深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Algunos caen-ri~深大寺ツアー'11秋~

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【撮影データ】カメラ:EPSON R-D1s 露出 絞り優先AE 補整+-0、レンズ;1~3枚目;深川Extra AnastigmatII 50mmf1.9、4~6枚目;Fastax Raptar51.6mmf2改深川Speciale、全コマ開放
さて、まずはお詫びと訂正。

先週末の目論見では、栃木シリーズもう一発行こうかと思っていたのですが、週半ばの臨時更新で深大寺ツアー結果をご紹介出来なかったので、日曜日の定常更新でのお披露目とさせて戴きます。

深大寺へは、先週末の土曜日、そう、日本列島津々浦々の大荒れ模様の中、7名の勇士がうち揃い、もう過ぎ去らんばかりの里の秋を捉えようと深大寺まで繰り出したのでありました。

各メンバーそれぞれのブログで紹介がひと通り出揃い、主催者たる工房主が、一番最後のお披露目となりました。

まさに「白浪5人男」ならぬ「秋雨7人男」の「さてどん尻にひけぇしは・・・」の「南郷力丸」もイイ面の皮のノリです(笑)

今回使用した機材は、初試写のものがあったので、深川のテスト基準に則り、カメラはR-D1sが久々の登板です。

期待のNEX-7が洪水により行方不明状態で入荷の未通しが経たない状況につき、当面はテスト機の地位は安泰のようです。

で肝心のレンズですが、まず初めのカットから3枚目は、全く新しい光学系を設計したものを試作し、微調整前の試写という扱いで距離計連動改造からの製造ではなく、光学ブロックの設計、加工、組立まで当工房で行った野心的な作品といえます。

でも、本体のご紹は今暫しのお待ちを・・・

4~6枚目は、何度か登場していますが、内面反射の処理が上手くいってなかったため、ぐずぐずのフレア大会で、先週の栃木編でも工房主を梃子摺らせてくれましたが、今回は前の晩に、前後エレメントを全部外し、内面反射をグラファィト系無反射塗料で徹底的に行い、その上で、各エレメントのクリアランスを充分に注意し、組み直したFastax-Raptarです。

では、さっそく成果を見ていきましょう。

まず一枚目。

当日10時半過ぎに集合したは良いが、天気予報はむしろ悪い方に外れてしまい、雨足は強まるばかりです。
仕方なく、一行は山門したで雨宿りしながら、身近なもので手っ取り早く撮影を開始しています。

そこで、逆光性能評価も含め、目の前の雨に打たれる灯篭などをモデルさんにして一枚頂き。

ピンは灯篭の傘のまさに光った肩に置いていますが、どうでしょうか・・・

濡れた石の質感、そして石に当って砕ける雨の雫、R-D1sの小さな背面モニタで確認した段階でも、なかなか出来るレンズではないかと思いました。

背景のボケはビネッティングもあり、独特のものになっています。

そして二枚目。

11時も回る頃、やっと全員揃い、深大寺境内に紅葉を求め徘徊を始めました。

手洗場の前に雨に濡れた紅葉がちょうど眼の高さ辺りにせり出していたので、これ幸いに最短距離での撮影を行います。

ややフレアっぽいですが、瑞々しい紅葉の姿はありのまま捉えられていると思いますし、背景が球面収差にビネッティングも加わり、何か幻想的なイメージの作画になったのではないかと思います。

これを見たら、テッサータイプの方の試作レンズを嬉しそうに持って帰って嬉々として使っている、某幻覚写真家センセイがこっちが欲っすぃ~!とか夜行バスに乗って拉致しに来そうでちょっこしコワイ気もしました(笑)

それから三枚目。

あちこちにのブログで出まくら千代子状態の深大寺々猫ちゃんです。

相当撮られ馴れているらしく、全く動じないですし、時折、鋭いカメラ目線なんか投げかけてきます。

暫し睨めっこし、エイヤ!とばかり撮ったのがこのカット。

カリカリではないものの、必要かつ充分な解像力は出ており、後ボケは距離によっては二線傾向ですが、全般的に球面収差の影響でマイルドなボケとなっています。

また前ボケは、まさに融けるが如きボケで、予想以上に使いでのある玉ではないかと思いました。

続いて四枚目。

有名蕎麦屋さんでゆったりしたランチ後、レンズを交換し、雨の深大寺城址の撮影に向かいました。

まずは、いつもの撮影スポット、館跡を示す柱の位置に置かれた黒御影石の石柱を撮影です。

今回は、石も芝生も濡れた状態の撮影なので、いつもより、色もコントラストも高めで、条件としては、却ってイイかも知れません。

結果はご覧の通り、尾島祭り、栃木祭りと、工房主を悩ませたぐずぐずのフレアは完全に退治され、シャープでしっとりした、ドイツレンズとも、日本レンズとも違う、まさにヲ-レンザックの大口径の味を見せてくれました。

