深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

사진을 찍어도 괜찮습니까?~釜山ツアー'11後編~

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【撮影データ】カメラ:2、4、5、6枚目;Leica M8 絞り優先AE、露出+1/3、1、3枚目;Zeiss Ikon ZM Kodak Ektar100、レンズ:1枚目、3枚目;Cine-Planar50mmf2、2、4、5、6枚目;Cooke Speedpanchro40mmf2
さて、先週の釜山ツアー前編に引き続き、後編お送り致します。

ところで、今回のタイトル、何ていう意味なの?という質問がぼちぼち寄せられたので、説明せねばならないのですが、読みは「サジヌル チゴド ケンチャスムニカ?」、意味は「May I take photpgraph?」つまり、写真撮っても宜しゅうおすか?という問い掛けです。

これをあちこち行く先々で問い掛け、或る時はオーバーに手を振られ、或る時は満面の笑顔でピースサインを貰い、写真を撮るとともに、草の根レベルでの交流が出来たのでは、と自分では思っています。

今回の後編は、予告通り、12月24日の朝からの釜山市内での動きを写真としてレポートしたいとと思います。

ということで、まず一枚目。

9時過ぎにホテルを回った工房主は、まず腹ごしらえしてから、一日撮りまくろうと企み、ガイドブック記事でで気になって仕方なかった、蜆ビビンバのお店に寄りました。

お店の小姐が「お客さん日本人よね、しじみスープ定食で良い?」と脈絡の無い問い掛けをしてきたので、アニャ、イルボン スムニダ、しじみビビンバチュセヨ、とかワケ判らない返事をスマホいじりながら返したら、何とその5~6分後、工房主が1人座った4人がけテーブルは、すんごい事に・・・

そう、日本に比べ、いや、ソウルと較べても給仕の裁量範囲が大きい釜山では、このお客にはオマケしとこう☆と給仕さんがロックオンすると、ごはんの量は何も言わず大盛になり、小皿がそれこそテーブルを埋め尽くさんばかりに出てくるのです。

結局、イブの朝飯は、本来4品のはずだった蜆ビビンバが何と12品目の大サービスで、後から入って来た関西ヲバさま社中3名が同じものを頼んだのに、何とテーブルの上の料理点数がほぼ同じという差別待遇。

さすがに関西のヲバさま社中も只ならぬ状況を感じたのか、「きっと後から出てくるんだよ、テーブルとか狭くなっちゃうし」とかひたすらお互いに慰めあっていましたが、小生が食べる隣のテーブルで腕組んで、にこにこと小生が食べる様子を見守るアラサー女給さんに表立って抗議をするワケにも行かず、その後は無言で黙々と食べ、お金だけ払ってさっさと出て行ってしまいました。

そして、やっと食べ終えた小生が虫の息で勘定して店を後にしようとすると、レジで待ち構えていたくだんの女給さんに手首を捉まれ、「お腹一杯になった!? サービスしたんだから、日本語教えて!」とかせがまれ、仕方なく10分ほど、数字の読み方とか、カタカナの書き方、アルファベット表記を教えて上げて、やっと開放されたのです。

そんなこんなで、もう食べ物関連は見たくもない撮影スタートになってしまったのですが、まずは朝のチャガルチ市場を撮らねば一日が始まらないので、市場まで歩いて移動し、市場のビルのテラスに出たら、幸せそうな家族連れがおっかなびっくりカモメへの餌付けなどやっていたので、「サジヌル チゴド ケンチャスムニカ?」と何とかのひとつ覚えみたいに声を掛け、さすがに数十年前の平壌放送で発音を覚えたアヤシゲな韓国語ですから、はじめ怪訝な顔をされ、「イルボン?」とか聞かれ「アニャ イルボン!」と答え、思いっきり笑われ、「アニャ サジヌル ケンチャナヨ!」と言われ、そして何枚か狙って撮ったうちのフィルム版がこのカット。

発色もなかなかツボに嵌まっており、小姐の楽しそうな表情は言わずもがな、雄大な釜山港の遠景もキレイなボケに収まっています。

そして二枚目。

何枚か撮ってから、家族全員にお礼を述べ、ブログの名刺など渡し、もし東京へ来ることが有れば、声掛けて、と述べてその場を後にしました。

それから、また露店街の方へ戻り、市場での本格的撮影に入りました。

まだ陽は高くなっていませんが、雲が殆どない快晴の日だったので、市場は到着日の夜の顔と打って変わって、あちこちで丁々発止のハードネゴが繰り広げられる、活気溢れた商いの場となっています。

そんな風景の中で、吊るしてある干物越しにお買物をしている地元民の方が居られたので、一枚戴いた次第。

ここでは、ちょうど低い角度で差込む陽光越しに商いの主人公2人の輪郭がくっきり際立ち、なかなか味の有る描写になったと思いました。

前ボケとなった干物もナチュナルなボケ方でこれはこれで作画的にはアリかなと思いました。

それから三枚目。

更に露店街を歩いて行くと、荷車を押した行商のヲバさまと、その横を黙々と歩むインテリ風の御老人の姿が目に留まりました。

すかさずシャッターを切り、何事も無かったかの如く、その場を立ち去ったので、撮れたカット自体にはそれほど期待しておらず、正直、フィルムの現像から上がってくるまで、その存在すら忘れかけていたのですが、現像と同時に納品されたCD-R経由の画像をPCのモニターで見て、先のカモメの餌付け小姐写真を上回るインパクトを受けました。

後付けの説明は要らないくらい、シネレンズの持てるポテシャルとシネ用ネガからスピンアウトして製品化されたというKodak Ektar100のコンビの底力を見せつけられたカットではないかと思いました。

続いて四枚目。

チャガルチ市場で昼過ぎまで撮ってから、一旦、釜山駅北に在る中華街まで出かけ、そこで撮影すべきものは特段何も無いにも関わらず、何枚か撮ってから、また南浦洞の繁華街へと舞い戻りました。

まぁ、早い話、東京でも、バンコクでも、ここ釜山でも、クリスマスイブの繁華街の様子はそれほど変わりません。

本来の宗教的行事の意味からかなり逸脱し、男女間の恋愛活動プロセスにおけるひとつの通過儀礼の如く、或る者はペアルックを着込み、また或るものは腕を組み、街を闊歩しています。

ところが、ここ数年、、東京の渋谷辺りでも見かけたのですが、「Free Hug」という看板を掲げた若者が何組か街頭に陣取っており、要はクリスマスをカップルで過ごすようなステディの居ない者同士、何のしがらみもない、刹那的な抱擁によって、お互いの孤独感を紛らわそうではないか、といった一種の連帯活動をやっているのです。

そこで、如何にも孤独な異邦人を装い、ドイツ訛りの英語で「May I take your photograph?」などと話し掛けて見ると、OKはしてくれるのですが、顔全部出してしまって世界中にブログ経由ででも晒されるのは堪らないとみえて、だいたい、目、鼻くらいは出して写真を撮らせてくれます。

安東河回村での美小姐2人の度胸がウソのようですが、一般的には韓国の小姐達は恥ずかしがり屋で、見知らぬ人間に写真を撮られることには警戒するのが普通のようです。

このカットの後も数枚、別のパーティに声掛けて撮らせて貰いましたが、1人撮ってたら、油断した隙にもう一名の小姐に後ろからガシっ!と抱きすくめられるという、嬉しいような、気恥ずかしいような椿事も有りましたし・・・

まだまだの五枚目。

陽気な若者達に写真を撮らせて貰いながら、英語や片言の日本語、韓国語で少し話しなどして、通りを徘徊していたら、世界各国共通のイブの日街頭セール/キャンペーンの小姐が居ました。

目が合ったら、マイクを離して「オソオセヨ」とか声を掛けてきてくれたので、また北っぽいアクセントで「サジヌル チゴド ケンチャスムニカ?」と声掛けてみたら、よほど誰かに声を掛けて欲しかったのか、満面の笑みでOKサインのヂェスチャを出してくれたので、一枚撮ったのがこのカット。

まぁ、こういうシーンであれば、別にシネレンズぢゃなく、スマホの良く出来たカメラ機能で撮っても良かったって言えば、良かったのですが、これも貴重な旅の記録ということで。

最後の六枚目。

伊達眼鏡もひょうきんで愛くるしい小姐に「カムサムニダ」とお礼を述べ、その場を後にして、また新たな被写体を求めて南浦の繁華街を徘徊していました。

すると、居ました、居ました、昼夜通し営業中の街頭絵描きさんが、仲睦まじいカップル?のお熱い様子を似顔絵に描いていました。

こういうシーンは物見高い見物人が黙認して通り過ぎよう筈もなく、あちこちで上手い絵描きさんの周りには人だかりが出来ています。

当のモデルであり、お施主さんであるカップル達も肝が据わったもので、じろじろとがん見されるのみならず、不特定多数の人間に興味本位で写真なんか撮られたって、文句のひとつ言うでなく、平然としたものです。

