深川精密工房 [Fukagawa Genauigkeit Werke GmbH]

深川精密工房とは、一人のカメラマニアのおっさんの趣味が嵩じて、下町のマンション一室に工作機械を買い揃え、次々と改造レンズを作り出す秘密工場であります。 なお、現時点では原則として作品の外販、委託加工等は受付けておりません、あしからず。

Il DNA è stato lasciato alle spalle il più denso di Edo~佐原夏の大祭'12①~

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【撮影データ】カメラ:1、2枚目、4~6枚目;Leica M8 絞り優先AE ISO Auto、3、7枚目;EPSON R-D1s 絞り優先 3枚目ISO200、7枚目ISO800
レンズ:1、2枚目;Leitz Elmarit28mmf2.8三代目、3枚目;東京光学Simlar5cmf3.5、4~6枚目;Leitz Summicron50mmf2三代目、7枚目;Angeniuex35mmf2.5改M
さて、今宵のご紹介は、いよいよ夏本番、待望の佐原夏の大祭'12からのレポートです。

佐原という街には、歴史的な佇まいと、たゆたうが如き時の流れ、そして温厚な土地の人々の大らかで優しい心根に感ずるものがあって、ここ深川に居を構えたのと同じくらい昔から訪れていたのですが、夏祭りにやってきたのは初めてだったのです。

なんとならば、7月の海の日込みの3連休にはほぼ例外なく年休をくっつけて、沖縄か海外に遊びに出かけてしまい、佐原のお祭りは気候が良くなる頃の秋祭りにのみ泊りがけで出かけていたからです。

しかし、今年は、奉公先が別の大店と合併するとのことで、諸事雑事が小生のような浮き草志向の奉公人にも容赦なく降りかかり、年休どころではなくなってしまったので、それならば、ということで、今回は豪奢にも成田の駅前ホテルに2泊とって、土曜日の朝から日曜の夕方まで徹底的に楽しませて貰うこととしたのです。

7月14日の初日、土曜日は、10時過ぎの電車で佐原に向かえば、11時前に着いて、お昼前から数百前は撮れるだろうとの甘い目算は、駅に着くと、即座に崩れました。

というのも、成田線の銚子区間が信号機故障で下りが運転見合わせで、しかもバスも12時22分までありません。

駅の待合室で注意深くアナウンスを聞き取り、状況が変われば、すぐ事を起こせるようスタンばっていたのですが、駅員諸氏もこういう状態に馴れていないのか、指示、アナウンスは二転三転し、振替バスの用意するから、佐原へのお客さんは並んでくれ、と云ったかと思えば、次の千葉への折り返し電車が佐原までなら運行出来るかも知れないから、それを待ってくれ、と云ってみたり、やはり出来ないことになったから、バスまで移動してくれと、長蛇の列の向きを変え始めた頃、銚子からの上り電車が折り返し運行出来そうなので、そちらに乗ってくれと言い出したのには、お客は全員カンカン状態、しかも、担当駅員氏は、電車の方が佐原ならバスより間違いなく早く着きますから、バスに乗り切れない、列の後ろのお客様は電車にして下さいと云って5分も経たない頃、やはり、振替バスは出ないことになりましたから、皆さん、これから入線する成田線の電車に御乗車下さい・・・こんなやりとりで、結局、電車に乗って佐原に着いたのが12時も10分くらい回った頃。

それでも、まぁ、天気は望外の好天で、人も少なかったので、撮影自体はちゃっちゃと捗ったってことです。

さて、まずは一枚目。

駅から降りて、観光案内所方向のいつものお祭りロードを歩いていくと、あれれ、秋の賑やかさというか、祭り衣装の人々も露店も全く無い。

え、どうしたのか?と思いつつ、駅の案内で貰った案内図を見てみれば、な~るふぉど!秋祭りは主に小野川の西側、夏祭りは東側で行われているので、佐原駅が川の西側に位置しているので、夏祭りの時は、意外と閑散感アリなのだと納得しました。

正確には、夏が八坂神社という町の東側に鎮座まします神社のお祭りで、秋が諏訪神社という西側の小高い丘の上の神社のお祭りということでした。

勝手知ったる他人の台所よろしく、佐原の主要エリアは眼をつぶっても何処でも最短ルートで行き来出来ますから、お祭り会場の香取街道には、ちんたらちんたらと写真撮りながらでも15分も経たないうちに着き、ここからが、レディゴー!鬼の撮影修錬の始まり始まり、です。

そんなキブンの高まりとともにキョロキョロと被写体を物色しながら歩いていたら、ふと眼に留まったのが、古い町並みの横道へと楽しそうに談笑して歩いていく、祭り衣装の小姐3人組の後姿でした。

