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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Reunion with a wonderful castle located in Japan's center.

さて、今宵の更新ですが、予告通り、改造レンズと巡る名城の旅、と称して、先週末の金曜、奉公先ののフレックス勤務制度を利用して、夜のうちの松本に入り、翌土曜日、ランチ時間も惜しみ、レンズ3本とっかえひっかえ気合を入れて撮りも撮ったり200枚弱の中から、ハイライト15枚をご紹介致します。

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まず一枚目のカットですが、まずは腹ごしらえが何事も基本ですから、宿を10時ちょい過ぎに出て、確か、某ひばり系ファミレスのモォニングは10時半迄だったことを念頭に置いて、宿から徒歩5分程のビル一階のファミレスに入ってみると、都会の一般店と異なり、入っているビルテナントのホテルとの提携でブッヘスタイルのモォニングになっており、1200円(税込)もするので、逡巡してたら、受付は10時までということで安心して、普通のサラダとパンとドリンクバァなどを戴いてから万を持して天守閣へ登城しようと出掛けたら、何と、大手門入口付近に60分待ちというおぞましい立て看板あり、それにもめげず行列につき、やっと穴倉の登城口の手前で、戦う城の美しいセミシルエットを撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、これも並ばなければ、まず考えもつかなかった構図ですが、ここ松本城天守閣は、そもそも今の形に改装された江戸初期には、銃撃戦を想定していたので、天守本体、乾小天守、辰巳櫓までは、銃撃戦用の「狭間」や石垣をよじ登ってくる敵兵を狙撃するための「石落し」を四隅に設けた、いわば「殺戮マシ-ン」の様相を呈しているのですが、赤い手摺がついて、戸も開放的な能舞台の如き月見櫓は、家光が立ち寄った際に月見でも、と急ごしらえで作られたまさに平和の象徴みたいな造作なので、どちらも結局役立たずにはなりましたが、その対比が面白く、その競演を撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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三枚目のカットですが、結局50分ほど並び、天守内部に入り、いきなりお仕事モードに入ってしまい、鋼製補強の状態とか、床板壁板を留めている釘の種類、材質をしゃがみ込んで仔細に検分を始め、通常1時間程度の見学が1時間半近くかかってしまい、いったん、天守最上階から降りてきた時も辰巳櫓の手前の床にしゃがみ込んで釘の写真なんか何枚か撮っていたら、登り口に居た係員が、「何か落とし物でもされたんですかね」とか訝しげに話し掛けてきて、いやいや、城の状態を趣味で調べてるんです、と説明し、やっと下まで辿り着いたら、3月に来た時にも居られた、「おもてなし隊」のコスプレ中年組の方々が居られたので、声掛けて、お城をバックに一枚戴いてみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、そろそろ、13時半も過ぎてきたので、腹時計も「そろそろ昼時でござる、ひもじゅうござる」とアラームを鳴らし始めたので、「おもてなし隊」の方々に別れを告げ、確か姫様もいたでござるなぁとか思いながら、出口付近に向かいながら、振り返って、本丸御殿址の芝生越しに天守閣の偉容を撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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五枚目のカットですが、よくよく考えてみれば、今回は補修か何かの都合で、月見櫓は天守との結合部位である辰巳櫓の入口から眺めるだけで中に足を踏み入れることが出来なかったので、何とか面白そうな写真でも撮って帰りたいと思い、真下まで行って、広角のバースを使い、月見櫓と大天守を一枚に収めてみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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六枚目のカットですが、月見櫓のそこそこド迫力のカットを撮れて、ま、いっか、との思いで、心はランチに向かい、さぁ、何を食べようか、結局、駅前まで行かないと良さげなお店無いのかなとか心も上の空で管理事務所と市営売店の前まで来たら、居ました、居ました、天守の上から見ていたら、いったん事務所に引っ込んでいた、姫様と若殿様が戻って来ていたので、再び天守下に小走りで戻って、声を掛けてモデルさんになってもらったもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCooke Speedpanchro28mmf2改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、結局、今回、楽しみにしていた、渋沢栄一ゆかりの旧第一勧業銀行松本支店を改装した「アルモニービアン」が土日は結婚式場フル稼働ということで、独身男は足を踏み入れることすら許される状態ではなかったので、駅まで歩きながら店を探したものの、これは、というお店には行き当たらず、仕方なく、前評判の良い立ち食い蕎麦屋「小木曽製麺店」にて、ざるとかき揚げ、山賊焼を戴き、またお城方面に戻りながら撮ることとし、まず足を踏み入れた女鳥羽川南岸沿い中町通りの入口付近のたぶんカフェバーでしょうが、素敵な緑色の外壁オブジェが目に留まったので、一枚戴いてみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCarl Zeiss Tessar35mmf3.