深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Brother comin' up~Nikkor5cmf1.4 silver~

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【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE ISO200 露出+1/3 全コマ開放 ロケ地;渋谷
さて、黒いSニッコールを先に出しちゃったんで、このままだと発表の場を失うおそれ有るので、週の途中で臨時更新一発いきます。
この個体は前回のものに較べると、約50000番ほど古い個体となります。若干、硝材もコーティングの色も違いが認められるので、何らかの改良を受けたロットとの個体同士での描写の比較となります。

なお、N1同士での比較で、しかも元の個体の状況が違うので、これを述べなければフェアではなくなってしまいますが、黒個体は深川でOHを受けており、この銀の個体は川崎八丁畷でOHを受けています。

従って、両個体とも、経年変化による描写の劣化はほぼ同等までに抑制されていると考えられ、概ね同一コンディションでの比較と考えて頂きたいと思います。

では、作例解説行ってみます。

まず一枚目。
東急東横線の神泉の駅で降りて、案内の青年から「トンネルから駅構内を望むと車掌さんの哀愁に満ちた後姿撮れマス」とのアドバイスを受け、早速、踏み切りが上がるまで待って、すかさず、ホーム際を覗き込むと、車掌さんが背筋を伸ばしキリリとした格好で安全確認なんかやってます。
そこで一枚戴き。やはり予想通り、肌より反射度と明度の高い被写体はかなり強めにフレアが掛かっていました。
しかし、ボケはそこはかとなく哀愁を覚えさせるカンジで遠くに薄っすらと見えるマキシスカートのご夫人の後姿が東郷青児画伯のパステル基調の画のようにも見えました。

そして二枚目。
神泉の駅を後にして、道玄坂方面に一行は進みました。
すると、途中の道端には、なかなか面白く心惹かれるオブジェを提げた商店が目に付きます。
その中でも、錆びた鉄、くすんだガラス、そして日に焼けた木と、素材フェチであれば、いっぺんに萌えてしまいそうなデコレーションのお店が有ったので、即攻、一枚戴きです。

ピンはなかのランプの火屋のガラス表面に置きましたが、その下の金物周りのディティールもなかなか忠実に描写していて、イイカンジの画に上がりました。
背後の壁面の木製看板も壁のモルタル塗りっぱなしのテクスチャなどもえもいわれぬイイ雰囲気の描写をしています。

それから三枚目。
道玄坂までやって来て、目の前のマークシティの建物に付属した面白いオブジェを発見しました。
それは、ミラー仕上げのステンレスを航空機のヂェットエンヂンのタービンの如く螺旋状に配置し、通路を通る人間の姿が渦巻くように反射して動いていく、という仕掛けなのです。
ここで、適当な被写体が通りがかるのを、東北のマタギよろしく、ファインダを覗いたまま、息を潜め待ち続け、ここぞ、という瞬間でシャッター切ったもの。
ここでは、ともすると、高反射のミラー仕上げのステンレスの存在が煩くなってしまうのを、控えめながら程好く上品なフレアで緩和しているように思えます。

まだまだの四枚目。
マークシティの南側の裏道を歩いていたら、居ました、居ました、レンズの発色テストの佳き友が・・・
そう、またしてもイタリアンレッドのワーゲンポロです。ちょうど背景にクリエーター風の小姐が通りがかったので、発色と後ボケの度合いをいっぺんに見られる構図でシャッター切ったのがこのカット。

かなりツヤのあるキレイな塗装だったのですが、不思議とこれほどの高反射率にもフレアが現れず、赤はツァイスの本家ゾナーも裸足で逃げ出すくらい、艶やかに発色しています。

後ボケのシュシュ小姐も油彩の一部みたいにキレイに背景に溶け込んでいます。

最後の五枚目。
真っ赤なワーゲンに礼を言うワケにもいかず、そのまま、その場を立ち去り、一行は渋谷駅方面を目指しました。
するとまた階段上にワイン樽と鉄缶をイメージして作られたオブジェ兼店案内が置かれているお店を発見しました。
背景に大きく空が入りますし、メインの被写体は黒から焦げ茶、どれだけレンズの持ち味が出せるか、モノはためしです。

そしてその結果としては、白いセラミックに書かれたお店の屋号はかなり滲みぼやけてしまいましたが、鉄缶本体のテクスチュア、そして背景のワイン樽のオブジェはイイ案配に描写されています。

こういうモチーフであれば、シネレンズとか引伸レンズ、或いは複写用レンズみたいに暴力的に解像度とコントラストの高いレンズでは芸術性というエッセンスを与えることは出来なかったでしょう。

今回の感想としては、手持ちのS-ニッコールのうち、無作為で選んだ二本が二本とも甲乙つけ難いフレア玉だったので、今度は開放からフレアが少ないニッコールを探してやろう!という妙なファイトが沸いた次第。

