深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

☆祝500アクセス突破☆ご本尊開帳~Noctilux 50mm f1.2~

nocti01.jpg
早いもので、このブログ始めて、一ヶ月と一週間で、なんと500アクセスを軽く突破出来ました。
これも、ひとえにマニアの皆様のお陰と、身が引き締まる思いです。

さて、ここで、いよいよ、当工房のもう一方のエース、Sマイクロニッコールがご本尊であるなら、こちらは、まさにご神体に当る、Noctilux 50mm f1.2の登板です。

この超弩級レンズは、1966年に生を受けた、いわゆる第一世代の開放値f1.2、4群6枚の典型的変型ダブルガウスながら、世界初の非球面レンズとして、M3に引き続き、またしても世界の耳目を集めることとなりました。

このレンズは、第一面と最終面を非球面としているのですが、その製法が凄い・・・今なら森精機製作所あたりのCNC研削機か何かで削るか、或いは、手っ取り早く、ガラスモールド、はたまた、通常の球面レンズ表面に光学樹脂を盛って非球面にした「なんちゃって非球面」なんて方法もあるのですが、ライツの凄いところは、そういう方法を一切使わず、レンズ研削のマイスターが一つ一つ、全て手磨きで製造したというのです。

しかも、光学エレメントがそこまで気合いが入っているのに、鏡胴がタダモノであろう筈もなく、内部に何種類かの銅合金とステンレススチール、そして外装のアルミ合金を用いることで、光学製品の理想とする、温度による線膨張の影響を最小化し、更には軽量化と、高剛性を両立したゴーヂャスな金属加工技術の粋なのです。

確かに、1976年登場の、この後継機である第二世代になってからは、f値も1.0となり、キャノンの例のレンズを除けば、銀塩用で世界最小F値を奪回したのですが、コストダウンのためでしょうか、非球面レンズが使われなくなり、新種ガラスとコンピューター設計の高度化で通常の球面構成になってしまい、構成は一挙に6群7枚、そして重量も100グラム強も重く、一回り以上大きくなってしまいました。

残念ながら、個人的には、モノとしての魅力という意味で、第二世代以降には、全くキョウミが湧かず、この第一世代を以って、ノクチは打ち止めと思っております。

で、肝心の写りですが、当然、夜のお勤めのレンズですから、夕暮れから、日没後でしか、街撮りには連れ出しませんが、いやはや、うわさに違わぬ素晴らしい写り。

いっぺん、浅草のサンバカーニバルの終わった、浅草寺西の飲み屋街でいまだ熱狂さめやらぬ男女の即興路上ダンスを撮ったことがありますが、人工光下でも画面全体に滲み、色の濁りも全くなく、まさに熱気やら、場のざわめきまでネガに叩きつけたような力強くも繊細な写りでした。

Sマイクロニッコールが太陽の下のクィーンであるなら、こちらは、夜を支配するキングなのかもしれません。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2008/02/14(木) 23:45:12|
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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