これはもう戴くしかありませんね、と格好のロケーションに感謝しつつ、シャッター切ったのがこのカット。

関東三大祭と言われ、その筆頭とも目される佐原祭りながら、こういう、村祭り的な緩い雰囲気がそこここに漂うカンジが人を惹きつけてやまないのではないでしょうか。

こういう裏道、横道、路地裏系スナップにはElmarit28mmf2.8は他を寄せ付けない威力を発揮します。

それから二枚目。

とにかく、イイカットを撮るには、人が多いところへ向かわねばなりません、ましてや、お祭りというのは、日常生活とは隔絶された「ハレ」の場ですから、写真を撮ったり撮られたりは、もう挨拶代わりみたいなもんです。

そこで、一仕事終えて、かき氷にありついている、まさに江戸勝りを絵に描いたような、粋でいなせなお姐さん3人組にちょいと声かけて、撮らして貰おうとしたら、「普通モードがイイですか、それともばっちし目線モードにします?」とか面食らうようなこと云われ、ははぁん、この姐さん達、撮られ慣れしとるなぁとか思い、即座に「ぢゃ、スーパーナチュラルモードでお願いします、拙者をタダの風と思ってそのまま食べてて下さい」とか云ったら大ウケ、「お兄さん、超ウケ過ぎ~!」とか云いつつも、真顔に戻り食べ始めたところ、一枚戴いたのがこのカット。

さすが貫禄の向かって右端の女性は極めて自然ないかにも楽しげな笑顔を演じてくれてますが、他の2名は、役者やのぉ~とか云って、今にも噴出しそうな表情です。

それから三枚目。

いずれも演技派で気立ての良い、姐さん3人組に心より撮影協力の御礼を申し上げて、また被写体探しの彷徨は続きます。

7月も中旬云と云えば、暴力的な暑さとレーザービームの如き強烈な直射日光を想定していましたが、梅雨が明けるか明けないかのギリギリボーダーの時点だったので、半袖シャツに綿パンであれば、かなり快適に動き回って撮れるというお天気具合だったのがラッキーでした。

忠敬橋方面に小野川を上っていくと、ちょうど山車が方向転換しようとしているところに出くわし、若い力で必死に舵棒を押している兄さんの健気な姿が目に留まり、瞬時に構図とピン決めてシャッター切ってました。

現代社会では、仕事でもスポーツでも、なかなかこういう必死!という文字が顔に張り付いているシーンを目にすることは稀で、やはり、佐原のお祭りってイイなぁ・・・と思った次第。

このカットはR-D1sにSimlar50mf3.5という、M8にライカの純正レンズを装備した最強の組み合わせに較べれば、やや庶民的なコンビですが、それでも、スペックからは想像も着かないような迫力有る端正な描写で、今やドイツと比肩し得る光学大国、日本の意地を遺憾なく発揮していると思いました。まさに「栴檀は双葉より芳し」の格言の通りでした。

続いて四枚目。

山車の傍に付き添う、世話役のヲヂさまに黙礼してその場を後にし、小野川伝いの道を与倉屋の大土蔵方面に歩いて行くと、祭り装束の童子達が、拍子木を打つ鍛錬をしていました。

お姐ちゃん達に囲まれ、いたいけな男の童子も腕を目一杯に広げ、やる気満々漲っています。

そんな幸福そうな瞬間を抜き打ち的に一枚戴いたのがこのカット。

撮った後、「今のこんなカンジだわな♪」とか童子達に見せて上げたら、なかなか評判良かったので撮った本人も満更ではなく、今回、ご紹介する中に当選した次第。

さすが名だたる三代目Summicron50mmf2、被写界の、手を触れたら斬れんばかりのシャープさと背景から浮き上がるが如き立体的描写ですが、後ボケは解像力の代償か、やや芯が残ってざわざわしています。

続いて五枚目。

リーダー格の小姐に鄭重にお礼を述べ、また小野川のほとりを散策しながら、被写体を探しました。

すると、いかにも温厚そうなヲヤヂさんが、愛くるしい年端もいかないお嬢さんを肩車してすれ違っていきました。

これだ!と閃いた工房主は、すぐに追いすがり、「歴史的街並みの前で、お嬢さん肩車しているところ、撮らして下さい」とお願いし、快く応えて戴いて撮らせて戴いたのがこのカット。

この時間、15時も30分ほど回り、午後の太陽がもう一仕事とばかりに照らしてきて、夏そのものといった頃合いでしたが、このほのぼのとした雰囲気は、夏祭りではなく、菜の花咲く頃の初夏の佐原に迷い込んだのでは、といったイイ雰囲気に描けたのではないかと思います。

ここでは、背景はなかなかイイ按配にボケて、うるさくない作画になったのではないでしょうか。

お父さん、もし拙名刺のアドレスにメールか、ここのコメント欄に「管理人のみ閲覧」でメールアドレスいただければ、大きくプリント出来るよう写真データ送らせて戴きますので、どうぞ御遠慮なくお申し付け下さい。

まだまだの六枚目。

お二方に鄭重にお礼を述べ、ブログ名刺などお渡し、香取街道沿いの祭り休憩所に充てられている「三菱館」に立ち寄って、冷たいものを頂き、小休止、そしてレンズをまた交換しました。

