深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Thanks, Island of hospitality, Izu Oshima!

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【撮影データ】カメラ:4枚目以外;R-D1s、4枚目;Zeiss IkonZM(フィルム;Kodak Ektar100)
レンズ:1~3枚目;Speedpanchro40mmf2、4枚目;Cine-Planar50mmf2、5~6枚目;Astroberlin Gausstachar32mmf2
絞り:全コマ開放
さて、今宵は予定変更して、バンクーバーからオリンピック中継、ならぬ、「三日遅れの便りを載せて~♪」ということで、今週末に初上陸を果たした伊豆大島からのレポ-トです。

東京都に属していながら、あまり観光という面ではこれまで注目を浴びることがなく、どちらかというと、熱海から、ヒマの有るリタイア組が船も出てるし、ついでに足を伸ばしてみるか・・・というカンジで伊豆観光の余興の如く扱われている感がありました。

実は、かくいう自分も、今回の飛び石連休に、上手い具合に勤め先の上司を篭絡し、4連休取れたら石垣島でも飛んでやろうかと思っていたのが、どうやらそれも叶わない雰囲気だったので、じゃ、近場の島で水中翼船で行けるから面白そうだ・・・程度の認識しか持っていませんでした。

実際、土曜日に竹芝桟橋から小雪舞い散るさなか、船に乗って、岡田港に着いてみれば、迎える人もなく、右も左も判らない、氷雨降りしきる肌寒い島に一人放り出されてしまったカンジで、ふと自己嫌悪の四文字もちらつきました。

しかし、バスがやってきて、それに飛び乗った時から、自分の世界観は一変しました。

運転手さんがとても親切です。
ずっと暖房かけっ放しで来て、暑かったろうに、遠来の客が寒くないようにと気遣い、暖房を更に上げてくれ、乗り継ぎのケアまで、親切丁寧に対応してくれたのです。これほど、親切なバスの運転手さんは、今時、沖縄か奈良県の山奥くらいしか残っていないのではないでしょうか。

そして、宿に着いたのがまだ公式チェッックイン時間より3時間以上も早い11時過ぎ、そこでも、フロントの方は、寒いでしょうからどうぞどうぞと、部屋を明け渡してくれ、昼飯の相談をすれば、地元の人はここなんか行きますね~というカンジでさらりと旨いお店を教えてくれました。

荷物を置いて、撮影機材のみ持って、小雨の中、教えて戴いたお店に向かいました。
すると、寒かったでしょう・・・と奥の暖かい席に通してくれ、まずはということで、暖かいあしたば茶を淹れてくれました。

そこでは、名物の「べっこう丼」という、白身魚をしょうゆ、みりん、そして島とうがらしの汁につけこんだものを酢飯に載せたものを戴きましたが、これもまた素朴ながら本当に旨かった。

ここには、夕方、雨の上がった波浮港での撮影を終え、元町に戻ってから、またお邪魔しました。

では、話が波浮港まで来たところで、早速、作例の解説いってみましょう。

まず一枚目。

初日は、ずっと小雨模様だったのですが、大島公園から凍えそうになって元町まで帰ってくると、日没ぎりぎりまでに間に合いそうなバスの時刻にかろうじて雨が上がってくれました。
そこで、光線状態が悪いを覚悟で、天気予報のよれば晴天となる翌日の下見のつもりで、今回の最大の目的地、波浮港に向かいます。

バスに揺られること約30分、島の最南端に位置する、昭和歌謡で名高い波浮港に着きました。
暗くはなってきましたが、まだまだ陽はあり、ISO感度が上げられるR-D1sであれば、お手の物です。

そこで、まず、漁港の最奥部を撮ったのがこの一枚、山あいに抱かれたアーチ型の美しい漁港であることが判ります。
余談ですが、この漁港の形は偶然かも知れませんが、小生の愛する広島県の「鞆の浦」にも似ているのではないかと思いました。

そして二枚目。
漁港での散策を終え、かつては遠洋漁船の大漁入港のたびに栄華を極めたという、波浮の街並みを散策しました。
メインストリートは海と山の間の極めて狭い石畳でどれも二階建て以上の家屋が軒を並べ、往年の栄華を偲ばせる、入念な彫刻の入った手すりや、銅板の精緻な外装が垣間見られたりして数百メートル足らずの道ですが、結構見どころは有ります。

それから三枚目。
メインストリートを歩いていくと、子供達のはしゃぐ声が聞こえてきます。こういう、歴史の止まったかの如き、古い街並みで、子供達の姿を見かけると救われたような気持ちになるのは何故でしょうか。
東京から来た旨伝え、写真一枚撮らして!と頼むと、集まってきてくれて、シャッターを切ったのがこのカット。

