深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

祝~写真展特集~日本カメラ博物館JCII Club25展示(前編)

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さて、艱難辛苦の果ての写真展、4/27より舞台は遂にアマチュア写真を野球に擬らえば、まさに甲子園にも相当するかの如き、日本カメラ博物館JCII付設Club25のギャラリーに移っての展示開始です。

先の区民ギャラリーが、いけばなも展示すれば、粘土細工も、絵画も写真も何でも空いてりゃ展示出来ます・・・という汎用のものであったのに対し、Club25では当然のことながら、ギャラリーの作りそのものが写真展示専用となっているので、ここでは個々の作品の出来不出来は言うに及ばず、その構成に至るまでごまかしが効きません。壁紙の色具合しかり、煌めくハロゲンのスポットライトしかり・・・

ギャラリーへの個人的感想はさておき、早速、出展作品の解説行ってみます。第一期は沖縄で統一しましたが、今回の第二期は、伊豆大島をメインに関東周辺で固めました。


まず一枚目。
去年の秋の佐原の大祭での一コマです。
秋の短い日が落ちて、露天の明かりが際立つ頃になると、粋でいなせな祭り装束に身を包んだ、いたいけな小々姐達も、きっとこの時のために爪に火を灯して貯めた僅かばかりの奉公先での給金から、飴だの、髪飾りだの買ったりするのでしょう。
明暗差に異常に強いR-D1sは、この心通わすかけがえない一瞬を確実な描写で捉えてくれました。
このサイズではあまり実感ないでしょうが、手前の小々姐の表情とか、髪の毛の一本一本が確実に捉えられていることから、前回の浅草の夜店でのカットを超える難モチーフを軽々とこなしていることが判ります。
レンズはKodak Cine-Ektar40mmf1.6改M、絞り開放 AE のISO800での撮影です。

そして二枚目。
これは、去年の初冬に深大寺に出かけた時のカットで、山門前の茶店街で、なかなか気立ても良い美形の小姐達を雇用して、多くの売上げを上げているお店で、蕎麦を味わった後、彼女たちに因果を含めて撮った一枚です。
普通の素人姑娘であれば、カメラを意識してどこかぎこちない表情になってしまうところですが、ほんの2m程度のところでかなり鬼気迫る表情で瞬間を追っていたのにも関わらず、このごく自然なやりとり・・・きっと役者が上だったのでしょう。或いは本職の劇団員の生活費稼ぎのアルバイトだったりして・・・調布市立ゲゲゲ劇団、とか。
さすがUS-Goertz製のスーパーレンズ、人工光と陽光の際どいミックス条件下でも、雰囲気有る描写を繰り出しています。
カメラは同じくR-D1s、レンズはBausch&Lomb Baltar50mmf1.9、開放 AE、ISO800での撮影です。

それから三枚目。
同じく深大寺からのカットです。しかしながら、こちらのカットの方が確か30分かそこら早かったと記憶しています。
雨上がりの誰も居ない神代植物園内のバラ園のベンチシートをモチーフに空間の広がりを表現すべく、一枚撮ってみたものです。
会場では、イスの質感もさることながら、濡れたアスファルト、散らばった落ち葉の醸し出す既視感みたいなものがなかなか面白いとのお褒めを戴いてました。
カメラは同じくR-D1s、レンズも同じくはBausch&Lomb Baltar50mmf1.9、開放 AE、ISO400での撮影です。

最後の四枚目。
場所はまた変わり、今度は年明けすぐの川越です。
いつもの喜多院、蔵造通り、そして駄菓子屋横丁と巡るうち、ふと横道に在る、ネコ屋敷みたいなものが面白かったので、皆でネコをかまいながら、色々なカットを撮ったうちの一枚。
いかにも遊び疲れて、エサもくれないのに観光客の相手は面倒だにゃ~とか、若干フテくされているような倦怠感が漂うカットになったのではないでしょうか。
この展示作品は賛否両論で、実物のネコ以上に顔周りの解像度が出ていることから、M8とシネレンズのコンビネーションの勝利だという声もあれば、M8で撮ったら、みんなカリカリでおんなじようで面白くないことを証明したに過ぎない一枚ではないか・・・とか。
是非、会場に足をお運びの上、ご自分でも検分して戴きたいです。

来週はClub25展示後編からまた4枚ご紹介致します。
素朴な漁村の労働風景有り、島の気立て良い娘さんとの別れ絵図有り、まず実写例の出ない超レアレンズの作品有り、乞うご期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/05/02(日) 23:00:00|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

今回のシリーズも三回目を迎えましたが、プリントとネットでの描写違いが最大の着眼点になってしまいます。
普段目にしている印刷雑誌等ではなかなか見分けが付かないものの、デジタルプリントとパソコン・モニターでは感覚的に全く違います。
パソコンではポジスライド映写よりも更に物質感が有りませんが、展示は全くの紙というモノそのものです。

更に展示プリントは色調整された一点仕上げというのがなんといっても最大の特徴ですが、つかみ所の無いようなパソコンでの透過光も非常に魅力があるものだとあらためて感じました。

こういった発表メディアでの相違も、観覧時の参考に成るとこの三回で思い至りました。
  1. 2010/05/04(火) 22:11:18 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。

