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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Illusions hidden in daily life~Hugomeyer Kinor40mmf1.8mod.M in Tsukiji~

さて、今週は、予告通りHugomeyerの癖玉を築地場外市場に持ち出してみたので、その実写結果などをご紹介します。
このレンズは前にも改造してすぐのデビュー戦で詳細を紹介しましたので、くどくは書きませんが、元々は16mmのプロジェクタないし、動画の投影、また複写用にも用いられたようで、APS-CのフジX系列で使用するとイメージサークルは余裕でカバーしますが、像面湾曲の影響でしょうか、周辺はかなりグダグダになってしまい、中心部からだいたい30%くらいが美味しいスイートスポットと考えられます。また、ペツバールタイプの特徴である非点収差の大きさも特徴で、シーンによっては船酔いならぬ画面酔いしそうな箇所ありますので、予めご覚悟下さい(笑)
では、当日の足取りに沿って実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはFujifilm X-Pro2による全コマ開放(そもそも絞りが無い(笑))による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、当日は、写真仲間のお方の写真展に別の仲間と一緒に行く約束していて、築地でランチしてから、暫く周囲を撮ってから、会場の京橋までそぞろ歩きしようとの計画だったため、波除神社向かいの地下食堂で至極のランチを戴き、まずは挨拶代わりに波除神社の塀際に掲げられた奉納提灯を撮ってみたもの。

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二枚目のカットですが、波除神社から北に伸びる、元築地市場と場外市場とを隔てる公道沿いに北上することとし、まず目に付いたのが、湯呑とか、天塩とか料理に使う陶磁器是全般を扱う平屋建てのバラックみたいな店舗の軒先に飾られた小型の下足札みたいなのに長屋の住人みたいにひらがなで名前を書いたものがごちゃっと並んでいたので、至近距離で撮ってみたもの。

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三枚目のカットですが、場外西端と接する公道を更に歩道伝いに北上してみると、いつもは、中国人っぽい小姐が付きっ切りで道行く老若男女相手に拡販活動に勤しんでいる、水飴コーティングした苺の串刺しを商う商店前の商品サンプルの傍らにくだんの小姐が居なかったので、仕方なく背後で旨そうに苺串とその姉妹品のりんご串を頬張る親子を入れて一枚撮ってみたもの。

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四枚目のカットですが、適当なところで曲がって場外市場の東西通路に足を踏み入れ、何か面白そうな被写体はないか、ウロウロ、キョロキョロしながら歩いていたら、同行の士が、金網に立て掛けられた古めかしい自転車に気付き、やれブレーキがワイヤじゃなくてロッド式だから、ナンチャッテでなくて、ホント古いよね♪とか勝手に人の持ち物を論評しながら撮った一枚。

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五枚目のカットですが、場外市場の同じ東西通路を東の端の晴海通り方面目指して歩いていたら、築地市場の移転とともに絶滅危惧種に指定されたかの如く、この近傍ではめっきり姿を消したターレットが電動版ではあるものの、まだ現役でしっかり稼いでまっせ!と云わんばかりに鳥肉問屋さんの前に路駐していたので、背後に適当な通行人やってくるのを待って一枚撮ってみたもの

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六枚目のカットですが、ターレットの停められたお店の数十メートル先には、この東西通路一、いや、テリー伊藤氏亡き後の築地場外では一、二位を競う人だかりを作る物販店となった、甲殻類のプロフェッショナル仕事の流儀、齋藤商店さんの前まで来たら、ちょうど今風のいたいけなカポーがお手々つないでルンルン気分で散策してきたので、背景にお店の目印代わりの靑パラソルを入れて一枚撮ってみたもの。

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七枚目のカットですが、東のどん詰まりである晴海通りとの接点まで目と鼻の先まで来た当たりには、往時の築地の豊かな地域性を偲ばせる、総銅板張りの店舗兼住宅が、今も人通りの盛んな通りに面して佇んでおり、その緑青に覆われた風格ある外観を同じく歴史的な曲者レンズがどのように捉えるのか興味本位で撮ってみたもの。

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八枚目のカットですが、総銅板張りの店舗兼住宅の交差点を北上し、南北通路からもう一本北の東西通路をまた西、即ち、もと来た旧築地市場方面へ向かって歩き出したら、やはり冬支度にマスクで人混み仕様完全武装のいたいけなカポーが通路の真ん中で仲睦まじくしっぽりと腕何か組んじゃって場外市場を散策しているかの様子だったので、有難く後から一枚戴いてみたもの。

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九枚目のカットですが、同じく場外市場の東西通路で一番北端のところに面した物販店の店頭で、牡蠣とか、ホタテ、海老などをたぶん炭火だかの熱源で以て焼いて、道行く老若男女に商っていたのですが、昼飯時はとうに過ぎていたのに、結構な数のお客が、「築地=市場=海鮮安くて新鮮で旨い」との刷り込み効果のためか、足を止めて買おうかどうか逡巡していたので、その様子を一枚戴いてみたもの。

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十枚目のカットですが、同じく場外市場の一番北端の東西通路の半分より西に近い辺りの寿司屋の店頭で、複数の親子で順番待ちをしていたらしく、いつまでも食事にありつけないのを親同士はおしゃべりやらスマホンで紛らしていたのをいたいけな童子達はそうもいかず、往来で走ったり、追い駆けっこしたりと狼藉の限りだったので、その楽しげな様子を一枚戴いてみたもの。

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十一枚目のカットですが、くだんの東西通路も西のどん詰まりまで来てしまったし、そろそろ会場に向かう潮時と考え、場外市場西側に面した公道の歩道伝いに新大橋通りまで歩き、そこに面した門跡通り商店街のアーケード伝いに東銀座方面へ移動すべく歩き出したら、ワイルドなことに、眉目麗しい妙齢の小姐が立ち食い蕎麦だか饂飩を堪能されていたので、有難く一枚戴いてみたもの。

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十二枚目のカットですが、同じく門跡通り商店街のアーケードを進んでいくと、もう交差点に程近い辺りの路面食堂で、確かもつ煮豆腐か何かを主力商品としていたカウンターオンリーのお店の軒先で、ダウンジャケットに身を固めたやや年配の小姐がハードボイルド小説よろしく、豪快にもつに定食だかを掻っ込んでいたので、新鮮な驚きを写し取ってみたもの。

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十三枚目のカットですが、同行の士とくっちゃっべったり、路上スナップしたり、時にはスマホンのナビでルート確認したりして、歩くこと20分弱、もう京橋までは目と鼻の先である東銀座は歌舞伎座裏のシチリア料理店の辺りまで来て、いつも気になる国籍、民族不明の陶製人面オブジェを至近距離で捉えてみたもの。

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十四枚目のカットですが、そうそう、この辺りには、都内屈指の海老出汁ラーメンとまぐろ丼を出す、ラーメンクリエータとまぐろ問屋の若旦那が組んで始めた注目のラーメン屋があるのよん♪と、お孫さん連れの散策の時のネタとして同行の士にお教えするため、店の前まで来て、白地に水色の文字の手書きの看板が妙に諧謔味あったので、通りをバックに一枚撮ってみたもの。

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十五枚目のカットですが、もう写真展会場までは目と鼻の先という辺りまで辿り着いた頃、スマホンのナビを頼りに、会場が位置するという雑居ビルを探していたら、閑散としたビルの谷間の通りの一角、洒脱なデザインのタイル張りのビルのエントランス脇の柱に、曰くありげな小姐が体を凭れ掛け、スマホンか何かをいじっていたので、有難く一枚戴いてみたもの。

今回の感想ですが、このところ、お城巡りに現を抜かしてばかりで、どうしてもその目的上、画面の隅々までシャープにクリア、そして端正に写るラインナップに偏ってしまい、異世界の扉をこじ開けるが如き癖玉は縁遠くなっていましたが、こうして仲間内で都内を気軽に撮り歩く場合はこの上ない、愉快な従者となることを再確認しました。

さて、次回は、ワッフルのような可愛らしいお堀跡がチャーミングな静岡のお城遺構に泊りがけで訪問してきたレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2022/01/30(日) 22:00:07|
  2. Mマウント改造レンズ
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Nostalgic but exciting, Setouchi tour '21.Dec.②

さて、今週は、予告通り年末の瀬戸内出張の出掛けの駄賃とばかりに撮ってきた、これまた初訪問の広島、岡山の旧跡を含めた旅写真を二週に分けてご紹介する第二回、備中松山城から鞆の浦、そして旅程最終日午前中訪問の倉敷行きます。

