深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

A return of Oscillo Raptar by Ektar100

raptar_E_01.jpg
raptar_E_02.jpg
raptar_E_03.jpg
raptar_E_04.jpg
raptar_E_05.jpg
【撮影データ】カメラ Zeiss Ikon ZM ISO100 露出補整0 Kodak Ektar100 全コマ開放
さて、思ったよりソフトだ、とか、地球の裏側で公開された玉の方がシャープで別物みたいだ、とか、解像力番長を自認する工房主人としては、あまり嬉しくない賛辞もちらほら聞こえますし、一日平均100アクセス近くあるのに拍手もないことから、満を持しての臨時更新、お気にのEktar100での作例もババァーンと大公開です。

まず一枚目。
これは竹富島での八重山諸島海開きセレモニーの前日、ロケハンがてら、牛車に乗った際、竹富島観光(有)さんのヤードにて、スタンバイ状態の牛車と三線奏車兼御者のおじさんが居たので一枚撮らして貰った図です。
ここでも、被写体は日陰とは言え周りは日光を反射しまくら千代子状態の白い砂ですから、当然フレアは出ます。
しかし、水牛の毛のディテールの描写を見れば、こちらも只ならぬ解像力を秘めていることが判るのではないでしょうか。

そして二枚目。
牛車待合室兼土産物売店の入口に飾ってある、子どもの手慰みが如き素朴なシーサー像です。
ここでは、日なたで結構照り返しも強かったのですが、被写体の反射率特性によるものか、あまりフレアっぽくならず、テラコッタの地肌のテクスチャを良く捉えています。
おっと、何故か後ろで立ち木が渦を巻いてしまったようです・・・これは想定外でした。

それから三枚目。
一旦、牛車で集落を巡り、撮影スポットの見当をつけてから、再度、徒歩で回ります。
その中で、萬古焼とも信楽焼とも見えるような不思議な造型のシーサーが門扉を守っていたので、ここで一枚戴き。
ここでは、午後の強い陽光を浴び、陶器の光る地肌は燦燦と輝いていましたが、輪郭も色も驚くほど忠実、いや、肉眼で見えていた以上にくっきりと捉えていました。
背後はシネレンズとは異なり、印象派の油彩並みにデフォルメされてしまっています。

まだまだの四枚目。
またしてもシーサーかよ、と呆れられるかも知れませんが、カラフルなシーサーを塀のあちこちに並べた陽気な、観光客相手のレストランが有ったので、その中で一番ハデなシーサーに「ハィ、チーズ!」
ここでもかなり強い陽光を浴び、デジタルなら色がふっ飛びそうなシチュエーションでしたが、それでもEktar100は元々の配色のみならず、南の島の雰囲気まで写し撮ったかのような艶やかな発色で描写しています。
前ボケのハイビスカスも、ローライディスタゴン35mmf1.4には遠く及ばずとも、決して悪くはないカンジです。

最後の五枚目。
島内を徒歩で徘徊していると色々なシーンに出くわしますが、小生の沖縄での三大モチーフのうちのひとつ、井戸が有りました。
しかも鋳鉄が強い潮風でイイ按配に錆び出している上、「この水は飲めません」などと生活臭プンプンの手書札まで付いている!
こりゃ、撮るしかねぇ!と意気揚々と撮ったのがこのカットで、井戸本体はかなりシャープに写っていますが、背景はやはりここでも、印象派の絵画の如く、樹木がぐるんぐるんに回り出しています。

へへへ、来月中旬も沖縄行きますから、当初、スタメンに入れていなかったこのレンズ、また持ち出しましょうかねぇ・・・

では、日曜日のレギュラー更新をお楽しみに。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/06/30(水) 23:46:19|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
<<管家看到 another story~Cooke KInetal12.5mmT2 mod.M~ | ホーム | A lens with melancholic histories~Oscillo Raptar51mmf1.5 mod.M~>>

コメント

やはり
出し惜しみして、先を越されたのが
一番の敗因かも・・・・笑

私の意見は、あてにならないので
ここはゴルゴさんに辛口評価をお願いするしかないですね~~~~笑

ところで
エゲレスの方のレンズと銅鏡デザインが違ってますが
みんな同じでは無いのでしょうかね?
出所が同じってことは
実は、妖しい量産レンズだったりして・・・・笑
(日本にもF1.3のレンズもありますしね)