16時過ぎから佐原囃子の手踊りが行われるというので、再び、カメラ二台の臨戦態勢で、香取街道の大通りを目指しました。

すると、先ほどの拍子木社中の小々姐をはじめとして、いつもの夏祭りでは見かけない小々姐達が大通りの小堀屋本店周辺に大勢集まって、軽妙で洒脱な佐原囃子に合わせて演舞を行っています。

その演舞の合間に、一番手近に居た小々姐が夕陽を浴びながら先達の大人に手拍子の稽古をつけて貰っているところを一枚戴きました。

いつもの秋祭りでは、それぞれの山車の先導をつとめる手古舞社中の小姐の小~中規模の短い踊りですが、この夏祭りの演舞は、まさに規模、場所ともに圧巻で、ギャラリーは十重二十重に取り巻いていました。

その先頭付近で撮れたのは、まさにラッキー以外の何物でもありませんでした。

最後の六枚目。

手踊り演舞が終わってから、また川沿い中心に被写体を求め徘徊し、やがて18時になって、いっせいに山車に灯が点されたので、様々な位置やアングルで撮影を試みましたが、そのうち、19時過ぎ、陽も沈み宵の口に入り、山車が年番交替の行事を経て、再び夜間の運行を始めようという時、先頭の仁井宿の山車が最後尾に移動しようとターンを始めたところを忠敬橋の欄干横の少し高いところから撮ったカットです。

さて、夏祭りの雰囲気は充分に伝わってきましたでしょうか。

来週は、翌日曜日のお昼前から夕刻までの渾身の撮影結果をレポート致します。乞う御期待!!

テーマ:日本の祭り - ジャンル:写真

  1. 2012/07/22(日) 21:00:00|
  2. 旅写真
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:4
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コメント

今年フォトコンに応募するなら、3,4,6,7のうちから3枚を。

相変わらずの安定感ですわね。

で、今年も多分例のところでフォトコン開催はあると思うので、ぜひご応募の程お願いいたします。

こういう祭りの被写体に寄った写真の方が印象は良い筈ですし。

それにしてもエルマリートやズミクロンが並ぶ中でシムラーが良い色合いになってますね。
さすが日本製。そつがないです。

5枚目は意図はわかるのですが、フォトコンに出すとなると背景がぼけすぎて、言われないとどこで撮ったかが判らないというカウンター意見が出るかもしれませんねえ。

個人的には好きなんですけど、こういう親子の絆って感じの写真は。
  1. 2012/07/22(日) 21:45:51 |
  2. URL |
  3. 出戻りフォトグラファー #liuN1Pm2
  4. [ 編集]

Re:今年フォトコンに応募するなら、3,4,6,7のうちから3枚を。

出戻りフォトグラファーさん
有難うございます。

こういうお祭り系の接近戦&白兵戦写真ってのは、まさに間合いとリズム取りがモノ云いますから、成田祇園でのリハは予想以上の成果だったような気がします。

それはそうと、まぁ、フォトコンには次回もお付き合いさせて戴きますが、何せ1800枚以上も撮って来たので、今回アップしたのとはシ-ンは同じでも、若干テイストの違うものでチャレンジしたいと考えています。

それから、シムラーの期待以上の優秀さ、まさにR-D1sとの相性の産物なのでしょうね。

来週分も既にセレクト終わっていますから、どうぞお楽しみに♪
  1. 2012/07/23(月) 00:03:57 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

いやはや

撮影に行く頻度とレンズマウントの改造にはいつも感心されます。

この画像もレンズごとの特徴が色濃く出ていて見事というほかありません。

脱帽です。
  1. 2012/07/31(火) 18:00:04 |
  2. URL |
  3. hiro #xPR/ZykM
  4. [ 編集]

Re:いやはや

hiroさん
有難うございます。

確かに丸々一日ヒマが有ったら、家で旋盤回しレンズ改造始めてますし、二日以上丸々ヒマだったら、もう何処かに撮りに出かけてますね。

要は"じっとしてられない子"なのかも知れませんね。

なお、今回は、サブテーマを「銀塩トップクラスレンズとシネレンズのタイマン」と心に決めていたので、それなりに適材適所で撮れたんぢゃないかと思います。

なお、秋風が吹く頃には写真界の武道館にも等しい日本カメラ博物館附設ギャルリでの写真展有ります、賢兄におかれましても暑さに負けずにどんどん撮って下さい。
  1. 2012/07/31(火) 22:19:11 |
  2. URL |
  3. charley944 #SFo5/nok
  4. [ 編集]

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Author:charley944
今を去ること60年前、古き佳き江戸情緒の残るこの深川の地に標準レンズのみを頑なに用い、独特のアングルにこだわった映画監督が住んでいました。その名は小津安二郎。奇しくも彼の終いの住まい近くに工房を構え、彼の愛してやまなかったArriflex35用標準レンズの改造から始まり、忘れかけられたレンズ達を改造し、再び活躍させます。

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