深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

La terribilità delle figure prestazioni appaiono in~Leitz Vario-Elmar R 21-35mmf3.5-4.0 ASPH~

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【撮影データ】カメラ:Leica RE 絞り優先AE 露出+1/3、フィルム:Kodak Ektar100、ロケ地:晴海トリトンスクウェア
さて、今宵のご紹介は、現行市販レンズの中ではかなりレアの部類に入るのではないかと思える、Vario-Elmar21-35mmf3.5-4.0を取り上げたいと思います。

この黒ずくめの重厚感有る、Rシステム最終期の広角ズームは2002年に販売開始、2009年にR9がSシステムにバトンタッチする直前にひっそりとカタログから姿を消しました。

ライカAGの資料サイトによれば製造数は3400本程度、構成は8群9枚、即ち、"エルマーの定理"に則り、貼り合わせ面は一箇所だけ、ASPHの呼称の示す通り、非球面レンズを1枚奢っています。

では早速、作例いってみます。今週も晴海のトリトンスクウェアからのピックアップとなります。

まず一枚目。

先週、M8とノーコートバルター35mmf2.3の記事の際にもアップした花で作られたイルカの図です。
M8での35mm、即ち、46mm相当の画角ではこの地上絵の全貌をあますところなく捉えるのは、構図的にもかなりムリがありましたが、銀塩一眼レフのREであれば、21mmが掛値なく使えるので、ド楽勝で撮れます。

カメラを構えてピンを合わせていたら、歌を唄いながらスキップしてきた小々姐が、振り付け付きで歌って踊り出したので、早速、借景させて貰いました。

撮るや否や、その小々姐は駆け寄って来て「ねぇねぇ、何かの雑誌の取材!? いつ何月号に載るの!?」とか、期待に小さな胸を膨らませて、笑顔で矢継ぎ早に質問を浴びせてきましたが、「残念でした、おぢさんはただのカリスマブロガーだよ・・・」とか言った途端、「な~んだ、新作発表して損しちゃった」とかほっぺたを膨らませて、またスキップして後ろへ過ぎ去って行ってしまいました。

とまぁ、そんなエピソードもありましたが、開放からシャープ、歩道の窯業系舗装材は西日をもろに浴びてギンギンに反射していましたが、ゴースト、フレアとも無縁のカットとなりました。

そして二枚目。

そんなこんなでカメラ2台、しかもライカをこれ見よがしに提げた、一見玄人筋のへたれアマチュアカメラマンは中央区観光祭り会場でもある、トリトンスクウェアの中を進んで行きました。

すると、いたいけな小々姐3名がテントの即席売店の前でじゃれているではないですか?

経験則からして、こういうじゃれている小姐、小々姐達は、撮らせてね♪と声掛けても、まず断られることがありません。

そこで、ハィハィ、キミ達、ブログのネタね、餌食とも言いますよ♪、とか面白くもないオヤヂギャグで場を凍らせつつ、35mm域で一枚撮らせて貰ったのがこのカット。

陽の当たり加減にもよりますが、それほど、カリカリでもないカンジでいたいけな小々姐達の肌の質感を良く捉えていますし、背景のボケもナチュラルでイイカンジではないでしょうか。

しかし、他人事ながら、同じお店に「りな」ちゃんが二人居たら、呼ぶのに困らない!?って思いました(笑)

それから三枚目。

小々姐御本人、そして傍らで歓談に打ち興じていた保護者各位に心からお礼を述べ、また会場徘徊に出ます。

すると、居ました、居ました、イイネタが・・・

またいたいけな小々姐3名組が、きゃぁきゃぁ黄色い喚声を上げながら、縄跳びなんかに打ち興じています。

その前に立って、暫し様子を見てたら、「おぢさんも縄跳び入る!?」とか、また嬉しい声を掛けてくれました。

しかし「有難う♪ も、う~ん、おぢさんはやめとくわ、だって、カメラ2台提げて跳んだらエラいことになるし、そばに置いたら置いたで、キミ達をお父さん、お母さんに言われたでしょ? 貴重品は常に手放しちゃいけないって」と笑いを押し殺して、思いっきり、上から目線で嬉しい誘いをお断りしました。

そこで好機到来「でも、せっかく、こうして出会ったんだから、記念に一枚撮らしてね、そう、みんなが跳んでるとこがイイな♪」とか好き勝手放題言ってみたら、気のいい下町の小々姐達、こうして笑顔で一生懸命跳んでるとこを撮らせてくれたという次第です。

