深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

【夏休み協賛企画I】~魔玉と過ごした夏休み(前編)~

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【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE 露出補整+1/3 全コマ開放
レンズ:一枚目 Cooke Speedpanchro32mmT2.3改M、二枚目 Cine-Ektar40mmf1.6改M、三枚目 Cooke Kinetal25mmf2改M、四枚目 Cooke Speedpanchro40mmT2.3改M

さて、今宵のご紹介は、通常ローテーションで行けば"深川秘宝館"からのコレクションのご紹介となるところですが、珍しく、夏休みを利用しての旅行に出掛け、可愛い"小悪魔"達もお供したので、その働きぶりをお披露目したいと思います。

なお、この夏休み特集は、湖東地区ツアー編を前編とし、来週は驚愕の絢爛豪華東北三大祭り番外編をご紹介致します。

まず今回の旅程ですが、秋に仲間内の写真展が行われることもあって、何故か普段と違うところで、一人じっくり撮ってみたいキモチになり、ふと頭に浮かんだのが「ことう」という三文字でした・・・

果たしてこれは伊豆七島なのか、或いは小笠原諸島なのか、はたまた沖縄の離島なのか・・・休みまで1週間を切っても、頭に浮かんだナゾのメッセ-ジの謎解きが出来ません。

しかし、或る拍子に「ことー」とは、海に浮かぶ「孤島」ではなく、「湖東」のことだと思い出し、大慌てで新幹線格安切符「ぷらっとこだま」の名古屋往復と、長浜~近江八幡にかけての安宿をネットで探しました。

すると、ラッキィなことに、彦根の駅至近の場所に一泊5200円朝食付きなどという都合イイ宿が有るではないですか・・・

前回の野洲の木賃宿に較べれば天地の差です。

そして会社の引越しも無事終え、一日準備に費やし、10日の朝9時過ぎのこだまで旅立つこととなりました。

しかし、当日、激しい雨音で目覚めると、外は真っ暗、バケツをひっくり返したが如き豪雨が見舞っています。

この時点で出発2時間前、神棚の供物を取替えながら、好天を祈りました。

そして、8時半過ぎに家を出る時には、祈りが天に通じたか、雨は殆ど小降りになっていました。

いよいよ、東京駅に着き、こだまのグリーン車の窓際席に陣取って、旅の始まりです。

のぞみで行けば2時間もかからない名古屋までの旅ではありますが、何せ優雅で格安のこだまでの旅ですから3時間以上かかります。

朝9時過ぎに東京駅を出たこだまは12時半前に無事名古屋駅に着きました。

この時点では、もう天気は曇天となり東京の朝の豪雨はどこへやら、この先の旅程に希望の陽が射しました。

名古屋でランチを摂り、今度は東海道本線に乗り継ぎ、大垣乗換えで米原、彦根へと入りました。
この時点でもう既に4時前です。

しかし、宿がなかなか見つからず、駅から電話し、案内してもらってチェックインした時点でほぼ4時。
本来ならば、初日に彦根城でも登ってハイライト編の撮影でもしてしまいたいところでしたが、まだ重い曇天でこの時刻では既に暗くなっていたのと、何せ人の出が殆どない状態だったので、断念、お茶とロケハンを兼ね、観光街である「夢京橋スィートロード」に繰り出します。

そこで木と白壁のマッチングがシックな街並みでひと際目を引いたのが、この花々をあまた植えていたカフェ「花百茶」というお店です。(一枚目)

ここでは、初日と最終日にお茶とケーキを戴きましたが、初日のピンクグレープフルーツ添えのクラフティも最終日のニューヨークスタイルのレアチーズケーキのマンゴーソース添えも激しく旨かったことを報告しないわけにはいかないでしょう。

そして翌11日、実はこの日が例の静岡沖での地震の朝で、こちら彦根の宿でもそこそこ大きく長い揺れを感じ、慌ててTVをつけたら、静岡でかなり大きな地震があり、東京でも震度4を記録した云々という報道があり、まさに湖東地区への撮影行は疎開そのものだったんぢゃないか・・・と我ながら驚いた次第。

