深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

第五回 ノンライツRF友の会/新宿西口写真修錬会写真展②

写真展⑦
写真展⑧
写真展⑨
写真展⑩
写真展⑪
写真展⑫
さて、今回の写真展へは12枚出展したため、後編として、残りの6枚も一挙公開です。

まず一枚目。
北谷美浜で、かなりの人数に声掛け、もう充分かな?と思って、一休みしようとアメリカンヴィレッジにある観覧車のビル2階のヨーグルトランドというファーストフード店に行こうと思ったら、黒人の親子が楽しそうに談笑していました。
親父さんも、何か、ファンキーでソウルフルなノリを漂わせているので、これを撮り逃す手はありません。
そこで、可愛いお子さん達ですなぁ、東京から来た心のカメラマンです、一枚撮らしてね♪とかでたらめ並べて近寄っって行ったら、このファンキー&ソウル親父、おもむろに「I remember you」とか言い出したのです。
え、何で、どこかで会ったっけね?とか問うたところ、二年前、この一番小さいベィビィがベィビィワゴンに乗っていた頃、浜辺の前の売店横で一枚撮ったよなぁ・・・とか驚きの独白。

いやはやお見それいたしやした、とか頭を掻く小生に対し、イッツOK!とか言って、子供達の頭を一人一人撫で、スマイル、スマイルと言い聞かせ、そしてしかるのち、OK!とビバリーヒルズコップのエディマーフィ宜しく親指と人差し指を丸めた合図をくれたので、おもむろにシッター切ったカットです。
アメリカ製のシネレンズを米国から直輸入したM8で以て撮影した米国黒人親子のカット、どこからか、スティービーワンダーの懐かしいメロディが流れてきたような気がしました。
カメラはLeica M8、レンズはBausch & Lomb Baltar35mmf2.3 開放撮影です。

続いて二枚目。テーマは「笑顔の奥の命の軌跡」
到着翌日24日は、クリスマスイブ、どうせ一人きりのクリスマスイブであれば、きっと来ない"キミ"を待っていても時は過ぎていくばかりなので、沖縄戦の激戦地を巡り、平和と命について、自分なりに沈思黙考するのも好いことだと考え、糸満に向かったことまではブログで先に述べた通りです。
糸満市のロ-タリーで玉泉洞方面のバスに乗り、まずはひめゆりの塔を目指しました。
バス停留は、ひめゆりの塔とその記念館より少し先に有り、降りてから100m程度戻る格好になります。
そして、敷地に入る門の前で、花売りのお婆さんに声を掛けられたので、お参り用の花を買いがてら、少し話し込みました。
その流れの中で一枚撮らせて貰ったのがこのカットなのです。
長い南国の年月がもたらした日焼けの顔の皺だらけの顔で心なしか物悲しげに微笑む老婆の目には、「私たちはここで命を落とした孫より若い女学生達に食べさせて貰っています」という言葉の重みが籠っているのではないか、と自分には思えました。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

それから三枚目。タイトルは「戦跡に輝く若い命たち」
ひめゆりの塔に献花、黙祷し、記念館を見学し、とてつもない寂寥感と閉塞感に囚われ、どうしようもないやるせない気持ちにもなってしまったので、次のバスまで相当時間有ったため、気を取り直すため、写真を撮りながら、摩文仁の丘の出来るだけ近くまで歩いていくこととしました。
ところが、その街道が、「地獄の中の地獄」と言われ、日本軍将兵も、民間人も生死の区別が極めて曖昧な状態で、目的地もなく行きつ戻りつ彷徨ったかつての道だったとは・・・

暫く歩いて、ひめゆりの塔の在る伊原から、米須を過ぎ、摩文仁の丘が彼方に見えてきた辺りで、陽気にはしゃぐ小々姐2人が居ました。
もう、誰かと話でもしなければ、息が詰まるくらいの思いで歩いていたので、地獄に仏とばかり小々姐達に、この辺りが太平洋戦争屈指の激戦地だったこと知ってる?とか聞いてみましたが、「あ、この辺に慰霊塔みたいなのが一杯有って、夏前になると本土からお爺ちゃん、お婆ちゃんがいっぱいやってくるから、そんな話は学校で聞いたことが有る」といったレベルの認識でした。
しかし、ここで本土の人間がしっかりせよと鼓舞する訳にもいかないので、今の時代の平和のアイコンとして、遥か摩文仁の丘を背景に一枚撮らせて貰った次第。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

そして四枚目。タイトルは「男同士支え合う命たち」
翌日、嘉手名基地の見える道の駅に行ったことは先にブログへ書いた通りですが、目的を達し、那覇市内にバスで戻る途中、ちょっこし、泊港でバスを降りました。
外人墓地、泊大橋、とまりん周辺の離島行きフェリー・・・撮りたいものが結構有ったからです。
港東側の埠頭界隈を歩いていたら、来ました来ました、いかにも離島から那覇に出てきましたというそこはかとない好い雰囲気を漂わせた親子が手を繋いで幸せそうに歩いています。
そこで、卒璽ながら!と声を掛け、一枚撮らせて戴いた次第。
特にこのカット、親父さんの真下の緑のトレーナーの童子の無邪気な笑顔がとても素敵で惹かれました。悲しい歴史の島と未来を繋ぐものは、こういった無邪気な子供達の笑顔なのではないかと思った次第。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはCine-Sonnar50mmf1.5 開放撮影です。

まだまだの五枚目。タイトルは「寄り添う命たち」
泊港に寄ったその足で崇元寺経由、安里に出て、壺屋を目指しました。この途中にも姫百合橋のたもとの素敵な赤瓦の民家の写真をいつも撮っているのですが、その日は、品の良さそうなご婦人に声掛けられ、お話しをしてみたら、実はその家の女主だったとか、面白いエピソードは有ったのですが、壺屋で夕暮れの風景を一枚か二枚撮りたかったので、メインストリートの一本上の道で、昔ながらの木造住宅兼店舗の前で、モデルさんになってくれそうな人を待ちました。
すると、下から、娘さんと親父さんの二人連れが仲良さそうに歩いて来たではないですか・・・
そこで、あいや、暫しと声を掛け、後姿を撮らせてもらうからね、と強談判に臨み、リハ無し、やり直し無しの一発勝負で撮ったのがこのカット。
夕暮れの南国のけだるい雰囲気がそこはかとなく漂っていて、結構気に入ったカットとなりました。
カメラはZeiss Ikon ZM、フィルムはKodak Ektar100、レンズはBausch & Lomb Baltar40mmf2.3 開放撮影です。

最後の一枚。タイトルは「惹かれ合う命ふたつ」
壺屋で思い通りのカットを撮れたので、余勢を駆って、一番難関の国際通りでのスナップに挑むこととしました。
これがなかなか難しい。というのも、どのシーズンも、ヂモティのみならず、観光客や長期滞在のバックパッカー、本土からのフリーターみたいな手合いも結構歩いていて、九州辺りの女性だとなかなか区別が付かないケースがまま有るからです。
しかし、明らかにジモティの高校生と判る小姐2人組が楽しそうに「さぁ」、「さぁ」言いながらトップバリュだかの買物袋を提げて歩いていたので、失礼ながらヂモティのちゅらさん2人組であるかな?とかワケわからん声かけ、先方の一人にマヂ受けしたので、ここからは話が早いので、後姿モデルさんになって貰えるよう説得し、一発必中で撮ったのがこのカット。
同じ夕暮れでも、本土と南国は漂う空気感が違うよね・・・というのがお客さまの感想でした。

今回の写真展、大勢のご来場、一同を代表して御礼申し上げます。
  1. 2011/02/27(日) 21:04:31|
  2. Arri改造レンズ群
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

写真展おつかれさまでした~~~

次回も楽しくやりましょうね♪

私も、頑張って
シルエットロマンス風の作品を撮り貯めておきますから・・・笑
(大島で夕日の写真にチャレンジですね)
  1. 2011/02/28(月) 18:26:55 |
  2. URL |
  3. やまがた #-
  4. [ 編集]

写真展、御苦労様でした。

会場での写真は、エッジの効いたデジタル風の画像が気になって困りましたが、もともとエッジ効果の高そうなシネ中心のレンズならポジ風のコチラの方が見易いです。

バルターのシャドウのトーンがとてもキレイです。
後ろから二枚目のドラマチックな場面は、特に印象的です。

アメリカレンズのカラーなんて、以前はエクターしか考えられなかった中で、バルターの「主張」はなかなか見事だと思います。都会的な華やかさでは無いかもしれませんが、風が吹きすさぶ片田舎でも哀愁をドラマチックに演出するという画面を、沢山想像できて楽しいものです。(わたしにとって、それは丁度、初期のNEIL YOUNG風です。)
  1. 2011/02/28(月) 21:33:07 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

やまがたさん
お疲れさまでした。
なかなかの接戦で面白かったですね。
次回はもっとウケ狙わず、大胆な作品でいきましょうか?
伊豆大島ツアーも是非やりたいですなぁ・・・みんな、歯磨いたか、頭洗ったか、宿題やったか、ではまた来週~というノリで島での写真合宿したいですね。
  1. 2011/02/28(月) 23:15:25 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

treizieme ordreさん
お疲れさまでした。
確かにバルターは、作例を誰も上げていなかったがために、暫くは謎の無銘レンズとして、電子湾でも誰も見向きもしなかったですね。
それが、当ブログを皮切りにあちこちで名声が高まるに従い、プラナー、スピードパンクロと同じく、高値の華になっていくのは、いやはや何とも複雑な心境です。
昨日も仲間内で笑い話に出たのが、当サイトで紹介すると値が上がっちゃうから、同じのをみんなで2~3本買ってから、作例付きで改造レンズ紹介したら、趣味と利益の両立出来んぢゃね?といった話でした。
しかし、仲間内でこの40mmのコクとキレに魅惑され、結局、写真展会場で情熱に満ち溢れた交渉の結果譲り受け、それを中原の工作員に渡して、手許に戻る夢を見ている人も出たのです。
  1. 2011/02/28(月) 23:23:37 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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