深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

恩讐の彼方に~ハンザキャノンとデトローラ400~

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今日は、趣向を変えて、自家製の改造レンズではなく、当工房の開発参考用?と称して、せっせこ買い溜めたコレクションの一部をご紹介しましょう。

この2台はどちらも第二次世界大戦前に太平洋を挟んだ両側の新興工業国(少なくとも光学という意味においては)で製造された、エルンストライツ社の35mmカメラ(バルナック型)の派生型カメラです。

左側が、Detrola400という機種で、米国の音響機器メーカーが1940年に製造したカメラです。シャッター速度は1500分の1まで有って、デザインも秀逸ですが、まぁ、実際の性能は、同じ時代のライカDIIIあたりにも及ばなかったと思います。また、商売的にも、価格がかなり高かったらしく、ライバルのアーガスの廉価カメラにこてんぱんにやられて、結局、2年間で少数のみ製造販売され、おかげであまた有るノンライツレンジファインダーでも屈指のレアアイテムとなっています。

一方、右のキャノンは、今の世界に冠たる優良大企業、キャノンが精機光学と称し、戦前に細々と作ったカメラを、大手写真用品問屋であるハンザ商会の販売力で売って貰っていたという、今では考えられないような出自を持つカメラです。

産まれは1936年らしく、先のDetrola400よりは、4年早く産まれています。しかし、両者を較べると、国民性が判るというか、気質が表れているというか、とにかく、シンプルイズベストで信頼性と耐久性?を志向した感のあるDetrloa400、対して、ハンザキャノンはとにかく、ファインダの構造からして、徹底的にライツのモノマネを避けようと光路に位置しないよう、わざわざ使う時は飛び出すようにした"ビックリ箱"ファインダとしたり、レンズもライツのスクリュータイプではなく、わざわざ加工の面倒な、ツアイスのコンタックスタイプのバヨネット&歯車式フォーカス機能にしたり、日本人の几帳面さが窺われます。

しかし、どちらも今や第一線を退き、コンピュータの化身みたいになってしまった子孫達、使い尽くされたら、捨てられてしまう運命の現代の電子化カメラを嘆き、憐れみながら、お互い不幸な時期を乗り越え、この深川の地で偶然出会ったことで、ゆったりと来し方を語り合っているのかも知れません。

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/01/21(月) 00:21:48|
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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