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まず一枚目のカットですが、迂闊にも宿を岡山までバックして取ったは良いが、実は備中松山城の在る備中高梁市への伯備線は、岡山を出て倉敷から山の中へ分け入っていくルートなので、往復乗車券の使用ルールからして、岡山を拠点にするより倉敷を拠点にした方が今回の旅程であれば数千円節約出来たのに!と思いながら、備中高梁市からバスで30分弱乗って着いた備中松山城への登山道の入口から氷点下の山道を歩くこと20分強で目にしたお城の素晴らしく立派な高石垣の様子。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、画面の隅に目を凝らして注意深く観察すると判る通り、この日は、晴天だったものの、中国山地の山あいのしかもかなり高く風通しの良いところに建つ天守閣なので、時折、風花なのか、本チャンの降雪なのか判らないレベルではあったものの、雪がパラつきましたが、石段を登って辿り着いた、現存天守閣のある唯一の山城に対面出来た昂揚感は抑えようもなく、寒さも忘れ、かじかんだ手で正面から全景を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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三枚目のカットですが、さっそく待ちに待った、二重二階の、ヘタすると江戸城の富士見櫓よりも小さいのではないかと思える、可愛いながら、400年もの幾星霜に晒され、得も言われぬ風格を纏った天守閣へ続く、附櫓に開かれた天守への入口に続く石段の途中で足を止め、特徴的な正面の唐破風を被った石落としの張り出しや漆喰と黒い板張りのコンビネーションが見事な様子を青空をバックに撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、天守閣の中へ足を踏み入れると、職業柄、真っ先に気になるのが、釘の形状と錆、周囲の木材への染みの広がり具合い、そして天井の柱と梁の間に耐震補強のための筋交いの類いが敷設されているか否かなのですが、幾つかの時代の修理痕でも、きちんと和釘を用いて丁寧に直してあり、いっぽう、回廊部の屋根裏も頭頂部の屋根の小屋組にも鋼製の構造補強の形跡はなく、これは今後、保存修理の話が出て来るなとか思い、ふと裏側の窓から外を覗くと、離れのような櫓が建てられたいたので、帰りのバスまではまだ時間あったので、天守閣を出てから至近距離まで見に行く途中で撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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五枚目のカットですが、備中松山城の見学を無事終えたら、急に腹が減ってしまい、まだ時間も早いので、次の目的地の鞆の浦へ移動途上の福山まで出てから食べても良かったのですが、折角なら、この愛くるしいお城を守ってきてくれた地元にお金を落としていきたかったので、駅から徒歩3分ほどの観光協会まで足を運び、確かお好み焼き屋さんが駅近で3軒ほどあったはずなので、道を教えて欲しいと云ったら、では一番美味しい店を紹介しましょう、開いているか電話で確認するから待ってて、ということで、備中高梁市で旨い広島焼を戴いてから、山陽本線で福山まで移動し、そこからまたバスで20分強の鞆の浦に着いた頃には冬の陽はすっかり山の彼方に傾き始めていたので、港から沈む夕陽を撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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六枚目のカットですが、とにかく、鞆の浦といえば、江戸時代からずっと建っていて、毎夜、暗い海面に灯りを点し続けてきた、石造りの常夜灯を撮らねば話にならないので、港のバス停から、もう何十回も通っていて、目を瞑っても辿り着けるような、建物と建物の間の常夜灯の佇む突堤への近道に向かって歩き出そうとしたところ、如何にも古風な店舗兼住宅の前をせわしそうに小姐二名が通り過ぎようとしたので、とっさにノーファインダで撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、バス停のある港から、常夜灯はすぐに見えるのですが、海沿いには道がないため、車だと、いったん港から離れた山際の生活道路まで出て、そこをぐるっと回らないと常夜灯の建つ突堤への道へは入れないのですが、ここは室町時代からの古鎮、或いは老街なので、同時代の中華圏の街並み、例えば、台湾の鹿港老街とか、北京の胡同のように家々の壁の間が生活通路になっていて、細い路地裏を通ると、お目当ての常夜灯の前に出られるので、その路地の入口から一枚撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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八枚目のカットですが、路地を抜け極めて古い、築3ケタ年の店舗兼住宅兼土蔵が立ち並ぶ石畳の通りに出て、ここを100mほど海の見える方向に進めば、常夜灯の建つ突堤の石畳の広場に到達出来るのですが、確か3年ほど前に来た時には気が付かなかった、建物の塀の底部を自動車のタイヤの石跳ねなどから保護する木柱が建っていたので、その彫り込んだ佇まいが面白く、ローアングルで一枚撮ってみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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九枚目のカットですが、港のバス停に着いてから距離にすれば300mも歩いてはいないのにも関わらず、犬の立ちションよろしく、あちこちで足を止めては、撮って、また歩き、そしてまた考え込んでは撮る、これをカメラ二台にかて加えてインスタ用にスマホンでもやっていましたから、まさに文字通り、日が暮れてしまい、ただ、惜しいことに日没と点火のタイミングが合っておらなかったので、黒いシルエットで灯り窓だけ光るというカットが撮れなかった痛恨の一枚。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、まだ完全な日没までは少々時間有ったので、海岸線から1ブロック引っ込んだ辺りに幾つか存在する保命酒という薬草を漬け込んで薬効を謳う、江戸時代からの酒屋の店舗併設工場が佇む路地を散策しながら、お城の総塗籠にも通じるような漆喰壁も真新しい土蔵に挟まれた通りに出たので足を止めて一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeica Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、翌月曜日12/27は会社の年休取っていて、その次の12/28も午前中だけ会社に出て年末の資料整理くらいしかすることは無かったので、岡山からの新幹線は14時台でも全然問題ないことから、午前中は岡山からは程近い倉敷の美観地区を撮りに行くこととし、駅から歩きがてら、街並み撮っていたら、ちょうどエキストラ代わりに小姐二名組が入り込んでくれたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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十二枚目のカットですが、あいにく、月曜日は美術館、博物館の類いがお休みというのは、日本全国の標準ルールのようで、お留守番の老母に大原美術館のアートカレンダーか、美術作品の卓上フレームでも買っていって上げようと思ったのに、ムゼウムショップも閉館、仕方なく、営業は確認出来ているクラボウのアイビースクエアへ近道する途中出会った七五三の親子連れの後ろ姿を一枚戴いてみたもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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十三枚目のカットですが、本当なら、いつもは予約無しでは到底ランチにありつけない、アイビーホテルのレストランでランチを食べておきたかったのですが、肉が牛ステーキ、シーフードがサーモンと、全く食指の動かないメニューに2000円もの大金を投入する気にはなれず、構内を撮るだけ撮って、岡山駅周辺で食べようとレストランから出ようとしたら、表で記念撮影しようとしていたOL二人組いたので、シャッター押して上げる代わりにモデルさんになってもらったもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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十四枚目のカットですが、そろそろ電車の時間と岡山駅周辺でのランチを考えると、倉敷美観地区を離れる頃合いになってきたので、一番インスタ映えしそうな、川の畔に佇む擬洋館の前の橋の上で自撮りでもして帰ろうかと思って足を運んだら、どぎつい関西弁の小姐二名がアンタ足も短いが手も短こうて、まともに自撮りも出来ひんやない!?とか面白そうに罵り合っていたので、もしもし、お江戸から来た親切なジェントルマンがシャッター押して上げましょうか?と声掛けたら、大喜び、ノリノリでモデルさんになってもらったもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、美観地区のメインストリート伝いに倉敷駅へ向かう途上、またしても、保存修理工事中の店舗兼住宅の古建築があれば、足を止めて説明板を熟読してみたり、面白そうな細工物を並べている民芸品店があれば、立ち止まってショーウィンド越しに暫し凝視したりと、例によって例の如く、牛歩モードに入ってしまい、先ほど大原邸の前で記念写真撮りっこしていたのが見えた小姐二名組にも追い越されてしまったので、悔し紛れに後ろ姿出演願ったもの。
カメラはFujifilm X-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0による絞り開放AE撮影となります。

