深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

心の旅~うちなーI

okinawa_001.jpg
okinawa_002.jpg
okinawa_003.jpg
okinawa_004.jpg
okinawa_005.jpg
okinawa_006.jpg
【撮影データ】カメラ:Leica M8 レンズ:1,2枚目;Cine-Xenon28mmf2改M、3,4,5,6枚目;Uncetified Super lens35mmf2.3改M、全カット開放撮影
先週末はふらっと海を超え、琉球の国まで遊びに出かけてしまっていたので、日曜日の定例更新をさぼってしまいました。お楽しみにされていた方々には深くお詫びを申し上げます。

さて、予告通り、今日、水曜日にまずは前半戦としてM8で撮影した、北谷町美浜、そして名護市の旧市街、そして、那覇で最も心休まる場所のうち、壺屋からの写真とレポートをお送り致します。

今回は、着いた当日にまずホテルのチェックインもそこそこに荷物置いて、珍しく旅写真の相棒に選んだM8といつもの頼りになるZeissIkonZMをカバンに詰めたまま、目の前の勝手知ったるバスターミナルから郊外バスに飛び乗り、1時間弱の北谷町美浜のアメリカンヴィレッジを訪れました。ここからが冒険談の始まり、始まり・・・

まず一枚目。
この日は憎たらしいほどのピーカンで、気温も高く、更には金曜の一番暑い時間だったこともあり、老若男女世界の人種が溢れるここ美浜のアメリカンヴィレッジも、人っ子一人居ないとは言わないまでも、閑古鳥が鳴きながら屋根の上で焼鳥になってしまうような状況でした。
そこで仕方なく、この頃練習を始めた、人を入れないで街角のオブジェだけでスナップ作画する手法で一枚二枚。
その中で一番夏らしい雰囲気が伝わってきそうなのがこの一枚です。
「ごらんあれが竜飛岬、北のはずれと、見知らぬ人が指を指す・・・」という最果ての地に一人旅を敢行された向きには申し訳ないですが、こちらでは夏真っ盛りです。

そして二枚目。
アメリカンヴィレッジでは暑い中、待てど暮らせど、フォトヂェニックで、しかも気安くモデルになってくれそうな気の良いヂモティの若者はやって来ません。
そこで、あまり気乗りはしませんでしたが、すぐ目の前のビーチに向かいます。
やはり、そこでも人もまばらで、え、ホントこれが夏の海???てなカンジの惨憺たる按配で、目の前にはただただ白い砂浜と蒼い空が広がるのみです。
仕方ないので、去年、八頭身の美少女に出会った思い出に浸りながら、極めて趣味悪い色に塗られた海浜安全監視員席をヤケ気味に乱写です。

それから三枚目。
北谷町美浜での不発に終わったスナップに心痛めながら、夜は旨い沖縄料理と銘酒「泡波」なんか舐め、ぐっすり爆睡、翌朝はまた気を取り直して、また目の前のバスターミナルから高速バスに乗り、一路、名護市を目指しました。
名護市自体は「美ら海水族館」に2回、今帰仁城に1回行ったことが有って、その際通っていますから、土地勘はないワケでなく、バスもスムーズに乗れ、目的地の名護バスターミナルに着いたは良いですが、ここでも、着いたはイイが暑さで誰も歩いていない、仕方なくバスターミナルに戻り、恐る恐る、団扇で涼をとる運転手さんらしき人物にプリントアウトして肌身離さず持ち歩いていた汗まみれの地図を示し、「津嘉山酒造所ってここからどう行けば宜しいか?」とお伺いを立てたところ、この運転手さん、那覇から車飛ばして来て、ちょうど休んでいるところを東京からの物好きな旅人に捕まってしまったという、世にも不幸な役回りで、仕方なく、事務所に入って行って、小生は外で茫然と待つこと暫し。
ほどなく事務所内に招き入れられ、ヂモティと思しき、妙齢の女子事務員サンに「あ、ここ、バスターミナルからは結構遠いです、この季節歩くと30分以上掛かるし、間違いなく日射病になるからやめた方がイイです・・・3番乗り場からバス乗ってって下さい、急ぐなら門前のタクシーも有りますし。」と事務的ながらも、旅人の健康と自社の売り上げにまで心を配るご発言。
しかし、腹減っていたので、ターミナル前の食堂でメシ喰ってる間にバスは旅立ってしまったため、仕方なく、タクシーで津嘉山酒造所に連れて行って貰ったのでした。
着いてみると、朝、出かける前に電話で、敷地の中に入って、建物を仔細に検分し、容赦無く写真撮影するから宜しいな!?とお伺いを立てていたにも関わらず、酒造所のゲスト担当と思しき30代半ばの饒舌な兄さんは、如何にも内地から来ましたというカンジの従順で気の良さそうな熟年夫妻にマシンガンセールストークを浴びせるのに余念なく、小生は最初から最後まで徹頭徹尾、一人で快く撮影が出来たのでした。この場を借りて心より御礼を申し上げます。

続いて四枚目。
デジとフィルムで合せて40枚近くも撮ったら、飽きて来て、高い交通費払って、何やってんだろう?てな自己嫌悪の感も心の奥底で夏の入道雲の如くむくむくと沸き起こり、せめてバス代の幾らかは取り返してやろうと、撮影協力の御礼もそこそこに付近を散策しつつ、これはと思う景色にシャッターを切ったのでした。
しかし、暑くて人が殆ど居ないのと、赤瓦の家が殆ど無い・・・そう、沖縄の住宅近代化の要、コンクリート瓦はここ名護市が発祥の地なので、古い家屋はだいたい、灰色のコンクリート瓦、リニューアルしている家も、その上に石灰の白を上塗りしているくらいなのでした。
ガイドブックを読みながら半ば落胆し、あぁ、こんなことなら出掛ける前にもちっと本読むべきだった・・・とかやや後悔しながら、何気なく路地を通り抜けた先に有りました、有りました赤瓦と薄いコーラルピンクに木部を塗った、戦後すぐのタイプの住宅が・・・
思わず嬉しくなってシャッターを切ろうとしましたが、んんん、待てよ、このタイプの住宅なら、那覇探せば、何処だってそこそこ在るぢゃないか!ってことで、その前に咲く、南方の美しい花に主役を譲り、背景として脇役に回って貰ったカットでした。

まだまだの五枚目。
その後、バス停の在る名護市庁舎まで歩いて移動途中に面白い家々を撮ったり、また、偶然、市庁舎の外部階段経由、最上階のテラスまで登れることが判り、各階でシーサー達を青空をバックの撮ったり、モデルさんが居なければ、居ないなりに適当に撮影し、ほどなくやって来たバスに飛び乗り、那覇に戻りましたが、まだ陽は高い時刻に戻れたので、そのまま、バスターミナルからモノレール旭橋まで歩き、牧志まで乗って、壺屋の街を訪問することとしたのです。
その牧志駅から壺屋の街の入口まで歩く途中、交差点で如何にも沖縄の美男美女高校生という感ありありのカップル?に遭遇したので、アイコンタクトの上、横断歩道ですれ違いざまに撮った一枚。
M8の小さなモニターで、撮った直後チェックした時は気が付かなかったですが、男の子の方は明らかにカメラ目線になってしまってました。

最後の六枚目。
姫百合橋の大通りから壺屋の通りに入ると、いたいけな高校生くらいのローティーンの小姐達が珍しく内地風の着物を着て、通りを闊歩していました。
上手くすれば、盆踊り大会、いや花火大会?で大量の浴衣小姐がたむろする場所に連れてって貰えるかも知れない♪という下心剥き出しで、結局、国際通りの入口までふらふらとついてっちゃったんですが、その途中、如何にも壺屋でござぃってところをご一行サマが通りかかったので、そこで慌ててシャッター切ったのがこの一枚。
殆ど目測、開放で撮ったにしては、そこそこ見られる、雰囲気有るカットになったのでは、と秘かに満足した一枚なのでありました。

今回の3~6枚目までは、工房の新作レンズのシェイクダウンだったので、正式発表はもう少し後になりますが、何れにせよ、期待以上の描写性能でした。

この続きはまた日曜日の夜にお送り致します。乞うご期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2010/07/21(水) 23:41:16|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
<<心の旅~うちなーII~Thanks for your hearty smiles! | ホーム | 第二回出張撮影~本郷裏通りの青春~>>

コメント

長旅ご苦労様です♪

私のほうは、暑さを避けて北に向かいましたが
竜飛岬での気温が32度・・・・・
なんか異常気象ですよ~~~~~

今回の新レンズは
なかなかボケが素敵ですね♪
(結構くせがありそうですね)

逆光では、ちょっと弱そうですが
発色はクセノンより綺麗な感じで
爽やかなイメージの写真になってます♪

でも熱そうですね・・・沖縄は・・・・・(^_^;)
  1. 2010/07/22(木) 20:41:57 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

暑中お見舞い申し上げます。

これだけ暑いのに、TVニュースキャスターはネクタイに背広。
今回の記事も沖縄という事で、自室以外エアコンを使用しない我が家では、もう限界に近い環境です。Yさんのおっしゃるように、今日の夏気候はもう普通の環境下といえないかもしれません。(エアコンに慣らされれば、関係ないと言えるかもしれませんが。)


