
さて、今宵の更新ですが、お城オンパレードでは飽きが来てしまうので、たまには趣向を変えて、工房で作成したレンズの再検証を行ってみたいと思います。
今回選定したDallmeyerDalmac2’f3.5は、云わずと知れた英国はDallmeyer社製のエルマータイプの3群4枚構成で、製造は50年代前半と云われています。
これまで、このレンズは主にNikonSPによるフィルム撮影か、或いはR-D1sによるデジタル撮影でしか使ったことがなかったので、いったい、フルサイズのデジタルで撮ると、どうなるのか?という素朴な疑問が涌いてきたのです。
一般論で申せば、かなりテレセントリック性が高く、そして最後面の反射が抑えられていないと、CMOSはシリコンフォトダイオードがそれぞれ深い井戸の底から月を見るような位置なので、周辺に行くほど光量は減少してしまいますし、明るい被写界では最後面と撮像素子表面のカバーガラスとの間で、まさに合わせ鏡のような現象を生じフレア大会になってしまいます。
記録によれば、大久保と川崎の両方の治療を手厚く受けているので、内面反射に関する経年劣化は度外視して良さそうですし、後玉も丁寧に弗化マグネシウムのコーティングが施されているので、合わせ鏡も少なそうです。問題は小さな後玉からの投影光が果たして43mmの対角線を十分カバーしているのか?
では、その疑問、築地から東銀座、秋葉原での試写によって検証して参りましょう。
カメラはSONYα7RⅡ、全コマ絞り開放によるAE撮影、画像は全て露出の調整とリサイズだけの正真正銘撮って出しです。

まず一枚目のカットですが地下鉄築地駅から巨大なインド風建造物が鎮座まします本願寺前を通り過ぎるとすぐ、交差点を挟んだ西側に築地場外のゲートが見えてきて、その二件目の「又こい家」で至極のまぐろ料理を戴いてから、そのすぐ西の東西通路から場外市場エリアにアプローチしたら、入ってすぐのお店で、新鮮な鯛を特売していたので、店の人に声掛けて一枚撮らせて戴いたもの。
ピンは真ん中の魚体の「サービス」に合わせていますが、十分シャープで、コントラストも色再現も問題ないですし、イメージサークルも十分あることが見てとれます。

二枚目のカットですが、同じく場外市場の一番東を貫通する南北通路の一本目の東西通路との接続部手前に位置する店舗での商いの様子を撮りました。このレンズに限らず、古いレンズでの実写には、いつも鬼門となってしまう、暗い被写界の中の強い点光源、いわば、ミニ逆光に対する検証としては、レンズ内面反射に加え、最後面と撮像素子前面カバーガラスとの複反射を考慮すれば、かなり良好な結果ではないかと考えました。

三枚目のカットですが、東西通路の一番北の通りは後回しにして、一番、店舗数も多く、その結果、人通りも多い北から二本目の東西通路の肉屋さん手前に置いてあった、今や市場が移転した築地では絶滅危惧種と化しつつあるターレットの姿を認めたので、後をいかにも場違いなカッコで通り過ぎる中国人小姐を入れて撮ってみたもの。ここでも、暗いところから直射日光がガンガンに降り注ぐターレットや通りを捉えていますが、破廉恥なフレア大会にはなっていませんし、LeicaMで対象型の玉を使うとたまに35mmでも発生する画面の周辺光量落ちも皆無で、なかなか優秀です。

四枚目のカットですが、東西通路の真ん中より西に近い辺りに位置する、豆の専門店の店頭では、昔で云えばお仕着せの法被、21世紀の令和の御代では、お揃いのオレンジのパーカーを羽織った店員さん達が、年末もそう遠くないことから、ひっきりなしに訪れてくるお客さんの相手で縦横無尽に動き回り、丁々発止のやりとりをしていましたが、ふと目をこらすと奥でタバコなんかくわえながら、スマホンの画面ながめてサボリモードのヲッサンが居たので、狙い定めて撮ってみたもの。
ここでも、点光源周囲のフレアというか、ハロの少なさ、そして画面全体の像の均質性も前ボケの素直さもよく見てとれると思います。

五枚目のカットですが、東西通路を人混みを避けながら、そぞろ歩きして撮っていると、まもなく、西側のかつて、築地市場と場外を隔てていた南北の公道に突き当りますが、そこを通って、北から三本目の東西通路に入ろうとしたら、かなり大きめの布の暖簾のような目印を掲げて商売している丹波篠山の黒豆専門店があったので、ちょい立ち話してから一枚撮らせて戴いたもの。
ここでも、黒い部分でも日光に照らされているところと白地でフレア大会となるのではと危惧しましたが、ご覧の通り、なかなか露出は難しかったですが、そつなく描写し、イメージサークルの大きさと画質の均質性を示しています。

六枚目のカットですが、ここも場外市場西端の公道に面したアーケード内の店舗で、確か苺を串刺しにして、水あめか何かでコーティングするという、中国は上海の豫園周辺の路面店で見かけたスナックを美味しそうに食べていた小姐に声掛けて、後からなら、と撮らせて貰ったものです。
晴れた空の下で、向かって左から直射日光は射し込んでいたものの、小姐の髪の質感はシャープに捉えていますし、アーケード内の後ボケ、点光源もなかなかきれいに撮れています。

七枚目のカットですが、北から三本目の通路に西側から入ってすぐの辺りに位置する、乾物屋さんというか、アメ横には電信柱の数並みに多いドライフルーツを店頭に特設陳列・販売台を設けてかなり盛大に商っているお店があったので、周囲で見守っていた店員さんに声掛けて前に通して貰って一枚撮ってみたもの。
ここでも、上の貼紙には西日が直接光って、かなりの逆光となっていた一方、店員の年配小姐と小品陳列台周りはお店のひさしの下で日陰ですが、かなり明暗を上手く描き分けているなと感心しました。

八枚目のカットですが、この東西通路の中ほどには、あたかも金沢の三大茶屋街に迷い込んだかの如き錯覚を催させるような、路地とその奥の古めかしい料理屋があり、その入口付近に立ち、さてどのように通りの風景を撮ろうかいな、と逡巡していた時に「失礼します」とカポーが入っていったので有難く一枚撮ってみたもの。
ここでも薄暗いビル谷間の路地の上部から南の空が覗いていて、また画面右側には、仄かにLEDの灯が点る提灯もあって、なかなか露出も難しかったですが、仄かなフレア感がイイ感じに作画してくれたようです。

九枚目のカットですが、東西通路のもう一番東に近い辺り、晴海通りを往来する車の喧騒が通りの賑わいを上書きするくらいの位置の飲食店の手前で、午後の陽光を纏って、髪から亜麻色の光を跳ね返しながらスマホン操作に余念がない小姐の姿が目に留まったので、横から一枚戴いてみたもの。
これだけ被写界全体が明るいとやはり、古い設計のレンズにオリジナルに近い弗化マグネシウムの単層コートだと厳しいものがあり、全般的にフレアっぽくなっていて、これはこれで風情ある描写になったのではないかと思いました。

十枚目のカットですが、これもレンズにとってはかなり条件の厳しい試写ではありますが、一番南の東西通路から一番東の南北通路に入ってしばらく進んだ辺りにある、店舗のひさしが両側から差し出されていて、あたかもアーケード内のような状態になっている箇所の入口で、直射日光こそは当たらないものの、明るい空の下で十分光を反射している木綿の吊るし看板を最短距離で捉え、バックに薄暗い中にスポット照明入れてる店舗の様子を入れたもの。
まさにこのカットこそが、この小さな漆黒のレンズの実力を如実に物語っており、手前の木綿のテクスチャも如何なく描写しつつ、点光源も忠実に、背景の働く人達も蕩けるが如くマイルドなボケとして写し込んでいます。

十一枚目のカットですが、北から三本目の東西通路と二本目の東西通路の間の南北通路のアーケード状の長いひさしの下にこれも老舗の練り物屋さんである「紀文」の販売コーナーがあり、店頭照明に輝く練り物のパッケージの向こうにカメラを向けたらニコニコ笑ってうなづく年配店員さんが居たので、一礼して撮らせて貰ったもの。ここも、暗いところから明るい露天方向でしかもその途中には、かなり強めのLED照明で照らされたプラスチックパックが置いてあり、かなり厳しめの被写体でしたが、これだけの輝度差あっても、きっちり屋根裏の造作まで識別出来る階調再現性も備えていることが判ります。

十二枚目のカットですが、築地場外市場はひと通り撮り終えたので、久しぶりに四谷三丁目に改造レンズのドナーでも買い出しに行こうかと思い、歌舞伎座の裏にそこそこ面白げな被写体が点在していたことを思い出し、晴海通りと平行する裏通りに佇むシチリアだかシリアだかの料理店の店頭
を飾る無国籍の陶製人形頭部を撮ってみたもの。
ここでも、反射率高い陶製の被写体に自然光の上に斜め上からLEDスポットライトのビームが当てられていますが、それほど酷いフレアによるコントラスト低下は認められません。

十三枚目のカットですが、歌舞伎座の南側の道路の歩道上を歩いていたら、時間的に冬の太陽はだいぶ西に傾き、ちょうど前方の低い位置から射し込んでくるため、正真正銘、議論の余地ない逆光なので、手のひらで幾ら角度や高さ変えて、ハレ切りしようとしても全く意味を為さず、そもそもEVFでのピント合わせすら不可能な状況なのであきらめ、西日を遮ってくれる歌舞伎座の裳階の下の影に沿って歩きながら、追い越していったカポーの後ろ姿を撮ってみたもの。まさに大フレア+ゴースト大会になるかと思いましたが、意外とハイライトとシャドーのバランスがまとまった構図になったと思いました。

十四枚目のカットですが、晴海通りに出て銀座方面へ歩いて行ったら、三原橋を過ぎて、三越のそばに来た辺りで、ビル壁面底部に雪景色をモチーフにしたと思しき、クリスマスシーズン向けの大きなオブジェが飾り付けられており、いたいけな我が子を撮ろうと、興味深々、しきりにいじろうとしている子供と、ほら写真撮るからこっち向いてじっとしろ、とか無理難題を言いつける母のすれ違いの図を撮ってみたもの。
このような構図だと、足元の規則的なタイルの模様のくずれとテクスチャのぼやけで周辺の描写性能の低下が一目瞭然ですが、少なくともこのカットで見る限りこの小さなレンズは周辺まで確実に描写しています。

十五枚目のカットですが、場所は移り変わって秋葉原、結局、四谷三丁目のお買い物前に、信じ難いことに買おうと思っていたものを三原橋でタダで譲り受けてしまったので、お茶でもして、仕事で使う用品でも買って帰ろうと思い、銀座からメトロ経由、末広町に出て、電器街を歩いている時にヘッドホンだかイヤホン売ってるお店の店頭で見つけ、懐かしくなって一枚撮ってみたもの。
これも、古いレンズ泣かせの、至近距離での真っ白被写体の屋外撮影ですが、それなりに画面全体にフレアは認められるものの、むしろこういった被写体であれば、表現方法のひとつとして認められてしかりのレベルではないかと思いました。しかし、よく見ると、店内のLEDスポットライトには口径食、ツリーから背後にかけ非点収差が現れているのが不思議でした。
今回の感想としては、いやはや、親指の先より一回り大きいくらいのエルマー型の古い玉が、ここまでの描写性能を発揮してくれるとは驚きました。英国の光学設計・製造技術恐るべし。
さて、次回は用足しに田舎へ出向きますので一週スキップ、その翌週は、年内最後の更新として、東海道城郭ツアーの結果をレポートしたいと思います、乞うご期待!!
- 2021/12/12(日) 18:15:04|
- CXマウント改造レンズ
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さて、今宵の更新ですが、予告通り姫路から大阪に絶滅危惧種のレンズ達と旅した足跡をご紹介致します。
まずは今回の簡単な行程ですが、松江の宿を11月20日土曜日の朝に出て、倉吉経由の第三セクター特急で姫路に入り、15時過ぎに駅の目の前の宿にチェッキンしてから、早歩きで姫路城に向かい、17時の閉園まで見学&撮影、その日は姫路泊、22日は雨の中、京都線新快速で大阪まで移動し、翌日のロケハン兼ねて、大阪城公園に向かい、天守閣内部には入らず、周囲のみインスタ予告編も兼ねて撮影、帰京当日の11月23日火曜日は朝から晴れ上がったので、10時に宿に荷物預けてチェカウトし、12時過ぎまで見学、撮影し、米原経由、名古屋まで在来線で移動し、15時過ぎの新幹線でお江戸は深川に戻った、という行程です。
では、当日の足取りに沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

まず一枚目のカットですが、ホテルに荷物を置いて、身軽になったのはイイのですが、何せ、混むときは、登城口まで1時間、そこから天守閣の地階から最上階まで隅々眺めて、更に西の丸の長尺廊下、化粧櫓までじっくり見ると2時間は優にかかってしまうので、一抹の不安はありましたが、大手門をくぐった辺りに「おもてなし隊」と称する武将系コスプレおじさん達がたむろしていたので、声掛けて、お城をバックに撮らせて戴いた第一号さん。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

二枚目のカットですが、広大な三の丸広場越しの高台の上に燦然と輝きを放つ、白亜の天守閣の偉容は、工房主のみならず、見る者の心を奮い立たせ、足を早めざるを得なくなるのですが、城郭に限らず、建造物の撮影では、あまり近くによると、仰角がつきすぎ、屋根の上部まできれいに撮れないばかりか、パースがつき、台形にデフォルメされてしまうので、全体像をきれいに収めようとしたら、或る程度の距離から撮らねばならないため、足を留め、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

三枚目のカットですが、さて、何でも売店である西の丸茶屋の前を過ぎ、そろそろ入場券売り場が見えて来た辺りで、前に立ち塞がって、一枚撮らねば通さぬぞぉなどという嬉しい大見得を切ってくれたのが、僧兵のコスプレのお兄さんで、ただ云われた通りに撮るのも面白くないので、「ははぁ、承知。ところで貴殿のお名前は、大谷刑部さま?、安国寺恵瓊さま?、杉谷善住坊さま?、それとも武蔵坊弁慶さま?」と矢継ぎ早に問うたところ、マシンガントークを仕掛けられたことはないのか、たじろいで、「ベ、弁慶と申す」とか全然時代錯誤なこと云いだしたので、肩叩いて大笑いしたのち、記念撮影となったもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

四枚目のカットですが、入場券を無事買い求め、だいぶ金物が錆びて傷んできた「菱の門」を潜り、天守下に向かったら、まだ、「おもてなし隊」の残党が居て、ちびっ子達とチャンバラごっこみたいなポーズなんかして記念撮影ならぬ、記念動画なんか撮って熱演していたので、カット!の声を合図に天守をバックにモデルさんになってもらったもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

五枚目のカットですが、「菱の門」の先の「いの門」との間に位置する、天守真下の「三石堀」という防御上の施設で、今は木造建造物群の防火用水にも使われる目的で管理されている、石垣で囲まれた池越しに高石垣の上の、水面にも映る水鏡状態の白亜の天守閣の偉容を捉えてみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

六枚目のカットですが、狭い登城口を経て、一階に上がり、小天守などをくるくる回りながら、最上階を目指すのですが、二階の窓から小天守と繋がる渡櫓で囲まれた中庭に植えられた楓が時期的にちょうど良い色合いに紅葉し、それが甍の鉛色、壁の漆喰の白亜色、そして遠くの播州の山々とのコントラストが絶妙だったので、格子の間から一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

七枚目のカットですが、無事、天守閣内部の見学と調査、そして必要な撮影を終え、外に出て来た時は、だいぶ晩秋の陽は西に傾きかけていたのですが、それでも平成の大改修で白亜の漆喰外壁の化粧直しをした白亜の天守閣群の美しき戦闘マシーンとして放つオーラには全く陰りなど感じられず、先月眺めた松本城の漆塗りの文字通り漆黒の下見板張りの外観と対を為す、白亜の城の機能美に見せられて、備前丸広場から見上げる格好で一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

八枚目のカットですが、翌日、姫路からは在来線の新快速でも1時間ちょうどという、松江→姫路間の移動に比べれば、まさに隣町のお城を観に行く距離感に位置している、姫路城同様、日本の城郭人気投票上位常連の大阪城のすぐ近くの宿に投宿し、帰京の最終日の朝10時過ぎに宿を出て、まず目にすることになる外濠内面の上からみればギザギザのような横矢掛け構造の髙石垣の荘厳さを残して置こうと思い、足を留めて一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

九枚目のカットですが、巨大な外濠に架かる石橋を渡った先に建てられているのが「大手門」で、ここは、江戸期に周囲の櫓門が落雷によって焼け落ちた時にも、幸運にも残った遺構で、昭和初期の保存修理を経て、今は重要文化財となっている風格ある門で、ちょうど目の前の家族連れが潜り抜けた頃合いを見計らってシャッター切ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

十枚目のカットですが、大手門を潜り、外濠の中のエリアに足を踏み入れ、石垣の上から、僅かに頭を覗かせている、絢爛豪華な天守閣を目指して歩く途中に、かつてのこの城の主、太閤秀吉公を祀る豊国神社があり、いつも撮影する地ではそこの鎮守に相当する神社にお参りしてから、事に及ぶようにしているので、まずお参りしたのち、像を撮らせて戴こうとしたら、近くを歩いていた、いたいけな極小姐がちょうど謁見するような位置で飛び入り出演してくれたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

十一枚目のカットですが、豊国神社のお参りを済ませ、いよいよ、本の丸に足を踏み入れようと、神社とは反対側に位置する石垣を欠いて設けられた高麗門に向かったら、ちょうど門の中に「蛸石」越しに天守閣の偉容が見えたので、足を留めて、犬連れも含めた幾つかの家族が通りがかる間合いを図って、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

十二枚目のカットですが、高麗門の手前から見えた大阪城一の巨石「蛸石」の巨大さ、そして、別に計算したわけでもないのに、「蛸石」越しに頭を覗かせる天守閣の漆黒の壁に銅板屋根の雄姿に、これだ!と思い、108トンもある「蛸石」の前に人間が立った頃合いを見計らい、かつ、名前の由来となった向かって左側のタコのような染が見てとれるよう、露出を加減して一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

十三枚目のカットですが、本の丸広場に足を踏み入れ、さてと頭を悩ませたのが、今回は仕事ついでの旅なので、動画撮影用にそこそこ重い三脚をカバンに入れることから、重い望遠系は持ってこなかったため、一番の長玉ですら、50mm、APS-Cの画角換算で75mm相当なので、イチカバチか、仰角がつかない位置から前景を撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはDallmeyer Anastigmat50mmf3.5による開放での絞り優先AE撮影となります。

十四枚目のカットですが、前日は時間も時間の上、荒天だったため、天守閣最上階の展望台に出られない、そもそも出ても時間が遅く、かなり周囲は暗かったので撮影には到底適しているとは云い得ない状況だったため、パスして、帰京当日に天守閣へ登城することとし、外観のみならず、豊臣家に特化した博物館としてのコンテンツの充実さに感心し、退城する際、入口に置かれた、明治期以降の陸軍による丑砲の砲身を撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。

十五枚目のカットですが、雨天の前日に本の丸広場を散策し、紅葉越しに天守閣を見上げる格好で、ド迫力のカットが撮れる位置をスマホンのカメラでリハーサルしていたので、限られた時間の中、スムーズにそのポイントまで移動し、晴れ渡った青空の下そびえ立つ、昭和期の御年90歳の白亜の天守閣の偉容を撮ってみたもの。
カメラはLeica M Tipo240、レンズはElmarit28mmf2.8での開放、絞り優先AE撮影となります。
さて、次回はまたしてものお城ツアー。東海道沿いの名城を巡る旅を銘玉で撮影した結果をレポート致します、乞うご期待!!
- 2021/12/05(日) 19:47:29|
- 旅写真
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