背景は、若干、非点収差の影響があるのか、真ん中の芝生が極わずかにぐるぐる傾向ですが、ナチュラルで心地良いボケではないかと思いました。

ここまでやって、やっとOscillo-Raptar51.6mmf1.5と兄弟の名乗りを挙げられるようになったのではないかと思いました。

まだまだの五枚目。

深大寺城址から降りて、神代水生植物園に向かいました。

ここもまさに水生植物園と銘打つだけあって、いつもの好天の時より、むしろ、今回の方がイキイキとして見えました。

園内を巡らされた木の橋を歩きながら撮影スポットを物色していたら、まさにうってつけのポイントを発見しました。

刈り取られた水田をバックに咲き終わりに近い紅葉が雨に打たれているシーンです。

構図的には、赤と緑で最高の配色ですし、光線状態もバッチシでした。

で撮影結果を見てみると、ここでは、前のカット以上に非点収差が自己主張しており、主役である濡れた紅葉の背景の水田の株が明らかにぐるぐると渦巻き状態です。

しかし、見ていて不愉快になるレベルではなく、やはりヲーレンザックのレンズの造りの上手さに改めて感心した次第。

最後の六枚目。

いつもの木の橋を水生植物園入口方向から撮り下ろしたカットです。

今回は雨に濡れ、木が黒光りしていて、別の顔を見せてくれたようです。

ピンは画面中央の逆くの字方の手摺に合わせていますが、雨に濡れた下草の濃い緑と、黒々とした木の橋がシャープに捉えられ、前後のボケはマイルドで、なかなか嬉しい撮影結果になりました。

今回は人物は全く撮れなかったですが、たまにはこういう雨天での風景オンリー撮影ってのも、レンズの特性評価、そしてオールラウンドな撮影のウデを磨くには悪くないなぁと思いました。

さて、次回は何が出てくるか、色々案が有ってまだ決めかねていますので、乞う御期待。

テーマ:ライカ・マウント・レンズ - ジャンル:写真

  1. 2011/11/27(日) 23:32:33|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:11
<<A fantastic lens I've ever dreamt~Zunow 50mmf1.8 proto. remounted to FD~ | ホーム | 遇到意想不到的快樂~栃木祭り'11~>>

コメント

お疲れ様でしたー!
この日は私にはセンセーショナルで、得るものの質と量が膨大すぎてしばらく知恵熱出しましたが、とにかく有意義で、とても楽しかったです。雨が降っていたせいで談義も進み、それはそれで私にはよかったかな、と思っています。

また、お誘い頂ければ幸いです。

しかしそれにしても、charleyさんをはじめ皆さんの工作精度の高さには驚きました。私もいつかは、とも思うのですが、まずは引越しからはじめなければなりません(苦笑

写真は、一番最後のが好きです。
私はどうも、あのような場面では人工物を外す傾向にあるので、まさかそれを主題、とは露程も思わず。多人数で撮りにいくとなるほど、色々勉強になります。
  1. 2011/11/28(月) 02:57:55 |
  2. URL |
  3. JY #1Nt04ABk
  4. [ 編集]

いやはや

いやはや
いつもながら見事というほかありません、
私にはカム切りが出来ないのでm42やm48の単なるマウントでしか対抗出来ません。
まあ余りレンジフアインダーのカメラが無いのも有りますが得意な分野でますます磨きかけて行きたいと思っています。
  1. 2011/11/28(月) 11:42:38 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

f1,5ラプターと比べれば少々滲みのような気だるい感はありますが、アメリカ流の新種ガラス混交(各種エクター類)のような色付きが印象的です。

こんな曇天でも【4】のような茶系や緑系・薄茶色と、黒い石がアクセントになって、見事に色分けしていますね。


深川製の特殊レンズは、【1】ではある程度のピントを感じますが、【3】の輪郭を逸したボケは大判の古典レンズ風ですし、【2】の点光源ボケだけはスーパーシックス風…。(こんなコトいうと、ヒンシュクを買ってしまうが。)
なんだか、いつものように悩んでしまいます。


今回の例会も盛況だったようで、こんな天候にも関わらず良かったですね。
それにしても、もうnex7を予約してしまったのでしょうか?流れの速いデジカメでしかも発売さえ未定というのに…。
しかしながら、これほど生産ラインを集約化していたとは思いませんでしたが、メーカーは大打撃ですね。

あたらしいカメラを手に入れて、改造への更なる跳躍に繋がって欲しいです。

  1. 2011/11/28(月) 15:30:22 |
  2. URL |
  3. Lazure #-
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2011/11/28(月) 15:35:04 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

大丈夫ですよ~~~欲しがりませんから・・・マテw

まあ、どちらかというと
Fastax Raptarの、背景のボケの個性的なところに
惹かれてはいますが・・・・・笑
(もみじの写真)


ねこの写真を見てみると
私が借りたレンズとの違いが良く判ります。
コントラストは、こちらのレンズが良いですが
ねこ自体の解像度(フレアーは別として)は
テッサーのほうが良く見えます。
そして、バックの木像については
Cさんのほうのレンズのほうが明るいのに
しっかりと写っています。
(私のほうは、収差でボケていますが)

レンズって、面白いものですね~~~~




  1. 2011/11/28(月) 20:28:01 |
  2. URL |
  3. やまがた #-
  4. [ 編集]

3枚目と4枚目に惹かれますね。

3枚目の猫がバカボンのパパに見えて仕方ありません。
鉢巻き巻いて「~なのだ」と言い出しかねないなあと思いましたよ。
こんな表情するのですね、猫って。

4枚目は理由なく、ただこの石の黒さに吸い込まれるのですよ。
良くこのツヤが映るなあと感心するばかりです。
  1. 2011/11/28(月) 21:26:51 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

JYさん
有難うございます。
当日は、初対面にも関わらず、ジ・エンドまで長々とお付き合い戴き、また、写真に、そして機材に関しても持論を伺うことが出来て、当方も大変勉強になりました。

しかし、工作機械まで入れちゃうと、単にマウント換装だけぢゃ済まなくなっちゃうんですよねぇ・・・(苦笑)

まずはhiroさんとこへ足繁く通って、彼のネットワークや自前の工作機械を駆使して戴いて、頭の中の膨らんだイメージを実体化することから始められた方が宜しいのではないかと思いますwww
  1. 2011/11/28(月) 22:13:09 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

hiroさん
有難うございます。

いえいえ、あの前人未踏のApo-CompononのEFマウント改造の怒涛の工作スピードとパッケージングのセンス、やはりプロは違うなぁと貫禄の違いを見せつけられてしまったカンジです。

そこで、メラメラと闘志?を燃やした小生は昨日も殆ど家に閉じ篭り、関東カメサのレストアから上がったばかりでピカピカのCooke Speedpanchro25mmf2をライカマウント化してました。

新機構のチャレンジしていたのと、旋盤のグリスアップ後のセッティングしながらちんたら作業してたので、まだ傾斜カムまでは辿り着いてませんが・・・

何れにせよ、年内にもう一発、面白い企画を考えていますので、体調とスケジュールが合えば、一緒に遊んでやって下さい。
  1. 2011/11/28(月) 22:18:02 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Lazureさん
有難うございます。

今回の試作機、実は一昨日、大久保の名人の元へ持ち込み、評価を受けましたが、「よくまぁ、この程度の硝材とエレメントの加工でここまで写るレンズが出来ましたねぇ」ってなカンジで、ご関心は専ら、内面反射加工が完了し、コントラストが飛躍的に向上し、フレアが劇的に減ったFastax-Raptarの方にありました。

まぁ、初めから、綿密な設計と製造管理を施されたファlクトリーメイドのレンズより高性能のものが出来よう筈もなく、シャレ!と楽しんで戴ければ幸いです。

何せ、あの超ド級の外観ですし・・・w

なお、NEX-7は今時点では欲しいですが、まだ予約など入れてません。

そもそも現行品で数量制限の無いものに予約など入れるほどお大尽ぢゃないし、製造が再開される来年3月には、フジとキャノンとシグマから何が出てくるか判ったもんぢゃありませんからねwww
  1. 2011/11/28(月) 22:25:07 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

やまがたさん
有難うございます。

或る意味、テッサータイプは1号機でしっかりデータ取りして、各エレメントのクリアランス調整もしっかり出来ているから、それなりに写ってしかり、一方、Extra-AnastigmatIIは全くの新構成で、今回が出たとこ勝負の試写ですから、シャープネスでは負けることが有ってもしかりとも思いました。

とまぁ、負け惜しみみたいな事も言ってはみましたが、確かにレンズ遊びも、自分で光学系に手を出すようになっちゃうともう社会復帰はムリみたいです。

やまがたさんもくれぐれも気をつけて下さいね♪
  1. 2011/11/28(月) 22:29:14 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

Re:3枚目と4枚目に惹かれますね。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

確かにこの観光地ズレしたネコ、何か人を小馬鹿にしたような表情をすることがあり、それがギャグ漫画の一癖も二癖も有るキャラに見えなくも有りませんね。

しかし、2週間前の栃木祭りで、川に放り投げて帰って来ようか、と思ったくらいフレアだらけで芯の無いグズグズの画を量産していたFastax-Raptarがここまで劇的に改善するとは、大久保の名人の驚きを待つまでもなく、嬉しい誤算でした。

これだからレンズ遊びはやめられらいんですわ。
  1. 2011/11/28(月) 22:35:05 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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