深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

琵琶湖周遊の唄'11夏

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【撮影データ】カメラ:1、3、6枚目;Leica M8、2、4、5枚目;Zeiss Ikon ZM フィルム、2,4枚目;Kodak Ektar、5枚目;Fuji Premia400、レンズ:1、5枚目;Baltar35mmf2.3、2、6枚目;Cooke Kinetal50mmf1.8、3枚目;A.Belrin G.Tachar32mmf2.3、4枚目;Baltar40mmf2.3FMAO
さて、また一週間はあっという間に過ぎ、日曜の晩がやって来てしまいました。
今回は、どっかの政党代表戦ではないですが、熟慮に熟慮を重ねた結果、先週末に三泊四日で出かけた、久々の琵琶湖東岸の旅からご紹介します。

先週の金曜日19日、全国の空が荒れ模様なのもものかわ、こだまに乗って、名古屋、米原経由、ベースキャンプに定めた滋賀県長浜市駅前の宿に辿り着きました。

もう、この時点でも空模様はかなり怪しく、ホテルに着くや否や、まだ陽が有ったので、寸暇を惜しみ、折畳み傘をカメラバッグに忍ばせて、街撮りを開始しました。

一日目は長浜のみ、二日目は近江八幡、三日目は彦根、そして四日目は長浜でお昼過ぎまで撮ってから、また米原・名古屋経由、元来た道を辿り、お江戸深川に戻ったという、天涯孤独の身故可能なきまま旅を楽しんできました。

では、早速、足跡を辿りながら写真を見て行きましょう。

まず一枚目。
到着日19日の午後は、いつも観光客で賑わう黒壁スクウェアはやり過ごし、大通寺という、市内で一番古くて大きな寺院の界隈にも古色蒼然とした街並みが残っているので、こちらに回り、長浜らしいカットを狙いました。

しかし、待てど暮らせど、街の生活の息吹を感じさせるような通行人が来ない・・・観光スポットを数百メートルでも外れれば、地方の観光地ってのはこんなものですから、仕方なく、無人の街角に向けシャッターを切りました。
ま、これはこれで、街並みの造型のみを純粋に眺めることが出来、悪くはないのですが・・・
M8とBaltar35mmf2.3のタッグが、ソリッドながらボケもなかなか美しいカットを作り出してくれました。

そして二枚目。
M8で撮った画は当然、背面モニタで結果が確認出来ますから、その内容を見てから、まずまずの幸先に気を良くして、次の撮影スポットを探し回りました。

人が行き交う黒壁スクェアの街頭をただ漫然と撮っても、ただの旅の記念写真に終わってしまうので、もう一捻りも二捻りもあるカットを考えねばなりません。

そこで、習慣となっている、アフタヌンティーを遅めに楽しんだのち、茶店の周囲の庭が観光客向けに開放されているので、散策しながら、被写体を物色します。

すると目に留まったのが、ガラス製のたんざくというか、お願いを書き込んだ、お星様のオブジェです。
ここは、シャープながら密度感の有る描写を誇る、Kinetalの出番です。

「サッカー選手と結婚出来ますように!」とか、愛くるしい願い事が緑のマジックで書き込まれたガラスのお星様に向けシャッターを切ったのがこのカット。

一つの☆以外は皆アウトフォーカスになり、また背景もダイナミックに崩れ、普段はジャントルで堅実な描写を売り物とするKinetalにも、こんな遊び心が有ったのか!と驚いたカットになりました。

それから三枚目。
翌20日は朝から近江八幡に出かけ、バスで大杉町経由、日牟禮八幡界隈に移動し、11時半過ぎから撮影を開始しました。
この近辺は、「八幡堀」という安土桃山時代からの運河の遺構が残っており、その周りには、古めの家屋や建築物が点在しており、水面に向け鬱蒼と茂る樹木も相俟って、夏には格好の撮影スポットになります。

そこで、早速、お堀端の遊歩道に降り、獲物、もとい被写体を物色していると、来ました、来ました、格好のお二人さんが・・・

カメラを構えたままやり過ごし、通り過ぎて、適切な距離のところで、シャッターを切りました。

ここはやはり、ガウスタッカーの素晴らしいところで、光線状態の悪いシチュエーションでのこんな抜き打ちみたいなスナップでもシャープネス、色バランスとも文句の付けようもない、カットをプレゼントしてくれました。

数年前、同じようなシチュエーションで、良く出来た"当り玉"とまで言われたズマロン35mmf3.5でも撮りましたが、やはり貫禄の違いを見せ付けてくれたようです。

尤も、ここでは、ガウスタッカーはフィルタを付けているので、小雨模様の撮影でもOKということで起用したことから、まさにこの地方の名産である、「瓢箪から駒」だったのかも知れません。