今回の感想ですが、いやはや、日本は広い、いっぺん来たところでも、別の季節に来たり、ちょっと時間を変えたりしてみると、色々な新しいものが見えてくることもあるものです。ましてや、通り過ぎていた場所を目的にしてみればなお更です。

さて、次回は、久々にお遊びでHugomeyerの癖玉を築地場外市場に持ち出してみたので、その実写結果などをご紹介します、乞うご期待。
  1. 2022/01/23(日) 18:53:37|
  2. 旅写真
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Tokaido Castle Tour '21 Dec.

さて、本来であれば予告通り、年内にもう一本更新したいところだったのですが、クリスマスイブの早朝から、人生未踏の地のひとつであった広島でお仕事が入ったため、金曜日ということもあって、そのまま現地滞在し、広島~岡山にかけての名所旧跡を撮り歩き、27日の夕刻に戻ってきて、28日は慌ただしく出社して年内の奉公先のあれやこれやを片付け、夕方早く帰ってきてから、大掃除モードに入り、30日のお昼過ぎに完了し、都内の神社仏閣にお礼参りののち、上州へ帰省してしまったため、更新している時間皆無だったという次第。
そこで今年一発めのアップですが、予告通り、12月上旬に出掛けた東海道沿いの名城巡りの旅からお送り致します。
簡単な行程を申し述べますと、12月3日にフレックスタイムを使い、夕刻の「ぷらっとこだま」使い、浜松に入り、そこで一泊し、翌朝、ホテルから徒歩10分少々の浜松城を見学、しかるのち、名物浜松餃子を戴いてから、在来線で掛川まで移動、駅前の宿に荷物預かって貰い、そのまま、掛川城見学、その晩は掛川泊、そして翌朝は少々早起きし、静岡まで在来線で移動し、駅のロッカに
荷物預けて、徒歩で駿府城まで移動し、新幹線の時刻まで駿府城遺構を見学、こんなカンジです。
では、二日間の行程に沿って実写結果を眺めて参りましょう。

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まず一枚目のカットですが12月4日の土曜日の朝、ハイパー晴れ男の神通力ぶりを遺憾なく発揮し、当日は快晴、宿のフロントの若い女性スタッフから聞いた道順を辿ると、程なく、役所と並んだ、小高い丘の上に天守門と模擬天守閣の雄姿が視界に入り、否が応でもテンション上がり、途中で足を留め、当日のサブ機に望遠レンズを付けて、麓からその佇まいを撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoiktlaender Heliar75mmf1.8VMによる絞り開放AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、案内板に従って、丘の斜面に設けられたアプローチ路を登っていくと、やはり天気の良い休日だけあって、結構な数の家族連れやら、カポーなどがやってきていて、あちこちにたむろして記念撮影なんかしていたり、微笑ましい光景でしたが、天守門とその周囲のワイルドな野面積の石垣を撮ろうと階段斜面で立ち止まっていたら、ちょうど親子連れがお手々つないで登ってきたので、後ろ姿で出演して戴いたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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三枚目のカットですが、石段を登り詰め、天守曲輪へと繋がる天守門を潜り抜けると視界には、白亜の天守門とは正反対、漆黒下見板張りの外観を持つ、古風な望楼型の天守閣が写り込むのですが、これがちと変、天守台のサイズにしては、天守閣が一回り以上小さく、違和感あるので、経済的な理由による妥協の産物たる、その不自然な様子がひと目で判るよう、曲輪前面から全体を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、天守閣内部のなかなか面白い、徳川家康主役の展示を見学し、前月の豊臣主役の大阪城との違いを楽しんでから下城し、ランチまではまだ少し時間有るので、天守閣北西側の庭園などを見学することとし、紅葉も色鮮やかな庭園内を歩いていたら、中南米からと思しきVLOGカポーが大胆に動画撮影しながら園内を徘徊していたので、ひと休みしてる時を見計らって、スペイン語で話し掛けてモデルさんになって貰ったもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoiktlaender Heliar75mmf1.8VMによる絞り開放AE撮影となります。

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五枚目のカットですが、無事、浜松城の見学を終え、宿で荷物を受け取り、駅へ移動する途中、勘で見つけたお店で浜松餃子定食などを戴いてみたら、結構、満足度高く、そのまま在来線に乗って、30分も乗らない距離の掛川に移動し、浜松から比べると、外人が多いという共通点以外は、ずいぶんと閑散とした駅前に佇む宿に荷物預かって貰い、徒歩で10分ほど移動して小高い山の頂上に建ち、木造復元天守閣第一号の称号を持つ掛川城の全景を券売所前から撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoiktlaender Heliar75mmf1.8VMによる絞り開放AE撮影となります。

