深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Componon50mmf3.5改L39

compo1a.jpg
このレンズは、ドイツが世界に誇ったレンズ専業メーカー両雄の一方、シュナイダークロイツナッハ社が引伸用のシリーズで出していたコンポノンの50mmf3.5のものを、当工房で距離計連動化すべくL39のヘリコイド&マウントを結合させたものです。

このレンズも3群4枚とありますから、おそらくテッサータイプか、或いは正反対のエレメント配置を含めたテッサータイプの一種だと思います。

この時代のレンズは実性能もさることながら、モノとしての質感とか、威厳みたいなものもマーケッティングの大きな要素だったらしく、昨今のガラス繊維強化プラの各社共通の引伸レンズの鏡胴とは全く違い、真鍮削り出しにクロームメッキ、そして艶消しエナメルの焼付塗装という手の込んだ作りで重さもずっしりと重く、何かかけがえのない宝物を掌中に収めているような錯覚さえ覚えます。

こういったところは、もう一方の雄、ローデンシュトックの古いレンズや、海峡を越えたテーラーホブソン、そして米国のヲーレンザックなどにも共通していると思います。

このレンズは電子湾でかなり安く買えたのですが、それもその筈、引伸機に装着するためのネジが主流のL39スクリューではなく、34φ以下の変わったスクリューで自分でアタッチメント用意しなければならないし、撮像用に改造するにも、中途半端なネジは市販のパーツが流用できないため、結構面倒ですから・・・

ただ、肝心の写りの方はどうかと問われると、やはり、かならずしも有能な引伸レンズが魅力的な撮像レンズに化けるとは限らず、同時にテストしたELニッコール50mmf2.8改Sと較べたら、発色のヌケ、シャープネス、コントラスト、全てにおいてベタ負け・・・唯一光るところがあったのが、画面全体の均質性とニコンでは、そのシャープさゆえ、後ろボケが時として2線ボケ気味で煩くなるところ、被写体から遠ざかるごとになだらかに像が溶けていくカンジのまぁ心地良いボケになったことですか。

出来の悪い子ほど可愛いとはよく言いますが、ELニッコール、ローデンのロゴナーS、ロダゴン、そして最新改造のアポロダゴン、ミノルタのCEロッコールと一癖も二癖も有る改造異能レンズ達に囲まれて、この古風な宝玉がどんなシチュエーションで才能を発揮するのか、思いを巡らせています。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/02/03(日) 22:13:01|
  2. その他Lマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
<<ラテンのエスプリ~Foca Universel RC | ホーム | たおやかなる美意識の結晶~S-Micro Nikkor 5cmf2.5>>

コメント

美しい外観ですね。
控えめなローレットが3段になっていて、真ん中が絞りリングになっているのでしょう、絞り表示と合わせて使い勝手もかなり良さそうです。
写りは魅力的ではないとおっしゃってますが、比較する相手が相手なので、並みの50mmF3.5と比べればずっとよかったりするのでしょうね。
これだったら最愛の1本になるだろうと、誰もが納得します。
  1. 2008/02/08(金) 22:52:27 |
  2. URL |
  3. 中将姫光学 #sKWz4NQw
  4. [ 編集]

中将姫光学さん
コメント有難うございます。
そーですね、普段からヘンなレンズばっか使っていると、ノーマルっぽいクラシックレンズがしょぼく見えてしまうのかも知れませんね(笑)
しかし、仲間も同じウィルス感染しているらしく、El-Nikkorと較べれば、とか、Rodagonよりは云々と比較の基準がまともではなくなってしまっています。
まぁ、モノとして好きかキライかと申せば、重い精密感のあるものはカメラであれ、レンズであれ、腕時計で好みの範疇ですから、好きの部類なんでしょうね。
  1. 2008/02/09(土) 00:12:21 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/17-bce8f2ec
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる