深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

鉄のカーテンの向こう側から来た小鬼達~Robot Star25 vollautomat

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今回のご紹介は、暫くぶりに工房併設の秘宝館から。
この可愛らしくもどことなく抜け目ない表情のコンパクト風カメラの兄弟は、当時の東ドイツのオットーベルニング社が1930年代から連綿と作り続けてきたロボットカメラシリーズの限定業務用に80年代初めに製造したものと言われています。
その業務というのが、何と東独の公安当局、つまりは秘密警察ですと。

内蔵した強力なスプリングモートルで自動巻上げが可能で、フルに巻き上げると、黒の機体銘板に有る様に25枚、一気に撮ることが出来ます。

きっと、想像するにトレンチコートのポケットか何かにこのどっちかを忍ばせておいて、反体制分子が街角で、こっそり連絡文の入ったアタシュケースを交換する瞬間を連写・・・な~んて、スパイ映画もどきのシーンで使われていたのかと思ったりすると、この精緻で愛くるしい精密機械達がとても禍々しい来歴を持った小鬼のようにも見えてくるから不思議です。

しかし、1990年代も終わりになって、ベルリンの壁崩壊とともにこの小鬼達は職を失い、健全なコミュニケーションのツール、或いは現代の主要な芸術のひとつとして、写真が認知されている西側の自由諸国へ亡命していったのです。

この白黒小鬼兄弟は、縁有って、何とトルコのアンカラのクラシックカメラ屋が電子湾で養殖しているのを釣り上げ、2台一緒に入国させました。

このどちらもファインダには距離計もパララクス補正もついていませんが、ゆがみが少なく、比較的明るいブライトフレーム付きなんで、覗きながら連射しても愉しいし、また、ライカやSPとは違ったスナップ流儀・・・ノーファインダですれ違いざまにシャッターを切って撮影する・・・そう、この小鬼達のかつての故郷での特技では、24x24の正方形フォーマットも相俟って今までにない斬新な画が撮れました。

きっと、そんな時、この小鬼達は、ウィンクして、ほーらね、ぼくらはホントはこうやって使って貰うのが正しいんだよ♪と語りかけてくるようです。

テーマ:レンジファインダー - ジャンル:写真

  1. 2008/03/17(月) 22:50:18|
  2. 深川秘宝館
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今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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