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六枚目のカットですが、入場券を買い求め、初の木造復元天守閣の見学にワクワクしながら、天守閣の建つ本丸へと続く細長い石段を登っていくと、ちょうど、券売所からは塀と木立に遮られて、全貌が掴み切れなかった、市指定文化財である現存太鼓櫓の姿がくっきりと見えたので足を留めて、一枚撮ってみたもの。
カメラはX-Pro2、レンズはVoiktlaender Heliar75mmf1.8VMによる絞り開放AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、天守閣内部に入る前に天守曲輪の周囲を眺めて見ると、有りました、有りました、日本で有数の天守付属の深井戸が・・・深さ45mとのことで、姫路城の井戸もこんなに深かったかなとか、横で考え込んでいたら、中を覗きたそうな城郭女子の小姐二名がじっと待って居たので、失礼失礼と場所を譲り、その代わりに覗き込むところを一枚戴いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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八枚目のカットですが、総塗籠様式の分厚い漆喰もまだ新しげな天守への入場口から中に入ると、下足場の先にお約束の一間ほどの高さの階段があり、そこを登ると一階の広間、更に木製の梯子なのか階段なのか見分けが付かないような急で狭い木製昇降具を登ると二階の見晴らしがやや良い板の間に出て、ここなら、薄暗い一階とは異なり外光が十分なので、オール木造の内部の様子を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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九枚目のカットですが、てっぺんまで登ってしまうと、後はまた来た道を辿って降りるだけで、何ということはないのが、お城の天守閣内部見学のお定まりなのですが、ここは嬉しいことに、平成生まれの復元天守閣とは異なり、奇遇なことに、明治の廃城令で真っ先に取り壊されるのが常だった二の丸御殿が、手つかず丸々残っており、ここも全部公開しているので、お仕事も兼ねて見学しようと、まずは入口付近から一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、御殿というのは、高知城(本の丸)、川越城(本の丸)、二条城(二の丸)、そしてここ掛川城(二の丸)しか現存しておらず、その数はなんと現存天守閣の12棟よりも希少なので、有難く、釘の種類とか、釘隠しの形・材質、耐震補強金具の有無などアラ探しも含め、小一時間、じっくり内部拝見しながら、書院造りの座敷の様子を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはRodenstock Heligon35mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、翌日は掛川駅から9時台前半の在来線に乗って、静岡市まで移動、東京へ戻る新幹線が14時台半ばだったので、10時半過ぎから駿府城の探訪をしようと、徒歩で市の中心部にある巨大な城郭遺構に赴いたのですが、ここも平成の地域起しブームにあやかってでしょうか、櫓が二棟、門が一棟、木造復元されており、駅からの道筋で真っ先に目にした平成元年産まれの巽櫓の美しい白亜の雄姿を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十二枚目のカットですが、巽櫓を左手に見て50mも北に進むとお濠を渡った先にやはり平成の御世に木造復元され、建物内部を公開している東御門に繋がる漆喰塀に開けられた木造復元高麗門が視界に入り、木橋を渡って、そこを潜ると右手に桝形虎口があり、かつての輪郭式城郭であった、駿府城公園に足を踏み入れることになるのですが、まずは高麗門の雄姿を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Suruga_Tour22Dec_013.jpg
十三枚目のカットですが、お濠に架かる木橋を渡った先に設けられた木造復元の高麗門の中から見た東御門に繋がる桝形虎口内側の様子で、建物下部の石垣も櫓門壁面のまだ真新しく見える漆喰の白亜の照り返しも、そして虎口の上に広がる静岡の青空がとても美しかったので、思わず足を留めて、桝形虎口内部の様子を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十四枚目のカットですが、ここ駿府城跡の見どころは、平成以降に木造復元された南東、南西の二階櫓や櫓門もさることながら、現存では最大と云われる江戸城跡の天守台よりもまだ一回り以上巨大とされる駿府城の天守台の発掘現場を殆ど全て公開、見学可としていることだと考えていたので、真っ先に発掘現場の見学コースを奥まで踏破し、北西から南東に向け水面に映る青空を入れて現場を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、これが平成26年竣工、即ち築七年という、まだ新築の木の香りも新鮮な、城の南西角に建てられた、昔の方角表記で云う坤(ひつじさる)櫓の、総塗籠造りと云われる、外壁を全てぶ厚い漆喰でベタ塗りした木造復元二階櫓を入口方向から撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

今回の感想ですが、いつもは新幹線で通過していただけの静岡エリア、そしていつも、京都や姫路城に逢いに行く時、新幹線の窓から一瞬だけ姿を見せていた掛川城に、意を決して訪問し、内部を隅々まで検分出来たのはとても新鮮で、かつ、何故今まで来なかったのだろうと、軽い後悔さえ感じたものでした。いやはや、まだまだ日本もまだまだ広い、COVID19による鎖国はまだ1年やそこらは続きそうですから、海外に出られないうちに国内の佳きものを見ておきたいという気持ちがまたいっそう強くなった次第。
さて、来週は、年末の瀬戸内出張の出掛けの駄賃とばかりに撮ってきた、これまた初訪問の広島、岡山の旧跡を含めた旅写真行きます、乞うご期待!!
  1. 2022/01/10(月) 18:29:35|
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Nostalgic but exciting, Setouchi tour '21.Dec.①

さて、今週は、予告通り年末の瀬戸内出張の出掛けの駄賃とばかりに撮ってきた、これまた初訪問の広島、岡山の旧跡を含めた旅写真を二週に分けてご紹介する初回となります。
要は、昨年末の沖縄から伊勢市、そして今回の広島しかり、やたら奉公先での出張が週末絡みで多く入り、結果として、せっかくだから、出張先の周囲、或いは帰路途上に位置する名所旧跡を撮り歩いてきたという話です。
まずは今回の簡単な行程いきます。
12/23(木)の朝10時半前の新幹線で一路広島入りし、駅からは路面電車と徒歩で20分程のお城近くのリーガロイヤルホテルにチェッキンし、荷物を置くと、何はなくともまずはお城の調査とばかり広島城址公園に向かい、夕方までお城を堪能、しかるのち、18:30に同行者とホテルロビーで待ち合わせだったため、寸暇を惜しみ、ホテル近くのカフェでテータイム楽しみ、合流し、空港までゲストをお迎えに行ってのち、豪華、一行で広島焼ディナー。翌12/24(金)の朝は8時発で近隣の客先へ向かい、夕刻までお仕事、しかるのち、夕刻解散となったので、当日は、もっと安いアパ系のホテルに移動し、広島泊、翌朝12/25(土)は厳島神社見学し、お昼過ぎに在来線で岡山まで移動し、途中、尾道にて途中下車して千光寺の山まで一気に駆け登り、辺りの景色など撮ってから駅に舞い戻り18時過ぎにまた在来線で岡山へ移動、駅から徒歩10分程度のホテルに投泊した、というのが前半の行程。
では、さっそく二日間の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはLeitz Elmarit28mmf2.8による全コマ開放、絞り優先AE撮影となります。