でも、意外と人物の居ない沖縄の風景は涼しそうで、冷寒調のシネ・クセノンが功をもたらせたのか、一時の涼風を呼ぶ様です。

わたしには、4枚目以降が他種のレンズかと思いましたが、全体にアンダー気味が涼しさを誘っているかもしれません。

ともあれ、こんな環境下でのしかも南国の撮影とは、頭の下がる思いです。それでも微妙な沖縄という地域差がきものの柄に出ていないかとか、街中に新たな地域風向の兆しが出没していないかなんて、撮影画面からでも探してしまいますね。そんな貴重な現地の姿を捉えています。
海辺のリゾートマンション(?)も、まだまだシーズン前といった所でしょうか。

更に暑さを迎え、混雑の沖縄のちょっとした賑わいも楽しいかもしれませんね。
  1. 2010/07/23(金) 00:18:06 |
  2. URL |
  3. 13 ordre #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
そうですか、暑さを逃れて北へ非難し、辿り着いた先の竜飛岬で32度の高温に見舞われてしまったのですね・・・
確かに沖縄といえば、イメージ的に暑そうで、実際、気温的には高いものがありますが、初めから暑いのを覚悟して行った先で暑いのと、そうでないのでは、同じような気温でも、精神的ダメージが違い過ぎますよね(汗)

今回のレンズの弱点、よくぞ見破られましたね、このレンズ、4群6枚のオーピック型と思しき構成のクセに全面ノーコートなのです。

従って、カラーバランスは極めて素直ですが、逆光気味になった途端、フレアとコントラスト急低下に悩まされることになるのです。

今回は市街地メインだったから良かったものの、これが、前回や、前々回の沖縄訪問のように浜辺のシーンが有ったら、一発でアラが目立ったところです。

でも、わざわざ、お金出して、研磨・再コートして、極限まで性能上げてバシバシ使いたいか?

やはりそうはしないでしょうね・・・このレンズは長所と短所を良くわきまえた上で使えば、シャープネス、発色共に素晴らしいレンズなので、ずっとこのまま大事に使い続けようと思っています。
  1. 2010/07/24(土) 15:45:21 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

13 ordreさん
有難うございます。
それにしても、都内で今の時期、エアコン無しで生活出来ていたとは、相当恵まれた住環境ではないのか???と思わず羨んだりしてしまいます。
こちら深川では、おとといの朝など、前の晩にエアコンを除湿モードにかけて就寝したら、5時に暑くて目が覚め、エアコンの室温表示見たら28度、仕方なく、強冷モードに切り替え、再度寝ても、目覚ましで目が覚めた7時には、寝巻きが寝汗でびっしょり・・・という惨憺たる状態でした。

それはそうと、那覇あたりでも、近頃、東京も暑くて大変ですね・・・などという話しになって、更に実家があの、館林、伊勢崎、熊谷を結んだ中央付近、などということを告白でもしようものなら、親切な那覇の人々からは心の底から同情されてしまったりします。

閑話休題。
今回、やはり新鮮な発見だと思ったのは、内地の女の子と同じような浴衣を着て、那覇のロコ娘達がいそいそと夏祭りか、花火に連れ立って出掛ける、ということです。
それが、お気に入りの壷屋の井戸前を通り掛かったので、後ろからパチリ、と食いついたわけです。

那覇に限らず、沖縄は8月の全島エィサーの時期以外は実はオフシーズンなのですね、本土から来る客相手の観光バスもヒマになるので、腕利き熟練のバスガイドの姐さん各位は、北海道の観光バスにアルバイトに派遣されてしまうとか。

名護でカメラ2台提げ、フラフラと陽炎の中、歩いていて、これもまた閑古鳥の啼いている商店街でヒマそうにしていたご主人と思しき男性に声掛けられましたが、こんな時期に屋外を帽子も被らず、フラフラ歩き回るのは、事情を知らない内地からのビギナー観光客なのだと。
現地の人々は家でエアコンかけてテレビで甲子園でも見ながら涼んで、夕方にならなきゃ出てこないよ・・・てなことでした。

そう、もう10回近く沖縄通いましたが、そもそも、夏はハイシーズンだと思って避けてきたきらいがあり、今回、休みのスケジュールと旅行代に安さに釣られてふらっと訪問したら、あにはからんや、やっぱり暑くて、ゴーストタウンもかくやあらん・・・てな街の風景を撮るしかなかった、という次第です。

しかし、次回の更新では、見事巻き返しやります、乞うご期待。
  1. 2010/07/24(土) 16:10:07 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/167-bf73f4b9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる