深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

浅草で撮った・遊んだ・語らった・・・そしてご馳走様でした(其の弐)

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【撮影データ】カメラ:EPSON R-D1s、IS200、 露出:+1/3、レンズ:Angeniuex35mmf2.5改M 全コマ開放
さて、土曜日アップ分では舞台裏を先にご開帳する形になってしまいましたが、本日はいよいよ大団円ということで、その撮影会の時に撮った二百数十枚の中で特に「これは!」と思ったもの・・・というか、「ブログに載せるんで、一枚撮らしてネ!」のノリで撮っちゃった行きがかり上、載せなければならない義務感が生じてしまったものが五点と、撮影に関し、どうやっても本(人)というか主要被写体の了解を取りつけようが無かったカット一点です。

レンズは軽い街撮り用のAngeniuex35mmf2.5改。これは一回、渡名喜島に持ち出したものの、日差しが強くて、なかなか性能を発揮しきれていなかったので、実質上、フランチャイズ同様の浅草界隈でのスナップで失地挽回を試みました。

このレンズ、今回、目にされた同行者の方々も多かったので、くどいようですが再度、仕様をご説明しますと、もともと家に何故かエクザクタマウントのAngeniuex35mmf2.5のタイプ違いでそれぞれ難アリが3本有って、、1本は、直進ヘリコイドで前玉に貝殻割れ、1本は、回転ヘリコイドながら、前玉傷多く、後ろ玉もやや曇り気味という「帯に短し襷に流し」状態、そしてもう1本は前・後玉とも傷だらけの直進ヘリコイドという状態でした。

このうち、一番最後のものが、比較的程度がまとものように思えたので、大久保のレンズレストア名人のところに修理をお願いし、マスターレンズがかしめてあって分解出来なかったということで、新品同様の前玉が付いた直進ヘリコイドの個体が返ってきました。

そこで、この前玉と、残り二本からマスター光学系、そして回転ヘリコイドを採取し組立て直し、その上で当工房お得意のライカマウント改造を施した次第です。

さて、前置きはこのくらいにして、作例のご紹介行きます。

まず一枚目。
会議室でのブリーフィングの後、10時半過ぎに出発した一行はほどなく第一目的地の雷門前に着きました。
すると、居ました居ました、江戸情緒たっぷりの無料モデルさん達が・・・
鎌倉でも浅草でも川越でも、車夫(婦)さん達、気前イイですねぇ。
今回も早速、ハナシを付けて、某麦酒社の派手派手ビルをバックに楽しく語らい合っている姿を演出して貰ったのです。
三人それぞれのユニフォームの赤の描写が微妙に異なっているのが判りますでしょうか。
後ボケも煩くなく、まずまずの表現です。
しかし、これだけ明るい空を背景にしたカットでもこれだけコントラスト高く写るということは、世間一般のAngeieuxの評判は、不当評価である、と言えなくもないのかも知れませんね。これ見て眠い写りだ、とか抜かす人は、まず本人が寝ぼけていると考えた方が良さそうです。

そして二枚目。
雷門の近く撮る時は必ず例の扇子屋さんにテスト撮影に行くのですが、今回、通りがかりに雷門のすぐ後ろに見慣れないブースが立てられ、若い元気そうな男女が談笑しているのが目に留まりました。
もはや、目が合ってしまった以上、モデルさんになって戴く申し出をしないワケにはいきません。
そこで、ブログに乗っける写真撮ってるんで、一枚お願いシマースとか、調子イイこと言って撮らせて貰ったのがこの一枚。
撮った後、お話しを伺ったら、何でも、今月13日(土)~21日(日)までスタンプラリーをやっている案内をしておられるそうで、なかなか面白そうでした。これを読んでてヒマと自負する読者各位におかれましては、是非お試しあれ。
1.5m前後での撮影でしたが、柔らかな描写と思いきや、お二人が掲げた印刷物の印字はかなり細かいところまでしっかり捉えているのがこのレンズのキャラを表しているのではないでしょうか。

続いて三枚目。
お二方にお礼を述べ、仲見世を歩いていたら、お、居ました居ました、格好のカモが・・・もといモデルさんが。
初めに声かけると、こういう兄弟は演技に走っちゃう可能性大なので、そっと近寄り、まずシャッター切ります。
それからおもむろに「キミ達面白いカッコしとるなぁ、フーテンの寅さんのモノマネかな?」とか声掛けると、「えー寅さんって何、そんなのしらねーよ、オヤジの趣味で買った帽子かぶってんの」とか答えてきますので、「へへへ、さっき一枚撮ったけど、気が付かなかったろー!?」「え、まじ、まじ、どんなんなったん、見して、見して!」と乗ってきます。
そこですかさずR-D1sの3大ギミック機能のひとつ、反転モニタを返して、撮ったばかりの画像を見せたら、まず、おーと驚き、次いで「なーんだ、カッコイイオレの顔全然写ってないぢゃん、おっさんの写真の腕、大したことないなぁ・・・」と罵詈雑言。少年よ、キミ達にスナップという芸術を理解するにはまだ20年ばかし早いようだ。

それから四枚目。
浅草寺境内に辿り着くと、定点観測地点のうちのひとつ、おみくじ売り場に向かいます。
しかし、今回はEPSONさんから支給されたタグを提げているので、いつもに増して大胆、勇気百倍です。
すかさず、おみくじの文意を読み解いている、カップルに声掛けて、結ぶところ撮らせて貰いますよ、と強談判。
向こうも気迫に押されたのか、こんな厚かましいことを要求する人間がよもや地球上に存在するとは夢にも思わなかったらしく、素直に言うことを聞いてくれました。
しかも図々しいことに、やれ目線がカメラを意識してるだの、カップルはもっとくっついて笑顔のひとつも浮かべて共同作業しないと、晴れの舞台のケーキカットで失敗するぞ、とか口からでまかせでダメ出ししてやっと三回目にOK出したのがこのカットです。
なかなか精緻な質感描写も、男の子の斜め後ろから射す日当たりも柔らかげで気に入った一枚になりました。
ただ、後ろはグズグズにボケてしまい、つのだじろうの恐怖新聞の何処かのカットを見たような思いです。

まだまだの五枚目
境内で思う存分撮ったので、ちょいと早いですが、お昼前の集合場所である、宝蔵門前をぶらつきました。
すると、当日のナビゲーター兼講師であらせられる三井先生が眼光鋭く、かなり長い望遠の玉で、眉目麗しく、スカートも短めな、小姐二人組みを遠巻きに激写しておられる。

先生が十分撮り終えて、満面の微笑みでモニターを確認しているのを横目に見て、広角と標準しか持ってこなかった小生は、足と口で稼ぐよりほかなく、恐らく関西あたりから出てきたであろう、この派手目の小姐達に「あっのぉ、すいません、この提灯バックに一枚撮らしてくれません? これでお二人はブログデビューですぜ♪」とか、一歩間違えば場末のナンパ師と間違えられかねないノリで話し掛けると、えーどうしよう、でも一杯有る提灯はヤダ、お寺の本堂バックに撮りたいと思ってんのよ・・・とか言ってたので、「へへへ、任せてください、シャッター押すくらいは10回でも百回でもタダです、ハィ、カメラ貸してね♪」とまず一名からカメラを受け取り、色々とポーズを決めさせ、ハィチーズ!と一枚、そしてもう一名からもカメラを受け取り、同じように雰囲気たっぷりに撮って上げたら、すっかり信用してくれて、「イイけど、ピント甘めに撮ってね」「いやいや、美しい人はより美しく、そうでない方もそれなりに・・・」などと考古学的コピーを駆使し、打ち解けた雰囲気の中で撮ったのがこの一枚です。
二人お揃いの白い衣装がフレアッぽくなっていますが、それでも質感は充分に伝えていますし、ホントはレフ板が欲しかったところですが、その場の楽しい雰囲気は伝わってくるのではないでしょうか。

最後の六枚目。
今回は、人物シリーズでお手軽に済ませる気だったんだろう・・・と勘繰った愛読者のアナタ、当工房ブログはそんな甘いモンぢゃありませんぜ。

浅草寺で思う存分、人物スナップなどを楽しんだ後、一行はいよいよ本日のメインイベント、屋形船遊びをするため、船着き場が在る駒形橋まで歩いて移動したというのは前回書いた通りですが、13時10分過ぎに出航した船が、揚げたての天麩羅に舌鼓を打つのにも飽きてきた頃、ちょうど2時過ぎあたりに向島の桜橋付近に停泊し、スカイツリーを船上で眺めていたら、突如、カモメの集団が飛来し、その大乱舞を目の当たりにすることとなったのです。

要は、餌付けされている大川の餓えたカモメさん達が、「ほ~ら、またカモがネギ背負ってやってきた、ちょっこしおちょくったれ!」と餌を播く船頭さんや窓越しにおっかなびっくり食べ残しの天麩羅なんかを与えるお客さん目当てに飛来したというのが真相のようです。

小生は深川住まいですから、カモメなんざ珍しくも何ともなかったのですが、いやはや、今回は正直驚きました。
こんな至近距離で餌を貰うためにホバリングするカモメの真剣?な表情、優雅ながらも意外に力強く羽ばたき、滑空するその雄姿。
また機会が有ったら、是非やってみたいと思った、楽しいひと時でした。
その触れ合いの中で、餌を貰った恩返しのつもりか、スカイツリーをバックに羽ばたく姿を見せてくれたのですが
、その中で何枚か奇跡的に上手く撮れたうちの一枚がこのカット。

Angenieuxで撮ったら、何故か建設中のスカイツリーがエッフェル塔に見え、純白のカモメがサモトラケのニケにダブッって見え、そして自分達はセーヌ河の上で漂っているような錯覚に囚われたのは、まさにこのレンズに秘められた魔力だったのかも知れません。

今回の感想としては、本当に居心地のイイ一日で、しかもRーD1sがここまで皆さんの注目を集めるとはとても嬉しく誇らしかったです。

三井先生、スタッフの皆さん、どうも有難うございました。
また機会が有りましたら、是非宜しくお願い致します。

テーマ:スナップ写真 - ジャンル:写真

  1. 2010/11/15(月) 23:05:40|
  2. 街撮り写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
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コメント

こんばんは。

(最近は週の途中でも更新しているのですね。)


鳩のスナップが異彩をはなっていますが、とても距離計連動カメラで追っかける様な被写体でないので驚きました。

今回の写真、遠近感がヘンな感じで、レトロフォーカス・タイプ特有の拡張したサイズへの違和感が有るかもなんて、考えてしまいました。

画面がトリミング・サイズとして見えてしまうのは、他の人の感想も聞いてみたいものです。

わたしは、大抵はフルサイズ・レンズ画角での撮影画面に慣れているので、今回は55mm位の画面の割には周囲を切り取っているという、そんな感じがしてしまいます。

ともあれ、声掛けは上手く行っている様子だし、鳩へのスナップも不思議な画面を作り上げていますし、今回はレトロタイプへの「課題」をわたし自身も考えてみる機会に成ったかもしれません。

では。
  1. 2010/11/19(金) 01:32:31 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre  #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre  さん
有難うございます。
いつもRFばかり使って、週末で300~400枚も撮っていれば、この程度の動体の撮影くらい朝飯前です。まさに修錬の賜物、でもデジだからこそ為せる業でしょう。
さて、遠近感がおかしいと感じられる件、その理由を考えてみました。
要はレトロフォーカスのレンズってのは、元々、マスター光学系と縮小光学系に別れ、マスター光学系はたぶん50mmくらいあるものを縮小光学系で本来平行であるべき無限の光線を更に外側にひん曲げて入射させるので、合成焦点距離が35mmになるのではないでしょうか。

となると、元々50mm有ったマスター系の光学特性が縮小系で無理矢理35mmに縮小され、それをまたAPS-Cの画素で約半分の面積、つまり1.5倍弱にトリムしてしまうので、元のマスター系の焦点距離に戻るように見えることから、違和感が生じるのではないかと思います。

しかし、正直申し上げて、同じ35mmの焦点距離ならシネレンズより被写界深度がずっと深くて、開放でも撮り易いイイ玉だと思います。
  1. 2010/11/19(金) 23:38:54 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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