深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

おまけ~進駐軍基地の夏~

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【撮影データ】カメラ:Zeiss Ikon ZM フィルム:Kodak Ektar100 露出+1/3 全コマ開放
はてさて、今週末の更新はお休みですなどと言っておきながら、突然の座間基地編のおまけです。
何とならば、前々回の鎌倉にて非現実的な発色を売り物とする?SOLARISフィルムでBALTAR35mmf2.3の作例を出してしまったので、ホントこのレンズ大丈夫かいな???などと他人事ながら、多大なご心配をして頂く方々も少なからず居られたため、やはり基準となるEKTAR100でのものも掲載しないとフェアではない、と思い掲載するに至った次第。

本レンズの驚異の外観、能書きその他は夏休みが終わり、ほとぼりが醒めた頃、じっくりやりますが、今回は基地内の夏の休日湯のレポートということで。

まず一枚目。
ゲートをくぐり、右手方向に進むと子供達のための即席ミニ遊園地みたいなものが出来ていました。
そこでは、鉄製のレールを引いたミニ蒸気機関車やら、エアドームみたいなものが有って、子供達は結構器用に楽しげに遊んでいます。
いつも思うのですが、基地住宅に寝起きする進駐軍子弟の外国籍の子供も、付近の民間人の日本人子女も、ふだん見慣れない遊具で実に上手い具合に適応して楽しんでいるのは不思議なもので、もしかすると、想像力や適応性、そして思考の柔軟性のようなものは、子供時分は人種・民族に関わり無くかなり高いレベル持っていて、それが大人になって喪失される過程で、国家や民族、宗教といった社会的システムの中でその喪失のレベル、即ち残留歩留りが異なるのでは?ということです。
とまぁ、くだならんことを考え込む大人を尻目に子供達は楽しく、良く遊びます。
やはりこのレンズ、135判だと、若干周辺がブラックアウトするようですが、落ち方のグラデーションが自然でイイカンジではないでしょうか。

そして二枚目。
ミニ蒸気機関車の隣にはコンプレッサで空気を送り込んで屹立し、偉容を聳え立たす恐竜アトラクションがありました。
こんなのはまず日本では見たことがないです。
大きさといい、背中のフィンみたいなパーツの間の滑り台みたいなのを潜って遊ぶのですが、全身のテクスチャがCGを精緻にプリントしたような加工になっていて、日本のマンガみたいにデフォルメしたものとは、かなり異なる迫真の外観です。
その恐ろしげな口の中に自ら飛び込もうとしている、いたいけな地域住民の子女の姿を偶然捉えたものです。
尤も、この恐竜はかなりリアルな造作たっだのですが、ここには写っていませんが、隣の忍者屋敷は???てなカンジで屋根正面左手に佇む忍者など、色はパステルカラーだし、かたちは上下方向に伸びきった肥満ヒトデみたいだし、アメリカ人の脳内博物誌の構造を垣間見た気分になりました。

それから三枚目。
いつまでも、子供の遊び場でイイ年こいた大人達だけがぼぉっとしているワケにもいかないので、Tご夫妻に案内を乞い、この手の開放デーの定番の基地従業員手ずからの調理によるバーベキュー広場へと向かいます。

すると居ました、居ました、国内でも、いや、米国だった一般の民間人のバーベキュー大会では見かけることがまずない、巨大バーベキューロースター前で黙々と重筋熱労働を続ける基地従業員達の姿が・・・
このグリルは素材が違うのか、或いは焼き方が熟練しているのか判りませんが、脂と煤を含んだ、少なくとも撮影機器には有害な煤煙をそれほど上げてはいませんでしたが、中には物凄いのが有って、花火の時刻まで、もうもうと煙を上げ、すぐ隣の樹木の害虫燻蒸でもやってんぢゃね!?ってのが有ったくらい。

さすがノーコートのレンズ、こういう日陰メインの構図だと途端にコントラストが上がり、画面が締まります。

続いての四枚目
バーベキューなんかやっている飲食露店ストリートを暫く進むと、右手のちょっこし開けた芝生の広場に、な、なんと兵員輸送用のヘリコが鎮座ましましている。

いやはや、驚きました。
来る前の説明では、実戦部隊の居ない基地ということで、そういった兵器、武具の類いは全く期待していなかったのですが、なんと、かのF・コッポラ監督の名作「地獄の黙示録」で登場したのと、素人目には区別が付かないような立派なヘリコが鎮座し、その周囲を親子連れがおっかなびっくり取り囲み、いかにも気の良さそうな係員の兵隊さん達が、子供連れに声掛けて、バイザーメットなんかも被らせて、一緒に記念撮影なんかしていました。
まさにこーいうところがアメリカです、「二度と得られない経験、プライスレス」なのでしょう。

自分はもうおっさんなので、こういうシーンに巡り合っても、基地出て3歩も歩いたら感動など忘れてしまうのでしょうが、感受性豊かな子供の頃であれば、この歳になるまで得がたい経験の思い出として覚えているのだろうと思いました。
実際、生まれ故郷の駅前で進駐軍の下士官にハーシーズのチョコ貰ったのは今でも覚えていますし。

しかし、ヘリコのコックピットに座る黒人少々姐の虚ろな眼差しは何を見ていたのか、気にはなったところです。

まだまだの五枚目。
ヘリコ広場を後にして、グランド近くまで歩いて行くと、見慣れた代物が置いてありました。
そう、イラク戦争や、古くは第二次大戦中の戦闘部隊の映像を写すとき、必ず一瞬は写り込むオブジェ、野戦用給水器です。
ジープや兵員輸送車で牽引出来るようになっていて、戦場や兵站基地での水供給を行います。従って、配色も目立ちづらい、オリーブドラヴとか、迷彩色になっているのです。
しかし、その戦場の雰囲気を纏った無骨な野戦用給水器も今日は家族サービスとばかりに、炎天下で水を欲するちびっこ達にその胎内に蓄えた豊富な水を分け与えています。

最後の六枚目。
基地の開放されたエリアの隅々まで歩いてみようということで、グランドの西端まで歩きました。
そのはずれにちょっとした遊具が置いてあり、宵の口からの盆踊り大会に備えたと思しき、甚平・浴衣の兄弟が鉄棒で遊んでいました。
ちょうど、良いアングルでシャッター切ろうとした刹那、親御さんが、子供達に声をかけ、瞬発力に優れた姐さんは、脱兎の如くダッシュし、負けず嫌いな弟の方は鉄棒でもって、逆上がりか、大車輪が上手く出来るまではその場をテコでも動かない・・・というカンジでした。

今回の半日の撮影で改めて思ったことは、やはりバーバル、ノンバーバル含め、被写体と何らかのコミュニケーションしながら撮るには、商業的なもの、つまりマスコミやフリーランスを想像させるような巨大なプロ用デジ一眼などではなく、いかにも写真が好きで趣味で撮ってます♪的なオーラをまざまざと発散している小さなカメラ、特にレンジファインダー機は最適ではないか、と思った次第。

さて、今週末は夏のイベントの山場、太田尾島ねぷた祭りに行って来ま~す。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2010/08/13(金) 22:00:00|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

5枚目の写真が良いですね。

給水車から直で水飲めるのですか!
こういうシーンはやはり写真があってこそ伝わりますね。

レンズ性状とか関係なくこれは良いですね~。
  1. 2010/08/17(火) 00:12:35 |
  2. URL |
  3. 無芸大食 #u2sgJuXo
  4. [ 編集]

無芸大食さん
有難うございます。
そうなんです、この基地は司令部機能は有るらしいのですが、実戦部隊は居ないので、兵装の類いは一切目にしないものと思っていたのですが、案に反して、ちょっとした木陰で、この野戦給水車からのシーンです。

しかし、この小々姐達がやってたみたいに蛇口から水を流しっぱなしにして、水でサンダルは洗うわ、手足は冷やすわ、水はほどほど飲むわ、なんてことやってたら、アフガン、イラクの地でしたら、水の無駄遣いってことで、即刻営倉入りでしょう(苦笑)

ということで、野戦給水車からこんな湯水の如く水を流しっぱなしにして使えるのが、或る意味平和の象徴なのかもしれません。
  1. 2010/08/17(火) 09:49:01 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

『幻想の夏』といった、「外地への誘い」所です。

米軍の日常にちょっとだけでも触れられる良い機会ですし、国・同士の緊張関係を理解する端緒になりますね。

怖いのは、こんな大男に腕でも引っ張られていったら、そのままアメリカにでも連れて行かれないかという心配だけです。
  1. 2010/08/22(日) 11:36:14 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
まさに座間基地の夕暮れは「逢魔ヶ時」そのものといった趣旨で、まさにフューヂョンそのものでした。優しい目をした兵士が異国風の女性と夕陽に向かい歩っていくわ、金髪碧眼の可愛らしい子供達が日本の伝統衣装たる浴衣に身を包んであちこち歩き回るわ、スパニッシュ系の美小々姐が黒人、日本人の友達を前におしゃまそうな雰囲気で何か演説ぶつわ・・・

恐らく1200人都市、東京でもお目にかかれない不可思議な光景を幾つか目にしましたが、これはまさに夏の遅い逢魔ヶ時だけが見せた幻影なのかとも思ってしまいました。

確かにこんなところで拉致られたら、米本土は御免蒙りたいですが、沖縄の基地内くらいには連れてってもらえそうですね。
  1. 2010/08/22(日) 22:58:07 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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