Setouchi22_001.jpg
まず一枚目のカットですが、アプグレードということで、オーシャンビューとなっていた宿の部屋からは、反対方向に位置するお城の位置は確認出来ず、宿を出てからも、他の城郭のように大きな道を歩いていけば、そのうちに小高い丘ないし山の上の天守閣が見えてきて、それを目指して行けば、おのずと城郭に辿り着く、という簡単な道のりではなさそうだったので、スマホン地図と街頭の観光案内板を頼りに何とかお濠端まで辿り着き、平成の御世になってから復刻されたという、漆喰の白い総塗籠壁も眩しい太鼓櫓の雄姿をお濠越しに捉えてみたもの。

Setouchi22_002.jpg
二枚目のカットですが、何故道を歩いていても、天守閣の姿が見えなかったかと云えば、ここ、広島城は、変則輪郭式曲輪という、要は濠で囲まれた曲輪の一番奥の小高い丘の上なので、反対方向から見ると木立に遮られて、その姿が見えない、ということなのですが、復元された表門の多門櫓門を潜り、二の丸から中御門、を経て護国神社辺りまで来るとやっと、その黒っぽい下見板張り再現の外観が目に入り、明治天皇の御座所跡を通り過ぎ、やっと天守閣への石段が視界に入り、逸る心を抑えつつ、近づき過ぎると全景が入らないので、程良いところで足を止め、RC造ながら、漆喰塗り+下見板張りの偉容を撮ってみたもの。

Setouchi22_003.jpg
三枚目のカットですが、翌朝は9時半過ぎにホテルをチェッカウトし、14時過ぎに引き取る旨伝え、荷物を預かって貰って、これまた人生初の厳島神社参拝すべく、電車とフェリーを乗り継ぎ、廿日市の宮島へ移動し、ターミナルから神社へ歩いて行く途上、今まで全然意識したこともなかったものの、ここも、奈良の春日大社周辺の如く、鹿が大量に棲息していたことに気付かされ、おっかなびっくり記念撮影している小姐各位ごと一枚戴いてみたもの。

Setouchi22_004.jpg
四枚目のカットですが、初めて行ってみて気付いたのですが、唯一の内地との往来ルートである、フェリーの対岸のJRや市電駅のある宮島口から到着するターミナルは、神社の正規参拝口からはかなり離れた場所に位置しており、ターミナル⇔神社の参拝口間の参道はところ狭しと飲食店、土産物屋が軒を並べ、商魂逞しく、一人でも多くの客を呼び込み、1円でも多くの売り上げを立てようとの物々しい雰囲気だったので、アーケードを抜け少し緊張が緩んだ辺りで一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_005.jpg
五枚目のカットですが、神社に向かって歩いていくと、途中、アーケードが架けられているエリアがあったり、それを抜けるとまた青空商店街みたいになっていたり、なかなか飽きなくて良いのですが、何故か、小姐観光客で賑わっていた一角があったので、足を止めて、薄暗いアーケードの中で煌々とスポットライトで照らされた店先が賑わう様子を一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_006.jpg
六枚目のカットですが、参道沿いの商店街を歩いていると、全くと云っていいほど意識しませんが、ここ宮島は、正式名を厳島といい、ほぼ中心部に位置する、標高535mの弥山を中心として、その殆どが山地となっており、この厳島神社周辺以外には或る程度まとまった平地が殆どなく、まさに海山の様相を呈しているのが、ふと商店街の路地越しに見えた青々とした山並みを見て思い出され、路地の古めかしい佇まいごと一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_007.jpg
七枚目のカットですが、フェリーターミナルから、適当に撮りながら参道をそぞろ歩きすること20分弱ほどで、やっと世界遺産・国宝の厳島神社の参拝口に辿り着き、参拝料金を支払って、拝殿へ続く回廊に足を踏み入れようとした瞬間、晴天の海面からの照り返しを受け、薄暗い屋根の下の朱塗りの木部構造が妖艶に輝いている様子に心動かされ、足を留めて一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_008.jpg
八枚目のカットですが、またしても観光で来たのか、はたまた仕事で来たのか、本人も良く判らなくなってしまいましたが、スマホンで細部の固定金物の形状やら、錆びて朽ち果てようとしている金属製装飾品の様子を周囲の観光客に半ば気味悪がられながらも撮り歩き、参拝完了、続いて、船着き場からも良く見えた神社とは反対側の小高い丘の上に建つ、朱塗りが目にも鮮やかな五重塔を間近で観察すべく、案内板に従い、商店街の間に有る、丘の中腹へと続く階段を登って行ったら、ちょうど五重塔の真下で全景が見上げられる位置を見つけたので、これ幸いにと一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_009.jpg
九枚目のカットですが、ここ宮島に来るまでは、まったくその存在さえも知らなかったのですが、厳島神社を見おろす小高い丘の中腹に、豊臣秀吉公を祀った豊国神社千畳閣が建てられていて、先に前を通った五重塔共々、国の重文に指定され、厳島神社の末社扱いとなっていることから、ここも同様に世界遺産の構成要素なっているとのことだったので、何とか、両方をいっぺんに収められる場所を発見してツーショットで一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_010.jpg
十枚目のカットですが、来る時は、ちょうど時間的に太陽の位置、高さの関係上、海面の照り返しで、干潮に近い厳島神社の全景をフェリー上から捉えることは出来なかったのですが、お昼過ぎになって、太陽が西に移動してくれたおかげで、甲板からも、かろうじて大鳥居に伸びる桟橋状の海上構築物をはじめ、檜皮葺きの屋根も清々しい神社の全景を認められたので、何とか一枚撮ってみたもの。

