深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Fragmente eines Traumes von Astronomen~Astroberlin Pantachar35mmf2.3mod.M①~

Pan-Tachar35mm.jpg
pan_tachar35mm_01.jpg
pan_tachar35mm_02.jpg
pan_tachar35mm_03.jpg
pan_tachar35mm_04.jpg
pan_tachar35mm_05.jpg
pan_tachar35mm_06.jpg
【撮影データ】カメラ:R-D1s 絞り優先AE ISO200、全コマ開放、ロケ地:成田市
さて、今宵のご紹介は工房作品+夏祭りシーズンの出張ロケということで、二週連続同テーマで行きます。
まずこのレンズの氏素性を簡単に御説明しますとドイツのアストロベルリン社が、映画撮影用カメラ用のレンズブロックとして、1950年の半ば頃に販売したものと思われます。

構成は4群4枚、ちょうど、トリプレット型の最後群を2分割したような構成です。

しかし、驚くなかれ、当時の硝材や設計技術ではトリプレットではムリしてせいぜい、f2.8の開放ですが、この1枚オマケの構成はこのf2.3のほか、なんとf1.8までラインナップしていたのです。

また、このレンズ、さすがにArri社と組んでいた、シュナイダーやツァイスまではいかないまでも、25mmから255mmまで13種類のラインナップをf2.3シリーズで揃えており、この構成で25mmまでf1.8でリリースしていたというのには、今さらながら驚かされます。

では、さっそく、今回の実写例を順次見て行きましょう。

門前仲町から東西線、日本橋で京成線直通の都営浅草線に乗換え、京成成田駅に降り立ったのは、陽もピークをやや過ぎた14時半過ぎでした。

成田山新勝寺へ真っ直ぐ向かうのであれば、京成の方が近いですが、人の出、参道の出店具合いからして、JR線の駅前から歩いて行った方がシャッターチャンスに遭遇する可能性が高いのは前回の経験則で判っていましたから、京成駅からJR駅まで連絡通路を通って歩きます。

JR駅の正面までやって来たら、浴衣の女子中高生達が楽しげに座ってスマホンいじったり、仲間とくっちゃべったり、もう日本のお祭りの原風景そのままです。

こりゃなかなか期待出来る空気だなと1人ごちて、カメラを首、肩から提げ、参道へ向かいました。

ここでまず一枚目。

駅ロータリーから、参道に左折する辺りの露店の重なり合う低いひさしの下を通り抜け、ふと振り返ると、人ごみに疲れたのでしょうか、若いお母さんの肩の上でスヤスヤと眠るいたいけな小々々姐の童子の寝顔が目に留まりました。

そこで反射的にシャッター切ったのがこのカット。

ピンは童子の眼に合わせていますが、結構、後ろを通り過ぎるカップルと思しき女性の関心も惹いてしまったようで、しっかりカメラ目線くれてます。

しかし、背後はこのレンズ一族固有の宿痾(しゅくあ)とも云うべき、非点収差による見苦しいぐるぐるが出てしまって、ちょっと残念な気がしました。

そして二枚目。

シャッター音に気付いたオモニが顔を上げたので小声で一枚戴きました、と告白し、少し頭を下げたら、笑顔で頭を下げ返してくれたので、もういっぺん挨拶して、かなりイイ気分でその場を後にし、参道目指して行きました。

もちろん、ただ漫然と歩こう筈もなく、二台のカメラにいつでもモノ云わせん!とばかり、鵜の目鷹の目、周囲を物色しながらのそぞろ歩きです。

すると、居ました、居ました、浴衣も可愛い小姐が居酒屋さんの店頭で焼き鳥だか、フランクだったかを売っていました。

買う気もないのに小姐に声を掛けるのも、何か申し訳ない気がして、少し気が引けたのですが、そこはそれ、いちいち、買い食いしていたら、お腹とお財布が持たない!といういつもの冷徹な撮影哲学で己の弱い心を克己し、精一杯の笑顔で、声を掛けました。すると、この見た目は愛くるしい小姐、えっアタシですか!?とかしらばっくれた反問なんかして来たので、多少笑顔を引き攣らせながら、他に誰が居るとですか?ハィハィ!写真撮られるのもお店の宣伝!売上高増進のためにヨロシクね♪とか多少上から目線の説教モードでお願いしてのカットがこの一枚。

かなり直射日光の強い表通りで撮ったにしては、小姐のキレイな金髪?も一本一本のキューティクルの状態が診断ン出来るくらいのシャープさで写っていますが、肝心要の薄ピンクの着物がハイライトで飛んでフレアになってしまったのは、御愛嬌ということで。

それから三枚目。

陽気でノリが良く、しかも気前の良い、典型的な千葉娘みたいなお店の看板小姐にお礼を述べ、再会を約し、その場を後にしました。

ロータリーから続く道を左に折れ、いよいよ新勝寺の参道です。

ここでも当然、声を掛けたら撮らしてくれそうな方々や、撮ってから必要に応じ、お礼を述べれば良さそうなシャッターチャンスを物色しながらそぞろ歩きです。

すると、居ました、居ました。お母さんと一緒に石柱の柵際で名物?杏飴なんか堪能している小々姐が目に留まりました。

そこで、すたすたと歩み寄り、ご本人ともお母さんとも決めて掛からずに「美味しそうですね♪ 食べてるとこ一枚撮らせて貰ってイイですか?」と声を掛けさせて戴き、お母さんの演技指導?も入ったとこで、一枚戴いたのがこのカット。

撮らせて戴いた後、拙ブログの名刺などお渡しして少々お話しさせて戴きましたが、この笑顔、とってもステキでしたね☆ もし、小生宛メールなり、管理人限りのコメントでメアド教えて戴ければ、このカット、大きく引伸ばせるようデータ加工してお送りさせて戴きます。

続いて四枚目。

ますます登り調子になった工房主は、更に参道をキョロキョロしながら進みます。

この日はお祭りにつき、車両一切締め出しということで、参道脇の駐車場が全て露店が集結したイベントスペースみたいになっています。

ここでも、結構イイカットが撮れたので、ためらうことなく入って行きました。

すると、あの居酒屋のノリのイイ小姐と同じオーラを放つ小姐達一個分隊が居ました。

かき氷か何か露店で買い求め、お金の精算と財布への収納を行っています。こういう時は焦らず、相手の一連の行動が一段落するまでじっと暖かく見守ることです。

やっとリーダー格?のブロンズの小姐が顔を上げてくれたので、お待ち申し上げておりました。ブログネタに一枚撮らせて下さいね、とか多少強引、否応なしにモデルさんになって!のお願いです。

最初はブロンズの小姐と浴衣の小姐だけ横位置で撮ってみたのですが、これでは身長差のため、精一杯大きな口を開け、きゅうりだかを頬張って、カメラ目線くれてたおチビさんに申し訳ないので、図らずも縦位置の全身像も撮らせて戴いた次第。

ただ、残念だったのが、ちょっと露出オーバーで楽しげな雰囲気が少しスポイルされちゃったのではないかと言うこと。

何なら、来週、佐原祭りに来ますか!? もっと完璧に撮り直しした上で、大きく焼いて、フレームに入れてプレゼントしますんで。

まだまだの五枚目。

美小姐3人組にも名刺などお渡しして、拙ブログの宣伝など行い、その場を後にしました。

また鵜の目鷹の目で参道をそぞろ歩きしていると、へへへ、居ました、居ました。祭り装束の小姐ご一行様が旨そうにかき氷などを堪能しています。

こういうシチュエーションは、100%断られることが無いと経験則が教えてくれます、佐原だろうと川越だろうと、太田だろうと、栃木だろうと・・・

そこで、自信を持ってリーダー格と思しき小姐に、旨そうですね、みんなで美味しそうに食べてるとこ、ブログネタに一枚撮らして!とお願いし、その後、やれもっと寄ってくれだら、目線をキチンと寄越してくれだら、鬼カメラマンに急変し、やっとダメ出し終え、シャッター切ったのがこのカット。

あんまし煩いこと云ったので、撮った後、お礼を述べても、即座におしゃべりモードにレヂュームし、はぁ何でござぁいましょうか?てなカンジの何処吹く風状態だったのが、ちょいマズかったかなぁという本日の反省点です。

最後の六枚目。

更にきょろきょろしながら参道を歩いていくと、小さな小さな魚屋さんならぬ、飲物屋さんが居たので、声を掛けて撮らして貰いました。

ここでもピーカンの日照下だったので、白っぽい衣装は完全にすっ飛びハイライト状態。でも、お祭りのハレの日の楽しげな雰囲気は充分伝わってくるのではないでしょうか。

ところで、撮らせて貰ったあと、ふと下を見るとスイカソーダなる見慣れない飲物がたったの100円・・・こりゃ、まぁ縁起付けに買い求めて味見するのも悪くはないわいと思い、小々姐に100円玉を渡し、品物を受け取り、お店の横手の長い塀沿いの裏道で呑んでみれば、咽が渇いていたこともあって、結構旨い!来週、佐原行きの際、宿泊地は成田に取る予定だから、見つけたら、また買ってみよう。

さて、今週アップ分6カットではまだまだ新勝寺まで辿り着きません。そこで、新たな出会いも含め、次週も同じくPantachar35mmf2.3による成田からのレポート続けさせて戴きます。乞う御期待。

テーマ:街の風景 - ジャンル:写真

  1. 2012/07/08(日) 23:59:18|
  2. Mマウント改造レンズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:5
<<Fragmente eines Traumes von Astronomen~Astroberlin Pantachar35mmf2.3mod.M②~ | ホーム | A great riddle from stock yard~Zeiss Sonnar5cmf2 L39~>>

コメント

あまり演技指導しちゃあきませんがな。

それで5枚目の少女たちの表情が微妙に強張っている様に見えたのですな。

ロベール・ドアノーばりにやるのも良いですけど、あくまで撮らせてもらっている立場は認識しときましょうよ。

それはそれとして今回のアストロベルリン、現代レンズと似たような映りですね。
いつものシネレンズの様なグルグルが出てこないので不思議ですね。
  1. 2012/07/09(月) 00:47:47 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #aYDccP8M
  4. [ 編集]

ウーン

ウーンこの時代のシネ用のレンズは概してフルサイズぐらいまでイメージが有りますね、まあ設計に計算尺使っていた時代ですから、
今の人には計算尺と言っても理解出来ないかも知れませんが?私も電卓が安くなるまでは計算尺使用していました、
又シュミレーションなど出来ない時代では試作玉を空中像で見たり、投影検査機で見たりと大変な時代でしたので、
イメージサークルが結構大きくしないと性能が上がらない事も有り苦労していたようです。
画面周辺のボケ具がいや流れが極端に暴れていないのが良いですね。
  1. 2012/07/09(月) 20:22:57 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

Re:あまり演技指導しちゃあきませんがな。

出戻りフォトグラファー さん
有難うございます。
ははは、今回はちょいと調子こき過ぎました(苦笑)
でも、今週末の佐原が本番なので、これを反省点として真摯に向き合い、決して美小姐達の御好意にあぐらをかくことなく、傑作をモノにしたいと思います。

なお、このアストロベルリンのモダンな写りは、R-D1sによるものではないかと・・・何せ135判からちょい4隅が黒くなるかなぁくらいの広大なイメージサークルと引き換えにフィルムで撮ると、四隅は近距離では結構暴れますよ。

これに引き換え、32mmのガウスタッカーは135判を軽々カバーし、まったく暴れない不可思議なレンズとしか評しようがありませぬ。
  1. 2012/07/09(月) 23:20:03 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

R:ウーン

hiroさん
有難うございます。
今回の画面で四隅まできっちり写っているように見えるのは、R-D1sのAPS-Cだからぢゃないかと思います。(いつもながら紛らわしくて申し訳ないです。)

前にもご覧戴いたのではないかと思いますが、モノクロフィルム詰めたツァイスアイコンZMで撮ったら、遠距離では4隅に影が出来、近距離ではイメージサークルは膨らむものの、流れというか、見苦しいぐるぐるが認められる、というカンジでした。

やはり、このレンズが一番相性イイのは、APS-HのM8系列ではないかと思います。

これだと、イメージサークルの陰りも、四隅の流れお気にならず、かといって、35mmの広角のテイストもスポイルされないからです。
  1. 2012/07/09(月) 23:25:08 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2012/07/15(日) 23:56:17 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集]

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://pwfukagawa.blog98.fc2.com/tb.php/279-fc8f72d2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

charley944

Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

FC2カウンター

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる