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深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Express tour to explore ruins of castles located in North East Japan '22②

さて、今週は予告通り、宮城県白石市に建つ、伊達家の名臣片倉小十郎の居城、白石城と、その翌日訪問した、戦後の天守閣木造復元の嚆矢となった白河小峰城を訪問したレポートをお送り致します。
まずは、当日の簡単な行程ですが、盛岡城撮影の翌日は、朝食を摂ったら即、在来線で宮城県白石市に移動する予定だったのが、前日からの荒天で在来線は運航再開未定、ラッキーなことにかろうじて運航していた新幹線に乗って、白石蔵王まで移動し、在来線駅の駅前に建つホテルまで1キロ強の道を荷物持って移動し、当然、チェッキン時間前だったので、荷物だけ預かって貰って、カメラバッグを抱えて、工事中とは承知の上で、白石城址に向かって、仮設とシートに覆われた木造復元天守閣の外周りだけ見て、仕方ないから、他の江戸時代の遺構でも見ようと案内板を頼りに近場の武家屋敷に行ってみれば、あいにくここも耐震補強中で閉鎖、あとは、お城から移設された門が二件別々に残っているというので、途中、雨宿りしながら、両方見終えた時にはすっかり夜のとばりが降りていた、というのがその日の結末、翌日は、またしても慣れない早起きをし、宿の前の在来線経由、白河の駅に移動すべく9時台の電車に乗り、約2時間半かけて白河の駅につき、目的のお城自体は駅のホームから、それこそ石を投げれば届くくらいの位置にあるのですが、時間もお昼時だったため、お城側に出てしまうと、飲食店などが皆無なので、まずは反対側に点在する、名物料理「白河ラーメン」などを堪能し、しかるのち、ホームの下を潜る横断通路経由、お城側に抜けて、そこから2時間以上もみっちりとお城検分を堪能し、15時台の在来線でお江戸に戻った、というのが今回の長旅のあらましです。
では、さっそく、二日間の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、宿で貰った地図を頼りに地上の道からではなかなか存在が見えてこない天守閣を目指して歩いていたら、市役所の駐車場を抜けた辺りで全身ネットを被った、巨大な構築物のようなものが山の頂きというか小高い丘の上の開けた辺りの隅っこに佇んでおり、あらまぁ、お城ってこんな風に修理を行うんだ、とか遥か彼方の遠い記憶の中の、故郷ではずば抜けて大きな木造建築だった実家を補修した時の木の足場やネットをかけられた様を思い出し、本丸に足を踏み入れた直後にその痛々しい姿を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、本丸から下る途中に来た道を振り返ってみれば、石垣の上の漆喰塀は一足先に修復を終えたのか、夏のやや雲が多めの空の下、目立つシミや汚れもなく、その凛とした白く美しい姿を見せ、襲い来る敵兵を狙い撃つために一定間隔で開けられた、銃眼、城郭用語でえいえば狭間が無機的な造形を見せており、本瓦で葺かれた塀の上の屋根軒下の桟の波打ったような様子もとても美しく感じられ、足を留めて、仰ぎ見る角度から一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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三枚目のカットですが、お城見学の後、武士は食わねど爪楊枝とはいかないため、次なる目的地である、保存された武家屋敷に向かう前、本丸下の「歴史探訪ミュージアム」内の食堂で「にゅうめん」なる不可思議な麺類をランチに頂き、しかるのち、降ったりやんだりの天気を気に病みながら武家屋敷に向かう途中の石段に咲いていた紫陽花の花を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、お城の廓を降りて、武家屋敷までの道は、さすが蔵王の麓だけあって、水が豊富な街だと見えて、澄んだ水が豊富に流れる用水路がいたるところに張り巡らされており、武家屋敷までは数100メートルという辺りまで来たら道路と反対側の石垣の上には黒い下見張り壁のセミレトロな雰囲気の建屋があり、道路側の岸に咲く黄色い野の花とのコントラストが美しかったので、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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五枚目のカットですが、先ほどの用水路伝いに歩くこと5分強、勢いのあるせせらぎの先に鬱蒼とした森が見え、目を凝らすと、その木々の緑の間に下半分が下見板張り、上半分が土壁造りの、如何にも質素を旨とした中級武士の住まいを彷彿とさせる武家屋敷が見えてきたので、足を早めたのですが、門の前まで辿り着いてがっくし・・・ここも天守修復と合わせて、耐震補強等の保存修理を行っているということで閉鎖されていたので、手前で見つけた時の写真を載せてみました。

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六枚目のカットですが、心弾ませ到達した武家屋敷の門にはでかでかと、保存修理工事のため、11月までお休みですという旨の張り紙と、不愛想な赤い三角コーンが置かれていたため、正面アングルからは到底撮影する気にはなれなかったため、門横の土塀の上の木の屋根がイイ案配に苔むしており、その下を通る速いせせらぎが空を映し、水面を光らせていたので、そのコントラストを面白いと思い、最短距離から一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、踵を返し、次なる目的地である、移設された白石城の門達を訪ねようかと思った矢先、門の横に奥の民家へと続く私道のような小径があり、特に「立入禁止」といった立札なども見当たらなかったので恐る恐る、進んでみれば、どうやら、この武家屋敷の持ち主と思しき一家がさすがに修理どころか火の使用すらままならない重要文化財で暮らすのは不便と感じたのか、裏に現代的な木造住宅を建てて住んでいたようなので引き返す途中に生垣の隙間から、武家屋敷の手入れの行き届いた庭の様子を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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八枚目のカットですが、翌日は駅横のホテルでは朝食を頼んでおらず、窓から観察していた、頼りの駅前カフェも店を8時過ぎても店を開ける気配も無く、モーニングを頂けそうもなかったのでシャワー浴びて、髭剃って、早々に宿をチェッカウトし、駅の出入口をはさんで反対の位置に建つコンビニでサンドイッチと飲み物を買って、電車の中で食べ、お昼過ぎに白河駅に到着した時にはすっかりおなかも空いてきたので、白河ラーメンで腹ごしらえをしてからお城に向かい、廓入り口で天守代用の三階櫓の雄姿をバックに城の名前を刻んだ石碑を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはHeliar75mmf1.8による絞り開放AE撮影となります。

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九枚目のカットですが、前の訪問地、木造復元の代用天守である白石城三階櫓が修復中で、その雄姿を見られなかったこともあり、青空の下、広々とした南東北の緑地公園の中心に高石垣を従え聳え立つ、白亜の御三階櫓の雄姿は、日本全国、北は五稜郭、松前城から南は熊本城、首里城、海外では紫禁城、安保土塁から、ノイシュバンシュタイン城、スフォルツェスコ城、ハイデルベルク城に至るまで幾多の城郭を踏破、検分した工房主ですら、心躍るものがあり、大手門を潜る前にその雄姿を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、石段を登り詰め、大手門に相当する前御門を潜り、本丸の中庭に出てから、一刻も早く中に入ってみたいと逸る心を抑え、先ほどとはちょうど正反対の位置から、総石垣の台座の上に聳え立つ三層三階層塔型の御三階櫓の雄姿をやや雲が多めの真夏の南東北の空をバックに一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、この日は入場無料とのことで、せめて維持のための寄付でもと思ったのですが、寄付金箱すら置かれていなかったので、では、その分、しっかりと勉強させて貰って、このお城のみならず、現存の木造天守、櫓、或いは復元、これから木造による復元が予定されている城郭建築が100年、いや1000年にも亘る寿命を与えられるよう、永遠の金属チタンを使った耐久性向上の方策を研究することとして、見学を始めてまもなく内部の様子を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十二枚目のカットですが、御三階櫓の内部を順繰りに検分しながら歩き、最上階の三階に到達した時、天井裏に当たる和式木造建築の構造である小屋組に目を向けてみれば、他の城郭建築でも一般的な、竣工記念の木札が中央の柱束(はしらづか)の側面、建物の長辺に向けて打ち付けられていたので、まだ白木の面影が残る小屋組も入れて一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十三枚目のカットですが、最上階まで登ってから、また元来た階段を辿って一階に降り、感想を述べて、直ちに外へ出て、石垣でも仔細に検分してから、お土産買って、駅前でお茶して帰ろうかと思っていたら、たまたま、受付の係員の初老の女性が、なかなか話好きで、昨日、城郭協会の小和田先生と妙齢の女性がやってきて、見学した後、市の職員の接待を受けた、とか同様に木造復元の掛川城、大洲城と比べてどうだったか、とか話が弾み、15分近くも長居してしまい、大慌てで外に出て、前御門と御三階櫓の連なる雄姿をツーショットで撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十四枚目のカットですが、本丸広場からは前御門とは反対方向の石段を下って、本丸周囲の石垣の造作でもよく観察しようと思いながら歩いていたら、ハイキングの恰好をしたいたいけな小々姐が小走りに追い越していって、その無邪気な後姿が、石垣に囲まれた通路の重苦しい往年の要塞のいかめしさを和らげたので、一枚頂いてみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、本丸周囲を一周し、かつて、廓への入口に設けられていたという清水門の跡地に向かって歩いている時に、重苦しい石垣と、夏が短く、なかなか青空の恵みに与れない東北地方の初夏のすっきりしない晴天と、青々とした芝生との対比が面白く、親子連れが本丸からの道を下ってきた頃合いを狙って一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(TIPO240)、レンズはUltron35mmf1.7による絞り開放AE撮影となります。

今回の旅の感想ですが、お城といえば、だいたい中部地方から西を想像してしまい、実際、現存天守の数でいえば、弘前城を除けば、松本以西に偏在しており、総石垣のお城も、東北では、ここ白河小峰城と会津若松城、そして何も建造物の残っていない盛岡城の三つしかありませんが、それでも、西日本のお城達と同様に、たとえ復元であっても、お城は地域の誇りであり、住民、或いはその地方出身者にとっての貴重な精神的財産であることが判り、羨ましくも思えました。

さて、次週は北陸方面に仕事なのか休みなのか、良く判らない旅行に木曜から日曜の夕刻まで出かけますので、一週スキップ、その次の周は、今週末に製造した久々の新作レンズのレポートでもしたいと思います、乞うご期待!!
  1. 2022/10/30(日) 19:54:05|
  2. 旅写真
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Express tour to explore ruins of castles located in North East Japan '22 ①

さて、今週は予告通り、信州は諏訪湖の畔、高島城の一泊ツアーの翌々週に、これまた、ケチケチ&弾丸ツアーとなった、東北縦断お城串刺しツアーから二回に渡ってお送りする前編参ります。
今回の工程はばくっと申せば、7月の海の日を含んだ3連休に年休くっつけて4連休とし、弘前をスタート地点として、上から南東北までの有名城郭を時に街撮りなどもしながら下っていくもので、初日は在宅勤務にフレックス使って、15時20分発の東北新幹線で新青森経由、夕方、弘前に入り、日没直前の弘前城天守閣に雨上がりの奇跡のご対面を果たし、翌日は8時過ぎに荷物預けて宿をチェッカウトし、宿の前のファミレスでしっかりがっつり朝飯を戴いてから、弘前城を13時過ぎまで見学し、途中撮りながら宿に寄って荷物引き取り、駅前で明石焼きランチ食べてから新幹線で盛岡入り、さっそく、駅前の宿に荷物を預けてから、日暮れまで盛岡城を見学し、ところどころに江戸期から昭和初期にかけての旧建築が残る市内を撮り歩いて、途中、百貨店でお茶してから宿に戻り、この日は終了、といったところです。
では、まず初回二日間の行程に沿って、実写結果を逐次眺めて参りましょう。

