深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Rodenstock Rogonar-S 50mmf2.8改 Nikon Sマウント

rogonar.jpg
さてさて、また本業の改造レンズのご紹介に戻ります。
このレンズは、一見、ロシア製コンタマウントレンズの新製品にも見えますが、さにあらず、これもまた、当工房の作品です。

元になったレンズは、引伸機用では世界中から高い評価を受けている、かの独Rodenstock社製のRogonar-Sというレンズです。

このレンズは元々は引伸機のマウントに装着して使用することになっているため、当然のことながら、ヘリコイドがありません。
そうなると、折角、L39のネジが切ってあるのに、Lマウントボディにつけても、アダプタ介してMマウントボディにつけても、ピント調節の出来ない、ただのお飾り玉になってしまいます。

そこで、当工房は、先のSマウント一号機のノウハウを活用して、Sマウント化することにしました。

そうすれば、とにかく、何とか、∞だけ併せて、機械的にがっちり固定しちゃえば、ヘリコの心配も、ましてや、いつも頭を悩ます距離計連動カムの調整も要らず、簡単に実用レンズが出来ちゃうワケです。

まさにモノグサ向けのお手軽調理で本格的な一品!ってヤツですね。

で、写りはというと、実は、この玉、普通のレンズとは逆方向から光が入るんで、なんと、一群目が張り合わせになった逆配置のテッサー型なんですが、開放から素晴らしくく描写のキレが良く、シネレンズもかくやあらん・・・という色ヌケ、立体感で、巷間の、引伸レンズは写ることは写るが、ハイコントラストでガチガチで平面的に写る、という風評を力強く払拭してくれたのでした。

なお、この兄弟機のロダゴン50mmf2.8も同様にSマウント化してますし、ロダゴン80mmのf4はニコンFマウント化してますが、同様に信じられない描写です。
これらも追ってご紹介しますんで、乞うご期待。
rogonar_20080128215347.jpg
これは、昨年の麻布十番まつりに同じレンズ構成(但し前後の順が正反対?)テッサー5cmf2.8との比較をするため、ロゴナーS50mmf2.8改Sマウントを持ち出し、思わずイイ笑顔に出会ったのでシャッター切った一枚です。
ボディは愛機SP、フィルムはSセンチュリア100EX24、絞り開放です。

特筆すべきは、やはり髪の毛1本1本まで写し込む解像度、そして、日なたの白いTシャツもフレアっぽくならず、焼き方のお嬢さんのアクセントである薄めの朱色のタオルの色も、何よりも桜色の瑞々しい若い、弾けるような肌の質感を的確に掴んでいます。

また、後ろのボケもなだらかに融け、たまたま写りこんだ手前の若者の横顔もやんわりとボケているので煩く感じないと思います。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2008/01/15(火) 23:52:27|
  2. Sマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

引き伸ばしレンズの印象

ロゴナーは一般撮影にもよいのですね。善哉。

私が大昔シュナイダーコンポノンS100mmや、コンポノンWA80mmをベローズに付けるなどして一般撮影したときは、妙に色に深みが無くハレっぽいレンズだなあと思いました。
深川工房さんの仰るように、通常とは逆方向から光が入る設計なので、正面から光を受けると内面反射が問題になるのかなあと愚考していました。
それと、コンポノン類は無限遠の解像力がどうしても一般レンズに劣る気がして、そういう使用をやめてしまいました。

ローデンシュトックはシュナイダーより丁寧な物造りをする印象がありますので、ロゴナーは廉価ラインながら良い結果に繋がったのかも知れません。
大変参考になりました。有り難うございます。
  1. 2008/01/19(土) 11:56:39 |
  2. URL |
  3. lensmania #RGJnsXQk
  4. [ 編集]

れんずまにあさん
コメント有難うございます。
そうですね、ローデンシュトックのレンズはシネでも35mm銀塩でも、概して、シュナイダーより出来が良い気がします。
この僚機のロダゴンも深みがある良い発色しますし、開放での撮影の立体感、後ボケの自然さはホントにこのレンズは印画紙焼付けだけのために生まれてきたのだろうか?というギモンを持ってしまうようなパフォーマンスです。
  1. 2008/01/20(日) 00:42:57 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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