実は、今日、帰り便の前のラストスパートで、首里城裏の住宅地で、子供達の遊び相手を務めながら、ふとリーダー格の子供に「ところで、おっちゃん、何でカメラを2台もぶらさげとんの?」と聞かれ、「あ
これね、1台はデジタル、もう一台はフィルムなんよ」と答えたところ、小学校低学年と思しき子供達が一斉に「フィルムってな~に!?」と合唱したのには驚きました。

思うに、或る世代から写真が写真でなく、初めから終わりまで画像になってしまっていて、それは紙の上でなく、ヘタすると撮ったデジカメの2インチ程度の液晶モニタで見て、あとはメモリ内に死蔵、良くて家のノートPCのモニタか、多機能液晶TVで、必要な時だけ映して鑑賞する・・・こういう楽しみ方がスタンダードになりつつ有るのかも知れません。

そういった危機感を抱きながら、今回も秋の写真展?向けに36枚撮りフィルムで6本ばかし撮影しました。

ホントはフィルムって何!?と素朴なギモンを発した無垢な子供達を半蔵門の会場まで連れてきて上げて、実物の半切プリント群を前に、フィルムでもデジタルでもこういう風に大きな写真を撮れるんだ、でもフィルムは百年でも残るけど、デジタルはデータが消えたり、今の電子フォーマットが廃れちゃったら二度と再生出来なくなっちゃうんだよ・・・と現物を前に教えて上げたいと思いました。
  1. 2010/05/06(木) 00:01:05 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
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お勤め?ご苦労様です♪

私も、連休中は写真撮影に勤しんでましたが
コレ!!っていう写真が撮れなかったので
ちょっと落ち込んでます・・・・(^_^;)
(まあ、いつものことですが)

そういえば
私も、Cさんとは内容は違いますが
子供たちとのエピソードがありましたよ。

私が、ニコンのD2にシグマの50mmF1.4と
ライカM3にヘキサノンをぶら下げていたら
子供から
重そうなカメラだね~~~
って言われて、持たせてみたら
ライカのほうが重いって言ってくれました・・・・

正直、ニコンのほうが重いのですが
ライカというか歴史の重みを感じてくれたようで
密かに感動してしまいました・・・・

まあ
形が小さいという、目で見た感覚もありますが
金属と石の塊の機械の素晴らしさを
後世に伝えなきゃならないんじゃないかと
密かに思ってしまいましたよ~~~~
  1. 2010/05/06(木) 20:23:45 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
今日、写真展勤番から戻り、ヨーカ堂のコイデでネガとCD焼を受け取ってきて、仕上がりを見ていたところです。

沖縄の子供達って、ホント、飾らずイイ表情してましたね。

それはそうと、ライカの重みを感じる子供って、かなり将来が楽しみな大物かも知れませんよ。

人が重みを感じるのって、実際の質量(絶対値)だけではなく、質量のバランス、大きさ当りの重み、そして外観色々な要素に撹乱されがちですから、見るからに立派そうなヘキサノンとクロームも精悍なライカは金属の塊=重量物、かたやD2Xは大きいがプラいたいな金属みたいなカンジで、視覚、触覚から感じられた、ずっしり感でライカに負けてしまったのでしょう。
  1. 2010/05/06(木) 22:04:18 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

本日骨棘の痛み止めの注射を打った足で、キタムラに秋の写真展向けのフィルム撮影分を現像に出してきました。

エクターって時間かかるんですね。
キタムラはコダック純正仕上げオンリーなんで一週間かかるそうです。

いっそ、プロ400かスペリアプレミアム400にしようか悩み中です。
あれだとC41で1時間程度で仕上げてくれますし。

ところで、TVモニターで見る分にはコンデジもデジ1眼も一般人にはあまり差異はないような感じです。
プリントしないと違いが見えないなら、いっそ展示用のモニターを用意してスライドショー的に見せるってのも手法としてはアリなのでしょうね。

やりたくはないですが(笑)

3年分の写真データを一瞬で消失した自分としてはやはりフィルムに勝る記録映像なし、のスタンスです。

あとはコダクローム並に保存性能が高ければなあ…。子どもに記録ごと引き継げるのに。
  1. 2010/05/09(日) 02:08:25 |
  2. URL |
  3. 無芸大食 #u2sgJuXo
  4. [ 編集]

無芸大食さん
ありがとうございます。

キタムラや、ビックカメラでは、Ektar100を見た途端、問答無用で純正仕上げを迫るようですが、或る筋の情報によれば、フジのC-41相当処理でも、液温、液のイオン濃度(≒汚れ具合)をキチンと管理して現像すれば、純正仕上げとも区別出来ないくらいの上がりにはなるようです。

ま、保存性については、外式現像のコダクロームが優れていることが、奇しくも「本土人の見た沖縄」写真展で証明されたようですが、ただ、カビや、湿度、そして紫外線にさえ気をつけてやれば、並みのネガでも、フロンティアのような電子補整機能のついた出力機で、全く違和感無いプリントが出せるとのことですから、多少の退色など気にする必要など無いようです。

これに対し、透明樹脂に吸湿性があるCDやDVD、地磁気でデータが減衰していく磁器メディア、そして、フォーマットが変わったり、メディア自体が脆い上、そのインターフェイスが廃れたらデータを取り出せなくなってしまう、デジタル式記録の方が怖いですね。
  1. 2010/05/09(日) 23:07:14 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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