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まず一枚目のカットですが、天気予報では弘前到着の金曜日は大雨の予想だったのですが、まさに自他ともに認める"ハイパー晴男"の神通力発揮で、弘前駅到着時には、きれいに雨が上がり、1.3キロほど離れた宿まで歩き通し、チェッキンして、フロントのスタッフにお城のライトアップを撮りに行きたいと述べたところ、宿では判らない(≒関心無い)ということだったので、イチかバチか、現地に行ってみることとし、15分ほどかけて、天守閣の仮住いが一望出来る展望台まで辿り着いたら、何と、夕焼け空の下の岩木山をバックに可愛い天守の写真が撮れたもの。
カメラは富士フX-Pro2、レンズはSpeedpanchro28mmf2.0改Mによる絞り開放AE撮影となります。

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二枚目のカットですが、昨日チェックした宿からの登城ルートで、仮住まいに鎮座まします、三層三階層塔型の可愛い銅板屋根をちょこんと載せた、現存天守で云えば、下から三番目、丸亀城とは10センチ違いのそれこそ姫路城や松本城、松江城のような5階建以上クラブからみれば、ほんとちっちゃくて可愛い、末っ子のような背格好ですが、それでも、石垣の外向けには、屋根に破風といういかめしい飾りをこれでもかとつけ、窓も銃眼のような物々しい造りのものが眼下を睥睨する格好になっていますが、ひとたび裏側に回ってみれば、窓も広く大きくとられ、屋根も華美な装飾は省かれたシンプルな造りとなっていて親しみ易いマイルドな面相となっていることが判って面白いと思った一枚。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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三枚目のカットですが、有料エリアのゲート脇のチケット売場で入場券は買ってあるので、さっそくそれを入口で見せて、可愛い可愛い天守閣の内部へと入り、薄暗い内部に目を凝らし、まず目に入った異様なものが、凡そ、江戸期の木造建造物には似つかわしくはない、鉄骨とコラムを組み合わせた鋼構造補強材の姿で、えーなんじゃこりゃ、とか係員に事情を問い質してみれば、要は、石垣修理工事が終わったら、もと居た場所に再び曳家工法で移動して戻すため、いちいち、外して工事の度に戻すのでは手間とお金掛かるし、却って建物を傷めかねないので、この仮位置ではこのままにしておいて、元の場所に戻ったら外して、正規の耐震補強を行うとのことなので、納得の上、期間限定のサイボーグ天守閣の内部を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはUltron35mmf1.7asph.による絞り開放AE撮影となります。