やっぱり、「三つ子の魂百までも」・・・ハイコントラストで発色がハデな解像力高いレンズに惹かれてしまうのですねぇ・・・

さて、週末の更新は何が出てくるかお楽しみ♪

テーマ:ニコンSマウント - ジャンル:写真

  1. 2011/06/08(水) 21:00:00|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

いやぁ~~~
一瞬ビックリしましたよ~~~

だって、
トップの画面がニコンの50mmだったので
更新していないのかと錯覚していたら

続く画像が
やけに渋い路線の絵になっているじゃないですか~~~~笑

今回の写真は
レンズの特性をうまく使っていて
いい感じになっていると思いますよ~~~

普段はフレアーの出るレンズなんか
ほとんど使っていないCさんが
そのフレアーを生かしているのが新鮮でしたよ~~~

ちなみに
これ以降は、私の個人的な感想ですので
聞き流してもらったほうが良いのですが
1枚目は、手前の車掌は要らなくて、バックの女性が
白いワンピースで白い帽子なんかかぶって
もうちょっと近くに居たなら最高だったなぁ~~~
とかw
3j枚目の写真なんかは
なんで正面からチャレンジしないんだよ!!
沖縄の少年を撮った心を、東京でも・・・・・
と、湘南のほうの方からの突込みがありそうだとか・・・・w
4枚目の写真は
車のお尻よりやっぱり普通のOOOがいいよね~~~
とか・・・・

あぁ・・・・
こんな事書いているから
友達無くすんだろぅなぁ・・・自分・・・(^_^;)
  1. 2011/06/09(木) 20:19:39 |
  2. URL |
  3. やまがた #mQop/nM.
  4. [ 編集]

やまがたさん
ありがとうございます。
へへへ、いつも使うレンズの性質と正反対のものを使うに当たって、撮影方針も逆にしたのです。
従って、正面からのものはないのです・・・とか良い訳してみたりする。

しかし、声掛け運動は、単独行動でないとやりずらいです(苦笑)

もっとも、この前の寄港地の下北沢で、可愛い小々姐が2人でヨーヨーというか小型の水入り風船にゴムヒモ付けた遊具でもって、天下の往来で遊んでいたので、「あのさ、それで遊んでるとこ撮らしてよ♪」と頼んだら、何を勘違いしたか、思いっきり振ってくれたおかげで、ゴムがばっち~んと切れ、「あ~!」と小々姐が叫んだところで、店内から親御さんが折り悪く出てきたので、「うぁ~やっべぇ~!」と3人一目散に逃げ出したというエピソードもあったのですよ。
あぁ青春、マテwww
  1. 2011/06/09(木) 22:35:36 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

先日は撮影会+中古カメラ市+懇親会お疲れさまでした。
ニッコール5cmF1.4は滲み系なんですね。お手本にしたゾナー5cmF1.5はそうでもないのですが。
先にご掲載の黒鏡胴のほうも同じ傾向でしたので、やはりレンズの個性なのでしょうか。作画の雰囲気作りに一役買っておりますので良いですね。
これを契機にcharleyさんもクセ玉ダメ玉収集にシフトなさってはいかがですか!?
  1. 2011/06/10(金) 20:15:06 |
  2. URL |
  3. 情報の庭師 #-
  4. [ 編集]

例外中の例外ですわ・・・

大日本農園中原園芸場/情報の庭師さん
有難うございます。お疲れさまでした。
よくよく考えてみれば、二週間のお付き合いだったのですね。
ニッコール5cmはf2ですら開放は滲む傾向にあり、ビキビキにシャープなキャノンとは正反対のキャラですね。
>これを契機にcharleyさんもクセ玉ダメ玉収集に
>シフトなさってはいかがですか!?
要りません・・・キョウミ無いです(笑)
ニッコールは、リセルバリュ-あるし、ニコンSボディには欠かせない純正レンズだから、売ってしまおうとまでは思わないですが、これ以外の眠いレンズはお金出してまで買おうとは思いません。
  1. 2011/06/10(金) 23:15:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

これもニッコール?

赤い車の写真を見ると、かっちりした形が映るにもかかわらず、他の写真はソフトフォーカスっぽいのが面白いですね。

ニッコールも昔はこういうのが標準だったのでしょうかねえ??

それはそうと1枚目は後ろから取ったこの写真の方が風情がある気がするのですよ。
なんてことない日常なのに、車掌さんの奥にホームを歩く女性がいるのでドラマの1シーンの様ですよ。

3枚目の写真ですが、これは正面からの写真は、写真展のお楽しみだということでしょうか(笑)
  1. 2011/06/11(土) 19:47:47 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:これもニッコール

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
手許のS-ニッコール50mmf1.4は黒であろうと白であろうと、程度の差はあれ、こういう白色系被写体での滲みが出ますね。ただ、オリムピックタイプと言われるWガウス型のものは、復刻版から推測しても、開放でも殆どこのような滲みはなかったと考えられます。
ところで、一枚目の車掌さんとフレアスカートの女性のモチーフは竹内まらりあの「駅」のイメージなんですよね。
でも、三枚目のタービン内の小姐は正面写真は掛値無しで撮ってないんですよ・・・沖縄の女子高生はまだそこそこストック有るんですが(笑)
  1. 2011/06/12(日) 21:52:33 |
  2. URL |
  3. charely944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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