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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八枚目のカットですが、同じく中町通りの入口から少し入った辺りにある、老舗の漆器店で、軒先の屋根上に意匠を凝らした屋号と業種がひと目で判る看板を載せているのは、同じく蔵造りの街並みで名高い川越や栃木、長浜などで良く見られる街角の原風景なのですが、ここ中町通りは点在する旧家や蔵造りの店舗に合わせて、平成以降の街並み整備のようなので、こういった戦前に作られたと思しき看板を載せた店舗は数えるほどしかなく、その中でもここのものがピカイチの出来栄えなので、前回同様、一枚戴いてみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCarl Zeiss Tessar35mmf3.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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九枚目のカットですが、この中町通りには、やはりランドマークとなる建物があり、それは、明治21年に建てられた造り酒屋の母屋、土蔵をこの通りに平成8年に移築したという「中町・蔵シック館」という建物で、中に入ると、松本城とは異なり、オーパーツとも云える鋼製耐震補強ブレイスや締結金物の類いは少なくとも目に見えるとこでの採用は皆無で、その代わり、大空間の剛性確保のため、耐力壁に代るスケルトンの木板補強が入念に施され、芸術的ですらあったので、下から一枚撮らせて戴いたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCarl Zeiss Tessar35mmf3.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、「中町・蔵シック館」の中を存分に見学させて戴き、薄暗い館内から外に踏み出すと、向いの商店も巨大な蔵造りの建物で、35mmのAPS-C画角53mm相当で全景入るかな、とか思案しながらカメラを構えたら、「中町・蔵シック館」の前に立った時から、ちょろちょろ視線走らせてくる二人組の一人が居ましたが、そんなの無視してシャッター切ったら、やっぱしっかりカメラ目線で写り込んでました、というもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCarl Zeiss Tessar35mmf3.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、中町通りも女鳥羽川の南岸を何処までも続くわけではなく、男の足なら15分もそぞろ歩きすれば、街並みの境界にあたる交差点に到達し、その向こう側はごく普通の店舗兼住宅と住宅が混在する、地方にありふれた街並みになってしまうので、川を早々に渡り、今度は北側の岸に沿って展開する、縄手通りを大手通りに向かって歩くこととし、撮りながら、歩いていたら、やはりCOVID19による戒厳令が明けた効果は絶大で、前回3月に来た時の倍ではきかない人通りが認められ、ただ通るだけでなく、商店での買い物も賑わっていたようなので、大手通りに近い辺りから様子を撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはCarl Zeiss Tessar35mmf3.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十二枚目のカットですが、釣瓶落としと云われる秋の陽は足が早いので、暮れる前に撮れるだけ撮ってしまいたいと思い、先ほどは、登城優先で、その後、脱兎の如く駅方面にランチに出掛けてしまい、実は本の丸周辺から、天守閣の偉容を撮っていなかったので、またしても松本城公園に舞い戻り、インスタ向けにも絵葉書的なお濠越しのカットを何カットか撮りたいと思い、時計回りでお濠端を歩きながら撮ったうちの何かしらミニチュアっぽい収差の出方した一枚。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはBausch & Lomb Baltar25mmf2.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十三枚目のカットですが、前回は場所だけ確認していて、結局行きそびれた外濠よりも更に外に位置する総濠と云われる遺構を調査したかったので、城郭探検はとりあえず11時の位置で中断し、いったん北側の公道に出て歩道をずっと東に向かって歩いていったところ、川でもないのに比較的大きな橋が架かっており、なんとその橋が跨いでいたのが、松本城の遺構、総濠だったので、周囲を散策しながら視察し、その後、太鼓門と黒門の調査をしたかったので、また西に向かって戻り、外濠伝いに南下し、黒門のところで濠を渡り、太鼓門の写真を撮ろうとしたら、「通ってイイすか?」とかヂモティの若人が手を繋ぎながらさわやかな笑顔で聞いてきたので、どうぞどうぞと通しておいて、後ろ姿をちゃっかり戴いたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはBausch & Lomb Baltar25mmf2.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十四枚目のカットですが、今回の調査の全てを終え、お茶でもして実家の老母に信州みそでも土産に買って行ってやっぺか?とか思い、大手門から大手通りに出ようとしたら、健気にも一家総出で、お濠の鯉と云わず、水鳥と云わず、小さなバケツに入った水に浮くエサみたいなのを豪気にぶちまけて、集まってくるのを喚声上げて楽しんでいたので、野次馬に混じって後から一枚戴いてみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはBausch & Lomb Baltar25mmf2.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、お城でのミッションを終え、その近くの老舗カフェというかコーヒーラウンジ紫陽花というお店で至極の地場産リンゴをふんだんに使ったアポーパイなぞを戴き、とても満足した気分で、さて、味噌だ、味噌、と店を出てすぐ、そうだ、偽天守閣の写真と日暮れ前に撮っておかねば、とわざわざ道の反対側に渡って、カフェと味噌屋の間に在る漬物屋の偽天守閣ビルのファンキーな佇まいを撮ってみたもの。
カメラは富士フィルムX-Pro2、レンズはBausch & Lomb Baltar25mmf2.5改M、開放による絞り優先AE撮影となります。

今回の感想ですが、城探検に限らず、遠出には信頼性を期して、いつもライツ製ないし、コシナ製を含めたMマウント互換レンズの出番が多いですが、いやはや、工房製の広角で打線組んでも結構イイカット撮れるぢゃないですか。
それにしても、松本城も、松本の街もイイですね・・・金沢、京都、そして姫路にはちょっとやそっとでは行けないですが、松本の街なら新宿からバスで3時間ほど・・・古めかしいながらも凛とした漆黒の天守閣は「都会の暮らしに疲れたら、いつでも遊びにおいで。いつでも、いつまでもここで待っているから・・・」と優しく帰りのバスを見送ってくれた気がしました。

さて次回は、久々に小田原でも遊びに行こうかな、何が出て来るかは乞うご期待!!
  1. 2021/10/31(日) 16:58:59|
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Exploration for Castles and unfamiliar port town located in Hokuriku, Japan②

さて、今宵の更新ですが、予告通り、久々の遠出、北陸ツアー3泊4日から2回に分けてご紹介する、最終回いきます.

9/25(土)は朝8時台に起床、ホテル近くの駅の中の夜はイタリアンバルやってるカフェで朝飯を食べてから、恒例の市内バス一日乗車券を買い求め、市内の主要撮影スポットを回り日暮れまで撮り歩きました。

では、当日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはVoigtlaender Nokton35mmf1.4による、全コマ絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、金沢市内でのイロハのイとしては、実質的な総鎮守、尾山神社に行程の安全とナイスショット祈願のために参拝させて戴くのですが、今回も駅からのバスで10分もかからない尾山神社バス停で下車し、通りの奥の小高い丘の上に聳える唐金の塔の建つ門をくぐると、いたいけな小姐二名が、なんと玉砂利の中にスマホンを半分埋めて立てて、記念撮影しようとしていたので、小走りに駆け寄り、撮って上げましょうかと声をかけて、え!嬉しいということで、お礼にモデルさんになってもらったもの。

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二枚目のカットですが、二枚目のカットですが、無事、尾山神社参拝を終え、社殿裏側にある鼠多門橋経由、玉泉院庭園へ入り、三十間長屋を目指して二の丸への石段を歩いていたら、これまで十数回は訪れていたはずの金沢城址なのに、今回、旧金沢第六師団庁舎という建物があることに気付き、二の丸から下る道の途中から、明治、大正期と思しき白亜洋風の建物の全景を撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、いったん、二の丸の北西へ下ってから、江戸初期に積まれたという刻印満載の石垣沿いに二の丸中心部へと戻ることとし、程なく、空堀に架かる木橋を渡ると広場向かって右奥には国の重要文化財指定を受けている「三十間長屋」が視界に入り、本来であれば、15時よりもだいぶ前なので、中を見学出来ることが出来るのですが、この当時は石川県も第五波真っ只中の戒厳令下で、閉鎖中、仕方なく、敷地奥から全景を入れて撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、そろそろ、ランチを食べてから西茶屋方面へ移動しても良い頃合いになってきたので、同じくこれまで見たことがなかった国の重文である鶴丸倉庫経由、本の丸跡地、辰巳櫓跡を巡ってから石川門経由、城郭の外に出るコースをとったのですが、初見参の鶴丸倉庫も他の施設同様、閉鎖となっていて見学不可だったため、特徴ある北西側の壁面を撮ってみたもの。

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五枚目のカットですが、お城から降りて、いつも通り、しいのき迎賓館内の「ブラッスリーポール・ボキューズ」で遅めのランチを戴き、しかるのち、金沢21世紀美術館界隈を撮る前に、ここもいつもお参りさせて戴いている「石浦神社」に立ち寄り、西側の参道横に在る、絵馬回廊の一種幻想的な赤い世界を入り口付近から一枚撮らせて戴いたもの。

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六枚目のカットですが、お参り前に手水場で手を清め、口を漱ごうと足を運んでみたら、いつも立ち寄らせて戴く度に感心してしまうのですが、だいぶ前に寄らせて戴いた北野天満宮の手水場のように水面が見えなくなるほど花を浮かべているわけではないですが、黄色い花弁が目にも鮮やかな薔薇の梯子に南洋植物の大きな葉がアクセントに並べてあったので、センスの良さに感心し、本来の要件を忘れて一枚撮らせて戴いたもの。

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七枚目のカットですが、お参りを終えたら、神社からは道を挟んで向かい側の金沢21世紀博物館の入場料無料の庭園のあちこちに設けられている前衛芸術的なオブジェと、それらに群がる人々を撮りたいと思い、足を踏み入れたところ、さっそく、ステンレスパイプとメッシュを組み合わせて多角形の箱を造形し、しかもそれを地面に対し斜めに据え付けたオブジェの中にいたいけな若人のカポーが佇んでいたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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八枚目のカットですが、同美術館庭園のオブジェはどれもアイデアからして奇抜ながら、実はそれらの機能の原理は誰にでも判る自然科学にきちんと準拠しており、広坂の交差点から程近い超大型のカラーアクリル板を渦巻状に立てて、周囲や内側の立つ位置によって、フィルターの役を果たすカラーアクリル板の色の組み合わせが変わるため、まさにRGBの組み合わせの原理で、外から見た時の中の人物の色、中から見た外の人物の色の変わりようが楽しめるというもので、ちょうどいたいけなカポーが中を巡っているところを有難く一枚戴いたもの。

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九枚目のカットですが、ここも同美術館庭園のオブジェ群の中では、不動の人気、実際に声を出して遊べる伝声管、しかも何処と何処が繋がっているのか判らないという、意外性も楽しめる、体験型オブジェなので、この日も観光客のみならず、ヂモティの親子連れも楽しんでおりましたが、いたいけなガキンチョなんざ、職員が見たら目をひん剥いて駆け寄りそうなロディオまがいの遊び方なんかして、親だか爺様、婆様だかが写真なんか撮ってたので、その様子を一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、金沢21世紀美術館庭園での撮影をひと通り終え、お次の撮影地、にし茶屋街への移動は、いつもの東西両ルート周回の北鉄バス使えば、それほど難度は高くないのですが、あいにく戒厳令下の金沢市内では観光客メインの周遊バスは運休、それでも、通常の市内を走る路線バスは全て利用できますから、急がば回れ、いったん、片町まで乗って、そこでダイワデパート前から市西部へ抜ける路線バスで広小路バス停で降りれば、にし茶屋街までは徒歩で3分もかからないですから、そのルートで移動、陽も傾きかけた西検番事務所の下見張りの外壁越しに通りを撮ってみたもの。

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十一枚目のカットですが、あいにく、ここのところ、金沢に再び通うようになったのが、COVID19により気軽に台湾やら上海やらへ出掛けられなくなったことが大きな理由であるため、やはりここ、にし茶屋街も、同様に長期のオフシーズンみたいなものですから、人通りは少なく閑散としており、ひがし茶屋街や、その近所の主計町茶屋街なら、まだ人通りも戻り、声を掛けるか、掛けられるかで人物撮影の可能性もあったのですが、とにかく人が通らない・・・やっと通り掛かった観光客のカポーにご出演願ったもの。

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十二枚目のカットですが、元々、金沢の旧市街は、欧州都市の旧市街や中国の上海郊外の古鎮の如く、徒歩で移動出来る範囲に纏まったコンパクトな造りになっているため、主要観光地も全部巡るとなると結構な歩数になってしまいますが、それぞれの距離は大したことはなく、にし茶屋街から犀川の河原までは5分とかからず、その畔に建つ、山錦楼の下から見れば木造四階という彦根城天守閣も真っ青の佇まいを下から撮ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、犀川大橋経由、片町の交差点まで歩き、バス停から駅に戻る方向のバスに乗って、金城楼前のバス停で下車、まずはバス停でから目と鼻の先にある、浅野川の畔にひっそり佇む主計町茶屋街を撮り歩くべく、裏通りに足を踏み入れたら、後から絹ずれの音がして、早歩きで着物姿の妙齢の小姐が追い越して行ったので、有難く、お店に入る直前に一枚戴いてみたもの。