続いて四枚目。
翌朝、10時に宿をチェックアウトし、また向かう先は、昨日のリベンジということで、10時45分元町発のバスで一路、波浮港に向かいます。

バスは初日にえらく気を使って、岡田港から元町港まで送ってくれた、女性運転手さんです。
途中、地層が見えるところで、携帯出せば、スピード落してくれるわ、液晶画面見て、首を傾げれば、止まりましょうか?と声かけてくれるわで、また今日も気働き全開でした。
そうこうそうるうち、バスは波浮港に近づき、ふと道路際に目をやると、民家の軒先で、プラスチックの網トレーに干物を広げ、丁寧にひとつひとつ仕舞っていく二人組みの初老男性の姿が見えました。

昨日はあまりシャッターチャンスが無かったので、ここで挽回とばかりに最寄りの停留所で降ろして貰い、先ほど見た民家を探して駆け戻ります。

やっと見つけた作業場で、その男性方に「干してるところ撮らして戴いて宜しいですか?」と声をかけたら、「良いよ」とのお許し。色々話をしながら写真撮ってたら、旨いもの食わして上げるよ、こっちおいで!と事務所に招いて戴いて、何と新鮮な干物、くさやを炭火で焼いて振舞って戴いたのです。しかも、調子こいて、いやぁ、こういう野趣溢れるご馳走には、芋焼酎なんかイイですよねぇ・・・とかすっかり図々しい発言を行ったところ、ほれ、こんなん有るぞ!と松竹梅の純米酒だかの一升瓶を出して戴き、即席飲み会。

すっかり打ち解けて、当工房ブログの宣伝なんかもさせて戴き、帰りには、元町港まで載せていって上げるよという極めて有難いお申し出まで頂戴しました。

時間も押し迫っていたので、ここで一旦お別れして、いよいよ波浮港に向かいます。

まだまだの五枚目。
波浮港の昨日撮り残したところ、光線状態変えて撮りたかったところなど、満足行くまで撮り終え、先ほどの干物・くさや工場の方が、クルマで迎えに来て戴いたので、そのまま、ご好意に甘えてしまい、元町港に送って戴きます。
その途中で、「りす村って行った?」とのことなので、今回は時間なかったので、行ってません、とお答えしたところ、ぢゃ、買物有るから寄るんで、せっかくだから見てけば?とのお申し入れに、またしても甘え、りす村の見物もしてきました。
あまりお待たせするのも申し訳ない気分で一杯だったので、園内数箇所のポイントで的確に写真だけ撮って、後は無料の椿酒とか数杯呑んで、さっさと出てきたのですが、その中でリスの檻の中でりす達と戯れる子供達を撮らせて貰ったのがこのカット。りすってなかなか利巧なので驚いたというのが正直な感想です。

最後の六枚目。
いよいよ、港に着き、周辺など撮っていたら、3時も過ぎ、出航の時間が近づきます。
ホントは自分が乗る船の上から、うるうる目で見送ってくれるあんこさんのお姿でも撮りたいところですが、海上を時速80km/h近くで疾走するジェットフォイルの構造上、船外にはデッキもなく、また窓も開かず、そもそも、水面すれすれの1階客室の真ん中の席らしいので、あんこさんを激写するのは、物理的にムリです。

そこで知恵を働かせたのが、同型船が15分早く出航するので、早めに行って見送るフリして、あんこさんを撮っちゃえばイイということで、話をつけ、何枚か撮らせて貰った一枚がこのカット。
いかにも、「あんこ椿は恋の花・・・お嫁なんかにゃ行かないわ♪、さよ~なら、さよなら、好きになった人♪」ってカンジがイイですよね・・・あれ、なんか違うか???

お後が宜しいようで。

最後にお世話になりました、大島バスの運転手の皆さん、大和館のみなさん、南島館の皆さん、そして、藤文のみなさん、快くモデルになって戴いた大島観光協会のあんこさん、本当に有難うございました。
また、是非、近いうちにお邪魔したいと思います。

テーマ:写真日記 - ジャンル:写真

  1. 2010/02/14(日) 23:53:32|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

精力的に撮影している様子が眼に浮かびます。
4枚目の魚干しの写真がR-D1sですか。
色合いからEktar100かと思いました。

これはAstro-Berlinのレンズのせいか、R-D1sの色づくりのせいか、いずれにせよフィルムと見まごう画像です。

  1. 2010/02/15(月) 00:24:56 |
  2. URL |
  3. netdandy #B7IDXB7Q
  4. [ 編集]

netdandy さん
有難うございます。

いやぁ、面目ない・・・昨日、帰ってきてからドタバタして画像をアップの上、作文したもんですから、4枚目と5枚目の順序をストーリー構成上入れ替えたのに、撮影データの方を変えていませんでした。

ご慧眼の通り、人物2名のべた~っとした写りはいかにもEktar Fillmの特徴です。

しかし、このフロンティアCDの画像が、フジクロームマイスタ中の名手にかかり引伸ばされると、目も眩むような豪奢なプリントになるから不思議なものですね。
  1. 2010/02/15(月) 22:12:53 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

1枚目の写真が良いですね~~~
すっごく抜けが良くてシャープな船たちと
バックの周辺光量の落ち込みから来る暗さが対比されて目をひきつけられます。

あと
全体的にF2クラスのレンズの割には
バックのボケが大きく感じました。
最後のカットなんか32mmですよね・・・
ボケが大きくてオバサン?が引き立ってますよ~~~笑
  1. 2010/02/16(火) 18:51:34 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
さすがイイとこついてきてますね~
かの映像大魔人も、シネレンズの特徴を「浅い被写界深度でのシャープな結像と、滑らかなボケ足」と言ってますから、まさに的確なコメントだと思います。

しかし、残念ながら、いっちゃん下のアンコさんは、評論大ハズレで、実は若干21かそこらの美小姐で、去年のミス椿さんでちょっと見は秋田美人ってカンジです。

なお、この小姐の美麗な顔立ちの判る写真は、写真展用に温存してますんで、続きはフォトゲットの招待状をゲットしてからということで(笑)
  1. 2010/02/16(火) 21:30:05 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こんばんは。
人柄のいい土地への旅は写真とは別に良い思い出になったでしょうね。
写真はやはり1枚目の海面の緻密な表情に引きつけられました。
エクターのコントラストも好きです。
展覧会されるのですね、告知を楽しみにしています。
  1. 2010/02/19(金) 22:53:06 |
  2. URL |
  3. andoodesign #WSWGH/LU
  4. [ 編集]

andoodesignさん
有難うございます。
えへへ、イタリアのローマと較べればだいぶ見劣りしちゃうかも知れませんが、古い日本の心の残滓にでも触れられたような気がした旅で自分では、かなり満足度高かったです。

初日に雨で殆ど撮れなかった分、翌日の出航までの時間が密度濃くて、まさに逆転満塁ホームランみたいな一人旅でした。

ジェットフォイルで1時間45分、その気になれば日帰りも可能な、まさに目と鼻の先にこんな楽園が有ったとは、日本もまだまだ奥が深いですね。
  1. 2010/02/19(金) 23:57:13 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こんばんは。

凪のようなたたずまいに浮かぶ船の、水面描写が秀逸です。かなり現代的なcookeの描写は、最近のレンズにも見られるような高いコントラストの処理が課題そうですが、追随できる性能をどれ程か他のレンズが持っているのか、そんな所が興味深いです。
zeissは、某姫さん所有の、私の現行タイプズミクロンと遠景に付いては殆ど違いの分からない品と違い、近接背景ボケが意外と硬くなかなか個性的です。これはcineタイプの特徴なのでしょうか?各種一眼レフ用との描写違いが、今後の楽しみでもあります。
アストロはやはり可也個性的で、もしかしたら、近接性能重視の物なのかな?と、今回も感じました。派手な色も抑制気配との気配も感じられて、かつてAPO-NIKKOR240mmf9で無理やり等倍以外での撮影を試みた時の感触と似ています。以前に掲載していた「無限遠での島の、幻想的な描写。」とこの貴重なレンズのイメージがだぶり、さらに今回さらなる数枚の画像を拝見するにつけ、まだまだ色々な作例を拝見したい筆頭のレンズであります。

では、本日に控える新作を再び楽しみにお待ちしております。
  1. 2010/02/21(日) 03:25:50 |
  2. URL |
  3. 13 ordre #-
  4. [ 編集]

13ordreさん
有難うございます。
もとよりシャープ且つハイコントラストで発色のハデ目なレンズが好みなので、現代のレンズと似たような傾向があっても、別段気にはなりません。

かの高輪の御大曰く、シネレンズと銀塩スティルレンズの大きな違いは、まず同じ焦点距離でも被写界深度が浅い設計となっており、反対にボケ足はなだらかで、近年のものは特にぐるぐるが出ないよう気をつけた設計になっているそうです。

また発色についても、くすんだ色合いとならないよう、バランスには十分留意しつつ、鮮やかめな発色となるよう赤、緑、蒼の発色には各メーカー自家薬籠中のノウハウに拠った味付けがなされているものと想像します。
  1. 2010/02/22(月) 00:14:24 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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