内を主要箇所を通る路線バスに乗り、当日午後の見学テーマである、金沢城址エリアに向かうこととし、広坂を過ぎ、いちばん、主要部へのアプローチが便利で見どころも多い、兼六園下で降りて城址へ向かう坂道で前を行く、和装のいたいけなカポーの後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、バスを降りてから、歩くこと10分弱で、石川門に到着し、ここ金沢城址公園は兼六園とは異なり、エリアへの入場料は無料で、一部の重文等の建物への入場料を払うこととなっていたので、まずは手っ取り早く五十間長屋から見学することとし、石川門から向かう途上の、前回は人っ子一人居なかった閑散としていた芝生が、陽光を浴びるその姿に似つかわしく、久々の自粛モードからの開放感に浮かれる様子を一枚撮ってみてもの。

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九枚目のカットですが、芝生広場から高台にある二ノ丸エリアへは、近代城郭の常である、ところどころ鍵手に曲がりくねったつづら折りの緩い坂道を登って行くのですが、まだ紅葉には早い時期ではあったものの、園内の木々が、ところどころで秋の木漏れ日を照り返し、あたかも地方大都市の中心部ではなく、深山幽谷に居るような錯覚さえ覚えさせてくれたので、その様子を一枚撮ってみたもの。

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十枚目のカットですが、ところどころで樹木の鬱蒼と生い茂る木立の間の坂道を抜けて、二ノ丸の高台広場に到達すると、個人的には違和感ありますが、北陸らしい薄曇りの秋空をバックに江戸時代そのままの鉛板を葺いた本瓦棒工法の屋根に新しい漆喰壁の白さも目に痛い、二ノ丸菱櫓の再建された威容が広がっていたので、フルサイズ機の強みを生かし、40mmで入るだけ横幅入れて撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、新築の檜の香りも芳しい五十間長屋を存分に見学したのち、次なる目的地、国指定重文の三十間長屋に向かうべく、木立の緩い坂道を登っていったら、空堀に架けられた鋼構造∔木造のハイブリッドと思しき「極楽橋」前に到着、この時刻には日本海へ傾いた夕陽が木立の合間から斜めに射し込み、橋を渡ろうとする人達を優しく黄金色に照らしていたので、しばし橋の袂に佇み、丁度良い通行人がやって来るまで待って、シャッタ-切ったもの。

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十二枚目のカットですが、「極楽橋」での長めの滞在が効いたのが、肝心要の「三十間長屋」の前に到着した時には、無情にも木と鋼の枠で作られた長屋の扉は固く閉ざされており、仕方なく、周りを一回りして、思う存分写真を撮ってから気分を切替え、裏手の坂を下って玉泉院庭園を上から眺められる坂道を通って、お茶をしようと「しいのき迎賓館」へ向かう途上で、優美な佇まいの回水式庭園の全景を撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、結局、アテにしていた「ポールボキューズ」でのお茶が出来ないと判り、スケジュール変更、バスでにし茶屋街に向かうことにしたのですが、21世紀美術館向かい、石浦神社前のバス停で待てど暮らせど、犀川大橋方面へのバスはやって来ず、仕方なく、野町方面への路線バスで移動、16時半を過ぎた辺りににし茶屋街に到着し、7月に訪問した時に比べれば飛躍的に人通りの増えた、通りの様子を感慨深く撮ってみたもの。

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十四枚目のカットですが、短い上に裏通りも殆どなく、長さで比べればどっこいどっこいよりもまだ短い、主計町茶屋街に比べると、被写体を探すのに一苦労のここ、にし茶屋街ですが、街の人達も、移り気な観光客よりもそれは良く判っているらしく、そこここの店の軒先には目を惹くオブジェがさり気なく掲げられており、もはや季節外れとも云えるような、手書きの「氷」の文字が印象的な貼紙ならぬ「貼布」が目に留まったので、足を留めて一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、陽も暮れ出し、15時過ぎのテータイムもパスしてしまっていたので、まずはお茶とスィーツとばかり、にし西茶屋街最寄りのバス停から駅に戻って、さぁ、駅の百番街の素敵なカフェ兼パブに乗り込もう♪と金沢駅鼓門西側のバス停で降りてから、改めて金沢駅に向き直ってみたら、黄昏の薄暮の中にほんのりと控えめなライトアップが始まって、得も言われぬミックスライト状態になったので、特徴的な木造を引き立たせるべく一枚撮ってみたもの。

さて、次回は金沢の旅、最終回、出発前日の旅人一人のLeica M(TIPO240)との港有り、武家屋敷有りのセッションをお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2020/10/04(日) 17:32:55|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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