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十四枚目のカットですが、やはりここ主計町茶屋街も、にし茶屋街同様、戒厳令下も相俟って、お店が閉まっている日没前の時間では、仕込みとか開店準備のお店やさんの関係者以外は通りそうになく、仕方なく閑散とした街並みを撮っていたら、タイムマシンか人力車から降りてきたような和装の兄さん二名組が検番の前を通り過ぎていったので、慌てて後ろ姿を一枚戴いてみたもの。

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十五枚目のカットですが、主計町茶屋街でいつもの定点観測スポットをひと通り撮ったあと、そろそろ陽の傾き加減も良い頃合いになってきたので、金沢の観光スポットNo.1の呼び名も高く、京都は花見小路とも並び称されるジャパネスクの象徴、ひがし茶屋街メインストリートに移動、カメラを構えたら、ちょうど、仲睦まじいいたいけな若人のカポーが道のど真ん中を歩いてきてくれたので、有難く一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、いやはや、まだまだ日本も見て回るところは数多く残っていますね。天守閣巡りにかこつけて、マニアックなレンズ持ち出して、スナップ敢行してますが、そう遠くない将来、この鎖国にも近い、COVID19に対する渡航制限が解けても、台湾や韓国、中国などと同様に国内の史跡再発見も楽しめたらと思うに至りました。

さて、次回は城郭検定の直前フィールドワークで、某、国宝天守閣の在る街に金曜夕刻から出掛けますので、一週スキップ、その翌週はその街での工房製レンズによるスナップでもお楽しみ戴きましょうか、乞うご期待!!
  1. 2021/10/17(日) 19:55:21|
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Exploration for Castles and unfamiliar port town located in Hokuriku, Japan①

さて、今宵の更新ですが、予告通り、久々の遠出、北陸ツアー3泊4日から2回に分けてご紹介する、初回いきます.

まずは簡単な行程紹介参ります。
9/23の木曜日、9時台の新幹線で名古屋経由、米原に入りそこから北陸本線「しらさぎ」に乗り換え、福井で各停に乗り換え、最寄り駅の丸岡駅で下車、そこから、距離にして約4km、頼りのバスも、タクシ-すら見当たらなかったので、途中ランチを挟み、歩きに歩くこと正味約45分、天守閣がぽつねんと建つ小高い陸の麓に辿り着いたのでした。そこで1時間ほど調査を兼ねた見学を行い、途中まで歩き、見当を付けた通り、ショッピングセンターでタクシーをピックアップ出来、駅まで向かい、北陸本線経由、当日の宿の在る片山津温泉最寄り駅の加賀温泉駅で下車、旅館のバスで迎えに来て貰って、当日は宿泊し、翌朝、10時前にチェックアウトし、加賀温泉駅から金沢駅に移動し、駅前のホテルに荷物を預け、そのまま次なる目的地、射水市新湊迄第三セクター鉄度を乗り継ぎ移動し、午後一杯、現地を散策がてら調査し、知り合った現地の「ふるさと大使」の方に高岡駅まで送って戴き、その日は金沢泊、翌日は9時半から、金沢市内をバスで移動しながら撮り歩き、金沢泊、最終日は早朝から雨天だったため、早めのランチを駅ビルで食べ、そのまま新幹線で帰京したもの。

では、今回の旅の23、24日の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、丸岡駅でバスが無く、タクシーの連絡先も見当たらず、唯一の救いはネット情報によれば存在しない筈のコインロッカー、しかも無償のものが駅に有って、そこに荷物を預けられたので、4kmくらいなら歩けないこともないので、天気が良いこともあって、スマホンのナビを頼りに歩き、ランチを食べたラーメン屋の屋根越しに見えた小高い丘の上の天守閣まで一気に歩き、ふもと迄来た辺りで、望遠を装けて西側のアプローチ路から撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはVoigtlaender Heliar75mmf1.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、西側からぐるっと北側斜面を回って、ちょうど東側から天守閣に登城するルートとなっているのですが、本の丸に相当する頂上広場の入り口に到達した辺りで、木々に覆い隠された天守閣の全貌が良く見えるようになったので、そのまま、装けていた望遠で、天守閣上部の佇まいを撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはVoigtlaender Heliar75mmf1.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