向かって一番左の小々姐なんか、マヂで気合い入れて跳んだもんだから、出来上がったカットみたら、思わず、某教団の空中浮揚かいな、とか思いほくそえんだものです。

ここでは35mmでの画角で撮っていますが、この程度離れると被写界深度の関係でバックもそれほどボケないようです。

風になびく髪、衣服の皺、やはり必要且つ十分な質感描写の解像力を持ちながら、ここでは意外と優しく描写しています。

続いて四枚目。

縄跳び三人組の小々姐に笑顔で手を振ってお礼を述べて、また会場を徘徊しはじめました。

すると、運河の開けた背景の前で、幼い姉妹が他愛無いことでじゃれているではないですか・・・

これはシャッターチャンスと思い、35mm域で一発必中の一撃を戴いた次第。

しかも、姉妹に気を取られていて、あまり目に留まらなかったのですが、その前方にはペットボトルを切断して作ったと思しき、リサイクルとは真っ向から反する、アヤシゲなオブヂェ、木陰には漆黒の自転車が・・・

まさにこのカットこそがこのVario-Elmar21mm-35mmf3.5-4.0 ASPHの描写特性を雄弁に語る作例だと個人的には思いました。

開放からの必要かつ充分な解像力、締まった暖色系の発色、コントラストと階調再現性の高いバランス、心地好い前ボケ・・・

でも、この程度の性能なら値段が数分の一の国産ズームだって出せるだろう?・・・当然そういう疑問も湧きます。

しかし、車に喩えれば、首都高を100km以下でトロトロ流すにしても、アストンマーチンDBSとフーガ、マジェスタ辺りではやはり違うのです。

それは数値に出来ない感性の領域かも知れないし、見えないところにこそお金を掛けるという欧米の一流メーカーの堅持してきた哲学に無意識に感応する精神の問題かもしれないのです。

最後の五枚目。

更に獲物を探して会場を徘徊していると、太陽に背を向け、こっちを向いてうわっぱりを脱いでいる小々々姐と目が合いました。

そこで、しゃがみ込んで一枚戴いたのがこのカット。

画面に直接太陽は映り込まなかったものの、斜めからフード越しに忍び込んだ秋の斜陽は、クリオネみたいな形のフレアを二個、画面右から中央方向に残していってくれました。

35mm域での撮影なので、パースによるデフォルメはなく、あたかもレンジファインダでいつも撮っているカンジで撮れました。

今回の感想としては、やはり、ライツRシステム最後の広角ズームは期待されて登場されただけあって、まだ使いこなせていないだけで、奥が深いようです。

でも、残念ながら、後玉背後のプロテクタ金物のせり出しの関係で、スゥィングバックミラーを持つEOS1DsMKIIですら使えないので、当面はREでお付き合いするよりほかなさそうです。

さて、来週は運良く行き当たった栃木祭りのレポートをお送り致します。乞う御期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2011/11/13(日) 21:00:00|
  2. 深川秘宝館
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:8
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コメント

うわ。また思ったよりシャープなレンズですな。
これくらいの画角のズームレンズがあったらいいなと思いながらCanonEF16-35mmf/2.8USMIIを死蔵している私ですが、同レンズはおそらく、このレンズの足元にも及びません。これが1DsMarkIIで使えれば...とも思うのですが、まぁそれはそれ、ということで。

しかし約3400本...。レアというかなんというか、とても現代レンズとは思えない。うーむ。
  1. 2011/11/13(日) 23:12:13 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

なにげない日常をイベントに昇華させる腕前が冴えていますね~。子供達との楽しげな会話が聞こえてきそうです。

たしか、トリトンの前では花を飾るイベントがあるなんて聞きましたが、下町ガーデニングの団地版のようで既に現地に溶け込んでいるようですね。

もっとも、トリトンはたしか事務所ビルで、多少低層階にお店がある程度だったでしょうから、たぶん近所にその頃かそれ以降かに竣工した高層マンションの住民でも遊んでいるのでしょうか。
たしか、対岸には古くからの土地・月島という地名も優雅な住民達も控えていますし、運河には船を棲家にしているようなオジサンも散見した事があります。
(こんな懐かしげなトリトン付近には、実はその一棟へと仕事に入っていました)

21-35というズームも、けっこう使いでがありそうですね。路地が狭かったり建物が巨大な都会では、こうしてみても意外と使い易そうです。(斯く云うわたしも、18mmとISO1600のフイルムで夜間スナップも結構楽しんだりします)

なんといっても感触がよければ撮影もたのしいでしょうから、打って付けのズームでしょうね。REなんてのも珍しいですが、東ドイツが崩壊した前後に発売された印象があって、東をおもねってか比較的安価だったような気もしましたが、コチラの感触は如何なものでしょうか?(ちょっと心配したりして…)
R7-2なんて未だに高値ですし、入門用にはR4よりもREのほうがよいでしょうか?
最近は、Rレンズも見なくなってしまったし、あの重厚な再現を懐かしく思いました。(露出不足気味にしたときのシャドーにはシビレます。なかなか他に類例もありませんし・・・)

こうしたライカの重たげなセットですが、対する非常に軽やかなスナップには大きく好感がもてました。なぜなら、都会でのスナップが楽しそうに見えますからね!