それでも、予定は全く変更なしで10時代の電車でまず近江八幡に入り、八幡堀から旧商家街、洋館街を撮影し、ランチもこの街で食べ、午後のティータイムに長浜まで移動し、日の有る限り長浜の街を撮り続けるということにしたのです。

まず、近江八幡駅に着き、前回の経験学習で、安直にタクシーを利用せず、観光案内所でバス便を聞き出し、地元民各位と極僅かの観光客に混じってバスに乗って、日牟禮八幡最寄りの大杉町バス停まで向かいました。

ここまでくれば、もう土地勘は付いているので、ガイドブック無しで日牟禮八幡界隈から八幡堀沿いの撮影スポットは自在に巡れます。

11時過ぎから12時半近くまで、汗をたらたら垂らしながら、あまり観光客の居ない堀端をとぼとぼ歩きながら写真を撮って行きます。

堀端やヴォーリーズ像の撮影まで終わったところで、お待ちかねのランチ、この日は「たねや」の日牟禮茶寮というところで、おばんざい付きおこわのセットを戴きましたが、とても豪華で寛いだキブンにさせてくれました、一人旅ってのも悪かぁないなぁ、と。

そして、「たねや」のお店で実家向けにリクエスト有った、水羊羹なんか発送して、旧商家街へ移動する途中、ふと橋の上から堀に目をやると、開店休業状態だった観光船にお客が乗って運行しているではないですか・・・ついここで一枚戴き(二枚目)

その後、暑い中、商家街、洋館街の撮影を敢行し、そのままバスに乗って駅まで移動、何故か妙に懐かしい近江八幡の街に別れを告げ、電車で長浜に向かいました。

長浜には20分強ほどで着きましたが、さて、何から撮るかが思案のしどころ。
実はこの街、撮影スポットが線路を隔てて東西に分かれており、恐らく、お茶する時間も考えたら、二箇所は体力的にもきついことになりそうだったので、今回は湖サイドのお城近辺はパスして、黒壁スクエアと古刹周辺に絞ることとしました。

そして、駅から黒壁スクエアに歩いて移動する途中、えらいオブジェを発見してしまいました。
そう、街撮りの二大オブジェと言われる、古い鋳鉄製手押しポンプと赤い鋳鉄製郵便ポストが仲良く並んでいるのです、しかもどちらも現役バリバリの稼動状態で☆

もうこれは撮るしかありません、今回持って行ったR-D1sとZeiss Ikonの2台で交互に撮り較べてしまいました。
今回アップのものはR-D1sによるものです(三枚目)

この晩は思いのほか撮影が順調に進んだこともあり、気が大きくなった小生は、地元で一番高いと思われる寿司屋兼業鰻屋で、握りは頼むわ、鰻重は頼むわ、その合間に主人の奢りの蛸の柔らか煮をつまみにライムハイを呑むわと大名行列状態のゴーヂャスな晩餐、帰りに店名をよくよく見てみれば、「大名」ってなお名前だったというオチ。

そして最終日、名古屋からの新幹線が6時前なので、時間はたっぷりあります。
そこで、外してはならないのが、やはりお城・・・彦根城に登らねばなりません。
首里城、ノイシュバンシュタイン城、江戸城、お菓子のお城と"城"と名のつくものはアリ以外全て大好きなマニアの小生が登らずに帰れよう筈もなく、猛暑もものかわ、朝からお城に向かいました。

すると、居ました、居ました、この暑い最中、汗をかきかき、お城に登る人々が・・・
その中で親子仲良く日傘なんか指しながら上品に登る方々が居られたので、一枚戴いた次第(四枚目)

無事お城にも登り、前回は時間切れで見物出来なかった庭園も隅から隅までずずずぃと見せて貰って、何故か、那覇の識名園に酷似している!という新たなナゾを抱えたまま、東海道本線、新幹線と乗り継ぎ、お江戸深川に戻ってきた次第です。

ま、しかし、初日を除き、殆どの行程がお天気に恵まれ、写真日和だったのが、何よりの撮影行でした。

さて、来週も小悪魔達の労作が目白押しです、乞うご期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2009/08/16(日) 23:13:36|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:12
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コメント

