深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Return to the China continent~GW香港&澳門ツアー①~

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【撮影データ】カメラ:Leica M8 絞り優先AE ISO Auto、レンズ:Leitz Elmarit28mmf2.8_3rd 全コマ開放
さて、まずはお詫びを申し上げねばなりません。
「来週は工房附設秘宝館から・・・」云々とか云いながら、GW前の公私多忙にかまけて、2日の朝便にて、約8年ぶりの香港に飛んで行ってしまったのです。

しかし、まぁ、今回のツアー編で初回登場のElmarit28mmf2.8の三代目はよくよく考えてみれば、まだ秘宝館には登場していなかったので、これはこれで良しとしましょう。

実は、香港、そして北京、上海、深土川は奉公先で海外向けの営業を担当していた頃、だいたい月一回か二回は必ず出かけていたので、ここ香港も、だいたい土地勘が有って、行ったことのある繁華街で撮ればそこそこいけるだろうと甘い考えで、8年ぶりに単身乗り込んだのですが、その考えは甘かったことをかなり思い知らされました。

まず、街自体が英語が殆ど通じない中国の一都会と化してしまったこと、そして、通りも、ビルも8年前とは相当様変わりしてしまったということです。

また、何よりも驚いたのは、今までの仕事のでの訪問では、必ず誰かしら現地人がアテンドしてくれていて、たまに1人の時間があっても、本当に金鐘とか銅鑼湾などの駅周辺の表通りや大きな店くらいしか訪ねたことがなく、M8とZeiss Ikon ZMのみを頼みに風の向くまま、気の向くまま街中を歩き回って、新たな風景の発見が多数有ったことです。

今週、来週、再来週と三回に分けて、香港、澳門編ご紹介致します。

では、さっそく、足跡を辿りながら、M8と純正広角レンズの描写を見て参りましょう。


まず一枚目。

空港から、エアポートエクスプレスで香港駅に着き、そのまま、中環駅から港島線に乗り継ぎ、宿の在る湾仔駅に向かいました。

時間的な感覚で云えば、丁度、羽田から上野に行くくらいでしょうか。

宿は湾仔駅から徒歩で5分以内の下町に在って、着いたのが真昼間だったので気付きませんでしたが、周りは、東京で云えば錦糸町か御徒町の裏通りみたいなカンジで、陽が暮れると、ちっちゃいフィリピンの小姐達が店先のスツールに腰掛けて、鼻の下の長そうな万国の男子を勧誘している・・・そんなカンジのエリアです。

宿には15時過ぎに着いて、チェックイン後、荷物を部屋に置き、M8のみ持って、再び街に出ました。

昔の常宿は金鐘のコンラッドだったので、隣駅の湾仔は土地勘が全く無かったわけではないのですが、所詮は駅周辺の表通りのみで、しかもファストフードで何か食べるか、お店でウィンドショッピングするくらいで、文字通り、表っ面を撫ぜただけだったようです。

宿から、大通りに向かうところの交差点で、珍しく、大型犬を連れた中国系住民が居たので、そっと斜め後ろに忍び寄り、一枚戴いたのがこのカットです。

以前は大型犬など連れている人など見たこともなかったのですが、これも、経済発展の賜物でしょうか、民度が劇的に向上してきた証ではないかと思いました。

そして二枚目。

引き続き当てどなく街を散策していると、ダブルデッカーバスとダブルデッカートラムが並走している大通りに出ました。

こういう時は知らん顔して、バス停でバス待つふりをして、地域住民各位のありのままをしらっと撮るのが一番です。

そこで暫し立ち尽くしてバスと乗客を待っていたら、来ました、来ました・・・東北方面の斯界の識者?が見たら、一発で萌えてしまいそうな、日本では珍しい白装束の制服にポニーテールの小姐生徒さんが颯爽と現れ、バスに乗り込まんとしていたので、一発必中、ほぼノーファインダ置きピンで撮ったのがこのカットです。

ダブルデッカーバスは東京駅周辺でも観光用のものを頻繁に見かけるようにはなりましたが、この密集した香港でこそ、輸送密度を上げるという本来の目的を果たすために存在しているのだと、張り出した看板すれすれで通り過ぎる姿を見て感じた次第です。

それから三枚目。

大通りを渡り、何やら色鮮やかなパラソルやらテント張り出しみたいなものが見える、裏通りに足を急がせました。もう、ガイドブックなど眼中にはなく、完全に好奇心と各地で鍛えた街撮りの勘のみによるナビゲーションモードです。

そこには、住み慣れたバンコックでも、シンガポールでも釜山でも、そして那覇でも見慣れたアジアのマーケットの姿が有りました。

そこで、また然るべきポジションに立ち、周りを睥睨してから、ここぞ、という時に必殺の一枚を撮れるよう、置きピン状態にして、獲物を待ちました。

すると、香港では"イケてる"と思しき若いカップルの男子のほうが小生のM8の派手なライカロゴ入りストラップを振り返りながら通り過ぎて行ったので、返礼とばかりに一撃お見舞いしたのがこのカットです。

店頭に並ぶカラフルな品々、人々の表情、そして連れの小姐の健康美が、アジアのマーケットのイメージみたいなものを象徴しているのではないかと思いました。

続いて四枚目。

湾仔には数回来ましたが、勘を頼りにどんどん奥地へと歩を進めたら、また面白い光景が目に入って来ました。

それは、築数十年の老朽ビルをバックに、現地ではメルセデス、BMWなどと並ぶ成功者のシンボルであるレクサスの最新型がその真っ白い磨き上げたボディに青空を映していたのです。

香港と云えば、中環や、金鐘辺りの最新の超高層ビルがひしめく、超近代的な大都会を想像しがちですが、その1~2km程度のエリアである下町、湾仔ではこんなノスタルジックな景色が今も存在し、そこには経済発展の証である純白のレクサスが佇んでいたのです。

こういった予想外のアンマッチが今も人を曳き付けてやまない、この街の魅力なのではないでしょうか。

更に五枚目。

また路地に在る小さなマーケット街を歩いていくと、お年寄りが買い物をしていて、たぶん、顔見知り程度の若い小姐でしょうか、色々と話しをしながら、一緒に品定めをしている光景に出くわしました。

そこで、脇に居たお店番の兄ちゃんに英語で撮らせて貰うよ、と断りましたが、全然判っていないようなので、文句を言われるでなし、適当なポジションを決めて、一枚戴いたのがこのカット。

いつもは28mmでスナップすることはあまりなく、間合いを掴むのに一苦労しましたが、いつもの35mm~50mmでのスナップとは一味違う仕上がりになったのではないでしょうか。

思うに、全てが雄大で渾然としている中国大陸では、28mm、M8では37mm換算位が標準レンズなのではないかと。

まだまだの六枚目。

きょとんとしている店番の兄ちゃんにサンキュー、再見!とか適当に礼を述べ、その場を立ち去り、更にマーケットの奥へと歩いて行きました。

すると、かなり活気がある魚屋さんがあり、おばさんとお婆さんで賑わっています。

人垣を掻き分け、確かめてみれば・・・ははぁ~ん、結構渋めの兄ちゃんが苦みばしった顔で、切り身を作ったり、袋詰めしたりしていて、老小姐達は、その兄ちゃん目当てに群がっているのではないか、と推察するに至りました。

しかし、面白いのは、カメラを構え、兄ちゃんに写真撮ってもよかね?と聞いたら、指でオーケー印を出してくれたのですが、カメラを構えた途端、周りの品定め中の老小姐の人垣はさっと退いて、逃げ遅れた3名だけが画面に残ったということです。

最後の七枚目。

お店の兄ちゃんと、老小姐達にお礼を述べて、その場を後にし、更に小一時間ほど撮ったり、ローカルカフェでお茶&ケーキしたりして、陽が沈んでから宿に戻りました。

彼の地は日中気温が30℃近くあり、汗でじっとりしてしまったので、ディナー前にカメラを置き、シャワーなぞ浴びたかったからです。

そのホテルへの道すがら、ワンブロック前の交差点に、お洒落なオープンカフェが在り、そこで如何にもこの地で働く白人のキャリアウーマンよ!ってなカンジの西洋的老小姐が同僚を侍らせて、一杯引っ掛けていたので、魅せの全景を撮るフリして一枚戴いたのがこのカット。

たまたま写り込んだ現地人の男子の姿が被写体ブレしているのも、結構、画的には気に入りました。

8年ぶりの香港ながら、この街は、舞い戻って来た風来坊の旅人に暖かい懐を再び開いてくれたような気がしました。

さて、来週は、有名な?「マカオのおかま」を探しに高速船で彼の地を初訪問したレポートです。

どんな風景、出会いが待っているやら・・・乞う御期待。

テーマ:旅行の写真 - ジャンル:写真

  1. 2012/05/06(日) 22:00:00|
  2. 旅写真
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  4. | コメント:2
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コメント

これはあっさり目の香港情景

また珍しくソフトフォーカスがどこにも見えないなあと思ったら、普通のエルマリートでしたか。
昭和幻燈航路の様な画像を目にしていたので、一瞬「レンズの仕上げ方を変えた?」と思ってしまいましたよ。

市場の情景が良いですねえ。こういうシーンは懐かしさもあって見入ってしまいます。

それにしてもバナナを吊るして売っている写真は色彩も豊かで自分もこういうのを撮ってみたいものです。
それと向かって左側の梨も、良い色ですね。
  1. 2012/05/09(水) 00:16:40 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:これはあっさり目の香港情景

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
今回は、フィルムでライカ純正レンズを使い、M8でシネを使おうと思ったのですが、初日はR-D1s以外では使ったことがなかったElmarit28mmf2.8の三代目の現地の光線状態での発色とか、ボケを見たいがために、ホテル近傍の湾仔一帯をM8でテストランしたんです。

やはり、自分でも良く撮れていると思います。全く、破綻はおろか、隙さえ見せない描写だと思います。

ただ、やや面白みにかけるきらいはありますが・・・

例えば、シネレンズのように被写界深度のド真ん中で撮った時の鳥肌が立つようなエッジ表現などはムリです。

オリジナルレンズの甘い結像ばかり見せつけられてきて、こんなのがいきなり出てきたら、違和感感じて当然かもしれませんね。

それにしても、香港の裏通りのマーケット、色と音が溢れていて、日本が失いかけている、社会の活気みたいなものをそこここで感じさせてくれました。

御家族旅行は沖縄も素晴らしいですが、是非、次回は香港・マカオをお勧め致します。
  1. 2012/05/09(水) 22:03:35 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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