そこで、一番漫画っぽく描いている絵描きさんの斜め後ろのポジションに陣取り、画と御本尊サマの御尊顔との比較が容易に出来得るカットを撮ってみた次第。

どうでしょう。漫画チックには描かれていますが、このしっかり者そうな小姐の顔の特徴は余すとこなく捉えており、デフォルメはあっても、かなり好意的な描写になっているのでは、と個人的には感じました。

さて、これで釜山編は終わりですが、いかがでしたでしょうか?

外交的、政治的には、必ずしもしっくりいかない日韓両国ですが、イブを挟んだ訪問でのこうした庶民レベルでの交流から見れば、それほど変わらない容姿、同じような文化習慣、そしてお互いを知ろうとする好奇心・・・国益云々などという裃脱げば、とても仲良くなれるような気がしました。

これからも、年に一回は世界の何処かに出かけ、そのありのままの姿をお伝えしたいと考えました。

来週は今年一発目の工房作品のご紹介行きます。乞う御期待。

テーマ:外国の風景 - ジャンル:写真

  1. 2012/01/15(日) 22:00:00|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

網掛けでない情報って出てこないですしね、こういうことでもないと。

距離感絶妙ですわね、相変わらず。

ところで、韓国ってダンキンドーナツがあるのですね。

あたしゃ沖縄の基地の中で食べて以来見かけません。

ミスタードーナツかクリスピークリームドーナツですねえ、最近見るのは。
あの毒々しいカラーのドーナツ、また食べてみたいものですが、かないませんなあ。

それはそれとして、看板で顔を隠している女性が良いですね。
雰囲気とか目線とか。

あたしゃ、こんなんとても撮れませんしねえ。
  1. 2012/01/15(日) 23:37:56 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:網掛けでない情報って出てこないですしね、こういうことでもないと。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。

韓国の若者は、結構話が判る連中が多いし、日本のブロガーと名乗れば、気さくに写真くらいは撮らしてくれることが多いですね。

市場のお婆ぁとか、お爺ぃは、きちんと声掛けても、大げさに手を振って拒絶されたこともありましたが、20歳代以下で断られたことは一回も無かったです。

何せ、イブの晩、メシ喰いに南浦洞まで夜再び出た時、カメラ持ってなかったんですが、地下鉄ホームで並んだ時、真後ろの小姐が自分と同じくらいのスヌーピーだかのぬいぐるみを恥ずかしそうに抱えていて、目が合ったら、ニッコリ笑ってくれたので、サジヌル チゴド、ケンチャスムニカ?と声掛けたら、ウンと頷いてくれたので、スマホで至近距離で撮ったりなんかもしてますから・・・

しかし、ファストフード事情は日本と異なり、スタバのメニューも違うし、日本は撤退しちゃった欧米系のお店も幾つか有ったみたいですね。

尤も20数年前、初めてソウルに渡った時と違って、極力、ローカルフードを摂るようにしていたので、あまり縁はなかったみたいですが(笑)
  1. 2012/01/16(月) 23:09:10 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

今回は非常にバラエティーに飛んで楽しいです


細かく見てゆくと、文字とかも興味深いです。
また、若者の元気さは日本よりも天真爛漫な感じがイイです。

写りも二枚目がちょっと逆光でのハレーション位で、全体とても良く写っていますね。
  1. 2012/01/17(火) 22:15:39 |
  2. URL |
  3. treizieme ordre #-
  4. [ 編集]

treizieme ordre さん
有難うございます。
ホントは朝から晩までいろんなシーンに巡り合い、LX-5、スマホも駆使して、街の息吹を隅々まで撮って来たのですが、"こだわり"のブログを標榜しているため、敢えて掲載せず、シネレンズもしくは産業用レンズを使った銀塩メディア、もしくはそれに準ずる大サイズ撮像素子のM8で撮った画だけで構成してのカットです。

treizieme ordre さんもお仕事が一段落されたら、身軽なM型ライカかZeiss Ikon ZMとNEX5コンビの機動性を活かした、産まれ故郷?マイニラのタウンレポートなど期待してますよぉ~~~w
  1. 2012/01/21(土) 01:09:20 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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