やっぱりkinetal 25mmの発色、描写が抜群ですね。Speed Panchroはちょっとビジネスライクになってしまうというか、現代のレンズみたいと言うか。

それにつけても、25mmの周辺トンネルが残念。もったいない。スクエアにトリミングしたら面白いかもしれません。
  1. 2009/08/17(月) 00:24:18 |
  2. URL |
  3. netdandy #B7IDXB7Q
  4. [ 編集]

Cine Ektar 40mmf1.6がいいですね。特に映画っぽい感じがします。
  1. 2009/08/17(月) 10:09:46 |
  2. URL |
  3. ksmt #mQop/nM.
  4. [ 編集]

私は、1番目の写真が好きです。

派手に見えますが、
最近のズームレンズとかだと、
カメラ任せだと、黄色と赤がこんなに綺麗になりません
(ものすごく、どぎつくなります)

あと、ボケも私好みです~~~~
  1. 2009/08/17(月) 17:40:22 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

お帰りなさいませ。
手塩にかけたレンズ達と出かけるなんて、至福の旅だったでしょうね~!
しかし、出かける前にどの子(レンズ)をお供にするか、数本(もっと?)持ち出したレンズをどう使い分けるか...等々、悩みも多いことと思います。(笑)
個人的にはCine-Ektar40mmf1.6の写りが好みですが、どのお写真も見れば見るほど「なるほど...」と見入ってしまいます。
後半も楽しみにしてますね!
  1. 2009/08/17(月) 19:58:12 |
  2. URL |
  3. andoodesign #WSWGH/LU
  4. [ 編集]

地震等の災難の中、ご苦労様でした。

思い浮かんだコトバで旅行先を選ぶなんて信じられませんが、あたりだったら良かったですね。

今回は、40mmという妙な焦点距離を使って頂いてるので、そんなところにも興味がありました。

一枚目から華やかな写真なので、旅行の愉しげな気分が感じられます。32mmでもけられないで全面が使えるのでしょうか?私がお借りした35mmはフルサイズではかなりけられますが、絞り兼用フードがその原因だと考えます(明日、お盆中のプリントが上がってきます)。

エクターのぐるっとした前ボケがちょっとヘンな感じですが、写真の木造の屋形船は観光と言うより避暑といった風情で、爽やかな気分になりました。

ポストと手押しポンプですが、雨水利用?でしょうか、ちょっと写真からはよく見えません。樽とポンプを使っているのが凝り性ですね(真空ポンプにして、ホースから引き入れているのでしょうか?)。ポリバケツと蛇口で雨水利用をこしらえているワタシのお隣りさんもいますよ。キネタールは確かに色彩表現に秀でる様子です。

うしろ姿の一家は、20代30代でハラを決めていれば今頃あすこにオレの一家が・・・。と、読めなくもないです。RD-1やM8あたりだと40mmの画角は結構自然に見えるという感じで、好感が持てました。

キネタールに比べて、スピードパンクロのちょっとした色彩の重みって何だろうと気になりますが、絞ったり夜景を撮ったりの自分の作例と、今回特異な焦点距離の貴重な作例と照らし合わせながら今後も考えて見たいと思っています。
  1. 2009/08/17(月) 22:38:30 |
  2. URL |
  3. Treizieme Ordor #-
  4. [ 編集]

netdandyさん
有難うございます。
やはり、Kinetal25mmf2改Devil's Pancakeにご執心のようですね(笑)
何なら、一本、いってみますか?
25mmではケラレますから、28mmのKinetalか、Speedpanchro、或いは、Cine-Planarであれば、同じスタイルで改造しても、APS-Cサイズならまずケラレないでしょう。
もしご入用であれば、中原水産加工場で加工出来る様、よく因果を含めておきますが(爆)・・・
もっとも、貴兄ご愛用?のEP-1であれば、このレンズでも十分なイメージサークルは有ると思いますよ。
  1. 2009/08/17(月) 22:41:28 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

ksmt さん
有難うございます。
Cine-Ektarがお好みとは、かなり通好みですね(笑)
実は、この低照度に強い米国レンズと元キャプテンの万能レンズ、Cine-Planarとの黄昏時の一騎打ちの画を来週アップしようと思っているのです。
評判の?Kinetal25mmも巻き込み、かなり面白い企画になると思いますよ、乞うご期待。
  1. 2009/08/17(月) 22:44:54 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
一枚目がお気に召したとは、また何とまぁ、純粋なココロをお持ちなのでしょう(笑)

そう、この一角は、オーガニックカフェの女主人の心意気で、モノトーンが支配するレトロな通りに在ってとても華やいだキブンにさせてくれる素晴らしい撮影スポットだったのです。

実は、このSpeedpanchro32mmは初めて佐原にご一緒させて戴いた時、日中のピーカンから日没の人工光下まであらゆる条件でR-D1sのテストを終えてましたので、或る程度計算ずくでこんな写真も撮れたのです。
  1. 2009/08/17(月) 22:52:21 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

andoodesignさん
有難うございます。
そうなんです。今回は秋の写真展向けの作品撮りをメインにしていましたので、シネレンズか、引伸しを改造した超高性能レンズ以外、選択肢が無かったのですが、ご賢察の通り、当日の朝まで、結構迷いました。
ただ一本は決まっていて、Kinetal25mmf2は当確、後は何を持っていくか?というカンジの迷いだったわけです。

R-D1s一本であれば、全ての改造レンズが対応可能ですが、今回はZeissIkonも持っていっており、Kodak Ektar100でも撮影したので、おのずとフルサイズでもイメージサークルをカバーし切れる玉を何本か入れておく必要もあったので、選択には頭を働かせましたが、結果的には今回のチョイスで良かったと思っています。

後半戦では、もっと過酷な撮影条件でもっと艶やかな画が登場する予定ですので、乞うご期待。
  1. 2009/08/17(月) 23:00:03 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Treizieme Ordor さん
有難うございます。
実は、40mmというのは、少なくとも自分にとっては、俯角、仰角を付けた時のパースのつき方、遠近感、全てにおいて肉眼に近いと感じられ、とても扱い易い焦点距離(≠画角)なのです。
従って、R-D1sでは、60mm近くの中望遠"相当"にはなりますが、極めてナチュラルにスナップが出来、とても重宝している玉なのです。

更に申し上げるならば、Arriの135判用レンズでは、40mmの焦点距離が、43mmのイメージサークルを持つか否かのちょうど境界線なのです。

今回の作例では、昼の日中、かなりイイ光線状態で撮っているので、あまりレンズ達の異能が発揮出来たとは言い難いですが、次回のトワイライトゾーンでの撮影では、湖東からそのまま転戦したCine-Ektar40mmf1.6もCine-Planar50mmf2も、そして深川の加工技術の粋であるKinetal25mmf2もその恐るべき描写性能を、R-D1sの力を借り、発揮していると思いますので、乞うご期待。
  1. 2009/08/17(月) 23:13:26 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントがたいへん出遅れ失礼します。
わたしもシネエクターがいちばん好きなのですが、ここまで前ボケが渦巻くのには驚きました。
16mm用のシネレンズなのでしょうか。

スピードバンクロの40mmもさすがの写りです。
こんなのコントラストの高い場面をまとめる力と言うのでしょうか、シャープでハイコントラストな最新レンズとは似て非なるもの、見る人の眼を疲れさせない優しさも合わせ持った描写力と感じます。
32mmもR-D1だと周辺にかなり余裕がありそうでいいですね。
  1. 2009/08/29(土) 17:57:36 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
有難うございます。
さすが!前にもお話したかも知れませんが、このCine-EktarはArriのSuper16フォーマット用のもので、APS-Cであれば、画面サイズは近似値だと思います。M8ではちょいキツめでしたが。

今回も旅のお供はR-D1sとZeiss IkonZMでしたが、露出補整のダイヤルの動きが正反対とか、細かい点は慣れが必要ですが、旅写真のコンビには持ってこいだと思いました。

何せ、APS-Cサイズの画素サイズだと、フィルムやM8では四隅がブラックアウトしてしまう広角をはじめ、あまたの珍玉、銘玉が活かせますし・・・
  1. 2009/08/30(日) 23:27:01 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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