  1. 2011/11/13(日) 23:37:34 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

最近Rシステムを見直されているとか?

Rシステムとエクターってのも相性良いのですね。
発色もすっきりしているし、何より瞬間切り取りの巧みな事。

かの写真家ロベール・ドアノーもR4を使ってらした様ですし、こういうのを見ていると自分も来週辺り久々にフィルム一眼レフを使おうかなと思ったりします。

とは言え・・・

>しかし、車に喩えれば、首都高を100km以下でトロトロ流すにしても、アストンマーチンDBSとフーガ、マジェスタ辺りではやはり違うのです。

この感覚判りますわ(笑)
精神論の世界になるかもしれませんけど、仕上がった写真の満足度にも比例するし、何というか「ゆとり」が感じられるのですよね。

北海道でもメインシステムをライカRでカレンダー撮影とかやっていらっしゃる写真館の方もおられますし、今こそ見直されても良いのかもしれませんね。ライカRシステム。
  1. 2011/11/13(日) 23:51:35 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。

EFレンズのCanonEF16-35mmf/2.8USMIIですか・・・これもまた高いレンズをお持ちで・・・汗

死蔵させちゃもったいないですよ、どんどん使いませう。

で、飽きちゃったら、高値で売っぱらって、ヤシコンNマウントの17-35mmf2.8のヴァリオゾナーのEFマウント改造やっちゃって、NOCTOさんに儲けさせてあげませうwww

ヴァリオゾナーが相手では、ヴァリオエルマーも旗色悪いかも・・・しかも製造本数は向こうの方がもっと少ないはずだし(苦笑)
  1. 2011/11/14(月) 22:58:07 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
久々に使うREは近所でのスナップに絶大な威力を発揮したようです。

少なくとも撮影結果を見る限りでは並走したM8に一歩もひけをとらないし、機動力も描写力もまだまだ第一線級の実力を持つことを思い知らせてくれました。

なお、Rボディの件ですが、うちには、R4SとREがありますが、殆どREを使っています。

何とならば、同じく絞り優先AE機ですが、REには2000分の1秒というアドバンテージがあるのと、製造年数がずっと後なので、メカとしての熟成度、信頼度が高いと考えられるからです。

今も買い足すとしたら、R7かREですね。

がたやまさんも、奇しくもライカフレックスが欲しいとか何とか言ってましたし、ここはお二人で銀ブラでもして、お揃いのRボディとかいかがでしょうか♪
  1. 2011/11/14(月) 23:10:20 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Re:最近Rシステムを見直されているとか?

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

当家には、フィルムと言えば、EKTARしか買い置きがないので、当然と言えば当然なのですが、使えるボディがREかR4Sしかないので、この組み合わせとなった次第。

でも、その写りはやはり期待を裏切らなかったですね。

因みにRボディは、だんだん状態のイイものが減ってきているのですが、Rレンズの方は程好いシャープネス、締まった発色、そしてコントラストと階調再現性の絶妙のバランスのおかげで、EOSや一部マウント改装によるFマウント利用でその需要は沸騰しているようです。

特に35-70mmf3.5ヴァリオエルマー後期モデルのドイツ製と35mmとか50mmの単焦点ズミクロンは決して期待を裏切らないと思いますから、今のうちにREかR7と一緒に1本揃えておかれるのも一興かと。
  1. 2011/11/14(月) 23:13:13 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

ライカのレンズって
いろんなレンズが在ったんですね~~~
まあ高嶺の花だったので
なるべく知らない振りしてましたね・・・・自分・・・・(^_^;)

最初写真を見たときデジタルかなと思いましたが
フィルムだったんてすね。
いい感じの写りですね。国産ズームとは
やはり、どこかが違うのですね。

写真のほうは
なわとび少女の真ん中の子が一番ですね・・・w
将来が楽しみです・・・笑

あとは、チキンラーメンのエプロンがグッドです・・・マテw
  1. 2011/11/14(月) 23:34:18 |
  2. URL |
  3. やまがた #-
  4. [ 編集]

やまがたさん
有難うございます。
もっと自分に正直になりましょうよ・・・苦笑

今回上京したら、たぶん、銀座の黄色い手榴弾か、中野のぺこちゃんカメラでライカフレックスか、R6.2でも手に吸い付いて離れなくなっちゃって、故郷に着いたら、今までの「ぼんやりとした低コントラストの写真」からの180°の宗旨変えが待ってますよぉぉぉ~~www
  1. 2011/11/15(火) 22:32:49 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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