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四枚目のカットですが、おそらくは次に相まみえる時は、本丸東端の石垣の上に鎮座まします頃合いだと思うので、仮住いの可愛い天守うをじっくり堪能し、それから、単独の城郭では異例の3棟も3階櫓が現存している廓内を存分に見学してから、入ってきた追手門とは反対の位置にある北門から出て宿に戻ろうと思い、案内板をに従って郭内を北上し、視界が開けた先に在ったのが、他の大きめの天守閣を擁するどのお城にも負けはしない大きく立派な、銅板本瓦棒葺きの櫓門が目に入ったので、足を留めて、その偉容を一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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五枚目のカットですが、目の前の立派な現存建造物である、北門に歩み寄り、中の様子を仔細に検分してみれば、他の城郭であれば、とうに外して、屋内保管、ないし展示としていても全く不自然ではないような、おそらくは明治期以前の木材、金物が扉や柱、壁面などにそのまま使われており、その幾星霜を経て纏った風格のようなものに敬服して一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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六枚目のカットですが、北門を潜り抜け、お濠に架かった橋を渡ると、道の反対側、交差点東側に面した、巨大な古めかしい伝統建築が目に入ったので、興味深々、足早に近寄ってみれば、国の重要文化財ながら、人が住み、店舗としても現役で営業を行っている「石場家住宅」という建物で、基本的に中に入って見学するのには税込100円を支払うことになるのですが、何せ、これから宿に寄って荷物を受け取って、駅付近でランチを摂ってから、1時間に2本かそこらの電車で新青森まで移動し、そこから新幹線で盛岡まで移動しなければならないので、まずは交差点からの全体像と軒下から見える店内の様子を撮ることにした店舗兼住宅の全体像。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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七枚目のカットですが、この重文の店舗兼住宅は近くに寄ってもかなり巨大で、軒下が通路になっている建造物の例で申せば、台湾各地の老街にある「騎楼」という歩道の上に建物の二階が迫り出した構造にも似てなくもないのですが、スマホンで調べれば、なんと18m角の一軒の家で、台湾の場合はこのサイズであれば、おそらく2軒か3軒が連なっているので、その巨大さを改めて感じて隅から隅まで撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_008.jpg
八枚目のカットですが、同じく、この重文建造物の道側の外廊下に面した部屋、即ち、入場料を払って、わざわざ建物内部に入って見学せずとも、外から室内の様子が見てとれて、しかも写真も撮れる箇所があったので、廊下に開け放たれた窓から身を乗り出して、戦前くらいまでの商家の帳場の様子が見てとれるシーンを一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_009.jpg
九枚目のカットですが、弘前城北門から出て、ちょっと道の北側の伝統建築で寄り道し、再びお濠端の道を東側の縁に沿って南下していくと、完全に見落としていたのですが、工事中の追手門、先ほど通った北門と並び、国の指定重要文化財である、重厚な二階建ての櫓門である三の丸東門の前まで来て、時間はかなり押して来ていたのですが、どうしても近くに寄って詳しく見てみたかったので、再びお濠を渡り郭内に入ってやや引っ込んだ場所にある門の全体像を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十枚目のカットですが、新青森から新幹線で1時間弱乗れば、弘前城主津軽氏のかつての宗主、後に不倶戴天の敵となった南部氏の城下町である盛岡市に到着するのですが、本来はもうちょい弘前に居て、夕刻、盛岡入りして、到着翌日に盛岡城探訪する予定だったのが、とにかくこの連休中は東北も天候が超不安定で、見られる時に見ておかないと、写真を撮るどころか、宿に缶詰のまま、日程が過ぎてしまうという惨憺たる状況になりかねないため、全て半日ずつ繰り上げ、15時前には盛岡入りし、駅前のホテルにチェッキンしてから石垣だけのお城である盛岡城を撮りに出て、登城口の手前から立派な石垣を撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十一枚目のカットですが、現存、復元に関わらず、何らかの建造物が建っている他のお城と比べて、ここ盛岡城は、云ってしまえば、勘案辛苦の挙句、石垣に沿って設けられた石段を登り詰めても行き着く先は、かつて建物が建っていたという空虚な空地だけということなのですが、実はここの石垣は他の城郭とは違って、殆どの石が花崗岩、しかもこんなん使うんか!?といった趣きの、石を割る時の工具で穿たれた「矢穴」がワイルドに残る石を通路に面した目立つところにも使っていて、これがマニアックで見ていて楽しいので、足を留めて、一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_012.jpg
十二枚目のカットですが、登城口から様々な表情も楽しい石垣を眺めながら階段を登り詰めると本丸の広場に到達するのですが、その中で、明治の廃城例でも存置処分を受けたにも関わらず老朽化が著しく、民間に払下げになった挙句、解体されて跡形もなくなってしまった代用天守である御三階櫓の石垣が残っているというので、本丸の下の周回路に降りて、代用天守台の石垣を下から撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_013.jpg
十三枚目のカットですが、お城跡を隅々眺め尽くした後、街にも結構な名所旧跡が残っているとのことだったので、お城跡からは最も近い、岩手銀行の旧本社である赤レンガビルに足を運んで、銀行の建物下の歩道からは、魚眼レンズでも使わない限り、建物の全体は画面には収まり切れないのでちょいと小さくはなるものの、道の反対側から行き交う車が途絶えた頃合いを見計らってシャッター切ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

Tohoku22_014.jpg
十四枚目のカットですが、銀行の赤レンガビルの近くまで歩いて行ってみたら、付近一帯にも面白そうな古めかしい建物がちらほら有りそうだったので、そのまま道なりに歩いて行ってみたところ、白い下見板張りの外観が明治期の洋館っぽい建物が有り、ちょうどその前を幸せそうな家族連れが通り過ぎようとしていたので、慌ててピンを合わせて撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

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十五枚目のカットですが、途中、確か提灯屋さんの前に立っていたご老人に、「ほぅ、ライカですか、イイカメラをお持ちですな」とか声を掛けられ、立ち話の成り行きで、お店の中でお茶でも呑んで行ったらどうだとの誘いを有難くも固辞し、周囲をぐるっと一巡し、銀行の南、川の畔に建つ、江戸時代の佇まいを存分に残した細長い商家が道沿いに建っていたので、足早に歩み寄って、全景が収まるポイントから一枚撮ってみたもの。
カメラはLeica M(Tipo240)、レンズはElmarit28mmf2.8による絞り開放AE撮影となります。

次回は、宮城県白石市の建つ、伊達家の名臣片倉小十郎の居城、白石城と、戦後の天守閣木造復元の嚆矢となった白河小峰城を訪問したレポートをお送り致します、乞うご期待!!
  1. 2022/10/23(日) 21:00:00|
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Exhibition match in daytime, Canon FL58mmf1.2 vs Hugo Meyer Primoplan58mmf1.9

さて、今週は予告通り深大寺で大口径レンズで曼殊沙華の描写テストを行ってきた結果をレポート致します。
お江戸近傍ですと、曼殊沙華と云えば、埼玉県は日高市の「巾着田」があまりにも有名で、この新型コロナの世界的流行の前は、シーズンになると、それこそ、何台もバスを仕立てて、関東中から見物客が押し寄せてきて、果たして曼殊沙華畑を見に行ったのか、人の頭を見に行ったのか判らないという惨憺たる有様でしたが、それが禍いして、密を作り出す元凶として、管理者により花が咲く前に刈り取られてしまうと、悲しい状態が続いていたらしいのですが、反対に、ここ深大寺の曼殊沙華はそれほど咲いている本数も密度も大したことがなかったため、この新型コロナ禍においても、平常通り、咲き誇り、知る人のみを迎え入れてきたという状態で、今年は9月に出張だら、中部日本縦断のお城巡りだの飛び回っていて、やっと最終週にこの可憐な妖精達が待つ古刹の森に出掛けたという次第。
今回も、毎年恒例の複数のクセ玉で曼殊沙華を撮って、その背景の暴れ具合を愉しむという、やや常軌を逸したお遊びをやってきました。
では、さっそく実写結果を逐次眺めて参りましょう。
カメラはテスト機として縦横無尽に活躍するSONYα7RII、条件は全コマ開放による絞り優先AE撮影となります。

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まず一枚目のカットですが、トップバッターとして、和製ノクチルックスの呼び名も高い?キャノンの誇る銘玉FL58mmf1.2による深大寺城址公園西土塁裏の曼殊沙華畑に幾つか咲き残っていた、赤い曼殊沙華を至近距離で撮ったものです。
近くの雑草はさすがに緑のゴワゴワした芯が残って見えますが、背景の林は完全に蕩けていて、イイカンジに見えます。

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二枚目のカットですが、プリモプラン58mmf1.9による撮影で、キャノンFL58mmf1.2が拍子抜けするほど、ナチュラルな描写を示したのに対し、全体的に背景が緑の火炎樹の如くもわぁ~と下から上に巻き込んで立ち昇るカンジのダイナミックな非点収差のいたずらが見てとれて、主体のシャープさと発色の良さは甲乙つけ難く、これはこれで面白い描写表現ではないかと思いました。

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三枚目のカットですが、再び攻守変わって、キャノンFL58mmf1.2でもって、深大寺城址の下の湿原、即ち、神代植物公園附属水生植物園の小川の畔の土手の斜面に可憐に咲く、一本の白い曼殊沙華、即ち、希少なアルビノ種の花をメインに背景の土手に咲く他の曼殊沙華を入れて撮ってみたものです
先ほどよりは背景が詰まっているためか、さすがグルグルとはいかないまでも、心なしか芯が残ってザワザワとした後ボケを見せています。

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四枚目のカットですが、再びプリモプラン58mmf1.9に付け替えての白いアルビノ種の曼殊沙華を撮影したものですが、ここでも主体のシャープさは甲乙つけ難いものの、背景のボケ方は、一般的に暴れ玉とか、グルグル玉云われるこちらの方がマイルドで、全体的に中央から膨らむように見えるなだらかな波動のようなボケは予想外の美しさではないかと思いました。

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五枚目のカットですが、またキャノンFL58mmf1.2での撮影ですが、これも附属水生植物園の水辺の土手のなだらかな斜面に群生していた赤い曼殊沙華の最前列二本のめしべにピンを合わせて精密射撃的に撮ってみたものですが、撮った後に思わず撮影順序を間違えたのかと思うほど、芯の残った背景がグルグル傾向を示し、普段はマイルドなこのレンズもこんな挙動を示すことがあるのかと驚いた一枚。

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六枚目のカットですが、プリモプラン58mmf1.9の出番に戻り、同じ土手の上の群生の最前列二本のめしべを狙って撮ったものですが、こちらもグルグルしていることには変わりませんが、EVFではなかなか区別がつきづらかったですが、PCの画面で見れば一目瞭然、こちらの方が芯が残り、更にグルグルの力強さも5割増しくらいの印象です。

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七枚目のカットですが、ここで撮影開始からポツポツと来ていた雨粒が、シトシト、やがてザアザアとなってきて、この状態で屋外でレンズ交換しての撮り比べはボディ内への雨滴侵入のリスクが極めて高いため、撮り比べは三本勝負で断念、後は比較的防滴性の高そうなキャノン58mmf1.2のみで撮影することとし、傘をさしながら、雨宿りに入った水辺の東屋の下の曼殊沙華の群生を撮ってみたもの。
ここでは、背景の葉や茎とおぼしき緑の物体がザワついてはいますが、渦巻現象は認められません。

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八枚目のカットですが、東屋で空模様とスマホンの雨雲レーダーとにらめっこし、雨が一瞬小降りになった頃合いを見計らって、傘をさしながら、先ほど城址公園から降りて来る時に通った木製の渡橋をその先の湿原に続く木製デッキをバックに一枚撮ってみたもの。
さすが、元々優秀なレンズだけあって、このFL58mmf1.2の描く質感と距離感の描写には目を見張るものがあると思いました。

CanonFL58_006.jpg
九枚目のカットですが、よく目を凝らすと画面に雨滴が写っているのが見て取れると思いますが、かなり雨足が強まってきて、遠雷まで聞こえるような状態になってきたので、こんな避雷針もない東屋で落雷受けたら、機材もろともお陀仏になってしまうのも悲しすぎるので、折角の年に一回の霞網をかぶせた稲田と手前の曼殊沙華の群生を撮って、当日の手仕舞いとしたもの。
背景に林の木々の頂点などに若干のザワつきは認められますが、全体的にはなだらかなボケでいかにも絵画的な描写になったのではないかと思いました。

今回の感想ですが、いやはや、構成もF値も全然違う、たまたま表示焦点距離が58mmということと、何となく、背景が大暴れしそう、という思惑で持ち出した全く異質な二枚でしたが、こうしてほぼイーコールコンディションで撮り比べてみると、概ねマイルドながら、比較的近いバックは芯が残った描写をするキャノンFL58mmf1.2とどんな時もグルグルを演じ切ろうと一本筋の通ったプリモプラン58mmf1.9、要は良し悪しではなく、被写体とキブンで使い分けたら面白い二本、ということが改めて確認できたという結論。

さて、今週末も急な帰省で一週スキップ、その翌週は前回ご紹介した高島城日帰りツアーの翌週にも敢行した日帰りツアーの様子をレポート致します、乞うご期待!!
  1. 2022/10/10(月) 23:26:21|
  2. Mマウント改造レンズ
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charley944

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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