続いて四枚目。
八幡堀の遊歩道で適当に撮影しながら涼み、お目当ての「たねや日牟礼舎」で豪華なランチを戴いてから、大杉町界隈の古い町並みを撮りに出かけました。

このカットは、だいぶ前に撮影に来た時、やはり、俄か雨に捕まり、軒下で雨宿りしていたら、偶然、愛犬の散歩に出て来られたご当主の方が、お互い犬好きで、愛犬の話しで意気投合したことから、屋敷内で雨宿りさせて戴くのみならず、その間、お茶を一服戴いてしまったという思い出のお屋敷の門前なのです。

やはり、江戸時代からの風雪に耐えてきたこちらの屋敷の佇まいには感動を覚えましたし、このような街並みを大事に残し、またよそ者にも心優しい街の人々にも敬服し、再訪した次第です。

Baltar40mmf2.3FMAOの安定した描写性能は高性能なEktarフィルムと相俟って、すっきりしながら、味わい深い描写で、被写体である建物の上を流れて来た、幾星霜の月日の重みすら写し取っているような気がしました。

まだまだの五枚目。
旅程三日目の21日は、井伊家のお膝元、彦根へ出かけました。
彦根といえば、まずは「彦根城」こちらを訪問しないで、写真撮影ツアーを語ることは出来ません。

当日は、やはり朝から降ったりやんだりで、夢京橋キャッスルロードという景観地区、そして四番町スクェアの辺りを撮って、そして、前回も訪れた有名な鰻ひつまぶしのお店でランチ、そして夢京橋キャッスルロードの入口付近のおっされなカフェでケーキとお茶でも戴こうと思っていたのですが、ランチを食べたら、日頃の行いが宜しくないのか、雨足が強まり、城の下の観光案内所みたいなところで、暫し雨宿りを余儀なくされました。

小一時間ほど経ち、小降りになったところで、再び、お城周りの撮影に出かけ、寸暇を惜しみ、鵜の目鷹の目、被写体を探す中、ふと大手門の橋のところで、赤い花と緑の水面、そして風雪に晒された木造の橋の構図が心惹かれるものが有ったので、シャッター切ったのがこのカット。

Baltar35mmf2.3は小さい玉ながら、135判フィルムでもバツグンの描写性能と味のある表現で楽しませてくれます。

最後の六枚目。
当初予定とは逆に、大手門から出て、夢京橋キャッスルロードを駅方向に歩きながら、お目当てのカフェを目指していたら、いかにもお人柄の良さそうな年輩男性の方が、お孫さんを肩車して、楽しそうに歩いておられました。
こうなると、声を掛けて撮らせてもらわないワケには行きません。

色々、注文付けて、夢京橋キャッスルロードの街並みを背景に一枚撮らせて戴いたのがこのカット。
個人的には、お二方の今を生きる幸せ感が画面からじわ~と滲み出てくるような、会心の一枚になったのではないかと思います。

それにしても、この主人公を背景から浮かび上がらせるが如き描写を可能とするKinetalの表現力たるや、素晴らしいものがあると改めて感じ入ってしまいました。

撮影ご協力改めて御礼を申し上げます。もし、メール戴ければ、プリント可能なデジタルデータをメールでお送り致します。

今回の旅は、雨には祟られたものの、ピーカンだけの旅程では撮れなかった、琵琶湖周辺の景色や、人々の生活の様子を捉えることが出来たので、結果オーライだったのではないかと思いました。

さて、来週は久々に秘宝館行こうかな。乞うご期待。

テーマ:旅の写真 - ジャンル:写真

  1. 2011/08/28(日) 21:00:00|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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コメント

精力的に撮影されていますね~~~

滋賀県というと
学生時代、奈良の人から
滋賀は金の卵を産むニワトリが
車に当たってきて、飼い主から法外の請求されるから
行かないほうが良いよ~~~
とか言われたので
恐くて、まだ一度も行ったことがありません・・・マテw

と、冗談はさておき
一枚目が良いですね~~~
いつもと感じが違うので、別な人のブログに来たかと思いました。

それから3枚目も
まさかCさんが、カップルを写すなんて・・・
という違和感が・・・・・
もしかして新境地を開拓中とか・・・・マテw

5枚目ですが
綺麗に、水面に写った橋が出ているのが驚きました。
  1. 2011/08/28(日) 21:52:34 |
  2. URL |
  3. やまがた #-
  4. [ 編集]

これもまた修錬のうち・・・

やまがたさん
ありがとうございます。

実は、この滋賀県の琵琶湖岸一帯も「電気のふるさと」なんですねぇ・・・

そこで、D.M.フォトグラファーさんのために一肌も二肌も脱いだ我々は、写真コンテストのため、I大先生をはじめ、ガチ勝負すべく、あちこちで撮りまくっているのですよ・・・

そして、人が居ない(特に可愛いJKの類いが)ところでは、純粋に景色の一部を切り取って、レンズの描写特性を活かし、作画するという、新たな修錬の旅だったということです。

全国どこでも、いたいけな小姐ばっかり撮ってたんぢゃ、ブログのヒット数は稼げますが、修錬にはならないですからねぇ・・・

あ、そろそろ、ノンライツRFの板にも、コンテストの募集要項載っけなきゃね。
  1. 2011/08/29(月) 10:32:08 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

こんばんは

今回もずいぶんとバラエティーですね。
フイルムとデジタル混載だけでなく、個性の強いレンズ描写がきわだっています。さらに、普通の描写さえも「ふつう」という個性にみえてしまいます。

1,6なんかが比較的普通にみえましたが、1のトーンもトーンがトロ~ンとしていてちょっと異様です。

3も奇妙なピント感とボケ感があります。
仲よさそうな二人連れが主題ですと、そんなのどうでも良いとも言えそうですが。


デジタルなら直ぐに再生して確認できるから、クセの傾向がつかめるかもしれませんね。
それは、今回一連の写真がそれぞれ独立して描写を主張しているようで悩ましげな感触すら感じました。おもえばこうしたバラエティーさは、ずっとそうだったのかもしれませんが。

たぶん、沢山撮影されている所から代表作を選定しているのでしょうとは思いますが、今回は特にそれぞれのレンズが際立っているように感じました。といっても、それはわたしの見ている気分がそう感じているだけかもしれません。
 
巻頭、山形さんのユニークな逸話が塗り薬な近江路のイメージをおもしろブラックに脚色したせいかもしれませんが、それほど変化の無い地方事情は、たとえばイギリスの多くの個性的な伝承行事の様に、意外とこういった地域エピソードなんか前面にあったりすると面白いかもしれません。(史実に裏ずけされていれば消えずに伝承されるでしょうけれど)
日本も、地域集客というと最近の賑わいはアウトレット販売店でもありそうですが、どうにかユニークで独自性のある個性的な地方であって欲しいものです。(伝承・路地話が無ければ、現状ではゆるキャラしか頼めませんか…)
  1. 2011/08/30(火) 00:27:34 |
  2. URL |
  3. quatorzieme ordre #-
  4. [ 編集]

Quatorzeim Ordre さん
有難うございます
遂に第14章まで来てしまったのですね・・・

まぁ、それはさておき、今回も昭南島編同様、オムニバスです。
レンズもメディアもばーらばらで、ロケ地をキーにこれは☆と思った画を採用して、テキトーにスト-リーを繋いでいるので、結果、レンズも、デジ、銀塩もシャッフルされてしまうのです。

特に今回は、同じレンズでM8によるデジとエクターフィルムによる銀塩の二通りの味わいが堪能出来、ことCooke Kinetal50mmf1.8の優秀さ、味わい深さが際立ったのではないかと、個人的には思いました。

また、Gauss-Tachar32mmf2.3は久々の旅のお供ではありますが、普段は敵わないと思っていた超優秀広角レンズのBaltar35mm&40mmに対して、すっきりとしたヌケの良い描写で一歩も退かず拮抗しているところに往年のドイツの銘玉の心意気を感じました・・・あ、でも良く考えたら、Baltarだって、Goertz USAが作った玉だから、結局はノンライツのドイツ玉同士での頂上決戦になったワケです。
  1. 2011/08/30(火) 22:23:14 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

病み上がりで朝顔の鮮やかさにほっとします。

ご協力ありがとうございます~。

まだリハビリ中です。

4枚目で久々にあざやがな朝顔を見てホッとしました。
それと親子連れの6枚目も良いですね。

1か月間寝ていたので、こういう写真には癒されます。
自分も頑張らないとなあ。

さて、あちらにはどのレンズを使ったのか興味深深です。楽しみにしてます。
  1. 2011/09/03(土) 10:23:29 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。
この程度の写真でも、癒しになると言って戴ければ、へっぽこはへっぽこなりに写真家冥利に尽きます。
因みに6枚目のカットは掲載直後にご家族の方からメールを戴いてしまい、今後も楽しみに弊ブログを閲覧して戴ける、との嬉しいお言葉を頂戴しました。

やはり、自分の撮った写真が何かしら、ひと様の心を動かした、と思えるような出来事が有るからこそ、写真はやめられないのだと思いました。

しかし、例の件、琵琶湖岸の町は全て、対象地区だと思って、イイ気になって撮りまくっていたら、帰ってよくよく調べてみれば、該当は「長浜」のみ・・・が~ん、今月撮影旅行に行こうと思っていた奈良井宿も対象外、う~ん、作戦練り直さねば(汗)
  1. 2011/09/03(土) 23:51:07 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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