Setouchi22_011.jpg
十一枚目のカットですが、厳島で穴子飯を戴いてからフェリー、鉄道経由、広島駅に戻り、宿で荷物を受け取ってから、在来線に乗りましたが、東京駅のJR東海の窓口の説明によれば、広島→東京間では乗り降り自由とのことだったので、まだ日暮れまで時間ありそうだったので、尾道にしようか、福山経由鞆の浦にしようか逡巡しましたが、岡山からは近くにある福山方面は明日の備中松山城見学の後でも良いと考え、尾道で途中下車し、駅のコインロッカーに旅装を預け、駅北の斜面の探検に出て直後の路地にあった渋い色合いのトタン外壁の民家を撮ってみたもの。

Setouchi22_012.jpg
十二枚目のカットですが、実は永年、慣れ親しんだ尾道城という、トンデモ模擬天守が取り壊され、駅から見上げる峰の上がすっきりしてしまっていたので、その跡がどうなっているのか確かめたい気持ちで一杯だったので、西展望台ルートに見当つけて、斜面の石段、コンクリの通路を親の仇とばかり勢いよく踏みつけ登り詰め、頂上付近の茶店脇に何故かモノホンのミニクーパーが夕暮れ間際の冬の陽光を受けて佇んでいたので、思わず一枚戴いたもの。

Setouchi22_013.jpg
十三枚目のカットですが、実は千光寺の位置する駅裏側の山々は千光寺の境内より西には来たことがなく、見るもの全て新鮮で、やれ、謎のロケットみたいな灯台の遺構が山の裏側斜面に生えているのを見つけて、ネットで由来など調べてから全景撮るとか、海を一望する高台の巨石の由来を案内板から読み取る、とかやっていたのですが、ちょうど巨石の全貌を撮ろうとした時、後からカポーがやって来て、失礼シマースとかおっかなびっくり岩の上で度胸試しを撮りっこしだしたので有難く一枚戴いてみたもの。

Setouchi22_014.jpg
十四枚目のカットですが、尾道で風景写真といえば、尾道海峡の全景と並んで横綱クラスなのが、千光寺の境内から見おろせる天寧寺の三重塔の海をバックにしたカットなのですが、これも当然のことながら撮るには撮りましたが、あまりにも毎回載せるのも憚れるので、その横の、海がかすかに顔を覗かせる斜面の道をいたいけな小姐二名組が息を弾ませながら登ってくる夕暮れ風景の方を採用したもの。

Setouchi22_015.jpg
十五枚目のカットですが、千光寺の山の斜面を下り、線路を挟んだ海沿いの歩道に出た時には、既に冬の太陽は瀬戸内の島々の間に殆ど沈んでしまっており、かろうじて残光がオレンジから紫のグラデーションを作り出すことで、短い冬の昼時間を惜しんでいるかの様子でしたが、沈みゆく太陽の方向、即ち西方面に位置する駅へ向かいながら、途中の渡船場で人待ち顔でスマホンを弄ぶ小姐の様子を撮ってみたもの。

さて、次回は瀬戸内の旅後編、鞆の浦と倉敷編行きます、乞うご期待!!
  1. 2022/01/10(月) 17:28:44|
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charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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