私が借りたときは、パナのG-1でしたが
解像度は高かったですね。


ちなみに
今回の写真ですが
ネタ好きの私としては、2枚目を応援したいのですが・・・
やはり
1枚目ですかね~~~~~素晴らしいと思うのは・・・(^_^;)
  1. 2010/07/01(木) 20:09:14 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
ははは、やっぱ、出し惜しみはいけませんかねぇ・・・
ただ、無償社会奉仕のひとつであるブログでの成果発表は、個人的な趣味が強く反映されてしかりだと思いましたが・・・笑

とまぁ、冗談はさておき、エンゲレスのレンズと江戸町のレンズとは、2つの大きな相違点があります。
まず一つ目は、某MSヘリコイドを使用する都合上、レンズヘッドのどこかを持って回転させなければならないので、一番無害と思われる前玉ハウジングの周りにゴムのローレット巻いていて、クロームメッキ剥き出しの深川製品とは一番目立つところが異なるのと、そもそものマウント&ヘイコイドユニットのカタチが深川と某MSと異なるというところでしょう・・・
あ、あと銘板の刻印もちょっこし違ってますね(苦笑)
  1. 2010/07/01(木) 22:57:33 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こんばんは


結局わたしは『D』で始まる番記をもつ個体と『C』で始まる個体は(わたしが所有するのもそれですが)、違う描写と考えましたが・・・。

(GHー1で見たわたし所有の『C』印象は、開放ではピントの外れた部分がフレアーっぽい前回砂浜での画像と似ています。ピントの合った部分のシャープさは見事なものです。わたしは室内で本棚撮影・1,5mから2m位の近接なので実際なんとも言えませんが、f2まで絞るとピント範囲のフレアーボケが全く無くなりました。)

撮影時の個性なのか、今回は非常に悩んでいます。できればNさん所有も比較したいものです。

(今回はレンズ個体差異への「興味」に終始して、失礼しました。)
  1. 2010/07/02(金) 00:53:25 |
  2. URL |
  3. trezieme ordre  #-
  4. [ 編集]

こんにちは。しばらくネットのない世界で仕事しておりましたので、Raptarが登場していることも知らず、コメントもさせていただけませんで失礼しました。今月中には本帰国する予定でして、引越しなどでまたしばらく更新なども滞りそうです。
Raptarの個体差は興味深いですね。コマ収差の出方や非点収差と思われる背景の木の枝の流れ方などは基本的に同じレンズ構成だと信じさせるものですが、後方ボケの個々の形やフレア成分を考えると、球面補正の程度が異なっているようにも感じます。まさにoldlens趣味の最も面白いところですね。他の同型のレンズの作例が見られるとさらに興味がそそられます。
  1. 2010/07/02(金) 15:00:04 |
  2. URL |
  3. kinoplasmat #lpavF/Xw
  4. [ 編集]

trezieme ordre さん
有難うございます。
小生のものも含めて、仲間内には5本の51mmf1.5があります。しかも、故人で2本も保有しているのが居たりして・・・

ただ、このレンズの距離計連動改造は、アリレンズの比ではなく、ボディ側Mマウントの座面から3mmそこそこしかないところに41mmという開口部より大きなレンズのお尻が来るわけですから、連動カム敷設お難しさは推して知るべしと思います。

従って、ライブビューでAPS-Cの撮像素子を持つNEXシリーズの互換マウント化したものを作り、これで仲間内の5本のお味見をすればイイんぢゃないかと思っています、後は大日本農園中原園芸場工作室の水母工長さんの頑張り次第です(苦笑)
  1. 2010/07/02(金) 23:48:09 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

kinoplasmat さん
有難うございます。お待ち申し上げておりました。
実はこのレンズ、手に入れたのはもう2年近く前でしたが、フランジバックの短さと鏡胴底部の太さにめげて、なかなか距離計連動改造が出来ないまま、一年半近くの時が過ぎ、船橋の名人に改造一番乗りの栄誉を越されてしまったという次第です(汗)

確かに貴サイトでご紹介されているものの方が、すっきりと線が細く写っていますし、発色のコントラストも僅かに高いカンジで、どちらかというと解像力番長の小生は、とり換えっこしたいような衝動にも駆られます(汗)
でも、自分で汗水垂らして作ったレンズですから・・・

帰国されるころには、距離計連動とはいかなくとも、Eマウント機であれば、仲間内の個体全てが試写出来るよう、うちの若いモンに因果含めておこうと思ってますから、どうぞお楽しみに・・・
  1. 2010/07/02(金) 23:54:59 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/164-655546e6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる