深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

God's eyes never die~Dallmeyer Kinematograph 2"f1.9 mod. L39~

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【撮影データ】カメラ:Leica M8 ISO Auto 絞り優先AE 全コマ開放 ロケ地:浅草
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
今年もどうぞご贔屓のほど・・・
さて、昨年暮れの早いうち、というか11月の終わりくらいには、新年特集は、去年に負けず劣らず、すんごいのやりますよ☆とか、あちこちで吹いていたんで、何を出そうか、それなりに悩んでいたのですが、結局、当初案通り、少なく都のネット上では、世界に4本しか棲息が確認されていない銘器、Dallmeyer Kinemarograph2"f1.9をお送り致します。

いきなり新年からレアレンズ系で来ると、ははぁん、ボウナスがちったぁ多めに出て、その勢いに任せて、とうとう値の張る古典レンズ系に走ったかと勘繰られる方も居られると思います。

しかし、心配ご無用、このレンズは、殆どタダ同然で舞い込んで来たものを、深川の技術と情熱で再び生命を与えたものなのです。

この、Kinematograph 2"f1.9は、戦前のアイモ、もしくは木箱のシネカメラに付いていたレンズらしく、レストア過程で調べたところ、前群が2枚貼り合わせの色消し、後群がエアギャップ入りの2枚で一群、つまり光学設計の教科書に載っているような、ペッツバールタイプのレンズだったのです。

元のオーナーの方曰く、このレンズは戦前に輸入したものとのことですから、遅くとも昭和14年の対日禁輸までに入着したと仮定すると1939年には日本国内に着いていたということであり、船便で送られたということであれば、1938年以前に製造されたものであると見るべきでしょう。

となると、この70年以上前の、淡いブルーのコーティングもキレイに残っているレンズは、当時の最先端の光学技術の粋を集めて作られた想像を絶する超高性能レンズ、まさに当時の日本の光学技術からすれば、"神器"とも呼べるようなものだったとも想像出来ます。

ところが、このレンズ、21世紀の日本で再び発見された時には、絞り羽根もリンク板も、外側の絞りリングも無く、鏡胴の上部に元々の絞り駆動用の棒が動くスリットの入ったままの言わば、どんがら状態で埃にまみれた状態でした。

しかし、そのエレメント自体は奇跡的に状態も良かったので、目利きの前オーナーが「深川なら再び命を与えられるだろう」との思いで託して戴いた次第。

ここで、一大プロジェクトの始まりとなったわけです。

通常のレンズ改造であれば、光学系として完結しているユニットのマウントを作り変え、せいぜい、距離計連動カムを切るくらいですが、今回のものは、その光学系を蘇生させることから始めねばなりませんでした。

まず、絞りの内部部品の再生です。

これは、某ロシアレンズで比較的大型で薄い絞り構造を持つものが手許にあったので、その鏡胴内部のアルミ構造物から、絞り部分のみを削り出して、超薄型で高剛性の絞りディスクユニットを造り出すことから始めました。

しかし、この絞りディスクユニットを拵えただけでは、リングと連動出来ません。

何故ならば、前群真下の横スリット穴と絞りディスクは1cm弱離れていて、真横からピンをちょこんと出して、それを捕まえる適当なリングを外側にくっつけてハイ完了というワケにはいかず、光線漏れも十分考慮し、底部に絞り連動アームを持った回転内筒を設計・加工しなければならなかったからです。

この絞りメカの復活に優に3週間以上かかり、やっとクリーニングした光学系と合体させて、機能するレンズとなりました。

さてここからが深川の通常作業、マウント改造です。

これは、幸いなことに実焦点が殆ど51.6mmに近かったので、深川得意の薄型ヘリコイド&マウントディスクに合体させ、無限を合わせただけで全く問題なく距離計連動となりました。

さて、ここからが試写です。

まずは一枚目。
日も傾きかけた浅草に出て、地下道から雷門に向かうと、車夫の一群が観光客目当てにしきりに勧誘しています。
その中で、なかなか見かけなかった女性の車夫(車婦?)さんがなかなか巧妙に営業トークを展開していたので、目で撮るよ、とコンタクトして一枚戴いたもの。
M8で撮ったせいもありますが、髪の毛、服地の質感まで極めてシャープに捉えていますが、後ボケは、心持ち、回りかけているような感アリです。

そして二枚目。
仲見世を歩いていくと、このレンズの生まれ故郷かどうかは判りませんが、欧米からの観光客一家が珍しいカメラとアヤシゲなレンズを提げた国籍不明の中年男と目があったので、好奇心に満ち溢れた眼差しを向けてきます。
そこで、ニッコリ笑った次の瞬間にシャッター切ったのがこの一枚。
ここでは、お父さんと娘さんは悪い光線状態にも関わらず、相変わらずシャープに捉えられていますが、バックはもうガマン出来ん!とばかりに回り始めてしまいました。

更に三枚目。
彼らにサンキュー、ハバ・ナイスディとか述べて別れ、また仲見世を歩いて行くと、また面白い光景に出くわしました。
乳母車に乗った女の赤ん坊が、しきりに手を伸ばし、お店の売り物の鈴の根付だかを嬲りモノにしているのです。
その必死の目つきが面白かったので一枚戴き。
最近接域にも関わらず、合焦部は恐るべきシャープネスを発揮しています。
恐らくR-D1sとか、マイクロフォーサーズボディであったなら、恐らく70年代以降の高性能シネレンズで撮ったものと区別がつかないかも知れないほどです。
ところが、背景は、非点収差と像面湾曲がどっと押し寄せ、あたかも、つのだじろうの「恐怖新聞」のワンカットのようなおどろおどろしい描写になってしまっています。

まだまだの四枚目。
仲見世も終わりに近づくと、宝蔵門が大きく見えてきます。
ここで、またむくむくと悪戯心が湧いてきました。
どうせ背景がぐるぐると回るなら、それを逆手にとって、オモシロ写真撮ってやろうぢゃないか・・・と。
そこで、暮れの浅草仲見世名物の空中オブジェのうち、コマが有ったので、それにピンを合わせたもの。
まさにコマを中心に背景が回り出したようで、結構面白い画造りになったのではないかと思います。

最後の五枚目。
境内で何枚か撮ってから、また元来た道を引き返し、仲見世を辿ります。
すると、往きでは人だかりが凄くて、ご尊顔を拝むのもままならぬ状態だった、浅草3大人気姑娘?のうちの一名、雷おこし屋の"ヤング相田翔子"嬢がまるまる見えます。
そこで、熱心に働く様を一枚。
ここでも、主人公は髪の毛の一本一本までクリアかつシャープに捉えられていますが、被写界深度域から一歩でも出ようものなら、渦巻きに巻き込まれ、あたかも時空の裂け目にでも吸い込まれるような姿で画面に焼き付けられるという酷い仕打ちが待っていたのでした。

今回のレストアは、恐らく通常の改造の3倍以上の労力はかかっているとは思いますが、それ以上に得るものは大きく、単なるマウント改造のみならず、一旦命を失ったレンズを甦られることも出来ることが判ったので、先般の自主設計レンズの技術と組み合わせれば、今後、様々な楽しみが広がっていくのではないかと、我ながら期待に胸がうち震えたのでありました。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/01/11(月) 19:31:37|
  2. その他Lマウント改造レンズ
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  1. 2010/01/11(月) 19:57:56 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

こんばんは。
興味深く拝見しました。
やはりペッツパールらしいシャープさとすっきり感が中央にみなぎっていて、レンズの特徴がよく出ているように思われます。
もうひとつ、像面湾曲の影響か、法被の文字と太いエルボー、帽子女性の顔とリュックのジッパー、子供の顔とマスコットの顔、コマと屋根、女性の紙といちばんやらかいの違う位置にピントがあっている現象も非常に興味深く観察できました。
色抜けの良さとこのレンズの特徴と思われる濃厚な発色は、時間帯のためよく分からないですが、若干オーバーなためかあっさりとした色が出ているようにも見えます。

大切にしたい歴史的レンズですが、レンズ写真にしっかり写りこんでいる絞りを見るにつけ、よくこんなのを組み込んで再生させたものだと感嘆します。
次回、フィルムでは難しいですか?
  1. 2010/01/11(月) 21:22:35 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

写真レンズ黎明期の人像用ハイ・スピードレンズにして、たぶんオリジナルに近いレンズ構成の最後期に中る様な貴重なレンズの「復活」を、まず何よりも先に賛辞を送りたいです。
再現画像の色について、すぐにM8傾向が強いとわかるイエロー・シアン偏りが残念ですが、わたしはこのタイプのレンズについては、今現在、現像に入る直前のフイルムがあるのみで、実はカラー傾向を読み込めるまでに至っていません。「M8傾向」とは推測迄で、申し訳ありません。
しかしながら、画像はペッツバール・タイプそのもので、どこまでの画像を有効とするのか悩んでしまう、こうしたレンズ特有の「悩み」に、目頭が潤んでしまうという現状です。
画像再現において満たすべき必要な条件は、いったい何であるのか?こういった再現性を持つ画像がそれらの選択の条件に入る事で、映像表現の「地平」がさらに広がる事を、声を大にして望みます。
  1. 2010/01/11(月) 23:11:03 |
  2. URL |
  3. 13 ordre #-
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
有難うございます。
このレンズ、日暮れ前に門仲のフルーツデザート屋の店先で、ネーブルやらグレープフルーツが山盛りになっている様を撮ったカットがありましたが、そこでは、かなり彩度もコントラストも高い描写だったと思います。

通常は、レンズ枚数が多ければ多いほど、各収差は取り除くことが出来るようになるので、描写の質が向上する、その典型的な例が半導体のステッパレンズとか、光学設計の手引き書では説明していますが、その反面、ヌケが悪くなり、また輪郭線やら、カラーバランスが肉眼で見たものと違和感が生じてしまうのもまた否めません。

このレンズは当時の入念な設計と、吟味された材質、そして職人芸による組み立てで、枚数の少ない光学系の良いところを最大限享受したのではないかと愚考致しました。

ま、描写性能をとやかく言わないまでも、これだけ手間掛けて立派に甦らせることが出来れば、写りはオマケみたいなもんではありますが(苦笑)
  1. 2010/01/12(火) 22:29:18 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

13 ordre さん
有難うございます。
確かにこのレンズ、有効なイメージサークルとはどこまでを指すのか、という問題に頭を悩ませてしまいます。
しかも、その有効面積が距離によって可変のようですし。

しかし、モノは考えよう、使いようで、この特性を十分理解した上で作画が出来るようになれば、それはそれでひとつの表現手段として十分、戦力化出来るのではないかと思います。

それにしても、深川オリジナルの3群5枚の描写よりも、2群4枚のこのレンズの方が緻密でヌケの良い描写をするとは・・・

いやはやレンズ遊びはやめられないワケですね。

なお、発色については、今度、R-D1sでしっかりテストしてみます。
  1. 2010/01/12(火) 22:35:25 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

改めて素晴らしい工作技術に感銘を受けました。特に絞りまわりの加工は難しいでしょうから、正に命を再び吹き込んだという感じですね。
Dallmeyerのレンズは同じようなスペックでも構成が違っていたりと実物を手にとって見ないとよく分かりませんね。Kinematographはペッツバール特有の性格がとてもよく現れているレンズで、中央部分の際立ったシャープさと、周辺の落ち方の急速な変化がとても楽しめる逸品だと思います。2-3日前の電子湾にSuper Speed Kinematographという聞きなれないレンズも出てましたが、結構高かったので諦めました。
  1. 2010/01/13(水) 04:50:49 |
  2. URL |
  3. kinoplasmat #lpavF/Xw
  4. [ 編集]

kinoplasmat さん
有難うございます。

実は今回のアップ、前々から本レンズを所有され、作例もアップされている貴兄のリアクションを伺いたくて、うずうずしていたのです(笑)

残念ながら、このレンズはコレクター各位にとってはもはや蒐集価値のない、非純正パーツによるレストア品となってしまいましたが、それでも70数年ぶりのこの世界の光を写し撮ることが出来る命を吹き込んだことには意義があるのではないかと思っています。

実はここだけの話、このレンズを託して戴いたオーナーの方からは更に稀少なレンズの更生を依頼されており、その加工結果のテストは、先週末に成功裡に終わりましたので、おいおい発表したいと考えております。
  1. 2010/01/14(木) 21:45:06 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

>このレンズはコレクター各位にとってはもはや蒐集価値のない・・・・

えぇ~~~
こんなに素晴らしいレンズが
コレクターに見向きもされないってのは
レンズ構成が
ペッツバールっていう希少価値のさっぱり無い
レンズのせいなのですか?

これが
レンズの内側で凹レンズ同士が向かい合っている形なら
コレクターが飛びつくのでしょうか?

コレクターって珍しければ
写真の良し悪しなんか関係なく
どんな画像でも、とってつけた理由で
満足するのでしょうかね・・・・・

まるで
ジャンクレンズを収集して喜んでいる
私みたいですね~~~~笑
  1. 2010/01/14(木) 22:38:20 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

それはそれはつまらないコメントで失望させてしまいましたね(笑)。
このレンズにコレクター的な価値が無いなんてとんでもありません。物の付加価値は人間が付けて、人間が決めるものですから。中古カメラがどんなにいじられていようが、そのカメラをいじったのが早田さんであれば、それだけで付加価値が上乗せされますし、勿論宮崎さんも、Charleyさんもそうだと思いますよ。
オールドレンズのコレクター的価値の見極めは難しいですね。まず第一は希少度なのでしょうが、それ以外にオールドらしい上品な描写、設計者・メーカーの由緒正しさ、レンズ構成のユニークさ、鏡胴デザインの歴史感などいろいろとありそうです。Kino-Plasmatなどは、その辺が全体的にバランスしているのではないのかと思います。
さらに希少なレンズの登場を楽しみにしています。
  1. 2010/01/15(金) 01:10:59 |
  2. URL |
  3. kinoplasmat #lpavF/Xw
  4. [ 編集]

「再生」は、オリジナルの特徴との相克。
古い製品の「製造会社保障」には、いずれにせよ限界があります。
これからも『所有責任者保障』画像の百花繚乱に、期待したいです!


  1. 2010/01/16(土) 00:11:17 |
  2. URL |
  3. 13 ordre #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。

いえいえ、このレンズ自体は日本で1本、香港で2本、そしてロンドンで1本しか、これまで棲息が報告されていなかった、特別級のレアレンズです。

しかし、そのどれもが、オリジナル のままか、或いは、オリジナルの外観、機構を活かして誂えられたものなので、コレクター諸氏には、垂涎の銘器となるのでしょうが、これは、そもそも、オリジナルには戻せるような可逆的かつ、ビス穴ひとつ開けていない最小限のレストアですが、それでもオリジナルでない、Wブレードの高精度絞りユニットを組み込み、外側の絞りリングも米国のヲーレンザックのものから削り出し、焼付け加工したもの・・・つまり縁もゆかりもない、機能優先の改造であるが故、オリジナル至上主義のコレクター諸氏から見ると、価値を滅損した行為にしか写らないわけです。

何せ、オリジナルもしくはそれに近似した改造以外なら、写らなくても、ジャンクのまま持っていることが人類の、文明社会への貢献だとか、平気で抜かす連中ですから(笑)

いっぺん、例の評判悪い老人懐古主義写真機愛好団体の写真展に改造レンズ付けて乗り込んだ時、はじめは珍しがったカメラとレンズが改造品ですと言った途端、汚らわしいものでも見るような目つきに変わり、代表者が、二度と作られない貴重な文化遺産に手を入れちゃねぇ・・・とか、いきなり説教モードに入ったのを今でも鮮明に思い出します。
  1. 2010/01/16(土) 00:14:44 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

kinoplasmat さん
再び有難うございます。
大兄のようにご理解ある、懐の広いコレクターの方ばかりならば助かるのですが、世の中、そうもいかないのですね。

改造=オリジナルからの逸脱=価値の滅損行為と捉える向きもいまだに多く、たまには悔しい思いをすることがあります。

今回のケースでも、オリジナルに拘るそういうマニアというか厳格なエンスージャストからすれば、幾ら写るようにするとは言え、そんな海のものとも山のものとも判らんパーツを素人が組み合わせて、なりふり構わず写るようにしました、なんてことは許し難いのでしょう。

しかし、当方には当方の誇りがあって、工房の三原則、
①極力、オリジナルの外観を活かした最小限の改造とする
②オリジナルのメカに傷を付けず、いつでも元の状態に戻せるような改造とする
③改造で金儲けをしない

を金科玉条とすることで、写る改造品より、写らないジャンクを有り難がるようなエンスージャストに対しては徹底抗戦の構えです。
  1. 2010/01/16(土) 00:25:20 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

13Ordreさん
再び有難うございます。

どんな高価で由緒有るレンズだって、カメラだって、飾られ、或いは個人の収納棚奥に仕舞いこまれて、希少価値が年々上がっていくのを楽しみにされるために生まれてきたんぢゃなく、あくまでモノや人や風景を写すためにこの世に生まれ落ちてきたんですね。

使えば、壊れてしまうこともあるでしょう、しかし、その時代時代の入手し得るベストの素材と技術の応用、そしてオーナーの愛情を受け続けることが出来るのであれば、永遠の命を得たも同然です。

たとえオリジナルとは違うパーツでも、「写す」という本来の機能がその時々に担保され続けるのなら、寧ろ、モノに魂が有るなら、それを望むのではないかと勝手に考えているのです。
  1. 2010/01/16(土) 00:33:18 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

去年、Cさんたちと知り合い
色々なレンズも使ってきて思うのは

「写り」

ってのは
そのレンズの「本当」の写りなのか?・・・・

っていう事です。


整備する前の描写と
整備後の描写

周辺ボケとか片ボケ
ニジミ・・・等々

大概は「芯ズレ」とか「クモリ」とか
本来のレンズの描写とは異なる世界だったことに
気が付いてしまいました・・・・

その
独自の描写が悪いとは言いませんが
それは整備してしまうと消えてしまう
まるで、泡沫のようなもの・・・・・

それを、判っていて写真を撮り続け
整備しないままレンズを殺してしまうことと
将来を見据えて
その独特の描写を諦めて
長くレンズと付き合っていくか・・・・

どちらも
写真を撮る身としては辛い選択ですが

私は・・・

私は・・・・・・

私は・・・・・・・・・

どんなに素晴らしい描写だったとしても
延命のほうを選ぶと思います・・・・・・・・・・・・
  1. 2010/01/16(土) 20:03:16 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
再び有難うございます。
勇気を持って、キチンと整備したレンズを使う方を選ぶ、と言われるのはとても素晴らしいことだと思います。

概して、この周辺の独特の流れはレンズの味でとか、ハイライトが滲むのが風情があって云々とかしたり顔で言われる方々が居られるようですが、描写性能の経年劣化を味として認めるべきかという観点から考えれば、答えはおのずと見えてきますね。

某大久保の名人がズマールやズミターの修復に情熱を燃やし、「写りが変わって、別レンズみたいになっても文句言わないで下さいよ」と半ば茶化して言われるのも、良くも悪しくも、レンズが生れ落ちた時の描写性能を知らずして論評されがちだからなのですね。

古いレンズは物性変化によるエレメント等の経年変化に加え、使って来たうちに出来たキズ、汚れ、更には未熟な整備等により、概して製造時に較べ、性能は落ちるものなのです。

それを整備して製造時に近い状態に戻し、描写の評価を行うというのは、極めてフェアな振る舞いではないかと思います。
  1. 2010/01/17(日) 00:12:08 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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