深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Um paraíso no Mar da China Oriental vol.1

ishigaki_01.jpg
ishigaki_02.jpg
ishigaki_02b.jpg
ishigaki_03.jpg
ishigaki_04.jpg
ishigaki_05.jpg
【撮影データ】カメラ:Leica M8 レンズ:Leitz Elmarit21mmf2.8 ISO Auto 全コマ開放
さて、楽しい三連休もあっという間に終わり、また明日から慌しい一週間が始まろうとしています。
この有閑工房主は金曜から南の楽園、先島諸島の主島、石垣島へとカメラ2台、レンズ6本をお供に一人、撮影旅行に出かけて参りました。

今まで沖縄本島は数え切れないほど行っていますが、石垣島は初めての訪問となります。

何とならば、パック旅行で那覇までは安く取れても、そこから先、オプションで自分で那覇<=>石垣の往復航空券を買おうものなら、パックの料金とほぼ同額が掛かってしまうからでした。

しかし、今回はたまたま運良く、石垣島へ行くチャンスが有ったので、ここぞとばかりに普段なら絶対に撮影旅行になど持ち出さないM8をデジとし、ツァイスイコンZMを銀塩として、レンズも極力双方で互換性を持つものをセレクトして万全の体制で臨んだのでした。

出発は19日の朝8時半という驚異的に早い那覇行きの便で、普段なら一分でも長く寝ていたいぐうたら工房主も、ここぞとばかりに張り切り、何と1時間近く前に羽田入りするという気合いの入りよう。

行きの飛行機はその甲斐も有って、順調に那覇に着いたのですが、ここから先がいけなかった・・・

東京からの便は時間通りに到着しましたが、石垣からの機材延着で、出発が結局20分近く遅れたのです。

それでも、今回は全旅程窓際の席をキープしてあったので、窓から、吸い込まれそうな沖縄の青い海と、時折姿を覗かせる島嶼部周辺の珊瑚礁などを眺めているうちに、機は石垣島に近づき、空港を前に着陸態勢に入ったのですが、20分以上、空港周辺海域を周回し続け、降りる気配が無い・・・そうこうするうちに機内アナウンス、主翼の着陸関連の装置に故障発見したので、宮古島に緊急着陸するか、このまま降りるか機長が判断するので、5分待て、と。

約定の5分は過ぎ、10分も経とうとする頃、機長からのアナウンス・・・機は大事を取って、那覇空港に引き返します。後のことは地上職員が対応します、以上!と。

機内は騒然としましたが、特に強硬クレームつけてくる輩もおらず、機はまた50分近くかけ、那覇に引き返したのでありました。

到着して、一旦、セキュリティエリアを出て、航空会社のカウンターに向かうと、ほぼ一番乗りに近いポジションで受付できたので、15分後に飛ぶ、JTAの便に振り替えが効くと言います。

ホントなら、ここで3時間以上ロスした分を帰りの便を遅らせるかして埋め合わせして貰いたかったところやまやまなのですが、ここでゴネて振り替え便を逃すと元も子も無いので、渋々、大人しくJTAの登場口に向かい、再度、石垣を目指したのでした。

ここで、おかしな現象が起こったのですが、セキュリティのX線透視装置に荷物を通した時、何故か、カメラとレンズのみ入れた小型のバッグだけ、中身を取り出してX線にもう1回かけさせて欲しいと強硬に頼まれ、仕方なくそれに応じたのですが、どうやら、M8がカメラのカッコをしていながら電子機器の塊で検査員が不審に思ったのと、ちょっとガラスが黄色がかっている某シネレンズがX線検査でヘンな蛍光を発したからのようでした。

そうこうして、やっと石垣空港に着き、ここからが今回の旅の始まり始まりです。

まず一枚目。
本来であれば、13時半前には石垣空港に着陸し、2時前には市内徒歩圏での街撮りを開始していた筈なのですが、到着した時点で既に4時を回っており、ホテルにチェックインしたら、日没まで寸暇を惜しんで撮りまくらねばなりません。

地図もそこそこに気の向くままに歩き、これは!と思った建物などを撮りました。

これは、ホテルから北に向かって歩いていたら、たまたま、漆喰塗りの白い壁と入口に植えてある赤い花々のコントラストがキレイだった商家の風景を一枚戴いたものです。

RGBと純白が画面内に程好く配置されており、21mmの広角も目で見たままを誇張無く画面に纏めています。

そして二枚目。
更に北に向かって歩いていくと、大きな時代がかった木造住宅が目に留まりました。
本島の那覇ならいざ知らず、台風銀座で降雨量も並外れて多い石垣で、このような昭和期の本土のような建物が残っているのが珍しくて、21mmの画角を利用して画面一杯に納めた一枚、M8のフレームで当てずっぽで撮ったにしては良く収まったと思います。

それから三枚目。
あてどないカメラ散歩とは申しましたが、やはり気になる目標というものは有るもので、「宮良殿内」という国の重要文化財に指定されている、島役人で士族の屋敷を見ておきたいと思い、道に半分迷うのも楽しみながら、日没までに余裕を残して到着し、入る前に屋敷の周辺を歩き周り、撮影スポットを見つけて撮ったのがこの一枚。

