深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

爆暑撃退企画~築地⇒月島⇒佃激写ツアーより

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【撮影データ】カメラ:Nikon SP レンズ:Soligor35mf2.8 全コマ開放 フィルム:Kodak Ektar100
さて、まだまだ暑い日がこれでもかと続きますが、愛読者各位はいかがお過ごしでしょうか。
工房主はこの暑さにもめげず、昨日、ピーカンの土曜は所属するノンライツRF友の会、及びこのところ行動を共にしている某散策会の皆様と八丁堀で"10時だよ全員集合!"ののち、往年の時代劇、「大江戸捜査網」宜しく「さぁ、行こうか・・・」と大橋通りを思い思いのカメラを携え、そぞろ歩きしながら第一撮影ポイント、及び嬉し恥ずかし合同昼食会場の予約してある築地場外市場を目指したのです。

で、今回のお供は何かといえば、このところの撮影会では珍しく、フィルム主体でSPと旧コンタックスIIaの2台、そして、バックアップに久々のR-D1sに秘密兵器を装着しての計3台の完全武装です。

ここで、注意深い読者の方々は、素朴且つ鋭い質問を発せられると思います・・・八丁堀から出たのに、画像は何で勝鬨橋からなんねん???と・・・

実は、今回、先週、強行軍の旅から戻って半日で新作レンズを作り、そのテストに今回の撮影ツアーを選んだのはイイのですが、な、何と絞りがF22のまま、徹頭徹尾撮影し続けていたという大チョンボをしでかし、場外市場で何枚かは自信作を収めていたのですが、今朝現像から上がってみれば???みんな蒼茫の淡い夢といった趣きで、アンダーになると顕著になってくるEKTARフィルムの青緑かぶりと薄いネガにありがちなベースフィルムのうねりまで画像として拾う現象が起こってしまっているので、涙を呑んでパス、二本目のレンズテストにSPに装着し持ってきていたSoligor35mmf2.8による作例で以てご紹介することとしたのです。

では、早速作例行ってみましょう。

まず一枚目。
築地でなかなかのイタリアンパスタランチを戴いた一行は、次なる撮影スポットを目指し、勝鬨橋を渡って、まずは月島を目指します。
暑いですなぁ、夏は堪りませんなぁ・・・とか思い思いに慰めあうメンバーの隊列を追い越し、この界隈には場違いで華やかなリゾートの雰囲気を纏った小姐2名が、そそくさと追い抜いて行きました。

古めかしくて無骨な鉄の橋とリゾート地の華のような小姐2名・・・これほど面白い構成要素の取り合わせはありません。
早速、愛機SPを構え、追撃に入りました。
ところが、この小姐達、話しにうち興じている割には、異様に足が速く、カメラを構え、ピンを合わせようとすると、スタスタと前に進んでしまい、あっという間に被写界深度から出てしまいます。
それでも、何とか、ピンをだいぶ前に合わせ、ファインダを覗きながら後ろをつけて歩き、えいやっとばかりにレリーズ切ったのがこの一枚。背後の高層も頭切れていないし、何とか人様にお見せ出来るレベルのカットとなったのではないかと思い、アップした次第。

そして二枚目。
月島に着いて、表通り、裏通り、そして路地裏と一行の「大江戸捜査網」はたゆみなく続けられます。
丁度表通りを歩いている時、町内案内板の前で、またまた場違いの小姐2名に遭遇しました。
この下町の場所に二人ともそぐわないいでたちであるとともに、また両者のカッコが180度逆のコンセプトのように思えます。
この3つのアンマッチが面白くて一枚戴いたのがこのカット。
前のカットでは良く判らなかったかも知れませんが、帽子にピンを置いたこのカットでは、このSoligor35mmf2.8の本家ニッコール35mmf1.8に勝るとも劣らない素晴らしいシャープさと立体的描写の片鱗が窺えるのではないかと思います。

それから三枚目。
月島での撮影では忘れてはいけないものが三つあります。
そのひとつがこの観光交番遺跡です。
ここは月島の商店街の西の外れに近い方に在って、長年の地盤沈下によると思われる傾きは有るものの、建物自体は今だすこぶる健全で、現役の交番は引退してしまったものの、地域の安全対策の拠点、そして何よりも観光のランドマークとして、今も大活躍です。
ピンは建物の青い看板の文字に置いていましたが、その前をたまたま通りがかった親子連れがオフフォーカスになってしまったのは惜しい限りです。

続いて四枚目。
このエリアの撮影拠点の二番目、今も現役で走り回っているという「スバルFF1000」です。
これは個人的な感想でしかないのですが、フェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティン、ロータス、そしてポルシェ・・・そういった、豪奢で美麗な富の象徴とも言えるスーパースポーツカーのどれよりも大切にされ、長生きし、また恐らく日本で一番写真のモデルになる回数が多いであろうこの昭和の名車に畏敬の念を禁じ得ませんでした。しかも生まれ故郷が数百mしか離れていませんし。
こんなエリアのこんな路地に似合いすぎる風景なので、レンズ、カメラこそ違え、もう何十カットも撮っています。
それにしても、いつも見てもキレイにしている、オーナーさんの愛情と熱意にはいつも頭が下がる思いです。

まだまだの五枚目
月島エリアを北上するといよいよ、佃です。
昭和初期の漂う路地や木造家屋のひしめく住宅地から、ちょっと目線を上げれば、そこには首都東京の富裕層がひしめく超高層マンション群が建ち並んでいて、そのアンマッチさ故、バンコク、上海、香港、そしてソウルといったアジアのメガロポリスを思い出さずにはおられず、やはり日本という国はいくら西欧化を進めていっても、アジアの一部なんだな、と改めて思い知らされた次第。
その古い路地に開かれた船溜り前の小公園で地域の子供達がやって来て遊具で遊び始めました。
目が合った小々姐の一人にカメラを指差し「撮るぞぉ」と笑顔で声かけたら、びっくりしたような表情で隣の背中向けてた小々姐に「ねぇねぇ写真撮るってさ」と言ってる最中にシャッター切ったのがこの一枚。
聞くところによれば、高層マンションの新住民の子供達と昔からそこに住んでいる地域の子供達は、学校が一緒であることもあって、分け隔てなく遊んでいるようです。
そんなことからも、お江戸下町佃界隈の懐の深さを感じた次第。

最後の六枚目。
ここが月島~佃撮影の最後の撮影スポット、と工房主は勝手に思っている下町の中華の隠れた名店「麗江」の店前に並べられた紹興酒の甕の群です。
このイイところは、ピンが精密に見られるのと、前ボケ、後ボケ、しかも画面全体の均質性まで一枚のカットでだいたい判ってしまうところなのです。
今回も向かって右の列、手前から二番目の甕の口縁にピンを置きましたが、レンズテストの総集編としてはなかなかのカットになったと思っています。
前ボケは崩れず、かろうじて品位を保っていますが、背景はそれこそ非点収差で硬い筈の甕が蕩けだしたようにも見えています。

今回の撮影会の後、主要メンバーで暑気払いをやりましたが、街撮り愛好家としては、早く秋の気配が訪れ、暑さは去って、代わりに美味しい食材の便りが聞きたいものですなぁ・・・などという話しも出たくらいです。

次回は久々に工房製レンズのご紹介行こうと思ってます、どうぞお楽しみに。

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2010/08/29(日) 22:00:00|
  2. 街撮り写真
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  4. | コメント:4
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コメント

あの暑い中
これだけの写真を撮っていたとは流石です-・・・(^_^;)


私は、いい場面に出くわしても
ピントは外れているし
タイミングも遅くなるしで
全然ダメでしたよ・・・・・(^_^;)

でも
イベント自体は
久しぶりに和気藹々と飲み会をした気分で
楽しかったですよ~~~~
今度は是非、5千円コースを
みんなで、ゆっくりと味わいたいですね♪
(深川の焼き鳥屋も捨てがたいですが・・・・・・笑)
  1. 2010/08/30(月) 22:02:03 |
  2. URL |
  3. 山形 #-
  4. [ 編集]

山形さん
有難うございます。
当日は遠路遥々お疲れさまでした。
へへへ、上でも書いたように大チョンボやってたんです。
新作レンズのテストしてたContaxIIaの方が絞りが全部最小になっちゃってて、みんなおしゃか・・・(涙)

それでも、長年の愛機SP黒は期待をいつも通りの期待を裏切らないイイ仕事してくれたと思ってます。

因みにローライクラブの面々もNプロも我々ノンライツ実働部隊のことが相当お気に入りらしく、次は、撮り溜めした作品でそれそれのポートフォリオみせて相互鑑賞会やりましょうね♪とか張り切ってますし、T氏夫妻に今度地元へおいで下さいなどと言って、向こう様が、ハイ遠慮なく♪と言ったら、ホントに飛んできますから、覚悟しといて下さいね。

次回は冬の忘年会で5250円の豪華コースを貧乏神に憑り付かれた、と自称している某特殊副管理人さん除きででもやりませう。

因みにその時、二泊すれば、Tさんがじっくり焼鳥屋で付き合ってくれると思いますよ~~~www
  1. 2010/08/30(月) 22:38:01 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こんばんは

夏は、やはり涼しそうな装いが宜しいですね。


ブランコの子供は、何故か老人集会の様な雰囲気・・・。なんか、妙な間合いです。でも、日陰はすずしそう。

モチロン、モデルとすれば、細い足や短パンも非常に涼しげな、一枚目の橋を渡りかける二人の少女ですが、写真は更に主題に迫ってほしかった・・・。

2,3のジーンズ(ふう)は暑苦しいです!服も暗いです。フイリピンでもあるまいし、ジプニーに乗るわけでも無しに、なんでこんなものを着用するのか理解出来ません。

意外と、ドレスの女性も暑苦しそうだし、ドレスはエアコンの室内仕様と読んだのですが・・・。

やはり、これだけ暑いと、どんな格好が涼しげに感じるかが勝負と考えてしまった次第。・・・それにしても、独断的でカッテナ解釈ばかりで申し訳ありません。

(わたしも当日、他所で婚礼写真を数分だけ室外で撮影しましたが、とんでもない暑さに数分で皆の表情が変わってしまった様子でした。)


撮影アプローチの根底から変化してきそうな暑さだと思います。
  1. 2010/08/31(火) 23:44:41 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
確かに今年の真夏日&熱帯夜の執拗なまでの記録更新は、「異常気象」と認定されたらしく、そもそも、こんな暑い夏の盛りに12名ものぞろぞろと連なった撮影会なんか、やったことがなく、異例尽くめの一日だったわけです。

しかし、言い訳めいたことを申し述べれば、人出が多くまた通路も狭い築地や路地や裏通りがメインステージの月島・佃での撮影では35mmが標準、いやそれでもまだ長いくらいで、そういった広角主体の撮影コースに突如現れ、颯爽と歩き去って行った美女二名ですから、追い縋って撮影など、まさに絵空事の世界で、やったら、罵声を浴びせられ、撃退されるのがオチ、このくらいで、あくまでも風景の一部として写り込んでいるくらいが世界平和のためにも一番イイのです(と自分では納得してみる)

それから童子達が生気に乏しいのは、そもそも暑い中、外で遊ぶよう親から強要されているらしく、この童子達が遊具に縋り付いてすぐ、子供をダシに井戸端ならぬ船溜り端会議をやりたそうなオモニ連中がぞろぞろとやって来たので、童子達もそれほど楽しそうではないという解釈です。
  1. 2010/09/02(木) 00:03:16 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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