Hokuriku21Sep_003.jpg
三枚目のカットですが、登城前に広場の記念碑の基礎の上でいったんレンズを付け替え、古色蒼然とした、古民家のような雰囲気も漂わせた板張り壁面、石瓦を纏った可愛らしい三層三階、望楼型の現存最古との説もある天守閣の全景を観光客が通り掛かったタイミングを見計らって撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはCooke Sppedpanchro28mmf2.0 mod.Mによる開放、絞り優先AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、小さい天守閣にしては不釣り合いに高い天守台に設けられた石段を登り、天守閣への入り口の扉を潜って内部に入ったのですが、実はこの天守閣、北陸地方を襲った巨大地震により、昭和23年に一度、天守閣から崩落し、ほぼ全壊、同27年から修復工事に入り、30年に元踊りの外観には修復されたのですが、細かいところをみれば、釘が全部洋釘を使っていたり、屋外の木部に至ってはステンレス釘がまん丸い頭を覗かせていたりとツッコミどころ満載ではありましたが、当時の物不足の状況を思えば、致し方ないことで、天守閣最上部の窓から懸魚越しに眺めた丸岡の街並みを撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはCooke Sppedpanchro28mmf2.0 mod.Mによる開放、絞り優先AE撮影となります。

Hokuriku21Sep_005.jpg
五枚目のカットですが、天守閣内部を舐めるように検分し、更にその上、携帯で細部の写真を撮りまくって、殆ど、お仕事モードと化した見学を終え、時間的にそろそろ駅に戻らないと加賀温泉駅からの宿の送迎バスの予約時間に間に合わなくなってしまうので、次はいつ来られるとも判らないので、名残惜しんで、天守台周囲の石垣やら石落としの形などをぐるっと一周して見てから帰ろうと思い、南西方面から見上げて撮ってみた一枚。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはCooke Sppedpanchro28mmf2.0 mod.Mによる開放、絞り優先AE撮影となります。

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六枚目のカットですが、実は天守閣最上部の窓から下を眺めて、櫓門もどきの建物の柱の影に鎧装束の武者みたいな存在が居たのに気付いていて、松本城とか、姫路城、そして忍城辺りにもいるボランティアのもてなし隊みたいな人なのかな、と思い、帰り際に寄ってみたところ、なんと、手作り感満載のぬいぐるみ武者、記念に丘の上の天守閣をバックに一枚撮らせて貰ったもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはCooke Sppedpanchro28mmf2.0 mod.Mによる開放、絞り優先AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、翌9/24(金)は本来、稼働日ではありますが、せっかくの飛び石連休中日なので奉公先からは年休を貰い、ここでも半ば、仕事目的も兼ね、1年近く前にNHKの「あさイチ」で放映されて興味を持っていた、「日本のベニス」こと射水市新湊まで元北陸本線の一部だった「IRいしかわ鉄道線」とドラエモン路面電車こと「万葉線」を乗り継ぎ、「西新湊」で下車、駅近辺でランチを戴いてから、親切な店の方々の周辺の案内図を貰い、道順を教えて戴き、歩くこと15分程度で到着した内川沿いの街並みの入り口付近でまずは一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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八枚目のカットですが、ここの街並みの特徴的なことは、運河の両脇の狭い道路に面して民家が建てられているのですが、その目の前の運河の岸に自家用車、ならぬ自家用船が係留されており、景観を意識したのか、その外観は白と水色を基調にした涼しげものに統一されており、後にふるさと大使の方と辺りを歩きながら教えて戴いたところによれば、深夜から明け方にかけていっせいに富山湾めがけて出漁して、早朝に戻ってきて、昼は皆、家で休んでいるとのことで、或る船の上で鷺がまさに飛び立たんとしていたので、足を止めて、間合いを図って、その瞬間を捉えたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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九枚目のカットですが、運河伝いの誰も居ない通りを一人歩いて景色を眺めてみれば、確かにベニスや、ポルト、或いは、上海近郊の水郷と云われる古鎮にも似てなくもない雰囲気を漂わせており、惜しむらくは、いずれの歴史有る街々も通りに面した建屋は古色蒼然とした色調、構造、そして高さを揃えて、調和がとれた街並みとなっているのに、ここは、かなり自由闊達、船の色調ほどは建屋は揃っておらず、ちょっと残念な気もしましたが、人々が生活しての街ですから、これも日本的な景色と受け止め、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、観光地のようであって、いまひとつ観光地化しきっていない、この時間が止まったかの如き港町ではリノベが済んで、観光客の受け入れ体制万全の店舗兼住宅もあれば、理由は定かではありませんが、昔ながらのトタン塀の倉庫兼作業場みたいな建造物が使われているのかいないのか判らない状態で残っている箇所も幾つか認められ、その中のひとつの壁沿いにすずらんとおぼしき白い花が真っ盛りに咲き誇っていたので、秋の高い青空をバックに一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、この全体的には古めかしい運河沿いの街並みの中では、全く別の建材を外装に使って、近未来的な外観に換えたリノベを施した飲食店や物販店もありましたし、そうではなく、元の時代がかった外観は可能な限り残し、内部に徹底的に手を入れて快適性を改善した上で再利用したものも複数あり、中でも潮風と陽に焼けた下見板の外観そのままにガラス窓だけは最新型の二重サッシに換えたミニ資料館みたいな建物があったので、斜めから全景を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十二枚目のカットですが、そろそろ街並みも終わりに近づこうかとしていた辺りで、ひとつ仕事をしてから帰ろうかと思い、NHKで紹介された街並み再生のプロジェクトチームの主人の方のオフィスを訪問し、名刺でも置いて帰ろうかと思って、橋の上でスマホンで地図検索でもしようと思った矢先に目に留まった不可思議なオブジェで、まさに「雲を掴むような話」といった雰囲気で一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十三枚目のカットですが、いったん来た道を引き返そうかと思いながら、閃くものがあって、行けるだけ運河沿いに歩いてみようと思い、橋を再度渡り、歩いてきた河岸の道を先に進んで云ったら、欧州風の赤い橋が目に留まり、写真を撮ろうと足を止めたら、親切にも声をかけてきてくれた初老の紳士が居られて、「富山ふるさと大使」ということで、色々と話をしてみたら、なんと会おうとしていた街並み再生プロジェクトの責任者に生家を譲ったこともあり、懇意にしているから紹介して上げよう、ということで、最初に連れて行って戴いたのが、その方の生家であり、今は再生プロジェクトのシンボルである「六角堂カフェ」で、記念に外観を撮らせて戴いたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十四枚目のカットですが、その初老の紳士の方のご説明では2000年代はじめに映画のロケが行われたそうで、その舞台となったのが当時、イタリアやスペイン辺りによくある、屋根のついた廊下橋を模して架けられた東橋で、その方も映画の撮影には、方言や所作の指導に関わっていたとのことで、懐かしく話して戴いたので、橋もカッコ良く撮って下さい、ということでありきたりのアングルでは面白くないので、光線を計算し、橋北側塔屋の日陰を利用して撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、運河伝いの街並みの辺りを案内しながら色々と説明して戴いたのですが、ちょうど、午後の遅い陽光が西に傾き始め、水面に係留された漁船と両岸の街並みが角度によってはシルエットと化して、イイ雰囲気で撮れそうな気がしたので、二隻並んで係留されているところで、足を止めて、夕暮れ前の運河の佇まいを一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による開放、絞り優先AE撮影となります。

さて、次回は翌日、9/24(土)の朝から、鬼神の如く、金沢市内を夕暮れまで撮った結果をレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2021/10/10(日) 20:48:37|
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Duel of extraordinary optics under the Sunshine~CanonFDM50mmf3.5 vs Helios33mod.M by FGWG

さて、今宵の更新ですが、予告通り、この新型コロナことCOVID19禍のもと、ありとあらゆる祭りやイベントは軒並み中止となり、あろうことか、愛好家が心待ちにしていた飯能市は巾着田の曼殊沙華畑も、開花を前に全ての蕾が刈り取られ、打ち棄てられるという有様でしたが、調布市深大寺地区の神代水生植物園、及び深大寺城址の秘密の曼殊沙華畑は例年のように赤白の曼殊沙華が咲き出しているとの情報をインスタグラムで知り合いの深大寺の製粉業者の方に教えて戴き、ただ撮ってくるのではつまらないので、久々の白昼の対決シリーズで、今回はまだ未レポートではありましたが、秘宝館からは防湿庫の肥しの重鎮、CanonFDM50mmf3.5、改造レンズ群からは、当工房で実用化以降、国内外のあまたの業者さんに真似されたHelios33、35mmf2.0改Mを持ち出すことと致しました。

では、さっそく、その対決の各シーンを逐次眺めて参りましょう。同じ構図、被写体で先に上がっているのが、Canon/α7RⅡで、次がHelios/X-Pro2、いずれも開放撮影となります。
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まず第一番勝負ですが、深大寺城址の西側土塁の裏の武者走りのような狭い雨樋の底のような地形のところが、秋になると自生の赤い曼殊沙華がここぞとばかりと生えて来て、それはそれは見事な赤い可憐な花を咲かせて見せてくれるのですが、何本かが纏まっていた場所を南から北に向けて撮ろうとした時にちょうど小集団がやってきて、飛び入り参加してくれたもの。
どちらもWガウスタイプでシャープネスを売り物にしているだけあって、合焦部はキッレキレの描写ですが、背景のワイルドさでは大口径のHeliosに軍配が上がります。

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二番勝負は同じく深大寺城址土塁裏の曼殊沙華畑ですが、今度はもっと奥の南側に咲く花々を、城址ゾーン南の端の木立が陽光を遮り、昼なお暗い禁則地の林の如き佇まいを見せている方向に向けて撮ってみたものですが、こちらの構図でも、背景の低木の葉に木漏れ日が当たって照り返しているところの描写がHeliosの方がより鮮明に暴れた様子になっています。

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三番勝負は、西側の秘密の曼殊沙華畑に別れを告げ、城址東側の空堀南側の木立の下に積もった落ち葉の下から何本かずつにょっきりと生えてきた曼殊沙華の群生で、ここでも、木漏れ日がスポットライトの如く、中央部のみを照らし、逆に陽が当たらない部位の方が、繊細な花弁の赤い色が艶やかに発色するというシーンを撮ってみたのですが、Heliosの方が手前の一本以外はグルグルに溶かしこんで、幻想的な描写を見せてくれました。

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四番勝負は、ここ深大寺城址ではド定番の定点観測スポットである、かつての木造の館址を示す、磨きあげられた黒御影石群を、某茨城県の重電メーカーのシンボルに良く似た、この木、何の木、気になる木の麓から、南方向に向けて、一列で撮ってみたもので、ここでもHeliosの方が、風速でいえば、そよ風と台風上陸くらいのぐるぐる度合いの違いで描写しています。

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五番勝負は、深大寺城址を降り、そのすぐ真下に広がる、三多摩地区では珍しい湿地帯を擁する神代水生植物園では、湿地帯土手に赤白の曼殊沙華が、今を盛りとばかりに咲き誇るばかりでなく、秋の収穫シーズンを前にして湿地帯南部の水田にはオレンジの霞網が架けられており、これが角度によって微妙なグラデーションのついた曲線美を見せてくれることから、土手の曼殊沙華達と競演して貰ったもの。
ここでは、どちらも花のシャープで端正な描写、背景の霞網の艶やかな曲線美は甲乙つけ難い出来ではないかと思いました。

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六番勝負は、湿地帯東側の土手には、毎年、赤い曼殊沙華のみならず、意外と珍しい純白に近い曼殊沙華がかなりの頻度で生えてきており、場所柄からなのか、或いは白はアルビノという先天性色素欠落によるものなので、赤の個体よりも気候条件繊細になのかは判りませんが、若干、赤い花より、勢いが無いような気もしましたが、土手ギリギリに身を乗り出して撮ってみたもの。
合焦部のシャープさは甲乙つけ難いですが、やはりボケの特性による背景の密度感はHeliosの方が目を惹くものがあるのではないかと思いました。

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七番勝負は、あまり遅い時間だと、茶店の小姐各位が団子の製造販売や湯茶の提供を切り上げてしまうおそれがあるので、後ろ髪引かれる想いで水生植物園を後にして、道一本隔てた深大寺エリアは参道を東西に横切る茶店街の名物、浅草は「美人茶屋あづま」さんと並ぶ名刹足下の煩悩の源「美人茶屋八起」さんの店頭で、久々に若い小姐がきびきびと草団子を扁平に圧し潰したようなものを油分を敷き詰めた鉄板上で焼いて販売して居たので、至近距離で撮らせて貰ったもの。
ここでは、先ほどの各シーンで認められたほど、両レンズの個性は認められず、どちらも良くできたスナップレンズという範囲に収まってしまうと思いました。

今回の感想ですが、いやはや、カメラの色設定が違いすぎ、描写の違いよりも、若干、彩度が高過ぎる富士のベルビアモードの方が有利になってしまった感無きにしもあらずですが、それにしても、ソーシャルディスタンスからの人物描写や、風景を撮ったのではどちらも有難みを発揮しないですが、例えば、旅先の朝市の店頭で何か撮るとか、花をモチーフに街並みとかお城を撮る、なんて使い方をしたら、ありきたりのスナップとは一線を画す面白い写真が撮れるのではないかと思いました。

さて次回は、久々の遠出、北陸ツアー3泊4日から2回ほどに分けてご紹介する、初回いきます、乞うご期待!!
  1. 2021/10/03(日) 22:59:00|
  2. Mマウント改造レンズ
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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