ややマンネリの感は拭えないですが、やはりハイビスカスの花と赤瓦の屋根という構図は心をときめかせるものがあると思います。

続いて四枚目。
その「宮良殿内」の敷地に足を踏み入れ、中を見せて戴くことにしました。
現在でも住居に使われているとのことですが、全然、人の気配がしません。
それでも、根気良く、訪ないを入れると、ふっと湧いたように気配がして、縁側にお年寄りが一名、安楽椅子に腰掛けていました。

看板に書かれた通り、200円を渡し、一名見学したい旨告げると、どうぞ庭にお回りなさいとのお言葉、その途中で母屋の縁側を撮ったのがこの一枚。

夕陽を浴びて、作り物ではない、幾星霜を経た建造物のみが持つ重厚な雰囲気を漂わせる軒先の佇まいを捉えられたと思います。

まだまだの五枚目。
そのご老人は、相当、話相手が欲しかったらしく、ご自分がマレー半島派遣の兵隊に行ってた話しから、敗戦と共に国民がプライドを失うのが一番良くないことなので、生活の不便さを省みず、このような古い屋敷を守っているなどというようなお話を30分近くも滔々と語って戴きました。

その夕陽を浴びて、まどろむように過去を話すご老人のシルエットを一枚戴いたのがこのカット。

輪郭の光り具合いと座敷に伸びる影がイイ按配に南国の日暮れを表していると思います。

最後の六枚目。
今回は、石垣島をベースい最低、2島は写真撮りに行きたいので、日暮れ前に港の様子を斥候しておかねばなりません。
それで、ほどほどのところで、お年寄りに別れを述べ、足早に港に向かいます。
ほぼ陽も暮れかけたところで水平線近くまで落ちてきた夕陽をバックにシルエットと化した連絡線を画面に納めました。
こういう使い方だと、マルチコ-トのエルマリートはフード無しでも、全くフレアやゴーストに悩まされずにM8との組み合わせでも的確に夕陽をバックにした船のシルエットを極めて的確に捉えることが出来ます。

いつもの相棒のR-D1sであれば、AUTOを信頼してそのままシャター切りっ放しで済むのですが、このM8だと、こういう輝度差有る場合、AUTOでのシャッター速度を参考にマニュアルでシャッター速度を落してやれば良いので、慣れれば、それほど失敗することもなくなりました。写真の再トレーニングには良いかもしれませんね。

さて、来週はいよいよ、翌日の島内一周観光+竹富島牛車ツアー等でCine-Xenon28mmf2改MとG.Tachar32mmf2改Mが活躍します。乞うご期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/03/22(月) 23:26:41|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<CMです~写真展のご案内~ | ホーム | A lens good for sunset time~Zeiss Biotar5.8cmf2~ >>

コメント

なかなか落ち着いた、シャドウに強いレンズと拝見し驚きました。先日T光学さんのところで拝見した晴天下の目も眩むような写りとちがい、こちらの方が若干ロウ・コントラストという多少個体差もあるような気さえしました。

(わたしはこういった南国の(暑夏の様な)夕景が好きで、小さい頃夏休みを過ごした田舎での感覚を再現させられ、感傷的な気分をもたらせます。)

ひょっとすると、フルサイズ・ビオゴン35mm2,8位の色付きのとさえ見まごう画面に、エルマリートの開放時・やさしげな感触を得る事が出来ました。

それでも、ちょっと青み掛かっていますか・・・(?)。21mmいっぱいの画面周辺世界には、エルマリート独特の世界が広がっているような予感もします。
  1. 2010/03/23(火) 15:37:51 |
  2. URL |
  3. trezieme ordre #-
  4. [ 編集]

今回は、
日が傾きだした時間帯が
なんか
いつもの南国の写真とは違って
ちょっと物悲しいイメージを感じさせてくれます。

いつもの
チャーリーさんの写真とは
ちょっと違った印象で
新鮮でした。
  1. 2010/03/23(火) 20:05:28 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

trezieme ordre さん
有難うございます。

今回もオールシネレンズで行こうかな、と初めは思ったのですが、50x2、40x2、32、28とシネもしくはスペシャルレンズを揃えたのですが、やはりこの端正な写りを叶える21mmの名玉の魅力には抗えず、カバンに忍ばせ、M8、ZeissIkonの双方で重宝した次第です。

このM8でのカットではあまり判りませんが、今日上がってきたEKTAR100での画像ではやはり青~碧に転んでいるカットもあって、なかなか光線状態が難しいみたいです。

また、フィルムでは周辺落ちがかなりドラスチックに認められ、対称型設計と言われるBiogon21mm f4.5よりも落ちているような印象を受けました。

しかし、このような南国の夕暮れの得も言われぬ雰囲気を映し出すにはもってこいのレンズだと気付かされた次第。
  1. 2010/03/23(火) 22:31:42 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。

画面から物悲しさを感じて戴けましたか・・・

そう、ANAの往便の機体故障で、一名こそ取り留めたものの、那覇に引き返してくれたおかげで、貴重なバカンスの4日間のうち実に晴天で条件良い日の午後の貴重な3時間が一方的かつ無条件に奪われてしまった、やるせなさオーラが画面を覆っているのです(苦笑)

尤もその代替便のJTAで沖縄ローカルと思しき絶世の美人航空服務員嬢と対面することになりましたから、人生、何が幸いするか判らないものです(笑)
  1. 2010/03/23(火) 22:37:36 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/146-22f39881
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる